JP4307398B2 - 充填材入り人工芝の施工装置および充填材入り人工芝構造体ならびにそのメンテナンス方法 - Google Patents

充填材入り人工芝の施工装置および充填材入り人工芝構造体ならびにそのメンテナンス方法 Download PDF

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Description

本発明は、パイル間に砂やゴムチップなどの粒状の充填材を充填してなる充填材入り人工芝の施工装置に関し、さらに詳しく言えば、その人工芝の表面を仕上げる充填材入り人工芝の施工装置に関するものである。
通常、パイル長さが約30〜60mmである人工芝をロングパイル人工芝というが、このロングパイル人工芝に砂やゴムチップなどの粒状の充填材を充填していわゆる砂入り人工芝とする場合、天然芝に近い踏み心地や良好なボールの転がり特性などを得るうえで、パイルの先端部分を充填材の表面から10〜30mm程度突出させるようにしている。
砂入り人工芝は、施工現場で人工芝を敷き広げ、その表面に砂やゴムチップなどの粒状の充填材を散布したのち、ブラシでパイル間に所定の層厚となるように充填することにより構築されるが、その場合、特に野球やサッカーなどの球技に支障が生じないように、充填材の表面を平坦に均す必要がある。
しかしながら、ロングパイルによる充填材入り人工芝の場合、充填材の表面がパイルの先端よりも低い位置に存在するため、目視で充填材の仕上げ高さが確認しにくく、結果として満足のいく平坦性を得るには長時間の作業を余儀なくされる。
この点を解決するため、本出願人は特許文献1として、人工芝上に散布された充填材の表面をまずロールブラシにて敷き均し、次に多数の針状物が設けられた開繊装置をその表面に沿って移動させて表面に露出したパイルの先端を開繊(フィブリル化)することにより、充填材を平坦に敷き均すとともに、充填材の飛散を抑える発明を提案している。
ところで、人工芝面を構成するパイルのうち、その先端が人工芝上に散布された充填材内に埋没されるものがある。パイル先端が充填材内に埋没されたままであると、運動競技場の場合には競技に支障を来すばかりでなく、その部分のパイルが欠落しているように見え外観上好ましくない。
そこで、パイルを充填材の中から掻き出して起立させることになるが、上記特許文献1のロールブラシや開繊装置では、パイルを充填材の表面から起立させることは困難であるため、従来では手作業でブラシ掛けしてパイルを充填材の中から掻き起こすようにしている。
しかしながら、このブラシ掛け作業には多大な労力を伴うばかりでなく、一旦敷き均した充填材の平坦性が損なわれてしまうことがある。また、ブラシ掛け回数が増えるにつれて、その部分のパイルが損傷を受ける、などの問題がある。
特開2002−173906号公報
したがって、本発明の課題は、人工芝上を移動させるだけで、充填材に埋もれているパイルを損傷させることなく起立させるとともに、充填材の表面仕上げをも行うことができる充填材入り人工芝の施工装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、基布に植設されたパイル間に粒状の充填材を、上記パイルの先端側の所定長さ分が突出するように充填してなる人工芝上を移動して、その表面を仕上げる充填材入り人工芝の施工装置において、上記人工芝に対する移動方向の前方に配置され、基板の下面に上記パイルの先端を起立させる多数のブラシ状の突起部を有する第1仕上げ部と、上記第1仕上げ部の後方に配置され、基板の下面に上記充填材の表面を敷き均す多数のブラシ状の突起部を有する第2仕上げ部とを備え、上記第1仕上げ部の上記突起部は、直径が3〜15mmであり、かつ、長さが上記パイル長さの0.5〜1.5倍であり、上記第2仕上げ部の上記突起部は、直径が2〜4mmであり、かつ、長さが上記パイル長さの0.8〜2.0倍であることを特徴としている。
請求項に記載の発明は、上記請求項1において、上記第1仕上げ部の上記突起部は、金属線にゴムを被覆した線材もしくは合成樹脂の線材からなることを特徴としている。
請求項に記載の発明は、上記請求項1または2において、上記第1仕上げ部の上記突起部は、千鳥状に配置されており、上記移動方向に沿って平行な隣接する2列間の間隔が上記パイルの植え付け間隔(ゲージ)の0.5〜1.5倍であり、かつ、上記移動方向に対して斜め方向の隣接する2列間の間隔が上記充填材の最大粒径の4倍以上であることを特徴としている。
