JP4309618B2 - 固体撮像装置の駆動方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体撮像装置の駆動方法に関し、たとえば固体撮像装置から読み出した信号で高品位な動画画像を生成させる駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、CCD(Charge Coupled Device)型の固体撮像装置では、画素が蓄積できる信号電荷量により飽和レベルが決まることから、飽和レベル以上の入射光量に対応する信号が得られない。これにより、光入力に対するダイナミックレンジの狭いことが知られている。広ダイナミックレンジ化する場合、固体撮像装置は、たとえば高感度画素と低感度画素を垂直方向に隣接して交互に配置し、高感度画素にリミッタを掛けて信号電荷を垂直転送レジスタに読み出して、低感度画素の信号電荷と混合して垂直転送し、さらに水平転送して混合した信号電荷を電気信号に変換して出力している。
【0003】
特開平9-205589号公報に記載の固体撮像装置では、広ダイナミックレンジ化を行った際に各画素の飽和電荷量Qsのムラにともなって画像に生じる固定パターンノイズを発生させずにダイナミックレンジの拡大を図る構成が提案されている。固体撮像装置は、垂直転送レジスタ内で隣り合う受光部で同じ感度の受光領域から得られた信号電荷同士を混合して垂直転送させ、水平転送レジスタのそれぞれに感度の異なる受光領域からの信号電荷を振り分けて別々に転送させて、電荷検出部にて転送される信号電荷を電気信号に変換し、信号処理回路にて少なくとも最小感度から得られた電気信号以外の電気信号をクリップし、クリップした電気信号と最小感度の電気信号とを加算している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近の固体撮像装置には、前述したような広ダイナミックレンジ化にともなって画像の高画質化を図るだけでなく、装置の価値を高めるため動画像を撮影する機能も望まれている。
【0005】
しかしながら、現段階において広ダイナミックレンジ化された動画像を得る固体撮像装置は、まだ提案されていない。
【0006】
本発明はこのような従来技術の欠点を解消し、たとえ広ダイナミックレンジ化の提案があったとしても、動画像における人間の目が有するダイナミックレンジに比べて劣る現時点での固体撮像装置のダイナミックレンジよりもより一層、広ダイナミックレンジ化して、高品位な動画像を得ることができる固体撮像装置の駆動方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の課題を解決するために、被写界からの入射光を信号電荷に光電変換する2次元アレイ状に配設された複数の受光素子と、受光素子で変換した信号電荷を垂直方向に転送する複数の垂直転送手段と、複数の垂直転送手段に対して直交する水平方向に転送された信号電荷を転送する水平転送手段とを含み、受光素子のうち、入射光を取り込む開口領域を相対的に広い面積を有する第1の感光領域と相対的に狭い面積を有する第2の感光領域とを設けて、受光素子における同種の感光領域のそれぞれに対する垂直方向および水平方向に配する素子間隔をピッチとし、互いに隣接する受光素子がほぼ半ピッチずらして配設され、垂直転送手段を水平方向に配設された第1の感光領域の受光素子の間に2列一組ずつ形成し、互いに前記隣接する受光素子に対して1列ずつ迂回させた固体撮像装置を用いて、この装置での信号電荷を読み出す駆動方法において、被写界に対して所定のタイミングで撮影を継続して表示する動画表示が設定されているか否か判断する第1の工程と、この判断結果が示す動画表示の設定に応じて撮影開始前に被写界を予備的に撮影してこの被写界の明るさを測定する第2の工程と、この測定した被写界の明るさを基にこの被写界のシーンを評価し、この評価結果を基に第1および第2の感光領域の少なくとも、いずれか一方からの信号電荷を読み出すか領域の指定を行う第3の工程と、この指定に応じた信号電荷の読出しを行わせる駆動信号を生成する第4の工程と、この被写界の撮影にともない受光素子に蓄積させ、この蓄積した信号電荷を駆動信号に応じて垂直転送手段に読み出し、この垂直転送手段、水平転送手段を介して転送する第5の工程とを含むことを特徴とする。
【0008】
