JP4306610B2 - 燃料キャップ - Google Patents

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Description

本発明は、タンク開口とキャップとの間に介在するガスケットを備えた燃料キャップに関する。
従来、この種のタンク用キャップとして、断面C字形のガスケットを装着した閉止体を、タンク開口の内壁に設けられたネジに対して、2〜3回転の螺合によりタンク開口を開閉する自動車用の燃料キャップが知られている(特許文献1)。
実開昭59−83766号公報
しかし、従来のC字形のガスケットは、所定以上のシール面圧を得るために、燃料キャップの開閉時に進退する方向、つまり撓み方向に大きな圧縮力を必要とする。このため、燃料キャップの開閉に、大きな回転操作力を必要とし、操作性がよくないという問題があった。
本発明は、上記従来の技術の問題を解決するものであり、小さな操作力で大きな変形量で圧縮することができ、しかも高いシール圧を得ることができるガスケットを用いた燃料キャップを提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明は、
開口側係合部を有するタンク開口を開閉しかつシール保持部を有するキャップ本体と、上記シール保持部に保持され上記キャップ本体の締め込み方向に圧縮されることで上記タンク開口のシール面に対してシールするガスケットとを備えた燃料キャップにおいて、
上記ガスケットは、
上記シール面に押圧される第1リップと、第2リップと、上記第1リップと上記第2リップとを連結する連結部とを有し、上記第1リップ、上記第2リップおよび上記連結部とにより断面C字形に形成されたガスケット本体と、
上記連結部の内周部であり上記ガスケットの高さ方向の中央部位から該ガスケットの軸心に向けて突設された回り止め部と、
を備え、
上記シール保持部は、上記ガスケットを支持する環状凹所であり、
上記第2リップを支持する第1シール壁面と、該第1シール壁面から上記締め込み方向に延設されて第1シール壁面とともに上記環状凹所を形成する第2シール壁面と、上記第2シール壁面に形成され上記キャップ本体の軸方向に向かって形成された平面を有し該平面に上記回り止め部が当たることで上記回り止め部を位置決めするストッパ段部とを備え、上記第2シール壁面は、上記連結部との間にギャップを隔てるとともに、上記第1リップが上記シール面から圧縮力を受けたときに上記連結部が上記ギャップを狭めるように設けられており、
上記回り止め部は、上記第1リップが上記シール面により押されることで上記第2リップが上記第1シール壁面で受ける最大のシール面圧が発生する箇所より上記ストッパ段部に発生するシール面圧が小さくなる箇所に設けられ、上記第1リップが上記シール面と接触する点をP1、上記第2リップが上記第2シール壁面と接触して最大面圧を受ける点をP2とし、P1とP2とを結ぶ線をLn1とし、さらにP1が上記回り止め部と結ぶ線をLn2とすると、Ln1とLn2とがなす角度αが、30〜60゜となるように形成されていること、を特徴とする。
本発明にかかるタンク用キャップの開閉動作において、燃料キャップの締め込み初期において、ガスケットの第1リップがタンク開口のシール面に当たり、さらに締め込むと、撓み方向に圧縮される。このとき、ガスケットは、回り止め部がストッパ段部に位置決めされて回り止めされているから、第1リップが押されるにつれて、その連結部が第2シール壁面に対するギャップを狭めるように変形する。そして、第1リップの先端が、第2リップの先端の側方であって第1シール壁面に当たったときにガスケットの圧縮が完了してキャップ本体がタンク開口を閉じる。
ガスケットは、回り止め部でストッパ段部に位置決めされて回り止めされるとともに、第1リップがシール面により押されるにつれて、連結部が第2シール壁面に対するギャップを狭めるように容易に変形するから、小さな締め込み力によっても大きなシール面圧が得られ、しかも優れた操作性を得ることができる。また、ガスケットにギャップを設けたことで、第2リップがシール保持部に受けるシール面圧が一層大きくなり、高いシール性を得ることができる。
また、第1リップがシール面により押されて、第2リップが第1シール壁面に対して押圧されると、回り止め部は、ガスケットが回転するのを止める。回り止め部は、第1リップがシール面により押されることで第2リップがシール保持部で受ける最大のシール面圧が発生する箇所よりシール面圧が小さくなる箇所に設けられたストッパ段部で止められるので、第1リップがシール面からガスケットに加わる力は、第2リップがシール保持部を押圧する力となり、回り止め部へ加わらず、つまり、シール面圧を受ける箇所が分散しないから、線接触によるシール面圧が高くなり、シール性が向上する。
本発明は、回り止め部は、第1リップと第2リップとを結ぶ線に対するなす角度が30〜60゜となるように形成している。ここで、30゜以上としたのは、回り止め部が第2リップより離れていないと、上述した効果を得ることができないからであり、一方、60゜を越えない角度としたのは、回り止め部が第1リップを大きく変形させる動作を阻害しないためである。
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明の好適な実施例について説明する。
(1) 燃料キャップ10の概略構成
