JP4308364B2 - 信号制御サブエリア構成方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、交通信号制御を行う際に複数の信号機を同期して制御するサブエリアを決定する信号制御サブエリア構成方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
交通管制装置における信号機制御は、制御エリア(同期して動作する一連の交差点群)毎に、サイクル長(信号機の動作周期)、オフセット(基準交差点に対する動作の遅れ)、およびスプリット(道路の各方向への青時間の配分比率)という3種の制御パラメータを使用して行なわれる。従って、道路交通を円滑かつ安全に制御するためには、上記制御パラメータと制御エリアとを適切に決定する必要がある。
【0003】
現在の信号制御において、制御エリアは、路線全体で円滑な交通流を形成するために、経験的知識に基づいて設定されている。その他の理論的な算出方法についてもいくつか研究されている。理論的に制御エリア構成を決定する方法のひとつとして、あらかじめ各交差点にサイクル長の初期値を設定し、サイクル長が許容差以下で類似している隣接交差点を順次結合していき、最終的に得られた交差点群をそれぞれ制御エリアとする方法がある。この方法の詳細は、「交通管制装置」(特公平4―13759号公報)に詳しい。
【0004】
また、制御エリア構成と制御パラメータを同時に決定する方法として、各信号区間において、複数のサイクル長、複数のオフセット、および制御エリアの接続/分離状況の可能な組み合せについての遅れ時間を求め、動的計画法を適用することにより、遅れ時間を最小化する制御エリア、サイクル長、およびオフセットを得る方法がある。この方法では基本的に直線道路を適用対象としている。この方法の詳細は、「系統制御路線のサブエリア分割と系統周期の最適化」(土木学会論文報告集第285号1979年5月)pp.101〜108に詳しい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では、以下の課題が存在する。すなわち、制御エリアは、初めに適当に設定されたサイクル長および制御対象となる信号機の設置された交差点の接続状況に基づいて、遅れ時間の縮小、またはサイクル長を指標として設計されている。また、制御対象として、流入交通量が一定である直線道路、もしくは小規模な道路網が想定されている。これらの従来技術では、対象道路網については交差点の接続情報のみ用いられており、道路や交差点の性質、道路容量または交通需要などの情報が含まれていないため、これらによる影響について考慮した制御エリアを構成することができない。
【0006】
本発明は、このような従来の問題を解決するものであり、道路の幅員、車線数、交通容量、道路網情報を基に制御エリアを評価することにより、交通容量および交通需要を考慮した、系統制御に適する制御エリアを構築することが可能な信号制御サブエリア構成方法および装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のサブエリア構成装置は、以下に述べる道路情報蓄積手段、制御エリア表現手段、制御エリア構成手段、幅員評価手段、車線数評価手段、交通容量評価手段、道路種別評価手段、交差点種別評価手段、総合誇価手段、および制御エリア変更手段を備えたものである。本発明によれば、任意の道路網について、道路や交差点の性質、交通容量、および交通需要に基づき適切な制御エリア構成を得られ、評価方法の調整と拡張が容易で、大規模かつ複雑な道路網に対しても適用可能なサブエリア構成方法および装置が得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、道路網における複数の交差点と交差点間に存在する道路から構成されたエリアであって、交差点に設置された信号を同期して制御するエリアであるサブエリアを構成する信号制御サブエリア構成方法において、道路網の交通データと構造データを用いてサブエリアを構成し、測定された交通流データまたは道路の構造データまたは設定された道路設定データを蓄積するステップと、対象範囲の交差点に設置された信号群の制御サブエリア構成状況を、道路の幅員、道路の車線数、交通容量または交通流データ、道路の種別情報、交差点の種別情報のうちの少なくともいずれか一つに基づき評価するステップと、幅員評価、車線数評価、交通容量評価、道路種別評価、交差点種別評価の全部または任意の組み合わせによる評価方法を用いて、一括して評価を行なうステップとを含み、前記評価ステップでは、固定長の数値列と、数値列の数値の任意の組合せに対して、評価値を算出する評価関数によって、制御エリアの数値列を操作して評価することを特徴とする信号制御サブエリア構成方法であり、評価関数を最小化する数値列を得ることができる任意の最適化方法または準最適化方法を用いることにより、実際の交通流や道路構造情報を考慮してサブエリアを構成できるという作用を有する。
