JP4306695B2 - 光符号器、光復号器及び光符号分割多重送受信装置 - Google Patents

光符号器、光復号器及び光符号分割多重送受信装置 Download PDF

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Description

この発明は、光符号分割多重(OCDM: Optical Code Division Multiplexing)送受信装置に利用される光符号器及び光復号器に関し、特に、装置構成を変更することなく設定する光符号を変更することが可能である光符号器及び光復号器、並びにこれらの光符号器及び光復号器を具えるOCDM送受信装置に関する。
近年、インターネットの普及等により通信需要が急速に増大しており、それに対応して光ファイバを用いた高速で大容量のネットワークが整備されつつある。そして、通信の大容量化のために、一本の光ファイバ伝送路に複数チャンネル分の光パルス信号をまとめて伝送する光多重技術が重要視されている。
光多重方法の一つであるOCDMは、送受信される光パルス信号の、1ビット当たりに割り当てられる時間軸上の制限がないという、運用面における柔軟性を有している。また、時間軸上で同一の時間スロットに複数のチャンネルを設定でき、あるいは波長軸上においても同一の波長に複数のチャンネルを設定できるという特長を有している。
OCDMとは、チャンネルごとに異なる符号(パターン)を割り当て、パターンマッチングにより信号を抽出する通信方法である。すなわち、OCDMは、送信側ではチャンネルごとに異なる符号で光パルス信号を符号化し、受信側では送信側と同じ符号を用いて復号化して元の光パルス信号に戻す光多重方法である。以後符号化された光パルス信号を符号化光パルス信号ということもある。
OCDMによれば、復号時には符号化されたときの符号と合致する光パルス信号のみが有効な信号として抽出されて処理されるため、同じ波長あるいは複数の波長が組み合わせられた光からなる光パルス信号を、複数のチャンネルに割り当てることが可能となる。また、OCDMによれば、受信側において復号化するために符号化に用いた符号と同一の符号を用いる必要があるため、この光符号が知られない限り復号化されない。このため、OCDMは情報の安全確保にも優れた伝送方法である。
図1を参照して、OCDMの動作原理を説明する。OCDMによる送受信装置は、送信部10と受信部20とを具えて構成される。送信部10の光パルス信号生成器12において、多波長連続波光源または広帯域光源の出力が光パルス列に変換され、この光パルス列を基にして、2値デジタル信号である送信信号がRZ(return to zero)光パルス信号に変換されて送信光パルス信号13として生成されて出力される。
送信光パルス信号13は、光サーキュレータ16を介して光符号器14に入力され、この光符号器14に設定された符号により符号化された送信光パルス信号17が生成されて、再び光サーキュレータ16を介して伝送路19を伝播して受信部20に送られる。以後の説明では、光サーキュレータ16を、光符号器を構成する一要素である入出力部として扱うこともある。
受信部20では、上述の光符号器14に設定されている符号と同一の符号が設定されている光復号器24により復号化することによって、送信された光パルス信号を再生する。すなわち、符号化された送信光パルス信号17は、光サーキュレータ26を介して光復号器24に入力されて復号化され、受信光パルス信号25として再生されて出力されて、再び光サーキュレータ26を介して光パルス信号検出器22に入力される。光パルス信号検出器22おいて、時間ゲート処理あるいは閾値処理等の処理がなされることによって、受信信号として識別される。光復号器24においても、上記と同様に、光サーキュレータ26を、光復号器を構成する一要素である入出力部として扱うこともある。
ここで、OCDMによる送受信装置において利用される代表的な符号として、位相符号及び波長ホッピング符号について説明する。
図2(A)及び(B)を参照して、位相符号方式による符号化について説明する。図2(A)及び(B)は、位相符号方式による符号化のための光符号器の概略的構成図であり、図2(A)は、単位ファイバブラッググレーティング(FBG: Fiber Bragg Grating)によるブラッグ反射に関する説明に供する図である。図2(B)は、図2(A)に示す単位FBGを直列に配列して構成されるスーパーストラクチャファイバブラッググレーティング(SSFBG: Superstructured Fiber Bragg Grating)30を示している。
FBGは、例えば、光ファイバのコアに光誘起屈折率変化現象を起こす素材の一例として、例えばゲルマニウム添加石英ガラスを用いて、コアに周期的屈折率変調を施すことによって形成できることが知られている。また、周期的屈折率変調を形成する方法としては、光ファイバのコアに屈折率の周期的変調を加えるほか、クラッド、あるいはコア及びクラッドの両方に屈折率の周期的変調を加えて構成することも可能である。また、光誘起屈折率変化現象を起こす素材を用いて形成された光ファイバ以外でも、例えば、光誘起屈折率変化現象が起こらない通常の光ファイバに対して、イオン注入誘起屈折率変化現象を利用して、光ファイバグレーティングを作製する方法も知られている。
図2(A)に示す、単位FBGは、光ファイバを構成しているコアとクラッドの少なくとも一方に周期的な屈折率変化構造を具えた光ファイバである。この光ファイバは、ブラッググレーティングの屈折率変化構造の周期Λに対応した特定の波長λB(この波長λBをブラッグ波長ということもある。)の光を選択的に反射する特性を有する。周期Λと波長λBとの間には、λB=2neffΛの関係があり、この条件はブラッグ反射条件とよばれる。ここでneffは、光ファイバ中を伝播する光の位相速度を決める実効屈折率である。
ここで、SSFBGとは、屈折率変調の周期が連続して一定でかつ屈折率変調に位相の跳躍部分が存在しない均質のFBGを単位FBGとして、この単位FBGが2つ以上、同一の光ファイバに直列に配置されて形成されるFBGを言う。また、ブラッグ波長が互いに異なる複数のSSFBGが2つ以上、あるいは屈折率変調に位相の跳躍部分が挿入された複数のSSFBGが2つ以上、同一の光ファイバに直列に配置されて形成されるFBGもSSFBGというものとする。すなわち、屈折率変調の周期が連続して一定でかつ屈折率変調構造部分に位相の跳躍部分が存在しない均質のFBG以外を、ここではSSFBGというものとする。従って、ここでは、単位FBG以外は、SSFBGである。すなわち、後述する、位相符号部及びチップパルス生成手段等を構成する回折格子は、SSFBGである。
位相跳躍部分は、例えば、寸法が、Λ、Λ、...、Λと規則的に続く、周期Λである屈折率変化構造の一部を、寸法Λの代わりにΛと異なるDに置き換えることによって形成できる。すなわち、Λ、Λ、..、D、..、Λと変更することで、Dの部分が位相跳躍部分として機能する。例えば、ブラッグ波長がλである場合に、位相跳躍量がπ/2及びπ/4に等しくなるように位相跳躍部を形成するには、それぞれD=λ/4及びD=λ/8に設定すればよい。一般的に、それぞれD=kλ+(λ/4)及びD=kλ+(λ/8)に設定すればよい。また、位相跳躍量が-π/2(すなわち3π/2)及び-π/4(すなわち7π/4)に等しくなるように位相跳躍部を形成するには、それぞれD=3λ/4及びD=7π/8に設定すればよい。一般的に、それぞれD=kλ+(3λ/4)及びD=kλ+(7π/8)に設定すればよい。ここで、kは0以上の整数である。
図2(B)に示すSSFBG 30は、光ファイバに、単位FBGを複数個直列に配置して構成される。すなわち、SSFBG 30は、図2(A)に示す単位FBGを光ファイバの光導波路であるコアに直列に配列されて構成される。SSFBG 30を構成する単位FBGのブラッグ波長は全て等しくλBである。この点が、次に説明する波長ホッピング方式による符号化に使われるSSFBGと異なる点である。
ここでは、一例として、4ビットの位相符号(0,0,1,0)を用いて、位相符号方式による符号化について説明する。ここで、位相符号を与える「0」及び「1」からなる数列の項数を符号長ということもある。この例では、符号長が4である。また、位相符号を与える数列を符号列といい、符号列の各項「0」及び「1」をチップということもある。そして、0及び1の値そのものを符号値ということもある。
位相符号方式による符号化は、次のようにして行われる。すなわち、図2(B)に示すSSFBG 30において、隣接する符号値が等しい場合は隣接するFBGのブラッグ反射光の位相差がπ/2となるように配置し、隣接する符号値が異なる場合には隣接するFBGのブラッグ反射光の位相差が-π/2となるように配置する。すなわち、隣接するFBG間に、π/2あるいは−π/2に等しい位相跳躍部分が挿入されている。
上述の4ビットの位相符号(0,0,1,0)においては、第1番目のチップの符号値が0であり、第2番目も0であるので、隣接する符号値が等しい。従って、第1番目のFBGであるFBG 1と第2番目のFBGであるFBG 2 との間隔は、FBG 1からのブラッグ反射光の位相とFBG 2からのブラッグ反射光の位相との差がπ/2となるように位相跳躍部分が設定される。また、第2番目のチップの符号値が0であり、第3番目のチップの符号値は1であるので、隣接する符号値が異なっている。従って、第2番目のFBGであるFBG 2と第3番目のFBGであるFBG 3 との間隔は、FBG 2からのブラッグ反射光の位相とFBG 3からのブラッグ反射光の位相との差が-π/2となるように位相跳躍部分が設定される。同様に、第3と第4番目の符号値も異なるので、FBG 3とFBG 4との間隔は、それぞれのブラッグ反射光の位相差が-π/2となるように位相跳躍部分が設定される。
従って、図2(B)に示すSSFBG 30に、光サーキュレータ18を介して入射される波長λBの光パルス37は、SSFBG 30に設定された位相符号(0,0,1,0)によって符号化されて符号化光パルス列39として生成されて、再び光サーキュレータ18を介して出力される。
次に、図3(A)及び(B)を参照して、波長ホッピング方式による符号化について説明する。図3(A)及び(B)は、波長ホッピング方式による符号化のための光符号器の概略的構成図であり、図3(A)は、図2(A)と同様に、単位FBGによるブラッグ反射に関する説明に供する図である。図3(B)は、図3(A)に示す単位FBGを直列に配列して構成されるSSFBG 32を示している。図3(B)に示すSSFBG 32と図2(B)に示すSSFBG 30とがと異なるのは、次の点である。図2(B)においては、SSFBG 30を構成する単位FBGのブラッグ反射光の波長が全て等しかったのに対して、図3(B)に示すSSFBG 32は、それを構成する単位FBG 1から単位FBG 4の波長は、それぞれ、λ1、λ2、λ3及びλ4と、全て異なっていることである。
図3(B)に示すSSFBG 32には、波長ホッピング符号(λ1, λ2, λ3, λ4)が設定されている。従って、図3(B)に示すSSFBG 32に、光サーキュレータ28を介して入力される、波長がλ1、λ2、λ3及びλ4である4成分を含む光パルス31は、SSFBG 32に設定された波長ホッピング符号(λ1, λ2, λ3, λ4)によって符号化されて符号化光パルス列43として生成されて、再び光サーキュレータ28を介して出力される。
SSFBG 32に設定する波長ホッピング符号は、ここでは、ブラッグ波長がそれぞれλ1、λ2、λ3及びλ4である単位回折格子(FBG 1、FBG 2 FBG 3及びFBG 4)が、図3(B)に示す順序に等間隔で配列されることによって設定されているが、単位回折格子(FBG 1、FBG 2 FBG 3及びFBG 4)の配列順序及び、これらの隣接する単位FBGの間隔によって発生する時間遅延量の相違によって、複数の相異なる波長ホッピング符号が設定される。
以上説明したように、位相符号方式による符号化あるいは波長ホッピング方式による符号化によって、OCDM送受信方法が実現される。しかしながら、光符号器に設定される位相符号方式による符号あるいは波長ホッピング方式による符号が、光符号器の装置構成(ハードウエア)の変更によらず、ソフトウエアによって変更が可能となれば、次のような利点がある。すなわち、OCDM送受信装置の送信側において、特定のチャンネルの出力ポートを変更し、あるいは受信側において入力ポートを変更する必要が生じた場合に、容易に対処できる。例えば、特定の入力ポートあるいは出力ポートに故障が発生した場合、あるいは定期、不定期の装置保守整備等の場合に、変更が必要となる。また、OCDMによって送受信される情報の安全確保のために、光符号器に設定する符号を変更する必要が生じる場合も想定される。
そこで、位相符号器を構成する全ての単位FBGの間に設けられる位相調整部分にタングステンワイヤーを巻き付けて、この部分を加熱することによって位相調整をおこない、位相符号を変更する方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。また、波長ホッピング符号が設定される光符号器を構成する単位FBGのブラッグ波長を温度制御することによって変更し、波長ホッピング符号を変更する方法が知られている(例えば、非特許文献2参照)。
M. R. Mokhtar, et al. "Reconfigurable Multilevel Phase-Shift Keying Encoder-Decoder for All-Optical Networks", IEEE Photonics Technology Letters, Vol. 15, No. 3, pp. 431-433. Habib Fathallah, et al. "Robust Optical FFH-CDMA Communications: Coding in Place of Frequency and Temperature Controls", J. Lightwave Technology, Vol. 17, No. 8, pp. 1284-1293.