本発明の固体撮像装置の駆動方法は、動画表示の設定が行われている場合に、被写界を測光して、この測光による被写界の明るさを基に評価して第1および第2の感光領域の少なくともいずれか一方から読み出す感光領域を指定し、この指定に応じて駆動信号を生成し、この駆動信号に応じて蓄積した信号電荷を垂直転送手段に読み出すことにより、被写界の明るさに対応した信号電荷が読み出されることから、動画における良好な一画像として読み出すことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に添付図面を参照して本発明による固体撮像装置の一実施例を詳細に説明する。
【0010】
本実施例は、本発明の固体撮像装置をディジタルカメラ10に適用した場合である。本発明と直接関係のない部分について図示および説明を省略する。以下の説明で、信号はその現れる接続線の参照番号で指示する。
【0011】
図2に示すディジタルカメラ10には、光学レンズ系12、絞り調節機構14、撮像部16、前処理部18、信号処理部20、操作部22、システム制御部24、タイミング信号生成部26、ドライバ28、モニタ30およびストレージ32を含む。光学レンズ系12には、光学レンズの配置を自動的に変位調節して被写体を焦点の合った位置関係に調節するオートフォーカス(AF: Automatic Focus)調節機構が含まれている。機構のそれぞれには、上述した位置に光学レンズを移動させるためモータが配設されている。これらの機構は、各モータにドライバ28からそれぞれ供給される駆動信号28aに応動して動作している。
【0012】
絞り調節機構14は、具体的に図示しないが入射光量を調節するAE(Automatic Exposure)調節機構であり、ドライバ28からの駆動信号28bに応じてリング部を回転させる。リング部は、羽根を部分的に重ならせてアイリスの形状を丸く形成し、入射する光束を通すようにアイリスを形成する。このようにして絞り調節機構14はアイリスの口径を変えている。絞り調節機構14は、メカニカルシャッタをレンズシャッタとして光学レンズ系12に組み込んでもよい。
【0013】
撮像部16は、光学ローパスフィルタ16a、色フィルタ16bおよび固体撮像素子16cを含む。光学ローパスフィルタ16aは、入射光の空間周波数をナイキスト周波数以下にするフィルタである。色フィルタ16bは、たとえば三原色RGBの色フィルタセグメントが固体撮像素子の個々の受光素子(photosensitive cell)と一対一に所定の位置関係に配されたフィルタである。したがって、色フィルタは、固体撮像素子16cの受光素子の配置に依存する。
【0014】
固体撮像素子16cには、電荷結合素子(CCD: Charge Coupled Device)や金属酸化膜半導体素子(MOS: Metal Oxide Semiconductor)がある。本実施例では、固体撮像素子16cにCCDを用い、CCDは、図3に示す特徴を有している。すなわち、図3(a)のCCDは、水平方向の同一行における受光素子160の画素ピッチをPPとし、同様に垂直方向の同一列における受光素子160の画素ピッチもPPとし、受光素子160に隣接する受光素子をほぼ半分の画素ピッチ分画素をずらして稠密に配列する、いわゆるハニカム配列で配列されている。これにともない垂直転送レジスタ162は、受光素子160を迂回することにより蛇行するように形成される。
【0015】
図3(a)に示す受光素子160は、感光領域を2つの感光領域160a, 160bに分割して形成され、感光領域160a, 160bのそれぞれから独立して読み出す構造を有している。感光領域160aは、センサとして高感度であり、感光領域160bよりも広い。また、感光領域160bは、センサとして低感度で、感光領域の面積が狭い。
【0016】
また、図3(b)に示すように形成されたCCDも用いることができる。このCCDでは、図3(a)と同様に、画素ずらしされた受光素子160のそれぞれが高感度センサとして形成される。さらに、低感度センサとして受光素子164が、水平方向の同一行における受光素子160の間と垂直方向の同一列における受光素子160の間に形成されている。受光素子160, 164は、露光により蓄積した信号電荷をそれぞれ独立に垂直転送レジスタ(図示せず)に読み出すことができる。
【0017】
固体撮像素子16cには、ドライバ28から駆動信号28cが供給されている。固体撮像素子16cは、動作モードに応じて駆動信号28cが供給される。動作モードのうち、静止画撮影モードの場合、固体撮像素子16cは、受光素子から露光時に光電変換して生成した信号電荷をゲートを介して垂直転送レジスタに読み出し、このレジスタに直交する方向、すなわち水平方向に配設された水平転送レジスタに転送した信号電荷をシフトさせ、水平転送する。
