JP4305191B2 - 車両用衝突推定装置 - Google Patents

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本発明は、車両に搭載され、進路上の障害物を検知して、障害物との衝突可能性を推定する車両用衝突推定装置に関する。
車両の走行を支援するシステムとして、対向車との接触を回避するため、自動的に操舵を行う装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、対向車と自車の現在の進行方向、速度に基づいて最接近時の横方向距離(相対横偏差)を算出し、衝突可能性がある場合には、自動的に回避操舵を行う。そして、車線数、カーブ状態、混雑状態によってこの相対横偏差を補正することで衝突判定の誤判定を低減している。
特開2003−67396号公報
しかしながら、この技術は、基本的に対向車・自車ともに現在の進行方向・速度のまま進行することを前提としているといえ、実際の車両の挙動と必ずしも合致していない。道路状況を考慮するために補正係数を導入しているが、車両挙動の変化までも考慮したものとはいえないので、誤判定を行う可能性がある。
そこで本発明は、実際の車両挙動に則して判定精度を向上させた車両用衝突推定装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る車両用衝突推定装置は、車両の進路上の物体を検出する物体検出手段と、自車と検出した物体との衝突可能性を判定する衝突可能性判定手段とを備える車両用衝突推定装置において、検出した物体が自車方向へ所定速度以上の速度で向かっている場合に、検出した物体自体が自車両に対して横方向への衝突回避動作を行う可能性があると判定する回避可能性判定手段をさらに備え、衝突可能性判定手段は自車両の衝突回避動作と、回避可能性判定手段で検出した物体が衝突回避動作を行う可能性があると判定した場合は、その回避動作を考慮して衝突可能性の判定を行うことを特徴とする。
本発明に係る車両用衝突推定装置は、衝突可能性が高い、つまり、不可避に近い場合を判定する。そのために、自車両が衝突回避動作をとるだけでなく、対向車を含む障害物についても可能ならば衝突回避動作をとることを前提として、障害物が横方向に衝突回避動作をとる可能性を判定し、相互に衝突を回避する軌跡を走行した場合の衝突可能性を判定する。
衝突回避動作を考慮して衝突可能性を判定することで、衝突を回避できる可能性が高い場合でも衝突の可能性が高いと判定する誤判定を減らすことができる。このため、正確な判定を行うことができる。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の参照番号を附し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明に係る車両用衝突推定装置を搭載した車両を示す概略構成図であり、図2は、この車両用衝突推定装置3を含む車両制御装置2のブロック構成図である。車両1に搭載されている車両制御装置2は、装置全体の制御を行う制御ECU20と、車両前方を電波によりスキャンして障害物を検出する第1の物体検出手段であるミリ波レーダ21と、前方画像を取得して画像認識によって障害物を検出する第2の物体検出手段である画像認識手段22と、衝突時における乗員への危険を軽減する危険軽減手段としてのシートベルト装置23、エアバッグ装置24、ブレーキ装置25、自動操舵装置26、歩行者保護装置27を備えている。
ここで、図1は、右ハンドル車の例であり、シートベルト装置23としては、運転席用のシートベルト装置23bと助手席用シートベルト装置23aのみを示し、エアバッグ装置24としては、助手席用のエアバッグ装置のみを示している。
画像認識手段22は、車両前方の画像(映像)を取得する撮像手段であるカメラ221と取得した画像から画像認識によって障害物を取得する画像処理ECU222からなる。ここで、カメラ221は、ステレオカメラであることが好ましい。画像処理ECU222は、CPU、ROM、RAM等から構成される。