位相符号方式による符号化は、単一波長の光パルスによって実現可能であるので、搬送波としての光の波長帯域が狭くともよいという利点がある。また、SSFBGを構成する単位FBGの個数を増やすことによって、設定が可能である符号の種類を増やすことができる。これによって、より多くのチャンネルを多重することが可能となる。
しかしながら、光符号器に設定する位相符号を変更するために、タングステンワイヤーによって、SSFBGを局所的に加熱するという高度な技術が必要である。位相符号方式においては、隣接する単位FBGによるブラッグ反射光の位相差(位相跳躍量)が±π/2の範囲より遥かに狭い範囲で制御する必要があり、このためにタングステンワイヤーによる加熱制御は極めて精確に行う必要がある。また、一定の時間安定して加熱温度を不変に保つことも必要であり、この点についても高度な技術を必要とする。
一方、波長ホッピング方式による符号化は、複数の相異なる波長成分を含む光パルスを利用する必要があり、搬送波としての光の波長帯域が広い必要がある。すなわち、通信に使う波長資源がそれだけ多く必要となる。また、波長ホッピング方式による符号化によって生成される符号化光パルス列の強度を十分な大きさに確保するためには、SSFBGを構成する単位FBGの長さを長くする必要がある。すなわち、単位FBGの長さを長くすることによって、ブラッグ反射の反射率を高くすることができるからである。
しかしながら、SSFBGを構成する単位FBGの長さを長くすることによって、ブラッグ反射の反射率を高くすることが可能であるが、符号化されて生成される符号化光パルス列を構成するチップパルスの時間軸上での半値幅が広くなる。このため、送信する光パルス信号のビットレートが大きくなるにつれて、光パルス信号を符号化しても、受信側で復号化することが困難となる。
また、波長ホッピング方式による符号化においても、光符号器に設定波長ホッピング符号を、加熱制御によって変更するには、位相符号方式による符号化の場合ほどではないにしても、高度な技術が必要である。また、一定の時間安定して加熱温度を不変に保つことも必要である。すなわち、符号の変更がなされた後は、符号の変動が起こらないように管理する必要があり、光符号器の動作の安定性を確保することは容易でない。
そこで、この発明の第1の目的は、利用する波長資源を増やすことなく設定可能な符号の種類を多数確保できる、位相符号方式と波長ホッピング方式を併用した符号化が可能である光符号器を提供することにある。
第2の目的は、装置構成(ハードウエア)を変更せずに、符号化光パルス信号を生成するための符号を容易に変更することが可能であり、かつ安定して動作する光符号器を提供することにある。
第3の目的は、装置構成を変更せずに設定する符号の変更が容易であり、高精度の温度制御が必要でなく安定して動作することを特徴とする、光復号器を提供することである。より具体的には、受信する符号化光パルス信号の符号化に使用された符号に対応させて、復号化するための符号を自在に設定することが可能である光復号器を提供することにある。
また、第4の目的は、この発明の光符号器及び光復号器を利用したOCDM装置を提供することにある。
上述の第1の目的を達成するため、この発明の要旨によれば、以下の構成の第1光符号器が提供される。第1光符号器は、光パルスを、位相符号方式の符号及び波長ホッピング方式の符号によって符号化して、時間軸上に順次配列したチップパルスの列として生成される符号化光パルス列に変換して出力する光符号器であって、入出力部と、この入出力部に接続されたチップパルス生成手段とを具えている。
チップパルス生成手段は、設定される位相符号がそれぞれ異なると共にブラッグ波長もそれぞれ異なる複数の位相符号部が、光導波路に直列に配置されている。これら複数の位相符号部は、隣接するこれらの位相符号部からのブラッグ反射光間の時間遅延が、設定される波長ホッピング符号方式の符号に応じて、必要とされるだけ発生する間隔を以って配置されている。
この位相符号部は、ブラッグ波長の等しい複数の単位回折格子が、光導波路に直列に配置されて構成されている。これらの複数の単位回折格子は、隣接するこれらの単位回折格子からのブラッグ反射光に、位相符号部に設定される位相符号方式の符号に応じて、必要とされる位相差(位相跳躍量)が発生するように配置されている。すなわち、隣接するこれらの単位回折格子からのブラッグ反射光に、位相符号部に設定される位相符号方式の符号に応じて、必要とされる位相跳躍量を与える位相跳躍部が配置されている。
チップパルス生成手段によって、入出力部から入力された光パルスは、波長が異なるチップパルスとして波長ホッピングされると共に、波長の等しいチップパルス同士間に位相差を与えて成る当該チップパルスの列に変換されて、入出力部に戻され、この入出力部からこのチップパルスの列が符号化光パルス列として出力される。
また、上述の第2の目的を達成するため、この発明の要旨によれば、以下の構成の第2光符号器が提供される。第2光符号器は、光パルスを、位相符号方式の符号及び波長ホッピング方式の符号によって符号化して、時間軸上に順次配列したチップパルスの列として生成される符号化光パルス列に変換して出力する光符号器であって、入出力部と、この入出力部に接続されたチップパルス生成部とを具えている。
チップパルス生成部は、合分波器と、この合分波器に互いに並列に接続される複数の位相符号部を具えており、合分波器と、位相符号部との間には、それぞれ光遅延調整器が配置されている。合分波器に互いに並列に接続される複数の位相符号部のブラッグ波長は、それぞれ互いに異なっている。
位相符号部のそれぞれは、ブラッグ波長の等しい複数の単位回折格子が、光導波路に直列に配置されて構成されている。これらの複数の単位回折格子は、隣接するこれらの単位回折格子からのブラッグ反射光に、位相符号部に設定される位相符号方式の符号に応じて、必要とされる位相差(位相跳躍量)が発生するように配置されている。そして、各位相符号部のそれぞれに設定される位相符号は、互いに異なっている。
波長ホッピング方式の符号の変更は、チップパルス生成部が具える各光遅延調整器のそれぞれに設定する時間遅延量を変化させることによっておこなう。入出力部から入力された光パルスは、各光遅延調整器のそれぞれに設定する時間遅延量によって確定される波長ホッピング符号によって波長が異なるチップパルスとして波長ホッピングされると共に、波長の等しいチップパルス同士間に位相差を与えて成るこれらのチップパルスの列に変換されて、入出力部に戻され、入出力部からこのチップパルスの列を符号化光パルス列として出力される。
また、上述の第3の目的を達成するため、この発明の要旨によれば、以下の構成の光復号器が提供される。この発明の光復号器は、光パルスが位相符号方式及び波長ホッピング方式の符号によって符号化されて時間軸上に順次配列されたチップパルスの列として生成された符号化光パルス列を、復号化して光パルスとして再生して出力する光復号器であって、入出力部と、この入出力部に接続された光パルス再生部とを具えている。
光パルス再生部は、合分波器と、この合分波器に互いに並列に接続される第1から第N光パルス再生手段(Nは2以上の整数である。)を具えて構成される。合分波器と、第1から第N光パルス再生手段の間には、それぞれ光遅延調整器が配置されている。
第1から第N光パルス再生手段のそれぞれのブラッグ波長は互いに異なっている。そして、第1から第N光パルス再生手段のそれぞれは、ブラッグ波長が等しく、かつ設定される位相符号がそれぞれ異なる複数の位相復号部が、光導波路に直列に配置されている。これらの位相復号部は、複数の単位回折格子が光導波路に直列に配置されて構成されている。そして、これらの複数の単位回折格子は、隣接するこれらの単位回折格子からのブラッグ反射光に対して、位相符号方式の復号化に必要とされる、同一の波長のブラッグ反射光の位相差を相殺するように配置されている。
また、光遅延調整器に設定されるそれぞれの時間遅延調整量を、異なる波長のブラッグ反射光間の時間遅延が等しくなるように設定することによって、入出力部から光パルス再生部に入力された符号化光パルス列を、光パルスに変換して、入出力部に戻し、この入出力部から光パルスを出力することを特徴とする。
上述の第1及び第2光符号器、ならびに光復号器に利用される光導波路としては、光ファイバを利用するのが好適である。光導波路として光ファイバを利用した場合、上述の単位回折格子は、単位FBGとするのがよい。また、上述のチップパルス生成手段、位相符号部及び位相復号部は、SSFBGとするのがよい。
上述の第4の目的を達成するため、この発明の要旨によれば、以下の構成のOCDM装置が提供される。この発明の第1のOCDM送受信装置は、第1光符号器が設置された送信部、及び上述したこの発明の光復号器が設置された受信部を具えて構成される。
送信部において、光パルスは、第1光符号器が具える位相符号部で位相符号化され、かつ第1光符号器が具える複数の位相符号部の配置によって定まる波長ホッピング符号によって波長ホッピング符号化されて符号化光パルス列として生成される。
この符号化光パルス列は、受信部に伝送され、受信部において、この発明の光復号器が具える第1から第N光パルス再生手段において、これら第1から第N光パルス再生手段をそれぞれ構成する単位回折格子のブラッグ波長に等しいチップパルス同士間の位相差が相殺される。このためには、例えば、位相復号部を構成する単位回折格子の配置を、第1光符号器が具えるチップパルス生成手段の位相符号部を構成する単位回折格子の配置とは、入出力部に対して逆の順序にすればよい。
第1光符号器が具える複数の位相符号部の配置によって発生した、相異なる波長成分のチップパルス同士間の時間遅延差を、光復号器が、合分波器と第1から第N光パルス再生手段の間にそれぞれ配置された光遅延調整器のそれぞれに設定する時間遅延調整量を調整することによって相殺することが可能である。
また、この発明の第2のOCDM送受信装置は、第2光符号器が設置された送信部及び上述したこの発明の光復号器が設置された受信部を具えて構成される。
送信部において、光パルスは、第2光符号器が具える複数の位相符号部で位相符号化され、かつ第2光符号器が具える複数の光遅延調整器のそれぞれに設定された時間遅延量によって定まる波長ホッピング符号によって波長ホッピング符号化されて符号化光パルス列として生成される。
この符号化光パルス列は、受信部に伝送され、受信部において、この発明の光復号器が具える第1から第N光パルス再生手段において、これら第1から第N光パルス再生手段をそれぞれ構成する単位回折格子のブラッグ波長に等しいチップパルス同士間の位相差が相殺される。このためには、例えば、位相復号部を構成する単位回折格子の配置を、第2光符号器が具えるチップパルス生成部の位相符号部を構成する単位回折格子の配置とは、入出力部に対して逆の順序にすればよい。
第2光符号器が具える複数の光遅延調整器のそれぞれに設定された時間遅延量によって発生した、相異なる波長成分のチップパルス同士間の位相差を、光復号器が合分波器と第1から第N光パルス再生手段の間にそれぞれ配置された光遅延調整器のそれぞれに設定する時間遅延調整量を調整することによって相殺することが可能である。
なお、上述の光符号器あるいは光復号器において、それぞれの光遅延調整器が、光遅延調整器コントローラからの指定に応じて時間遅延量を変化させる構成とすることが好適である。光符号器が具える光遅延調整器に対して時間遅延量を指定する光遅延調整器コントローラは、OCDM送受信装置の送信側に配置することが好適である。また、光復号器が具える光遅延調整器に対して時間遅延量を指定する光遅延調整器コントローラは、OCDM送受信装置の受信側に配置することが好適である。
第1光符号器によれば、チップパルス生成手段によって、入出力部から入力された光パルスは、波長ホッピングされると共に、波長の等しいチップパルス同士間に位相差が与えられたチップパルスの列に変換される。すなわち、チップパルス生成手段によって、入出力部から入力された光パルスは、波長ホッピング方式の符号によって符号化されると共に、波長の等しいチップパルス同士間に位相差が与えられルことによって位相符号方式によって符号化される。
従って、第1光符号器によれば、波長ホッピング方式及び位相符号方式という2種類の符号化手段が使われて符号化が行われるため、両者の方式がそれぞれ有する利点を共有することができる。すなわち、位相符号方式による符号化が行われることによって、利用する波長資源を増やすことなく設定可能な符号の種類を多数確保できる。
また、後述するように、波長ホッピング方式による符号は、光符号器あるいは光復号器において、それらの装置構成を変更せずに、容易に可変することができる。従って、第1光符号器によって、波長ホッピング方式及び位相符号方式という2種類の符号化手段が使われて符号化がおこなわれ送信された符号化光パルス列を、受信側で復号化する場合に、光復号器に設定する符号を容易に変更可能であるので、OCDM送受信装置の利便性が高くなる。
