JP4314730B2 - 分割式真空槽の組み立て方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融金属の真空脱ガス処理に用いる真空槽を上下に分割した複数個の部材の組み立て方法に関し、特に作業者が真空槽の内側に立ち入らず、安全に作業できる組み立て方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶鋼等の溶融金属の真空脱ガス処理として、RH法,DH法等の種々の方法が知られている。たとえば溶鋼のRH法の場合、図4に示すように、真空槽1内を減圧して、上昇管8を介して取鍋6内の溶鋼7を真空槽1に吸い上げて真空脱ガス処理を行なう。真空槽1内で真空脱ガス処理を施された溶鋼7は、下降管9を介して取鍋6へ循環する。
【0003】
真空槽1の内張り耐火物3は、真空脱ガス処理を行なうことによって、しだいに損耗する。そのため定期的に内張り耐火物3を補修したり、張り替える必要がある。特に、真空槽1の下部の内張り耐火物3は、溶鋼やスラグと接触するために溶損やスポーリングを起こし、損耗が最も激しい。内張り耐火物3が損耗した部分の補修や張り替え作業の能率を向上するため、真空槽1は上下に分割できる構成になっている。図4には、真空槽1を3個の部材に分割できる構成の例を示す。
【0004】
図3は、従来の組み立て方法を用いて、下側に位置する部材11と上側に位置する部材12を固定した接合部の状態の例を示す断面図である。内張り耐火物の厚さを比較すると、下側に位置する部材11の内張り耐火物3aが厚く、上側に位置する部材12の内張り耐火物3bが薄くなっている。したがって内張り耐火物が損耗した部材の補修や張り替えが終了した後、各部材を組み立てる際に、図3に示すように、下側に位置する部材11と上側に位置する部材12との接合部において、下側に位置する部材11の内張り耐火物3a上端面の真空槽中心側に段差が形成される。
【0005】
この段差は、図3に示すように、接合部の気密性を高めてエアリークを防止することを目的として、下側に位置する部材11の内張り耐火物3a上端面の真空槽中心側に耐火れんが10を配置するために設けられる。
しかし、耐火れんが10を配置する作業は長時間を要する。しかも作業者が真空槽内に立ち入るので、真空槽に付着した地金やスラグが作業者に落下するのを防止する必要がある。そのため、地金やスラグを事前に除去する作業にも長時間を要するという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような問題を解消し、分割式真空槽の内張り耐火物の補修や張り替え作業が終了した後、真空槽を組み立てる際に、作業時間を短縮し、しかも作業の安全性を向上できる分割式真空槽の組み立て方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、溶融金属の真空脱ガス処理に用いる真空槽を上下に分割した複数個の部材の組み立て方法であって、下側に位置する部材の内張り耐火物上端面の真空槽中心側に堰を設け、鉄皮の内周面から堰までの範囲の内張り耐火物上端面に不定形耐火物を盛り付け、次いで上側に位置する部材の内張り耐火物下端面が不定形耐火物に密着するように下側に位置する部材と上側に位置する部材とを固定する分割式真空槽の組み立て方法である。
【0008】
前記した発明においては、好適態様として、不定形耐火物の盛り付け方法が、鉄皮の内周面側に可塑性のあるプラスチック耐火物を配置して堰を形成し、プラスチック耐火物が形成する堰と内張り耐火物上端面の真空槽中心側に設けた堰との間にキャスタブル耐火物を配置するものであることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の組み立て方法は、直胴型の真空槽の下端を溶融金属に浸漬し、真空槽内を減圧して、溶融金属を真空槽に吸い上げて真空脱ガス処理を行なう装置の真空槽、たとえば溶鋼のRH真空脱ガス処理に用いる真空槽やDH真空脱ガス処理に用いる真空槽等に適用される。これらの真空槽は、内張り耐火物の補修あるいは張り替えを行なうために、上下に分割できる構成になっている。