図1は本発明の一実施例にかかる燃料キャップ10(キャップ装置)を示す半断面図である。図1において、燃料キャップ10は、図示しない燃料タンクに燃料を補給する注入口FNb(タンク開口)を有するフィラーネックFNに装着されており、ポリアセタール等の合成樹脂材料から形成されたキャップ本体20(閉止体)と、このキャップ本体20の上部に装着されナイロン等の合成樹脂材料から形成される操作部を有する蓋体40と、キャップ本体20の上部開口を閉じて弁室25を形成する内蓋30と、弁室25に収納された調圧弁50と、トルク機構80と、キャップ本体20の上部外周に装着されてフィラーネックFNとの間をシールする環状のガスケットGSとを備えている。
(2) 燃料キャップ10の各部の構成
次に、本実施の形態にかかる燃料キャップ10の各部の構成について詳細に説明する。
(2)−1 キャップ本体20などの構成
上記キャップ本体20は、パイプ形状のフィラーネックFN(開口形成部材)の内壁の雌ネジ部FNcに係合される雄ネジ部21を有するほぼ円筒状の外管体20aと、外管体20aの下部内側に設けられた弁室形成体20bとを備えている。弁室形成体20bは、調圧弁50として作用する正圧弁及び負圧弁を収納している。上記内蓋30は、弁室形成体20bの上部に圧入されることにより弁室25を覆っている。
キャップ本体20の上部のフランジ部22の下面には、ガスケットGSが外装されている。ガスケットGSは、フランジ部22のシール保持部24とフィラーネックFNのシール面FNfとの間に介在しており、燃料キャップ10を注入口FNbに締め込むと、シール保持部24に対して押しつけられてシール作用を果たす。
図2は燃料キャップ10がフィラーネックFNに螺着されて注入口FNbを閉じている状態を説明する説明図、図3は燃料キャップ10がフィラーネックFNに装着される前の状態を説明する斜視図である。図2および図3において、フィラーネックFNの内周壁と外管体20aの外周部とにわたって、螺着機構が形成されている。螺着機構は、燃料キャップ10をフィラーネックFNに螺着するための機構であり、フィラーネックFNの内壁に形成された雌ネジ部FNcと、外管体20aの外周下部に形成された雄ネジ部21とを備えている。雌ネジ部FNcは、注入口FNb側に形成された始端部FNc1から奥側(燃料タンク側)に向けて螺旋状に形成された突条である。雄ネジ部21は、ネジ形状の突起であるネジ山21aと、そのネジ山21aのネジ溝21bとを備えている。ネジ山21aの下端部は、雌ネジ部FNcの始端部FNc1に最初に係合する始端部21cになっている(図2)。また、ネジ溝21bを横切るようにストッパ21dが立設されている。ストッパ21dは、雄ネジ部21の始端部21cから約200゜の位置に形成されており、燃料キャップ10が注入口FNbに締め込まれたときに、雌ネジ部FNcの始端部FNc1に当接して、燃料キャップ10の閉じ方向への回転を規制するように作用する。ここで、雌ネジ部FNcのネジピッチとして、1回転当たり、6.35mm進む1巻きで形成されている。
上記構成において、燃料キャップ10を注入口FNbに装着した状態から閉じ方向へ回転すると、雄ネジ部21が雌ネジ部FNcに倣ってネジ込まれて、ガスケットGSが軸方向に所定変位以上に圧縮されると、ストッパ21dが雌ネジ部FNcの始端部FNc1に当たって回転が規制される。この状態にて、燃料キャップ10がフィラーネックFNに装着される。
(2)−2 ガスケットGSおよびシール保持部24
(2)−2−1 ガスケットGSの構成
図4は燃料キャップのシール保持部24に装着されたガスケットGSの付近を拡大して示す断面図である。ガスケットGSは、フッ素ゴムから形成され、ほぼ断面C字形であり、撓み方向の長さを短くするように圧縮されるガスケット本体GSaを備えている。ガスケット本体GSaは、外周側に開口されたほぼ断面U字形のスリットGSbを取り囲むように断面C字形に形成されており、つまりフィラーネックFNのシール面FNfに押圧される第1リップGScと、第2リップGSdと、第1リップGScと第2リップGSdとを連結する連結部GSeとを有し、第1リップGSc、第2リップGSdおよび第2リップGSdにより断面C字形に構成されている。なお、ガスケットのゴム材料は、上述したフッ素ゴムに限定されず、ほかの材料、例えば、NBR・PVC等のエラストマーなどを各種の材料を用いることができる。
上記第1リップGScは、シール面FNfにより押されてガスケットGSが圧縮されたときに、該第1リップGScの先端が第1シール壁面24aに当たるように、上記第2リップGSdより長く形成されている。また、ガスケット本体GSaの内周部であり、かつ第2リップGSdと連結部GSeとの間に回り止め部GSfが突出形成されている。
図5はガスケットGSの平面図、図6はガスケットGSを側面の半断面図である。第2リップGSdのスリットGSbの開口部であって、第1リップGScが密着する部位には、空気通路GSpが形成されている。空気通路GSpは、図5に示すように、周方向に45゜の等間隔で8箇所形成された溝状の切欠きから形成されている。空気通路GSpは、スリットGSbが押しつぶされるようにガスケットGSが圧縮されたときに、スリットGSb内の空気を逃がすように形成された通路である。
図4において、回り止め部GSfは、ガスケットGSの高さ方向の中央部位から軸心に向けて突設されている。図4(B)において、第1リップGScがシール面FNfと接触する点をP1、第2リップGSdがシール保持部24と接触して最大面圧を受ける点をP2とし、P1とP2とを結ぶ線をLn1とし、さらにP1が回り止め部GSfと結ぶ線をLn2とすると、Ln1とLn2とがなす角度αが、30〜60゜となっている。この角度に設定した理由については、燃料キャップ10の閉じ動作に伴うガスケットGSの圧縮動作とともに後述する。
(2)−2−2 シール保持部24の構成
