JP4314375B2 - 中性子ビーム制御装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中性子ビームを収束又は発散させる中性子ビーム制御装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
中性子ビームは、X線や光子と相違し、(1)原子核と強く相互作用する、(2)そのエネルギーと波長が原子レベルの運動や構造の大きさと同程度である、(3)磁気モーメントを持っている、(4)透過力が強い、等の特徴を有している。そのため、中性子ビームは、原子核の位置自体を研究対象とするような場合、例えばX線散乱では測定が極めて難しい有機物中の水素原子の位置の情報を得るような場合などは中性子ビームを用いた散乱実験が不可欠となる。また、中性子のスピンが1/2で磁気双極子モーメントを持っていることから、物質の磁気構造を調べるにも好都合である。さらに、放射線で工業製品等の大型の対象物の内部を研究するような場合には、中性子ビームであれば透過力が強いために透視が可能となる。
【0003】
しかし、中性子ビームは発生が容易でないため、供給できる場所は原子炉及び加速器施設などに限られる。そのため、中性子ビームを中性子源から利用装置まで効率良く導き、微小な試料に対して高密度の中性子ビームを照射するには、中性子ビームの平行度を高め、さらにこれを収束させるビーム制御技術が不可欠となる。
【0004】
近年、中性子ビームを利用した上述した解析等が注目されるようになってきており、その収束又は発散させるための素子が本発明と同一の出願人から提案されている(特開2001−062691号)。以下、かかる素子を「中性子レンズ」と呼ぶ。
【0005】
図7は物質による中性子ビームの屈折の原理図である。中性子と物質との相互作用は、物質中に含まれる原子核との相互作用がほとんどであり、この相互作用により入射中性子は物質中に入る際に運動エネルギーの一部を失い、物質境界面び垂直方向に減速を受ける。従って、図7に示すように、物質との境界面に斜めに入射した中性子ビームは、屈折率が1よりも小さい値を持つように屈折する。このように、中性子ビームに対して屈折率が1よりも小さい値を持つ物質は、自然同位体存在比の元素ではO,C,Be,Fであり、濃縮同位体では重水素Dである。
【0006】
図8は、中性子レンズの原理図である。この図は、1枚の板状部材11に中性子ビーム16が入射したときの様子を示している。板状部材11の表面には、ほぼ垂直な面14と傾斜した面15からなる直線状突起12が設けられており、この直線状突起12の傾斜面15に入射した中性子ビーム16は、図7で示したように1よりも小さい屈折率で屈折する。ただし、この一度の屈折で屈折される角度δは微小であり、例えば板状部材が中性子透過率の高いポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなり、直線状突起12の傾斜面15が板状部材11の面に対してなす角度αが45°であるとき、板状部材11に垂直に入射した波長14Åの中性子ビームの屈折角δは0.14mradにすぎない。
【0007】
図9は、中性子ビームを収束する機能を有する中性子レンズの斜視図、図10はそのA-A断面図である。この中性子レンズは、本体部分20と、本体部分を固定する上下の環状外枠21、22とからなる。この中性子レンズは、上下の環状外枠21、22の間に本体部分20を挟み、2つの環状外枠21、22の間に配置されたピン23に外枠側からネジ24をネジ止めして組み立てられる。
【0008】
図11は、本体部分20を構成する板状部材の構造図である。本体部分20は、中央部分に穴32を設けた多数の板状部材25を積層して構成されている。上方に位置する板状部材ほど中央部分に設けられた穴の大きさが大きく、また一番下の板状部材は中央部分に穴が無い。従って、本体部分は、全体的に中央が円錐状に窪んだすり鉢状の形状をしている。なお図10の例では板状部材25を33枚積層している。また、33a〜33dはピン23用の穴である。
【0009】
図11において、板状部材25は、例えば薄板に断面形状が三角形の環状突起31を同心円状に、かつ半径方向に連続して設けたものである。入射中性子ビームのビーム軸に対して傾斜した入射面を与える断面三角形状の環状突起31の傾斜面31aは、同心円の内側、すなわち中性子レンズの中心軸方向を向いている。
【0010】