【0010】
すなわち真空槽は2個以上の部材に分割され、内張り耐火物の補修あるいは張り替えが終了した後、再度組み立てて真空脱ガス処理に使用される。なお本発明は、2個以上に分割された真空槽の部材を組み立てる際に適用できるので、真空槽を分割する数は限定しない。たとえば真空槽を3個の部材に分割する場合は、下部の部材と中間部の部材の組み立て、および中間部の部材と上部の部材の組み立てに、本発明の組み立て方法を適用できる。
【0011】
分割式の真空槽の部材を組み立てる際に、まず、図2に示すように、下側に位置する部材11の内張り耐火物3a上端面の真空槽中心側に堰4を設ける。堰4の材質は、特定の種類に限定しないが、真空脱ガス処理を行なう溶融金属と同種の金属を用いるのが望ましい。たとえば、溶鋼の真空脱ガス処理を行なう真空槽を組み立てる場合は、鋼製の堰4を設けるのが望ましい。
【0012】
次いで、下側に位置する部材11の内張り耐火物3a上端面の鉄皮2の内周面から堰4までの範囲に不定形耐火物5を盛り付ける。盛り付け方法としては、施工時に自己形状保持性を有する不定形耐火物(たとえばプラスチック耐火物)を配置する方法、または自己形状保持性を有する不定形耐火物と流動性を有する不定形耐火物(たとえばキャスタブル耐火物)とを併用して配置する方法がある。
【0013】
自己形状保持性を有する不定形耐火物を配置する場合は、内張り耐火物3aおよび内張り耐火物3bを密着させた後、隙間充填性を高めるのが好ましい。そこで、施工時には自己形状保持性を有し、熱負荷をかけると流動性を発揮する不定形耐火物を使用すると良い。たとえば熱可塑性樹脂をバインダーの一部として配合した不定型耐火物等が好適に使用できる。
【0014】
自己形状保持性を有する不定形耐火物と流動性を有する不定形耐火物とを併用する場合は、プラスチック耐火物5aを鉄皮2側に配置して堰を形成し、そのプラスチック耐火物5aが形成する堰と内張り耐火物上端面の真空槽中心側に設けた堰4との間にキャスタブル耐火物5bを配置するのが好ましい。
いずれの方法を用いても、作業者は真空槽内に立ち入る必要はなく、真空槽の外側から内張り耐火物3a上端面に不定形耐火物5を盛り付けることが可能である。
【0015】
次に、上側に位置する部材12の内張り耐火物3b下端面が、不定形耐火物5に密着するように、上側に位置する部材12と下側に位置する部材11とを固定する。図1は、このようにして本発明の組み立て方法を用いて、上下の部材を組み立てた接合部の状態の例を示す断面図である。
下側に位置する部材11と上側に位置する部材12とを固定したとき、不定形耐火物5は、上側に位置する部材12の内張り耐火物3bと堰4とによって形成される空間(以下、不定形耐火物充満部という)、および下側に位置する部材11の内張り耐火物3aの上端面と上側に位置する部材12の内張り耐火物3b下端面との隙間に充満する。
【0016】
不定形耐火物充満部に充満した不定形耐火物5は、図3に示す従来の組み立て方法における耐火れんが10に相当するものである。本発明においては、不定形耐火物充満部に充満した不定形耐火物5と、内張り耐火物3aおよび3bの隙間に充満した不定形耐火物5とによって、接合部の気密性が向上する。不定形耐火物充満部に充満した不定形耐火物5の最大高さhが20cm未満では、不定形耐火物5が損耗したときに、エアリークが発生しやすい。また最大高さの上限に関しては特に規定しない。
【0017】
不定形耐火物5の種類は、特定の種類に限定しないが、高温で使用することを考慮して、プラスチック耐火物5aおよび/またはキャスタブル耐火物5bを用いるのが好ましい。なお一般に知られている通り、プラスチック耐火物5aは、粒度を調整した耐火性骨材に結合材として水ガラス(すなわち珪酸ソーダ),可塑性付与材および適量の水分を添加して混練した耐火物であり、キャスタブル耐火物5bは、粒度を調整した耐火性骨材に結合材としてアルミナセメント等と適量の水分を添加して混練した耐火物である。
【0018】
【実施例】