図4において、上記シール保持部24は、ガスケットGSの外周面を支持する環状凹所であり、第2リップGSdを支持する第1シール壁面24aと、ストッパ部として作用するストッパ段部24bと、第2シール壁面24cと、シール下面24dとを備えている。上記ストッパ段部24bは、ガスケットGSの回り止め部GSfを位置決めすることにより第1リップGScがシール面FNfにより押圧されたときの回り止めとして作用する。
また、第2シール壁面24cは、ガスケットGSの連結部GSeとの間に上記ギャップGpを有するように形成されており、第1リップGScがシール面FNfから圧縮力を受けたときにガスケットGSが弾性変形してギャップGpを狭めるように形成されている。
(2)−2−3 ガスケットGSによるシール作用
図7および図8は燃料キャップ10を閉じるときのガスケットGSの圧縮される過程を説明する説明図である。燃料キャップ10の締め込み初期において、ガスケットGSの第1リップGScがシール面FNfに当たり(図7(A))、さらに締め込むとスリットGSbの開口を狭めつつ撓み方向に圧縮される(図7(B))。このとき、ガスケットGSは、回り止め部GSfがストッパ段部24bに位置決めされて回り止めされているから、第1リップGScが押されるにつれて、連結部GSeが第2シール壁面24cに対するギャップGpを狭めるように変形する。そして、図8(A)に示すように、第1リップGScの開口端面が第2リップGSdの開口端面に密着する。このとき、スリットGSbにより空隙AGが形成される。そして、さらにガスケットGSに圧縮力が加わると、空隙AG内で圧縮された空気は空気通路GSpを通じて外部へ排出されつつ、ガスケットGSが押しつぶされる。そして、図8(B)に示すように、空隙AGがほぼなくなるまでガスケットGSが押しつぶされるとともに、第1リップGScの先端が、第2リップGSdの先端の側方であって第1シール壁面24aに当たったときにガスケットGSの圧縮が完了して、燃料キャップ10が注入口FNbを閉じる。そして、ガスケットGSは、第1リップGScが第2リップGSdに当たる面でスリットを空隙とするように変形するが、当たり面の切欠きが空隙を密閉としないで、外部への空気抜きの経路となる。よって、ガスケットGSを圧縮する際に、空隙AGを狭めるための圧縮力を低減することができる。
また、キャップ装置の開き動作において、つまり、図8(B)、図8(A)から図7の状態のように、ガスケットGSが密着した状態から戻されるときに、空気通路GSpが大気を空隙に流入させる働きをするので、スリットGSbで形成される空隙AGが負圧にならず、第1リップGScが第2リップGSdに固着した状態になることがない。
図9はガスケットGSの撓み代と反力との関係を示すグラフであり、実線が実施例のガスケットを、1点鎖線が空気通路GSpのないガスケットを、破線が従来の技術にかかるC字形のガスケットを、それぞれ示す。ここで、撓み代は、ガスケットが撓み方向に圧縮されて縮む長さ(圧縮量)をいう。また、撓み代と燃料キャップの回転角度との関係は、ガスケットの硬さや形状などのパラメータにもよってバラツキを生じるが、燃料キャップの360゜の回転により6.35mmの撓み代が生じるとすると、燃料キャップ10の締める角度を198゜と設定する場合には、3.5mmの撓み代を生じ、また、燃料キャップを閉じた状態から90゜戻した場合には、1.9mmの撓み代が生じる。
燃料キャップを締め込むと、ガスケットが撓むことにより、その反力が増大する。こうした燃料キャップの閉じ動作において、反力が150Nを越えると、操作性が低下するので、150N以下に、特に130N以下にすることが好ましいが、従来の技術のガスケットにおける150Nの反力の範囲では、1.5mm程度の撓み代しか確保できず、しかも急激に反力が増大するために操作性が劣るのに対して、本実施例は、全閉状態における4.5mm以上の撓み代を確保できる上に反力の急激な増大もないので、操作性に優れている。
図10はガスケットの撓み代とシール面圧との関係を示すグラフであり、実線が実施例のガスケットを示し、破線が従来の技術にかかるC字形のガスケットを示す。ここで、シール面圧とは、ガスケットがシール面FNfに対して生じる圧力をいう。燃料キャップ10を締め込んだときに、ガスケットGSの撓み代の増大につれてシール面圧が増大する。
このような、ガスケットGSの撓み代で得られる所定以上のシール面圧を確保するとともに、ガスケットGSに過度な応力が加わらないように図2のストッパ21dにより締め込みが完了する締め込み量を2mm以上、好ましくは3〜5mmとすることが好ましい。
(2)−2−4 ガスケットGSの効果
(2)−2−4−1 ガスケットGSは、回り止め部GSfでストッパ段部24bに位置決めされて回り止めされるとともに、ギャップGpが設けられているから、第1リップGScがシール面FNfにより押されるにつれて、連結部GSeが第2シール壁面24cと連結部GSeとの間のギャップGpを狭めるように容易に変形するから、小さな締め込み力によっても大きなシール面圧が得られ、しかも優れた操作性を得ることができる。また、上記ガスケットGSの構成によると、第1リップGScがシール面FNfにより押され、第1シール壁面24aに対して押圧力が加わると、回り止め部GSfがガスケットGSが回転するのを止める。回り止め部GSfは、第1リップGScと第2リップGSdとを結ぶ線に対するなす角度αが30〜60゜の位置に形成されているので、シール面FNfからシール保持部24を押圧する大きな力は、第2リップGSdに加わり、回り止め部GSfへ及ぶ力が小さい。よって、シール面圧を受ける箇所は、第2リップGSdに主に加わって分散しないから、線接触によるシール面圧が高くなり、シール性が向上する。
