JP4305295B2 - ディーゼルエンジンの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ディーゼルエンジンの制御装置に関する。
ディーゼルエンジンの排気ガス中には有害なNOXが含まれており、このNOXを浄化するために、機関排気系にNOX吸蔵剤を担持するNOX吸蔵還元触媒装置を配置することが提案されている。また、パティキュレートフィルタにNOX吸蔵剤を担持させて、NOXの浄化と共にパティキュレートを捕集させることも提案されている。NOX吸蔵剤は、近傍雰囲気の酸素濃度が高い時にNOXを硝酸塩の形で吸蔵し、近傍雰囲気の酸素濃度が低くなると吸蔵したNOXを放出するものである。
それにより、NOX吸蔵剤は、空気過剰のもとで燃焼が行われるディーゼルエンジンの排気ガス中からNOXを良好に吸蔵する。しかしながら、NOX吸蔵還元触媒装置へ硝酸塩の形で吸蔵されるNOX貯蔵可能量は有限であるために、このNOX貯蔵可能量に達する以前に、近傍空燃比を理論空燃比又はリッチ空燃比にし、NOX吸蔵還元触媒装置からNOXを放出させると共に雰囲気中の還元成分によって放出したNOXを還元浄化するNOX再生処理を実施する必要がある。
また、燃料中の硫黄Sは、SOXとして排気ガス中に含まれ、硫酸塩の形でNOX吸蔵還元触媒装置に吸蔵されてNOX吸蔵可能量を減少させる。それにより、NOX吸蔵還元触媒装置からSOXを放出させて還元浄化するS被毒回復処理を実施する必要がある。硫酸塩は硝酸塩より安定な物質であるために、S被毒回復処理は、NOX吸蔵還元触媒装置を昇温させた後に近傍雰囲気を理論空燃比又はリッチ空燃比とすることとなる。
ところで、ディーゼルエンジンにおいて多量の排気ガスを気筒内へ再循環させると、理論空燃比又はリッチ空燃比での燃焼が可能となるために、排気ガス再循環通路を機関吸気系におけるターボチャージャ・コンプレッサの上流側に接続して、多量の排気ガス再循環を可能とすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。こうして、NOX吸蔵還元触媒装置のNOX再生処理又はS被毒回復処理に際して、この理論空燃比又はリッチ空燃比での燃焼が実施される。
特開2000−008835 特開平08−061052 特開平09−112254 特開平09−112257
しかしながら、前述の理論空燃比又はリッチ空燃比での燃焼は、多量の排ガスを再循環させる必要があり、排気ガス再循環の応答遅れによってこれを直ぐに実現することはできないために、この燃焼によるNOX吸蔵還元触媒装置のNOX再生処理及びS被毒回復処理を直ぐに開始することはできない。
また、NOX再生及びS被毒回復の処理中及びその直後においては、加速要求があっても、理論空燃比又はリッチ空燃比での燃焼において多量の排気ガスを再循環させているために、機関吸気系におけるターボチャージャ・コンプレッサの下流側の比較的長い部分には多量に排気ガスが存在しており、この排気ガスが気筒内へ供給された後でなければ、気筒内の新気量を十分に増加させることはできない。こうして、新気量が増加しなければ噴射燃料を増量することはできず、加速要求時において直ぐに機関出力を高めて加速を開始することはできない。
従って、本発明の目的は、多量の排気ガス再循環により理論空燃比又はリッチ空燃比での燃焼を可能とするディーゼルエンジンの制御装置であって、理論空燃比又はリッチ空燃比での燃焼による触媒装置又はパティキュレートフィルタのNOX再生又はS被毒回復の処理要求に対して処理を早期に開始可能とすると共に、NOX再生又はS被毒回復の処理中及びその直後の加速要求に対して早期に加速を開始可能とすることである。
本発明による請求項1に記載のディーゼルエンジンの制御装置は、煤の発生を最大とする再循環排気ガス量より多量の排気ガスを気筒内へ再循環して理論空燃比又はリッチ空燃比での燃焼を可能とするディーゼルエンジンの制御装置において、機関排気系に配置されてNO吸蔵剤を担持する触媒装置又はパティキュレートフィルタのNO再生又はS被毒回復の処理に際し、一部気筒においては理論空燃比又はリッチ空燃比での前記燃焼を実施し、残りの気筒においては吸気弁及び排気弁を閉弁させたまま燃焼を休止させることを特徴とする。
