JP4310199B2 - 精紡機用毛羽伏せ具とこれを備えたリング精紡機及び紡績糸の製造方法 - Google Patents

精紡機用毛羽伏せ具とこれを備えたリング精紡機及び紡績糸の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、リング精紡機を用いて製造される紡績糸の毛羽の発生を防止するのに適した精紡機用毛羽伏せ具とこれを備えたリング精紡機及び紡績糸の製造方法に関する。
従来からリング紡績法は、細番手で比較的良質な糸を製造するために使用されている。この方法で得られる短繊維紡績糸は、さらに高品質化が求められ、強力や伸度の向上、糸むらの減少の他に、特に5mm以上の長い毛羽(以下、単に長毛羽という)をできるだけ少なくすることが強く要望されている。短繊維紡績糸に長毛羽が多くあると、織物や編物に加工したときに、外観を損なうだけでなく、染色・縫製等の後加工にも悪影響を及ぼすからである。
従来、リング精紡機において、好適な毛羽伏せ具は用いられていなかった。従来のリング精紡機では、図6に示すように、フロントローラ6を構成するトップローラ11とボトムローラ12とのニップ点から送り出された繊維束(フリース)がリング14とトラベラ18の加撚部(以下、単に加撚部という)に導かれて精紡されている。しかし、従来のリング精紡機によるときは、フリースが収束されずに加撚部で加撚されるため、毛羽の発生を回避することができなかった。なお、図中、15はスネールワイヤ、16は管糸(ボビン)、19は糸である。
そこで、一般に、トップローラ11とボトムローラ12との軸芯をずらして配設した改良型リング精紡機が用いられている。改良型リング精紡機は、フロントローラ6のニップ点からフリースをボトムローラ12の表面に沿わせて送り出して、加撚部での加撚に伴う撚りの逆流によって、ボトムローラ12のわずかな表面上で転がせて収束するようにしたものである。しかし、フリースがボトムローラ12のわずかな表面に沿っているにすぎず十分に収束されないため、改良型リング精紡機においても、比較的長い毛羽の発生を回避することができなかった。
また、リング精紡機のフロントローラ6とスネールワイヤ15との間に旋回流体ノズルを設け、この旋回流体ノズル内に繊維束を通過させるようにした毛羽伏せ紡績方法及び紡績装置が提案されている(特許文献1)。
特開2000-265334号公報
しかし、旋回流体ノズルは圧力空気を使用するため、不安定であり、装置コストも高いという問題がある。
本発明は、前記従来の問題を改善するため、長毛羽の発生を糸の巻き始めから満管まで略均一に減少してさらに高品質な紡績糸とその製造方法を提供する。また、メーカや種類の異なるリング精紡機に対しても仕様変更をすることなく容易に取付け可能な毛羽伏せ具を提供する。
本発明の精紡機用毛羽伏せ具は、リング精紡機のフロントローラの下流側に取り付ける毛羽伏せ具であって、膨出曲面で構成された毛羽伏せ部と、前記毛羽伏せ部の横に位置する吊下片の取り付け部と、前記取り付け部に取り付けられ、前記フロントローラのシャフトに掛止可能で、かつ定常状態では位置固定が可能な吊下片を含むことを特徴とする。
本発明のリング精紡機は、フロントローラーの下流側に毛羽伏せ具を取り付けたリング精紡機であって、前記毛羽伏せ具は、繊維束の直線走行を曲げ、かつ毛羽伏せするための膨出曲面を有する毛羽伏せ部と、前記毛羽伏せ部の横に位置する吊下片の取り付け部と、前記取り付け部に取り付けられ、前記フロントローラのシャフトに掛止可能で、かつ定常状態では位置固定が可能な吊下片を含むことを特徴とする。
本発明の紡績糸の製造方法は、フロントローラーの下流側に毛羽伏せ具を取り付けたリング精紡機を用いた紡績糸の製造方法であって、前記毛羽伏せ具は、繊維束の直線走行を曲げ、かつ毛羽伏せするための膨出曲面を有する毛羽伏せ部と、前記毛羽伏せ部の横に位置する吊下片の取り付け部と、前記取り付け部に取り付けられ、前記フロントローラのシャフトに掛止可能で、かつ手動で位置制御が可能な吊下片を含み、前記フロントローラの二ップ点から排出される繊維束にボビンからの撚りを伝えつつ、前記毛羽伏せ部の膨出曲面に沿わせて走行させ、かつ毛羽の先端まで撚り込んでリングトラベラに導くことを特徴とする。
