JP4315710B2 - 除電器 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、コロナ放電により空気をイオン化する除電器に関し、より詳しく、イオン化した空気を、チューブやノズルなどの外部小径管を通じてワーク(除電対象物)の近傍まで搬送する形式の除電器に関する。
【0002】
【従来の技術】
除電器を設置するスペースが無い狭い所での除電や、チューブの屈曲性を利用した可動部の除電にチューブ搬送式除電器が活用されている。
【0003】
コロナ放電により空気をイオン化する除電器は、AC(交流)方式とDC(直流)方式の2種類に大別することができるが、その基本原理は、放電電極に高電圧を印加してコロナ放電を発生させ、このコロナ放電により空気をイオン化する点で共通している。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−138090号公報
【0005】
特許文献1は、正負のイオンがチューブ内で打ち消し合うのを回避できるように、交流周波数を1kHz以上に設定した高周波ACによるチューブ搬送式除電器つまりイオン生成装置を提案している。図1、図2は特許文献1に添付の図の一部である。図1を参照して、従来のチューブ搬送式除電器1は、空気流路に設けられた拡大室つまりイオン生成室2を有する。イオン生成室2は、その上壁に空気流入ポート3を有し、この空気流入ポート3は、コンプレッサなどの空気供給手段4に連通している。イオン生成室2の下壁にはイオン化空気流出ポート5を有し、このイオン化空気流出ポート5には可撓性導気チューブ6が連結されている。
【0006】
イオン生成室2には放電電極7が設けられ、この放電電極7は、空気流入ポート3とイオン化空気流出ポート5とを結ぶ軸線に沿って配置されている。対向電極は、実質的に、イオン化空気流出ポート5の回りの下壁8で構成され、この下壁8は接地されている。
【0007】
放電電極7には交流高電圧電源9からAC電源が供給される。交流高電圧電源9は、図2に例示するように、商用電源10を電源とする直流回路11及び発振回路12を有し、発振回路12からの高周波電圧を昇圧するトランス13の出力を高電圧ケーブル14を経由して放電電極7に供給するようになっている。
【0008】
従来のチューブ搬送式除電器1は、放電電極7に所定の電圧を印加してコロナ放電を発生させ、これにより、イオン生成室2に圧送される空気をイオン化し、次いで、イオン化した空気を、流出ポート5、可撓性導気チューブ6を通じてワーク(図示せず)の近傍に吐出する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、チューブなどを通じてイオン化した空気をワークの近傍まで搬送する形式の除電器は、イオン化した空気を外部小径管を通じて搬送してワークを除電するものであるが、外部小径管から吐出される空気の力で、ワークに付着した埃を除去できるという利点を含む。
【0010】
埃の除去だけを目的とするのであれば、空気の流量を大きくした方が効率的であるが、吐出する空気によってワーク自体が飛散してはならないため、外部小径管から吐出する空気の量を調整する必要がある。また、ユーザ毎に意図する目的や程度が異なることから、ユーザ毎に外部小径管から吐出する空気の量を変化させることのできる機能を付加するのが望ましい。
【0011】
しかし、空気の流量を変化させると、外部小径管内の圧力損失により放電電極の回りの気圧が変化してしまい、例えば、放電電極回りの気圧が相対的に低くなり過ぎるとオゾンやNOxの大量発生の虞があり、他方、放電電極回りの気圧が相対的に高くなり過ぎると放電が停止してしまう虞がある。ちなみに、放電開始電圧は、放電電極回りの気圧と共に高くなる性質を有する。
【0012】
そこで、本発明の目的は、チューブなどの外部小径管から吐出する空気の量を変化させたとしても安定した空気のイオン化が可能な除電器を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
かかる技術的課題は、本発明によれば、
トランスにより昇圧されるDC電圧を夫々プラス側及びマイナス側の放電電極にパルス状に印加してコロナ放電により供給される空気をイオン化し、イオン化した空気を外部小径管を通じてワークの近傍に吐出することによりワークの除電を行う除電器であって、
少なくともプラス側又はマイナス側の前記トランスの一次電圧を調整する電圧調整回路を備え、放電によって生じるパルス状の電流の有無によって放電状態を検出し、前記パルス状の電流が検出されない場合に前記トランスの一次電圧を上昇させると共に、前記パルス状の電流が検出された場合に、該検出された電流値が目標値となるように前記トランスの一次電圧を調整するパルス状電流検知手段と、