本発明による請求項2に記載のディーゼルエンジンの制御装置は、煤の発生を最大とする再循環排気ガス量より多量の排気ガスを気筒内へ再循環して理論空燃比又はリッチ空燃比での燃焼を可能とするディーゼルエンジンの制御装置において、前記ディーゼルエンジンは、一方の気筒群の機関排気系と他方の気筒群の機関排気系とが互いに独立しており、一方の気筒群の機関排気系に配置されてNO吸蔵剤を担持する触媒装置又はパティキュレートフィルタのNO再生又はS被毒回復の処理に際し、一方の気筒群においては理論空燃比又はリッチ空燃比での前記燃焼を実施し、他方の気筒群においては燃焼を休止させることを特徴とする。
本発明による請求項1に記載のディーゼルエンジンの制御装置によれば、NOX吸蔵剤を担持する触媒装置又はパティキュレートフィルタのNOX再生又はS被毒回復の処理に際し、一部気筒以外の残りの気筒において燃焼を休止させている。それにより、機関出力を維持するために一部気筒においては必然的に燃料噴射量が増量される。こうして増量された燃料噴射量に対して所望の理論空燃比又はリッチ空燃比での燃焼を実施するために必要な一部気筒における新気量は、全気筒で所望の理論空燃比又はリッチ空燃比の燃焼を実施する場合に比較して多くなり、それにより、一部気筒において、リーン空燃比の燃焼時から増量させる再循環排気ガス量はそれほど多くはない。
こうして、排気ガス再循環の応答遅れに対しても、一部気筒において所望の理論空燃比又はリッチ空燃比での燃焼が早期に実現可能であり、触媒装置又はパティキュレートフィルタのNOX再生又はS被毒回復の処理を早期に開始することができる。この時において、休止させた残り気筒では吸気弁及び排気弁が閉弁されているために、残り気筒の排気ガスが一部気筒の理論空燃比又はリッチ空燃比の排気ガスを希薄にすることはない。
また、NOX再生又はS被毒回復の処理中及びその直後の加速要求に対しては、残り気筒において燃焼を開始することにより機関出力を高めて早期に加速を開始することができる。また、NOX再生又はS被毒回復の処理中において、一部気筒へはそれほど多量の排気ガスを再循環させていないために、機関吸気系に多量の再循環排気ガスが存在することはなく、加速要求時には残り気筒へも十分な量の新気を供給することができる。それにより、加速要求に対して、残り気筒では吸気弁及び排気弁を作動させると共に燃料噴射を開始し、一部気筒では噴射燃料を減量することにより、全気筒の燃料噴射量をほぼ等しくして全気筒でリーン空燃比での燃焼を開始するようにしても、十分に機関出力を高めて加速を早期に開始することができる。
また、本発明による請求項2に記載のディーゼルエンジンの制御装置によれば、一方の気筒群の機関排気系と他方の気筒群の機関排気系とが互いに独立しており、一方の気筒群の機関排気系に配置されてNOX吸蔵剤を担持する触媒装置又はパティキュレートフィルタのNOX再生又はS被毒回復の処理に際し、一方の気筒群においては理論空燃比又はリッチ空燃比での前記燃焼を実施し、他方の気筒群においては燃焼を休止させている。それにより、請求項1に記載のディーゼルエンジンの制御装置と同様に、NOX再生又はS被毒回復の処理を早期に開始することができ、また、NOX再生又はS被毒回復の処理中及びその直後において、加速要求があっても、早期に加速を開始することができる。また、ディーゼルエンジンにおいて、一方の気筒群の機関排気系と他方の気筒群の機関排気系とが互いに独立しているために、NOX再生又はS被毒回復の処理中において、他方の気筒群での気筒休止に際して他方の気筒群から空気及び再循環排気ガスがそのまま排出されても、これが一方の気筒群の触媒装置又はパティキュレートフィルタへ供給されて一方の気筒群からの理論空燃比又はリッチ空燃比の排気ガスを希薄にすることはない。