図10及び図11に示した中性子レンズの軸に平行に入射した中性子ビームは、それぞれ板状部材に設けられた環状突起31の傾斜面に斜めに入射するため、中性子レンズの中心軸方向に偏向される。中心軸附近に入射する中性子ビームは相対的に少ない環状突起を通過するため偏向角が小さいが、周辺附近に入射する中性子ビームは相対的に多くの環状突起を通過するため偏向角が大きくなる。従って、この中性子レンズは、光学系における凸レンズと同様の機能を果たし、中性子ビームを微小領域に収束することができる。
【0011】
また、図11とは逆に、環状突起31の傾斜面31aを、同心円の外側に向けることにより、図10と同一の構成で、光学系における凹レンズと同様の機能を果たし、中性子ビームを発散させることができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
板状部材25は、上述したように中性子ビームに対して屈折率が1よりも小さい値を持つ物質で成形する必要がある。かかる物質は、自然同位体存在比の元素ではO,C,Be,F等であり、濃縮同位体では重水素Dである。具体的には、前述したポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の他、石英、MgF2、鉛ガラス、グラッシーカーボン、水素を重水素で置換した重水素化ポリエチレン等が該当する。
【0013】
これらの物質のうち比較的安価かつ容易に入手できるのは、石英、MgF2、鉛ガラス、グラッシーカーボン(以下単にカーボンという)であり、カーボン板から上述した板状部材を成形することが望まれている。
【0014】
しかし、カーボンは硬くかつ脆いため、通常の加工手段、例えば切削加工では、環状突起31のエッジ部が欠けてしまい、所望の形状に加工できない問題点があった。すなわち、多数の板状部材25を積層して中性子レンズを構成する必要があるため、中性子レンズを小型化するために1枚の板状部材25は薄いほど良く、例えば厚さ1mm前後にすることが望ましい。しかし、カーボン板を薄くするとわずかな加工抵抗で破損する問題がある。また、中性子ビームを正確に偏向させるためには、環状突起31の傾斜面31aの精度を高める必要がある。さらに、表面での乱反射を抑え中性子ビームの透過率を高めるためには、傾斜面31aを鏡面に近い優れた加工面粗さに仕上げる必要がある。
【0015】
上述した問題点を解決するために、本発明の発明者等は、図12に模式的に示すように、砥石33の1又は複数のテーパ面33aのなす角度が、中性子レンズ部材32の表面に形成するV字状の溝の角度よりも鋭角に形成され、砥石駆動装置34により砥石33の軸線を中性子レンズ部材32の回転軸に対して傾斜して位置決めし、かつその位置でその傾斜角度をわずかに揺動する中性子レンズ部材の加工方法(特開2001−062691号)を創案し出願した。
【0016】
しかしこの加工方法では工具の磨耗に伴う工具形状の変化を避けることが難しく、それによって微細溝の断面形状が変化しかつ素子光学面の表面粗さの制御も困難であり、結果として素子の中性子ビーム制御性能の低下や、工具の形状修正のためのコスト増ならびに加工能率の悪化につながる問題点があった。
【0017】
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、中性子ビームに対して屈折率が1よりも小さい値を持つ物質、例えば硬くかつ脆いグラッシーカーボン等からなり、中性子ビームを効率よく収束又は発散させることができる中性子ビーム制御装置及びその製造方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、中性子ビームに対する屈折率が1よりも小さい物質からなり積層配列された断面形状がほぼ直角三角形の複数の柱状プリズム(1)を備え、該複数の柱状プリズムは互いに独立した部品として形成されたものであり、各柱状プリズムの各辺(1a,1b,1c)が互いに平行に位置するように立体的に積層されており、各柱状プリズムにおける直角三角形の斜面(1a)が互いに平行かつ同一方向に向き、全体がほぼ三角柱(2)を形成するように積層され、前記三角柱(2)を複数備え、各三角柱を構成する柱状プリズムの斜面(1a)が互いに交叉する方向に向くように配置される、ことを特徴とする中性子ビーム制御装置が提供される。
