図1は、本発明の1実施の形態のディスク装置を筐体の前面から見た正面図であり、(A)は主に筐体内の移送ユニットを示し、(B)は主に支持トレイと支持トレイ選択機構および駆動ユニットを示すものである。図2は駆動ユニットが退避位置にある状態を示すディスク装置の透視平面図、図3は駆動ユニットが駆動位置にある状態を示すディスク装置の透視平面図、図4はディスク搬入動作を示すディスク装置の透視平面図、図5は支持トレイにディスクが保持された状態を示す透視平面図である。図6は前方保持部材によるディスクの保持動作を示す平面図であり、(A)は厚いディスクが保持されたとき、(B)は薄いディスクが保持されたときを示す。図7は前方保持部材によるディスクの保持動作を示す図5のVII−VII線での切断断面図、図8は奥側保持部材によるディスクの保持動作を示す図5のVIII−VIII線での切断断面図である。
実施の形態のディスク装置1は、箱型の筐体2を有している。筐体2は、図1(A)(B)に示す前面3と底面8および天井面9と、図2などに示す後側面4と右側面5および左側面6を有している。前面3にはスリット状の挿入口11が開口しており、ディスクDはこの挿入口11から筐体内に挿入される。
図4と図5に示すように、筐体2内では、後側面4と左側面6および底面8と天井面9で囲まれた領域がディスク収納領域20となっている。
図1(B)および図4と図5に示すように、ディスク収納領域20では、天井面9に3本の選択軸31,32,33が回転自在に支持されており、それぞれの選択軸31,32,33の下端は、筐体2の底面8に接する長さを有している。選択軸31は移送ユニット80に最も近い位置にあり、選択軸32は駆動ユニット50に最も近い位置にあり、選択軸33はディスクDの搬入方向の最も奥側に位置している。
図1(B)に示すように、それぞれの選択軸31,32,33の外周面にはスパイラル状の選択溝35が形成されている。選択溝35のスパイラル形状は、選択軸31,32,33の上方(図示Z1方向)が密ピッチ部35aで、下方(図示Z2方向)が密ピッチ部35bとなっている。上方の密ピッチ部35aと下方の密ピッチ部35bでは、選択溝35が短ピッチで形成され、上方の密ピッチ部35aと下方の密ピッチ部35bでは、選択溝35が少なくとも5周(5ピッチ)以上形成されている。選択軸31,32,33の中間部では選択溝35が疎ピッチ部35cとなっており、この疎ピッチ部35cでは、上方の密ピッチ部35aと下方の密ピッチ部35bの間で、選択溝35が1ピッチ分だけ形成されている。
各選択軸31,32,33の上端には、小歯車が一体に設けられ、天井面9の内面にはリング状歯車が設けられ、それぞれの小歯車がリング状歯車に噛み合っている。図1(B)に示すように、天井面9には、駆動軸36aが回転自在に支持され、駆動軸36aの下端には伝達歯車36bが一体に形成され、上端には薄型歯車36cが一体に形成されて、この薄型歯車が前記リング状歯車に噛み合っている。図示しない選択モータの動力が伝達歯車36bに与えられると、薄型歯車36cによって前記リング状歯車が回転駆動され、このリング状歯車によって、全ての選択軸31,32,33が同期して回転させられる。この実施の形態では、各選択軸31,32,33とリング状歯車および伝達歯車36bなどによって、支持トレイ選択機構が構成されている。
ディスク収納領域20には、それぞれがディスクDを支持可能な複数の支持トレイ21が設けられている。この実施の形態では、支持トレイ21が6枚設けられており、支持トレイ21は厚み方向に重ねられて配置されている。それぞれの支持トレイ21は、筐体2の左側面6にほぼ平行に対向する左側縁21bと、筐体2の後側面4にほぼ平行に対向する後縁21cを有している。支持トレイ21の筐体2の内方へ向けられる内縁21aは凹曲線形状である。
それぞれの支持トレイ21には、そのX1側の端部で且つY1側の端部に、軸受25Aが固定されている。また、それぞれの支持トレイ21のX2側の端部で且つY2側の端部に軸受25Bが固定され、左側縁21bと後縁21cとの角部の内側にでは、それぞれの支持トレイ21に軸受25Cが固定されている。軸受25Aは、選択軸31の外周に挿通され、軸受25Bは選択軸32の外周に挿通され、軸受25Cは選択軸33の外周に挿通されている。
それぞれの軸受25A,25B,25Cの内側には掛止部が一体に突出形成されており、この掛止部が、選択軸31,32,33のそれぞれの外周に形成された選択溝35に摺動自在に掛止されている。これにより、6枚の支持トレイ21は選択溝35の隣接するピッチのそれぞれに掛止されている。選択軸31,32,33が、図4と図5において反時計方向へ回転すると、支持トレイ21が選択軸31,32,33に沿って1枚ずつ下向きに送られ、選択軸31,32,33が時計方向へ回転すると、支持トレイ21が選択軸31,32,33に沿って1枚ずつ上向きに送られる。そして、選択溝35の疎ピッチ部35cに掛止されているいずれかの支持トレイ21が、図1(B)に示す選択位置(a)に至ると、選択位置(a)にある支持トレイ21と、その下の密ピッチ部35bに位置する支持トレイ21との間隔が広げられる。