【0018】
また、動画撮影モードの場合、固体撮像素子16cは、垂直転送レジスタの信号電荷をそのままに受光素子から露光時に光電変換して生成した信号電荷をゲートを介して垂直転送レジスタに読み出し、このレジスタに直交する方向、すなわち水平方向に配設された水平転送レジスタに転送した信号電荷をシフトさせ、水平転送する。ここで、この垂直転送において、固体撮像素子16cは、同色の画素からの信号電荷を混合させたり、色配列を考慮した垂直方向の間引き読出し等を行って信号読出しを高速化させている。たとえば、水平転送レジスタを2本有する場合、水平ブランキング期間中にラインシフトして同色の信号電荷を混合する。G正方RB完全市松パターンにおいて、垂直間引きは、たとえば1/4間引きを行って信号電荷の読出しを行っている。
【0019】
水平転送された信号電荷は、いずれのモードでも出力アンプにフローティングディフュージョンアンプ(FDA: Floating Diffusion Amplifier)を用いて電圧信号にQ/V変換される。撮像部16は、Q/V変換されたアナログ信号16dを前処理部18に出力する。
【0020】
前処理部18には、ノイズ除去に相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling: CDS)回路、ゲイン調整アンプ(GCA: Gain Control Amplifier)、およびA/D変換器(Analog-to-Digital Converter)が含まれている(図示せず)。前処理部18は、供給されるアナログ信号16dに対してノイズ除去、波形整形、ディジタル化を行って得られた撮像データのすべてをディジタルデータ18aとしてシステムバス100を介して信号処理部20に出力する。
【0021】
信号処理部20は、図示しない信号発生回路、メモリ、ガンマ補正回路、評価値算出部、画素補間処理回路、色差マトリクス処理回路、および圧縮/伸長処理回路が含まれている。信号処理部20には、システム制御部24から制御信号24aがシステムバス100を経て制御線を介した制御信号24bとして供給されている。信号処理部20の信号発生回路(図示しない)は制御信号24bに応動して動作する。信号発生回路は、複数の周波数を生成することができるPLL(Phase Locked Loop)回路を有している。信号発生回路は、源発の発振周波数を基準クロックとして逓倍して複数種類のクロック信号20aを生成し、システムバス100を介してクロック信号20bとしてシステム制御部24およびタイミング信号生成部26に出力する。
【0022】
また、信号処理部20には、図示しないがタイミング信号生成部26からタイミング信号が供給されている。このタイミング信号は、水平同期信号HD、垂直同期信号VDおよび後述する各部の動作クロック等を含んでいる。
【0023】
メモリには、画像データ18aがシステムバス100、信号の入出力を行うデータバス20cを介して入力され、一時的に記憶される。メモリには、特に、動画撮影モードにてたとえば、垂直方向に1/4間引きされた信号電荷から得られた画像データが供給される。メモリは、読出しに際してアスペクト比および信号読出しの高速化等を図るため水平方向に間引き読出しも行うとよい。この場合も本来の色配列パターンを崩さないように画像データの読出しが行われる。メモリは、水平方向の間引きを行う。
【0024】
メモリは、記憶した画像データをガンマ補正回路に供給する。また、メモリは、繰り返し読出しを行う場合、不揮発性メモリを用いることが好ましい。ガンマ補正回路には、たとえばガンマ補正用のルックアップテーブルが含まれている。ガンマ補正回路は、画像処理における前処理の一つとして供給される画像データをテーブルのデータを用いてガンマ補正する。ガンマ補正回路は、ガンマ補正した画像データを それぞれ評価値算出部200および図示しない画素補間処理回路に供給する。
【0025】
評価値算出部200には、絞り値・シャッタ速度、ホワイトバランス(WB: White Balance)調整および階調補正等を行う演算回路が含まれている。評価値算出部200の内、WB調整部200aには、図示しないがガンマ補正した画像データが供給され、WB調整対象の画素近傍に位置する画素データを用いて比B/G, R/Gの値を算出し、算出結果を評価値判断部200bに供給する。
【0026】