【0009】
本発明の請求項2に記載の発明は、道路網における複数の交差点と交差点間に存在する道路から構成されたエリアであって、交差点に設置された信号を同期して制御するエリアであるサブエリアを構成する信号制御サブエリア構成装置において、道路の交通データと構造データを用いてサブエリアを構成する処理部と、
測定された交通流データまたは道路の構造データまたは設定された道路設定データを蓄積する道路情報蓄積手段と、対象範囲の交差点に設置された信号群の制御サブエリア構成状況を評価する手段であって、前記制御サブエリア構成状況を、道路の幅員に基づき評価する幅員評価手段、道路の車線数に基づき評価する車線数評価手段、交通容量または交通流データに基づき評価する交通容量評価手段、道路の種別情報に基づき評価する道路種別評価手段、および交差点の種別情報に基づき評価する交差点種別評価手段のうち少なくともいずれか一つからなる評価手段と、前記幅員評価手段、車線数評価手段、交通容量評価手段、道路種別評価手段、交差点種別評価手段の全部または任意の組み合わせによる評価手段を用いて、一括して評価を行なう総合評価手段とを備え、前記総合評価手段は、固定長の数値列と、数値列の数値の任意の組合せに対して、評価値を算出する評価関数によって、制御エリアの数値列を操作して評価することを特徴とする信号制御サブエリア構成装置であり、評価関数を最小化する数値列を得ることができる任意の最適化方法または準最適化方法を用いることにより、実際の交通流や道路構造情報を考慮してサブエリアを構成できるという作用を有する。
【0028】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(実施の形態)
図1は本発明の一実施の形態における信号制御サブエリア構成装置の全体構成を示す。図1において、1は道路、2は交差点であり、ここでは説明のために2本の平行する道路とそれに交差する道路による道路網とする。3は交差点に設置された信号であり、各交差点に対する道路の流入方向に向け設置されているものとする。4は車両感知器であり、道路上の任意地点に設置され、交差点および道路に対する交通量、占有率の交通流データを計測可能なものとする。ここでは全道路に1つずつ設置されているものとする。5は交通流データ、道路構造データおよび道路設定データを蓄積できる道路情報蓄積手段である。6は本実施の形態における各手段を実現する処理部であり、マイクロコンピュータにより構成される。処理部6では、処理部内に存在するプログラムが1、2からなる道路網の道路構成データ、道路設定データおよび、信号3、車両感知器4の計測値、信号制御パラメータに基づき処理を実行する。処理部6において、7は制御エリア表現手段、8は記号化したサブエリア構成データを実際の構成に変換する制御エリア構成手段、9は幅員評価手段、10は車線数評価手段、11は交通容量評価手段、12は道路種別評価手段、13は交差点種別評価手段、4は総合評価手段、15は制御エリア変更手段である。なお、上記各手段はハードウェアで構成しても、ソフトウェアで構成してもよい。
【0029】
次に、図1の大まかな動作を説明する。道路1の幅員、車線数、交通容量および道路1と交差点2の接続状況からなる道路構造データや、道路1や交差点2に設定された国道、県道などの種別からなる道路設定データは道路情報蓄積手段5に蓄積され、処理部6に送られる。また、車両が道路上を走行し、各車両感知器設置地点での交通流データとして、交通量と占有時間が車両感知器4より計測され、道路情報蓄積手段5に蓄積され、処理部6に送られるものとする。なお、これらの交通流データ、道路構造データおよび道路設定データは直接処理部6に送るようにしてもよい。処理部6は、これらの交通流データ、道路構造データおよび道路設定データに基づいて、上記各手段を実行し、信号制御単位となるサブエリア構成を決定し、新たなサブエリアとして処理部6に保持し、かつ、サブエリア構成情報として出力する。以下、各手段について説明する。
【0030】
最初に、図2を参照して、本実施の形態における表現手段で使用する各構成要素および制御エリア表現手段の概念について説明する。道路網210上の全ての制御エリアの構成を同一の枠組nで表現する。道路網の構成要素である交差点N211に着目し、表現手段を説明する。周囲の他の交差点との制御エリアの接続状況を示す接続フラグ221〜224の情報を、一定の規則で10進数の1次元数値列231上に配置し、割り当てられた属性を識別する識別ラベル232を付加して、その数値列をもって制御エリア構成の表現230とする。
