JP4306528B2 - 加熱送風装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ドライヤやファンヒータ等の加熱送風装置に関するものである。
従来から、吸入口と吐出口を有する本体ケース内に、吸入口から吸入した空気を吐出口から吐出させる送風部と、送風部の下流側にて空気を加熱する加熱部とを備えて成る加熱送風装置が提供されている。この種の加熱送風装置としては、例えばヘアードライヤやファンヒータ等が挙げられるが、近年はマイナスイオンを吐出させるマイナスイオン発生装置を備えることでこのマイナスイオンに付着したミストによって毛髪等に潤いを与える構造のものが提供されている(特許文献1参照)。しかしながら、上記のマイナスイオンに付着するミストは粒径が1nm程度であり、したがって加熱送風装置の加熱部から発せられる熱によって蒸発を生じ易いので、対象物にまで十分な量のミストを届け難いという問題があった。
特開2002−191426号公報
本発明は上記問題点に鑑みて発明したものであって、加熱部の発する熱によって蒸発を生じ難いミストを吐出し、対象物にまで十分な量のミストを届けることのできる加熱送風装置を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために本発明に係る加熱送風装置を、吸入口1と吐出口2とを有する本体ケース3内に、吸入口1から吸入した空気を吐出口2から吐出させる送風部4と、送風部4の下流側にて空気を加熱する加熱部5とを備えて成る本体ブロック40に、錐状の先端部12aを有する放電極12と放電極12に液体を供給する供給手段とを有し、放電極12の先端部12aに保持される液体に対して粒径が3〜100nmであるナノメータサイズのイオンミストを発生させるための高電圧を印加して該イオンミストをミスト吐出口17から外部吐出させる静電霧化ブロック50を備えるとともに、静電霧化ブロック50からミスト吐出口17を介して外部に吐出されるイオンミストの吐出方向を、本体ブロック40から吐出口2を介して外部に吐出される空気の吐出方向と略平行に設けることを特徴としたものとする。
このようにすることで、静電霧化ブロック50のミスト吐出口17からは粒径が3〜100nm程度のナノメータサイズのイオンミストを吐出させることができ、このイオンミストが、マイナスイオンに付着する粒径が1nm程度のミストと比較して温風の熱による蒸発を生じ難いものであることから、従来のマイナスイオン発生装置を備えた温風送風装置と比べて十分な量のミストを対象物にまで届けることが可能となる。しかも、静電霧化ブロック50側のイオンミストの吐出方向と本体ブロック40側の空気の吐出方向とを略平行に設けているので、3〜100nmの粒径で吐出されたイオンミストは本体ブロック40側から吐出された空気の流れに乗って対象物にまで素早く且つ大量に届けられることとなる。
上記加熱送風装置においては、静電霧化ブロック50のミスト吐出口17を、本体ブロック40の本体ケース3の外側に開口させることが好ましい。このようにすることで、静電霧化ブロック50で発生したイオンミストが本体ケース3内の加熱部5の発する熱に晒されて蒸発を生じることが更に防止されるものである。
また、本体ブロック40の吐出口2として、加熱部5に加熱されて送り込まれた空気を外部に向けて吐出する温風吐出口2aと、加熱部5を避けて送り込まれた空気を外部に向けて吐出する冷風吐出口2bを設けるとともに、前記冷風吐出口2bを、温風吐出口2aと静電霧化ブロック50のミスト吐出口17との間に位置させることも好ましい。このようにすることで、冷風吐出口2bから吐出される冷風が、ミスト吐出口17から吐出されるイオンミストを温風吐出口2aから吐出される温風の熱から守る役割をなし、したがって、イオンミストが対象物に届く前に蒸発をすることが更に防止されるものである。
また、本体ブロック40内の送風部4から静電霧化ブロック50内の放電極12に向けて空気を送り込んでイオンミストを外部へと誘引する誘引流路R3を、加熱部5を避けて設けることも好ましい。このようにした場合には、発生したイオンミストが放電極12の周囲に長時間漂うことが防止されるので、大量のイオンミストを継続的に発生させることができるとともに、この大量に発生させたイオンミストを対象物にまで素早く届けることができる。しかも、誘引流路R3は加熱部5を避けて形成しているからイオンミストが誘引流路R3を通る空気の熱によって蒸発を生じることは防止されるものである。