前記供給される空気の量の変化に応じて、前記放電電極に印加する電圧を調整することのできる印加電圧調整手段を有することを特徴とする除電器を提供することにより達成される。印加電圧調整手段は例えば手動の電圧調整ダイヤルを設け、これをマニュアル操作することで放電電極に印加する電圧を調整するようにしてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態では、適切なコロナ放電が行われているか否かを検出する放電検出手段を更に有する。この放電検出手段により、適切なコロナ放電が行われていないことを検出したときには、前記印加電圧調整手段により所定のコロナ放電状態になるように放電電極に印加する電圧の調整するフィードバック制御を行うことができる。
【0015】
上記の放電検出手段としては、放電電流を検出するようにしてもよく、放電電極回りの気圧(圧力)を検出してもよく、或いは、供給される空気の流量を検出してもよい。
【0016】
例えば、放電検出手段が放電電流を検出する手段から構成されているときには、検出した放電電流の値が例えば所定の電流値よりも小さいとき、つまり放電状態が弱すぎるときには放電電極に印加する電圧を高めることにより適切なコロナ放電を実行させることができる。逆に、検出した放電電流の値が例えば所定の電流値よりも大きいとき、つまり放電状態が強すぎるときには放電電極に印加する電圧を下げることにより適切なコロナ放電を実行させることができる。
【0017】
これにより、供給される空気の量の変化に対して、放電電極に印加する電圧の値を適正化することができ、放電電極に不十分な電圧を印加することによるコロナ放電の未発生や、放電電極に過剰な電圧を印加することによる火花放電の発生による除電能力の低下やオゾンの多量の発生を防止することができる。
【0018】
DC方式の除電器であるから、放電電流を検知する方法として、抵抗によって直流電流を測定してもよく、また、放電により発生するパルス状の電流を検知してもよい。DC方式の除電器であるから、直流電流の平均電流値を知ることによって、簡単に且つ正確にコロナ放電の強さを測定することができる
【0019】
放電電極回りの気圧(圧力)を例えば圧力センサを設けることで測定してフィードバック制御を行うのであれば、予め圧力と放電電圧との関係を求めておき、これをテーブルとして用意しておけば、検出した圧力に応じた最適の電圧に調整することもできる。同様に、空気の流量を計測してフィードバック制御を行うのであれば、予め流量と圧力との関係を求めておき、これをテーブルとして用意しておけば、検出した流量を圧力に変換することで最適の電圧に調整することができる。
【0020】
【実施例】
以下に、本発明の好ましい実施例を添付の図面に基づいて説明する。図3は、実施例の除電器の電源回路20のブロック図であり、従来と同様に商用電源10を電源とする直流電源回路11と、この直流電源回路11からの電圧を調整する電圧調整回路21とを有する。電源回路20は、電圧調整回路21により調整された電圧を昇圧回路22により高電圧に高めて、この高電圧を放電電極つまり放電針23に印加するようになっている。
【0021】
電源回路20は、放電状態を検出する回路24を有し、この放電検出回路24からの出力はアンプ25により増幅されて比較回路26に入力され、放電状態が所定の状態と異なるときには電圧調整回路21により放電状態が所定の状態となるように直流電源回路11からの電圧を調整するフィードバック制御が行われる。
【0022】
図4〜図6は、放電検出回路24の具体例を例示するための図であり、これら図4〜図6は、例示として、DC(直流)方式の除電器に関する回路図を示している。
【0023】
すなわち、例えば図4を参照して、DC方式の除電器は、プラス側のトランス30とマイナス側のトランス31を有し、これらトランス30、31の一次側コイルに印加する電圧が上述した電圧調整回路21により調整される。プラス側の昇圧回路32(22)はプラス側の放電針33(23)に接続され、マイナス側の昇圧回路34(22)はマイナス側の放電針35(23)に接続される。
【0024】
プラス側放電針33とマイナス側放電針35との間の放電電流は、図4の例では、プラス側の昇圧回路32とトランス30との間の接地側の結線に抵抗40が接続され、この抵抗40を流れる電流を測定することにより検出することが可能である。測定した電流が目標値に対して小さいときには、プラス側又はマイナス側のトランス30、31の一次電圧の少なくとも一方を高める制御が行われる。他方、測定した電流が目標値に対して大きいときには、プラス側又はマイナス側のトランス30、31の一次電圧の少なくとも一方を低下させる制御が行われる。
【0025】