図4に示すような 260t規模の溶鋼のRH真空脱ガス装置の真空槽1を3個の部材に分割可能な構造として、真空脱ガス処理を行なった。3個の部材のうちの、溶鋼やスラグと接触するために最も損耗の激しい下部の部材(以下、下部槽という)の内張り耐火物3aを張り替えた後、本発明の組み立て方法を用いて真空槽1を組み立てた。
【0019】
すなわち、下部槽の内張り耐火物3aを張り替えた後、図2に示すように、下部槽の内張り耐火物3a上端面の真空槽中心側に堰4を設け、鉄皮2と堰4との間にプラスチック耐火物5aを盛り付けて堰を形成し、プラスチック耐火物5aで形成した堰と堰4との間にキャスタブル耐火物5bを盛り付けた。プラスチック耐火物5aおよびキャスタブル耐火物5bの盛り付けは、作業者が真空槽1の外側から流し込み、その量は真空槽1を組み立てた後の不定形耐火物充満部に充満する不定形耐火物5の最大高さhが20cmとなるようにした。不定形耐火物充満部の幅は堰4の位置によって決まる値であり、10cmであった。
【0020】
次いで、図1に示すように、下部槽の上側に位置する部材(以下、中間部槽という)の内張り耐火物3b下端面が不定形耐火物5に密着するように固定した。これを発明例とする。
次に比較例として、同じ装置を用いて真空脱ガス処理を行ない、下部槽の内張り耐火物3aを張り替えた後、中間部槽および上部の部材(以下、上蓋槽という)の内張り耐火物に付着した地金やスラグを除去した。次いで図3に示すように、不定形耐火物を使用せず、下部槽と中間部槽とを固定した。さらに作業者が真空槽内に立ち入って、下部槽の内張り耐火物3a上端面の真空槽中心側に耐火れんが10を配置した。
【0021】
発明例では、組み立て時に作業者が槽内に立ち入らないので、安全確保のための中間部槽および上蓋槽に付着した地金やスラグの除去作業が省略でき、真空槽1の組み立てに要する時間が4hrであった。これに対して、比較例では地金の除去作業に2日間、真空槽1の組み立て作業に8hrを要した。しかも発明例では、作業者が真空槽1内に立ち入る必要はなく、真空槽1の外側で作業できるので安全性も大幅に向上した。また操業を再開した後の真空度は、 133Pa(すなわち 0.1torr)に到達した。
【0022】
【発明の効果】
本発明では、作業者が真空槽内に立ち入ることなく真空槽を組み立てることができるので、組み立て時間の短縮および安全性の向上が達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を用いて上下の部材を固定した接合部の状態の例を示す断面図である。
【図2】本発明の方法を用いて内張り耐火物の上端面に堰を設けて不定形耐火物を盛り付けた状態の例を示す断面図である。
【図3】従来の方法を用いて上下の部材を固定した接合部の状態の例を示す断面図である。
【図4】RH真空脱ガス装置の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 真空槽
2 鉄皮
3 内張り耐火物
3a 下側に位置する部材の内張り耐火物
3b 上側に位置する部材の内張り耐火物
4 堰
5 不定形耐火物
5a プラスチック耐火物
5b キャスタブル耐火物
6 取鍋
7 溶鋼
8 上昇管
9 下降管
10 耐火れんが
11 下側に位置する部材
12 上側に位置する部材
Claims (2)
- 溶融金属の真空脱ガス処理に用いる真空槽を上下に分割した複数個の部材の組み立て方法であって、下側に位置する部材の内張り耐火物上端面の真空槽中心側に堰を設け、鉄皮の内周面から前記堰までの範囲の前記内張り耐火物上端面に不定形耐火物を盛り付け、次いで上側に位置する部材の内張り耐火物下端面が前記不定形耐火物に密着するように前記下側に位置する部材と前記上側に位置する部材とを固定することを特徴とする分割式真空槽の組み立て方法。
- 前記不定形耐火物の盛り付け方法が、前記鉄皮の内周面側に可塑性のあるプラスチック耐火物を配置して堰を形成し、前記プラスチック耐火物が形成する堰と前記内張り耐火物上端面の真空槽中心側に設けた堰との間にキャスタブル耐火物を配置するものであることを特徴とする請求項1に記載の分割式真空槽の組み立て方法。
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