例えば、OCDM送受信装置の送信側において、特定のチャンネルの出力ポートを変更し、あるいは受信側において入力ポートを変更する必要が生じた場合に、光復号器に設定する符号を容易に変更可能であることから、簡便に対応可能である。また、特定の入力ポートあるいは出力ポートに故障が発生した場合、あるいは定期、不定期の装置保守整備等の場合にも、符号の変更が必要となる。また、OCDMによって送受信される情報の安全確保のために、光符号器に設定する符号を変更する必要が生じる場合も想定される。これらの場合にも、波長ホッピング方式による符号を容易に変更可能であることから、簡便に対応可能である。
第2光符号器によれば、チップパルス生成部が具える各光遅延調整器のそれぞれに設定する時間遅延量を変化させることによって波長ホッピング方式の符号を変更することが可能とされている。このため、光符号器の装置構成を変更せずに、容易に可変することができる。また、光遅延調整器は、従来例のように温度制御によらず、チップパルスの遅延時間を制御可能である市販の装置を利用できる。このため、温度制御に必要とされる高度な技術を必要とせず、かつ一定の時間、設定した符号が変化しないように安定化することも容易である。
この発明の光復号器によれば、光パルス再生部が、第1から第N光パルス再生手段を具えて構成されており、合分波器と、第1から第N光パルス再生手段の間には、それぞれ光遅延調整器が配置されている。そして、この光遅延調整器に設定されるそれぞれの時間遅延調整量を、異なる波長のブラッグ反射光間の時間遅延が等しくなるように設定することによって、入出力部から光パルス再生部に入力された符号化光パルス列を復号化して、光パルスとして再生することが可能とされている。すなわち、光遅延調整器に設定されるそれぞれの時間遅延調整量を変えることによって、装置構成(ハードウエア)を変更せずに、受信する符号化光パルス信号の符号化に使用された符号に対応させて、復号化するための符号を自在に設定することが可能となる。
第1光符号器が設置された送信部、及び上述したこの発明の光復号器が設置された受信部を具えて構成されるこの発明の第1のOCDM送受信装置は、第1光符号器が具える複数の位相符号部の配置によって発生した、相異なる波長成分のチップパルス同士間の時間遅延差を、光復号器が、合分波器と第1から第N光パルス再生手段の間にそれぞれ配置された光遅延調整器のそれぞれに設定する時間遅延調整量を調整することによって相殺することが可能である。すなわち、第1のOCDM送受信装置は、特定の入力ポートあるいは出力ポートの故障、あるいは定期及び不定期の装置保守整備等で符号の変更が必要となった場合、波長ホッピング方式による符号を容易に変更可能であることから、簡便に対応が可能である。
第2光符号器が設置された送信部、及び上述したこの発明の光復号器が設置された受信部を具えて構成されるこの発明の第2のOCDM送受信装置は、第2光符号器が具える複数の光遅延調整器のそれぞれに設定された時間遅延量によって発生した、相異なる波長成分のチップパルス同士間の位相差を、光復号器が合分波器と第1から第N光パルス再生手段の間にそれぞれ配置された光遅延調整器のそれぞれに設定する時間遅延調整量を調整することによって相殺することが可能である。
すなわち、第2のOCDM送受信装置も、上述の第1のOCDM送受信装置と同様に、特定の入力ポートあるいは出力ポートの故障、あるいは定期及び不定期の装置保守整備等で符号の変更が必要となった場合、波長ホッピング方式による符号を容易に変更可能であることから、簡便に対応が可能である。また、第2のOCDM送受信装置は、送信部が具える第2光符号器が、装置構成(ハードウエア)を変更せずに、符号化するための符号を変更することが可能である。そのため、第2のOCDM送受信装置は、上述の第1のOCDM送受信装置よりも更に、運用上の自由度が大きいという利点を有している。
なお、上述の単位回折格子を単位FBGとして、上述のチップパルス生成手段、位相符号部及び位相復号部をSSFBGとすると次の利点がある。すなわち、OCDM送受信装置の伝送路が光ファイバで構成されるので、光ファイバを利用して形成されるSSFBGは、OCDM送受信装置を構成する他の部品、例えば光サーキュレータ等と接続するために便利な形態である。
また、上述の光符号器あるいは光復号器において、それぞれの光遅延調整器が、光遅延調整器コントローラからの指定に応じて時間遅延量を変化させる構成とすることによって、光遅延調整器に設定すべき時間遅延量の指定を自動化することが可能となる。光符号器が具える光遅延調整器に対して時間遅延量を指定するのは、OCDM送受信装置の送信側で行われること場合が一般的であるので、光遅延調整器コントローラをOCDM送受信装置の送信側に配置することによって、その利用上の利便性が高い。同様に光復号器が具える光遅延調整器に対して時間遅延量を指定するのは、OCDM送受信装置の受信側で行われること場合が一般的であるので、光遅延調整器コントローラをOCDM送受信装置の受信側に配置することによって、その利用上の利便性が高い。
以下、図を参照して、この発明の実施の形態につき説明する。なお、各図は、この発明に係る一構成例を示し、この発明が理解できる程度に各構成要素の配置関係等を概略的に示しているに過ぎず、この発明を図示例に限定するものではない。また、以下の説明において、特定条件等を設定して説明することもあるが、これらの条件等は好適例の一つに過ぎず、従って、何らこれらに限定されない。
<第1の実施形態>
図4(A)及び(B)を参照して、第1光符号器の構成及びその動作について説明する。
図4(A)及び(B)は、位相符号方式及び波長ホッピング方式を併用したこの発明の光符号器の概略的構成図であり、図4(A)は、チップパルス生成手段の概略的構成の一部を示し、図4(B)は、第1光符号器の概略的構成を示す図である。
第1光符号器は、図4(B)に示すように、光パルス35を位相符号方式の符号及び波長ホッピング方式の符号によって符号化して、時間軸上に順次配列したチップパルスの列として生成される符号化光パルス列37に変換して出力する光符号器であって、入出力部である光サーキュレータ36と、この光サーキュレータ36に接続されたチップパルス生成手段34とを具えている。
光パルス35は、光サーキュレータ36の入力ポート36-1から入力されて、入出力ポート36-2から出力されてチップパルス生成手段34に入力される。チップパルス生成手段34で生成された符号化光パルス列37は、入出力ポート36-2から入力されて、出力ポート36-3から出力される。以後の説明において、光符号器の入出力部として機能する光サーキュレータにおいても、入出力ポート36-2に相当する入出力ポートを、単に、この光サーキュレータの入出力ポートということもある。
チップパルス生成手段34は、図4(A)に示すように、設定される位相符号がそれぞれ異なると共にブラッグ波長もそれぞれ異なる複数の位相符号部が、光ファイバのコアに直列に配列されている。図4(A)では、ブラッグ波長がλ1である位相符号部であるFBG 1及びブラッグ波長がλ2である位相符号部であるFBG 2の一部について示してある。図4(A)に示すように、ブラッグ波長がλ1である位相符号部は、ブラッグ波長がλ1である[1]から[15]と示した15個の単位FBGによって光ファイバのコアに直列に配置されて構成されている。
ブラッグ波長がλ1である位相符号部は、この位相符号部に設定する位相符号方式の符号に応じて、隣接するこれらの単位FBGからのブラッグ反射光間に必要とされる位相差が発生するように、[1]から[15]と示した15個の単位FBGが配置されている。ブラッグ波長がλ1である位相符号部に設定される位相符号方式の符号は、この位相符号部が15個の単位FBGによって確定されるので、符号長が15である位相符号を設定できる。
そこで、例えば、符号列(1, 1, 0, 0, 1, 0, 0, 1, 0, 0, 1, 1, 1, 0, 1)で与えられる位相符号を設定する場合について説明する。以下の説明は、符号長が異なっても、また位相符号を与える数列の各項の符号値が異なっても、同様に成立する。
図4(A)に示すチップパルス生成手段34において、ブラッグ波長がλ1である位相符号部であるFBG 1に、符号列(1, 1, 0, 0, 1, 0, 0, 1, 0, 0, 1, 1, 1, 0, 1)で与えられる位相符号を設定するものとして説明する。この場合、[1]から[15]と示した15個の単位FBGの全てのブラッグ波長はλ1である。また、符号列(1, 1, 0, 0, 1, 0, 0, 1, 0, 0, 1, 1, 1, 0, 1)の左側から右側に向けて並んだ各チップは、それぞれ[1]から[15]と示した15個の単位FBGのそれぞれと一対一に対応する。以後、[1]から[15]と示した15個の単位FBGのそれぞれを、単位FBG[1]から単位FBG[15]と表記することもある。また、符号列の左側から右側に向けて並んだ各チップを、順に第1から第15チップと呼ぶこととする。
符号列 (1, 1, 0, 0, 1, 0, 0, 1, 0, 0, 1, 1, 1, 0, 1)で与えられる位相符号の第1チップの符号値は1であり、第2チップの符号値は1であるから、両者の符号値は等しい。従って、単位FBG[1]から反射されるブラッグ反射光と、単位FBG[2]から反射されるブラッグ反射光の位相差は、π/2となるように、単位FBG[1]と単位FBG[2]との間隔が設定される。すなわち、単位FBG[1]と単位FBG[2]との間隔は、光路長にしてπ/4に設定される。言い換えると、単位FBG[1]と単位FBG[2]との間には、π/4の位相跳躍量を与える位相跳躍部が設置されている。
ここで、単位FBG[1]と単位FBG[2]とから反射されたブラッグ反射光の位相差に対して、単位FBG[1]と単位FBG[2]との間隔(位相跳躍量)がその半分の値に設定される理由は、単位FBG[2]で反射されるブラッグ反射光は、単位FBG[1]で反射されるブラッグ反射光と比べて、単位FBG[1]と単位FBG[2]との間隙を往復する分だけ位相遅れが発生するためである。以後の説明において、単位FBG[1]と単位FBG[2]との間の部分を位相跳躍部、また、単位FBG[1]と単位FBG[2]との間隔を位相跳躍量とことわらない。
第2及び第3チップの符号値は、それぞれ1及び0と異なっているから、単位FBG[2]から反射されるブラッグ反射光と、単位FBG[3]から反射されるブラッグ反射光の位相差は、-π/2となるように、単位FBG[2]と単位FBG[3]との間隔が設定される。このほか、単位FBG[3]と単位FBG[4]との間隔から、単位FBG[14]と単位FBG[15]の間隔まで、それぞれの間隔は、符号列(1, 1, 0, 0, 1, 0, 0, 1, 0, 0, 1, 1, 1, 0, 1)に基づいて同様に設定される。このように単位FBG[1]から単位FBG[15]を設定することによって符号列(1, 1, 0, 0, 1, 0, 0, 1, 0, 0, 1, 1, 1, 0, 1)で与えられる符号が設定された、位相符号部が形成される。FBG 2及びFBG 3と示す位相符号部においても、与えられる位相符号に従って、同様に形成される。ただし、FBG 2及びFBG 3と示す位相符号部のそれぞれのブラッグ波長は、λ2及びλ3である。
チップパルス生成手段34は、図4(B)に示すように、FBG 1、FBG 2及びFBG 3の3つの位相符号部が光ファイバのコアに直列に配置されて構成されている。これら位相符号部FBG 1、FBG 2及びFBG 3のそれぞれから反射されるブラッグ反射光の波長は、それぞれλ1、λ2及びλ3である。そして、位相符号部FBG 1、FBG 2及びFBG 3のそれぞれから反射されるブラッグ反射光の、互いの相対的な時間遅延は、位相符号部FBG 1、FBG 2及びFBG 3が、光サーキュレータ36の入出力ポート36-2からどれだけ離れた光ファイバー上の位置に配置されるかによって定まる。
図4(B)に示すチップパルス生成手段34では、入出力部である光サーキュレータ36の入出力ポート36-2に近い側から、位相符号部がFBG 1、FBG 2及びFBG 3の順に配置されている。従って、チップパルス生成手段34によって、波長ホッピング方式によって符号化されたチップパルスの、波長軸上での並び順序は、λ1、λ2及びλ3の順であり、波長λ3のチップパルスに最も大きな時間遅延が与えられる。すなわち、光サーキュレータ36の入出力ポート36-2と位相符号部の設定される位置との距離に比例した時間遅延が、この位相符号部から反射されて出力される波長のチップパルスに与えられる。
従って、FBG 1、FBG 2及びFBG 3の順序及び、FBG 1、FBG 2及びFBG 3と光サーキュレータ36の入出力ポート36-2との距離をパラメータとして、波長ホッピング符号方式の符号を、チップパルス生成手段34に設定することができる。すなわち、チップパルス生成手段34に設置される位相符号部FBG 1、FBG 2及びFBG 3は、隣接するFBG 1とFBG 2及びFBG 2とFBG 3からのブラッグ反射光間の時間遅延が、設定される波長ホッピング方式の符号に応じて、必要とされるだけ発生する間隔を以って配置されている。
以上説明したように、チップパルス生成手段34が構成されるので、チップパルス生成手段34によって、入出力部である光サーキュレータ36から入力された光パルス35は、波長が異なるチップパルスとして波長ホッピングされると共に、波長の等しいチップパルス同士間に位相差を与えて成る当該チップパルスの列に変換されて、光サーキュレータ36に戻され、この光サーキュレータ36からこのチップパルスの列が符号化光パルス列37として出力される。