それぞれの支持トレイ21は、Z2方向に向く下面21dが、ディスクDを支持する支持面である。図1(B)に示すように選択位置(a)に至った支持トレイ21の下面21dは、挿入口11と同じ高さに設置される。
図4と図5に示すように、それぞれの支持トレイ21では、軸受25Aの外周に前方保持部材22が回動自在に支持されており、軸受25Bの外周には前方保持部材23が回動自在に支持されている。また軸受25Cの外周には奥側保持部材24が回動自在に支持されている。それぞれの保持部材22,23,24は、支持トレイ21の下面(支持面)21dに設けられているが、図4と図5では、図示の都合上、支持トレイ21を透視して、下側に位置する各保持部材22,23,24を実線で表示している。
前方保持部材22と支持トレイ21との間には引っ張りコイルばね26aが掛けられており、前方保持部材22は反時計方向へ付勢されている。前方保持部材22は図5に示すように反時計方向へ回動させられたときに保持姿勢となり、時計方向へ回動すると、保持解除姿勢となる。前方保持部材23と支持トレイ21との間には引っ張りコイルばね26bが掛けられており、前方保持部材23は時計方向へ回動したときに保持姿勢となり、反時計方向へ回動すると保持解除姿勢となる。
奥側保持部材24と支持トレイ21との間には引っ張りコイルばね26cが掛けられており、奥側保持部材24は時計方向へ付勢されている。図4では、奥側保持部材24が時計方向へ最も回動している。図5に示すように支持トレイ21にディスクDが保持されると、奥側保持部材24が反時計方向へわずかに回動する。図5に示すときに奥側保持部材24が保持姿勢であり、奥側保持部材24は、図5の姿勢からさらに反時計方向へ回動すると保持解除姿勢となる。
前方保持部材23は、腕部23eと、この腕部23eの先部に設けられた保持爪23aを有している。図7に示すように、保持爪23aは、支持トレイ21の下面21dに距離を空けて対向している。保持爪23aの基部には、傾斜面である支持部23bが形成されており、この支持部23bは支持トレイ21の下面21dに距離を空けて対向している。支持部23bは、ディスクDの中心に向かうにしたがって、支持トレイ21の下面21dから徐々に離れるように傾斜している。なお、この支持部23bの傾斜面は平面であってもよいし、凸湾曲面または凹湾曲面であってもよい。
支持部23bの最下端23cと支持トレイ21の下面21dとの間隔は、想定されるディスクDのうちの最も厚いディスクD1の厚み寸法t1とほぼ一致し、または厚み寸法t1よりもやや広く設定されている。支持部23bの最上端23dと支持トレイ21の下面21dとの間隔は、想定される最も薄いディスクD2の厚み寸法t2とほぼ一致し、または厚み寸法t2よりもやや狭く設定されている。したがって、支持トレイ21の下面21dにディスクDが供給された状態で、前方保持部材23が引っ張りコイルばね26bの付勢力によって回動させられると、傾斜面である支持部23bのいずれかの箇所が、ディスクDの外周縁の下エッジに当接し、前方保持部材23に与えられる回動付勢力によって、ディスクDが支持トレイ21の下面21dに押し付けられる。支持部23bのうちのディスクDの外周縁の下エッジに当接する部分が支持作用部となり、通常は、この支持作用部は点である。
厚いディスクD1が前方保持部材23で保持されると、支持作用部は、最下端23c付近に位置し、このとき図6(A)に示すように、前方保持部材23は、やや反時計方向へ回動した保持姿勢(角度α1)となる。薄いディスクD2が前方保持部材23で保持されると、支持作用部は、最上端23d付近に位置し、このとき図6(B)に示すように、前方保持部材23はやや時計方向へ回動した保持姿勢(角度α2)となる。
また、図7に示すように、保持爪23aの支持部23bよりも先の部分には、支持トレイ21の下面21dに対向する案内面23fが形成されているが、この案内面23fは、ディスクDの中心に向かうにしたがって支持トレイ21の下面21dから徐々に離れるように傾斜している。下面21dと案内面23fとの角度は、下面21dと支持部23bとの角度よりも小さい。
他方の前方保持部材22も、腕部22eの先部に保持爪22aが一体に形成されている。この保持爪22aの基部にも傾斜面である支持部が形成されているが、保持爪22aの構造と支持部の構造は、前方保持部材23の保持爪23aおよび支持部23bと同じである。
奥側保持部材24は、腕部24eと、腕部24eの先部に一体に形成された保持爪24aを有している。図8に示すように、保持爪24aには、支持トレイ21の下面21dに対面する支持部24bと、この支持部24bに連続し、ディスクDの中心に向かうにしたがって支持トレイ21の下面21dから徐々に離れるように傾斜する案内面24fが形成されている。