本発明によれば、長毛羽の発生を糸の巻き始めから満管まで略均一に減少して高品質な紡績糸を製造できる。また、メーカや種類の異なるリング精紡機に対しても仕様変更をすることなく容易に取付け可能な毛羽伏せ具を提供できる。
本発明の精紡機用毛羽伏せ具は、膨出曲面で構成された毛羽伏せ部と、前記毛羽伏せ部の横に位置する吊下片の取り付け部と、前記取り付け部に取り付けられ、前記フロントローラのシャフトに掛止可能で、かつ定常状態では位置固定が可能な吊下片を含む。
本発明において、「定常状態では位置固定が可能」とは、リング精紡機で糸を紡出しているときは、リング紡績機に毛羽伏せ具が一定の位置に固定されており、糸が切れて糸をつなぐ(糸継ぎ)の際には毛羽伏せ具を別な位置に回転移動することができることをいう。
本発明において、膨出曲面の曲率半径は、20mm〜50mmの範囲の構成が好適である。20mm未満では糸との接触長さが短くなって毛羽伏せ効果が少なくなり易く、50mmを越えると紡出角度の変化に追随し難くなる傾向になる。
前記曲面の表面粗さRaは、0.1μm以上1.5μm以下の範囲が好ましい。適度な摩擦を与えて、毛羽伏せするためである。この曲面は、例えば酸化アルミニウム、シリコンカーバイド、酸化クロム、ダイヤモンドなどの硬質微粒子を接着樹脂中に分散させてフィルム上に塗布したものが使用できる。その他、金属、セラミック、プラスチックなどの基材表面を粗面化してもよい。
繊維との関係においては、前記曲面は、その表面の繊維との摩擦係数を0.6〜1.0の範囲にするのが好適である。0.6未満であると抵抗が少なくなり、毛羽伏せの効果が減少する傾向になり、また1.0を越えると糸切れが増加する傾向になる。本発明において、曲面の曲率半径、繊維との摩擦係数の数値は、多くの実験の結果から得た。曲面を前記範囲にすると、曲面における収束機能と仮撚機能がより一層発揮されて、フリースが曲面においてスムースに転がって確実に収束されて、所望の毛羽伏せ効果が達成される。
前記毛羽伏せ具は、中央板の両端に前記毛羽伏せ部が配置され、前記中央板の上部に軸取り付け部を備え、前記軸取り付け部に取り付けられた軸により前記吊下片が取り付けられていることが好ましい。このようにすると、2個1対のフロントローラのシャフトに取付けやすい。
また、前記吊下片は、金属板又はプラスチック板からなる板バネで形成されているのが好ましい。板バネを使用することにより、フロントローラのシャフトに取付けやすく、回転も可能である。
前記吊下片のフロントローラのシャフトに掛止する部分は側面から見てU字形であり、かつ前記U形の幅は、前記シャフト部の直径と同一か又は小さく形成されていることが好ましい。これにより、フロントローラのシャフトに取付けやすく、回転も可能である。
また、前記吊下片は、糸継ぎの際、邪魔にならないように、前記フロントローラのシャフトを軸に手前上方に回転可能であるのが好ましい。
また、前記吊下片は、前記毛羽伏せ部の角度が固定されているか、又は手動で角度調整が可能であるのが好ましい。リング精紡機のメーカーや種類によって、最適な角度を検討する際には手動で角度調整が可能であるのが好ましく、一旦適正な角度が定まった後は角度固定しておくのが好ましい。前記吊下片の材料は、ハガネまたはステンレスなどを用いる。
本発明に係るリング精紡機は、上記構成の毛羽伏せ具を、その曲面がボトムローラの曲面と同一向きになるように、各フロントローラのシャフトに配設することもできる。この構成によると、フリースがフロントローラのニップ点から一定の曲率半径の曲線を描いて送り出される。
また、本発明に係るリング精紡機は、フリースの曲面との接触長さや糸継ぎの作業性を考慮すると、上記構成の毛羽伏せ具を、その曲面がボトムローラの曲面と逆向きになるように、各フロントローラのシャフトに配設することもできる。この構成によると、フリースがフロントローラのニップ点からS字形曲線を描いて送り出される。さらに、フロントローラの二ップ点から排出される繊維束は、バックローラーの表面に接触して送り出されるので、繊維束の流れが安定し、毛羽やムラがさらに少なくなる。