請求項に記載の発明は、上記請求項1ないしのいずれか1項において、上記第2仕上げ部の上記突起部は、千鳥状に配置されており、上記移動方向に対して斜め方向の隣接する2列間の間隔が上記充填材の最大粒径の0.8〜1.8倍であることを特徴としている。
請求項に記載の発明は、上記請求項1ないしのいずれか1項において、上記第1および第2仕上げ部は、上記人工芝上を走行する走行手段に対し高さ調節手段を介して支持されていることを特徴としている。
請求項に記載の発明は、上記請求項1ないしのいずれか1項において、上記第1仕上げ部の前方に、上記第2仕上げ部と同一構成の第3仕上げ部をさらに備えていることを特徴としている。
本発明には、請求項に記載されているように、パイルがロングパイルであって、請求項1ないしのいずれか1項に記載の充填材入り人工芝の施工装置を用いて施工されたことを特徴とする充填材入り人工芝構造体も含まれる。すなわち、この充填材入り人工芝構造体は、テニスコート,サッカー競技場,野球場,陸上競技場などの各種人工芝競技施設に好適であるが、遊歩道や公園などの路地にも使用される。
さらに本発明には、請求項に記載されているように、既設でパイルが倒れている充填材入り人工芝において、請求項1ないしのいずれか1項に記載の充填材入り人工芝の施工装置の第1仕上げ部と第2仕上げ部の両方を用いて倒れたパイルを起立状態に回復させることを特徴とする充填材入り人工芝のメンテナンス方法も含まれる。
請求項1に記載の発明によれば、基板の下面にパイルの先端を起立させる多数のブラシ状の突起部を有する第1仕上げ部を移動方向の前方に、基板の下面に充填材の表面を敷き均す多数のブラシ状の突起部を有する第2仕上げ部を移動方向の後方に配置したことにより、充填材が散布された人工芝の表面に沿って移動させるだけで、充填材に埋もれているパイルを起立させるとともに、その起立によって乱された部分の充填材を平坦に敷き均すことができる。
また、第1仕上げ部の突起部の直径を3〜15mmとし、長さをパイル長さの0.5〜1.5倍としたことにより、パイルに損傷を与えることなく、また、充填材により大きな抵抗を受けることなく、充填材に埋もれているパイルを起立させることができる。また、第2仕上げ部の突起部の直径を2〜4mmとし、長さをパイル長さの0.8〜2.0倍としたことにより、充填物を敷き均すにあたって、パイルに対する損傷を最小限に止めることができる。
第1仕上げ部の突起部を金属線にゴムを被覆した線材もしくは合成樹脂の線材とした請求項に記載の発明によれば、パイルに対する損傷を最小限に止めることができる。
第1仕上げ部の突起部を千鳥状に配置し、移動方向に沿って平行な隣接する2列間の間隔をパイルの植え付け間隔(ゲージ)の0.5〜1.5倍とし、移動方向に対して斜め方向の隣接する2列間の間隔を充填材の最大粒径の4倍以上とした請求項に記載の発明によれば、突起部間に充填材の詰まりを生じさせることなく、充填材に埋もれているパイルをより確実に起立させることができる。
第2仕上げ部の突起部を千鳥状に配置し、移動方向に対して斜め方向の隣接する2列間の間隔を充填材の最大粒径の0.8〜1.8倍とした請求項に記載の発明によれば、突起部間に充填材の詰まりを生じさせることなく、充填材を確実に捕らえて平坦に敷き均すことができる。
第1および第2仕上げ部を人工芝上を走行する走行手段に対し高さ調節手段を介して支持するようにした請求項に記載の発明によれば、ロングパイル人工芝に対して充填材を少量ずつ数回に分けて散布し、その都度パイルを起立させながら充填材を敷き均す場合、その充填材の厚さに応じて第1および第2仕上げ部の高さを個別的に調節することができる。
第1仕上げ部の前方に第2仕上げ部と同一構成の第3仕上げ部をさらに設ける構成とした請求項に記載の発明によれば、第1仕上げ部によりパイルを起立させる場合、事前に第3仕上げ部にて充填材が均されているため、第1仕上げ部の突起部に対する充填材の抵抗を和らげ、また充填材の抵抗を均一なものとすることができる。
充填材入り人工芝の施工装置を用いて施工された充填材入り人工芝構造体とした請求項に記載の発明によれば、短時間の仕上げ処理により、外観(見映え)が良好で、しかも充填材がほぼ均一に敷き均されたロングパイルによる人工芝構造体が得られる。