この構成により、各柱状プリズム(1)の断面形状と表面粗さを高精度かつ高品質に加工することにより、先端部や鋭角底の丸まりや欠けのない中性子レンズを構成することができる。また、柱状プリズム(1)の2辺(1a,1b)を通過する中性子ビームを偏向させることができ、これを積層された複数の柱状プリズム(1)で繰り返すことにより、中性子ビームを大きく偏向させることができる。
【0020】
更に、直角三角形の斜面(1a)が互いに平行かつ同一方向に向き、全体がほぼ三角柱(2)を形成するように積層されるので、三角柱(2)の高さの低い部分に入射する中性子ビームは相対的に少ない柱状プリズム(1)を通過するため偏向角が小さいが、高さの低い部分に入射する中性子ビームは相対的に多くの柱状プリズム(1)を通過するため偏向角が大きくなる。従って、この三角柱(2)は、光学系における凸レンズと同様の機能を果たし、中性子ビームを微小領域に収束することができる。
【0021】
また、前記三角柱(2)を複数備え、各三角柱を構成する柱状プリズムの斜面(1a)が互いに交叉する方向に向くように配置するので、複数の三角柱(2)により中性子ビームを微小領域に収束することができ、相乗的に中性子ビームを強くすることができる。
【0023】
また、前記各柱状プリズムを所定の位置に位置決めするための位置決め部材(4)を備えるのがよい。かかる位置決め部材(4)により、複数の柱状プリズムを所定の位置に容易に位置決めすることができる。
【0025】
また、本発明(請求項3)は、中性子ビームに対する屈折率が1よりも小さい物質からなり、断面形状がほぼ直角三角形である柱状プリズム(1)を互いに独立した部品として複数成形し、各柱状プリズムの各辺が互いに平行に位置するように立体的に積層し、前記柱状プリズムの成形は、前記物質からなる素材を複数の棒状部材(5)に切出し、該各棒状部材を加工治具(6)に断面V字状に形成された互いに平行な複数の同一溝(6a)にそれぞれ嵌め込み、該溝の上面を同時に平面加工する、ことを特徴とする中性子ビーム制御装置の製造方法である。また、前記平面加工は、ストレート砥石、カップ砥石、又はラップ盤による、ことが好ましい。
この加工方法により、丸まりや欠けのない同一形状の柱状プリズム(1)を高能率に加工できる。
【0026】
更に、前記平面加工は、ELID研削法によるのがよい。ELID研削法を適用することにより、各柱状プリズム(1)の各面を鏡面に近い高品質の面粗さに、かつ高能率で加工することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は、本発明による中性子ビーム制御装置の原理図であり、(A)は全体の構成図、(B)はその作動説明図、(C)は単一の作動説明図、(D)はその効果の説明図である。
【0028】
この図に示すように、本発明の中性子ビーム制御装置は、互いに独立した部品として形成された複数の柱状プリズム1(この図ではneutron prism:中性子プリズム)を備える。この柱状プリズム1は、中性子ビームに対する屈折率が1よりも小さい物質からなる。かかる物質は、自然同位体存在比の元素ではO,C,Be,Fであり、濃縮同位体では重水素Dである。具体的には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、グラッシーカーボン、水素を重水素で置換した重水素化ポリエチレン、石英、MgF2、鉛ガラス、等が該当する。なお、以下、中性子ビームに対する屈折率が1よりも小さい物質を「中性子偏向物質」と呼ぶ。
また、この柱状プリズム1の断面形状はほぼ直角三角形であり、各柱状プリズムの各辺1a,1b,1cが互いに平行に位置するように立体的に積層されている。
【0029】
柱状プリズム1の斜面1aと底面1bのなす角度βは任意であり、これにより、図1(C)に示すように中性子ビーム(neutron beam)を斜面1aの方向に偏向させることができる。この偏向角度(θ’−θ)はわずかであるが、これを多数積層(図ではn層)することにより、図1(A)(B)に示すように、全体で大きな偏向角度δを得ることができる。
また、この柱状プリズム1を図で水平方向に積層することにより、図1(D)に示すように単一の大きなプリズムと等価な偏向を薄いプリズムで達成することができ、かつ中性子の物質による吸収量を少なくすることができる。
【0030】
図2は、本発明による柱状プリズムの成形方法の一例を示す模式図であり、図3は、本発明による柱状プリズムの積層方法の一例を示す模式図である。