シートベルト装置23a、23bは、それぞれシートベルト本体231a、231bとシートベルト巻取装置230a、230bからなる。以下、a、bの符号は特に区別する必要がある場合を除いて省略する。エアバッグ装置24は、エアバッグ本体241と図示していない着座センサ等を含むエアバッグ制御装置240からなる。ブレーキ装置25は、各車輪に取り付けられた図示していないディスクブレーキあるいはドラムブレーキと各ブレーキを作動させる油圧式のホイールシリンダ251と各ホイールシリンダ251へ付与される油圧を制御するブレーキアクチュエータ250からなる。自動操舵装置26は、操舵系の作動を制御するステアリング制御装置260と、操舵系に接続されて操舵力を付与する電動式のアシストモータ261とを有している。
ミリ波レーダ21と、画像処理ECU222の出力は制御手段である制御ECU20の衝突判定部201に入力されており、制御ECU20は、エアバッグ制御装置240、シートベルト巻取装置230、ブレーキアクチュエータ250の作動を制御する。制御ECU20には、さらに、ヨーレートセンサ51、Gセンサ52、車速センサ53、ブレーキスイッチ54等から車両の各種状態量が入力されるほか、スロットル61、変速手段62等の作動も制御する。
この制御ECU20も画像処理ECU222と同様にCPU、ROM、RAM等から構成される。なお、画像処理ECU222と、制御ECU20とは、ハード的に一体化または一部を共有する構成とされていてもよく、ソフトウェア的にそれぞれの処理内容を実現する構成としてもよい。また、制御ECU20の衝突判定部201は、独立のハードウェアとして構成されていてもよく、あるいは、画像処理ECU222と一体化されていてもよい。
本発明に係る車両用衝突推定装置3は、ミリ波レーダ21と、画像認識手段22と、衝突判定部201によって構成され、ミリ波レーダ21の障害物検出結果と、画像認識手段22の障害物検出結果を基にして衝突判定部201は、障害物と自車との衝突可能性を推定し、制御ECU20は推定した衝突可能性を基にして障害物との衝突回避、衝突衝撃軽減制御等を行う。
図3は、この車両制御装置2の衝突可能性推定動作を説明するフローチャートである。この制御は、車両の電源がオンにされてから、オフにされるまでの間、制御ECU20によって所定のタイミングで繰り返し実行される。
まず、ミリ波レーダ21による障害物候補の検出結果と、画像認識手段22による障害物候補の検出結果をそれぞれ読み込む(ステップS1、S3)。ミリ波レーダ21は、電波を水平方向にスキャンしながら車両1の前方へと照射し、前方車両等の障害物表面で反射された電波を受信し、受信信号の周波数変化から障害物候補の有無、障害物候補との方位・距離、相対速度等を求め、検出結果として出力する。画像認識手段22は、画像処理ECU222がカメラ221が撮像した画像内からエッジ抽出やパターン認識処理等によって障害物候補を抽出する。カメラ221にステレオカメラを採用した場合は、左右の取得画像中における対象物位置の違いを基にして三角測量方式により障害物候補との距離および方位(または空間位置)を求め、前のフレーム時に求めた距離に対する変化量から相対速度を求める。ステレオカメラを採用しない場合、画像中の対象物の位置を基にして距離または空間位置推定を行うとよい。
衝突判定部201は、ミリ波レーダ21による障害物候補の検出結果と、画像認識手段22による障害物候補の検出結果を照合して障害物を特定する(ステップS5)。ここで、ミリ波レーダ21、画像認識手段22の両方で検出した障害物候補(フュージョン物標)と、ミリ波レーダ21、画像認識手段22の一方でしか検出できなかった障害物候補(単独ミリ波物標、または、単独画像物標)については、それが区別できる状態で位置・距離・速度・大きさの情報とともに障害物候補を格納する配列内へと格納される。以下、検出した障害物の個数をnallとする。ここでいう障害物の速度とは、自車両と障害物との相対速度ではなく、障害物自体の絶対速度であり、自車両の前進方向を正、逆方向を負として表す。
