JP4311162B2 - ランプ電源回路 - Google Patents

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Description

本発明は、超高圧水銀ランプなどのフリッカレスを目的とするランプ電源回路に関する。
従来、定電力制御回路を実現するための方式として、下記の3通りの方式が存在し、実用化されている。
(1)負荷電圧と負荷電流を検出し、コンパレータを介してPWM(パルス幅変調:Pulse Width Modulation)制御する負荷電圧と負荷電流との加算型擬似狭帯域定電力方式。
(2)上記の(1)の方式を改善するために負荷電流を検出し、電流値に応じて回路定数を切り替える複数擬似定電力方式。
(3)マイコン使用の広帯域定電力制御方式。
まず、下記の特許文献1における従来の技術として記載されている従来例(1)の定電力制御回路について説明する。図5は、従来の放電灯(ランプ)用電源回路である定電力制御回路の第1の例を示す回路図である。図5において、E1は交流電源を整流して平滑した直流電圧源であり、この直流電圧源E1からの直流電圧がPWM制御スイッチング回路101に供給される。PWM制御スイッチング回路101は、差動増幅器(MIX)A3からの入力に応じて、直流電圧をパルス幅制御したスイッチングを行い、電圧VL、電流ILを出力する。この電圧VL、電流ILは、ランプ負荷RL及び増幅器A2に供給される。
ここで、仮に増幅器A2及び加算器102が存在しない場合を考える。この場合、検出抵抗RSには電流ILが流れ、検出抵抗RSに発生した電圧は増幅器A1に入力されて、所定のゲインで増幅される。そして、増幅器A1の出力電圧は差動増幅器A3の−入力端子に入力され、この電圧が差動増幅器A3の+入力端子に入力される基準電圧VrefOに等しくなると、この系が安定し、出力電流ILが決まる。なお、検出抵抗RSは小抵抗であり、無視できるので、
VL=IL×RL
となる。
一方、この回路に増幅器A2及び加算器102を追加した場合(図5に示す定電力制御回路)を考える。この場合、増幅器A2は電圧VLを所定のゲインで増幅する。加算器102は、増幅器A2の出力電圧と増幅器A1の出力電圧とを加算し、この加算結果は、差動増幅器A3の−入力端子に供給される。
図6は、従来の擬似定電力特性と理想的な定電力特性とを示すグラフである。図5に示す定電力制御回路では、電圧VL及び電流ILは、図6のグラフ(1)に示すように、電圧VLが高くなるに従って電流ILが減少する特性となる。しかし、電力PLは電圧VLと電流ILとの積であって和ではないので、理想的な定電力特性を示す図6のグラフ(2)との比較から、電圧VLが低電圧と高電圧のところで積と和との乖離が大きくなっていることが分かる。すなわち、定電力であると言える範囲は、図6のグラフ(1)と図6のグラフ(2)とのV−I特性が擬似的に一致するセンタの狭い範囲であり、このため、図6のグラフ(1)は擬似定電力と呼ばれる。
また、図7は、従来のパルス幅制御回路の代表的な一例を示す回路図である。一般に、従来のPWM制御スイッチング回路101は、例えば図7に示すように構成されている。PWMコンパレータと呼ばれる差動増幅器51の反転端子側には、抵抗RTとコンデンサCTの時定数から作成され、のこぎり波電圧を発生する発振器53が接続される。一方、差動増幅器51の非反転端子側には、負荷電流IL、負荷電圧VLを検出したデータ又は負荷電流ILと負荷電圧VLとの加算値に比例した値が入力される差動増幅器50の出力端子が接続される。
差動増幅器51からの出力は、一方にデッドタイムコントロール電圧P11などが供給されるOR回路52に入力される。そして、OR回路52からの出力は、次段のDフリップフロップ(F/F)54、NOR回路56、58に供給される。Dフリップフロップ(F/F)54からの出力は、一方に出力コントロール電圧P10が入力されるAND回路55、57に供給され、AND回路55、57からの出力は、NOR回路56、58に供給される。そして、NOR回路56、58の出力端子は、プッシュプルトランジスタ(エミッタ)増幅器Q10、Q11に接続される。
図8は、図7に示す従来のパルス幅制御回路におけるタイミングチャートである。なお、簡単化のため、図8では、デッドタイムコントロール電圧P11及び出力コントロール電圧P10は省略する。図8(a)〜(f)にはそれぞれ、コンデンサCTにおける電圧、Dフリップフロップ(F/F)54のCk入力、Dフリップフロップ(F/F)54の出力Q、Dフリップフロップ(F/F)の反転出力Qバー、プッシュプルトランジスタ増幅器Q10及びQ11のエミッタヘの出力の各波形が図示されている。
差動増幅器50の出力(図8(a)の点線で示されるフィードバック電圧P12)が、反転端子側に供給されるのこぎり波電圧(図8(a)のコンデンサCT)を超えた場合、差動増幅器51及びOR回路52からは方形波パルスが出力される。OR回路52からの出力は、図8(b)のDフリップフロップ(F/F)54のCk入力のようになる。このとき、Dフリップフロップ(F/F)54の出力Q、Dフリップフロップ(F/F)54の反転出力Qバー、そして、AND回路55、57とNOR回路56、58とにより構成される論理回路を介してプッシュプルトランジスタ増幅器Q10、Q11のエミッタに出力される各波形は、図8(c)〜(f)のように図示される。そして、例えばこのプッシュプルトランジスタ増幅器Q10、Q11のエミッタからの出力が、後述の図11に示すダウンコンバータ (降圧型チョッパ回路)BL2に供給されるよう構成された回路がPWM制御スイッチング回路101である。
次に、図5の定電力制御回路の具体的な例について説明する。図9は、図5に示す定電力制御回路の具体例を示す図である。図9に示す回路は、図5に示す回路に存在する電流検出のための増幅器A1を抵抗R6で置き換えた回路であり、図5に示す回路と同様に基準電圧源VrefOに収束するように安定化される。この回路系のPL(=VL×IL)の伝達関数は次式となる。