因みに、位相符号部FBG 1は、上述したように、ブラッグ波長がλ1である[1]から[15]と示した15個の単位FBGによって光ファイバのコアに直列に配置されて構成されているので、SSFBGである。また、図4(B)に示すチップパルス生成手段34は、FBG 1、FBG 2及びFBG 3の3つの位相符号部が光ファイバのコアに直列に配列されて構成されているので、これもまたSSFBGである。
<位相符号方式及び波長ホッピング方式の符号による符号化と復号化>
図5から図8を参照して、この発明の第2及び第3の目的である符号化光パルス信号を生成するための符号を変更することが可能である光符号器、及び受信する符号化光パルス信号の符号化に使用された符号に対応させて、復号化するための符号を自在に設定することが可能である光復号器が存在することによって得られる利点について説明する。まず、復号化するための符号を自在に設定することが可能である光復号器を利用してOCDM送受信装置を構成することによって生じる利点について説明する。なお、以下の説明において、光パルス信号は、その波長スペクトルが、後に説明する複数のブラッグ反射波長を含んでいるものと了解されたい。
図5-1の(A)及び(B)は、この発明の第1光符号器、及び後述する光復号器の概略的構成図である。図5-2は、光遅延調整器に設定する時間遅延量を設定するための光遅延調整器コントローラ及び、この光遅延調整器コントローラが具える調整テーブルについての説明に供する図である。
まず、図5-1の(A)を参照して第1光符号器の概略的構成及びその機能について説明する。第1光符号器については、図4(A)及び(B)を参照して詳細に説明したので、ここでは、光復号器の説明に必要な限度において、その説明をする。
図5-1の(A)は、チップパルス生成手段であるSSFBG 40を示しており、SSFBG 40は、ブラッグ波長がそれぞれλ1、λ2及びλ3である位相符号部40-1、40-2及び40-3が直列に光ファイバに配置されて構成されている。位相符号部40-1、40-2及び40-3には、それぞれ符号長が4である位相符号Code-1、Code-2及びCode-3が設定されている。Code-1、Code-2及びCode-3はそれぞれ、符号列(1, 0, 1, 0)、(1, 0, 0, 1)及び(0, 0, 1, 1)で与えられる符号である。
入出力部である光サーキュレータ44を介してSSFBG 40に入力される光パルス信号41は、SSFBG 40に入力される。SSFBG 40に入力された光パルス信号41は、まず、光パルス信号41を構成する波長λ1の成分が、位相符号部40-1において、Code-1で位相符号化される。また、光パルス信号41を構成する波長λ2及び波長λ3のそれぞれの成分は、位相符号部40-2及び40-3において、Code-2及びCode-3で位相符号化される。すなわち、SSFBG 40に入力される光パルス信号41は、位相符号部40-1、40-2及び40-3よって波長ホッピング方式による符号化が成されると共に、位相符号部40-1、40-2及び40-3のそれぞれにおいて、Code-1、Code-2及びCode-3による位相符号方式で符号化される。
以上説明したように、SSFBG 40に入力された光パルス信号41は、SSFBG 40で位相符号方式及び波長ホッピング方式による符号化が成されて、符号化光パルス信号43として生成されて、光サーキュレータ44を介して出力される。光サーキュレータ44を介して出力された符号化光パルス信号43は、図5-1の(B)に示す光復号器に入力され、復号化されて光パルス信号として再生される。
図5-1の(B)を参照して、光復号器の概略的構成及びその機能について説明する。図5-1の(B)に示す光復号器は、入出力部である光サーキュレータ46と光サーキュレータ46に接続された光パルス再生部76とを具えている。送信部において生成された上述の符号化光パルス信号43は、光伝送路である光ファイバ(図示を省略してある。)を伝播して、符号化光パルス信号45として光復号器に入力される。
符号化光パルス信号43は、光ファイバ伝送路を伝播する間にその強度が減少すると共に、符号化光パルス信号を構成するチップパルスの時間波形が変化するので、第1光符号器から出力された符号化光パルス信号を符号化光パルス信号43とし、光復号器に入力される符号化光パルス信号を符号化光パルス信号45と書き分けてある。しかしながら、この発明の光符号器及び光復号器の動作説明のためには重要な事項ではないので、符号化光パルス信号の強度の減少およびチップパルスの時間波形の変化については、以下の説明では問題としない。
符号化光パルス信号45は、光サーキュレータ46を介して光パルス再生部76に入力される。光パルス再生部76には、合分波器48と、合分波器48に互いに並列に接続された、第1から第3光パルス再生手段であるSSFBG 52-1、52-2及び52-3が具えられている。合分波器48とSSFBG 52-1、52-2及び52-3との間には、それぞれ光遅延調整器50-1、50-2及び50-3が配置されている。
第1光パルス再生手段であるSSFBG 52-1は、光サーキュレータ46の側から順にCode-1、Code-2及びCode-3が設定された、ブラッグ波長がλ1である3つの位相復号部が設置されている。図5-1の(B)では、光サーキュレータ46の側から順にCode-1、Code-2及びCode-3が設定された位相復号部が設置されている場合を示しているが、この位相復号部の配置の順序は、これに限定されない。例えば、光サーキュレータ46の側から順にCode-2、Code-1及びCode-3が設定された位相復号部を配置しても良い。後述する光遅延調整器50-1、50-2及び50-3に設定する時間遅延量は、光サーキュレータ46の入出力ポートからCode-2、Code-1及びCode-3が設定された各位相復号部までの距離によって定まり、配列順序には依存しないからである。
第2及び第3光パルス再生手段であるSSFBG 52-2及び52-3についても、その構成は第1光パルス再生手段であるSSFBG 52-1と同様であるから、同一の説明を繰り返さない。ただし、SSFBG 52-1に配置される3つの位相復号部のブラッグ波長がλ1である点が、SSFBG 52-2及びSSFBG 52-3と異なる。すなわち、SSFBG 52-2に配置される3つの位相復号部のブラッグ波長はλ2であり、SSFBG 52-3に配置される3つの位相復号部のブラッグ波長はλ3である。
光パルス再生部76に入力された符号化光パルス信号45は、合分波器48で符号化光パルス信号45-1、45-2及び45-3に3分割(強度分割)されて、それぞれ、光遅延調整器50-1、50-2及び50-3を介してSSFBG 50-1、50-2及び50-3に入力される。
SSFBG 52-1に入力された符号化光パルス信号45-1は、その波長がλ1である成分だけがブラッグ反射され、SSFBG 52-2に入力された光パルス信号45-2は、その波長がλ2である成分だけが反射され、及びSSFBG 52-3に入力された光パルス信号45-3は、その波長がλ3である成分だけが反射されて、再び光遅延調整器50-1を通り、合分波器48、及び光サーキュレータ46を介して出力される。
符号化光パルス信号として光復号器に入力される符号化光パルス信号45は、第1光符号器で符号化光パルス信号43として生成されたものである。ここでは、符号化光パルス信号45と符号化光パルス信号43とは、同一の信号として扱う。
符号化光パルス信号43を構成する波長λ1の成分は、第1光符号器の位相符号部40-1で位相符号化されたチップパルス成分である。同様に、符号化光パルス信号43を構成する波長λ2及びλ3の成分は、それぞれ第1光符号器の位相符号部40-2及び40-3で位相符号化されたチップパルス成分である。
従って、第1光符号器の位相符号部40-1でCode-1による位相符号化されたチップパルス成分は、光復号器のSSFBG 52-1に設定されているCode-1による位相復号化するための位相復号部(図5-1の(B)では、最も光遅延調整器50-1に近い位置に配置されている。)によって、位相復号化される。同様に、第1光符号器の位相符号部40-2でCode-2による位相符号化されたチップパルス成分は、光復号器のSSFBG 52-2に設定されているCode-2による位相復号化するための位相復号部(図5-1の(B)では、光遅延調整器50-2から2番目に近い位置に配置されている。)によって、位相復号化される。また、第1光符号器の位相符号部40-3でCode-3による位相符号化されたチップパルス成分は、光復号器のSSFBG 52-3に設定されているCode-3による位相復号化するための位相復号部(図5-1の(B)では、光遅延調整器50-3から一番遠い位置に配置されている。)によって、位相復号化される。
以上説明したように、符号化光パルス信号45の波長がλ1、λ2及びλ3の成分は、それぞれ光復号器のSSFBG 52-1に設定されているCode-1の位相復号部、SSFBG 52-2に設定されているCode-2の位相復号部、及びSSFBG 52-3に設定されているCode-3の位相復号部によって、位相復号化される。一方、符号化光パルス信号45の波長ホッピング方法による復号化は、光遅延調整器50-1、50-2及び50-3に設定する時間遅延量を調整することによって実行される。
光遅延調整器50-1、50-2及び50-3に設定する時間遅延量を調整する手段としては、図5-2に示すように光遅延調整器コントローラを利用する。この光遅延調整器コントローラは、波長ホッピング方式の符号ごとに各光遅延調整器に設定する時間遅延量を定めた調整テーブルを具えており、波長ホッピング方式の符号を変更する際には、この調整テーブルが参照されて、各光遅延調整器に設定する時間遅延量が調整される。
例えば、光遅延調整器50-1に対して、Code-1の符号を対応させる場合には、調整テーブルの50-1とCode-1とが交差する欄に指定されているs ps(ピコ秒)が時間遅延量として設定される。同様に光遅延調整器50-2に対して、Code-1の符号を対応させる場合には、調整テーブルの50-2とCode-1とが交差する欄に指定されているt ps(ピコ秒)が時間遅延量として設定される。このように、光遅延調整器50-1から50-3に対して、それぞれCode-1からCode-Nを対応させる場合には、調整テーブルに示されているそれぞれの対応欄に与えられた時間遅延量が設定される。
なお、光遅延調整器コントローラが常に光遅延調整器に接続されている必要はない。例えば、新規な送受信装置を追加設置する際や、波長ホッピング方式の符号の変更の必要が生じたときのみ、光遅延調整器コントローラを光遅延調整器に接続し、時間遅延量の調整を行うという構成にしてもよい。また、光遅延調整器コントローラ1台を用いて、光遅延調整器の全てを並列に制御する構成としても、あるいは光遅延調整器ごとに専用の光遅延調整器コントローラを設置する構成としてもよい。
以後の説明において、同様に光遅延調整器が利用される場合には、上述したように、光遅延調整器コントローラによって調整される時間遅延量が、光遅延調整器に設定される構成を採用することができる。従って、以後の説明においては、光遅延調整器に時間遅延量を設定する手段である光遅延調整器コントローラに関する説明を省略する。
次に、この符号化光パルス信号45の波長ホッピング方法による復号化について説明する。
符号化光パルス信号45は、第1光符号器によって生成されて出力された符号化光パルス信号43が光ファイバ伝送路を伝送されて光復号器に入力される信号である。従って、符号化光パルス信号45は、波長がλ1、λ2及びλ3である3成分を含む光パルス信号41が、第1光符号器のSSFBG 40に設定された波長ホッピング符号(λ1, λ2, λ3)によって符号化されて生成された信号である。
SSFBG 40に設定される波長ホッピング符号は、第1光符号器の入出力部である光サーキュレータ44の入出力ポートから、ブラッグ波長がそれぞれλ1、λ2及びλ3である位相符号部40-1、40-2及び40-3が設置されている場所までの距離によって決定される。すなわち、光サーキュレータ44の入出力ポートから離れるに従って、時間遅延は増大するように変化するので、光サーキュレータ44の入出力ポートから、位相符号部40-1、40-2及び40-3のそれぞれに至るまでの距離を指定することによって波長ホッピング符号は決定される。
従って、第1光符号器において、波長ホッピング符号によって符号化されて生成された符号化光パルス信号43は、光復号器に入力されると次のようにして、波長ホッピング符号に基づいて復号化される。すなわち、光復号器では、符号化光パルス信号45の、波長がλ1、λ2及びλ3であるチップパルス成分のそれぞれが、同時に光サーキュレータ46の入出力ポートに到達するように、光遅延調整器50-1、50-2及び50-3のそれぞれに設定する時間遅延量を調整することによって、符号化光パルス信号45の波長ホッピング方法による復号化が行われる。