【0031】
次に、図3のフローチャートを参照して、制御エリア表現手段7の動作について詳細に説明する。道路網上の全ての道路について道路構造データを読み込み(ステップ301)、適当な順番で道路をひとつずつ選択し(ステップ302)、以下の処理を行なう道路の、両端に存在する交差点間の制御エリア接続状況を示すフラグを数値列の数値1桁に割り当て、割り当てられた数値列上の位置に、どの道路の接続フラグが割り当てられているかを識別するための識別ラベルを付加する(ステップ303)。全ての道路に対して、上記の割り当てと識別ラベル付加の処理を繰返して行なう(ステップ304)。以上により、道路網上の全ての制御エリアを数値列上に表現することが可能となる。なお、ここでは10進数の数値列を用いたが、数値列全体で値域が同一かつ不変であれば、その他の数値や記号の1次元列や多次元列を用いても良い。割り当てを行なう交差点の選択順序や各属性を割り当てる桁数および位置についても、任意に定めることができる。
【0032】
図4は本実施の形態における制御エリア構成手段8の機能を示す概念図である。上記制御エリア表現手段7により識別ラベルが付加された数値列を用意し(ステップ410)、この数値列に任意の数値を設定した数値列を作成し(ステップ420)、付加されている全ての識別ラベルの位置と、識別ラベルの内容に基づいて、それぞれの数値を変換し(ステップ430)、これを対応する道路に設定する(ステップ440)。この後、設定された接続フラグを用いて、制御エリアを生成する。以上のようにして、数値列をそれに対応する制御エリア構成に変換する。
【0033】
次に、図5のフローチャートを参照して、制御エリア構成手段8の動作について詳細に説明する。道路網上の全ての道路構造データを読み込み(ステップ501)、適当な順番で道路をひとつずつ選択し(ステップ502)、以下の処理を繰返し行なう。数値列に付加された識別ラベルのうち、当該道路の接続フラグを示しているものを選択する(ステップ503)。その識別ラベルに対応する10進数1桁の数値を数値列から読み込み(ステップ504)、0か1のいずれかの値になるよう適当な変換を施して、接続フラグに変換する(ステップ505)。得られた接続フラグを、当該交差点の接続フラグとして設定する(ステップ506)。以上を全ての道路について繰返し(ステップ507)、数値列の数値に基づいて、全ての道路の接続フラグを設定する。次いで、全ての交差点について、接続する道路の接続フラグの値を参照しながら、当該交差点と、値が1である接続フラグに対応する他の交差点とが、同一の制御エリアに属するように、制御エリアを生成する(ステップ508)。なお、ここでは10進数の数値列を用いたが、表現手段で定義した数値列と値域が同一かつ等長であれば、その他の数値や記号の1次元列や多次元列を用いても良い。数値を各属性に変換する方法については、各属性の値域と制約条件を満たしていれば、任意に定めることができる。
【0034】
次に、各評価手段9から14について説明する。本実施の形態のうち、道路属性による評価手段では、制御対象の道路網において、制御エリアを構成する条件基準を満たす道路を基準道路と称し、基準道路が別エリアに分断されず、同期して制御されるほど良好であるものとして、評価指標を設定する。なお、ここでは基準道路を設定したが、各道路情報において同条件または類似条件の道路群により制御エリアを形成しても良い。
【0035】
まず、図6のフローチャートを参照して、幅員評価手段9の動作について説明する。処理部6から対象道路網の幅員情報を読み込む(ステップ601)。読み込んだ幅員情報を参照し、道路網上の全ての交差点間に存在する道路の幅員のうち、最も大きい値を基準道路の基準Wとして設定する(ステップ602)。道路網上の全ての交差点間に存在する道路について、適当な順番で道路をひとつずつ選択し(ステップ603)、以下の処理を繰返し行なう。選択した道路iの幅員情報を基準Wと比較し(ステップ604)、同じまたは近似値であれば基準道路であるとして、接続フラグを参照し、エリアが分断されていない場合良好とし、評価値Pwiを設定する(ステップ605)。一例として同じエリアの場合にはPwi=0、エリアが分断されている場合にはPwi=1を設定する。以上を全ての道路について繰返し(ステップ606)、全基準道路の評価値より道路網全体の幅員情報評価Pwを算出し(ステップ607)、処理部6に保持する(ステップ608)。一例として、Pwは各基準道路の評価値Pwiの和として求める。この評価値は、値が小さいほど良好である。なお、ここでは各基準道路単位に評価値を設定し、これを結合して道路網全体の幅員評価値を算出したが、道路網全体の幅員情報に基づく任意の評価関数を設定して算出しても良い。