PL=−K2/RS×(VL−K1/K2)×VL
(ただし、K1、K2は定数)
図10は、図5に示す回路系の電力伝達関数を示すグラフである。なお、図10では、横軸をVL、縦軸をPLとして電力伝達関数のグラフが図示されている。図10に示すように、電力伝達関数の特性カーブは、必ず軸の原点oを通る負の放物線である。したがって、電力PLが略一定とみなせる範囲は狭帯域であり、例えば、200Wの超高圧水銀ランプを負荷対象とした場合、せいぜい±12Wの範囲が実用上使用可能な範囲となる。これ以上の電力が印加された場合には、ランプ温度が高くなってランプが破裂する可能性があり、逆に、これ以下の電力では輝度不足や水銀の蒸発が少なくなり、フリッカの発生などの不具合が生じることが知られている。すなわち、この回路方式では、せいぜいVL=70V〜120Vが実用範囲である。
電圧が低く、ランプの輝度が低下している場合には、ランプの輝度を向上させるために不可欠なショートギャップ化を行う必要がある。しかしながら、ショートギャップ化によってランプ電圧は低電圧方向に移行してしまうため、結果的にランプの輝度を向上させることが妨げられてしまうことになる。他方、高い電圧に対しては上記の範囲を超えないようにシャットダウン保護回路を設ける必要があるが、ランプの経年変化による電極磨耗でランプ電圧が上昇し、このシャットダウン保護回路のしきい値電圧によってランプ寿命が短縮する結果となる。
また、図11は、従来の放電灯(ランプ)用電源回路である定電力制御回路の第2の例を示す回路図であり、AC電圧源及びAC/DCコンバータを含む回路の一例を示す図である。図11に示す定電力制御回路では、商用周波数の交流(AC)電源から整流平滑回路1を介して第1の直流(DC)電圧源DC1が作成される。この回路は、インダクタL1とON/OFF動作のスイッチング素子SW1、スイッチング素子SW1の制御回路BL1、インダクタL1を介してON/OFF電流を整流して平滑した第2の直流(DC)電圧源DC2、スイッチングパルスを平滑するコンデンサC2、ランプ負荷8の絶縁破壊を行うイグナイタ7などにより構成されている。
また、ランプ負荷8の電圧VLの検出が可能な分圧抵抗R31、R32の接続点は、非反転増幅器15、基準電圧源Vreflを有する反転増幅器16、電力調整用可変抵抗VR2を介して非反転増幅器17の反転入力端子に接続されている。さらに、電流ILの検出が可能な抵抗RSは、非反転増幅器10を介して非反転増幅器17の非反転入力端子に接続されている。そして、非反転増幅器17の出力によってPWM制御スイッチング回路18を介してスイッチング素子SW1のON/OFF動作の制御が行われる。
この定電力制御回路は、図5及び図9の回路と同様に、電圧、電流の加算器となっている。そして、この定電力制御回路によって発生する擬似定電力(すなわち、反転増幅器16の反転入力端子電圧)は、非反転入力端子の基準電圧源Vreflとなり、かつ、非反転増幅器17の非反転入力端子電圧が反転入力端子電圧と等しくなるよう電流ILがPWM制御され、すなわち、電力に対して負のフィードバック制御が行われて安定化される。
スイッチング素子SW1が短絡(導通)時には、負荷電圧VLによって第1の直流(DC)電圧源DC1からインダクタL1を介してコンデンサC2、ランプ負荷8などに電流が供給される。一方、スイッチング素子SW1が開放時には、スイッチング素子SW1の短絡時にインダクタL1に貯蔵された磁気エネルギーが、フライフォイールダイオードD2、インダクタL1、そしてコンデンサC2、ランプ負荷8などの経路で電流として放出される。
図11に示す回路によって作成された電圧VL、電流ILは、整流、平滑されたDC電圧、DC電流である。この電圧、電流を検出してPWM制御を行う従来の方式は、定常時の平均値制御であり、商用周波数の交流(AC)電源が有する50/50Hzの低周波数リップル(ブリッジ整流後は100/120Hzに変換された周波数リップル)や、スイッチング素子SW1の高周波スイッチング(一般には10kHz〜1000kHz)によるリップル変動を抑制するには限界がある。したがって、どうしても整流平滑回路1のコンデンサC1の容量を大きくせざるを得ないことになり、小型化ができないとかコストが下がらないなどの問題が生じる。
また、第2の直流(DC)電圧源のコンデンサC2の容量を大きくした場合には、ランプ負荷8ヘのインラッシュ電流が大きくなって電極の寿命に影響を与えることとなる。さらに、ランプ負荷8がイグナイタ7によりブレークダウンしてから、グロー放電及び安定したアーク放電に移行する過渡期間(1μ秒〜100μ秒)では、コンデンサC2のコンデンサエネルギーが瞬間的に放電する。したがって、連続的エネルギーを必要とするランプ負荷8に対して、インダクタL1からの電流供給に切り替えるためにも、できるだけコンデンサC2の容量を小さくする必要がある。しかしながら、コンデンサC2の容量を小さくした場合には、逆に高周波スイッチングによるリップル変動がランプ負荷8との音響共鳴を引き起こす要因となることや、プロジェクタの光源として用いると画面上のノイズ要因になりやすいなどの欠点がある。
第2の直流(DC)電圧源のコンデンサC2とランプ負荷8との関係については、特に厳しい制約条件があるので、まず、ランプ特性との関連について説明し、現在問題になっていることをより明確化する。図12は、従来のメタルハライドランプなどの放電ランプの典型的な放電電流及び電圧特性を示すグラフである。この種のランプを点灯させる際には、まず、イグナイタ7により高電圧パルスを供給してバルブの電極間をブレークダウンし、放電を開始させる。これは図12のo−A付近の領域に相当する。