評価値判断部200bは、たとえば、比B/G, R/Gを軸とする2次元平面内に比B/G, R/Gの値をプロットする。評価値判断部200bは、あらかじめ2次元平面が占める領域とシーンとが対応付けられた情報が記憶されている。評価値判断部200bは、対象の画素に対してプロットした位置がどの領域にあるか判断し、さらに、この判断結果から直ちにどのようなシーンかを知ることができる。WB調整では、シーンのそれぞれに対応した補正が施される。また、本実施例では、対象の画素に関して得られたシーンの情報をシステム制御部24に供給する。システム制御部24での制御については後段で説明する。
【0027】
評価値算出部200は、上述した回路にて、供給される画像データを基にシーンの情報だけでなく、適切な各パラメータを演算処理により算出している。これらの算出結果は、データバス20c、システムバス100、データバス24cを介してパラメータとしてシステム制御部24に供給される。
【0028】
なお、評価値算出部200は、信号処理部20への配設に限定することなく、システム制御部24に配設するようにしてもよい。この場合、信号処理部20は、ガンマ補正した画像データをシステム制御部24に供給する。
【0029】
画素補間処理回路は、画素データを補間生成して算出する機能を有している。撮像部16は単板の色フィルタ16bを用いているため、実際の色フィルタセグメントの色以外の色が撮像素子から得られない。そこで、画素補間処理回路は、静止画撮影モードにおいて、この得られない色の画素データを補間により生成する。画素補間処理回路は、プレーンな画像データを色差マトリクス処理回路に供給する。
【0030】
なお、画素補間処理回路は、生成した画素データを広帯域化する機能を含んでもよい。また、画素補間処理回路は、前述したように、いわゆるハニカムタイプの固体撮像素子16cを撮像部16にて用いている場合、このガンマ補正した画像データを用いて実際に画素の存在する位置(実画素)や画素の存在しない位置(仮想画素)に三原色RGBの画素データを補間処理により生成する。
【0031】
色差マトリクス処理回路は、画素補間処理回路から供給される画像データと所定の係数を用いて輝度データYと色データCb, Crを生成する。生成した画像データは、圧縮/伸長処理回路に供給される。
【0032】
圧縮/伸長処理回路は、静止画モードにおいて供給される画像データ(Y/C)にJPEG(Joint Photographic coding Experts Group)や動画(ムービ)モードにおいて供給される画像データ(Y/C)にMPEG(Moving Picture coding Experts Group)-1, MPEG-2等の規格でそれぞれ、圧縮処理を施す。圧縮/伸長処理回路は、データバス20c、システムバス100、データバス32aを介して圧縮処理した画像データをストレージ32に送って記録する。圧縮/伸長処理部は、ストレージ32に記録した画像データをデータバス32a、システムバス100、データバス20cを介して供給して伸長処理を施す。この伸長処理は、圧縮処理の逆処理である。
【0033】
また、信号処理部20は、生成した画像データや再生にともなって伸長した画像データ(Y/C)に対してRGB変換を行い、このRGB変換した画像データ20cをシステムバス100、データバス30aを介してモニタ30に供給する。モニタ30は、図示しない表示コントローラにより供給される画像データ20cが表示デバイスにて動作することにより画像表示される。
【0034】
信号処理部20は、画像データを外部の機器と入出力する場合、図示しないが外部I/F回路を配するとよい。外部I/F回路としては、たとえば、PIO (Programmed Input/Output)、UART (Universal Asynchronous Receiver/Transmitter:非同期シリアル通信用送受信回路)、USB(Universal Serial Bus)、IEEE1394規格(the Institute of Electrical and Electronics Engineers:米国電気電子技術者協会)に基づくインタフェース等がある。
【0035】
操作部22には、モード選択スイッチ22aおよびレリーズシャッタボタン22bが含まれている。モード選択スイッチ22aは、静止画撮影モードと動画撮影モードのうち、いずれのモードにするかの選択を行う。モード選択スイッチ22aは、選択したモード信号22cをシステム制御部24に出力する。レリーズシャッタボタン22bは、2段階のストロークを有するボタンで、第1段のストロークでディジタルカメラ10を予備撮像の段階(S1)にし、第2段のストロークで本撮像の段階(S2)にするトリガ信号22dをシステム制御部24に出力する。操作部22には、この他、ズーム選択スイッチおよび十字ボタンを設けてもよく、液晶表示パネルに表示される条件を選択する機能を持たせてもよい。