ここで、符号化光パルス信号45の、波長がλ1、λ2及びλ3であるチップパルス成分のそれぞれが、同時に光サーキュレータ46の入出力ポートに到達するように、光遅延調整器50-1、50-2及び50-3のそれぞれに設定する時間遅延量を調整するとは、具体的には次のことである。すなわち、第1光符号器において、光サーキュレータ44の入出力ポートから、位相符号部40-1、40-2及び40-3が設置されている場所までの距離の相違に基づいて、波長がλ1、λ2及びλ3であるそれぞれのチップパルス成分には、相異なる時間遅延量が付加されている。第1光符号器において、波長がλ1、λ2及びλ3であるそれぞれのチップパルス成分に付加された相異なる時間遅延量が、光復号器が具える光遅延調整器50-1、50-2及び50-3のそれぞれに設定する時間遅延量を調整することによって、全て等しくすることである。
上述したように、この発明の光復号器によれば、波長ホッピング符号が変更されて符号化光パルス信号45が送信されてきても、その変更された波長ホッピング符号に対応させて光遅延遅延器50-1、50-2及び50-3のそれぞれに設定する時間遅延量を調整することによって、符号化光パルス信号45の波長ホッピング方法による復号化が行われる。
このことによって、OCDM送受信装置の送信側において、特定のチャンネルの出力ポートを故障等の理由で変更せざるを得なくなった場合、別の波長ホッピング符号が設定されている別のチャンネルから送信したとしても、対応が容易である。すなわち、受信側の具える光復号器がこの発明の光復号器であれば、送られてきた符号化光パルス信号を波長ホッピング符号化するため使われた符号に対応させて、光遅延調整器50-1、50-2及び50-3のそれぞれに設定する時間遅延量を調整し直すことで、光復号器の構成そのものを変更することなく、簡単に対応可能である。
次に、図6を参照して、第1光符号器及び後述する第2光符号器に設置することが可能である位相符号部について、そのブラッグ波長及び設定される位相符号について説明する。また、光復号器に設置する位相復号部について、そのブラッグ波長及び設定される位相符号についても説明する。図6は、光符号器及び光復号器に設置する位相符号部及び位相復号部の種類を整理して示す図である。位相符号部と位相復号部とは、位相符号部で発生させた位相差を位相復号部が相殺するという、それぞれ別の機能を有しているが、ここでは、位相符号部に設定される位相符号と、これを復号化するための位相符号とを区別せずに扱う。すなわち、図6に示す位相符号がCode-i(iは1からnまでの整数であり、nは1以上の整数である。)であって、ブラッグ波長がλj(jは1からnまでの整数である。)である区画は、位相符号部及び位相復号部のいずれを意味するかについて区別して示していない。
図6では、横軸方向に位相符号をCode-1からCode-nまで順に並べてあり、縦軸方向にブラッグ波長がλ1からλnまで順に並べて示している。図6では、位相符号をn通り、ブラッグ波長もn通りと、両者等しい数を揃えて示してあるが、この発明の第1または第2光符号器、及び光復号器をOCDM送受信装置に応用する場合には、一般的に、必ずしも両者等しい数をそろえる必要はない。以後の説明においては、図6に示す位相符号部及び位相復号部a1、a2、b1、b2、c1、c2、d1、及びd2を用いて形成される光符号器及び光復号器について説明する。
図7を参照して位相符号部a1、a2、b1、b2、c1、c2、d1、及びd2を用いて形成される4種類の第1光符号器の構成及びその動作について説明する。図7は、この発明の第1光符号器について、4種類を例にとって示す概略的構成図である。以後の説明において、第1光符号器と第2光符号器とを特に区別する必要がある場合以外、第1光符号器及び第2光符号器と記載せず、単に光符号器と記載する場合もある。例えば、以下に説明する第1光符号器A、B、C及びDは、いずれも単に光符号器A、B、C及びDと記載する。
光符号器Aのチップパルス生成手段は、位相符号部a1及びa2が直列に配列して構成され、光符号器Bのチップパルス生成手段は、位相符号部b1及びb2が直列に配列して構成され、光符号器Cのチップパルス生成手段は、位相符号部c1及びc2が直列に配列して構成され、光符号器Dのチップパルス生成手段は、位相符号部d1及びd2が直列に配列して構成されている。また、光符号器A、B、C及びDそれぞれ入出力部は、それぞれ光サーキュレータ54-a、54-b、54-c及び54-dによって実現されている。
光符号器A、B、C及びDのチップパルス生成手段を構成する全ての位相符号部に設定された位相符号による時間拡散長は、X ps(ピコ秒)である。そして、光符号器Aのチップパルス生成手段は、位相符号部a1からのブラッグ反射光と位相符号部a2からのブラッグ反射光との位相差が2(n-1)X ps(ピコ秒)となるように、位相符号部a1と位相符号部a2との間の空隙が設定されている。位相符号部a1と位相符号部a2との間の空隙を、光の伝播時間に換算して(n-1)X ps(ピコ秒)に設定すると、位相符号部a2からのブラッグ反射光の位相符号部a1からのブラッグ反射光に対する時間遅延量は、この空隙を往復する時間に等しい2(n-1)X ps(ピコ秒)となる。
また、光符号器B、C及びDのチップパルス生成手段は、それぞれ次のように構成されている。すなわち、位相符号部b1からのブラッグ反射光と位相符号部b2からのブラッグ反射光との位相差、位相符号部c1からのブラッグ反射光と位相符号部c2からのブラッグ反射光との位相差及び位相符号部d1からのブラッグ反射光と位相符号部d2からのブラッグ反射光との位相差は、全て2X ps(ピコ秒)となるように、位相符号部b1と位相符号部b2間、位相符号部c1と位相符号部c2間及び位相符号部d1と位相符号部d2間のそれぞれに空隙が設定されている。これらの空隙の間隔も、上述のように、光の伝播時間に換算してX ps(ピコ秒)に設定されている。
ここで、位相符号による時間拡散長とは、次のように定義される。すなわち、位相符号による時間拡散長とは、光パルスが位相符号によってチップパルスの列として時間軸上に拡散された場合、このチップパルスの列が時間軸上で存在する範囲の間隔である。例えば、一つの光パルスに対して、位相符号によって符号化されて生成されたチップパルスの列が、時間軸上で時刻Δ1から時刻Δ2の間にわたって存在する場合、時間拡散長は、|Δ12|に等しい。
図8を参照して、図7に示した4種類の光符号器A、B、C及びDによって符号化された、4チャンネル分の符号化光パルス信号を多重化した符号分割多重光パルス信号を、復号化するための光復号器の構成例を説明する。図8は、この発明の光復号器の概略的構成図である。
図8に示す光復号器は、入出力部である光サーキュレータ60と光サーキュレータ60に接続された光パルス再生部とを具えている。図7で示す4種類の光符号器A、B、C及びDによって符号化されて、かつこれらの光符号器で符号化されたそれぞれの符号化光パルス信号を合波して生成された符号分割多重信号は、光伝送路である光ファイバ(図示を省略してある。)を伝播して、符号分割多重信号61として図8に示す光復号器に入力される。
符号分割多重信号61は、光サーキュレータ60を介して光パルス再生部に入力される。光パルス再生部には、合分波器62と、合分波器62に互いに並列に接続された、第1から第n光パルス再生手段が具えられている。合分波器62と第1から第n光パルス再生手段との間には、それぞれ光遅延調整器64-1から64-nが配置されている。
第1光パルス再生手段は、光サーキュレータ60の側から順にCode-1からCode-nが設定された、ブラッグ波長がλnであるn個の位相復号部が、互いの空隙が0となるように設置されている。第2から第n光パルス再生手段のブラッグ波長がそれぞれλn-1からλ1である。
ここで、図7に示した光符号器Aで符号化されたチャンネルの光パルス信号を再生する場合を説明する。この場合光符号器Aの位相符号部a1でブラッグ反射されるチップパルス成分(波長λ1)と、位相符号部a2でブラッグ反射されるチップパルス成分(波長λn)との時間遅延差2(n-1)X ps(ピコ秒)を相殺するように、光遅延調整器に設定する時間遅延量を調整すればよい。図8に示す光復号器において、ブラッグ波長がλ1であり位相符号がCode-1である位相復号部は、第n光パルス再生手段の入出力部に一番近い位置に設定されている。また、ブラッグ波長がλnであり位相符号がCode-nである位相復号部は、第1光パルス再生手段の入出力部から一番遠い位置に設定されている。
図8に示す光復号器に入力される、ブラッグ波長がλ1であり位相符号Code-1で符号化されたチップパルス成分が光サーキュレータ60の入出力ポートに到達してから、2(n-1)X ps(ピコ秒)だけ遅れて、ブラッグ波長がλnであり位相符号Code-nで符号化されたチップパルス成分が同じく光サーキュレータ60の入出力ポートに到達する。
ブラッグ波長がλ1であり位相符号Code-1で符号化されたチップパルス成分は、光サーキュレータ60の入出力ポートから出力されると、光遅延調整器64-nを介して第n光パルス再生手段に入力されて、入出力部に一番近い位置に設定されているブラッグ波長がλ1であり位相符号がCode-1である位相復号部でブラッグ反射されることによって位相符号方式による復号化がなされて、再度第n光パルス再生手段から出力されて光遅延調整器64-nを介して光サーキュレータ60の入出力ポートに到達する。この到達時刻を仮にT1とする。
一方、ブラッグ波長がλnであり位相符号Code-nで符号化されたチップパルス成分は、光サーキュレータ60の入出力ポートから出力されると、光遅延調整器64-1を介して第1光パルス再生手段に入力されて、入出力部に一番遠い位置に設定されているブラッグ波長がλnであり位相符号がCode-nである位相復号部でブラッグ反射されることによって位相符号方式による復号化がなされて、再度第1光パルス再生手段から出力されて光遅延調整器64-1を介して光サーキュレータ60の入出力ポートに到達する。この到達時刻を仮にTnとする。
上述のブラッグ波長がλ1であり位相符号Code-1で符号化されたチップパルス成分が位相符号方式による復号化がなされて光サーキュレータ60の入出力ポートに到達する到達時刻T1と、ブラッグ波長がλnであり位相符号Code-nで符号化されたチップパルス成分が位相符号方式による復号化がなされて光サーキュレータ60の入出力ポートに到達する到達時刻Tnとが等しくなるように、光遅延調整器64-nと光遅延調整器64-1とに設定する時間遅延量を調整することが、波長ホッピング符号による復号化を行うための符号を設定することに相当する。
仮に、ブラッグ波長がλ1であり位相符号Code-1で符号化されたチップパルス成分が光サーキュレータ60の入出力ポートから出力されてから、位相復号化されて光サーキュレータ60の入出力ポートに戻るまでの時間をt1とし、ブラッグ波長がλnであり位相符号Code-nで符号化されたチップパルス成分が光サーキュレータ60の入出力ポートから出力されてから、位相復号化されて光サーキュレータ60の入出力ポートに戻るまでの時間をtn(ただしt1<tnである。)とする。このとき、光遅延調整器64-nと光遅延調整器64-1とにそれぞれ設定する時間遅延量τn及びτ1(ただし、τ1<τnである。)のそれぞれの値は、(τn1)が、(tn-t1)/2に等しくなるように選択すればよい。なぜならば、ブラッグ波長がλ1であり位相符号Code-1で符号化されたチップパルス成分及びブラッグ波長がλnであり位相符号Code-nで符号化されたチップパルス成分のそれぞれは、合分波器62から出力されて再び戻ってくるまでに、光遅延調整器64-n及び光遅延調整器64-1を、それぞれ2度通過しているからである。すなわち、合分波器62から出力されてそれぞれの第n及び第1光パルス再生手段に入力される途中で1回、そして第n及び第1光パルス再生手段でブラッグ反射されて合分波器62に戻るときに1回の合計2回、それぞれ光遅延調整器64-n及び光遅延調整器64-1を通過している。
同様に、光符号器Bで符号化されたチャンネルの光パルス信号を再生する場合を説明する。この場合光符号器Bの位相符号部b1でブラッグ反射されるチップパルス成分(波長λ2)と、位相符号部b2でブラッグ反射されるチップパルス成分(波長λn-1)との時間遅延差X ps(ピコ秒)を相殺するように、光遅延調整器に設定する時間遅延量を調整すればよい。図8に示す光復号器において、ブラッグ波長がλ2であり位相符号がCode-1である位相復号部は、第(n-1)光パルス再生手段の入出力部に一番近い位置に設定されている。また、ブラッグ波長がλn-1であり位相符号がCode-2である位相復号部は、第2光パルス再生手段の入出力部から二番目の位置に設定されている。
図8に示す光復号器に入力される、ブラッグ波長がλ2であり位相符号Code-1で符号化されたチップパルス成分が光サーキュレータ60の入出力ポートに到達してから、2X ps(ピコ秒)だけ遅れて、ブラッグ波長がλn-1であり位相符号Code-2で符号化されたチップパルス成分が同じく光サーキュレータ60の入出力ポートに到達する。