そして、この誘引流路R3中に、本体ブロック40側から静電霧化ブロック50内に送り込まれる空気を、放電極12近傍において該放電極12の軸心と略平行な方向に整流する整流部27を備えることも好ましく、このようにすることで、放電極12の特に先端部分の近傍において空気の流れが安定し、したがって静電霧化現象が安定的に生じて粒径の安定したイオンミストが大量に発生するものである。
また、本体ブロック40と静電霧化ブロック50との間に、本体ブロック40の送風部4から送り出される空気が静電霧化ブロック50内に流入することを防止する隔壁30を備えることも好ましい。このようにした場合には、静電霧化ブロック50内で静電霧化現象を十分に生じさせて完成度の高いイオンミストとした後に、このイオンミストを外部に向けて吐出することができるものである。
更に、本体ブロック40の加熱部5による加熱と、静電霧化ブロック50の放電極12に保持した液体への電圧印加とを制御する制御部8を、加熱部5により加熱を行う場合には放電極12に保持した液体への電圧印加を停止させるように備えることも好ましい。このようにすることで、イオンミストが蒸発することが更に確実に防止されるものである。
また、放電極12に保持した液体との間で高電圧を印加するための電極13を備えることも好ましい。
また、電極13を備え、放電極12から該電極13側に向けて前記イオンミストを飛び出させることも好ましい。
このとき、前記電極13の外側には、保護カバー22を固定させていることが好ましい。これにより、手が触れることを防止して安全を確保することができる。
本発明は、加熱部の発する熱によって蒸発を生じ難いミストを吐出し、対象物にまで十分な量のミストを届けることができるという効果を奏する。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。図1には、本発明の実施の形態における一例の加熱送風装置の全体を示している。この加熱送風装置はヘアードライヤであって、吸入口1と吐出口2とを有する風洞型の本体ケース3内に、ファンから成る送風部4とヒータから成る加熱部5とを、本体ケース3内の吸入口1から吐出口2までの流路中において加熱部5が送風部4の下流側に位置するように備えている。また、本体ケース3内の吸入口1から吐出口2に至る流路のうち、加熱部5や吐出口2が位置する下流側の部分は、共に両端の開口した円筒型部材である内筒部9と外筒部10とを同軸上に配した二層筒構造に形成しており、この内筒部9内にのみ加熱部5を配することで、内筒部9内の流路(以下、これを温風流路R1という)を通過する空気が加熱されて温風となり、内筒部9と外筒部10との隙間の流路(以下、これを冷風流路R2という)を通過する空気は加熱部5による加熱をされずに冷風の状態に保たれるようにしている。吐出口2は温風流路R1側の吐出口である温風吐出口2aと冷風流路R2側の吐出口である冷風吐出口2bとに内筒部9を介して分割されており、中心側に形成される温風吐出口2aから外部に向けて温風が吐出されるとともに該温風吐出口2aの周囲に内筒部9を隔壁として形成される冷風吐出口2bから外部に向けては冷風が吐出されるようになっている。また、本体ケース3に突設してあるハンドル部6には電源スイッチ7を設けており、電源スイッチ7の操作に基づいて送風部4や加熱部5や後述の高電圧印加部15への電力供給を制御する制御部8を内蔵させている。
本例の加熱送風装置の本体ブロック40は上記構成を具備して成るものであるが、この本体ブロック40の本体ケース3の下流側外殻部分を成す外筒部10の外側面には、円周方向に等間隔を隔てた個所に一対の静電霧化ブロック50を固定している。静電霧化ブロック50は図2にも示すように、霧化させる為の水を貯めておくタンク11と、鋭利な円錐状の先端部12aを有するとともに該先端部12aの逆側である基端部12b側がタンク11内の水と接触するように配された多孔質な吸水体から成る棒状の放電極12と、放電極12の先端部12aと対向して位置するリング状の対向電極13と、対向電極13と放電極12との間に高電圧を印加する高電圧印加部15とを具備したものである。
上記静電霧ブロック50において、高電圧印加部15によって対向電極13と放電極12との間に放電極12側がマイナス電極となって先端部12aに電荷が集中するように高電圧を印加すると、タンク11側から放電極12内に搬送されてきた水と対向電極13との間に高電圧が印加されることとなる。そして、放電極12の先端部12aにまで搬送されてきた水がマイナス電荷を伴って対向電極13側に向けて飛び出し、空気中の高電界中を漂う間にレイリー分裂を繰り返して最終的にナノメータサイズのイオンミスト(以下、これをナノイオンミストMという)となる静電霧化現象を生じ、このナノイオンミストMがミスト吐出口17を介して外部へと吐出されるようになっている。