支持部24bは、支持トレイ21の下面21dと平行な平面である。ただし、支持部24bが支持トレイ21の下面21dに対して傾斜していてもよい。支持部24bが下面21dと平行な平面である場合には、支持部24bと下面21dとの距離は、想定される最も厚いディスクD1の厚み寸法t1に一致している。あるいは、支持部24bと下面21dとの間隔は、厚み寸法t1よりもやや広く設定されている。また、支持部24bが傾斜面の場合には、支持部24bと下面21dとの間隔の最も狭い部分が、厚み寸法t1に一致し、または厚み寸法t1よりもやや広く設定されている。
したがって、図8に示すように、支持トレイ21の下面21dに最も厚いディスクD1が支持されて奥側保持部材24が時計方向へ回動して保持姿勢になったとき、および支持トレイ21の下面21dに最も薄いディスクD2が支持されて、奥側保持部材24が保持姿勢となったときの双方において、ディスクDはその下面が、支持部24bに支持される。すなわち、奥側保持部材24がディスクDを支持する支持作用部は、支持部24bの上に位置している。
さらに、保持姿勢となった前方保持部材23の支持部23bでディスクDを支持する支持作用部、および前方保持部材22の支持部でディスクDを支持する支持作用部に対し、保持姿勢の奥側保持部材24によってディスクDを支持する支持作用部の方が下側(Z2側)に位置している。
図4と図5に示すように、筐体2の後側面4と左側面6との角部には、装填検知部28が設けられている。この装填検知部28は、発光素子と受光素子とが対向しており、図4に示すように、選択位置(a)に至った支持トレイ21がディスクDを保持していないと、奥側保持部材24に設けられた検知部24cが受光素子と発光素子との間に入り、装填検知部28の検知出力がOFFである。図5に示すように、支持トレイ21にディスクDが保持されているときは、奥側保持部材24がディスクDの外周縁に押されてわずかに反時計方向へ回動するため、検知部24cが装填検知部28から抜け出て、検知出力がONになる。
図4と図5に示すように、筐体2の左側面6の内側には第1の保持切換え部材37が設けられている。この第1の保持切換え部材37がY2方向へ移動すると、前方保持部材22が時計方向へ回動させられて、保持爪22aがディスクDの外周縁の外側に移動して保持解除姿勢となる。後側面4の内側には第2の保持切換え部材38が設けられており、この第2の保持切換え部材38がX1方向へ移動すると、前方保持部材23と奥側保持部材24が反時計方向へ回動させられ、保持爪23a,24aがディスクの外周縁の外側へ移動して保持解除姿勢となる。
前記ディスクDは、直径が12cmであり、例えばCD(コンパクト・ディスク)、CD−ROM、DVD(ディジタル・バーサタイル・ディスク)などである。
図2と図3に示すように、筐体2内にはユニット支持ベース41が設けられている。このユニット支持ベース41は、前面3の内側から右側面5の内側にわたって延びる形状である。ユニット支持ベース41の筐体2の内方に向く縁部41aは凹曲線形状であり、ディスク収納領域20内の各支持トレイ21に保持されたディスクDは、その外周縁が前記縁部41aよりもやや内側に位置している。
筐体2の底面8上には、弾性支持部材であるダンパー48が複数固定されている。このダンパー48は、ゴムなどの可撓性の袋体の内部に、オイルなどの液体または気体が封入されているものである。あるいは前記袋体と共に圧縮コイルスプリングが組み合わされているものである。ユニット支持ベース41には複数の支持軸42が下向きに固定されており、それぞれの支持軸42が前記ダンパー48に支持されている。
ユニット支持ベース41には、Y2方向へ突出する拘束軸43とY1方向へ突出する一対の拘束軸44,44が設けられている。筐体2の後側面4の内側にはX1−X2方向へ移動する拘束部材45が設けられ、前面3の内側にはX1−X2方向へ移動する拘束部材46が設けられている。拘束軸43は拘束部材45に保持され、拘束軸44,44は拘束部材46に保持されている。
図1(B)に示すように、拘束部材46には一対の拘束穴47,47が開口している。それぞれの拘束穴47は、X1側に延びる下降拘束部47aと、この下降拘束部47aよりも上方に位置する持ち上げ部47bと、持ち上げ部47bよりもX2側に位置して大きな開口面積を有する逃げ部47cとを有している。前記拘束軸44,44は、それぞれ拘束穴47,47内に挿入されている。また、後側面4の内側に位置する拘束部材45にも同様の拘束穴が形成されており、拘束軸43はこの拘束穴内に挿入されている。
図1(B)に示すように、拘束部材46がX2方向へ移動していると、拘束軸44,44は前記下降拘束部47a,47aに保持され、ダンパー48が押しつぶされてユニット支持ベース41が下降させられ、このユニット支持ベース41の上に支持されている駆動ユニット50も下降させられる。図1(B)に示すように、このときユニット駆動ユニット50は、挿入口11から挿入されるディスクDの下面よりもさらに下方に位置している。
