JP4308757B2 - 指把持部を備えたアプリケータを形成する方法 - Google Patents

Description

本発明は、一般に、生理用品、即ち、改良された指把持部を備えたアプリケータ、特に、改良されたエンボス指把持部を備えたアプリケータを形成する方法に関する。

生理用の挿入装置、即ち、アプリケータは、通常は２つの構成要素、即ち、外筒と、この外筒内で入れ子状に滑動するようにされているプランジャーとを有している。吸収性の綿撒糸のような押出される材が、アプリケータの外筒内に配置されている。この外筒は、綿撒糸の押出しのための第１の端部と、プランジャーを受けるための第２の端部とを有している。タンポンアプリケータを使用するとき、消費者は、外筒を第２の端部付近で握り、押出し端部を適切に位置付けし、外筒の大部分を膣管の中に挿入させ、そして、綿撒糸を押出すようにプランジャーを外筒内で外筒の押出し端部に向けて動かすか滑動させる。

タンポンの綿撒糸、大きく径方向に広がろうとする綿撒糸は、これらの設計によって、アプリケータ外筒の内壁に圧力、即ち、摩擦力をかける。かくして、綿撒糸を外筒から押出すには、アプリケータが、外筒にかけられる圧力を最小に抑えながらも使用者による保持を安定させるための把持構造体を有していることが必要である。アプリケータの外筒への圧力を最小にすることの利点は、外筒の変形が減じられることである。外筒が変形されると、綿撒糸と外筒とプランジャーとの間に著しい摩擦が発生され、これによって、外筒からの綿撒糸の押出しが著しく妨げられる。

これまで、アプリケータの操作及び配置と、綿撒糸の押出しとを容易にするために、アプリケータの外筒の指把持領域のための様々の構成が提案されてきた。そのうちの１つのアプローチが、アプリケータの外筒の外面をエンボス加工することによって形成された指把持部を備えたタンポンアプリケータである。

厚紙タンポンアプリケータの指把持部は、エンボス加工される時に、一般に、隆起突出部が外面に形成されるように厚紙にこれの内側からエンボス加工される。こうした突出部は、通常は、非常に湾曲され、大きく角度をつけられた側壁を有し、安定した把持のための鋭端部を提供していない。代わって、アプリケータの外筒の指把持領域を全体的に、もしくは、部分的に貫通するように形成されたホールが、把持のための鋭端部を作り出し得る。しかしながら、これによって、アプリケータの外筒の径方向の圧迫強度が実質的に弱められる。かくして、使用者がアプリケータの外筒を握っているときにこれを圧迫し、この結果、アプリケータの外筒からの押出し中に綿撒糸に対する付加的な抵抗を生じる危険がある。

Campion等への米国特許Ｎｏ．５、５５８、６３１は、複数のエンボスリングを備えている紙積層アプリケータを開示している。これらのエンボスリングは、０．１５２４cmの曲率半径を有している。Campionは、また、従来の紙応用品にこのようなエンボス加工部を形成しようと試みると、紙を破り、せん断し、もしくは、紙を損傷させやすくなることを開示している。

Hagertyへの米国特許No.５、７０９、６５２は、把持のための鋭端部を与えるように外筒に形成された開口部を有しているタンポンアプリケータを開示している。しかしながら、上述されたように、これは、外筒の指把持領域の径方向の圧迫強度を弱めることが知られている。このように圧迫強度が弱まると、使用者が把持部を非常に強く押してこれがつぶれた時に綿撒糸の押出しがより難しくなる。

かくして、当分野では、把持を向上するための鋭端部を提供するだけでなく、外筒の径方向の圧迫強度を弱めないエンボス指把持部が必要とされている。本発明は、外筒の径方向の圧迫強度を弱めないだけでなく実際に外筒の径方向の圧迫強度を高くさせる少なくとも１つの把持鋭端部を備えている少なくとも１つのエンボス把持構造体を提供している。また、このようなエンボス指把持構造体を形成する新規の方法が開示されている。