【0036】
システム制御部24は、カメラ全体の汎用な部分やディジタル処理を行う部分を制御するマイクロコンピュータまたはCPU(Central Processing Unit)である。システム制御部24は、供給されるモード信号22cに応じてディジタルカメラ10を静止画撮影モードまたは動画撮影モードに設定する。また、システム制御部24は、モードに関わらず、モニタ30に被写界像を表示するスルー画表示を行うように制御信号24aを生成している。
【0037】
そして、システム制御部24は、この設定するモード信号22cと、レリーズシャッタボタン22bから撮像タイミングを報知するトリガ信号22dとを受けて、撮像記録にともなう制御信号24aを生成する。このように生成した制御信号24aは、システムバス100を介して信号処理部20ならびにタイミング信号生成部26およびドライバ28にそれぞれ制御信号24b, 24dとして供給される。
【0038】
システム制御部24は、信号処理部20内におけるライン補間や信号発生回路に対する制御、および信号処理を行う上での制御をも考慮した制御信号24aも生成する。また、図示しないが、システム制御部24は、前処理部18、ストレージ32における読出し/書込み制御も行っている。
【0039】
本実施例においてシステム制御部24は、初期設定後、スルー画表示の設定が行われると、信号処理部20からデータバス20c, システムバス100およびデータバス24cを介して供給されるシーンの情報に応じて受光素子160の内、高感度領域160aと低感度領域160bのいずれから信号電荷を読み出すか決定し、制御信号24aを生成している。この決定は、シーンの情報とあらかじめ設定した所定の閾値と比較判定して決定し、たとえば、簡易に同一ラインにおける画素が有する最多のシーンに合わせて読み出すように制御を生成する。これは、信号電荷の読出しが行単位で行われるからである。
【0040】
なお、所定の閾値は、シーンを考慮して複数用意してもよい。信号電荷の読出し制御は煩雑になるが、可能ならば、個々の列毎に読出し制御してもよい。
【0041】
タイミング信号生成部26は、信号処理部20から供給されるクロック信号20bを基準にシステム制御部24から供給される制御信号24dに応じてタイミング信号を生成する。タイミング信号は、垂直同期信号、水平同期信号、フィールドシフトパルス、垂直転送信号および水平転送信号等がある。タイミング信号生成部26は、これら生成したタイミング信号26aを動作に応じてそれぞれ、ドライバ28、前処理部18、図示しないが信号処理部20およびシステム制御部24に供給している。
【0042】
ドライバ28は、供給されるタイミング信号26aや制御信号24dを基に駆動信号28a, 28b, 28cを生成する駆動回路を有している。ドライバ28は、制御信号24dを基に駆動信号28a, 28bを光学レンズ系12および絞り調節機構14にそれぞれ供給してAF調節やAE調節を行わせる。また、ドライバ28は、タイミング信号26aを基に生成した駆動信号28cを固体撮像素子16cに供給し、各受光素子160(感光領域160a, 160b)や受光素子164にて光電変換により得られた信号電荷を露光期間中に蓄積させ、少なくとも一方の感光領域または素子から蓄積した信号電荷を垂直転送レジスタに読み出し、読み出した信号電荷を垂直転送し、信号電荷をラインシフトさせて水平転送レジスタに供給した後、水平転送させている。
【0043】
モニタ30には、信号処理部20から画像データ20cをシステムバス100、データバス30aを介して供給される。モニタ30には、一般的に液晶モニタが用いられる。液晶モニタには、液晶表示コントローラが配設されている。液晶コントローラは、画像データ20cを基に液晶分子の並び方や電圧の印加によりスイッチング制御している。この制御により液晶モニタは、画像を表示する。モニタ30は、液晶モニタに限定されず、小型、画像の確認および電力の消費が抑えられる表示機器であれば十分に用いることができることは言うまでもない。
【0044】