図1は、本発明による制御装置を備えるディーゼルエンジンを示す概略図である。同図において、1は、例えば、V型8気筒のディーゼルエンジン本体であり、第一バンク1a及び第二バンク1bにはそれぞれ4気筒が配置されている。各気筒の吸気弁(図示せず)及び排気弁(図示せず)は、例えば、電磁又は油圧式アクチュエータによって開閉され、又は、電動カムシャフト等によって開閉され、吸気弁及び排気弁を閉弁したままの気筒休止が可能となっている。2は両バンク共通のエアクリーナであり、エアクリーナ2の下流側は、第一吸気通路3aと第二吸気通路3bとに分岐し、第一吸気通路3aは、第一ターボチャージャの第一コンプレッサ4a、両バンク共通のインタークーラ5、及び、第一インテークマニホルド6aを介して第一バンク1aへ接続され、一方、第二吸気通路3bは、第二ターボチャージャの第二コンプレッサ4b、両バンク共通のインタークーラ5、及び、第二インテークマニホルド6bを介して第二バンク1bへ接続されている。
第一吸気通路3aにおいてインタークーラ5と第一インテークマニホルド6aとの間には、第一スロットル弁7aが配置され、一方、第二吸気通路3bにおいてインタークーラ5と第二インテークマニホルド6bとの間には、第二スロットル弁7bが配置されている。各気筒は、ストレートポート及びヘリカルポートを有する吸気二弁式であるために、第一インテークマニホルド6a及び第二インテークマニホルド6bは、それぞれ、一気筒に対して二又に分岐して、その一方にはスワールコントロール弁(図示せず)が配置され、それによりストレートポート側を閉鎖すれば、ヘリカルポートを介して供給される吸気によって気筒内にスワールを生成することができる。
第一バンク1aには、第一エキゾーストマニホルド8aを介して第一排気通路9aが接続され、第一排気通路9aは、第一ターボチャージャの第一タービン10a、第一パティキュレートフィルタ11a、及び、第一NOX吸蔵還元触媒装置12aを介して大気へ通じている。また、第二バンク1bには、第二エキゾーストマニホルド8bを介して第二排気通路9bが接続され、第二排気通路9bは、第二ターボチャージャの第二タービン10b、第二パティキュレートフィルタ11b、及び、第二NOX吸蔵還元触媒装置12bを介して大気へ通じている。
13aは第一排気ガス再循環通路であり、第一排気通路9aの第一NOX吸蔵還元触媒装置12aの下流側と、第一吸気通路3aの第一コンプレッサ4aの上流側とを連通している。また、13bは第二排気ガス再循環通路であり、第二排気通路9bの第二NOX吸蔵還元触媒装置12bの下流側と、第二吸気通路3bの第二コンプレッサ4bの上流側とを連通している。第一排気ガス再循環通路13aの第一排気通路9a側には第一排気冷却装置(EGRクーラ)14aが配置され、第一吸気通路3a側には再循環排気ガス量を制御するための第一制御弁(EGR弁)15aが配置されている。また、第二排気ガス再循環通路13bの第二排気通路9b側には第二排気冷却装置(EGRクーラ)14bが配置され、第二吸気通路3b側には再循環排気ガス量を制御するための第二制御弁(EGR弁)15bが配置されている。
こうして、第一排気ガス再循環通路13aは、第一パティキュレートフィルタ11a及び第一NOX吸蔵還元触媒装置12aにより浄化された排気ガスを、第一コンプレッサ4aの上流側へ再循環させ、第二排気ガス再循環通路13bは、第二パティキュレートフィルタ11b及び第二NOX吸蔵還元触媒装置12bにより浄化された排気ガスを、第二コンプレッサ4bの上流側へ再循環させるようになっており、さらに、排気ガスは各排気冷却装置14a及び14bにより冷却されるために、非常に多量の排気ガス再循環が可能となる。それにより、各バンク1a,1bの気筒において、特許第3116876号に開示されている低温燃焼を実施することができる。もちろん、第一及び第二コンプレッサ4a,4bは、スーパーチャージャ等の過給機としても良い。