本発明に係るリング精紡における毛羽伏せ方法は、フロントローラのニップ点からフリースを、静止状態の曲面に沿わせて送り出して、リング・トラベラの加撚部に導くようにして成る。この方法によれば、フリースは、静止状態の毛羽伏せ具の曲面に沿って流れるから、分玉形成や管糸形成によって発生する紡出角度の変化に対応して、曲面との接触長さが、毛羽の発生し易い巻き始めは長く、毛羽の発生が少なくなる満管に近づくと短くなる。よって、フリースは、加撚部での加撚に伴う撚りの逆流によって、糸の巻き始めから満管まで接触長さを変化しながらスムースに転がって収束され、長毛羽の発生が全体として略均一に効率よく抑制される。
また、本発明に係るリング精紡における毛羽伏せ方法は、フロントローラのニップ点からフリースを、ボトムローラの表面と静止状態の曲面とで以てS字形曲線を描くように送り出して、リング・トラベラの加撚部に導く構成も可能である。この方法によれば、フリースは、ボトムローラの表面及び静止状態の全曲面に沿って流れるから、曲面との接触長さがより一層長くなり、長毛羽と糸むらの発生が抑制される。
本発明に係る毛羽伏せ具によれば、フレームメーカの異なるリング精紡機に対して仕様変更をすることなく各フロントローラのシャフトに、吊下片の吊下角度及び作用板の傾斜角度を調整して簡単に取付けることができる。また、繊維の種類や精紡条件に応じて、吊下片や作用板を所望角度に微調整することができる。さらに、精紡中、曲面作用部を有する作用板を静止状態に維持することができる。
本発明に係るリング精紡機によれば、糸の巻き始めから満管までの長毛羽の発生を略均一に減少することができ、短繊維紡績糸の品質を大幅に向上することができる。
本発明に係るリング精紡機によれば、フリースと曲面との接触長さが長くなり、長毛羽の発生を減少することができると共に、糸むらの発生を大幅に減少することができ、短繊維紡績糸の品質をより一層向上することができる。また、毛羽伏せ具の作用板を取付軸を中心にトップローラ側に簡単に動かすことができるから、糸継ぎ作業を容易に行うことができる。
本発明に係るリング精紡における毛羽伏せ方法によれば、フロントローラのニップ点から送り出されるフリースが、紡出角度の変化に対応して、糸の巻き始めから満管まで接触長さを変化しながらスムースに曲面上を転がって収束することができ、1mm以上5mm未満の短い毛羽は勿論のこと、長毛羽の発生が全体として略均一に効率よく抑制することができ、短繊維紡績糸の品質を大幅に向上することができる。
(実施形態)
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示す実施の形態において、毛羽伏せ具9は、作用板1とこの作用板1に設けた二個の吊下片4、4とから成る。なお、図中、11は水平方向に並列する二個一対のフロントローラのトップローラ、10はシャフト、7はフロントローラのアームスタンドである。作用板1は、二個一対のトップローラ11,11に対応するに十分な長さを有し、かつ上面を円弧状にした板状物からなる。この作用板1は、トップローラ11,11と対応する箇所に曲面作用部2,2を形成し、また上辺中央部分に軸取付部1aを形成し、この軸取付部1aに取付軸3を、軸取付部1aの両側の切欠部内に突出するように固着して成る。
吊下片4は、所定の長さと巾とを有する板ばねを用いて、一端を略U字形に湾曲して弾性によりシャフト10に掛止し得る掛止部4aを形成し、他端を略円形に湾曲して止着部4bを形成したものである。そして、この吊下片4は、その止着部4bを作用板1の取付軸3に止着して成る。上記構成の毛羽伏せ具9を用いて、吊下片4、4の掛止部4a、4aを2個一対のトップローラ11,11のシャフト10の所要位置に掛止すると、曲面作用部がフロントローラのニップ点と略同一平面上の位置に静止状態で配置されたリング精紡機を構成することができる(図2)。