(2)−2−4−2 ガスケットGSの第2リップGSdの開口端部には、空気通路GSpが形成されており、この空気通路GSpは、スリットGSbを潰しても、密閉となった空隙とせず、外部への空気抜きの経路となるから、ガスケットGSを圧縮する際に、空隙AGを狭めるための圧縮力を低減することができる。
(2)−2−4−3 空気通路GSpは、ガスケットGSの合わせ面に沿って複数箇所(実施例では8カ所)設けられているので、1つの空気通路GSpがゴミなどで詰まっても、他の空気通路GSpが空気抜きとしての作用を果たすので、その機能を損なうことがない。
(2)−2−4−4 第1リップGScは、シール面FNfにより押されてガスケットGSが圧縮されたときに、該第1リップGScの先端が第1シール壁面24aに当たるように、上記第2リップGSdより長く形成されているから、第1リップが第2リップGSdに当たって変形を妨げることがなく、一層、低い荷重で高変位を得ることができる。
(2)−2−4−5 燃料キャップ10として、所定角度、例えば、180゜程度回転するだけで注入口FNbを開閉するクイックターンの構成に用いた場合には、蓋体40が外力を受けたときに、ガスケットGSのシール面圧が減少するのを防止するために、蓋体40に所定角度範囲内で空転する、いわゆるロストモーション機構を設けている。しかし、上記ガスケットGSを用いれば、蓋体40が外力を受けて90゜程度、開き方向に回転して、1.6mm程度に撓み代が小さくなっても高いシール性を維持するから、いわゆる複雑な構成のロストモーション機構を設けなくても、所定以上のシール面圧を確保することができる。
(2)−2−4−6 キャップ本体20が180゜の回転で軸方向へ3mm以上移動するようなピッチの大きいネジを用いることにより、少ない回転角度で開閉操作ができるから、操作性に優れている。
(2)−2−4−7 ガスケットGSは、撓み代が4mmのときの上記反力が100N以下であり、上記シール面圧が0.5MPa以上とすることが好ましい。この場合には、閉止体を締め込み開始位置から80〜90゜回転したときに軸方向への移動量が1.4〜1.6mmとすることが好ましい。この構成によると、閉止体が締め込み状態から外力により開き方向に約90゜戻っても、ガスケットによる高いシール性を維持することができる。
(2)−3 蓋体40の構成
図1において、蓋体40は、操作機構を構成するものであり、トルク機構80を介してフランジ部22に回転可能かつ着脱自在に装着されている。蓋体40は、上壁41と、上壁41の上面に突設された操作部42と、上壁41の外周部に形成された側壁43とを備え、導電性樹脂を用いて射出により一体成形されている。また、側壁43の内側には、係合突部43aが周方向に沿って等間隔で4カ所突設されている。係合突部43aは、蓋体40を、トルク機構80を介してキャップ本体20に組み付けるための突起である。蓋体40の取付構造について後述する。
(2)−4 トルク機構80の構成
(2)−4−1 トルク機構80の概略構成
図11は蓋体40とキャップ本体20の上部とにわたって設けられたトルク機構80を示す分解斜視図、図12はトルク機構80を上方から示す説明図である。トルク機構80は、図12に示すトルク伝達部82と、クリック音発生部84とを備え、図3に示す燃料キャップ10で注入口FNbを閉じる動作の際に、トルク伝達部82により伝達される回転トルクが所定の回転トルクを越えたときに、クリック音発生部84によりクリック音を発して、燃料キャップ10が所定の回転トルクでフィラーネックFNに装着されていることを確認できる機構である。
図11において、トルク機構80は、蓋体40とキャップ本体20との間に回転可能に介在するトルクプレート90を備えている。トルクプレート90は、樹脂から形成された円板状のトルク本体91を備えており、トルク本体91は、円板形状のアーム支持部91aと、アーム支持部91aを取り囲む円環形状の外環部91bと、アーム支持部91aと外環部91bと接続する連結部91cとを備えている。トルク本体91には、ガイド溝、トルクアーム、撓みバネおよびスプリング片などが形成されている。これらによりトルク伝達部82およびクリック音発生部84が構成されている。
(2)−4−2 トルク伝達部82
トルク伝達部82は、蓋体40からトルクプレート90へ回転トルクを伝達する2つの第1伝達機構と、トルクプレート90からキャップ本体20に回転トルクを伝達する第2伝達機構とを備えている。
第1伝達機構は、蓋体40に形成されたトルク伝達リブ44と、上記トルクプレート90から弾性変形可能に突設された撓みバネ93とを備えている。トルク伝達リブ44は、操作部42の下壁42aに、半径方向に伸びるリブであり、蓋体40の中心軸から所定距離を隔てて、2カ所突設されている。撓みバネ93は、トルク本体91上に柱状に垂直方向に一体に突設されており、操作部42の凹所42b内に突入して、その先端がトルク伝達リブ44に係合する係合端93aとなっている。
図13はトルク伝達部82の第1伝達機構の動作を説明する説明図である。図13(A)に示すように、操作部42の閉じ方向への操作により、トルク伝達リブ44が撓みバネ93の係合端93aに係合し、図13(B)に示すように、トルクプレート90に回転トルクを伝達するとともに、撓みバネ93を倒して弾性変形が大きくなるにつれて開き方向へのスプリング力を蓄積する。このスプリング力の作用については後述する。
図11および図12において、第1伝達機構は、さらに、蓋体40の上壁41の下面に突設されたガイド突部46と、トルクプレート90に形成されたリブ用ガイド部95とを備えている。ガイド突部46は、主として開き方向への回転トルクを伝達するための円柱状の突部である。リブ用ガイド部95は、トルクプレート90に形成された円弧状の切欠きであり、その両端側が押圧端95aと、押圧端95bになっており、ガイド突部46を突入させてガイド突部46を移動可能に支持する。