バルブの電極間のブレークダウンに必要な高圧パルスは通常、数kV以上である。ランプのブレークダウンに続いて始まる不安定な期間(この期間を第1次テイクオーバと呼ぶことにする)から、ランプはグロー放電段階に入る。なお、第1次テイクオーバは、典型的には数μ秒〜数10μ秒間継続するものであり、図12のB点付近に相当する。また、グロー電圧は略一定であり、ランプの特性によって異なるが、グロー電圧の値は通常150〜200V程度である。
放電を維持するために必要な放電維持電圧は、第1の直流電圧源DC1から供給される。グロー放電への移行エネルギーはコンデンサC2に蓄えられた充電電圧により生成され、(1/2)CV2となることが知られている。なお、Cはコンデンサの容量、Vは充電電圧を示す。グロー放電への移行後、速やかにアーク放電に移行(第2次テイクオーバと呼ぶことにする)するためには、十分なエネルギーが必要とされる。すなわち、グロー放電の熱で電極が加熱されて熱電子電流が多くなるに従って、グロー放電からアーク放電ヘの障壁を越えて、アーク放電を開始することが可能となる。
従来の技術では、コンデンサC2はランプ点灯のためだけではなく、アーク放電後の高周波リップル電流を低減させるための平滑用コンデンサとしての役割が大きい。この高周波リップル電流は、ダウンコンバータBL2が高周波(数10kHz〜数100kHz)でスイッチングしているために発生するリップル成分であり、ランプ負荷8の音響共鳴によるアーク不安定のリスクを低減させるために平滑される必要がある。典型的にはリップル含有率を5%以下にするため、平滑用のコンデンサC2として0.1μF〜10μFの容量のコンデンサが一般的に使用される。
ダウンコンバータBL2から供給される電力は、主にアーク放電への移行後のゆっくりとしたランプ電圧変化における電力制御に利用されるが、グロー放電段階においても適切なエネルギーを供給できるようにダウンコンバータBL2を制御し、典型的には数100mAのグロー電流を供給できると考えられている。
しかしながら、平滑用として使用するコンデンサC2の容量が大きい場合、ランプ負荷8のブレークダウンからアーク放電までの速い動作にダウンコンバータBL2の動作が応答しきれず、グロー放電段階にはダウンコンバータBL2からランプ負荷8に対して、連続的な電力の供給がほとんどできていない。すなわち、ダウンコンバータBL2からの電流は、いったんコンデンサC2に充電されるので、ランプ負荷8に対してすぐに供給することはできない。
実際には、コンデンサC2の充電電圧がランプ負荷8に放電するエネルギーによってアーク放電への移行を行っている。このエネルギーは、瞬間的には高いが連続的ではないので、しばしばアーク放電は失敗し、ブレークダウンとグロー放電及び第2次テイクオーバの領域との間を往復しながら徐々に電極が加熱されてアーク放電に達する。
この往復する回数は、ランプ自身の点灯の性能の善し悪しに依存する。すなわち、図12において、B点、D点、E点、F点の電圧レベルの高いランプは、点灯性能が悪く、ブレークダウンとグロー放電及び第2次テイクオーバの領域との間を何度も往復することとなる。そして、ブレークダウンとグロー放電及び第2次テイクオーバの領域との間を往復するたびに、ランプ負荷8の電極間に高圧パルスが供給され、スバッタによってランプの内壁が電極素材のタングステンで覆われて、ルーメン出力が低下してしまう。したがって、コンデンサC2の容量をいたずらに大きくして充電エネルギーを大きくしても、実際には、ランプの点灯性能はほとんど変わらない。
これを改善する方法として、下記の特許文献2には、過渡期間はコンデンサC2を小さい定数としておき、定常時になった場合には、コンデンサC2に大きな容量を追加する方法が開示されている。
また、狭帯域の定電力範囲を改善するために、従来例(2)として負荷電流を検出し、検出された電流値に応じて回路定数を切り替える複数擬似定電力方式が特許文献1に開示されている。図13は、従来の負荷電流を検出して、その電流値に応じて回路定数を切り替える方式における回路系の電力伝達関数を示すグラフである。図13に示すように、この技術は、狭帯域擬似定電力カーブを、定数を切り替えて複数重ね合わせ、電力のフラット範囲を拡張させるものである。
図14は、従来の放電灯(ランプ)用電源回路である定電力制御回路の第3の例を示すものであり、具体的に図11の制御回路BL1の部分を変更した回路の一例を示す図である。図14に示す回路は、電流値に応じて定数の切り替えを行うためのものであり、図11の回路を改善したものである。図14の回路では、電圧VLと電流ILとを検出してPWM制御スイッチング回路18の非反転増幅器17に入力させ、PWM制御スイッチング回路18の出力によってインダクタL1に接続されたスイッチング素子SW1を駆動させる定電力DCコンバータの制御回路部分のみが示されている。
図14に示す回路では、ランプ電圧VLの検出が可能な分圧抵抗R31、R32の接続点が非反転増幅器15、及び基準電圧源Vreflを有する反転増幅器16を介して、PWM制御スイッチング回路18の非反転増幅器17の反転入力端子に接続されている。また、非反転増幅器17の非反転入力端子には、放電灯電流ILを検出抵抗RSで検出し、非反転増幅器10、抵抗R12、R20、R22を介して印加されるよう構成されている。この回路構成において、抵抗R12と抵抗R20との間の接続点から、トランジスタQ1、Q2、Q3のON/OFFに応じてそれぞれ切り替え用抵抗R17、R18、R19に接続又は非接続となる切り替えを可能にしている。
また、非反転増幅器10の出力を反転増幅器11を介してコンパレータ12、13、14の各反転入力端子に共通に供給し、各コンパレータ12、13、14の他方の非反転入力端子には、分割抵抗R13、R14、R15、R16、電力調整可変抵抗VR1による切り替え電流値に応じて、電圧源P1からしきい値電圧を付加する。この構成により、電流値に応じて、図13に示すような複数の擬似定電力特性が得られ、負荷電圧VLに対して負荷電力PLが平坦となる範囲を広帯域化することが可能となる。例えば、超高圧水銀ランプ200Wの場合、±12Wの偏差が少なくともランプ電圧VL=60V〜140Vの広範囲で実現可能である。