また、上記毛羽伏せ具9は、曲面作用部2、2が裏面側に位置するように、作用板1を表裏反対向きにして、曲面作用部の曲面とボトムローラの曲面とを結ぶ線がS字形曲線を描く位置に静止状態で配置されたリング精紡機を構成することもできる(図3)。
これらの場合において、吊下片4、4の吊下角度及び作用板1の傾斜角度は、繊維の番手や精紡条件等に応じて吊下片や作用板を上下に動かして自由に調整して設定する。
図2に示すリング精紡機によれば、フリース13はニップ点から静止状態を維持する作用板1の曲面作用部2に沿って流れ、曲面作用部2との接触長さは分玉形成や管糸形成によって発生する紡糸角度αの変化に対応して変化する。すなわち、糸の巻き始めは長く、満管に近づくと短くなって、加撚部での加撚に伴う撚りの逆流によって、フリースが糸の巻き始めから満管まで曲面作用部上をスムースに転がって、毛羽が伏せられた状態になる。
また、図3に示すリング精紡機によれば、フリース13はニップ点からボトムローラ12の表面及び静止状態を維持する作用板の曲面作用部2、2の全表面に沿って流れ、巻き始めから満管まで曲面上をスムースに転がって、毛羽が伏せられた状態になると共に、糸むらの発生が抑制される。
ところで、作用板の材質としては、曲面作用部におけるフリースの流れや転がりを考慮して、繊維との摩擦係数が0.6〜1.0の範囲であるか、この範囲の摩擦係数を有するように表面加工した、プラスチック、セラミックス、金属、樹脂、竹等を用いることができる。加工性と軽量化の点を考慮すると、特にプラスチックが好ましい。
また、作用板の形状としては、上面が全体として曲率半径20mm〜50mmの範囲の円弧状にし、下面は平面状にしたが、曲面作用部の下面を切削加工や成型型の変更等により薄肉にすると、作用板の軽量化がより一層図れて好適である。
さらに、作用板の大きさ(幅)としては、リング精紡機の全フロントローラの幅と同等の大きさにすることもできるが、各フロントローラにおける精紡条件の変化、糸継ぎ等を考慮すると、少なくとも二個一対のフロントローラに1個づつ適用し得る大きさが実用的である。
作用板の曲面作用部としては、板状物の形状に応じて、上面のフリース通過相当部分のみを曲率半径20mm〜50mmの範囲の曲面加工して形成することも可能である。
また、曲面作用部は、図4に示すように、繊維との摩擦係数が0.6〜1.0の範囲であるシート状物5を貼着、添着又は巻着することもある。このようにすると、板状物の表面加工を省略することができると共に、精紡する繊維の種類に応じて取り替えて使用することができる。上記シート状物5としては、上記範囲内の摩擦係数を有するように表面加工した不織布、織布、編布、合成樹脂シート等を用いることができる。本実施の形態では酸化アルミニウム微粒子を樹脂フィルムに塗布した表面粗度Ra0.34μmのシートを貼り付けた。
曲面作用部の長さは、平均繊維長と略同一長さにするのが好適である。ここで、平均繊維長と略同じ長さとは、毛羽伏せ具が平均繊維長20mm〜35mmである短繊維精紡に用いるものであるから、これら数値と略同じ程度であればよいという意味である。
吊下片の材質としては、掛止部がシャフトや取付軸を確実に把持、挟持又は握持することが可能で、かつ手動し得る弾性を有する板ばねが好適であるが、湾曲したとき弾性を有する合成樹脂でもよい。
吊下片の形状としては、板ばねの一端を略U字形に湾曲し、他端を略円形に湾曲したが、吊下片に合成樹脂を用いたときには、他端を作用板の軸取付部と互いに手動可能に係止する構造にすることも可能である。
図7は本発明の別の実施形態の毛羽伏せ具の断面図であり、図3に示す毛羽伏せ具9の取り付け軸3の上に位置合わせ板17をスライド移動可能に固定し、先端をボトムローラ12の中心軸であるシャフトの表面に合わせた例である。このようにすると毛羽伏せ具9の位置を固定できる。図8は図7の毛羽伏せ具を精紡機に取り付けた図である。
本発明において、表面粗さは日本工業規格(JIS)B0651,B0601に準じて測定する。摩擦係数は、日本工業規格(JIS)L7125に準じて測定する。