図2及び図3に示すように、本発明の中性子ビーム制御装置の製造方法は、中性子偏向物質からなり、断面形状がほぼ直角三角形である柱状プリズム1を複数成形する成形ステップと、各柱状プリズムの各辺が互いに平行に位置するように立体的に積層する積層ステップとからなる。
【0031】
成形ステップでは、先ず中性子偏向物質からなる素材を棒状部材5に切出す。この切り出し方法は、モールド成形、押出し成形、切削、研削、研磨のいずれでもよく、或いはこれらの組合せでもよい。
次に、図2(A)に示すように、各棒状部材5を加工治具6の複数の同一溝6aにそれぞれ嵌め込む。また、この際、必要により接着剤等を併用してもよい。
次いで、図2(B)に示すように、各溝の上面を同時に平面加工する。
【0032】
図2(B)において、7はELID用砥石であり、8はELID用電極である。すなわち、この例では、電極8と砥石7との間に導電性研削液を供給しながらその間に電解用電圧を印加して、砥石7の外表面を電解ドレッシングしながら、柱状プリズム1の斜面1aを電解インプレセスドレッシング研削(ELID研削)するようになっている。また、その他の面1b,1cも、別の加工治具6を用いて同様にELID研削する。
この方法により、超微粒の砥粒を含むELID用砥石7(導電性砥石)を用いても、常に砥石を最適状態に目立てして使用でき、低い加工抵抗で高能率かつ高精度に加工でき、かつ優れた面粗さを有する鏡面を得ることができる。
【0033】
なお、図2(B)における砥石は、ストレート砥石に限定されずカップ砥石でもよく、或いはラップ盤による加工であってもよい。更に、この成形は、ELID研削に限定されず、中性子偏向物質により、モールド成形、押出し成形、切削、研削、研磨のいずれでもよく、或いはこれらの組合せでもよい。
【0034】
次に積層ステップでは、図3(B)に示す位置決め部材4を用い、各柱状プリズム1を所定の位置に位置決めする。この位置決め部材4には、好ましくは中性子の透過性の高い物質(例えばアルミニウム)を用いる。また、この位置決め部材4に各柱状プリズム1を位置決め後、これを積層することにより、図3(C)に示すように、柱状プリズム1を立体的に積層することができる。なお、この位置決め部材4は、不可欠ではなく、必要に応じてこれを省略して積層してもよい。
【0035】
図4は、本発明による中性子ビーム制御装置の第1実施形態図である。この図において、柱状プリズム1の断面形状はほぼ直角三角形であり、各柱状プリズム1は、各辺1a,1b,1cが互いに平行に位置するように水平方向及び垂直方向に立体的に積層され、全体として立方体のブロックを形成している。隣接する柱状プリズム1の間の隙間は、中空であり、必要により不活性ガスで満たし、或いは真空に保持してもよい。また、この中空を中性子ビームを吸収しない物質で満たして、柱状プリズム1を固定してもよい。
【0036】
この構成により、柱状プリズム1の2辺1a,1bを通過する中性子ビームを積層された複数の柱状プリズム1で繰り返し偏向させることができ、中性子ビームを大きく偏向させることができる。
【0037】
図5は、本発明による中性子ビーム制御装置の第2実施形態図である。この図において、柱状プリズム1の直角三角形の斜面1aが互いに平行かつ同一方向に向き、全体がほぼ三角柱2を形成するように積層されている。また、この例では、かかる三角柱2を2つ備え、各三角柱2を構成する柱状プリズム1の斜面1aが互いに交叉する方向に向くように配置されている。
この構成により、複数の三角柱(2)により中性子ビームを微小領域に収束することができ、相乗的に中性子ビームを強くすることができる。
【0038】
図6は、本発明による中性子ビーム制御装置の第3実施形態図である。この図において、図5と同様の三角柱2を4つ備え、下段の2つを各三角柱2を構成する柱状プリズム1の斜面1aが互いに交叉する方向に向くように配置し、上段の2つを下段の2つに対して水平に90°旋回させて配置している。
【0039】
この構成により、交互に90°ずつ異なる方向に中性子ビームを偏向させ、全体として1点に収束させることができる。
【0040】
なお、本発明は、上述した実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更できることは勿論である。
【0041】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)各柱状プリズム1の断面形状と表面粗さを高精度かつ高品質に加工することにより、先端部や鋭角底の丸まりや欠けのない中性子レンズを構成することができる。