また、図15は、従来の放電灯(ランプ)用電源回路である定電力制御回路の第4の例を示す回路図であり、マイコンを利用して定電力制御を行うための回路を示す図である。なお、図15に示す回路は、従来例(3)の一例であり、図11の制御回路BL1内の非反転増幅器15、反転増幅器16部分をマイコン20、D/Aコンバータ21に置き換え、電流検出用の非反転増幅器10の非反転入力端子に電力コントロールVR2を付加したものである。
図15に示す回路では、電圧VLと電流ILとを検出してマイコン20に印加し、電圧VLと電流ILとの積が一定となるようにプログラム制御されたマイコン20のデジタル出力をD/Aコンバータ21でアナログ値に変換し、このアナログ値を非反転増幅器17に供給する。
図16は、図15に示す定電力制御回路の電流特性及び電力特性を示すグラフである。マイコンを利用した従来例(3)は、従来例(1)及び(2)とは異なり、電力PLは和ではなく積となっているので広帯域にわたって定電力化を実現することが可能である。
また、図17は、従来の力率補正コンバータの代表的な回路の一例を示す回路図である。最近は、電源の高調波規制、力率改善、ワールド電源を主目的として、図17に示すような力率補正制御回路30を含む昇圧型チョッパ方式の力率補正コンバータ(PFCコンバータ)BL30を整流平滑回路1の後段に挿入する場合がある。
特許第2992023号(段落0002〜0032、図1〜図9、図13) 特開2000−123989号公報(段落0002〜0056、図1〜図13)
しかしながら、例えば、マイコン20を利用して定電力制御を行う方式を採用した図15に示す回路では、超高圧水銀ランプやメタルハロイドランプが有する特性、すなわち、グロー放電からアーク放電に移行してランプ電圧が15V付近から徐々に上昇していく特性を有する放電灯(ランプ)の場合、定電流モードから定電力モードに切り替わる点P10が存在する。マイコン20の制御は、この電圧の上昇速度に追随することができず、図16(a)に示すように定電流領域が定電力領域にまで入り込んでしまい(Zで示す部分)、図16(b)に示すように、この影響によって過大電力が発生してしまう(Zで示す部分)という問題がある。
また、例えば電流値に応じて定数の切り替えを行う方式を採用した図14に示す回路では、ランプ電圧VL=70V〜90Vの範囲でトランジスタQ1、Q2、Q3を切り替えることとなる。したがって、4モードの擬似定電力特性が重なり合う関係上、定数切り替えごとに電力カーブが変化するため、電圧VLに対して電力PLが平坦化になるよう収束させるためには、電力調整可変抵抗VR2と、70V〜90Vの平坦化調整可変抵抗VR1とを交互に調整する必要がある。さらに、上述の図16に示すように、実際には定電力モード移行前に定電流モードが存在し、その定電流値を調整するための可変抵抗との交互調整も必要となり、調整が複雑となって時間がかかるという短所を有している。
また、例えば図17に示すように、整流平滑回路1の後段に力率補正コンバータBL30を挿入した場合、力率補正コンバータBL30が過大電力の引き金となり、コンデンサC31との共振によって生じる過大共振電流によりFETなどのスイッチング素子SW30が破壊されたり、交流(AC)電圧90V以下の減電圧入力ではAC入力電流が更に増加するために、チョッパコイルL30の飽和によってスイッチング素子SW30が破壊されたり、力率補正コンバータBL30が有する過電流保護回路が動作してしまったりするなどの問題がある。また、プログラム開発ツールの費用、メモリ書き込み費用、マスク代などを考慮した場合には、マイコン20を使用する回路方式は相対的にコストが高くなってしまう。
そこで、上記問題点に鑑み、ショートギャップ化によるランプ電圧ダウンや、経年変化によるランプ電圧の上昇にかかわらず、また、回路定数の切り替え回路を必要とせずに、電圧VLと電流ILとの積が一定となるようにし、ランプ電圧変化に対して広帯域で定電力制御を行って、ランプ輝度向上、ランプ寿命延長、ランプ破裂やフリッカのない安定したランプ点灯を実現する定電力制御回路が望まれる。
また、点灯開始時から定常時まで(定電流期間、定電力期間又は過渡期間、定常期間によらず)過大電力などが生じない安定したランプ点灯を実現する定電力制御回路が望まれる。また、平滑コンデンサなどの切り替え回路を必要とせずに、商用周波数の低周波リップルと高周波リップルを低減可能とし、かつ、安定したランプ点灯を実現する定電力回路が望まれる。また、コンパクトで、コストが低い定電力制御回路が望まれる。
ここで、図18は本発明が適用される従来のランプ電源回路の全体の回路構成を示し、AC電圧源及びAC/DCコンバータを含む回路の一例を示す図である。商用周波数の交流(AC)電源から整流平滑回路1を介して第1の直流(DC)電圧源DC1が作成される。この回路は、インダクタL1とON/OFF動作のスイッチング素子SW1、スイッチング素子SW1の制御回路BL1、インダクタL1を介してON/OFF電流を整流平滑する第2の直流(DC)電圧源DC2、スイッチングパルスを平滑するコンデンサC2、ランプ負荷8の絶縁破壊を行うイグナイタ7などにより構成されている。
ランプ電圧VLとランプ電流ILを検出して定電力制御回路62を介してPWM制御回路63にてスイッチング素子SW1をON/OFF制御させるパルスを生成する。ON/OFFの比率に応じてインダクタL1の磁気エネルギー保存則が成立するように、スイッチング素子SW1短絡時の磁気エネルギーを貯蔵する期間の直流電圧源DC1、スイッチング素子SW1、インダクタL1そしてコンデンサC2以降の負荷回路を経由する閉路電流Ionと、スイッチング素子SW1開放時のインダクタL1の磁気エネルギーを放出する期間のフライホイールダイオードD2、インダクタL1そしてコンデンサC2以降の負荷回路を経由する閉路電流Ioffの電流量が一意に決まる。