ストレージ32は、半導体メモリ等を記録媒体として用いて、信号処理部20から供給される画像データをデータバス20c、システムバス100、データバス32aを介して記録する。記録媒体には、光ディスクや光磁気ディスク等を用いてもよい。ストレージ32は、各記録媒体に適したピックアップやピックアップと磁気ヘッドを組み合わせて記録再生用ヘッドを用いてデータの書込み/読出しを行う。データの書込み/読出しは、図示しないがシステム制御部24の制御に応じて行われる。
【0045】
次にディジタルカメラ10の動作について説明する。ディジタルカメラ10の動作手順を図1に示す。電源を投入後、初期設定を行う(ステップS10)。初期設定では、たとえばスルー画表示を行うように設定している。この後、撮影のモード選択を行う(ステップS12)。モード選択は、モード選択スイッチ22aで静止画撮影モードと動画撮影(ムービ)モードのいずれか一方を選択し、設定する。この設定後、動画撮影モードか否かの判断に進む(ステップS14へ)。
【0046】
次に動画撮影モードか処理判断を行う(ステップS14)。動画撮影モードが設定されている場合(YES)、測光に進む(ステップS16)。動画撮影モード以外のモード、たとえば静止画撮影モードが設定されている場合(NO)、該当するモードの処理手順に進む。たとえば、この段階以降、モニタ30へのモードの設定表示等も終了し、スルー画表示の処理が開始する。
【0047】
測光に際して、システム制御部24によりタイミング信号生成部26およびドライバ28が制御され、撮像部16に駆動信号28cが供給される。これにより、撮像部16は、たとえば固体撮像素子16cの撮像面の内、所定の領域から信号電荷を読み出して前処理の施された測光画像データ18aとして信号処理部20に供給される(ステップS16:測光処理)。
【0048】
測光画像データ18aは、ガンマ補正された画像データを評価値算出部200のWB調整部200aに供給される。WB調整部200aでは、比R/G, B/Gの値を求めて、評価値判断部200bに出力する(ステップS18)。評価値判断部200bでは、供給される2つの比R/G, B/Gの値を用いてこれらの比をそれぞれ軸にした2次元平面にプロットする。このとき、評価値判断部200bには、あらかじめ2次元平面の領域とシーンとを関係付けて記憶されている。評価値判断部200bでは、この関係付けを用いてプロットした画素に関してどのようなシーンか判別が行われる(ステップS20)。評価値判断部200bは、シーンの判別結果をシステム制御部24に供給する。
【0049】
システム制御部24では、シーンの判別結果とあらかじめ設定した所定の閾値とを基に撮像部16が使用する受光素子のタイプに応じて画素としてどの受光素子から信号電荷を読み出すかライン毎に判断し、受光素子に対する読出し領域の指定を行う(ステップS22)。ここで、受光素子のタイプとは、図3(a)と(b)のCCDである。前者のCCDでは、受光素子160の内、高感度領域160aと低感度領域160bの少なくとも一方から信号電荷を読み出すように選択制御される。また、後者のCCDでは、高感度領域に対応する受光素子160と低感度領域に対応する受光素子164の少なくとも一方から信号電荷を読み出すように選択制御される。
【0050】
ところで、システム制御部24は、被写界の撮影領域に区分し、この区分した領域毎に高感度領域と低感度感光領域の一方を選択する制御を説明したが、指定方法はこの選択制御に限定されるものでなく、この他3つの指定方法がある。基本的に、前述したライン毎の測光、シーン評価、および比較判定による指定を行って制御を行うものである。
【0051】
第1に、測光の結果から画像全体が暗いシーンの一つである夜景等の場合、高感度領域の受光素子から信号電荷を読み出すように制御する。また、システム制御部24は、第2に、測光の結果から画像全体が明るいシーン等の場合、低感度領域の受光素子から信号電荷を読み出すように制御する。そして、第3に、通常のムービ撮影を行う場合、ライン毎に高感度と低感度の受光素子から信号電荷を読み出すように制御する。この表示は、簡易なスルー画表示として適用する。これに対して、前述した撮影領域に区分してスルー画表示させる場合は、たとえばファイン表示と称する。
【0052】
システム制御部24は、このように4つの場合に対応した制御信号24aを生成して出力し、制御信号24dとしてタイミング信号生成部26およびドライバ28に供給される。
【0053】