静電霧化ブロック50の上記各部材は、静電霧化ブロック50の外殻を成す筒状の静電霧化ケース18に固定されている。静電霧化ケース18の軸方向の一端側底部には嵌合穴19を貫設しており、この嵌合穴19に、先端部12a側が静電霧化ケース18内に位置して基端部12b側が外部に突出するように放電極12を嵌め込むとともに、放電極12の外部に突出した基端部12bを、静電霧化ケース18の外面に着脱自在に連結させたタンク11により水密に覆うようになっている。静電霧化ケース18の嵌合穴19と放電極12との間、及び、静電霧化ケース18とタンク11との間には、それぞれOリング20を介在させており、これによってタンク11内の水が外部に漏れることを防止している。また、タンク11には、空気は通過させるが水は表面張力の作用によって漏洩させることがない程度の微細な空気穴21を穿設しており、上記空気穴21からの空気の吸入によって、タンク11内の水が搬送されてもタンク11内の圧力が低下することは防止されている。
静電霧化ケース18内で発生させたナノイオンミストMを外部に吐出させるミスト吐出口17は、静電霧化ケース18の嵌合穴19を設けてある側と逆側の端部に開口させている。対向電極13はこのミスト吐出口17内に固定させており、対向電極13の外側には更に保護カバー22を固定させている。保護カバー22には人間の指先が通らない程度の穴を貫設しており、対向電極13や放電極12に手が触れることを防止して安全を確保している。
また、静電霧化ケース18の、ミスト吐出口17を開口させてある側と逆側の(即ち、嵌合穴19を設けてある側の)端部の外側面には空気引き込み口23を開口させており、静電霧化ブロック50を本体ブロック40の外筒部10に固定した際に、外筒部10に開口させてある分岐口24とこの空気引き込み口23が連通するように設けている。静電霧化ケース18の空気引き込み口23の開口縁からは、静電霧化ブロック50を本体ブロック40の外筒部10に固定した際に該外筒部10の分岐口24内に差込まれる凸片25を突設しており、本体ブロック40内の冷風流路R2を通る空気が凸片25に当った後に放電極12の中心軸と略直交する方向に向きを変え、分岐口24を介して冷風流路R2から分流されるとともに空気引き込み口23を通って静電霧化ケース18内に引き込まれるようになっている。静電霧化ケース18内に引き込まれた空気は、上流側にて引き込み口23と連通し且つ下流側にて放電極12の静電霧化ケース18内における根元部分12cの周囲を覆うように形成される流路形成部26によって、放電極12の軸心と略平行な方向に向きを変え、放電極12近傍を該放電極12に沿って通過した後にリング状を成す対向電極13の中央穴や保護カバー22の穴を通過し、ミスト吐出口17から外部へと吐出される。このとき、放電極12の先端部12aから発生するナノイオンミストMはミスト吐出口17を通って外部へと誘引されることとなる。即ち、上記の各構成によって、本体ブロック40内の送風部4から静電霧化ブロック50内の放電極12に向けて空気を送り込んでナノイオンミストMを外部へと誘引する流路(以下、これを誘引流路R3という)を、冷風流路R2から分岐させて形成している。
図中の27は誘引流路R3中に配された整流部であり、放電極12の流路形成部26に囲まれる根元部分12cにこれを嵌合させ、流路形成部26との間に周方向に等間隔を隔てて複数の整流穴28を形成するように位置させることで、本体ブロック40側から静電霧化ブロック50内に送り込まれる空気を、整流穴28を介して放電極12の軸心と略平行な方向に整流するものである。これにより、放電極12の特に先端部12a近傍での空気の流れを均等化及び安定化させることができ、静電霧化現象を安定的に生じさせて粒径の安定したナノイオンミストMを大量に発生させることが可能になっている。図3(a)には、本例のような整流部27を設けていない場合を示しているが、この場合には図示のように静電霧化ブロック50内に引き込まれた空気が放電極12に直接当って乱れを生じた状態で放電極12の先端部12a近傍を通過していることが分かる。