すなわち磁気エネルギー保存則から本来定電力制御が可能であるが、図18に示す定電力制御回路62に、例えば図4に示すようなコンパレータ302を使用すれば、ランプ電圧VLとランプ電流ILの和(VL+IL)となって前記パルス幅の比率がずれることとなり、定電力(VL×IL)ではなく、擬似定電力となる。これを改善するために定電力制御回路62に乗算器と定電力レギュレータとしてシャントレギュレータなどを使うことが考えられる。
また図3に示すように、ランプ電圧とランプ電流が入力される定電力制御用のマイコン304を導入して、和のズレを積となるようにおそらくマイコンのプログラミングで補正していると思われる実用例があるが、マイコンの処理内容までは明らかになっていない。マイコン304にて定電流にするときは、入力検出電圧にかかわらず電圧検出回路60の出力又はその出力がA/Dコンバータ65で変換されて、電圧と電流が入力されマイコン304によるプログラミングで定電力処理される回路の入力までの間で固定値に設定されれば、おのずと定電流モードとなる。
次に、最初に触れた超高圧水銀ランプなどに対して、絶縁破壊後、図19(a)に示すようにランプ電圧VLが急峻に下がり、このときから定電流モード(図19(b)のt2〜t3期間)でランプ駆動し、ランプ電圧VLの最小値(超高圧水銀ランプでは15V〜25V)まで下がり、その後徐々に電圧VLが上昇して図19(a)に示すように時間t3のあるしきい値電圧、図19(a)では42Vから定電力モードとする回路方式について述べる。
図19の例は定電力250W、初期期間定電流5Aという条件の場合で、250W/6A=42Vよりしきい値電圧が42Vとなっている。定電流モードにするには図18の電圧検出回路60の出力が一定になれば、後段の定電力制御回路62にて自然にランプ電流ILが一定となり、定電流モードとなる。
図18中の電圧検出回路60では、ランプ電圧VLの低い電圧、図19では42V以下を一定電圧とするために第1の反転増幅器で反転させ、42V相当より大きい電圧をクランプして固定化するなどの処理回路を介した後に、第2の反転増幅器で元に戻す。図19(a)を反転させた波形が図19(e)である。第1の反転増幅器で反転した電圧を42V以上を固定値としてマイコン304に設定しておく。図19のt1〜t3の電圧、電流共に急峻な動作変化に対してはマイコン304の定電力プログラミングなどの処理速度は追随できないので、図19のt1から固定値として設定しておく。すなわち定電流モードからスタートさせる。
最小電圧から上昇して42Vになると、マイコン304の電圧入力値固定化を解除して、入力電圧と入力電流との積が一定の定電力となるように、マイコン304の出力はプログラミング処理制御される。コンパレータ302である加算器に電流検出回路61と電力処理用のマイコン304とが入力されているので、本来電力は電圧と電流の積でなければならないので、ズレが生じる。これを補正するのにマイコン304でプログラミング補正処理することで、広帯域定電力回路を実現する方式である。以上の回路例で得られる波形をランプ電圧VL、ランプ電流IL、ランプ電力PL、時間t、そしてクランプ電圧Vcをパラメータとして図19(a)〜(e)に示す。
このようなランプ電源定電力駆動方式の下で、ランプ製造偏差、冷却温度などの微妙なバランス次第で、超高圧水銀ランプなどの点灯モードは、陰極の広範囲に放電箇所が拡散する安定したディフューズドモード(拡散モード)と、陰極の一点に放電部分が集中する安定したスポットモードと、そしてその中間で不安定なディフューズドモードと不安定なスポットモードとの間の移行を繰り返す不安定な中間モードの3モードのいずれかに納まると言える。
ところで、点灯時の放電部分の陽極温度はオレンジ色で800°C〜1000°Cぐらいと推測される。安定したディフューズドモードのとき、放電部分の陰極は暗いオレンジ色で500°C〜800°Cぐらいと推測される。このモードは陰極温度が低いため、磨耗によるランプ電圧上昇が小さく、寿命が長く、拡散光源のため輝度は2%〜4%明るいという長所がある。逆に、プロジェクタの光源として用いた場合、フォーカス性能改善、液晶などのデバイス形状のサイズダウン、光学系の光路長の短小化には不適という短所にもなりうる。
他方で、安定したスポットモードのとき、放電部分の陰極は陽極と同じオレンジ色で同じく800°C〜1000°Cぐらいと推測される。点光源のため、輝度は2%〜4%暗いが、プロジェクタの光源として用いた場合、フォーカス性能改善、液晶などのデバイス形状のサイズダウン、光学系の光路長の短小化によるコンパクト化が可能という長所と、逆に陰極温度が高いため、磨耗によるランプ電圧上昇が大きく、寿命が短いのが短所である。ランプを使用するプロジェクタなどの映像機器においては、寿命、明るさを優先して、ディフューズドモードで点灯するのが一般的である。
したがって、常に安定したディフューズドモードで使いたいのに、実際には各種のバランス次第でディフューズドモードとスポットモードとが交互に出現する不安定な中間モードを余儀なくされる場合もあり、このときフリッカ現象が発生する。ディフューズドモードは拡散光源のため、輝度は2%〜4%明るく、逆にスポットモードは輝度は2%〜4%暗いため、可視周期(数Hz〜数10Hz)でディフューズドモードとスポットモードとが交互に出現すると、いわゆるフリッカ現象が発生する。
例えばランプを冷却しすぎると熱電子放出が抑制されてスポットモードになり、逆に冷却が不足すると破裂するため、ランプ温度管理が難しく、ランプを100%安定したディフューズドモードで点灯できれば理想的であるが、実際には不安定な中間モードを余儀なくされるランプも発生せざるを得ない。