(実施例1)
プラスチック製の板状物を用いて、フロントローラと対応する箇所に酸化アルミニウム微粒子を樹脂フィルムに塗布した表面粗度Ra0.34μmのシート(繊維との摩擦係数0.8)を貼り付けて、曲面作用部(長さ28mm、曲率半径35R)とし、作用板(全巾120mm)とした。この作用板の上辺中央部分には、軸取付部とその両側に切欠部を形成した。また、板ばねを用いて、一端に掛止部を、他端に止着部を設けた吊下片を形成した。
そして、作用板の軸取付部に取付軸を挿着して、この取付軸に、吊下片の止着部を止着して、所望の毛羽伏せ具を作製した。
次に、上記毛羽伏せ具をリング精紡機の2個一対のフロントローラのシャフトに、吊下片の掛止部を掛止して、曲面作用部がフロントローラのニップ点と同一平面上に位置するように吊設して、下記精紡条件で試験を行った。また、毛羽伏せ具を用いないで、改良型リング精紡機について同一条件で試験を行った。
<精紡条件>
(1)繊維:綿
(2)平均繊維長:32mm
(3)紡出番手:Ne40
(4)スピンドル回転:15,000rpm
(5)リング:3.2mmフランジ、内径:φ41mm
(6)トラベラ:MS/hf 4/0
(7)巻きリフト:210mm
上記比較試験において、長毛羽(5mm以上)の本数と1mm以上の毛羽本数について、光電管方式の毛羽測定装置(シキボー製)を用いて10m毎に巻き始めから満管まで測定したところ、図5A−Bの結果を得た。図5A−Bにおいて、●は本発明の実施例の毛羽伏せ具付き精紡機、▲は比較例の毛羽伏せ具無しの精紡機のデータである。
図5A−Bから明らかなように、本発明によるときは、従来例に比較して、長毛羽の発生本数が巻き始めから満管まで略均一に減少し、1mm以上の短い毛羽の発生本数も略均一に減少することが確認できた。
(実施例2)
実施例1と同一構成の毛羽伏せ具を、図3に示すように、曲面作用部を裏側に位置するようにフロントローラのシャフトに取り付けたリング精紡機と、改良型リング精紡機とを用いて、実施例1と同一の精紡条件で比較試験を行った。
毛羽の発生本数について、上記と同様に測定したところ、図5A−Bと略同様の結果が得られた。また、糸むらについては、糸むら測定機(ウスターテクノロジーズ社製)を用いて、平均むら偏差の百分率(U%)と、平均太さに対する細むら(thin)と太むら(thick)とネップ(neps)を測定した。なお、平均むら偏差の百分率(U%)は、試験回数を5回とし、その平均値で表す。また、平均太さに対する細むら、太むら、ネップのそれぞれの測定は、1000m当たりの個数で表す。以上の結果を表1に示す。
Figure 0004310199
表1から明らかなように、本発明の実施例は、U%、細むら、太むら及びネップのいずれにおいても減少することが確認できた。
本発明の毛羽伏せ具の一実施の形態を示す平面図である。 本発明の毛羽伏せ具を備えたリング精紡機の一実施の形態を示す要部断面図である。 本発明の毛羽伏せ具を備えたリング精紡機の一実施の形態を示す要部断面図である。 本発明の他の実施の形態の毛羽伏せ具に用いる中央板の平面図である。 Aは、本発明の実施例と従来例との分玉と長毛羽本数との比較関係図、Bは同、分玉と1mm以上の毛羽本数との比較関係図である。 従来のリング精紡機を示す概略説明図である。 本発明の別の実施の形態の毛羽伏せ具の使用方法を示す断面図である。 図7の毛羽伏せ具を精紡機に取り付けた図である。
符号の説明
1 中央板
1a 軸取付部
2 膨出曲面
3 取付軸
4 吊下片
4a 掛止部
4b 止着部
5 シート状物
6 フロントローラ
7 フロントローラのアームスタンド
8 ニューマ
9 毛羽伏せ具
10 シャフト
11 トップローラ
12 ボトムローラ
13 フリース
14 リング
15 スネルワイヤ
16 管糸(ボビン)
17 位置合わせ板
18 トラベラー
19 糸

Claims (20)

  1. リング精紡機のフロントローラの下流側に取り付ける毛羽伏せ具であって、
    膨出曲面で構成された毛羽伏せ部と、