本発明のほかの目的は、アプリケータの外筒に１つ以上のエンボス把持構造体と実質的に閉じたぺタルチップとの両方をほぼ同時に形成する方法を提供することである。

本発明の更なる目的は、タンポンアプリケータの外筒の径方向の圧迫強度を維持並びに／もしくは改良する方法を提供することである。

本発明は、アプリケータの外筒に１つ以上の把持構造体を形成する方法を提案している。この方法は、好ましくは、アプリケータの外筒の径方向の圧迫強度が弱められない方法で、少なくとも１つのエンボス加工されたリング状の構造体を外筒に形成することを有している。

図面、特に図１を参照すると、全文を通して参照符号１０で示されているタンポンアプリケータ、即ち、挿入体が示されている。タンポンアプリケータ１０は、除去ストリング２２を備えているタンポン綿撒糸（図しめされず）を収容し、支持している。タンポンアプリケータ１０は、外筒１２と、この外筒と入れ子式に係合され得るプランジャー１４とを有している。

外筒１２は、好ましくは管状で綿撒糸を中に支持し得る中央ボディ１６と、前端部、即ち、押出し端部２６と、これに対向している後端部、即ち、プランジャー受け端部２８とを有している。プランジャー１４は、綿撒糸を外筒１２の外に向けて、この外筒の押出し端部２６から使用者の膣の中へと押出し得る。

外筒１２の押出し端部２６は、開かれ得る、即ち、実質的に閉じているチップを有し得る。押出し端部２６は、好ましくは、半球形のドーム形チップ２９を有している。このチップ２９は、好ましくは複数のスリット３１によって形成されている複数のぺタル３０を有し得る。これらぺタル３０は、可撓性であり、プランジャー１４が外筒１２内で綿撒糸の端部を圧迫した時に、綿撒糸がこれを通って押出されるのを可能にする。

図１乃至３を参照すると、把持性を向上させるために、外筒１２は、好ましくは、１つ以上の把持構造体１８を有している。１つ以上の把持構造体１８が、外筒１２のプランジャー受け端部２８の近くに配置されていると好ましい。１つ以上の把持構造体１８は、好ましくは、１つ以上のエンボス加工部である。１つ以上のエンボス加工部は、外筒１２に１つ以上の把持構造体１８を形成するのに適した全ての形に形成され得る。好ましくは、本発明の１つ以上の把持構造体は、１つ以上のエンボス加工されたリング状の構造体である。

図３を参照すると、１つ以上のエンボス加工されたリング状の構造体が、把持性を向上させる少なくとも１つの鋭端部３２を有しており、これが、より確実な把持に役立っている。少なくとも１つの鋭端部３２は、ほぼ垂直な側壁３４とほぼ平らな上部３６とによって形成されている。このほぼ垂直な側壁３４こそが、アプリケータ１０の使用中に使用者により一層の優れた把持を与える。

優れた把持性を与えるために、ほぼ垂直な側壁３４が、垂直な平面５２に対して（即ち、外筒１２の中心軸に対して直交する垂直面に対して）この側壁の基部からほぼ平らな上部に向けて、約０°から最大で２０°までテーパー付けされている。

外筒１２の把持性を更に優れたものにするために、１つ以上のエンボス加工されたリング状の構造体の高さが、約０．０２５４cmから０．２５４cm、好ましくは約０．０３８１cmから約０．１５２４cmであることが分かっている。１つ以上のエンボス加工されたリング状の構造体１８の幅は、約０．０７６２cmから約０．２５４cm、好ましくは約０．１０１６cmから約０．１２７cmである。

本発明の外筒１２並びに／もしくはプランジャー１４は、当分野で公知の所定の適当な材料によって形成され得る。適当な材料には、制限はされないが、多糖類とプロテインを含んだ１つ以上のバイオポリマー、厚紙、熱収縮材（heat shrink）、紙、紙積層品、厚紙積層品、紙スラリー、プラスチック、プラスチック管状物（tubing）、パルプ鋳造紙、もしくは、これらの所定の組み合わせがある。

更に、外筒１２並びに／もしくはプランジャー１４は、内面並びに／もしくは外面をコーティングされ得る。このコーティング剤は、強度を増し、表面の摩擦を減じ、外見をよくし、もしくは、これらの組み合わせを果たす所定の適当な材料であってよい。適当なコーティング剤には、例えば、セロハン、セルロース、樹脂、ラッカー、ニトロセルロース、ナイロン、プラスチック、ポリエステル、ポリラクチド、ポリオレフィン、ポリビニールアルコール、ポリ塩化ビニール、シリコーン、ワックス、もしくは、これらの所定の組み合わせがある。