また、請求項1ないしのいずれか1項に記載の充填材入り人工芝の施工装置の第1仕上げ部の第1仕上げ部と第2仕上げ部の両方を用いて倒れたパイルを起立状態に回復させる請求項に記載の発明によれば、既設のパイルが倒れている充填材入り人工芝に対して使用することで、人工芝の表面を初期の起立状態に近い状態に戻すことができる。
次に、図1ないし図7により、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。まず、図1に本発明による施工装置が適用される充填材入り人工芝の一例を示し、これについて説明する。
この充填材入り人工芝1は、基布2に所定間隔でパイル3が植設された人工芝で、そのパイル3の間には充填材4が充填される。この充填材入り人工芝1は、テニスコート,サッカー競技場,野球場,陸上競技場などの各種人工芝競技施設に好適であるが、遊歩道や公園などの路地にも使用される。
基布2には、例えばポリプロピレン,ポリエチレン,ナイロンなどの合成樹脂製からなる平織り布が用いられ、ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂製の綿状物がパンチングにより添着されてもよい。また、基布2の裏面には、タフティングされたパイル3の抜け落ちを防止するため、SBRラテックスゴムやウレタンなどのバッキング材21が一様に塗布される。
パイル3は、基布表面からパイル先端までのパイル長さHが30〜60mmのロングパイルである。パイル3は、ポリプロピレン,ポリエチレン,ナイロンなどの合成樹脂からなるスプリットヤーン,モノフィラメントヤーンのいずれであってもよい。好ましい太さは、6000〜10000dtexである。
充填材4は、弾性粒状物と硬質粒状物とを混合状態で含む下層41(基布側)と、弾性粒状物のみからなる上層42(表面側)との二層構造として充填することが好ましいが、弾性,硬質いずれか一方の粒状物の単層構造であってもよい。
充填材4の厚さは、要求される弾力性により任意に選択されるが、充填材4の流出や飛散を防止するうえで、パイルの突出高さh(充填材層の表面からパイル先端までの長さ)が10〜30mmとなる厚さであることが好ましい。
弾性粒状物は廃タイヤなどの廃ゴム品のリサイクル品が好ましい。また、弾性粒状物の粒径は0.3〜3mmが好ましい。すなわち、粒径が3mmを超える粗粒物が多く含まれると、パイル間での弾性粒状物の収まりが悪い。0.3mm未満の細粒物が多く含まれると、風によって飛散したり降雨によって流出することがある。
硬質粒状物は各種セラミック類の他、石類などであってもよいが、特には珪砂が好適である。また、弾性粒状物の粒径は0.1〜1.2mmが好ましい。すなわち、粒径が1.2mmを超える粗粒物や0.1mm未満の細粒物が多く含まれると、弾性粒状物と混合したとしても分離しやすく、また、分離した硬質粒状物は下層側に移動するため人工芝全体の弾力性が低下することにもなる。
上記充填材入り人工芝1において、充填材4は芝面上に散布されたのち、デッキブラシなどのブラシ掛けによりパイル3間に充填されるが、その際、パイル3の先端が充填材4内に埋もれてしまうことがある。
本発明の施工装置は、充填材4内に埋もれたパイル3を起立させるとともに、その起立に伴って乱された充填材4を平坦に敷き均す装置で、図2および図3にその全体が参照符号60で示されている。なお、以下の説明において上記充填材入り人工芝1を単に人工芝1ということがある。
図2の斜視図および図3の断面図(いずれも模式図)に示すように、この施工装置60は、図示しない牽引手段などにより引きずられて人工芝1上を移動する。その移動方向が矢印A方向であるとして、この例での施工装置60は、移動方向Aの手前側から順に、前方の充填材均し部70,パイル起立部80,後方の充填材均し部90の3つの仕上げ部を備える。
パイル起立部80,後方の充填材均し部90が請求項1における第1仕上げ部,第2仕上げ部に相当し、前方の充填材均し部70が請求項8における第3仕上げ部に相当しており、この例において、前方の充填材均し部70は本発明の好ましい態様として設けられている。
この例では、人工芝1上での走行手段には、一対の橇板61,61が用いられ、図3に示すように、前方の充填材均し部70,パイル起立部80および後方の充填材均し部90は、それらの全体を覆うハウジング2を介して移動方向Aと直交するように橇板61,61に掛け渡されている。