また、本例の整流部27においては、流路形成部26の内周面との間で整流穴28を形成する外周面のうち、上流側半部27aを放電極12の軸心と平行に形成するとともに、下流側半部27bを下流側にいくほど放電極12に近付くように形成しているので、整流穴28を通過して放電極12の先端部12a近傍を通過する空気は、放電極12の軸心と略平行ではあるものの、下流側にいくほど放電極12に僅かに接近して放電極12の先端部12aに集中して当る程度傾くようになっている。図3(b)には整流部27の別形態として、流路形成部26の内周面との間で整流穴28を形成する外周面を軸方向の全体に亘って放電極12の軸心と平行に設けた場合を示しており、また、図3(c)には整流部27の更に別形態として、流路形成部26の内周面との間で整流穴28を形成する外周面を軸方向の全体に亘って下流側にいくほど放電極12に近付くように形成した場合を示しているが、上記の別形態によっても、静電霧化ブロック50内に引き込まれた空気を放電極12の先端部12aに集中して当てることが可能である。各整流穴28から先端部12aに集中して当てられた空気は、その後に放電極12の軸心と略平行な方向に向けて流され、ナノイオンミストMを乗せてミスト吐出口17から外部へと吐出されることとなる。
ミスト吐出口17から外部に吐出されるナノイオンミストMの吐出方向は放電極12の軸心方向と平行であり、また、放電極12と対向電極13との対向方向とも平行であるが、本例においてはこのナノイオンミストMの吐出方向が本体ブロック40の吐出口2からの空気の吐出方向と略平行となるように設定している。これにより、静電霧化ブロック50から外部に吐出させたナノイオンミストMを本体ブロック40から外部に吐出させた空気の流れに乗せ、距離を隔てた個所にある対象物にまでナノイオンミストMを素早く且つ大量に到達させることが可能になっている。また、本例の静電霧化ブロック50においては、ミスト吐出口17からのナノイオンミストMの吐出方向を、本体ブロック40の吐出口2からの吐出方向と略平行ではあるものの、下流側にいく程にナノイオンミストMの流れが本体ブロック40からの空気の流れと接近して下流側の所定個所で交差する程度傾けて設定しているので、ナノイオンミストMが本体ブロック40から外部に吐出させた空気の流れに更に効果的に乗せられるようになっている。ナノイオンミストMの流れと本体ブロック40からの空気の流れとが交差する上記所定個所は、本例のようなヘアードライヤにおいては毛髪が位置する箇所に設定することが好ましいが、使用者によって毛髪までの距離が異なることから、本例中には示していないがナノイオンミストMの吐出方向を適宜変更可能な角度調整機構を備えてあることが望ましい。
しかして、上記構成を具備する本例の加熱送風装置において、通電により送風部4を駆動させると、吸入口1から外部の空気を吸入するとともに吸入した空気を本体ケース3内の流路を通過させた後に吐出口2から吐出させる風圧が発生する。本体ケース3の下流側部分は、二重筒構造によって加熱部5のある温風流路R1を内側に位置させ、加熱部5を避けて設けた冷風流路R2を外周側に位置させるとともに、両流路R1,R2を吸入口1から吐出口2に至る流路の途中から隔壁となる内筒部9を介して確実に分岐させることで形成しているので、通電により加熱部5からの発熱を生じさせた場合には、吐出口2の中で中心側に形成される温風吐出口2aから温風流路R1を通じて温風が吐出されると同時に、内筒部9を隔壁として温風吐出口2aの外周側に形成される冷風吐出口2bからは冷風が吐出されることとなる。なお、加熱部5への通電を行わずに送風部4を駆動させた場合には温風吐出口2aと冷風吐出口2bの両方(つまり吐出口2の全体)から冷風が吐出されることは勿論である。
そして、上記のように本体ブロック40の送風部4を駆動させることで、風洞状を成す本体ケース3の外周面に固定してある静電霧化ブロック50内には、本体ブロック40内の冷風流路R2の途中から分岐口24を介して分岐された誘引流路R3を通って空気が送り込まれ、放電極12と対向電極13の近傍を通過してミスト吐出口17から外部に吐出されることとなり、このとき放電極12と対向電極13の間に高電圧を印加してナノイオンミストMを発生させていれば該ナノイオンミストMを外部へと強く誘引することができる。静電霧化ブロック50から吐出されるナノイオンミストMは3〜100nm程度の粒径であるから、本体ブロック40の温風吐出口2aから吐出される温風と同時に外部に向けて吐出された場合であっても、温風の熱によって容易には蒸発を生じることがなく、したがって外部の距離を隔てた箇所にまで確実に届いて保湿等の様々な効果を発揮することができる。