16aは第一蓄圧室であり、第一バンク1aの各気筒に配置された燃料噴射弁(図示せず)へ加圧燃料を供給する。また、16bは第二蓄圧室であり、第二バンク1bの各気筒に配置された燃料噴射弁(図示せず)へ加圧燃料を供給する。第一蓄圧室16aと第二蓄圧室16bとを互いに連通して、それぞれに等圧の燃料が蓄圧されるようにしても良い。
EGR率、すなわち、気筒内ガス量(新気量+再循環排気ガス量)に対する再循環排気ガス量の割合を増加させていくと、スモークの発生量が増大してピークに達する。次いで更にEGR率を増加させると、今度はスモークの発生量が低下し、遂には、煤がほとんど発生しなくなる。このように、煤の発生を最大とする再循環排気ガス量より多くの排気ガスを再循環させて煤を殆ど発生させない燃焼方式が低温燃焼である。燃料噴射量が多い高負荷ほど低温燃焼を実現するために必要な再循環排気ガス量は多くなり、それにより、前述の第一及び第二排気ガス再循環通路13a,13bにより各バンクの気筒において非常に多量の排気ガス再循環が可能となれば、機関負荷が比較的高い時まで低温燃焼が実施可能となる。
低温燃焼時にはNOX生成量も少なくなるが、全ての機関運転状態において低温燃焼を実施することはできず、依然として煤の発生を最大とする再循環排気ガス量より少なく排気ガスを再循環させる一般的なリーン燃焼空燃比の普通燃焼(拡散燃焼)も実施され、この時には比較的多量のNOXが生成される。それにより、NOXの浄化が必要とされる。
第一及び第二排気通路9a,9bにおける第一及び第二NOX吸蔵還元触媒装置12a,12bは、雰囲気中の空燃比がリーンのときにはNOXを吸蔵し、空燃比が理論空燃比又はリッチになると吸蔵したNOXを放出するNOX吸蔵剤を担持し、低温燃焼及び普通燃焼(拡散燃焼)に係らずに、リーン空燃比の排気ガスからNOXを良好に吸蔵する。
ところで、NOX吸蔵剤のNOX吸蔵能力には限度があり、NOX吸蔵剤のNOX吸蔵能力が飽和する前にNOX吸蔵剤からNOXを放出させる必要がある。すなわち、第一及び第二NOX吸蔵還元触媒装置12a,12bに吸蔵されているNOX量がNOX貯蔵可能量に達する以前に、NOXを放出させ還元浄化する再生の必要があり、そのためには、このNOX量を推定する必要がある。例えば、低温燃焼及び普通燃焼(拡散燃焼)が行われる時の単位時間当りのNOX吸蔵量を要求負荷及び機関回転数の関数としてそれぞれ予めマップ化しておき、これら燃焼毎の単位時間当りのNOX吸蔵量を積算することによって第一及び第二NOX吸蔵還元触媒装置12a,12bのそれぞれに吸蔵されているNOX量を推定することができる。
本実施形態では、このNOX吸蔵量が予め定められた許容値を越えた時に第一及び第二NOX吸蔵還元触媒装置12a,12bを再生するようになっている。前述した低温燃焼は、理論空燃比又はリッチ空燃比での燃焼が可能であるために、このNOX再生処理には、排気ガスの空燃比を所望の理論空燃比又はリッチ空燃比とする低温燃焼が実施される。
しかしながら、全気筒で所望の理論空燃比又はリッチ空燃比の低温燃焼を実施しようとすると、機関出力の増大を抑制するために各気筒の燃料噴射量は僅しか増大させることはできず、それにより、これまでのリーン空燃比の燃焼に比較して再循環排気ガス量をかなり増大させなければならないために、排気ガス再循環の応答遅れによって直ぐに低温燃焼を開始することはできない。
これに対して、本実施形態では、一方のバンク1a又は1bの気筒において所望の理論空燃比又はリッチ空燃比での低温燃焼を実施し、他方のバンク1a又は1bの気筒においては、吸気弁及び排気弁を閉弁したまま燃料噴射を中止して燃焼を休止させるようになっている。
図2のタイムチャートにおいて、時刻T1においてNOX再生処理を開始するために、両方のスロットル弁7a,7bを開度減少させると共に両方の制御弁15a,15bを開度増加させる。それにより、吸気量が減少すると共に再循環排気ガス量(EGR量)が増加する。全気筒で所望の理論空燃比又はリッチ空燃比での低温燃焼を実施させる場合には、僅かに増量する噴射燃料に対して、この所望空燃比の実現のために、それぞれ点線で示すように、吸気量をかなり減少させ、EGR量をかなり増加させる必要があり、時刻T3となって初めて所望の理論空燃比又はリッチ空燃比の低温燃焼が開始される。