次に、障害物が検出されたか否か、つまり、nallが0より大きいか否かを判定する(ステップS7)。障害物が検出されなかったnall=0の場合には、衝突推定を行う必要がないため、その後の処理をスキップして処理を終了する。障害物が1個でも存在する場合には、変数nに1をセットして(ステップS9)、各障害物について衝突判定を行うループ処理に入る。
まず、検出した障害物について幅情報を有しているか否かを判定する(ステップS11)。障害物の幅についての情報が得られるのは、画像認識によって障害物を判定できたフュージョン物標および単独画像物標の場合である。ミリ波レーダ21は、対象物の高反射性の部分(車両のナンバープレート等)からの反射波から対象物を捕捉するため、対象物全体の幅を正確に認識するのが不得手であり、幅情報は正確に得にくいからである。
幅情報を有していると判定した場合には、ステップS13へと移行し、障害物自体の速度Vをしきい値Vthと比較する。ここで、Vthは負の低速度であり、例えば、−5km/hに設定されている。
がVthより大きい場合には、障害物は低速度の静止物(歩行者を含む。)か自車と同方向に進行している先行車であると推定される。この場合は、さらに、Vと自車の車速Vとを比較する(ステップS15)。VがV以上の場合には、障害物に現在より接近することはないため、衝突を判定する必要はない。そこで、ステップS17へと移行し、この障害物とは衝突する可能性はないと判定し、全障害物について衝突推定が終了したか否かをチェックする(ステップS91)。衝突推定が終了した場合には、処理を終了し、衝突推定が終了していない場合にはnに1を加算して(ステップS93)、ステップS11へと戻り、ループ処理を続行する。
ステップS15で、VがV未満と判定された場合には、自車が障害物に近づきつつあることを意味する。ここで、障害物が固定されている静止物の場合は、そもそも衝突回避動作を行うことができず、可動物(車両や人、自転車等)である場合でも緊急に衝突回避動作を行うことは困難と予想される。また、比較的高速で動いている先行車の場合であっても、その運転者は通常、後方車両の運転者は自車に追突しないよう適切な運転を行っているものと期待しているのであり、先行車側に積極的な回避行動を期待することはできない。
そこで、この場合は、幅情報を利用しつつ、障害物が現在の進路を維持するものとみて衝突進路推定を行う。図4、図5はこの場合の衝突進路推定処理を説明する図である。ここでは、先行車への追突判定を例に説明する。図4に示されるように、先行車と自車の進路ベクトルは平行であるとし、それぞれの速度をV、Vとする。ここで、自車の進路方向をY軸とし、これに直交する方向をX軸とする(図5参照)。そして、先行車両の現在位置の位置座標を(0,y)とし、自車両の現在位置の位置座標を(x,0)とする。ここでは、自車両の進行方向の車両中心軸が先行車両の進行方向の車両中心軸よりxだけ右側にずれているものとする。そして、自車幅をWs、先行車(障害物)の幅をWpとする。
この状態から、自車両は現在の速度で右側(自車中心が障害物の中心軸から離れる方向、中心軸が合致する場合は、右側を優先)へと舵を切ることで追突を回避する行動をとるものとし、先行車は現在の速度を維持して前進を続けるものとする。ここで、簡便化のため、自車両を直径Wa=(Ws+Wp)の円とし、先行車を直径0の点として取り扱う。そして、回避操舵においては、操舵回避時の最大横Gとして設定したGmaxで操舵を行うものとする。
具体的には、まず、仮定した自車両の円の直径Waを求める(ステップS21)。Wa/2を|x|と比較し(ステップS23)、|x|がWa/2より大きい場合には、障害物と接触することなく通過可能であると判定してステップS17へと移行する。一方、|x|が小さい場合には、接触の可能性があるため、回避軌跡の計算を行う。まず、横GがGmaxの状態で回避行動をとるときの軌跡が描く円弧の半径Rsを求める(ステップS25)。このRsは、Rs=Vs/Gmaxで表される。続いて、この軌跡上をたどる自車両の円の外縁がY軸と一致する位置を求めるため、この位置と現在位置の軌跡円中心からの角度θsを求める(ステップS27)。ここで、この位置における車両中心のx座標は、車両円の半径にあたるWa/2であり、現在位置からのX軸方向の移動距離は(Wa/2−x)となることから、θs=acos{(Rs−Wa/2+x)/Rs}である。