図４に示されているような本発明の他の実施形態では、外筒１２は、また、外筒１２に形成された指受け把持領域２０内に配置された１つ以上の付加的な把持構造体２４を有し得る。好ましくは、指受け把持部２０は、２つ以上の把持構造体１８の間に形成される。１つ以上の付加的な把持構造体２４は、外筒１２の把持性を向上させるのに適した所定の構造体であってよい。１つ以上の付加的な把持構造体２４は、表面が滑らかであるか、もしくは、好ましくは、１つ以上の図案入りか折り目加工された構造体を有していてよい。１つ以上の付加的な把持構造体２４は、外筒１２の上並びに／もしくは下に延びている１つ以上の把持構造体の頂部を有し得るか、外筒１２の外面と実質的に整列され得る。

適当な付加的な把持構造体２４は、制限はされないが、研磨材、エンボス加工部、溝部、高いぬれ性の摩擦係数材（high wet coefficient of friction materials）、ランス（lance）、圧力感応粘着部、隆起部、スリット、トレッド、もしくは、これらの所定の組み合わせのうちの１つ以上を含んでいる。更に、１つ以上の付加的な把持構造体２４は、制限はされないが、円弧形（arc）、円形、凹形、円錐形、凸形、ダイヤモンド形、線形、楕円形、多角形、矩形、リブ形（rib）、正方形、三角形、もしくは、これらの所定の組み合わせを含む所定の形状に形成され得る。

本発明の他の実施形態では、１つ以上のエンボス把持構造体を形成する新規の方法が提案されている。図５乃至７を参照すると、この方法は、軸方向で弱い領域を与えるように、エンボス加工のパターンが外筒の表面に形成されるように外筒１２をエンボス加工することを有している。エンボス加工作業は、当分野の当業者に公知の所定のエンボス加工方法によって果たされ得る。

図５に示されているような本発明の好ましい実施形態では、突出しわパターン（punch-through crease pattern）４０を有しているマンドレル３８が、プランジャー受け端部２８から外筒１２の中に配置される。マンドレル３８と外筒１２とを回転させながら、上ホイール４２による下向きの圧力が外筒にかけられる。この結果、図６に示されているように、複数のエンボス加工部４４のリング状のパターンが、外筒１２に形成される。

好ましくは、本発明の１実施形態では、リング状のパターンの複数のエンボス加工部は、連続的なバンドを形成せず、実質的に円周方向に列を成すように整列された一連の個々のエンボス加工部４４を形成している。本発明の他の好ましい実施形態では、１つ以上のエンボス指把持構造体を形成している間に、ぺタルチップ、好ましくは実質的に閉じたぺタルチップが、外筒１２に形成される。

図７を参照すると、外筒１２が、エンボス加工後に、ぺタル形成マンドレル４６を覆うように配置される。続いて、外筒１２にぺタル３０を形成するために、外筒１２の挿入端部２６が、ぺタル形成機４８内に配置される。ぺタル３０が形成されると同時に、十分な大きさの軸方向の力がプランジャー受け端部２８で外筒１２にかけられ、この力によって、外筒の長さ方向の一部分が、一連の個々のエンボス加工部によって形成された軸方向の弱い領域で、アコーディオンのように自身の上に折り曲がるように強制される。これによって、把持のための少なくとも１つの鋭端部を有しているリッジなどの外方隆起部が形成される。本発明は、把持のための少なくとも１つの鋭端部を有している１つ以上のエンボス把持構造体１８を提供しているだけでなく、少なくとも１つのエンボス把持構造体のところで外筒１２を径方向において弱めないことが、分かっている。従って、外筒１２の径方向の圧迫強度は、弱められない。それとは逆に、外筒１２の径方向の圧迫強度は、１つ以上のエンボス把持構造体１８が強化構造体として働くことから、強められ得る。