第2伝達機構は、トルクプレート90からキャップ本体20へ回転トルクを伝達するために、トルクプレート90の下面に形成されたガイド突起92と、キャップ本体20の上部に形成された本体側係合部23とを備えている。本体側係合部23は、フランジ部22の内周部に配置された構成であり、押圧突部23aと、所定間隙隔てた押圧突部23bとを備え、その間がガイド段23cになっている。ガイド突起92は、ガイド段23cに挿入されており、トルクプレート90が閉じ方向に回転したときに押圧突部23aに当たり、一方、トルクプレート90が開き方向に回転したときにガイド突起92が押圧突部23bに当たることで、トルクプレート90からキャップ本体20に回転トルクを伝達する。
(2)−4−3 クリック音発生部84
クリック音発生部84は、蓋体40の上壁41の下壁に突設された第1係合部45と、トルクプレート90に形成されたクリック用アーム94とを備えている。図14はクリック音発生部84を示す斜視図、図15は図14の第1係合部45およびクリック用アーム94との係合関係を説明する説明図である。第1係合部45は、上壁41の下面から突設されかつ面取りされたほぼ三角錐であり、半径方向の平面である第1ガイド面45aと、外周側の規制面45bと、内周側に形成された湾曲した第2ガイド面45cとを備えている。クリック用アーム94は、アーム支持部91aから突設されたアーム本体94aと、アーム本体94aの自由端から上方に突設された第2係合部94cを備えている。クリック用アーム94は、支持根元94bを支点とした片持ち梁から形成されており、第2係合部がトルク本体91に対して所定の間隙を隔てている。第2係合部94cは、第1ガイド面45aに押圧される垂直壁94c1と、規制面45bを経て第2ガイド面45cに押圧される傾斜面94c2と、上端を面取りされたコーナー面94c3とを備え、これらでほぼ上方に突設された山形状になっている。
図16はクリック音発生部84の動作を説明する説明図である。クリック音発生部84は、蓋体40の閉じ方向の回転に伴い第1係合部45を往復動させ、クリック用アーム94を弾性変形させつつ第2係合部94cで第1係合部45の外周面を倣わせ、その過程でクリック音を発生させる。
すなわち、蓋体40が閉じ方向に回転すると、図16(A)から図16(B)に示すように、第1係合部45の第1ガイド面45aが第2係合部94cの垂直壁94c1を押して、クリック用アーム94を、支持根元94bを支点として外周方向に撓ませる。そして、第2係合部94cが第1ガイド面45aから規制面45bを乗り越えて(図17(A))、クリック用アーム94の復帰のスプリング力により、第2係合部94cがアーム支持部91aの外周に衝突することでクリック音を生じる。
そして、図17(B)に示すように傾斜面94c2が第2ガイド面45cに当たった後に、撓みバネ93の復元力による蓋体40の開き方向の回転に伴って第1係合部45が移動すると、第2ガイド面45cが傾斜面94c2を斜め下方へ押して、クリック用アーム94を支持根元94bを支点にして押し下げる。
そして、クリック用アーム94の弾性変形量が最大になった後に、第2ガイド面45cの斜面を傾斜面94c2がかけ上がる。第2ガイド面45cは、三角錐(または円錐面であってもよい。)になっているので、傾斜面94c2を倣わせ、直ぐにコーナー面94c3を倣わせる。つまり、クリック用アーム94は、最初、斜め下方に撓むが、徐々に上昇してその撓みを小さくするように戻す。
さらに図18および図19を用いて、クリック音発生部の動作を説明する。図18および図19において、図示の左側の図が水平方向から見ている状態を示し、右側の図が上方から見ている状態を示す。図18(A)から(B)にかけて、第1ガイド面45aが垂直壁94c1を押して、クリック用アーム94を外周方向(矢印方向)へ撓ませて、図18(C)にて第1係合部45が第2係合部94cを乗り越え、図18(D)にて第2係合部94cがトルク本体91の側面を叩き、クリック音を発する。そして、図18(E)に示すように、クリック用アーム94の弾性変形が元に戻ると、傾斜面94c2が第1ガイド面45aの第2ガイド面45cに当たる。図18(E)となったときに、第2ガイド面45cに傾斜面94c2が倣う構成になっているので、規制面45bに戻ることがない。さらに、図19(A)に示すように、第1係合部45が開き方向に移動すると、第2ガイド面45cが撓みバネ93の復元力によって傾斜面94c2を斜め下方へ押して、クリック用アーム94を支持根元94bを支点にして押し下げる。そして、クリック用アーム94の弾性変形量が最大になった後に、第2ガイド面45cが傾斜面94c2をガイドしつつクリック用アーム94の撓みを徐々に小さくするように戻し(図19(B))、さらに図19(C)から図19(D)に示すように乗り越えて、元の位置に戻る。
したがって、クリック用アーム94は、弾性変形が急激に戻らず、つまり、図19(B)に示すように第2ガイド面45cが傾斜面94c2を倣わせつつクリック用アーム94を徐々に戻し、しかも、クリック用アーム94が戻るときの弾性変形量は、図19(C)に示すL2であり、図18(B)のクリック用アーム94が乗り越えるときのL1と比べて小さいので、第2係合部94cが第1係合部45を乗り越えたときに大きな音も生じることもなく、使用者に違和感を生じさせない。なお、図19(D)に示すように蓋体40の下面であって、第1係合部45の周辺部に、クリック用アーム94の弾性変形が戻るときに第2係合部94cが蓋体40の下面を叩くのを防止するための凹所41aを形成すると、クリック用アーム94が軸方向に撓んでも、音の発生をより確実に防止することができる。