図2と図3に示すように、ユニット支持ベース41上には駆動ユニット50が支持されている。駆動ユニット50は、細長い駆動ベース51を有している。この駆動ベース51の後端51bに近い位置で且つ左側面51aに近い位置に、支持軸52が下向きに固定されており、この支持軸52が、前記ユニット支持ベース41に回動自在に支持されている。図2では、駆動ユニット50は、ユニット支持ベース41に右側部の上に載置されて、ディスク収納領域20内のディスクDの外周縁から離れた退避位置にある。図3では、駆動ユニット50が前記退避位置からX−Y平面に沿って時計方向へ回動して駆動位置に設置されている。駆動位置にある駆動ユニット50は、ディスク収納領域20内において選択位置(a)の支持トレイ21に保持されたディスクDとその下に位置するディスクDとの間に入り込んでいる。
駆動ユニット50では、駆動ベース51の自由端側に位置する前端51cの内側に回転駆動部53が設けられている。この回転駆動部53は、前記駆動ベース51の上に固定されたスピンドルモータ54(図1(B)参照)と、このスピンドルモータ54の駆動軸54aに固定されたターンテーブル55とを有している。ターンテーブル55はフランジ部55aと、このフランジ部55aの中心部から上方へ突出する凸部55bとを有している。
ターンテーブル55内にはクランプ機構が設けられている。このクランプ機構は凸部55bの外周から放射状に突出するクランプ爪を有している。クランプ爪が凸部55b内に退行するとクランプ機構は非クランプ状態となり、凸部55bがディスクDの中心穴Da内に入り込むことができる。凸部55bがディスクDの中心穴Da内に下から入り込み、クランプ爪が突出すると、ディスクDの中心穴Daの周囲部分が、フランジ部55aとクランプ爪とで挟持されて、クランプ機構はクランプ状態となる。
駆動ユニット50の駆動ベース51上には光ヘッド56が設けられている。この光ヘッド56は、ターンテーブル55にクランプされたディスクDの記録面に対向する対物レンズ56aを有している。また光ヘッド56内には、対物レンズ56aへ検知光(レーザービーム)を与える発光素子、ディスクの記録面から反射され対物レンズ56aを経て戻った光を検知する受光素子などが内蔵されている。
駆動ベース51上には、その右側面51dに沿って延びるガイド部材57が固定されているとともに、左側面51aに沿って延びる送りスクリュー軸58が回動自在に支持されている。ガイド部材57と送りスクリュー軸58は互いに平行に延びている。光ヘッド56には摺動部56bが設けられ、この摺動部56bがガイド部材57に摺動自在に支持されている。光ヘッド56には係合部56cが設けられ、この係合部56cが、送りスクリュー軸58のスクリュー溝に係合されている。よって、光ヘッド56は、送りスクリュー軸58の回転力により、図3と図4に示すように、ターンテーブル55から離れた外周側位置と、ターンテーブル55に接近する外周側位置との間で移動させられる。
駆動ベース51にはスレッドモータ59が搭載されている。スレッドモータ59はパルスモータなどのステッピングモータである。前記送りスクリュー軸58は、スレッドモータ59の回転軸と一体に形成されている。または送りスクリュー軸58は、スレッドモータ59の回転軸にジョイントを介して直接に連結されている。いずれにせよ、スレッドモータ59の回転軸と送りスクリュー軸58が同軸上に位置し、スレッドモータ59の回転軸と送りスクリュー軸58との間に減速歯車機構が設けられていない。このように構成することにより、駆動ユニット50の幅寸法と長さ寸法を最短に構成できる。
図2と図3に示すように、ユニット支持ベース41には円弧案内穴41bが上下に貫通して形成されている。この円弧案内穴41bの幅中心の円弧軌跡の曲率中心は、前記支持軸52の軸芯に一致している。駆動ベース51の後端51b側の下端には駆動軸61が固定されており、この駆動軸61が前記円弧案内穴41b内に摺動自在に挿入され、駆動軸61はユニット支持ベース41の下方へ突出している。
ユニット支持ベース41の下面には、駆動部材62がY1−Y2方向へ摺動自在に支持されている。図3に示すように、駆動部材62には駆動長穴62aと逃げ部62bとが連続して形成されている。筐体2の底面8の上面にはモータの動力で駆動される駆動機構が設けられ、この駆動機構に設けられた駆動ピン63が前記駆動長穴62aおよび逃げ部62b内に挿入されている。この実施の形態では、駆動部材62と駆動ピン63および前記駆動機構によってユニット駆動部が構成されている。
駆動ユニット50の駆動ベース51に設けられた駆動軸61は、図示しないリンク機構を介して、駆動部材62の移動力によって動作させられるものであり、駆動ピン63が駆動長穴62a内に入った状態で、この駆動ピン63で駆動部材62がY2方向へ移動させられていると、駆動部材62の移動力によって駆動軸61がY2方向へ押され、図2に示すように、駆動ユニット50が退避位置へ回動させられる。駆動ピン63によって駆動部材62がY1方向へ移動させられると、図3に示すように、駆動部材62の移動力により駆動軸61がY1方向へ押されて円弧案内穴41bに沿って時計方向へ回動し、駆動ユニット50が図3に示す駆動位置へ回動する。さらに、ディスクDがターンテーブル55にクランプされて回転駆動されるときには、駆動ピン63が逃げ部62b内へ移動し、駆動ピン63による駆動部材62の拘束が解除され、駆動部材62が支持されているユニット支持ベース41がダンパー48で弾性支持された状態となる。