ドライバ28では、供給されるタイミング信号26aと制御信号24dから撮像部16に対する駆動信号28cを生成する(ステップS24)。撮像部16は、駆動信号28cに応動して露光を行う(ステップS26)。露光完了後、制御信号24dの制御を反映させた信号電荷の読出しが行われる(ステップS28)。すなわち、前述した4つの仕様に応じたフィールドシフト制御が各受光素子のゲートに対して行われる。このとき、高画素化に対応した動画読出しを行う場合には、前述したように垂直間引きも行われる。
【0054】
このようにして垂直転送レジスタに読み出した信号電荷を垂直方向に転送し、垂直転送レジスタの最下段で水平転送レジスタにラインシフトする。そして、水平転送レジスタは、供給された信号電荷を水平転送してQ/V変換して前処理部18を介してディジタル化した画像データ18aを信号処理部20に送る(ステップS30)。
【0055】
信号処理部20では、色フィルタのパターンを保つように水平方向の間引きを行ってもよい。信号処理部20では、供給された画像データにガンマ補正、WB調整等の補正および色マトリクス処理を施し、三原色RGBから読み出した画素に対応して輝度データYと色データCを生成する。また、画像データY/Cに対応する三原色RGBデータも生成する。信号処理部20は、三原色RGBデータをモニタ30に出力し、表示する。
【0056】
測光処理からこの表示処理までがスルー画表示処理である。この処理中にレリーズシャッタボタン22bが押圧操作(S2操作)されているか否かを判断する。すなわち、この動画を記録するか否かの判断を行う(ステップS36)。押圧操作が行われていない場合(NO)、スルー画表示を繰り返すように測光処理に戻る(ステップS16へ)。また、押圧操作が行われている場合(YES)、画像データY/Cに対する圧縮処理に進む(ステップS38へ)。
【0057】
圧縮処理では、供給される画像データY/Cに対してたとえばMPEG-1/MPEG-2処理を施す(ステップS38)。信号処理部20は、圧縮処理した画像データY/Cをストレージ32に供給し、記録する(ステップS40)。そして、終了するか否かの判断にm進む(ステップS42へ)。
【0058】
ここでの終了判断は、このモードにおける記録の終了を判断する(ステップS42)。システム制御部24では、再び押圧操作(S2操作)が行われたことを示すトリガ信号22dの受信またはストレージ32の記録容量がなくなった場合(YES)、終了と判断して終了に移行する。また、トリガ信号22dが入力されていなかったり、記録容量に余裕がある場合(NO)、測光処理(ステップS16)に戻って処理を繰り返す。
【0059】
なお、スルー画表示は、強制的に電源スイッチ(図示せず)や表示を選択するスイッチをオフにしたり、電力の消費に応じて自動的にオフにして停止させるとよい。
【0060】
この動作の具体例を図4に示して説明する。図4にしめすような被写界40があるとき、ディジタルカメラ10は、信号処理部20で測光、WB調整を順次行い、シーンの判別を行う。シーンは、空の領域42と一般的な人物等の領域44に分けられる。このシーンの情報がシステム制御部24に供給される。システム制御部24は、領域42が明るい領域であり、領域44を通常の撮像を行って構わない領域として制御信号24aを生成する。制御信号24aは、たとえば、領域42を受光素子の低感光領域から信号電荷を読み出し、領域44を受光素子の高感度領域から信号電荷を読み出すように領域対応の制御を行うように生成される。
【0061】
このように制御して信号を読み出すことにより、得られる画像が各領域に適正なレンジにて撮像されるようになる。この結果、動画像がこれまでの動画像に比べて広いダイナミックレンジで得られる。したがって、ディジタルカメラ10は、高品位な動画像を提供することができる。
【0062】
なお、本実施例は、動画撮影モードでスルー画表示させる場合を説明したが、静止画撮影モードの設定中に被写界をモニタ30に表示するスルー画表示でも同様の処理により良好な動画像を表示できることは言うまでもない。
【0063】
以上のように構成することにより、受光素子が高感度と低感度とを有し、動画表示(スルー画表示)の設定が行われている場合、各動画に対してシーン判別を行い、シーンに応じた高感度と低感度の受光素子少なくとも一方から信号電荷を選択して読み出すように制御し、得られた画像データにより動画像を生成することにより、これまでの動画像に比べてダイナミックレンジの広い高品位な動画像を得ることができる。
【0064】
【発明の効果】