(2)−4−4 トルクプレート90および蓋体40の取付機構など
次に、キャップ本体20とトルクプレート90との装着構造(プレート装着機構)、トルクプレート90と蓋体40との装着構造(ハンドル装着機構)について説明する。図20は図11の要部を示す斜視図、図21は燃料キャップ10の側部を示す断面図である。トルクプレート90の外環部91bの内周側に、プレート係合部98の係合爪98aが形成されている。係合爪98aは、切欠98bを通じて上方から見ることができる位置であり、外環部91bの内壁から中心軸方向に向けて突設された舌片であり、軸方向に弾性変形可能に形成されている。一方、キャップ本体20のフランジ部22の上部外周には、円弧状の係合突部22bが形成されている。係合爪98aを係合突部22bに圧入することによりトルクプレート90がキャップ本体20の上部外周で回転可能に装着されている。
また、外環部91bの外周部には、装着部99が形成されている。装着部99は、係合爪99aを形成する係合凹所99bを備えている。係合凹所99bに蓋体40の側壁43の内壁の係合突部43aが係合することにより、トルクプレート90が蓋体40を回転可能(約20゜)に支持している。上記係合突部43aが装着部99の係合凹所99bに係合している箇所は、プレート係合部98の係合爪98aがフランジ部22の係合突部22bに係合している箇所より上方に配置されている。
燃料キャップ10にトルクプレート90および蓋体40を組み付けるには、トルクプレート90のプレート係合部98の係合爪98aをキャップ本体20の係合突部22bに圧入して、トルクプレート90をキャップ本体20に組み付け、さらに、蓋体40の係合突部43aをトルクプレート90の係合爪99aに係合させることにより、蓋体40をトルクプレート90に組み付ける。
(2)−4−5 トルクプレート90の支持機構
図22はトルクプレート90の周辺部を説明する説明図である。図8および図22に示すように、トルクプレート90には、該トルクプレート90を蓋体40の上壁41の下面とキャップ本体20の上部との間で支持するための第1スプリング片96および第2スプリング片97が形成されている。すなわち、トルクプレート90の中央上面には、4つの第1スプリング片96が周方向に90゜の位置に形成されている。第1スプリング片96は、蓋体40の上壁41の下面に対して上下方向のスプリング力を与えるものである。図23に示す第1スプリング片96は、トルクプレート90の上面と同一面でありかつ周方向に延設された片持ち梁から形成されたアーム96aと、アーム96aの先端でトルクプレート90の上面より突出した押圧突起96bとを備えている。第2スプリング片97は、やや下方に向けて傾斜した片持ち梁であり、アーム本体97aと、アーム本体97aの先端でフランジ部22の上面22aに対して押圧する押圧突起97bとを備え、トルクプレート90の上面の切欠97c内で一端が傾動する。第2スプリング片97は、押圧突起97bが傾斜した上面22aを押圧するため上下方向および半径方向の両方向に位置決めする。
(3) 燃料キャップ10の開閉動作
次に、フィラーネックFNの注入口FNbを燃料キャップ10で開閉する操作を行なったときのトルク機構80の動作について説明する。なお、トルク機構80のトルク伝達リブ44、ガイド突部46、撓みバネ93などは、蓋体40の回転軸を中心に2つ設けられているので、図示の一方の側を中心に説明する。
(3)−1 燃料キャップ10の閉じ動作
図3に示すように、注入口FNbが開いた状態にて、蓋体40の操作部42を手で持って、キャップ本体20を注入口FNbに軸方向に挿入する。このとき、雄ネジ部21の始端部21cを雌ネジ部FNcの始端部FNc1に合わせる。そして、操作部42に時計方向の回動力を加えて閉じる操作を行なうと、トルク機構80は、図24の状態から、図25、図26を経て図27に示すような一連の動作を行なう。
すなわち、図24に示すように、操作部42に加えられた時計方向の回動力は、トルク伝達リブ44が撓みバネ93の係合端93aに係合し、撓みバネ93を倒すことにより、また、第1係合部45がクリック用アーム94の第2係合部に係合することにより、トルクプレート90に伝えられ、トルクプレート90を同方向へ回転させる。このトルクプレート90の回転に伴って、ガイド突起92が本体側係合部23の押圧突部23aを押す。これにより、蓋体40、トルクプレート90、キャップ本体20が一体に回転して、注入口FNbを閉じる方向へ進む。このとき、図13に示すようにトルク伝達リブ44が撓みバネ93を倒す角度が大きくなるにつれて、操作部42からキャップ本体20に伝達される回転トルクが増大する。
そして、この係合する力によって生じる反力が所定回転トルク以上になると、図25に示すように、第1係合部45がクリック用アーム94を乗り越えて、図26の係脱状態になる。このとき第1係合部45が第2係合部94cを乗り越えて第2係合部94cがアーム支持部91aの外周に衝突することでクリック音がでるから、使用者は節度感を確認することができる。これと同時に、ガイド突部46は、リブ用ガイド部95内をガイドされて、押圧端95aに当たる状態まで移動する。この状態にて、使用者がさらに操作部42を閉じ方向に回転しても、ストッパ21dがフィラーネックFNの始端部FNc1に当たるから、キャップ本体20が締められすぎになることがない。