図2と図3に示すように、ユニット支持ベース41には固定ガイド65が固定されて設けられている。この固定ガイド65は合成樹脂材料などで形成されており、その外周縁が案内部65aとなっている。この案内部65aは、駆動ユニット50の回動支点である支持軸52の軸芯に曲率中心を有する円弧軌跡に沿って形成されている。
駆動ユニット50の駆動ベース51の前端51cには突出部66が固定され、この突出部66の先部にローラ67が回転自在に支持されている。図2に示すように、駆動ユニット50がユニット支持ベース41の上に位置しているときは、ローラ67が固定ガイド65の案内部65aに係合している。ローラの周囲には断面がV字状の溝が形成され、この溝が案内部65aに転動自在に嵌合することにより、図2に示すように退避位置にある駆動ユニット50の自由端側の上下へのがたつきが抑制される。
筐体2の前面3の内側では、ユニット支持ベース41上に可動ガイド71が設けられている。この可動ガイド71は、ユニット支持ベース41に固定された軸72に回動自在に支持されている。可動ガイド71は金属板または合成樹脂板で形成されているものであり、筐体2の内方に向く側縁部が円弧状の案内部71aとなっている。また、図2に示すように、可動ガイド71の自由端側には、前記案内部71aに連続する保持凹部71bが形成されている。
図3に示すように、筐体2の右側面5の内側では、ユニット支持ベース41上に2つのリンク部材73,74が互いに連結されて且つ摺動自在に設けられている。前記駆動部材62がY2方向へ移動していると、この駆動部材62によって2つのリンク部材73,74が動作させられ、図2に示すように、可動ガイド71が、ディスク収納領域20内のディスクDの外周縁から外れて筐体2の前面3に接近する退避位置に設定されている。
駆動部材62がY1方向へ移動すると、この駆動部材62によりリンク部材73,74が動作させられて、可動ガイド71が図2に示す退避位置から時計方向へ回動する。このとき、可動ガイド71は、案内部71aが支持軸52の軸芯を中心とする円弧軌跡に一致するように設定される。そして退避位置から時計方向へ回動する駆動ユニット50の前端に設けられたローラ67が、固定ガイド65の案内部65aから可動ガイド71の案内部71aに受け渡され、ローラ67の外周の溝が案内部71aに係合して、駆動ユニット50の自由端側が上下へのがたつきを規制されながら案内部71aに沿って移動する。そして、図3に示すように、駆動ユニット50が駆動位置に至ると、可動ガイド71がさらに時計方向へ回動して、可動ガイド71の先端の保持凹部71bによってローラ67が保持される。
図1(B)および図4、図5に示すように、筐体2内には移送機構である移送ユニット80が設けられている。移送ユニット80にはユニット枠81が設けられ、このユニット枠81内にローラ軸82が回動自在に支持され、このローラ軸82には、その軸方向に間隔を空けて2つの移送ローラ83,84が設けられている。図1(A)に示すように、ユニット枠81内には、移送ローラ83,84の上方に対向する挟持部材85が設けられ、移送ローラ83,84と挟持部材85とがばねの力で圧接されている。
図4と図5に示すように、筐体2内では、左側面6の内側に支持軸86が固定されており、ユニット枠81のX1側の端部が支持軸86に回動自在に支持されている。そして、図示しないユニット切換え機構によって、移送ユニット80は、図5に示すように前面3の内側に接近する待機位置から、図4に示すように反時計方向へ回動した移送動作位置へ回動させられる。移送ユニット80は、図5に示す待機位置にあるとき、ディスク収納領域20内に設けられたディスクDの外周縁から離れており、図4に示す移送動作位置にあるとき、その一部がディスク収納領域20内に入り込む。また、図1(A)に示すように、移送ユニット80は、挿入口11から挿入されたディスクDを、移送ローラ83,84と挟持部材85とで挟持できる高さに設定されている。
図2と図3に示すように、筐体2の底面8上にはローラモータ87が設けられ、このローラモータ87の動力は減速歯車88で減速されて、支持軸86に回転自在に支持された伝達歯車89に与えられる。さらにこの伝達歯車89の回転力がローラ軸82に与えられて、移送ローラ83,84が回転駆動される。よって、移送ユニット80の回動動作とは独立して、ローラモータ87で移送ローラ83,84を回転させることが可能である。
次に、図5を参照して、各支持トレイ21に設けられた前方保持部材22と前方保持部材23および奥側保持部材24の位置関係と、各保持部材と移送ユニット80との位置関係を説明する。