    前記毛羽伏せ部の横に位置する吊下片の取り付け部と、
    前記取り付け部に取り付けられ、前記フロントローラのシャフトに掛止可能で、かつ定常状態では位置固定が可能な吊下片を含むことを特徴とする精紡機用毛羽伏せ具。
  2. 前記曲面の曲率半径が、20mm以上50mmの範囲である請求項1に記載の精紡機用毛羽伏せ具。
  3. 前記曲面の表面粗さRaが、0.1μm以上1.5μm以下の範囲である請求項1に記載の精紡機用毛羽伏せ具。
  4. 前記毛羽伏せ具は、中央板の両端に前記毛羽伏せ部が配置され、前記中央板の上部に軸取り付け部を備え、前記軸取り付け部に取り付けられた軸により前記吊下片が取り付けられている請求項1に記載の精紡機用毛羽伏せ具。
  5. 前記吊下片は、金属板又はプラスチック板からなる板バネで形成されている請求項1に記載の精紡機用毛羽伏せ具。
  6. 前記吊下片のフロントローラのシャフトに掛止する部分は側面から見てU字形であり、かつ前記U形の幅は、前記シャフト部の直径と同一か又は小さく形成されている請求項1に記載の精紡機用毛羽伏せ具。
  7. フロントローラーの下流側に毛羽伏せ具を取り付けたリング精紡機であって、
    前記毛羽伏せ具は、繊維束の直線走行を曲げ、かつ毛羽伏せするための膨出曲面を有する毛羽伏せ部と、
    前記毛羽伏せ部の横に位置する吊下片の取り付け部と、
    前記取り付け部に取り付けられ、前記フロントローラのシャフトに掛止可能で、かつ定常状態では位置固定が可能な吊下片を含むことを特徴とするリング精紡機。
  8. 前記曲面の曲率半径が、20mm以上50mmの範囲である請求項7に記載のリング精紡機。
  9. 前記曲面の繊維との摩擦係数が0.6以上1.0以下の範囲である請求項7に記載のリング精紡機。
  10. 前記毛羽伏せ具は、中央板の両端に前記毛羽伏せ部が配置され、前記中央板の上部に軸取り付け部を備え、前記軸取り付け部に取り付けられた軸により前記吊下片が取り付けられている請求項7に記載のリング精紡機。
  11. 前記吊下片は、金属板又はプラスチック板からなる板バネで形成されている請求項7に記載のリング精紡機。
  12. 前記吊下片のフロントローラのシャフトに掛止する部分は側面から見てU字形であり、かつ前記U形の幅は、前記シャフト部の直径と同一か又は小さく形成されている請求項7に記載のリング精紡機。
  13. 前記吊下片は、糸継ぎの際、前記フロントローラのシャフトを軸に手前上方に回転可能である請求項7に記載のリング精紡機。
  14. 前記吊下片は、前記毛羽伏せ部の角度が固定されている請求項7に記載のリング精紡機。
  15. 前記吊下片は、手動で角度調整が可能である請求項7に記載のリング精紡機。
  16. 前記毛羽伏せ具の膨出曲面が、ボトムローラーの曲面と同一向きに配置されている請求項7に記載のリング精紡機。
  17. 前記毛羽伏せ具の膨出曲面が、ボトムローラーの曲面と逆向きに配置されている請求項7に記載のリング精紡機。
  18. フロントローラーの下流側に毛羽伏せ具を取り付けたリング精紡機を用いた紡績糸の製造方法であって、
    前記毛羽伏せ具は、繊維束の直線走行を曲げ、かつ毛羽伏せするための膨出曲面を有する毛羽伏せ部と、
    前記毛羽伏せ部の横に位置する吊下片の取り付け部と、
    前記取り付け部に取り付けられ、前記フロントローラのシャフトに掛止可能で、かつ手動で位置制御が可能な吊下片を含み、
    前記フロントローラの二ップ点から排出される繊維束にボビンからの撚りを伝えつつ、前記毛羽伏せ部の膨出曲面に沿わせて走行させ、かつ毛羽の先端まで撚り込んでリングトラベラに導くことを特徴とする紡績糸の製造方法。
  19. 前記繊維束の走行方向が、ボトムローラーの曲面と同一方向である請求項18に記載の紡績糸の製造方法。
  20. 前記繊維束の走行方向が、ボトムローラーの曲面と逆方向である請求項18に記載の紡績糸の製造方法。

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