前方の充填材均し部70と後方の充填材均し部90は実質的に同じ構成であるため、図4により、後方の充填材均し部90についてその構成を説明する。なお、図4(a)は充填材均し部90を移動方向Aの手前側から見た模式的な側面図で、図4(b)はブラシ状の突起部の配列を示す底面図である。また、括弧内は前方の充填材均し部70の後方の充填材均し部90と対応する構成要素の参照符号であるが、図3にもその参照符号を示す。
充填材均し部90(70)は、ハウジング2に支持される基板91(71)を有し、基板91(71)の下面には充填材4を敷き均すためのブラシ状の突起部92(72)が多数突設されている。基板91(71)は金属板などの硬質基材からなり、図3に示されているように、高さ調節ネジ93(73)を介してハウジング32に支持されることが好ましい。基板91(71)の移動方向Aと直交する方向の幅は、広いほど一度で均一な均し面を形成しやすいが、移動方向を反転させる際の作業性を考慮すると1〜3m程度の幅が好ましい。
突起部92(72)はパイル3を傷つけないようにするため、ナイロンやポリプロピレンなどの合成樹脂製の線状体であることが好ましく、基板91(71)から下側に向かってほぼ垂直にブラシ状に多数突設される。図4(b)に示すように、各突起部92(72)は基板91(71)に対して千鳥状に配置されることが好ましい。
図4(a)に示すように、突起部92(72)は直径が2〜4mmであり、かつ、長さL1がパイル長さの0.8〜2.0倍であることが好ましい。すなわち、突起部92(72)の直径が2mmよりも小さく、かつ、長さL1がパイル長さの2.0倍よりも長い場合には、人工芝の抵抗に突起部が負けてしまい、充填材4を均すことができないおそれがある。逆に、直径が4mmよりも大きく、かつ、長さL1がパイル長さの1.8倍よりも短い場合には、人工芝に対する抵抗が大きくなりすぎ、パイル3を傷つけてしまうおそれがある。
また、図4(b)に示すように、突起部92(72)を千鳥状に配置するにあたって、移動方向Aに対して斜め方向の隣接する2列の間隔W1が充填材4の最大粒径の0.8〜1.8倍であることが好ましい。なお、最大粒径とはパイル3の先端が埋没される粒状物の最大粒径で、この例では上層42に含まれる弾性粒状物の最大粒径である。
すなわち、上記間隔W1が充填材4の最大粒径の0.8倍よりも小さいと、突起部92(72)同士の間隔が密になりすぎるため、突起部92(72)の間に充填材が目詰まりして摩擦抵抗が大きくなりすぎるおそれがある。逆に、上記間隔W1が充填材の最大粒径の1.8倍よりも大きいと、突起部92(72)の間隔が粗になりすぎるため、充填材4の表面を均一に敷き均すことができないおそれがある。
充填材均し部90(70)は、上述した条件を満足する専用のものを作製することがもっとも好ましいが、代用品として、例えばテニスコートなどの整備に使用される汎用のブラシを用いることもできる。
次に、図5(a)および図5(b)を参照して、パイル起立部80の構成について説明する。図5(a)はパイル起立部80を移動方向Aの手前側から見た模式的な側面図で、図5(b)はブラシ状の突起部の配列を示す底面図である。
パイル起立部80は、ハウジング32に支持される基板81を有し、基板81の下面には充填材4内に埋没したパイル3を掻き起こすためのブラシ状の突起部82が多数突設されている。
基板81は金属板などの硬質基材からなり、図3に示されているように、高さ調節ネジ83を介してハウジング2に支持されることが好ましい。基板81の移動方向Aと直交する方向の幅は、充填材均し部90(70)と同幅である。
突起部82は、パイル3や充填材4により抵抗を受けるため、適当な剛性が必要とされる。そのため、鉄やアルミニウムなどの金属線材が用いられるが、パイル3に損傷を与えないようにするため、金属線材をゴムなどの軟質な樹脂で被覆することが好ましい。
なお、金属線材と同等の剛性を示すものであれば、合成樹脂の線状体であってもよい。いずれにしても、突起部82の先端はパイル3を傷つけないようにするため、先端が半球状に加工されていることが好ましい。
突起部82は直径が3〜15mmであり、かつ、長さL2がパイル長さの0.5〜1.5倍であることが好ましい。すなわち、突起部82の直径が3mmよりも小さく、かつ、長さがパイル長さの1.5倍よりも長いと、突起部82が柔らかすぎて人工芝の抵抗に負けて充填材の中に入り込まず、パイル3を掻き起こすことができないことがある。