またそれらのランプを選別して廃棄することによる歩留まり率低減がそのまま製造原価の上昇として跳ね返ってくる。陰極、陽極の形状、材質の選別、ランプ内水銀量、不純物、ガラスなどの管理の徹底、陰極と陽極間ギャップ長の最適化など、ランプが安定したディフューズドモードに納まるように設計されるのだが、他社特許の存在による制約条件や各要因の偏差量管理とバランスをとるのも難しく、製造されたランプが100%目的通りのものにでき上がるものではないのが現状である。
すなわち、「本発明が解決しようとする課題」をまとめると、安定したディフューズドモードと、不安定なディフューズドモードと不安定なスポットモードの間の移行を繰り返す混在モードと、安定したスポットモードの3モードがあり、条件次第でどのモードにも移行すると言える。このような環境下でランプ電源を立ち上げて、最初にランプを点灯したとき、仮に当初ディフューズドモードであったとしても、ファン冷却が強いなどの各種の要因で熱電子の放出が少なくなると、結局陰極はオレンジ色のスポットモードとなる。陰極温度は100°C〜200°C高く、熱電子の放出が次第に多くなると、今度は陰極はディフューズドモードに移行して暗いオレンジ色に変わり、陰極温度は100°C〜200°C下がっている。再び熱電子の放出が少なくなると、また陰極はオレンジ色のスポットモードに移行するという悪循環を可視周期(数Hz〜数10Hz)で繰り返すフリッカ現象を断ち切る必要がある。しかしながら先に述べたようにフリッカレスのランプがランプ電力に応じて、自在に製造できないのが現状である。ランプを使用するプロジェクタなどの映像機器においては、このフリッカが発生することは許されない。
本発明は上記の問題点に鑑み、フリッカを防止することができるランプ電源回路を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために、放電ランプの電圧を検出するランプ電圧検出回路と、
前記放電ランプの電流を検出するランプ電流検出回路と、
所定時間を設定するタイマと、
前記ランプ電圧検出回路により検出されたランプ電圧と前記ランプ電流検出回路により検出されたランプ電流とに基づいて、前記放電ランプを点灯開始時に所定モードで駆動して点灯後の定常時となったとき定電力モードで駆動した後、前記ランプ電圧検出回路により検出されるランプ電圧を固定値にして定電流モードに移行させるとともに、前記固定値を前記タイマによって設定した前記所定時間ごとに前記ランプ電圧検出回路により検出されるランプ電圧に更新する制御手段とを、
有することを特徴とする。
本発明は点灯時初期期間と定常期間で実施されている期間ごとに定電流、定電力と区分けするだけではなく、定常期間、定電流制御状態にあるため、ディフューズドモードとスポットモード間の移行時に方形波状に急峻に変化する場合は、いくら電極が変化してランプ電圧が変化しても、ランプ電流は変化しないのでフリッカ現象は発生しないという特徴を有している。
本発明のランプ電源回路を使用することにより、従来フリッカが発生するとして選別、廃棄されていたランプが使用できることになり、ランプ製造条件、空冷条件を緩和できることになり、大幅なコストダウンが実現可能となる。
本発明では、ランプの放電部分の陰極が暗いオレンジ色のディフューズドモードのとき、冷却を緩和したり、印加電力を大きくすると、ディフューズドモードを維持し、逆に陰極がオレンジ色のスポットモードのとき、冷却を強くしたり、印加電力を減少させると、スポットモードを維持することに着目する。
すなわち、第1の解決手段では定電流制御方式を導入する。熱電子放出が抑制されてランプ電圧が高く(1V位高く)なる方向にあると、ランプ電源は定常時は定電力モードのため、電流を減少させてしまい、一層熱電子放出を抑制する方向となるため、結局ディフューズドモードからスポットモードに移行してしまう。これを防止するために定電力モードではなく、定電流モードになっていれば、電流を減少させずに印加電力を増進させ、熱電子放出量を増進させ、スポットモードに移行することを防止できる。
逆にディフューズドモードでランプ電圧が低く(1V位低く)なる方向にあるときは、定電力制御のため電流を増加させるように制御されるため、熱電子放出が活発な状態を維持でき、ディフューズドモードからスポットモードに移行しないことになり、この場合は定電力制御でもよさそうに思われる。ところがディフューズドモードからスポットモードへの移行周期は可視周期の数Hz〜数十Hzだが、その中身は過渡期間と定常期間のトータル周期であり、過渡期間にデジタル的に電圧変化があり、その後の定常期間はアナログ的変化を呈し、定電力制御は定常期間のアナログ的変化に対しては抑制効果があるが、モード変換時は方形波状の変化であり、立ち上がりエッジ部分の急峻なデジタル的電圧変化(数μS〜数10mS)に対しては安定な回路系を維持する上で追随できないため、電圧の急峻な減少後電流を増加させて定電力にしている。このモード変換時も電流変化を抑制できないため、フリッカ現象が発生し、結局定電力制御では抑制できないと言える。
したがって、定常時には定電流制御とすることにより、モード移行時、放電の等価抵抗値が変化してデジタル的にランプ電圧が変わっても、電流は変化しないので輝度変化とはならずフリッカ現象は発生しない。「発明が解決しようとする課題」の項目で説明した初期期間の定電流モードと同様に、図18に示す回路において電圧検出回路60の出力電圧を一定とすれば、ランプ電流も一定となり、ランプ電圧の変化にかかわらず定電流モードが実現できる。