抵抗40は、図5に図示するように、マイナス側の昇圧回路34とトランス31との間の接地側の結線に接続するようにしてもよく、或いは、図6に図示するように、プラス側の昇圧回路32とトランス30との間の接地側の結線と、マイナス側の昇圧回路34とトランス31との間の接地側の結線との間に接続するようにしてもよい。
【0026】
図7は、放電によって生じるパルス状の電流の有無によって放電状態を検出し、パルス状の電流が検出されない場合には、プラス又はマイナス側のトランス30、31の少なくとも一方の一次電圧を上昇させるようになっている。すなわち、プラス側であってもよいが例えばマイナス側の昇圧回路34の出力側(高電圧ケーブル40)に、コンデンサ41を介してパルス状電流検知回路42が接続されている。
【0027】
パルス状電流検知回路42は、図8に示すように、電流-電圧変換素子43で構成してもよく、図9に示すように、電流-電圧変換素子43の前段にパルストランス44を用いてパルス状の電流を選択するようにしてもよい。電流-電圧変換素子43としては、抵抗、コイル、LC並列回路などを用いることができる。
【0028】
パルス状電流検知回路42によって検出した電流をアンプ45によって増幅し、整流回路46、2値化回路(典型的にはコンパレータ)47によって2値化して、パルス状電流の有無を検出するようにしてもよく、或いは、図10に示すように、コンパレータ47で二値化した後に、例えばマイコンによりパルス数をカウントすることにより電流値に変換して、この電流値が目標値となるように放電針23に印加する電圧を調整するようにしてもよい。
【0029】
図11は、DC方式の除電器であれば、昇圧回路32(34)と放電針33(35)の間に、比較的大きな抵抗値を有する制限抵抗50を設けることで、放電状態の自動調整を行うことができる。
【0030】
プラス側放電針33とマイナス側放電針35とを対向させて放電を行う場合、雰囲気圧力と放電電圧との相関関係を実験により求めたところ、常圧(0MPaとする)に対して、0.25MPaでは約2倍、0.5MPaでは約3倍の電圧が必要であることが分かった(この相関関係を「関係1」という)。
【0031】
対向電極と同じような電界集中を生じさせることのできる同軸円筒電極に関し、放電開始電界と圧力との関係式は次のように表すことができる(書籍「新高電圧工学」p79、朝倉書店、著者:坂本、田頭)。
【0032】
(式1) Ec=31.0δ{1+0.301(δr)( 1/2)
ここに、Ecは放電開始電界(kV/cm)であり、δは相対空気密度であり、rは内側電極の外径である。相対空気密度(δ)は、絶縁気体を理想気体とみなして、温度変化に伴う気体密度の補正(温度補正)を行うためのものであり、次の式で表すことができる。
【0033】
δ=0.386p/(273+t)
ここに、pは気圧(Torr)であり、tは気体温度(℃)であり、760Torr、20℃のδを1としている。
【0034】
上記の式1においても、0.5MPa(δ=6)では常圧の約3倍の電界となることから、前述した実験結果は電界が集中する箇所でのコロナ放電の一般的な傾向であると考えることができる。
【0035】
一方、常圧下での放電電流と電圧との相関は、図12に示すように電極間距離によって変化する。放電電極に対する出力電圧を、高い圧力に対して適当な値に設定すると、常圧下では電圧が過剰となり、非常に大きな電流が流れてしまう。この電圧の過剰分を制限抵抗50によって打ち消すには、下記の式2によって算出した抵抗値(R)以上の抵抗を制限抵抗50として採用すればよい。
【0036】
R=過剰電圧/許容される電流変化
【0037】
許容される電流変化としては、約25μAに設定するのがよい。約25μAよりも大きな電流値を設定すると、電極間に発生したブラシコロナが大きく成長して、オゾンなどの有害物質の発生量が更に大きくなる虞がある。
【0038】
電極間距離として例えば15mmを設定し、最大圧力を0.25MPa、0.5MPaとすると、過剰電圧は、図12及び上記「関係1」から次の値を得ることができる。
【0039】
最大圧力 必要な電圧 常圧にて 25 μ A 流れる電圧 常圧で過剰な電圧
0.25M a 16 k V 11 k V 5 k
0.5M a 24 k V 11 k V 13 k
【0040】
過剰電圧は、電極間距離L(mm)と対応する圧力P(MPa)によって変化することから、実験の結果は、次の近似式で表すことができる。
【0041】
過剰電圧(kV)=(必要な電圧)−(常圧にて25μA流れる電圧)
=(圧力による倍数)(常圧で放電する電圧)−(常圧にて25μA流れる電圧)
=(1+4P)(5+L/5)−(2+3L/5)
ここに、圧力による倍数は、上記「関係1」より近似している。また、常圧で放電する電圧は、図12において、1μA流れる電圧と近似している。
【0042】
したがって、制限抵抗50に要求される抵抗値は、次の式で表すことができる。
(式2) R(MΩ)=1000×{(1+4P)(5+L/5)−(2+3L/5)}(kV)/25(μA)