逆に、突起部82の直径が15mmよりも大きく、かつ、その長さがパイル長さの0.5倍よりも短いと、突起部82の剛性が強すぎになる。その結果、充填材4に対する摩擦抵抗が大きくなりすぎ、充填材4の表面に凹凸などを生じさせるばかりでなく、パイル3を傷つけてしまうおそれがある。
また、図5(b)に示すように、突起部82は好ましくは千鳥状に配置されるが、その場合、移動方向Aに沿って平行な方向の隣接する2列の間隔W2は、パイル3の植え付け間隔(ゲージ)の0.5〜1.5倍であり、かつ、移動方向Aに対して斜め方向の隣接する2列の間隔W3は、充填材4の最大粒径の4倍以上であることが好ましい。
すなわち、上記間隔W2をパイルの植え付け間隔の0.5倍よりも狭くすると、突起部82の間隔が密になりすぎ、充填材4が突起部82の間に目詰まりするおそれがある。逆に、上記間隔W2をパイルの植え付け間隔の1.5倍よりも大きくすると、埋没したパイル3に対して突起部82が引っ掛からずに、パイル3を引き起こせないおそれがある。
また、上記間隔W3を充填材4の最大粒径の4倍未満とすると、突起部82の隙間が密になりすぎるため、パイル3をまんべんなく掻き起こすことができないおそれがあるので、好ましくない。
次に、図6および図7を参照して、この施工装置60の使用方法の一例について説明する。充填材4を人工芝のパイル3間に充填する場合、少量ずつ数回に分けて充填材4を芝面上に散布し、その都度ブラシ掛けした方が、一気に充填するよりも均一に充填材4を充填することができる。したがって、この施工装置60も、充填材4を少量ずつ数回に分けて芝面上に散布するたびに使用される。
図6に示すように、この施工装置60は、例えば人工芝施設のメンテナンスなどに用いられる万能トラクターTによって牽引されてよい。この種の万能トラクターTには、メンテナンスの種類(芝刈りやサッチなど)に応じて様々なアタッチメントが装着可能であるため、それを利用して施工装置60を連結することができる。
なお、トラクターTのアタッチメントには油圧式ジャッキが取り付けられており、これを利用して施工装置60の高さ調節を行うこともできるが、より高精度に仕上げ作業を行うためには、施工装置60の高さ調節ネジ73,83,93によることが好ましい。
前方の充填材均し部70,パイル起立部80および後方の充填材均し部90の各突起部72,82,92を橇板61の下面と同一面に揃えるか、もしくは橇板61の下面よりも等しく突出させてもよいが、好ましくは充填材均し用の突起部72,92を橇板61の下面と同一面に揃え、これに対してパイル起立用の突起部82をそれよりも下方に突出させる。
図6に示すように、未仕上げの人工芝1aの表面は、充填材4が散布されたままの状態であり凹凸ムラが生じている。そこで、施工装置60を人工芝1aの表面に沿って矢印A方向に移動させると、まず前方の充填材均し部70の突起部72によって充填材4の表面が敷き均される。
次に、パイル起立部80が通過することにより、その突起部82によって充填材4内に埋没しているパイル3が掻き起こされる。この場合、パイル起立部80の通過面は、前方の充填材均し部70によりあらかじめ敷き均されているため、充填材4によりパイル起立部80に加えられる抵抗が和らげられ、また、その抵抗がパイル起立部80に均一に加えられるため、パイル起立部80の浮き上がりや傾きが防止される。
その後、後方の充填材均し部90が通過することにより、パイル起立部80のパイル起立作用に伴って掻き乱された充填材4が、後方の充填材均し部90の突起部92により敷き均される。このようにして、施工装置60を移動させるだけで、パイル3が起立され、しかも充填材4が均一に均された人工芝1に仕上げることができる。
なお、サッカー場など広い面を仕上げるには、図7に示すように、仕上げ面を複数の平行なレーンに仮想的に分割し、端のレーンから順次その隣りのレーンに施工装置60を移して走行させればよい。その場合、一方の橇板61を既仕上げ面上に載せて移動させることにより、レーン間に筋目を生じさせることなく全体をきれいに仕上げることができる。
上述した好ましい実施形態においては、施工装置1は前方の充填材敷き均し部70,パイル起立部80および後方の充填材敷き均し部90の3つの仕上げ部を備えた構成としているが、パイルが損傷しやすい場合や充填材が雨などによって濡れて充填材敷き均し部70,90に目詰まりしやすくなるような場合には、パイル起立部80のみを使用して施工してもよい。この場合はパイルを起立させたのち、ブラシで充填材を均す。