一方、本実施形態では、他方のバンクの気筒は休止させるために、機関出力を維持するためには、一方のバンクの気筒において、噴射燃料のかなりの増量が必要である。それにより、一方のバンクの気筒において、かなり増量させる噴射燃料に対して、この所望空燃比の実現のために、それぞれ実線で示すように、吸気量を少量だけ減少させ、EGR量を少量だけ増加させれば良い。それにより、時刻T3となる以前の時刻T2において所望の低温燃焼を開始することができる。こうして、早期にNOX再生処理を開始することができる。
また、全気筒で所望の理論空燃比又はリッチ空燃比での低温燃焼を実施する場合には、NOX生成処理中及びその直後において、第一及び第二吸気通路3a,3bの各コンプレッサ4a,4bの下流側の比較的長い部分には、多量の再循環排気ガスが存在している。それにより、NOX再生処理中及びその直後において、加速要求があっても、この多量の排気ガスが気筒内へ供給された後でなければ、各気筒の新気量を十分に増量することはできず、こうして、加速要求から直に噴射燃料を増量して機関出力を高めることはできない。
これに対して、本実施形態では、一方のバンクの気筒だけで所望の理論空燃比又はリッチ空燃比での低温燃焼を実施するために、NOX再生処理中及びその直後において、加速要求があった時には、他方のバンクの気筒で燃焼を開始すれば、機関出力を高めて直に加速を開始することができる。また、NOX再生処理中及びその直後において、第一及び第二吸気通路3a,3bの各コンプレッサ4a,4bの下流側の比較的長い部分には、それほど多量の再循環排気ガスが存在しておらず、一方の気筒にも比較的多くの新気が供給されており、他方の気筒でも吸気弁を開弁すれば、比較的多くの新気が供給される。それにより、加速要求があった時には、他方の気筒で燃料噴射を開始すると共に一方の気筒では噴射燃料を減量し、各気筒で同じリーン空燃比の運転を実施しても直に機関出力を高めて加速を開始することができる。
ところで、燃料中にはイオウSが含まれており、このイオウSは気筒室内で酸素と反応してSOXとなる。従って排気ガス中にはNOXだけでなくSOXも含まれており、このSOXもNOXと同様なメカニズムによって第一及び第二NOX吸蔵還元触媒装置12a,12bに吸蔵される。NOXは硝酸塩として吸蔵されるのに対して、SOXは硝酸塩より安定な硫酸塩として吸蔵されるために、排気ガスの空燃比を単に理論空燃比又はリッチ空燃比としても放出させることはできず、徐々に吸蔵量が増加する。
それにより、例えば、積算された燃料噴射量に基づき第一及び第二NOX吸蔵還元触媒装置12a,12bのSOX吸蔵量を推定し、この推定量が設定量に達した時には、第一及び第二NOX吸蔵還元触媒装置12a,12bを所定温度へ昇温させ、その後に排気ガスの空燃比を理論空燃比又はリッチ空燃比としてSOXを放出させるS被毒回復処理を実施する。このS被毒回復処理においても、前述のNOX再生処理と同様に一方のバンクの気筒でだけ理論空燃比又はリッチ空燃比の低温燃焼を実施し、他方のバンクの気筒では燃焼を休止する。
こうして、一方のバンク1a又1bに対応するNOX吸蔵還元触媒装置12a又は12bのNOX再生処理又はS被毒回復処理が完了すれば、次に、他方のバンク1a又は1bにおいて所望の理論空燃比又はリッチ空燃比での低温燃焼を実施すると共に、一方のバンクにおいては燃焼を休止し、他方のバンク1a又は1bに対応するNOX吸蔵還元触媒装置12a又は12bにおいてNOX再生処理又はS被毒回復処理を実施する。このように、第一及び第二NOX吸蔵還元触媒装置において連続的にNOX再生処理又はS被毒回復処理を実施しても良いが、例えば、一方のNOX吸蔵還元触媒装置において、一回はNOX再生時期及びS被毒回復時期となる以前にNOX再生処理及びS被毒回復処理を実施して、第一及び第二NOX吸蔵還元触媒装置12a,12bが同時にNOX再生時期及びS被毒回復時期とならないようにすれば、その後は、NOX再生時期及びS被毒回復時期となったNOX吸蔵還元触媒装置12a又は12bに対して、対応するバンクにおいてだけ所望の理論空燃比又はリッチ空燃比での低温燃焼を実施するようにしても良い。