ブラッグ波長がλ2であり位相符号Code-1で符号化されたチップパルス成分は、光サーキュレータ60の入出力ポートから出力されると、光遅延調整器64-(n-1)を介して第(n-1)光パルス再生手段に入力されて、入出力部に一番近い位置に設定されているブラッグ波長がλ2であり位相符号がCode-1である位相復号部でブラッグ反射されることによって位相符号方式による復号化がなされて、再度第(n-1)光パルス再生手段から出力されて光遅延調整器64-(n-1)を介して光サーキュレータ60の入出力ポートに到達する。この到達時刻を仮にT2とする。
一方、ブラッグ波長がλn-1であり位相符号Code-2で符号化されたチップパルス成分は、光サーキュレータ60の入出力ポートから出力されると、光遅延調整器64-2を介して第2光パルス再生手段に入力されて、入出力部から二番目の位置に設定されているブラッグ波長がλn-1でありであり位相符号がCode-2である位相復号部でブラッグ反射されることによって位相符号方式による復号化がなされて、再度第2光パルス再生手段から出力されて光遅延調整器64-2を介して光サーキュレータ60の入出力ポートに到達する。この到達時刻を仮にTn-1とする。
上述のブラッグ波長がλ2であり位相符号Code-1で符号化されたチップパルス成分が位相符号方式による復号化がなされて光サーキュレータ60の入出力ポートに到達する到達時刻T2と、ブラッグ波長がλn-1であり位相符号Code-2で符号化されたチップパルス成分が位相符号方式による復号化がなされて光サーキュレータ60の入出力ポートに到達する到達時刻Tn-1とが等しくなるように、光遅延調整器64-(n-1)と光遅延調整器64-2とに設定する時間遅延量を調整することが、波長ホッピング符号による復号化を行うことに相当する。
仮に、ブラッグ波長がλ2であり位相符号Code-1で符号化されたチップパルス成分が光サーキュレータ60の入出力ポートから出力されてから、位相復号化されて光サーキュレータ60の入出力ポートに戻るまでの時間をt2とし、ブラッグ波長がλn-1であり位相符号Code-2で符号化されたチップパルス成分が光サーキュレータ60の入出力ポートから出力されてから、位相復号化されて光サーキュレータ60の入出力ポートに戻るまでの時間をtn-1(ただしt2<tn-1である。)とする。このとき、光遅延調整器64-(n-1)と光遅延調整器64-2とにそれぞれ設定する時間遅延量τn-1及びτ2(ただし、τ2<τn-1である。)のそれぞれの値は、(τn-12)が、(tn-1-t2)/2に等しくなるように選択すればよい。
光符号器C及びDで符号化されたチャンネルの光パルス信号を再生する場合についても、上述した光符号器A及びBで符号化されたチャンネルの光パルス信号を再生する場合と同様であるので、重複する説明を省略する。
<第2の実施形態>
図9を参照して、第2光符号器の構成およびその動作について説明する。第2光符号器は、入出力部である光サーキュレータ120と、光サーキュレータ120に接続されたチップパルス生成部とを具えている。チップパルス生成部は、合分波器122と、合分波器122に互いに並列に接続される位相符号部126-1及び126-2を具えており、合分波器122と、位相符号部126-1及び126-2との間には、それぞれ光遅延器124-1及び124-2が配置されている。位相符号部126-1及び126-2のブラッグ波長及び設定されている位相符号は、それぞれ互いに異なっている。図9では、位相符号部を2つ具える第2光符号器について示しているが、2つに限定されるものではない。
位相符号部126-1及び126-2のそれぞれは、ブラッグ波長がそれぞれλ1及びλnである複数の単位回折格子が、光導波路である光ファイバに直列に配置されて構成されたSSFBGである。これらの複数の単位回折格子は、隣接するこれらの単位回折格子からのブラッグ反射光に、位相符号部に設定される位相符号方式の符号に応じて、必要とされる位相差が発生するように配置されている。そして、位相符号部126-1及び126-2に設定されている位相符号は、それぞれCode-1及びCode-nである。
チップパルス生成部が具える位相符号部126-1及び126-2のそれぞれに設定する時間遅延量を変化させることによって波長ホッピング方式の符号を変更することが可能とされている。そして、光サーキュレータ120から入力された光パルスを、光遅延器124-1及び124-2のそれぞれに設定する時間遅延量によって確定される波長ホッピング符号によって波長が異なるチップパルスとして波長ホッピングすると共に、波長の等しいチップパルス同士間に位相差を与えて成るこれらのチップパルスの列に変換して、光サーキュレータ120に戻し、光サーキュレータ120からこのチップパルスの列を符号化光パルス列として出力することが可能とされている。
図9に示す第2光符号器は、2つの位相符号部126-1及び126-2によって形成されているが、位相符号部が2つに限定されるわけではなく、3つ以上具えてもよい。また、2つの位相符号部126-1及び126-2に設定されている位相符号は、それぞれCode-1及びCode-nであり、それぞれのブラッグ波長はλ1及びλnであるから、遅延器124-1に設定する時間遅延量よりも遅延器124-2に設定する時間遅延量を(n-1)X ps(ピコ秒)だけ大きく設定すれば、第1光符号器として図7に示す光符号器Aと同一の機能を有する光符号器となる。
<第3の実施形態>
上述した第1光符号器を、図1に示すOCDM送受信装置の送信部10が具える光符号器14として利用して、上述したこの発明の光復号器を受信部20が具える光復号器24として利用することによって、この発明の第1のOCDM送受信装置が構成される。
OCDM送受信装置で扱われる光パルス信号は、送受信情報が2値デジタル化されたRZフォーマットの光パルス信号であり、RZフォーマットの光パルス信号は、単一の光パルスが時間軸上に2値デジタル化された送受信情報に応じた光パルス列であるので、単一の光パルスに対する動作が確定すれば、OCDM送受信装置で扱われる光パルス信号に対する動作も確定する。従って、以下の説明においては、光パルス信号の代わりに単一の光パルスを取り上げて説明する。
送信部10において、光パルスは、例えば、図7に示すように第1光符号器である光符号器Aが具える位相符号部a1及びa2で位相符号化され、かつ位相符号部a1及びa2の配置によって定まる波長ホッピング符号によって波長ホッピング符号化されて符号化光パルス列として生成される。
この符号化光パルス列は、受信部20に伝送され、受信部20において、図8に示したこの発明の光復号器が具える第1から第n光パルス再生手段において、これら第1から第n光パルス再生手段をそれぞれ構成する単位回折格子のブラッグ波長に等しいチップパルス同士間の位相差が相殺される。一番単純な具体的方法は、既に説明したように、位相復号部a1及びa2を構成する単位回折格子の配置を、光符号器Aが具えるチップパルス生成手段の位相符号部a1及びa2を構成する単位回折格子の配置とは、入出力部に対して逆の順序にするという手段を講ずることである。
第1光符号器である光符号器Aが具える位相符号部a1及びa2の配置によって発生した、波長λ1と波長λnの波長成分のチップパルス同士間の時間遅延差を、図8に示す光復号器が、光遅延調整器64-n及び64-1のそれぞれに設定する時間遅延調整量を調整することによって相殺することが可能であり、波長ホッピング方式による復号化が実行されることについては、既に説明した。
また、上述した第2光符号器を、図1に示すOCDM送受信装置の送信部10が具える光符号器14として利用して、上述したこの発明の光復号器を受信部20が具える光符号器24として利用することによって、この発明の第2のOCDM送受信装置が構成される。
送信部10において、光パルスは、図9に示した第2光符号器が具える位相符号部126-1及び126-2でそれぞれCode-1及びCode-nで位相符号化され、かつ第2光符号器が具える光遅延器124-1及び124-2のそれぞれに設定された時間遅延量によって定まる波長ホッピング符号によって波長ホッピング符号化されて符号化光パルス列として生成される。
この符号化光パルス列は、受信部20に伝送され、受信部20において、図8に示したこの発明の光復号器が具える第1から第n光パルス再生手段において、上述した第1のOCDM送受信装置の場合と同様に、これら第1から第n光パルス再生手段をそれぞれ構成する単位回折格子のブラッグ波長に等しいチップパルス同士間の位相差が相殺される。
第2光符号器が具える光遅延器124-1及び124-2のそれぞれに設定された時間遅延量によって発生した、波長λ1と波長λnの波長成分のチップパルス同士間の時間遅延差を、図8に示す光復号器が、光遅延調整器64-n及び64-1のそれぞれに設定する時間遅延調整量を調整することによって相殺することによって、波長ホッピング方式による復号化が実行される。
図10から図17を参照して、この発明の第1のOCDM送受信装置の動作の確認を行うためのシミュレーションについて説明する。具体的には、第1光符号器で符号化されて光符号分割多重光パルス列として伝送された信号を、この発明の光復号器で、この光復号器に設置されている光遅延調整器に設定する時間遅延量を調整することによって、復号化されることを確かめた。
第2のOCDM送受信装置については、光符号器として第2光符号器を利用している点が異なるだけで、復号化の方法は同一であるので、以下に説明するシミュレーションの結果によって、第2のOCDM送受信装置についての動作も同様に確認される。すなわち、第2のOCDM送受信装置については、波長ホッピング符号による符号が、第2光符号器の構成を変更することなく変更可能である点が異なるだけであるので、第2光符号器で符号化されて光符号分割多重光パルス列として伝送された信号を、この発明の光復号器に設置されている光遅延調整器に設定する時間遅延量を調整することによって、復号化されることは、明らかである。
図10を参照して、シミュレーションに用いた第1光符号器及び光復号器に設置した、位相符号部及び位相復号部のブラッグ波長及び位相符号について説明する。図10は、前述した図6と同様の図であり、シミュレーションに用いた第1光符号部及び光復号部に設置する位相符号部及び位相復号部の種類を整理して示してある。図6と同様に、位相符号部に設定される位相符号と、これを復号化するための位相符号とを区別せずに扱う。すなわち、図10に示す位相符号がCode-i(iは1から4までの整数)であって、ブラッグ波長がλj(jは1または2)であるブロックは、位相符号部及び位相復号部のいずれをも意味する。
図10では、横軸方向に位相符号をCode-1からCode-4まで順に並べてあり、縦軸方向にブラッグ波長がλ1及びλ2を並べて示している。図10では、位相符号を4通り、ブラッグ波長を2通りとしてある。以後、説明するシミュレーションにおいては、図10に示す位相符号部及び位相復号部a1、a2、b1、b2、c1、c2、及びd1、d2を用いて形成される光符号器及び光復号器が使われる。
図11を参照して、シミュレーションに用いた符号化部の構成について説明する。図11は、シミュレーションに用いた符号化部の概略的構成図である。シミュレーションに用いた符号化部は、光符号器A'、B'、C'及びD'が、分波器70と合波器74との間に並列して設けられて構成される。光符号器A'、B'、C'及びD'のそれぞれは、入出力部として光サーキュレータ72-1、72-2、72-3及び72−4を具えている。分波器70の4つの出力端は、それぞれ光サーキュレータ72-1、72-2、72-3及び72−4の入力ポートに接続されている。また、光サーキュレータ72-1、72-2、72-3及び72−4の出力ポートは、それぞれ合波器74の4つの入力端に接続されている。
分波器70に入力された光パルス列69は、分波器70によって光パルス70-1、70-2、70-3及び70-4に分岐されて、それぞれ光符号器A'、B'、C'及びD'に入力されて、それぞれ符号化されて符号化光パルス列73-1、73-2、73-3及び73-4として生成されて出力される。符号化光パルス列73-1、73-2、73-3及び73-4は、合波器74で合波されて光符号分割多重光パルス列75として生成されて出力される。
光符号器A'のチップパルス生成手段は、位相符号部a1及びa2が直列に配列して構成され、光符号器B'のチップパルス生成手段は、位相符号部b1及びb2が直列に配列して構成され、光符号器C'のチップパルス生成手段は、位相符号部c1及びc2が直列に配列して構成され、光符号器D'のチップパルス生成手段は、位相符号部d1及びd2が直列に配列して構成されている。また、光符号器A'、B'、C'及びD'それぞれの入出力部は、それぞれ光サーキュレータ72-1、72-2、72-3及び72−4によって実現されている。
光符号器A'、B'、C'及びD'のチップパルス生成手段を構成する全ての位相符号部に設定された位相符号による時間拡散長は、全て25 ps(ピコ秒)である。そして、光符号器A'のチップパルス生成手段は、位相符号部a1からのブラッグ反射光と位相符号部a2からのブラッグ反射光との位相差が50 ps(ピコ秒)となるように、位相符号部a1と位相符号部a2との間の空隙が設定されている。また、光符号器B'のチップパルス生成手段は、位相符号部b1からのブラッグ反射光と位相符号部b2からのブラッグ反射光との位相差が50 ps(ピコ秒)となるように、位相符号部b1と位相符号部b2との間の空隙が設定されている。