本発明の施工装置60は、新たに充填材入り人工芝を構築する場合のみならず、既設の充填材入り人工芝の通常のメンテナンスや、充填材4の入替時などにも使用すことができる。
既設の充填材入り人工芝では、パイルが踏まれているため、ボールの転がり抵抗や足の引っ掛かり、弾力性などが施工当初とは異なってくる。そこで、本発明の施工装置1を用いて表面をメンテナンスすることで既設のパイルが倒れた充填材入り人工芝を施工当初に近い状態に戻すことができる。
その場合、充填材は踏み固められているため、まずパイル起立部80のみを用いて倒れたパイルを起立させながら、締まった充填材をほぐしたのち、必要に応じてブラシ掛けして充填材を平坦に敷き均すことが好ましいが、充填材の締まり具合によっては充填材敷き均し部70,90を併用してもよい。
本発明による施工装置によって仕上げられる充填材入り人工芝の一例を示す断面図。 本発明による施工装置を示す模式的な斜視図。 上記施工装置の要部断面図。 (a)充填材均し部の側面図,(b)その底面図。 (a)パイル起立部の側面図,(b)その底面図。 上記施工装置の使用状態を説明するための断面図。 上記施工装置の施工例を説明するための模式図。
符号の説明
1 充填材入り人工芝
2 基布
3 パイル
4 充填材
41 下層
42 上層
60 施工装置
61 橇板
70 前方の充填材均し部
72 突起部
80 パイル起立部
82 突起部
90 後方の充填材均し部
T トラクター

Claims (8)

  1. 基布に植設されたパイル間に粒状の充填材を、上記パイルの先端側の所定長さ分が突出するように充填してなる人工芝上を移動して、その表面を仕上げる充填材入り人工芝の施工装置において、
    上記人工芝に対する移動方向の前方に配置され、基板の下面に上記パイルの先端を起立させる多数のブラシ状の突起部を有する第1仕上げ部と、上記第1仕上げ部の後方に配置され、基板の下面に上記充填材の表面を敷き均す多数のブラシ状の突起部を有する第2仕上げ部とを備え
    上記第1仕上げ部の上記突起部は、直径が3〜15mmであり、かつ、長さが上記パイル長さの0.5〜1.5倍であり、上記第2仕上げ部の上記突起部は、直径が2〜4mmであり、かつ、長さが上記パイル長さの0.8〜2.0倍であることを特徴とする充填材入り人工芝の施工装置。
  2. 上記第1仕上げ部の上記突起部は、金属線にゴムを被覆した線材もしくは合成樹脂の線材からなることを特徴とする請求項1に記載の充填材入り人工芝の施工装置。
  3. 上記第1仕上げ部の上記突起部は、千鳥状に配置されており、上記移動方向に沿って平行な隣接する2列間の間隔が上記パイルの植え付け間隔(ゲージ)の0.5〜1.5倍であり、かつ、上記移動方向に対して斜め方向の隣接する2列間の間隔が上記充填材の最大粒径の4倍以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の充填材入り人工芝の施工装置。
  4. 上記第2仕上げ部の上記突起部は、千鳥状に配置されており、上記移動方向に対して斜め方向の隣接する2列間の間隔が上記充填材の最大粒径の0.8〜1.8倍であることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の充填材入り人工芝の施工装置。
  5. 上記第1および第2仕上げ部は、上記人工芝上を走行する走行手段に対し高さ調節手段を介して支持されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の充填材入り人工芝の施工装置。
  6. 上記第1仕上げ部の前方に、上記第2仕上げ部と同一構成の第3仕上げ部をさらに備えていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の充填材入り人工芝の施工装置。
  7. パイルがロングパイルであって、上記請求項1ないしのいずれか1項に記載の充填材入り人工芝の施工装置を用いて施工されたことを特徴とする充填材入り人工芝構造体。
  8. 既設でパイルが倒れている充填材入り人工芝において、上記請求項1ないしのいずれか1項に記載の充填材入り人工芝の施工装置の第1仕上げ部と第2仕上げ部の両方を用いて倒れたパイルを起立状態に回復させることを特徴とする充填材入り人工芝のメンテナンス方法。
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