ここで、本例においては静電霧化ブロック50を本体ブロック40の本体ケース3の外側に位置させ、ミスト吐出口17を本体ブロック40の本体ケース3の外側に開口させているので、ミスト吐出口17から外部に吐出されたナノイオンミストMが加熱部5の発する熱に晒されて蒸発してしまうことが更に確実に防止されている。加えて、ミスト吐出口17と温風吐出口2aとの間に冷風吐出口2bを位置させているので、ナノイオンミストMと温風との間に冷風吐出口2bから吐出される冷風が介在するようになっており、したがってミスト吐出口17から外部に吐出されたナノイオンミストMが温風吐出口2aから吐出された温風の熱に晒されて蒸発することが更に確実に防止されている。
また、本例の誘引流路R3は送風部4から加熱部5を避けて空気が送り込まれるように形成しているので、加熱部5に通電をして温風吐出口2aから温風を吐出させている場合であっても誘引流路R3内には常に冷風が送り込まれるようになっており、これによってナノイオンミストMが誘引流路R3を通って導入された温風に晒されて蒸発してしまうことが防止されている。
図4には、制御部8による送風部4や加熱部5や高電圧印加部15への通電制御の例を示している。図中下側の表中に記してある○印は上記各部4,5,15への通電がオン状態にある場合を示し、×印は上記各部4,5,15への通電がオフ状態にある場合を示しているのだが、図示のように加熱部5による加熱を行って温風吐出口2aから温風を吐出させる場合には高電圧印加部15による放電極12と対向電極13との間の電圧印加を停止させてミスト吐出口17からナノイオンミストMを吐出させないような通電制御を行い、加熱部5による加熱を行わず温風吐出口2aからも冷風を吐出させる場合にのみ放電極12と対向電極13との間の電圧印加を行ってミスト吐出口17からナノイオンミストMを吐出させるような通電制御を行った場合には、ナノイオンミストMが温風の熱に晒されて蒸発することが更に確実に防止されることとなる。即ち、図示の通電制御は、本例のようなヘアードライヤにおいて最初に温風を当てて毛髪の乾燥させた後にナノイオンミストMを乗せた冷風を当てて毛髪に潤い等を与えるといった使用方法に適した制御である。
なお、本例の加熱送風装置は静電霧化ブロック50を二個備えたものであるが、これに限らず三以上の複数個の静電霧化ブロック50を備えたものであっても構わない。図5(a)、(b)、(c)にはそれぞれ静電霧化ブロック50を三個、四個、八個備えた場合を示しているが、いずれの場合においても各静電霧化ブロック50を本体ケース3の外周面上の円周方向に等間隔を隔てた個所に位置させることで、空気の当て方に依らずナノイオンミストMを対象物にまで安定供給することができる。また、本例においては放電極12の先端部12aにまで水を供給する供給手段として多孔質体から成る放電極12やタンク11を用いているが、これに限らず例えば冷却により結露等が生じることを利用して放電極12部分に水を直接生成するといった他の手段を用いても構わない。更に、本例においては霧化させる液体として水を用いているが、これに限らず例えばトリートメント剤や芳香剤、アロマオイル等の他の液体を用いても構わない。
また、本例においては加熱送風装置の実施の形態としてヘアードライヤを示しているが、ファンヒータ等の他の加熱送風装置においても同様の構成を適用することで同様の効果が得られることは勿論である。
次に、本発明の実施の形態における他例の加熱送風装置について図6に基づいて説明する。なお、本例の構成のうち一例の構成と一致する構成については同一符号を付して詳しい説明を省略し、一例と相違する特徴的な構成についてのみ異符号を付して以下に詳しく説明をする。
本例の加熱送風装置においては、静電霧化ブロック50に一例のような空気引き込み口23や流路形成部26を設けておらず、したがって誘引流路R3が形成されていないので本体ブロック40の送風部4から送り出された空気が静電霧化ブロック50の静電霧化ケース18内にまで流入しないようになっている。即ち、本例においては静電霧ケース18の側壁や本体ケース3の外筒部10の側壁が、本体ブロック40の送風部4から送り出される空気が静電霧化ブロック50内に流入することを防止する隔壁30を成しているのだが、静電霧化ケース18のミスト吐出口17を開口させている側と逆側の端部底面に複数の整流穴28を穿設してあることで、ナノイオンミストMは放電極12から対向極13に向けて生じるイオン風に乗ってミスト吐出口17から問題なく外部へと吐出されるようになっている。