【0036】
次に、図7のフローチャートを参照して、車線数評価手段10の動作について説明する。処理部6から対象道路網の車線数情報を読み込む(ステップ701)。読み込んだ車線数情報を参照し、道路網上の全ての交差点間に存在する道路の車線数のうち、最も大きい値を基準道路の基準Lとして設定する(ステップ702)。道路網上の全ての交差点間に存在する道路について、適当な順番で道路をひとつずつ選択し(ステップ703)、以下の処理を繰返し行なう。選択した道路iの車線数情報を基準Lと比較し(ステップ704)、同じまたは近似値であれば基準道路であるとして、接続フラグを参照し、エリアが分断されていない場合良好とし、評価値Pli設定する(ステップ705)。一例として同じエリアの場合には評価値Pli=0、エリアが分断されている場合にはPli=1を設定する。以上を全ての道路について繰返し(ステップ706)、全基準道路の評価値より道路網全体の車線数情報評価Plを算出し(ステップ707)、処理部6に保持する(ステップ708)。一例として、Plは各基準道路の車線数評価値Pliの和として求める。この評価値は、値が小さいほど良好である。なお、ここでは各基準道路単位に評価値を設定し、これを結合して道路網全体の車線数評価値を算出したが、道路網全体の車線数情報に基づく任意の評価関数を設定して算出しても良い。
【0037】
次に、図8のフローチャートを参照して、交通容量評価手段11の動作について説明する。処理部6から対象道路網の交通容量情報を読み込む(ステップ801)。道路網上の全ての交差点間に存在する道路の交通容量のうち、最も大きい値を基準道路の基準Cとして設定する(ステップ802)。道路網上の全ての交差点間に存在する道路について、適当な順番で道路をひとつずつ選択し(ステップ803)、以下の処理を繰返し行なう。選択した道路iの交通容量情報を基準Cと比較し(ステップ804)、同じまたは近似値であれば基準道路であるとして、リンク接続フラグを参照し、エリアが分断されていない場合良好とし、評価値Pciを設定する(ステップ805)。一例として同じエリアの場合には評価値Pci=0、エリアが分断されている場合にはPci=1を設定する。以上を全ての道路について繰返し(ステップ806)、全基準道路の評価値より、道路網全体の交通容量情報評価Pcを算出し(ステップ807)、処理部6に保持する(ステップ808)。一例として、Pcは各基準道路の交通容量評価値Pciの和として求める。この評価値は、値が小さいほど良好である。なお、ここでは各基準道路単位に評価値を設定し、これを結合して道路網全体の車線数評価値を算出したが、道路網全体の車線数情報に基づく任意の評価関数を設定して算出しても良い。また、交通容量情報により評価したが、交通流データより交通量を算出し、交通量に基づいて評価値を算出しても良い。
【0038】
次に、図9のフローチャートを参照して、道路種別評価手段12の動作について説明する。処理部6から対象道路網の道路設定情報を読み込む(ステップ901)。本実施の形態では道路の種別として国道、県道およびその他の3つが設定されているものとする。読み込んだ道路設定情報を参照し、道路網上の全ての交差点間に存在する道路の種別のうち、最も需要の大きいと思われる種別を基準Kとして設定する(ステップ902)。道路網上の全ての交差点間に存在する道路について、適当な順番で道路をひとつずつ選択し(ステップ903)、以下の処理を繰返し行なう。選択した道路iの種別情報を基準Kと比較し(ステップ904)、同じであれば基準道路であるとして、リンク接続フラグを参照し、エリアが分断されていない場合良好とし、評価値Pkiを設定する(ステップ905)。一例として、同じエリアの場合には評価値Pki=0、エリアが分断されている場合にはPki=1を設定する。以上を全ての道路について繰返し(ステップ906)、全基準道路の評価値より、道路網全体の道路種別評価Pkを算出し(ステップ907)、処理部6に保持する(ステップ908)。一例として、Pkは各基準道路の道路種別評価値Pkiの和として求める。この評価値は、値が小さいほど良好である。なお、ここでは各基準道路単位に評価値を設定し、これを結合して道路網全体の道路種別評価値を算出したが道路網全体の道路種別情報に基づく任意の評価関数を設定して算出しても良い。
【0039】