次に定電流制御方式にすることにより、超高圧水銀ランプでは60V〜140Vまで変化するのにいかに定電力を維持するかという課題が発生する。この解決手段を第2の解決手段として述べる。「発明が解決しようとする課題」で説明した初期期間の定電流モードでは、定電力制御回路62がマイコン制御の場合、プログラミング速度が遅くて追随できないので、図19のt1のスタートから固定値に設定してあり、この定電流期間、電力は電圧に比例するので過大出力は発生しない。
本発明では図19のt3を過ぎた時点から、後述する図1中のマイコン304を働かせて定電力化させている。安定した定電力モードから定電流モードに移行することは、マイコン304にとって容易なことである。ある時刻の検出電圧は、図1に示すように電圧検出回路60、A/Dコンバータ65を介してマイコン304のプログラミング定電力制御回路67にデジタルのデータとして入力されており、そのデータをメモリに記憶して固定化させることは容易にできる。
電極の磨耗に起因するランプ電圧の経時変化は長いスパンであるが、マイコン304を使う回路方式では、任意に長時間タイマが作成可能であり、定電流値の設定し直しは先にメモリに記憶した値を書き換えればよく、例えば電源入力時ごとに、かつ連続点灯時の6時間ごとなどに対応しておけばよい。6時間ごとに一回切り替わっても実用上問題にはならない。また特に定電流モードでは、ランプ負荷への許容印加電力はランプ電圧が上昇したときに超過する恐れがあるが、過電力保護回路をマイコン304に設けておけばよい。マイコン304による制御回路の特徴は過電力保護回路を多数設けても、部品点数を増加させずにプログラム処理だけで対応可能なことである。
図1を参照して本発明の一実施の形態を説明する。図1はAC電圧源及びAC/DCコンバータを含む回路の一例を示す図である。商用周波数の交流(AC)電源から整流平滑回路1を介して第1の直流(DC)電圧源DC1が作成される。この回路は、インダクタL1とON/OFF動作のスイッチング素子SW1、スイッチング素子SW1の制御回路BL1、インダクタL1を介してON/OFF電流を整流して平滑した第2の直流(DC)電圧源DC2、スイッチングパルスを平滑するコンデンサC2、スイッチング素子SW1のOFF時に導通するフライフォイールダイオードD2、ランプ負荷8の絶縁破壊を行うイグナイタ7などにより構成されている。
図1では、図18の定電力制御回路62の代わりに、A/Dコンバータ65、66及びプログラミング定電力制御回路67を有するマイコン304が設けられ、また、プログラミング定電力制御回路67の出力がD/Aコンバータ64を介して非反転入力端子側に、電流検出回路61の出力が反転入力端子側に入力されているコンパレータ302が設けられている。
電流検出回路61の具体的回路例を図2に示す。ランプ電流ILを検出抵抗RSにて電圧化して検出し、その電圧を抵抗R10、コンデンサC10を介して差動増幅器305の非反転入力端子に印加する。また、差動増幅器305の反転入力端子には差動増幅器305の出力を帰還抵抗R11とハイパスフィルタ(C11、R12)との並列接続回路を介して印加されるとともに、抵抗R13を介して電流制御すなわち電力制御用可変抵抗R14が接続されている。
差動増幅器305の出力は、抵抗R15を介してコンパレータ302に接続されるとともに、マイコン304のA/Dコンバータ66を介してプログラミング定電力制御回路67に接続されている。図19のt1〜t3期間の電圧、電流の変化は急峻であり、定電力制御を受け持つ回路がマイコン304のプログラミングによる定電力制御では、速度が遅くて対応できない。そのために図19のt1のスタートから電圧値を固定値としてメモリに記憶させてある。この固定値は電流検出回路61の具体例にある差動増幅器305の基準電圧源に付加されている電力制御用可変抵抗R14にて、例えばランプ電圧VLが42Vのときに250Wに調整した場合、ランプ電流ILが6Aとなるように設定されている。
このときの電力は、電流検出回路61の出力をマイコン304とコンパレータ302の両方に入力させてあるので、電圧に比例した電力すなわち、42V時250Wに設定してあれば、42Vより低いところでは電圧に比例して電力も小さくなっている。図19のt1〜t2では電圧は大きいが、実際にはグロー放電からアーク放電への移行期間では定電流は流れておらず、250Wを超えることはない。
ランプ電圧VLが最小電圧から上昇してきて42Vになった時点で、メモリに記億させた固定データを、電圧検出回路60からA/Dコンバータ65を介して取り込んでいる実働データに切り替えることにより、差動増幅器305の出力をA/Dコンバータ66を介して取り込んでいる電流の実働データとの掛け算処理をマイコンのプログラムで実行させ、得られたデジタルデータをD/Aコンバータ64にてアナログ電圧に変換して、非反転入力端子に電流データが入力されているコンパレータ302の反転入力端子に入力させる。コンパレータ302は加算器であり、本来電力は電圧と電流の積であるから、定電力にならずに擬似定電力となり、誤差が生じる。そこでマイコン304のプログラミング定電力制御回路67でこの誤差を補正する必要がある。
ここで、ランプ電圧VLが電圧検出回路60を介してプログラミング定電力制御回路67に入力される電圧を、
V=K1×VL(K1は定数) …(1)
ランプ電流ILが電流検出回路61を介してプログラミング定電力制御回路67に入力される電流を、
I=K2×IL(K2は定数) …(2)
とすると、プログラミング定電力制御回路67の出力はD/Aコンバータ64を介して何の補正もなければ、
V×I=K1×K2×K3×VL×IL (K3は定数) …(3)
となる。コンパレータ302には(2)式の電流と(3)式の電力値が入力されてコンパレータ302からは加算されたものが出力される。すなわち(2)式と(3)式を足すと補正なしの場合の次式が得られる。
I+V×I=K2×IL×(1+K1×K3×VL) …(4)
次に定電力にするにはいかに補正すればよいかを述べる。(4)式がIL×VLの比例式になっていれば定電力が実現できるわけで、(4)式にて、