(2)柱状プリズム1の2辺1a,1bを通過する中性子ビームを偏向させることができ、これを積層された複数の柱状プリズム1で繰り返すことにより、中性子ビームを大きく偏向させることができる。
(3)柱状プリズム1の積層体により、光学系における凸レンズと同様の機能を果たし、中性子ビームを微小領域に収束することができ、相乗的に中性子ビームを強くすることができ、更に全体として1点に収束させることもできる。
(4)位置決め部材4を用いて、複数の柱状プリズムを所定の位置に容易に位置決めすることができる。
(5)各柱状プリズム1の断面形状と表面粗さを高精度かつ高品質に比較的簡単かつ高能率に加工することができ、先端部や鋭角底の丸まりや欠けのない高性能の中性子レンズを構成することができる。
【0042】
従って、本発明の中性子ビーム制御装置及びその製造方法は、中性子ビームに対して屈折率が1よりも小さい値を持つ物質、例えば硬くかつ脆いグラッシーカーボン等からなり、中性子ビームを効率よく収束又は発散させることができる等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による中性子ビーム制御装置の原理図である。
【図2】本発明による柱状プリズムの成形方法の一例を示す模式図である。
【図3】本発明による柱状プリズムの積層方法の一例を示す模式図である。
【図4】本発明による中性子ビーム制御装置の第1実施形態図である。
【図5】本発明による中性子ビーム制御装置の第2実施形態図である。
【図6】本発明による中性子ビーム制御装置の第3実施形態図である。
【図7】物質による中性子ビームの屈折の原理図である。
【図8】中性子レンズの原理図である。
【図9】中性子ビームを収束する機能を有する中性子レンズの斜視図である。
【図10】図9のA-A断面図である。
【図11】図10の本体部分を構成する板状部材の構造図である。
【図12】未公開の中性子レンズ部材の加工方法の模式図である。
【符号の説明】
1 柱状プリズム、1a 斜面、1b 底面、1c 垂直面、
2 三角柱、3 水平プリズム板、4 位置決め部材、
5 棒状部材、6 加工治具、6a 溝、
7 ELID用砥石、8 ELID用電極、
11 板状部材、12 直線状突起、14 垂直面、15 傾斜面、
16 中性子ビーム、20 本体部分、21、22 環状外枠、
23 ピン、24 ネジ、25 板状部材、
31 環状突起、31a 傾斜面、32 中性子レンズ部材、
33 砥石、33a テーパ面、34 砥石駆動装置

Claims (5)

  1. 中性子ビームに対する屈折率が1よりも小さい物質からなり積層配列された断面形状がほぼ直角三角形の複数の柱状プリズム(1)を備え、該複数の柱状プリズムは互いに独立した部品として形成されたものであり、各柱状プリズムの各辺(1a,1b,1c)が互いに平行に位置するように立体的に積層されており、
    各柱状プリズムにおける直角三角形の斜面(1a)が互いに平行かつ同一方向に向き、全体がほぼ三角柱(2)を形成するように積層され、
    前記三角柱(2)を複数備え、各三角柱を構成する柱状プリズムの斜面(1a)が互いに交叉する方向に向くように配置される、ことを特徴とする中性子ビーム制御装置。
  2. 前記各柱状プリズムを所定の位置に位置決めするための位置決め部材(4)を備える、ことを特徴とする請求項に記載の中性子ビーム制御装置。
  3. 中性子ビームに対する屈折率が1よりも小さい物質からなり、断面形状がほぼ直角三角形である柱状プリズム(1)を互いに独立した部品として複数成形し、各柱状プリズムの各辺が互いに平行に位置するように立体的に積層し、
    前記柱状プリズムの成形は、前記物質からなる素材を複数の棒状部材(5)に切出し、該各棒状部材を加工治具(6)に断面V字状に形成された互いに平行な複数の同一溝(6a)にそれぞれ嵌め込み、該溝の上面を同時に平面加工する、ことを特徴とする中性子ビーム制御装置の製造方法。
  4. 前記平面加工は、ELID研削法による、ことを特徴とする請求項に記載の中性子ビーム制御装置の製造方法。
  5. 前記平面加工は、ストレート砥石、カップ砥石、又はラップ盤による、ことを特徴とする請求項に記載の中性子ビーム制御装置の製造方法。
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