図7を参照して説明したように、支持トレイ21の下面21dにディスクDが支持されている状態で、前方保持部材23が時計方向へ回動して保持姿勢になると、保持爪23aの基部に形成された傾斜面である支持部23bのいずれかの箇所がディスクDの外周縁の下エッジに当たる支持作用部となる。図5では、前方保持部材23でディスクDを保持する支持作用部と、前方保持部材22でディスクDを保持する支持作用部とを結ぶ仮想直線をL1で示している。また、前方保持部材22の回動中心である選択軸31の軸心と、前方保持部材23の回動中心である選択軸32の軸心とを結ぶ直線である仮想線をL0で示している。
支持トレイ21の下面21dにディスクDが支持され、ディスクDの外周縁が、前方保持部材23と奥側保持部材24とに当たって位置決めされているときに、ディスクDの中心(ディスクの重心)は、仮想直線L1よりも奥側保持部材24に近い側に位置している。すなわち、ディスクDの中心は、仮想直線L1を挟んで移送ユニット80と逆の側に位置している。
図6(A)(B)に示すように、支持トレイ21に厚いディスクD1が支持されているときと、薄いディスクD2が支持されているときとで、前方保持部材23の保持姿勢が変化し、支持作用部の位置も若干移動する。これは前方保持部材22においても同じである。ただし、厚いディスクD1が支持されているとき、および薄いディスクD2が支持されているときの双方において、常にディスクDの中心は、支持作用部を結ぶ仮想直線L1よりも奥側に位置している。
また、選択軸31と選択軸32の軸心を結ぶ仮想線L0は、仮想直線L1を挟んで移送ユニット80と逆の側に位置しており、さらに仮想線L0は、ディスクDの中心よりも奥側、すなわちディスクの中心を挟んで移送ユニット80と逆の側に位置している。つまり、前方保持部材23がディスクDを支持する支持作用部は選択軸32よりも移送ユニット80側に位置しており、前方保持部材22がディスクDを支持する支持作用部も選択軸31よりも移送ユニット80側に位置しており、前方保持部材22と前方保持部材23とでは、保持姿勢へ向けて回動する回動方向が互いに逆回りである。
仮想線L0がディスクDの中心よりも奥側に位置していることにより、ディスクDは、選択軸31に支持された前方保持部材22と、選択軸32に支持された前方保持部材23の間を通過して、奥側保持部材24に当たる位置まで移動することが可能となる。しかも、前方保持部材22の支持部による支持作用部と、前方保持部材23の支持部23bによる支持作用部とが、選択軸31,32よりも移送ユニット80側に位置しているため、支持トレイ21に支持されるディスクDの中心(重心)を、支持作用部を結ぶ仮想直線L1よりも奥側に設定できる。
次に、このディスク装置1の動作を説明する。
ディスク収納領域20内に設けられた複数の支持トレイ21では、図5に示すように、前方保持部材22が、引っ張りコイルばね26aにより反時計方向へ回動させられ、前方保持部材23と奥側保持部材24が、引っ張りコイルばね26b,26cによって時計方向へ回動させられている。よって、支持トレイ21の下面21dにディスクDが供給されている場合には、このディスクDの外周縁が、各保持部材22,23,24で保持されている。
また、支持トレイ21にディスクDが供給されていない場合には、前記前方保持部材22が反時計方向へ回動させられ、前方保持部材23が時計方向へ回動させられている点で、ディスクDを保持している支持トレイ21と同じであるが、ディスクDが供給されていない支持トレイ21では、図4に示すように奥側保持部材24が、図5に示す保持姿勢よりもやや時計方向へ回動させられている。
ディスクDを支持している支持トレイ21では、図5に示すように、ディスクDの中心(重心)が、前方保持部材22による支持作用部と前方保持部材23による支持作用部とを結ぶ仮想直線L1よりも奥側に位置している。そのため、ディスクDには、前記各支持作用部を支点として奥側を下げようとする重力のモーメントが作用している。したがって、ディスクDの、移送ユニット80に向く側の端部が下がりにくくなり、ディスクDが支持トレイ21に安定した姿勢で保持されている。
図8に示すように、奥側保持部材24では、保持爪24aに形成された支持部24bと支持トレイ21の下面21dとの間隔が最も厚いディスクDの厚み寸法t1と同じか、または厚み寸法t1よりもやや広くなっている。したがって、厚み寸法t1よりも薄いディスクが支持トレイ21の下面21dに支持されているときは、前記重力のモーメントによって、ディスクDの奥側の端部は、奥側保持部材24の支持部24bに当たるように下がり、その分、ディスクDの移送ユニット80側の端部はやや持ち上げられた姿勢となる。
なお、支持トレイ21の下面21dに板ばねやゴムなどの付勢部材を設け、または、支持トレイ21の一部で下向きの板ばねを形成して付勢部材を構成し、これら付勢部材によって、仮想直線L1よりも奥側で、ディスクDを上方から加圧してもよい。この付勢部材を設けることにより、ディスクDの移送ユニット80に向く端部が下がることを確実に防止できるようになる。