VL=1/(K1×K3)×(VL−1) …(5)
と補正すると、(4)式は、
I+V×I=K2×IL×VL …(6)
となり、電流Iと電力V×Iの和ではなく、電力IL×VLの積となり、定電力が実現できる。
(6)式はコンパレータ302の出力が、ランプ電力PLに電流検出抵抗RSでランプ電流ILを検出して、差動増幅器305の出力までの間の比例定数K2を掛けた値になることを示している。マイコン304での補正では(5)式に示すように、ランプ電圧VLから1V減算した値に、ランプ電圧VLを検出した後、プログラミング定電力制御回路67に入力されるまでの比例定数K1と、プログラミング定電力制御回路67での比例定数K3との積の反比例定数を掛けた補正処理を施す。この補正状態で電流制御すなわち電力制御でもある電力制御用可変抵抗R14で例えば250Wに調整できれば比例定数K2を盛り込んで定電力PL(=VL×IL)が実現できることを意味している。この設定で図19に示されている電圧、電流、電力、時間の各特性が得られる。
本発明では安定した定電力モードになってからマイコン304内のタイマを利用して再度定電流モードに切り替える。電圧検出回路60がA/Dコンバータ65を介して取り込んでいる実働データをメモリに記憶させて、固定化する。この処理にて再度定電流モードに切り替わる。ただし、次にランプを再点灯するときにこの定電流モードから立ち上げることはできないので、ランプ消灯ごとにこのメモリのデータはリセットする。
また長時間連続点灯時はメモリのデータはリセットされないので、電極の磨耗に起因するランプ電圧の経時変化によってランプ電圧が60V〜140Vまで変化しても使えるように、定電力チェックが必要である。定電流モードでメモリに記憶させて、固定化してあるデータをマイコン304内のタイマを利用して、例えば6時間ごとなどに、メモリに記憶させて、固定化されているデータを、電圧検出回路60がA/Dコンバータ65を介して取り込んでいる実働データに書き直すのである。
ランプ点灯時間はユーザによっていろいろであり、ランプ消灯ごとにメモリのデータをリセットするだけでは、定電力を遵守することは不可能であり、ランプによってどの程度ランプ電圧が変化するかも異なるので、最低フリッカが目視できない程度の周期でメモリの書き換えが必要である。
本発明に係るランプ電源回路の一実施の形態を示すブロック図である。 図1の電流検出回路を詳しく示す回路図である。 図1の回路の概略を示すブロック図である。 従来の回路の概略を示すブロック図である。 従来の放電灯(ランプ)用電源回路である定電力制御回路の第1の例を示すブロック図である。 従来の擬似定電力特性と理想的な定電力特性とを示すグラフである。 従来のパルス幅制御回路の代表的な一例を示すブロック図である。 図7に示す従来のパルス幅制御回路におけるタイミングチャートである。 図5に示す定電力制御回路の具体例を示すブロック図である。 図5に示す回路系の電力伝達関数を示すグラフである。 従来の放電灯(ランプ)用電源回路である定電力制御回路の第2の例を示す回路図であり、AC電圧源及びAC/DCコンバータを含む回路の一例を示す図である。 従来のメタルハライドランプなどの放電ランプの典型的な放電電流及び電圧特性を示すグラフである。 従来の負荷電流を検出して、その電流値に応じて回路定数を切り替える方式における回路系の電力伝達関数を示すグラフである。 従来の放電灯(ランプ)用電源回路である定電力制御回路の第3の例を示す回路図であり、具体的に、図11の制御回路BL1の部分を変更した回路の一例を示す図である。 従来の放電灯(ランプ)用電源回路である定電力制御回路の第4の例を示す回路図であり、マイコンを利用して定電力制御を行うための回路を示す図である。 図15に示す定電力制御回路の電流特性及び電力特性を示すグラフである。 従来の力率補正コンバータの代表的な回路の一例を示す回路図である。 本発明が適用可能な従来のランプ電源回路の全体構成を示す回路図である。 図18における主要信号を示す波形図である。
符号の説明
1 整流平滑回路
7 イグナイタ
8 ランプ負荷(放電ランプ)
50、60 電圧検出回路
51、61 電流検出回路
62 定電力制御回路
63 PWM制御回路
64 D/Aコンバータ(D/A)
65、66 A/Dコンバータ(A/D)
67 プログラミング定電力制御回路
302 コンパレータ
304 マイコン
305 差動増幅器

Claims (2)

  1. 放電ランプの電圧を検出するランプ電圧検出回路と、
    前記放電ランプの電流を検出するランプ電流検出回路と、
    所定時間を設定するタイマと、
    前記ランプ電圧検出回路により検出されたランプ電圧と前記ランプ電流検出回路により検出されたランプ電流とに基づいて、前記放電ランプを点灯開始時に所定モードで駆動して点灯後の定常時となったとき定電力モードで駆動した後、前記ランプ電圧検出回路により検出されるランプ電圧を固定値にして定電流モードに移行させるとともに、前記固定値を前記タイマによって設定した前記所定時間ごとに前記ランプ電圧検出回路により検出されるランプ電圧に更新する制御手段とを、
    有するランプ電源回路。
  2. 前記ランプ電流検出回路により検出されたランプ電流と、前記ランプ電圧検出回路により検出されたランプ電圧を前記制御手段によって補正した電圧とを加算して前記放電ランプを定電力モードで駆動する加算手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記加算手段の出力がランプ電圧とランプ電流との乗算になるように前記ランプ電圧検出回路により検出されたランプ電圧を補正して前記加算手段に印加することを特徴とする請求項1に記載のランプ電源回路。
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