つまり、本例の加熱送風装置においては静電霧化ブロック50内に強制的に空気を導入するのではなくイオン風に乗せてナノイオンミストMを吐出させるに留めているので、放電極12の先端部12aから対向電極13側に向けて飛び出した水の粒子が高電界中を漂う間にレイリー分裂を十分に繰返させ、完成度の高いナノイオンミストMとしてから外部に吐出させることが可能になっている。
本発明の実施の形態における一例の加熱送風装置の構造を示す説明図である。 同上の加熱送風装置に備えられる静電霧化ブロックの構造を示す説明図である。 同上の静電霧化ブロック内の整流部と空気の流れを示す説明図であり、(a)は整流部を備えない場合、(b)は別形態の整流部を備えた場合、(c)は更に別形態の整流部を備えた場合である。 同上の加熱送風装置の制御例を示す説明図である。 同上の加熱送風装置の静電霧化ブロックを多数配した場合を示す説明図であり、(a)は三個配した場合、(b)は四個配した場合、(c)は八個配した場合である。 本発明の実施の形態における他例の加熱送風装置の構造を示す説明図である。
1 吸入口
2 吐出口
2a 温風吐出口
2b 冷風吐出口
3 本体ケース
4 送風部
5 加熱部
8 制御部
12 放電極
13 対向電極
17 ミスト吐出口
27 整流部
30 隔壁
40 本体ブロック
50 静電霧化ブロック
R1 温風流路
R2 冷風流路
R3 誘引流路

Claims (10)

  1. 吸入口と吐出口とを有する本体ケース内に、吸入口から吸入した空気を吐出口から吐出させる送風部と、送風部の下流側にて空気を加熱する加熱部とを備えて成る本体ブロックに、錐状の先端部を有する放電極と放電極に液体を供給する供給手段とを有し、放電極の先端部に保持された液体に対して粒径が3〜100nmであるナノメータサイズのイオンミストを発生させるための高電圧を印加して該イオンミストをミスト吐出口から外部吐出させる静電霧化ブロックを備えるとともに、静電霧化ブロックからミスト吐出口を介して外部に吐出されるイオンミストの吐出方向を、本体ブロックから吐出口を介して外部に吐出される空気の吐出方向と略平行に設けることを特徴とする加熱送風装置。
  2. 静電霧化ブロックのミスト吐出口を、本体ブロックの本体ケースの外側に開口させることを特徴とする請求項1に記載の加熱送風装置。
  3. 本体ブロックの吐出口として、加熱部に加熱されて送り込まれた空気を外部に向けて吐出する温風吐出口と、加熱部を避けて送り込まれた空気を外部に向けて吐出する冷風吐出口を設けるとともに、前記冷風吐出口を、温風吐出口と静電霧化ブロックのミスト吐出口との間に位置させることを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱送風装置。
  4. 本体ブロック内の送風部から静電霧化ブロック内の放電極に向けて空気を送り込んでイオンミストを外部へと誘引する誘引流路を、加熱部を避けて設けることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の加熱送風装置。
  5. 誘引流路中に、本体ブロック側から静電霧化ブロック内に送り込まれる空気を、放電極近傍において該放電極の軸心と略平行な方向に整流する整流部を備えることを特徴とする請求項4に記載の加熱送風装置。
  6. 本体ブロックと静電霧化ブロックとの間に、本体ブロックの送風部から送り出される空気が静電霧化ブロック内に流入することを防止する隔壁を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の加熱送風装置。
  7. 本体ブロックの加熱部による加熱と、静電霧化ブロックの放電極に保持した液体への電圧印加とを制御する制御部を、加熱部により加熱を行う場合には放電極に保持した液体への電圧印加を停止させるように備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の加熱送風装置。
  8. 放電極に保持した液体との間で高電圧を印加するための電極を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の加熱送風装置。
  9. 電極を備え、放電極から該電極側に向けて前記イオンミストを飛び出させることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の加熱送風装置。
  10. 前記電極の外側には、保護カバーを固定させていることを特徴とする請求項8又は9に記載の加熱送風装置。
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