ディスク収納領域20内に位置する支持トレイ21を選択位置(a)へ移動させるときには、図2に示すように、駆動ユニット50が退避位置が移動させられ、且つ移送ユニット80が図5に示す待機位置へ移動させられる。この状態で、天井面9に設けられたリング状歯車が回転し、選択軸31,32,33が同期して回転させられる。そして、各選択軸31,32,33に設けられた選択溝35によって、支持トレイ21が上下に移動させられ、選択しようとする支持トレイ21が選択位置(a)で停止させられる。
支持トレイ21が選択される間、筐体2内に設けられた図示しない規制手段が、全ての支持トレイ21に支持されたディスクDの中心穴Da内に位置しており、ディスクDが支持トレイ21から抜け出ないように規制される。そして支持トレイ21が選択位置(a)に移動すると、前記規制手段は、選択位置(a)にある支持トレイ21に保持されたディスクDの中心穴Daから抜け出る。
図2に示すように、駆動ユニット50が退避位置にあるとき、図1(B)に示すように、前面3の内側に設けられた拘束部材46がX2方向へ移動しており、ユニット支持ベース41の前端に設けられた拘束軸44,44が、拘束穴47,47の下降拘束部47a,47aに保持されている。筐体2の後側面4の内側に設けられた拘束部材45もX2方向へ移動しており、ユニット支持ベース41の後端に設けられた拘束軸43も同様に、拘束部材45の下降拘束部に保持されている。よって、ユニット支持ベース41は底面8に接近するように下降させられて且つ拘束されている。また、駆動ユニット50の前端に設けられたローラ67は、ユニット支持ベース41に設けられた固定ガイド65の案内部65aに係合している。
ディスクを挿入するときには、選択軸31,32,33が駆動されて、ディスクDを保持していない空の支持トレイ21が選択位置(a)へ移動させられる。空の支持トレイ21が選択位置(a)で停止すると、図3に示すように、ユニット支持ベース41の下面に設けられた駆動部材62がY1方向へ移動し、可動ガイド71が時計方向へ回動してローラ67を案内できる位置で停止する。これと併行して、駆動ユニット50が退避位置から時計方向へ回動し、ローラ67が固定ガイド65から可動ガイド71に受け渡され、ローラ67が可動ガイド71の案内部71aを転動する。そして、駆動ユニット50が図3と図4に示す駆動位置に至ると、可動ガイド71がさらに時計方向へ回動し、可動ガイド71の保持凹部71bでローラ67が保持される。
挿入口11からディスクDが挿入されたことが図示しない挿入検知部で検知されると、ローラモータ87が始動して、移送ユニット80内の移送ローラ83,84が搬入方向へ駆動され、ディスクDは移送ローラ83,84と挟持部材85とで挟持されて筐体2内に向けて搬入される。ディスクDがある程度搬入されると、移送ユニット80が、図5に示す待機位置から図4に示す移送動作位置へ回動し、ディスクDが選択位置(a)にある支持トレイ21に向けて移送される。このとき、図4に示すように、挿入口11に近い位置にある前方保持部材22は、時計方向へ回動してディスクDの搬入を妨げない姿勢となっている。
ディスクDが、選択位置(a)にある支持トレイ21に供給されると、奥側保持部材24がディスクに押されて反時計方向へ回動し、奥側保持部材24の検知部24cが装填検知部28から外れて、装填検知部28の検知出力がONに切換えられる。
装填検知部28の検知出力がONになると、図1(B)に示す拘束部材46がX1方向へ移動し、拘束軸44,44が拘束穴47,47の持ち上げ部47b,47bに案内される。同様に、後方に位置する拘束部材45もX1方向へ移動し、拘束軸43も拘束部材45の持ち上げ部によって持ち上げられる。よって、ユニット支持ベース41が持ち上げられて、駆動ユニット50に設けられたターンテーブル55の凸部55bが、選択位置(a)の支持トレイ21に保持されたディスクDの中心穴Daに下から入り込む。さらにターンテーブル55に設けられたクランプ機構が動作し、クランプ爪がターンテーブル55の凸部55bから突出し、ディスクDの中心穴Daの周囲部分が、ターンテーブル55のフランジ部55aとクランプ爪とで挟持される。
その後、移送ローラ83,84が搬入方向へ回転しながら、移送ユニット80が、図4に示す移送動作位置から図5に示す待機位置へ復帰し、移送ローラ83,84がディスクDから離れる。
移送ユニット80が、図5に示す待機位置へ復帰すると、第1の保持切換え部材37により、前方保持部材22が反時計方向へ回動させられ、ディスクDは、図5に示すように、全ての保持部材22,23,24で保持される。
その後、図1(B)に示す拘束部材46がX1方向へ移動し、拘束軸44,44が拘束穴47の逃げ部47c,47cに導かれて、拘束軸44,44の拘束が解除される。同様に、拘束部材45がX1方向へ移動して、拘束軸43の拘束が解除される。これにより、ユニット支持ベース41はダンパー48で弾性支持された状態となる。また、これと同時に、図4に示す第1の保持切換え部材37がY2方向へ移動して、前方保持部材22が時計方向へ回動させられ、第2の保持切換え部材38がX1方向へ移動して、前方保持部材23と奥側保持部材24が反時計方向へ回動させられて、支持トレイ21でのディスクDの保持が解除される。