光符号器C'のチップパルス生成手段は、位相符号部c1からのブラッグ反射光と位相符号部c2からのブラッグ反射光との位相差が0 ps(ピコ秒)となるように、位相符号部c1と位相符号部c2との間の空隙が設定されている。また、光符号器D'のチップパルス生成手段は、位相符号部d1からのブラッグ反射光と位相符号部d2からのブラッグ反射光との位相差が0 ps(ピコ秒)となるように、位相符号部d1と位相符号部d2との間の空隙が設定されている。
ここで、位相符号部a1、a2、b1、b2、c1、c2、d1、及びd2に設定されている符号であるCode-1、Code-2、Code-3及びCode-4を、表1に一覧にして示す。Code-1、Code-2、Code-3及びCode-4の符号長は15である。
Figure 0004306695
図12を参照して、図11に示した4種類の光符号器A'、B'、C'及びD'によって符号化された、4チャンネル分の符号化光パルス列73-1、73-2、73-3及び73-4を多重化した光符号分割多重光パルス列75を、シミュレーションに用いた復号化するための光復号器の構成を説明する。図12は、シミュレーションに用いた光復号器の概略的構成図である。
図12に示す光復号器は、入出力部である光サーキュレータ80と光サーキュレータ80に接続された光パルス再生部とを具えている。図11で示す4種類の光符号器A'、B'、C'及びD'によって符号化されて、かつこれらの光符号器で符号化された符号化光パルス列73-1、73-2、73-3及び73-4を合波して生成された光符号分割多重光パルス列75は、光伝送路である光ファイバ(図示を省略してある。)を伝播して、光符号分割多重光パルス列79として図12に示す光復号器に入力される。
符号分割多重パルス列79は、光サーキュレータ80を介して光パルス再生部に入力される。光パルス再生部には、合分波器82と、合分波器82に互いに並列に接続された、第1及び第2光パルス再生手段が具えられている。合分波器82と第1及び第2光パルス再生手段との間には、それぞれ光遅延調整器84-1及び84-2が配置されている。
第1光パルス再生手段は、光サーキュレータ80の側から順にCode-1からCode-4が設定された、ブラッグ波長がλ1である4個の位相復号部が、互いの空隙が25 ps(ピコ秒)となるように設置されている。第2光パルス再生手段は、光サーキュレータ80の側から順にCode-1からCode-4が設定された、ブラッグ波長がλ2である4個の位相復号部が、互いの空隙が25 ps(ピコ秒)となるように設置されている。また、位相復号部a1、a2、b1、b2、c1、c2、及びd1、d2の時間拡散長は25 ps(ピコ秒)である。
図13から図17を参照して、この発明の第1のOCDM送受信装置による符号化及び復号化について行ったシミュレーションの結果を、具体的に説明する。
図13は、シミュレーションにおいて想定したOCDM送受信装置の概略的ブロック構成図である。シミュレーションにおいて想定したOCDM送受信装置では、まず、波長がλ1及びλ2の連続波光を発生させる光源100及び102を具え、光源100及び102から出力される、波長がλ1及びλ2の連続波光を合波器104で合波することによって、波長がλ1及びλ2を含む連続波光105を生成する。連続波光105を電界吸収型変調器(Electroabsorption Modulator、以後、EA変調器という。)106に入力して、10GHzの繰り返し周波数の光パルス列69に変換して出力し、この光パルス列69を符号化部110に入力する。
符号化部110は、図11に示す符号化部であって、詳細は省略して示してある。光パルス列69は、分波器70で4分波されて、それぞれ分波器70に対して並列して配置されている光符号器A'、B'、C'及びD'に入力される。光符号器A'、B'、C'及びD'において、それぞれの光符号器に設定された符号に基づいて符号化された符号化光パルス列は合波器74で合波されて光符号分割多重光パルス列75として生成されて、符号化部110から出力される。
符号化部110から出力された光符号分割多重光パルス列75は、光増幅器114で増幅されて、図12を参照して説明した光復号器116に入力されて復号化されて光パルス列117として再生されて出力される。
図14(A)、(B)及び(C)を参照して、図13に示したOCDM装置による符号化及び復号化動作について説明する。図14(A)、(B)及び(C)は、入力光パルス列及び符号分割多重光パルス列の時間波形、並びにスペクトル波形を示す図である。図14(A)及び(C)において、横軸は時間軸であり100 ps(ピコ秒)に相当する時間間隔を、横軸に平行な線分の両端に矢印をつけて示してある。縦軸は、それぞれ光強度をmW単位で目盛って示してある。図14(B)の横軸は波長をμm単位で目盛って示してあり、縦軸は光強度をdBm単位で目盛って示してある。
図14(A)に示す時間波形は、図13に示すOCDM送受信装置において、EA変調器106から出力される光パルス列69の時間波形である。光パルス列69は、10GHzで変調されてEA変調器106から出力された光パルス列であるので、100 ps(ピコ秒)間隔で光パルスが並んだ光パルス列である。また、このシミュレーションで利用した光パルスは、図14(B)に示すように、中心波長が1550nm(=λ1)及び1559.6nm(=λ2)である2波長成分を含んでいる。図14(C)に示す時間波形は、図13に示すOCDM送受信装置において、符号化部110から出力された光符号分割多重光パルス列75の時間波形である。光符号分割多重光パルス列75は、光符号器A'、B'、C'及びD'のそれぞれにおいて符号化された符号化光パルス列が多重化されているので、極めて多数の光パルスの列から構成されていることがわかる。
図15(A)から(D)を参照して、符号化部110を構成する光符号器A'、B'、C'及びD'からそれぞれ出力される符号化光パルス列の時間波形について説明する。図15(A)から(D)は、光符号器A'、B'、C'及びD'からそれぞれ出力される符号化光パルス列の時間波形を示す図である。横軸は時間軸であり100 ps(ピコ秒)に相当する時間間隔を、横軸に平行な線分の両端に矢印をつけて示してある。縦軸は、それぞれ光強度をμW単位で目盛って示してある。図15(A)から(D)に示す時間波形を足し合わせた時間波形が、図14(C)に示した光パルス列75の時間波形となる。
図14(C)に示した時間波形を有する光パルス列75は、実用上では、数十キロメートルの長さの光伝送路を伝播して受信部に伝送される。従って、光パルス列75は、この光伝送路に入力される前に、受信側で十分な強度を持って受信されるために必要な程度の光パルス列として増幅される。そこで、今回のシミュレーションにおいても、光パルス列75を光増幅器114によって増幅して、光パルス列115として十分な強度を有する信号として光伝送路に入力する構成とした。
図16(A)から(E)を参照して、一例として、光符号器B'で符号化された符号化光パルス列を、光復号器116で復号化される様子を説明する。図16(A)から(E)は、光符号器B'で符号化された符号化光パルス列の復号化の説明に供する図である。すなわち、光符号器B'で符号化された符号化光パルス列73-2が、光復号器116で復号化されて出力される光パルス列117の時間波形を示す図である。横軸は時間軸であり100 psに相当する時間間隔を、横軸に平行な線分の両端に矢印をつけて示してある。縦軸は、それぞれ光強度をμW単位で目盛って示してある。光復号器116の構成の詳細は、図12に示されているので、以下では図12を適宜参照しつつ説明する。
まず、光復号器116(図12参照)の光遅延調整器84-1に設定する時間遅延量を0 psとする。この状態で光遅延調整器84-2に設定すべき時間遅延量75 psから-2 ps小さい値(73 ps)から1 psずつ増大させて+2 ps大きな値(77 ps)まで変化させた。図16(A)から(E)のそれぞれに示す時間波形は、光遅延調整器84-2に設定された時間遅延量を、後述する75 psから-2 ps、-1 ps、0 ps、+1 ps及び+2 psだけずらせて設定した場合に得られた時間波形である。光遅延調整器84-1に設定する時間遅延量を0 psとした場合、この状態で光遅延調整器84-2に設定すべき時間遅延量が75 psとなる理由は、後述する。
図16(A)から(E)を比較すると、光遅延調整器84-2に設定すべき時間遅延量である75 psからのずれ量を0 psとした場合の時間波形を示す図16(C)において、100 ps間隔に並ぶ強度の大きな光パルス列が認められる。すなわち、図16(C)に示すように、光遅延調整器84-2の時間遅延量を75 psとした場合に、光符号器B'で符号化された符号化光パルス列が、光パルス列として再生されることが確かめられた。
上述の、光符号器B'で符号化された符号化光パルス列が、上述のように光復号器116で復号化される原理を、図11及び図12を参照して説明すると次のようになる。
ブラッグ波長がλ2であり位相符号Code-1で符号化されたチップパルス成分が光サーキュレータ80の入出力ポートから出力されてから、位相復号化されて光サーキュレータ80の入出力ポートに戻るまでの時間をt1とし、ブラッグ波長がλ1であり位相符号Code-4で符号化されたチップパルス成分が光サーキュレータ80の入出力ポートから出力されてから、位相復号化されて光サーキュレータ80の入出力ポートに戻るまでの時間をt4(ただしt1<t4である。)とする。
ブラッグ波長がλ1であり位相符号Code-4で符号化されたチップパルス成分は、75 psかかって光サーキュレータ80から位相復号部b2に到達してブラッグ反射されて、75 psかかって位相復号部b2から光サーキュレータ80に到達する。従って、ブラッグ波長がλ1であり位相符号Code-4で符号化されたチップパルス成分は、光サーキュレータ80から出力後、位相復号部b2に到達してブラッグ反射されて再び戻ってくるまでに、150 ps(=75 ps×2)の時間がかかっていることになる。
一方、ブラッグ波長がλ2であり位相符号Code-1で符号化されたチップパルス成分は、光サーキュレータ80から位相復号部b1に直ちに到達して直ちにブラッグ反射されて光サーキュレータ80に戻るので、遅延時間は0 psであるとみなすことができる。従って、ブラッグ波長がλ1であり位相符号Code-4で符号化されたチップパルス成分は、ブラッグ波長がλ2であり位相符号Code-1で符号化されたチップパルス成分よりも150 ps遅れて光復号器B'を出力される。
光伝送路を伝播するブラッグ波長がλ1であり位相符号Code-4で符号化されたチップパルス成分と、ブラッグ波長がλ2であり位相符号Code-1で符号化されたチップパルス成分とは同一の速度で伝播するとみなせるので、図12に示す光復号器の入出力部である光サーキュレータ80に、ブラッグ波長がλ1であり位相符号Code-4で符号化されたチップパルス成分は、ブラッグ波長がλ2であり位相符号Code-1で符号化されたチップパルス成分よりも150 ps遅れて到達する。
従って、ブラッグ波長がλ2であり位相符号Code-1で符号化されたチップパルス成分に対する、ブラッグ波長がλ1であり位相符号Code-4で符号化されたチップパルス成分の150 psだけの遅れを相殺するには、光復号器において、ブラッグ波長がλ1であり位相符号Code-4で符号化されたチップパルス成分に対して、ブラッグ波長がλ2であり位相符号Code-1で符号化されたチップパルス成分が150 psだけ遅れるようにすればよい。
従って、ブラッグ波長がλ2であり位相符号Code-1で符号化されたチップパルス成分が光サーキュレータ80の入出力ポートから出力されてから、位相復号化されて光サーキュレータ80の入出力ポートに戻るまでの時間をt1とし、ブラッグ波長がλ1であり位相符号Code-4で符号化されたチップパルス成分が光サーキュレータ80の入出力ポートから出力されてから、位相復号化されて光サーキュレータ80の入出力ポートに戻るまでの時間をt4としたとき、t4−t1=150 psとなるように設定すればよいことがわかる。
従って、図12に示す光復号器において、光遅延調整器84-2と光遅延調整器84-1とにそれぞれ設定する時間遅延量τ4及びτ1(ただし、τ1<τ4である。)のそれぞれの値は、(τ41)=(t4-t1)/2となるように選択すれば、正しく復号化される。そこで、τ41=75 psと設定(すなわち、τ4=75 ps、τ1=0 psと設定)すれば、正しく復号化されることになる。
同様に、光符号器A'、C'及びD'でそれぞれ符号化された符号化光パルス列についても、光復号器116で復号化されることを確かめた。図17(A)から(D)を参照して、光符号器A'、C'及びD'でそれぞれ符号化された符号化光パルス列の復号化について説明する。図17(A)から(D)は、光符号器A'、B'、C'及びD'で符合化された符号化光パルス列の自己相関波形を示す図である。すなわち、光遅延調整器84-2と光遅延調整器84-1とにそれぞれ設定する時間遅延量が、図11に示す光符号器A'、B'、C'及びD'がそれぞれ具える位相符号部a1、a2、b1、b2、c1、c2、d1及びd2の配置によって発生した、波長成分がλ1、λ2、λ3及びλ4の波長成分のチップパルス同士間の時間遅延差を相殺するように調整したときに、光復号器116から出力される光パルス列117の時間波形を示す図である。