個々のエンボス加工部４４が約２mm乃至約２０mm、好ましくは、約３mm乃至約６mmだけ離間されている場合、把持性は更に向上され得る。２つの隣接しているエンボス加工部間のアコーディオンのようなしわ部（fold）は、直線になろうとする傾向があり、外筒１２の径方向の湾曲部に従うとしても、その通りには従わない。

本発明の指把持部は、非円形断面の指把持領域、例えば、多角形、平面、もしくは、楕円形の断面を有しているアプリケータの外筒にも形成され得ることを、理解すべきである。

前記エンボス加工された複数の点部（dots）が互いに近くに配置されている場合、これら点部での裂けは、比較的激しくない。また、１つ以上のエンボス加工されたリング状の把持構造体１８は、端部から見ると、殆ど多角形とは見えない。エンボス加工された複数の点部が互いから離されて配置されている場合は、裂ける量は、あまり激しくならないが、１つ以上のエンボス加工されたリング状の把持構造体が、端部から見ると明らかに多角形の形状を有していることから、外観はあまり美的でなくなる。

本発明は、特に好ましい形状のものを参照して説明されている。しかし、請求項によって規定された本発明の精神と範囲とから逸脱することなく変化と修正とが成され得ることが、当分野の当業者には明らかであろう。

本発明に係わるタンポンアプリケータの一例の平面図である。 本発明に係わるアプリケータバレルと把持構造体との拡大図である。 図２のＡ−Ａ線に沿って切り取られた把持構造体の断面図である。 本発明に係わるタンポンアプリケータの他の例の平面図である。 エンボス加工のためにマンドレルを覆うように配置されている本発明に係わるタンポンアプリケータバレルの平面図である。 本発明の１態様に係わって形成された個々のエンボス加工部を有しているタンポンアプリケータバレルの平面図である。 本発明のぺタルチップ並びにエンボス加工のリング形構造体を形成する前のタンポンアプリケータバレルの平面図である。

Claims (8)

1. 少なくとも１つのエンボス把持構造体をタンポンアプリケータの外筒に形成する方法であって、
   （ａ）少なくとも１つのエンボス加工部を外筒の外面に形成し、弱い領域を外筒に形成する工程と、
   （ｂ）軸方向の力を外筒のプランジャー受け端部に加え、少なくとも１つのエンボス加工部が前記弱い領域で自身の上に折り曲がり、少なくとも１つの隆起把持構造体が形成されるようにする工程を具備している方法。
2. 前記工程（ａ）で形成される少なくとも１つのエンボス加工部は、実質的に列をなすように円周方向に整列されている複数の個々のエンボス加工部である、請求項１の方法。
3. 前記工程（ａ）の前に、外筒にマンドレルを取付ける工程と、マンドレルが取付けられた外筒を圧力ホイールと接触させる工程とを更に具備し、前記圧力ホイールは、下向きの力を外筒の表面にかける、請求項１の方法。
4. 前記少なくとも１つのエンボス把持構造体は、少なくとも１つのリング状の把持構造体である、請求項１ないし３のいずれか１の方法。
5. 前記外筒は、１つ以上のエンボス加工された隆起把持構造体のところで高い径方向の圧迫強度を有している、請求項１ないし４のいずれか１の方法。
6. 少なくとも１つのエンボス把持構造体とテーパー付けされたぺタルチップとを、タンポンアプリケータの外筒に形成する方法であって、
   （ａ）外筒の外面に少なくとも１つのエンボス加工部を形成し、弱い領域を外筒に形成されるようにする工程と、
   （ｂ）エンボス加工された外筒に、これのプランジャー受け端部で、マンドレルを取付ける工程と、
   （ｃ）前記エンボス加工された外筒のぺタルチップをぺタル形成機中に装填する工程と、
   （ｄ）外筒のプランジャー受け端部に軸方向の圧力をかけ、実質的に閉じたぺタルチップと少なくとも１つのエンボス把持構造体とが外筒に形成されるようにする工程とを具備している方法。
7. 前記少なくとも１つのエンボス把持構造体は、少なくとも１つのエンボス加工されたリング状の把持構造体である、請求項６の方法。
8. 前記実質的に閉じたぺタルチップと少なくとも１つのエンボス把持構造体とは、ほぼ同時に形成される、請求項６の方法。

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