【0043】
上記式2により求めた抵抗値は次の通りである。なお、抵抗値は、プラス、マイナスの電源の抵抗値の和であり、電源自体の出力インピーダンスを含むため、電源の出力インピーダンスが100MΩである場合には、プラス、マイナス夫々の抵抗値から100MΩ少ない抵抗を用いることができる。
【0044】
プラス、マイナスに必要な抵抗値の合計( M Ω)
電極間距離L (mm) 最大圧力P (M a)
0.3 0.4 0.5
5 328 424 520
10 296 408 520
15 264 392 520
20 232 376 520
25 200 360 520
30 168 344 520
【0045】
本発明に採用できる制限抵抗50の抵抗値は、100MΩから2000MΩであるのが好ましい。上述の式2から求めた計算値から100MΩよりも小さい抵抗値であると、本発明の目的を実質的に達成することができない。2000MΩよりも大きな抵抗値であると、抵抗での圧力降下が大きくなり過ぎて、高圧電源の出力値を非常に高く設定する必要が生じるため現実的なくなる。
【0046】
電極間距離Lとして10mm〜25mmが適当であるとすると、この電極間距離では、制限抵抗50の抵抗値は、200MΩ〜1000MΩであるのが好ましい。
【0047】
上述した電極間距離Lを設定した場合、200MΩよりも小さな抵抗値であると、異常放電が発生する虞がある。また、1000MΩよりも大きな抵抗値を採用すると電極間の電界が弱くなってしまう。
【0048】
電極間距離Lが15mmであれば、制限抵抗40の抵抗値は、200MΩ〜500MΩであるのがよい。上限値を500MΩとしたのは、電圧降下を小さくするためである。
【0049】
図13〜図16は、実施例の除電器60の具体的な構造を示す図である。除電器60は、圧縮空気を受け入れる空気流入ポート61を含む本体62を有し、この本体62には、空気流入ポート61から真っ直ぐに延びる断面円形の導気路63が形成され、また、空気流入ポート61とは反対側の面に空気流出ポート64が形成されている。この空気流出ポート64には、選択的に、チューブフィッティング65を介して可撓性導気チューブ66が取り付け可能であり、また、例えば複数の吐出口を含むフラットな形状のノズル67が取り付け可能である。
【0050】
本体62の空気流出ポート64側にオフセットした位置には、導気路63と直交して延びる上下一対の穴68が形成され、この穴68の各々に、放電電極ユニット69が脱着可能に取り付けられる。
【0051】
放電電極ユニット69を装着する穴68つまりイオン化室を空気流出ポート64側にオフセットして配置したことにより、本体62の空気流入ポート61側は空間的に余裕があるため、本体62の空気流入ポート61と放電電極ユニット装着穴68との間には、導気路63を挟んで左右に基板70、70が配置可能であり(図14)、基板70、70には、上述した除電器60に関連した高圧電源回路、フィードバック回路、除電器60の制御回路、制御状態を表示するLEDを除電器60に取り付けた場合には、このLEDを制御する回路を組み込むことも可能である。
【0052】
放電電極ユニット69は放電針72を有し、放電針72回りには、この放電針72の先端を露出することのできる先細りの絶縁性スリーブ73が設けられている。放電電極ユニット69の長手方向中間部分には、導電性金属からなる接触リング74が設けられ、この接触リング74を通じて放電針72に電源が供給される。
【0053】
本体62に設けられた高圧電源回路75からステンレス製の板バネ76を介して接触リング74に高電圧電源が供給されるようになっており、この板バネ76は、図16から理解できるように、放電電極ユニット69の側方から接触リング74にアクセスして、この接触リング74と当接するように配置されている。
【0054】
放電電極ユニット69は、その上部に形成されたネジにより本体62の穴68に螺着されるが、放電電極ユニット69の必要箇所にシールリング(典型的にはOリング)が設けられて、導気路63を流れる空気の漏れが防止される。
【0055】
一対の放電電極ユニット69が本体62に装着されると、一対の放電針72の先端は、導気路63を挟み且つ導気路63の軸線と直交した軸線上で互いに対峙して配置されて導気路63の軸線と直交して延びるイオン化室が形成される。各放電針72の先端と導気路63の軸線との間の距離は実質的に等しく、また、イオン化室の径は、導気路63の直径と等しいか、それよりも若干大きくてもよい。
【0056】
実施例の除電器60にあっては、放電針72を電極ユニット69としてユニット化して、これを除電器本体62に螺合することにより装着するようにしてあるため、放電針72が汚れたときには、ユニット69を取り外して掃除することができ、メンテナンス性を向上することができる。