図17(A)から(D)の横軸は時間軸であり100 psに相当する時間間隔を、横軸に平行な線分の両端に矢印をつけて示してある。縦軸は、それぞれ光強度をμW単位で目盛って示してある。図17(B)に示す自己相関波形は、図16(A)から(E)を参照して説明した、光符号器B'で符号化された符号化光パルス列が光パルス列として再生された場合を示しており、図16(C)と同一の図である。
図17(A)に示す自己相関波形は、光符号器A'で符号化された符号化光パルス列を、光復号器116で復号化された場合を示しており、図17(C)に示す自己相関波形は、光符号器C'で符号化された符号化光パルス列を、光復号器116で復号化された場合を示しており、図17(D)に示す自己相関波形は、光符号器D'で符号化された符号化光パルス列を、光復号器116で復号化された場合を示している。図17(A)から(D)に示すいずれの時間波形も、強度の大きな光パルスが100 ps間隔に並ぶ光パルス列が認められる。すなわち、光符号器A'、B'、C'及びD'で符号化された符号化光パルス列が、それぞれ光パルス列として再生されることが確かめられた。
なお、この発明の光復号器の光遅延調整器及び第2光符号器の光遅延器としては、例えば、ジェネラルフォトニックス社のVariDelay(ジェネラルフォトニックス社:General Photonics Corporation 2005年発行のカタログ参照)等を適宜利用することができる。
光符号分割多重送受信装置の概略的ブロック構成図である。 位相符号方式による符号化のための光符号器の概略的構成を示す図であり、(A)は、単位FBGによるブラッグ反射に関する説明に供する図、(B)は、(A)に示す単位FBGを直列に配列して構成されるSSFBGを示す。 波長ホッピング方式による符号化のための光符号器の概略的構成を示す図であり、(A)は、単位FBGによるブラッグ反射に関する説明に供する図、(B)は、(A)に示す単位FBGを直列に配列して構成されるSSFBGを示す図である。 位相符号方式及び波長ホッピング方式を併用したこの発明の光符号器の概略的構成を示す図であり、(A)は、チップパルス生成手段の概略的構成の一部を示し、(B)は、第1光符号器の概略的構成を示す。 この発明の第1光符号器及び光復号器の概略的構成図であり、(A)は、チップパルス生成手段であるSSFBGを示す図、(B)は、光復号器の概略的構成を示す図である。 光遅延調整器に設定する時間遅延量を設定するための光遅延調整器コントローラ及び、この光遅延調整器コントローラが具える調整テーブルについての説明に供する図である。 この発明の光符号器及び光復号器に設置する位相符号部及び位相復号部の種類を整理して示す図である。 この発明の第1光符号器の概略的構成図である。 この発明の光復号器の概略的構成図である。 この発明の第2光符号器の概略的構成図である。 シミュレーションに用いた第1光符号器及び光復号器に設置する位相符号部及び位相復号部の種類を整理して示す図である。 シミュレーションに用いた符号化部の概略的構成図である。 シミュレーションに用いた光復号器の概略的構成図である。 シミュレーションにおいて想定したOCDM送受信装置の概略的ブロック構成図である。 入力光パルス列及び符号分割多重光パルス列の時間波形、並びにスペクトル波形を示す図である。(A)は、入力光パルス列の時間波形を示す図、(B)は、符号分割多重光パルス列の時間波形を示す図、(C)は、入力光パルス列及び符号分割多重光パルス列のスペクトル波形を示す図である。 光符号器A'、B'、C'及びD'による符号化光パルス列の時間波形を示す図である。(A)は光符号A'から出力される符号化光パルス列の時間波形を示す図、(B)は光符号B'から出力される符号化光パルス列の時間波形を示す図、(C)は光符号C'から出力される符号化光パルス列の時間波形を示す図、(D)は光符号D'から出力される符号化光パルス列の時間波形を示す図である。 光符号器B'で符号化された符号化光パルス列の復号化の説明に供する図である。(A)は光遅延調整器に設定される時間遅延量を、75 psから-2 psだけずらせて設定した場合に得られた時間波形を示す図、(B)は光遅延調整器に設定される時間遅延量を、75 psから-1 psだけずらせて設定した場合に得られた時間波形を示す図、(C)は光遅延調整器に設定される時間遅延量を、75 pに設定した場合に得られた時間波形を示す図、(D)は光遅延調整器に設定される時間遅延量を、75 psから+1 psだけずらせて設定した場合に得られた時間波形を示す図、(E)は光遅延調整器に設定される時間遅延量を、75 psから+2 psだけずらせて設定した場合に得られた時間波形を示す図である。 光符号器A'、B'、C'及びD'で符号化された符号化光パルス列の自己相関波形を示す図である。(A)は光符号A'で符合化された符号化光パルス列の自己相関波形を示す図、(B)は光符号B'で符合化された符号化光パルス列の自己相関波形を示す図、(C)は光符号C'で符合化された符号化光パルス列の自己相関波形を示す図、(D)は光符号D'で符合化された符号化光パルス列の自己相関波形を示す図である。
符号の説明
10:送信部
12:光パルス信号生成器
14:光符号器
16、18、26、28、36、44、46、54-a、54-b、54-c、54-d、60、72-1、72-2、72-3、72-4、80、120:光サーキュレータ
20:受信部
22:光パルス信号検出器
24、116:光復号器
30、32、34、40、52-1、52-2、52-3:SSFBG
40-1、40-2、40-3、126-1、126-2:位相符号部
48、62、82、122:合分波器
50-1、50-2、50-3、84-1、84-2:光遅延調整器
70:分波器
74、104:合波器
76:光パルス再生部
100、102:光源
106:EA変調器
110:符号化部
114:光増幅器
124-1、124-2:光遅延調整器

Claims (7)

  1. 光パルスを、位相符号方式の符号及び波長ホッピング方式の符号によって符号化して、時間軸上に順次配列したチップパルスの列として生成される符号化光パルス列に変換して出力する光符号器であって、
    入出力部と、該入出力部に接続されたチップパルス生成手段とを具え、
    該チップパルス生成手段は、設定される位相符号がそれぞれ異なると共にブラッグ波長もそれぞれ異なる複数の位相符号部が、前記波長ホッピング符号方式の符号化に必要とされる、隣接する当該位相符号部からのブラッグ反射光に時間遅延が発生するように、光導波路に直列に配置されており、
    該位相符号部は、ブラッグ波長が等しい複数の単位回折格子が、前記位相符号方式の符号化に必要とされる、隣接する当該単位回折格子からのブラッグ反射光に位相差が発生するように、前記光導波路に直列に配置されて構成され、
    前記チップパルス生成手段によって、前記入出力部から入力された前記光パルスを、波長が異なるチップパルスとして波長ホッピングすると共に、波長の等しいチップパルス同士間に位相差を与えて成る当該チップパルスの列に変換して、前記入出力部に戻し、該入出力部から該チップパルスの列を符号化光パルス列として出力する
    ことを特徴とする光符号器。
  2. 光パルスを、位相符号方式の符号及び波長ホッピング方式の符号によって符号化して、時間軸上に順次配列したチップパルスの列として生成される符号化光パルス列に変換して出力する光符号器であって、
    入出力部と、該入出力部に接続されたチップパルス生成部とを具え、
    該チップパルス生成部は、合分波器と、該合分波器に互いに並列に接続される複数の位相符号部を具え、
    前記合分波器と、前記各位相符号部との間には、それぞれ光遅延調整器が配置されており、
    前記各位相符号部のブラッグ波長は、それぞれ互いに異なっており、
    前記各位相符号部のそれぞれは、ブラッグ波長が等しい複数の単位回折格子が、前記位相符号方式の符号化に必要とされる、隣接する当該単位回折格子からのブラッグ反射光に位相差が発生するように、光導波路に直列に配置されて構成されており、
    かつ、前記各位相符号部のそれぞれに設定される位相符号が互いに異なっており、
    前記チップパルス生成部が具える前記各光遅延調整器のそれぞれに設定する時間遅延量を変化させることによって前記波長ホッピング方式の符号を変更可能とし、かつ、前記入出力部から入力された前記光パルスを、前記各光遅延調整器のそれぞれに設定する時間遅延量によって確定される波長ホッピング符号によって波長が異なるチップパルスとして波長ホッピングすると共に、波長の等しいチップパルス同士間に位相差を与えて成る当該チップパルスの列に変換して、前記入出力部に戻し、前記入出力部から該チップパルスの列を符号化光パルス列として出力する
    ことを特徴とする光符号器。
  3. 光パルスが位相符号方式及び波長ホッピング方式の符号によって符号化されて時間軸上に順次配列されたチップパルスの列として生成された符号化光パルス列を、復号化して光パルスとして再生して出力する光復号器であって、
    入出力部と、該入出力部に接続された光パルス再生部とを具え、
    該光パルス再生部は、合分波器と、該合分波器に互いに並列に接続される第1から第N光パルス再生手段(Nは2以上の整数である。)を具え、
    前記合分波器と、前記第1から第N光パルス再生手段の間には、それぞれ光遅延調整器が配置されており、
    前記第1から第N光パルス再生手段のそれぞれのブラッグ波長は互いに異なり、かつ、前記第1から第N光パルス再生手段のそれぞれは、ブラッグ波長が等しくかつ設定される位相符号がそれぞれ異なる複数の位相復号部が、光導波路に直列に配置されており、
    該位相復号部は、ブラッグ波長が等しい複数の単位回折格子が、前記位相符号方式の復号化に必要とされる、同一の波長のブラッグ反射光の位相差を相殺するように、前記光導波路に直列に配置されて構成され、
    前記光遅延調整器に設定されるそれぞれの時間遅延調整量が、異なる波長のブラッグ反射光間の時間遅延が等しくなるように設定可能とすることによって、前記入出力部から前記光パルス再生部に入力された前記符号化光パルス列を、光パルスに変換して、前記入出力部に戻し、前記入出力部から該光パルスを出力する
    ことを特徴とする光復号器。
  4. 前記各光遅延調整器は、光遅延調整器コントローラからの指定に応じて時間遅延量を変化させることを特徴とする請求項2に記載の光符号器。
  5. 前記各光遅延調整器は、光遅延調整器コントローラからの指定に応じて時間遅延量を変化させることを特徴とする請求項3に記載の光復号器。
  6. 請求項1に記載の光符号器が設置された送信部と、
    請求項3に記載の光復号器が設置された受信部と
    を具え、
    前記光符号器が具える前記複数の位相符号部で位相符号化され、かつ前記光符号器が具える前記複数の位相符号部の配置によって定まる波長ホッピング符号によって波長ホッピング符号化されて生成された符号化光パルス列を、
    前記光復号器が具える前記第1から第N光パルス再生手段において、前記第1から第N光パルス再生手段をそれぞれ構成する単位回折格子のブラッグ波長に等しいチップパルス同士間の位相差を相殺すると共に、
    前記光符号器が具える前記複数の位相符号部の配置によって発生した、相異なる波長成分のチップパルス同士間の時間遅延差を、前記光復号器が前記合分波器と前記第1から第N光パルス再生手段の間にそれぞれ配置された前記光遅延調整器のそれぞれに設定する時間遅延調整量を調整することによって相殺することを特徴とする光符号分割多重送受信装置。
  7. 請求項2に記載の光符号器が設置された送信部と、
    請求項3に記載の光復号器が設置された受信部と
    を具え、
    前記光符号器が具える前記複数の位相符号部で位相符号化され、かつ前記光符号器が具える前記複数の光遅延調整器のそれぞれに設定された時間遅延量によって定まる波長ホッピング符号によって波長ホッピング符号化されて生成された符号化光パルス列を、
    前記光復号器が具える前記第1から第N光パルス再生手段において、前記第1から第N光パルス再生手段をそれぞれ構成する単位回折格子のブラッグ波長に等しいチップパルス同士間の位相差を相殺すると共に、
    前記光符号器が具える前記複数の光遅延調整器のそれぞれに設定された時間遅延量によって発生した、相異なる波長成分のチップパルス同士間の位相差を、前記光復号器が前記合分波器と前記第1から第N光パルス再生手段の間にそれぞれ配置された前記光遅延調整器のそれぞれに設定する時間遅延調整量を調整することによって相殺する
    ことを特徴とする光符号分割多重送受信装置。
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