このように本発明の固体撮像装置の駆動方法によれば、動画表示の設定が行われている場合に、被写界を測光して、この測光による被写界の明るさを基に評価して第1および第2の感光領域の少なくともいずれか一方から読み出す感光領域を指定し、この指定に応じて駆動信号を生成し、この駆動信号に応じて蓄積した信号電荷を垂直転送手段に読み出して、被写界の明るさに対応した信号電荷が読み出され動画における一画像として読み出すことにより、これまでの動画像に比べてダイナミックレンジの広い高品位な動画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固体撮像装置の駆動方法を適用した動画撮影する際の手順を説明するフローチャートである。
【図2】図1の動作を行う固体撮像装置を適用したディジタルカメラの概略的な構成を示すブロック図である。
【図3】図2のディジタルカメラにおいて使用される固体撮像素子の特徴ある受光素子とその配置関係を示す図である。
【図4】図2のディジタルカメラを用いて一画像の領域が示すシーン毎に受光素子からの信号電荷読出し制御をどのように行うかを説明する図である。
【符号の説明】
10 ディジタルカメラ
12 光学レンズ系
14 絞り調節機構
16 撮像部
18 前処理部
20 信号処理部
22 操作部
24 システム制御部
26 タイミング信号生成部
28 ドライバ
Claims (4)
- 被写界からの入射光を信号電荷に光電変換する2次元アレイ状に配設された複数の受光素子と、前記受光素子で変換した信号電荷を垂直方向に転送する複数の垂直転送手段と、前記複数の垂直転送手段に対して直交する水平方向に転送された信号電荷を転送する水平転送手段とを含み、
前記受光素子それぞれにおいて、前記入射光を取り込む開口領域が相対的に広い面積を有する第1の感光領域と相対的に狭い面積を有する第2の感光領域とが一つの受光素子に分割形成された受光素子、または第1の感光領域の受光素子および第2の感光領域の受光素子と2種類の受光素子が設けられ、
前記受光素子における同種の感光領域のそれぞれに対する垂直方向および水平方向に配する素子間隔をピッチとし、互いに隣接する受光素子がほぼ半ピッチずらして配設され、前記垂直転送手段を水平方向に配設された受光素子または第1の感光領域の受光素子の間に2列一組ずつ形成し、互いに前記隣接する受光素子に対して1列ずつ迂回させた固体撮像装置を用いて、該装置での信号電荷を読み出す駆動方法において、該方法は、
前記被写界に対して所定のタイミングで撮影を継続して表示する動画表示が設定されているか否か判断する第1の工程と、
該判断結果が示す前記動画表示の設定に応じて撮影開始前に前記被写界を予備的に撮影して該被写界の明るさを測定する第2の工程と、
該測定した被写界の明るさを基に該被写界のシーンを評価し、該評価結果を基に第1および第2の感光領域の少なくとも、いずれか一方からの前記信号電荷を読み出すか領域の指定を行う第3の工程と、
該指定に応じた前記信号電荷の読出しを行わせる駆動信号を生成する第4の工程と、
該被写界の撮影にともない前記受光素子に蓄積させ、該蓄積した信号電荷を前記駆動信号に応動して前記垂直転送手段に読み出し、該垂直転送手段、前記水平転送手段を介して転送する第5の工程とを含むことを特徴とする固体撮像装置の駆動方法。 - 請求項1に記載の方法において、第3の工程は、前記受光素子に対応して前記入射光を色分解する色フィルタセグメントの配列を考慮しながら、垂直方向の間引き指定も行うことを特徴とする固体撮像装置の駆動方法。
- 請求項1または2に記載の方法において、第3の工程は、前記被写界の測光により得られたデータをライン毎に所定の閾値と比較評価し、該評価にて蓄積された信号電荷を読み出す感光領域を指定することを特徴とする固体撮像装置の駆動方法。
- 請求項3に記載の方法において、第3の工程は、前記測光した被写界が全体的に前記所定の閾値より低いと判断した場合、第1の感光領域に蓄積された信号電荷を読み出す第1の指定と、
前記測光した被写界が全体的に前記所定の閾値より高いと判断した場合、第2の感光領域に蓄積された信号電荷を読み出す第2の指定と、
前記測光した被写界を所定の閾値での比較評価に基づいて該被写界を複数の撮影領域に区分し、該区分した領域毎に第1および第2の感光領域の少なくとも、一方から蓄積された信号電荷を読み出す第3の指定と、
前記被写界を撮影して蓄積された信号電荷の読出しにおいて第1の感光領域からの信号電荷読出しと第2の感光領域からの信号電荷読出しとをラインごとに行う第4の指定とを含むことを特徴とする固体撮像装置の駆動方法。
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