【0057】
また、放電電極ユニット69の挿入方向とは直交する位置つまり放電電極ユニット69の側面に板バネ76などの接触片を配置させて高圧電源を放電針72に供給するようにしてあるため、比較的簡単な構造で、脱着可能な放電電極ユニット69のシール性を確保することができる。
【0058】
また、先細りの絶縁性スリーブ73の側面の傾斜面によって延面距離を実質的に延長することができるため、互いに対向する一対の放電針72の基部間の離間距離L(図16)が小さくなるように設計することができる。
【0059】
また、放電放電電極ユニット装着穴68を空気流出ポート64側にオフセットして配置させたことから、イオン化室から空気流出ポート64までの距離を短縮して、この間の圧力損出を低減することができる。このことは、空気流出ポート64に連結するチューブ66の長さ寸法やノズル67の種類などがユーザのニーズによって自在に選択されるため、イオン化室から空気流出ポート64までの間の圧力損出を低減することは望ましいことである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のチューブ搬送式除電器の全体構成を示す概略図である。
【図2】図1に図示の除電器の回路ブロック図である。
【図3】本発明に従う除電器の回路ブロック図である。
【図4】実施例に含まれる放電検出回路の第1具体例を示すブロック図である。
【図5】実施例に含まれる放電検出回路の第2の具体例を示すブロック図である。
【図6】実施例に含まれる放電検出回路の第3具体例を示すブロック図である。
【図7】実施例に含まれる放電検出回路の第4具体例(パルス状電流検知)を示すブロック図である。
【図8】図7に含まれるパルス状電流検知回路の具体例を示すブロック図である。
【図9】図8に示すブロック図の変形例を示す図である。
【図10】図9に示す構成を用いてマイコンでフィードバックを制御を行う場合の具体的な構成を説明するためのブロック図である。
【図11】比較的大きな抵抗値を備えた制限抵抗を設けることにより実質的に放電状態に応じた適正な電圧を放電電極を印加する具体的な構成を説明するためのブロック図である。
【図12】電極間電圧と放電電流との関係を示すグラフである。
【図13】実施例の除電器(放電電極ユニットが脱着可能)の外観概略図である。
【図14】図13に図示の除電器の平面図である。
【図15】除電器内の導気路に沿って切断した除電器の縦断面図である
【図16】除電器内の導気路を横断する方向に切断した除電器の横断面図である。
【符号の説明】
20 除電器の電源回路
21 電圧調整回路
23 放電針(放電電極)
24 放電検出回路
40 放電電流検出用の抵抗
42 パルス状電流検知回路
60 除電器
66 可撓性導気チューブ
67 ノズル
69 放電電極ユニット
73 先細り形状の絶縁性スリーブ

Claims (6)

  1. トランスにより昇圧されるDC電圧を夫々プラス側及びマイナス側の放電電極にパルス状に印加してコロナ放電により供給される空気をイオン化し、イオン化した空気を外部小径管を通じてワークの近傍に吐出することによりワークの除電を行う除電器であって、
    少なくともプラス側又はマイナス側の前記トランスの一次電圧を調整する電圧調整回路を備え、放電によって生じるパルス状の電流の有無によって放電状態を検出し、前記パルス状の電流が検出されない場合に前記トランスの一次電圧を上昇させると共に、前記パルス状の電流が検出された場合に、該検出された電流値が目標値となるように前記トランスの一次電圧を調整するパルス状電流検知手段と、
    前記供給される空気の量の変化に応じて、前記放電電極に印加する電圧を調整することのできる印加電圧調整手段を有することを特徴とする除電器。
  2. 前記電圧調整回路の出力側にコンデンサを介して前記パルス状電流検知手段が接続されている、請求項1に記載の除電器。
  3. 前記パルス状電流検知手段が、接地された電流−電圧変換素子で構成されている、請求項1又は2に記載の除電器。
  4. 前記パルス状電流検知手段が、共に接地された前記電流−電圧変換素子及びパルストランスとで構成されている、請求項1又は2に記載の除電器。
  5. 前記パルス状電流検知手段が、該パルス状電流検知手段によって検出した電流を増幅した後に整流回路及び2値化回路によって2値化して前記パルス状電流の有無を検出する、請求項3又は4に記載の除電器。
  6. 前記パルス状電流検知手段が、該パルス状電流検知手段によって検出した電流を増幅した後に2値化回路によって2値化した後にパルス数をカウントすることにより電流値に変換して前記パルス状電流の有無を検出する、請求項3又は4に記載の除電器。
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