操作者が指を操作部42から離すと、図27に示すように、撓みバネ93がトルク伝達リブ44を介して蓋体40を反時計方向に回動する力を加える。そして、蓋体40が反時計方向に回転することにより、図17に示すように、第1係合部45は、クリック用アーム94を押し下げて第2係合部94cに倣って乗り越える。そして、ガイド突部46がリブ用ガイド部95を移動して押圧端95bに当接すると、蓋体40の回転が止まる。この状態にて、燃料キャップ10が注入口FNbを閉じている。
(3)−2 燃料キャップ10の開き動作
燃料キャップ10を開くには、図27の状態から、蓋体40の操作部42を指で摘んで、反時計方向へ回転する力を加える。これにより、蓋体40のガイド突部46がトルクプレート90のリブ用ガイド部95の押圧端95bを押圧してトルクプレート90を回転させる。トルクプレート90の回転によりガイド突起92が本体側係合部23の押圧突部23bを押す。これにより、蓋体40に加わる回転力は、ガイド突部46、トルクプレート90、本体側係合部23の押圧突部23bを介して、キャップ本体20に伝達され、蓋体40、トルクプレート90、キャップ本体20が一体に反時計方向へ回転する。そして、蓋体40と一体にキャップ本体20が約180゜回転すると(図24の状態)、雄ネジ部21がフィラーネックFNの雌ネジ部FNcの始端部FNc1から外れて、キャップ本体20は、フィラーネックFNに対する拘束力から解放される。そして、燃料キャップ10をフィラーネックFNから抜くことができ、注入口FNbが開かれる。
(4) 上記実施例の構成により、以下の効果を奏する。
(4)−1 燃料キャップ10を閉じる操作過程において、蓋体40の第1係合部45が第2係合部94cを乗り越えたときに節度感を確認でき、燃料キャップ10が所定トルクで締め付けられていることが分かるから、ガスケットGSなどの弾性にかかわらず、一定トルクで締め付けることができる。
(4)−2 トルク伝達部82を構成する撓みバネ93は、トルクプレート90と一体に形成されているから、従来の技術で説明したようなコイルスプリングを用いることがなく、部品点数を減らして構成を簡単にできる。
(4)−3 撓みバネ93は、該トルクプレート90からほぼ垂直方向に立設され、操作部42の凹所42bに突入しているので、撓みバネ93を垂直方向に長く形成することができ、弾性変形量を大きくすることができる。
燃料キャップ10は、雄ネジ部21と雌ネジ部FNcとの係合により、約180゜という小さな回転角度で操作すればよく、何回も回転する操作が不要となり、装着作業が容易である。
(4)−4 トルクプレート90は、第1および第2スプリング片96,97により蓋体40とキャップ本体20との間にガタツキを生じることがない状態で正規の位置に位置決めされるので、製品間のバラツキを抑えて安定したクリック音特性・トルク特性が得られる。
図28は燃料キャップ10の側面図、図29は燃料キャップ10の水平方向の断面図である。螺着機構のストッパ21dの反対側であり、つまり、キャップ本体20の軸心の回転対称となるネジ溝21b内には、リブで形成された拘束部21eが形成されている。拘束部21eは、ストッパ21dが始端部FNc1を乗り上げようとする力に対してキャップ本体20の傾きを低減するように作用する。すなわち、図29に示すようにキャップ本体20がストッパ21dで止められた状態から、図30に示すように、燃料キャップ10の閉じ方向へ、さらに回転する力が加わり、ストッパ21dが雌ネジ部FNcの始端部FNc1を乗り上げようとすると、キャップ本体20の中心軸がストッパ21dとは反対方向に軸ズレをする。しかし、拘束部21eは、雄ネジ部21と雌ネジ部FNcとの間隙を狭めるように形成されているので、キャップ本体20が軸ズレするのを防止する。したがって、ガスケットGSが不均一かつ過度に弾性変形することがなく、シール性を低下させない。
なお、この発明は上記実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(5)−1 上記実施例は、撓みバネ93は、トルクプレート90から突設した構成について説明したが、これに限らず、蓋体40の下面から突設してもよい。この場合には、蓋体は、大きなスプリング力を生じることができるポリアセタールから形成することが好ましい。
(5)−2 クリック音発生部84は、2箇所形成したが、これに限らず、クリック音の発生を好適に実現できる構成であれば、1箇所または3箇所以上であってもよい。
(5)−3 燃料キャップは、その回転操作によるガスケットにねじり力を加える構成であるが、撓み方向(回転軸の方向)に力を加えるのであれば、上下方向への操作力で閉じる構成であってもよい。

本発明の一実施の形態にかかる燃料キャップを示す半断面図である。 燃料キャップがフィラーネックに螺着されて注入口を閉じている状態を説明する説明図である。 燃料キャップがフィラーネックに装着される前の状態を説明する斜視図である。 燃料キャップのシール保持部に装着されたガスケットの付近を拡大して示す断面図である。 ガスケットの平面図である。 ガスケットを半断面で表わす側面図である。 燃料キャップを閉じるときのガスケットの圧縮される過程を説明する説明図である。 図7に続く過程を説明する説明図である。 ガスケットの撓み代と反力との関係を示すグラフである。 ガスケットの撓み代とシール面圧との関係を示すグラフである。 蓋体とキャップ本体の上部とにわたって設けられたトルク機構を示す分解斜視図である。 トルク機構を上方から示す説明図である。 トルク伝達部の第1伝達機構の動作を説明する説明図である。 クリック音発生部の付近を示す斜視図である。 クリック音発生部を説明する説明図である。 クリック音発生部の動作を説明する説明図である。 図16に続く動作を説明する説明図である。 クリック音発生部の動作を説明する説明図である。 図18に続く動作を説明する説明図である。 燃料キャップの側部を分解して示す斜視図である。 燃料キャップの一部の断面図である。 トルクプレートの周辺部を説明する説明図である。 第1スプリング片および第2スプリング片の作用を説明する説明図である。 トルク機構の動作を説明する説明図である。 図24に続く動作を説明する説明図である。 図25に続く動作を説明する説明図である。 図26に続く動作を説明する説明図である。 燃料キャップがフィラーネックに螺着されて注入口を閉じている状態を説明する説明図である。 燃料キャップのストッパの付近における水平方向の断面図である。 燃料キャップのストッパおよび拘束部の作用を説明する説明図である。