次に、図10のフローチャートを参照して、交差点種別評価手段13の動作について説明する。処理部6から対象道路網の道路設定情報を読み込む(ステップ1001)。読み込んだ道路設定情報を参照し、道路網上にある全交差点の種別のうち、制御エリア構成条件となる種別Nを基準属性として設定する(ステップ1002)。本実施の形態では交差点の種別として重要交差点と一般交差点を設定する。ここで重要交差点は渋滞時にボトルネックとなる交差点であり、重要交差点を1つだけ含む制御エリアが良好となる。そのため重要交差点を基準となる種別Nとして選択し、エリア内の重要交差点数として適切な値1を、属性N交差点数の基準数Nnとして設定する。道路網上の全てのリンク接続フラグを参照し、制御エリアを構成する(ステップ1003)。各制御エリアを適当な順番で選択し(ステップ1004)、以下の処理を繰返し行う。選択した制御エリアa内において、種別Nである交差点数を算出し、交差点基準数Nnとを比較し、差分の絶対値を評価値Pnaとする(ステップ1005)。以上を全ての制御エリアについて繰返し(ステップ1006)、全制御エリアの評価値より、道路網全体の交差点種別評価Pnを算出し(ステップ1007)、処理部6に保持する(ステップ1008)。一例として、Pnは各制御エリアの交差点種別評価値Pnaの和として求める。この評価値は、値が小さいほど良好である。なお、ここでは各制御エリア単位に評価値を設定し、これを結合して道路網全体の交差点種別評価値を算出したが、道路網全体の交差点種別情報に基づく任意の評価関数を設定して算出しても良い。また、基準属性を設定せず、複数の交差点種別に対し任意の評価関数を設定しても良い。
【0040】
次に、図11のフローチャートを参照して、総合評価手段14の動作について説明する。以上で算出した5つの評価値を読み込み(ステップ1101、1102、1103、1104、1105)、適当な方法で結合し、総合評価値Pとする(ステップ1106)。本実施の形態では以下のようにして求める。
P=Pw+Pl+Pc+Pk+Pn
この評価関数を用いて、幅員評価、車線数評価、交通容量評価、道路属性評価、および交差点属性評価の良好性を同時に評価することができる。この評価関数を構成する5つの評価値とも、値が小さいほど良好であるので評価関数の値が小さいほど、道路網全体の制御エリア構成が良好であることを示す。なお、ここでは5つの評価値を組合せて評価関数を構成したが、より少ない評価値の組合せで評価関数を構成しても良い。逆に、交通流データまたは道路構造データに基づく他の評価値を組合せて評価関数を構成しても良い。また、各評価値の算出方法、定量化方法、定数、および評価関数の結合方法については、任意に定めることができる。
【0041】
次に、図12のフローチヤートを参照して、制御エリア変更手段15の動作について説明する。まず、上記制御エリア表現手段7を実行し、道路網上の全ての制御エリア構成を、数値列上に表現する(ステップ1201)。最適化に用いる数値列を用意し、その各数値に初期値を設定する(ステップ1202)。ここで、初期値の設定については任意の定数を用いても良いし、乱数を用いても良い。また、数値列はひとつでも良いし、複数用意しても良い。次に、以下の4つの処理を終了条件を満たすまで繰返し実行する(ステップ1203)。終了条件は、繰返し回数でも良いし、評価関数の値または値の推移に基づく条件でも良く任意に定めることができる。まず、制御エリア構成手段8を実行し、各数値列を、それに対応する制御エリア構成に変換する(1204)。この制御エリア構成を用いて、上記各評価手段を実行し、各数値列に対応する評価関数の値を算出する(ステップ1205)。算出した評価関数の値に基づき、良好な数値列を選択する(ステップ1206)。ここで、選択の対象とする数値列は、過去の時点で得られたものであっても良いし、現時点の複数の数値列であっても良い。また選択の方法は任意に定めることができる。次に、数値列の数値を適当な方法で操作する(ステップ1207)。操作を行なう数値列の選択方法や数値の操作方法は、任意に定めることができる。終了条件を満たした時点で、制御エリア構成手段8と各評価手段を更に実行し(ステップ1208、1209)、最終時点での数値列の評価を行なう。算出した評価関数の値に基づき、最も良好な数値列をひとつ選択する(ステップ1210)。ここで、選択の対象とする数値列は、過去の時点で得られたものであっても良いし、現時点の複数の数値列であっても良い。こうして得られた数値列について、制御エリア構成手段8を実行し(ステップ1211)、適切な道路網全体の制御エリア構成を得ることができる。なお、制御エリア変更手段15における数値列の操作方法として、値域が同一であらかじめ決めた個数の数値により構成される固定長の数値列と、数値列の数値の任意の組合せに対して、評価値を算出する評価関数とを扱い、評価関数を最小化する数値列を得ることができる任意の最適化方法または準最適化方法を用いることができる。例えば、全探索法、山登り法、ランダム探索法、焼き鈍し法、タブー探索法、または、遺伝的アルゴリズムに基づく方法を適用することができる。