本実施形態において、燃焼を休止させるバンクの気筒では吸気弁及び排気弁を閉弁したままとし、対応するNOX吸蔵還元触媒装置12a又は12bへは比較的酸素濃度の高い再循環排気ガスと空燃比との混合ガスが流入しないようにしている。これはNOX吸蔵還元触媒に担持されている白金等の酸化触媒のシンタリングを抑制するためである。しかしながら、本実施形態のように、各バンクの排気系が互いに独立している場合において、シンタリングの問題がなければ、休止させるバンクの気筒において吸気弁及び排気弁を開閉させるようにしても良い。
もし、V型エンジン又は直列エンジン等において、機関排気系が単一である場合には、NOX吸蔵還元触媒装置のNOX再生処理又はS被毒回復処理において、一部の気筒で所望の理論空燃比又はリッチ空燃比の燃焼を実施し、残りの気筒を休止させれば良い。この場合においては、休止させた気筒において吸気弁及び排気弁を閉弁させたままとしないと、休止気筒からは吸入された再循環排気ガス及び空気がそのまま排出されてNOX吸蔵還元触媒装置へ供給されてしまうために、NOX吸蔵還元触媒装置内を所望の理論空燃比又はリッチ空燃比とすることができなくなる。それにより、この場合には、休止気筒においては、吸気弁及び排気弁を閉弁させたままとしなければならない。
第一排気通路9aの第一パティキュレートフィルタ11a及び第二排気通路9bの第二パティキュレートフィルタ11bにNOX吸蔵剤を担持させた場合には、第一パティキュレートフィルタ11a及び第二パティキュレートフィルタ11bにおいて同様なNOX再生処理及びS被毒回復処理が必要となる。しなしながら、パティキュレートフィルタにNOX吸蔵剤を担持させると、NOX吸蔵剤から放出される活性酸素によって捕集パティキュレートを自動的に酸化除去することができる。
本発明による制御装置を備えたディーゼルエンジンの概略図である。 吸気量、噴射量、EGR量、及び、A/Fのタイムチャートである。
符号の説明
1 ディーゼルエンジン本体
2 エアクリーナ
3a 第一吸気通路
3b 第二吸気通路
4a 第一コンプレッサ
4b 第二コンプレッサ
9a 第一排気通路
9b 第二排気通路
12a 第一NOX吸蔵還元触媒装置
12b 第二NOX吸蔵還元触媒装置
13a 第一排気ガス再循環通路
13b 第二排気ガス再循環通路

Claims (2)

  1. 煤の発生を最大とする再循環排気ガス量より多量の排気ガスを気筒内へ再循環して理論空燃比又はリッチ空燃比での燃焼を可能とするディーゼルエンジンの制御装置において、機関排気系に配置されてNO吸蔵剤を担持する触媒装置又はパティキュレートフィルタのNO再生又はS被毒回復の処理に際し、一部気筒においては理論空燃比又はリッチ空燃比での前記燃焼を実施し、残りの気筒においては吸気弁及び排気弁を閉弁させたまま燃焼を休止させることを特徴とするディーゼルエンジンの制御装置。
  2. 煤の発生を最大とする再循環排気ガス量より多量の排気ガスを気筒内へ再循環して理論空燃比又はリッチ空燃比での燃焼を可能とするディーゼルエンジンの制御装置において、前記ディーゼルエンジンは、一方の気筒群の機関排気系と他方の気筒群の機関排気系とが互いに独立しており、一方の気筒群の機関排気系に配置されてNO吸蔵剤を担持する触媒装置又はパティキュレートフィルタのNO再生又はS被毒回復の処理に際し、一方の気筒群においては理論空燃比又はリッチ空燃比での前記燃焼を実施し、他方の気筒群においては燃焼を休止させることを特徴とするディーゼルエンジンの制御装置。
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