符号の説明
10...燃料キャップ
20...キャップ本体
20a...外管体
20b...弁室形成体
21...雄ネジ部
21a...ネジ山
21b...ネジ溝
21c...始端部
21d...ストッパ
21e...拘束部
22...フランジ部
22a...上面
22b...係合突部
23...本体側係合部
23a...押圧突部
23b...押圧突部
23c...ガイド段
24...シール保持部
24a...第1シール壁面
24b...ストッパ段部
24c...第2シール壁面
24d...シール下面
25...弁室
30...内蓋
40...蓋体
41...上壁
41a...凹所
42...操作部
42a...下壁
42b...凹所
43...側壁
43a...係合突部
44...トルク伝達リブ
45...第1係合部
45a...第1ガイド面
45b...規制面
45c...第2ガイド面
46...ガイド突部
50...調圧弁
80...トルク機構
82...トルク伝達部
84...クリック音発生部
90...トルクプレート
91...トルク本体
91a...アーム支持部
91b...外環部
91c...連結部
92...ガイド突起
93...撓みバネ
93a...係合端
94...クリック用アーム
94a...アーム本体
94b...支持根元
94c...第2係合部
94c1...垂直壁
94c2...傾斜面
94c3...コーナー面
95...リブ用ガイド部
95a...押圧端
95b...押圧端
96,97...第1および第2スプリング片
96a...アーム
96b...押圧突起
97a...アーム本体
97b...押圧突起
97c...切欠
98...プレート係合部
98a...係合爪
98b...切欠
99...装着部
99a...係合爪
99b...係合凹所
FN...フィラーネック
FNb...注入口
FNc...雌ネジ部
FNc1...始端部
FNf...シール面
GS...ガスケット
GSa...ガスケット本体
GSb...スリット
GSc...第1リップ
GSd...第2リップ
GSe...連結部
GSf...回り止め部
GSp...空気通路
Gp...ギャップ
AG...空隙

Claims (1)

  1. 開口側係合部を有するタンク開口を開閉しかつシール保持部(24)を有するキャップ本体(20)と、上記シール保持部(24)に保持され上記キャップ本体(20)の締め込み方向に圧縮されることで上記タンク開口のシール面(FNf)に対してシールするガスケット(GS)とを備えた燃料キャップにおいて、
    上記ガスケット(GS)は、
    上記シール面(FNf)に押圧される第1リップ(GSc)と、第2リップ(GSd)と、上記第1リップ(GSc)と上記第2リップ(GSd)とを連結する連結部(GSe)とを有し、上記第1リップ(GSc)、上記第2リップ(GSd)および上記連結部(GSe)とにより断面C字形に形成されたガスケット本体(GSa)と、
    上記連結部(GSe)の内周部であり上記ガスケット(GS)の高さ方向の中央部位から該ガスケット(GS)の軸心に向けて突設された回り止め部(GSf)と、
    を備え、
    上記シール保持部(24)は、上記ガスケット(GS)を支持する環状凹所であり、
    上記第2リップ(GSd)を支持する第1シール壁面(24a)と、該第1シール壁面(24a)から上記締め込み方向に延設されて第1シール壁面(24a)とともに上記環状凹所を形成する第2シール壁面(24c)と、上記第2シール壁面(24c)に形成され上記キャップ本体(20)の軸方向に向かって形成された平面を有し該平面に上記回り止め部(GSf)が当たることで上記回り止め部(GSf)を位置決めするストッパ段部(24b)とを備え、上記第2シール壁面(24c)は、上記連結部(GSe)との間にギャップ(Gp)を隔てるとともに、上記第1リップ(GSc)が上記シール面(FNf)から圧縮力を受けたときに上記連結部(GSe)が上記ギャップ(Gp)を狭めるように設けられており、
    上記回り止め部(GSf)は、上記第1リップ(GSc)が上記シール面(FNf)により押されることで上記第2リップ(GSd)が上記第1シール壁面(24a)で受ける最大のシール面圧が発生する箇所より上記ストッパ段部(24b)に発生するシール面圧が小さくなる箇所に設けられ、上記第1リップ(GSc)が上記シール面(FNf)と接触する点をP1、上記第2リップ(GSd)が上記第2シール壁面(24c)と接触して最大面圧を受ける点をP2とし、P1とP2とを結ぶ線をLn1とし、さらにP1が上記回り止め部(GSf)と結ぶ線をLn2とすると、Ln1とLn2とがなす角度αが、30〜60゜となるように形成されていること、を特徴とする燃料キャップ
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