よって、ターンテーブル55にクランプされたディスクDは、選択位置(a)にある支持トレイ21の下面21dから下方へ離されてターンテーブル55と共に回転駆動できる状態となる。
回転駆動を終了したディスクDが排出されるときには、ターンテーブル55の回転が停止し、拘束部材45,46がX2方向へ移動して、ユニット支持ベース41が持ち上げられ、ターンテーブル55にクランプされているディスクDが選択位置(a)にある支持トレイ21の下面21dに押し付けられる。そして、第1の保持切換え部材37がY1方向へ移動し、第2の保持切換え部材38がX2方向へ移動して、前方保持部材22が引っ張りコイルばね26aの付勢力で反時計方向へ回動させられ、前方保持部材23と奥側保持部材24が引っ張りコイルばね26b,26cの付勢力によって時計方向へ回動させられて、ディスクDが支持トレイ21の下面21dで保持される。
ターンテーブル55によって支持トレイ21の下面21dに押し付けられた状態で、移送ローラ83,84が排出方向へ回転しながら移送ユニット80が図4に示す移送動作位置へ移動し、ディスクDが移送ローラ83,84と挟持部材85とで挟持される。その後、ターンテーブル55によるディスクDのクランプが解除され、拘束部材45,46がX2方向へ移動して、ユニット支持ベース41が下降させられ、ターンテーブル55の凸部55bがディスクDの中心穴Daから下方へ抜き出される。
さらに、移送ユニット80に近い位置にある前方保持部材22が時計方向へ回動させられ、移送ローラ83,84が排出方向へ回転しながら、移送ユニット80が図5に示す待機位置に復帰し、ディスクDが筐体2の外へ排出される。
あるいは、ディスクDが支持トレイ21の下面21dに押し付けられ、各保持部材22,23,24でディスクDが保持された後に、ターンテーブル55でのディスクDのクランプが解除され、ユニット支持ベース41が下降させられ、駆動ユニット50のターンテーブル55がディスクDから下方へ離れた後に、移送ローラ83,84が排出方向へ回転しながら、移送ユニット80が、図4に示す移送動作位置に移動してもよい。
この場合、支持トレイ21の下面21dにおいて保持部材22,23,24で保持されているディスクDは、前述のように、重力のモーメントにより、移送ユニット80に対向する端部が下がることが抑制されている。そのため、移送ユニット40の移送ローラ83,84と挟持部材85とで、ディスクDの端部を確実に挟持できるようになる。
次に、ディスク収納領域20内に位置している支持トレイ21の下面21dに既に保持されているディスクDを回転駆動するときには、駆動ユニット50が退避位置にあり、移送ユニット80が待機位置にある状態で、選択軸31,32,33が駆動されて、ディスクDを保持している支持トレイ21が選択位置(a)に移動させられる。そして、図5に示すように、選択位置(a)に移動した支持トレイ21の下面21dに支持されたディスクDが各保持部材22,23,24で保持された状態で、駆動ユニット50が、図2に示す退避位置から回動させられて図3に示す駆動位置に設定される。
このとき、駆動ユニット50に設けられたターンテーブル55は、仮想直線L1よりも移送ユニット80側に向けられたディスクDの外周縁の下側を通過して駆動位置に移動する。支持トレイ21に支持されているディスクDは、重力のモーメントにより、前記手前側の端部が下がらないように安定して支持されているため、移動するターンテーブル55がディスクDの外周縁に当たることを防止できる。
駆動ユニット50が駆動位置へ回動すると、拘束部材45,46によって、ユニット支持ベース41と駆動ユニット50が持ち上げられ、ターンテーブル55の凸部55bが、ディスクDの中心穴Daに下から入り込む。その後、ターンテーブル55に設けられたクランプ機構が動作し、ディスクDが、ターンテーブル55のフランジ部55aとクランプ爪とで挟持される。このとき、支持トレイ21の下面21dに支持されているディスクDは姿勢が安定しているため、ターンテーブル55の凸部55bを、ディスクDの中心穴Da内に確実に入り込ませることが可能である。
ターンテーブル55にディスクDがクランプされた後に、保持部材22,232,24がディスクDから離れる保持解除姿勢へ回動させられ、さらにユニット支持ベース41がダンパー48で弾性支持された状態となって、ターンテーブル55とともにディスクDが回転駆動される。
なお、上記実施の形態では、選択軸31,32,33の選択溝35によって、支持トレイ21が昇降させられて選択されるが、この支持トレイ選択機構は、選択溝35に限られるものではなく、各支持トレイ21から突出している突起や軸が、リンク機構や、スライダのカムなどで昇降させられるものであってもよい。