【0042】
【発明の効果】
本発明による信号制御サブエリア構成方法および装置は、以上の説明から明らかなように、任意の道路網について、幅員等の道路性質、交通容量、交通需要および利用状況に応じた制御エリア構成が得られ、道路交通を円滑にし、交通流を容易に制御することが可能となり、渋滞による経済的損失の低減や社会資本である道路の有効利用を図ることができる。また、道路交通の円滑化により、交通全体における燃料消費量や汚染物質排出を低減させることができるので、エネルギーの有効活用や大気汚染の防止にも役立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における信号制御サブエリア構成装置の構成概略を示すブロック図
【図2】実施の形態における交差点の属性からそれらを示す記号群を表現する制御エリア表現手段の概念図
【図3】実施の形態における制御エリア表現手段の動作を示すフロー図
【図4】実施の形態における制御エリア構成手段の動作の概念図
【図5】実施の形態における制御エリア構成手段の動作を示すフロー図
【図6】実施の形態における幅員評価手段の動作を示すフロー図
【図7】実施の形態における車線数評価手段の動作を示すフロー図
【図8】実施の形態における交通容量評価手段の動作を示すフロー図
【図9】実施の形態における道路種別評価手段の動作を示すフロー図
【図10】実施の形態における交差点種別評価手段の動作を示すフロー図
【図11】実施の形態における総合評価手段の動作を示すフロー図
【図12】実施の形態における制御エリア変更手段の動作を示すフロー図
【符号の説明】
1 道路
2 交差点
3 信号
4 車両感知器
5 道路情報蓄積手段
6 処理部
7 制御エリア表現手段
8 制御エリア構成手段
9 幅員評価手段
10 車線数評価手段
11 交通容量評価手段
12 道路種別評価手段
13 交差点種別評価手段
14 総合評価手段
15 制御エリア変更手段
210 道路網
211 道路網内の交差点N
220 交差点Nの制御エリア接続内容
221〜224 交差点Nに接続する道路の接続フラグ
230 制御エリア構成の表現
231 数値列
232 数値列に付加された識別ラベル
Claims (2)
- 道路網における複数の交差点と交差点間に存在する道路から構成されたエリアであって、交差点に設置された信号を同期して制御するエリアであるサブエリアを構成する信号制御サブエリア構成方法において、
道路網の交通データと構造データを用いてサブエリアを構成し、測定された交通流データまたは道路の構造データまたは設定された道路設定データを蓄積するステップと、
対象範囲の交差点に設置された信号群の制御サブエリア構成状況を、道路の幅員、道路の車線数、交通容量または交通流データ、道路の種別情報、交差点の種別情報のうちの少なくともいずれか一つに基づき評価するステップと、
幅員評価、車線数評価、交通容量評価、道路種別評価、交差点種別評価の全部または任意の組み合わせによる評価方法を用いて、一括して評価を行なうステップとを含み、
前記評価ステップでは、固定長の数値列と、数値列の数値の任意の組合せに対して、評価値を算出する評価関数によって、制御エリアの数値列を操作して評価することを特徴とする信号制御サブエリア構成方法。 - 道路網における複数の交差点と交差点間に存在する道路から構成されたエリアであって、交差点に設置された信号を同期して制御するエリアであるサブエリアを構成する信号制御サブエリア構成装置において、
道路の交通データと構造データを用いてサブエリアを構成する処理部と、
測定された交通流データまたは道路の構造データまたは設定された道路設定データを蓄積する道路情報蓄積手段と、
対象範囲の交差点に設置された信号群の制御サブエリア構成状況を評価する手段であって、前記制御サブエリア構成状況を、道路の幅員に基づき評価する幅員評価手段、道路の車線数に基づき評価する車線数評価手段、交通容量または交通流データに基づき評価する交通容量評価手段、道路の種別情報に基づき評価する道路種別評価手段、および交差点の種別情報に基づき評価する交差点種別評価手段のうち少なくともいずれか一つからなる評価手段と、
前記幅員評価手段、車線数評価手段、交通容量評価手段、道路種別評価手段、交差点種別評価手段の全部または任意の組み合わせによる評価手段を用いて、一括して評価を行なう総合評価手段とを備え、
前記総合評価手段は、固定長の数値列と、数値列の数値の任意の組合せに対して、評価値を算出する評価関数によって、制御エリアの数値列を操作して評価することを特徴とする信号制御サブエリア構成装置。
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