次に、この位置の現在位置からの前方距離(y座標に相当。)Dを求める(ステップS29)。D=Rs×sinθsである。続いて、この位置に到達するまでに要する時間tを求める(ステップS31)。自車両の車速Vsを維持するとすると、この位置までの円弧の長さはRs×θsで表せるから、所要時間tは、t=Rs×θs/Vsとなる。
次に、先行車Pが現在速度Vpを維持した場合にt時間後にこの位置へ到達する場合の限界初期位置yを求める(ステップS33)。ここで、y=D−Vp×tとなる。次に、制動回避限界距離yを求める(ステップS35)。yは、自車両を停止または先行車の速度と一致させるのに必要な距離であり、自車速度Vsから求めることができる。次に、先行車の初期位置yをこうして求めたy、yと比較する(ステップS37)。先行車の初期位置yがy、yのいずれよりも小さい場合には、衝突を回避することが困難であるとして、衝突可能性が高いと見て、当該障害物について衝突可能性ありと設定し(ステップS39)、ステップS91へと移行する。一方、先行車の初期位置がy、yのいずれかより大きい場合には、回避動作によって衝突を回避しうる可能性が高いと見て、衝突可能性なしと設定し(ステップS41)、ステップS91へと移行する。
一方、ステップS13でVがVthより小さいと判定した場合には、障害物は自車方向に向かってきている対向車である可能性が高い。この場合は、対向車側の運転者も自車を認識しており、回避操舵を行うことを期待しうる。そこで、この場合は、幅情報を利用して障害物、自車ともに回避行動をとるものとして衝突進路推定を行う。図6、図7は、この場合の衝突進路推定処理を説明する図である。図6に示されるように、対向車と自車の進路ベクトルは平行であるとし、それぞれの速度をV、Vとする(ここで、V、Vとも正である)。図5の場合と同様に、自車の進路方向をY軸とし、これに直交する方向をX軸とする(図7参照)。そして、図5の場合と同様に、対向車両の現在位置の位置座標を(0,y)とし、自車両の現在位置の位置座標を(x,0)とする。ここでは、自車両の進行方向の車両中心軸が対向車両の進行方向の車両中心軸よりxだけ右側にずれているものとする。そして、自車幅をWs、対向車の幅をWpとする。
この状態から、自車両、対向車ともに現在の速度で右側(自車中心が相手車両の中心軸から離れる方向、中心軸が合致する場合は右側を優先)へと舵を切ることで追突を回避する行動をとるものとする。ここで、簡便化のため、自車両を直径Wa=(Ws+Wp)の円とし、対向車を直径0の点として取り扱う。そして、回避操舵においては、操舵回避時の最大横Gとして設定したGmaxで操舵を行うものとする。
具体的には、まず、仮定した自車両の円の直径Waを求める(ステップS51)。Wa/2を|x|と比較し(ステップS53)、|x|がWa/2より大きい場合には、対向車と接触することなくすれ違うことが可能であると判定してステップS17へと移行する。一方、|x|が小さい場合には、接触の可能性があるため、回避軌跡の計算を行う。
まず、ステップS25と同様に、横GがGmaxの状態で回避行動をとるときの自車両の軌跡が描く円弧の半径Rsを求める(ステップS55)。同様に、横GがGmaxの状態で回避行動をとるときの対向車の軌跡が描く円弧の半径Rpを求める(ステップS57)。このRpは、Rp=Vp/Gmaxで表される。
続いて、自車両と対向車のy座標が一致した際に両者のX軸方向の距離がWaとなる対向車の現在位置yを求める(ステップS59、S61)。ここで、自車両軌跡、対向車両軌跡上でy座標が一致する時刻をt時刻後とし、そこに至るまでの移動角度をそれぞれθs、θpとすると、以下の式が成り立つ。
Figure 0004305191
この式からθs、θp、tを求め(ステップS59)、y4は、y=Rs×sinθs+Rp×sinθpから求めることができる(ステップS61)。ステップS59の解の計算は例えば、tを変化させながら当てはまるtを探索的に解く手法のほか、代表的な解を予め求めてテーブル化しておき、制御ECU20のROM内に格納しておき、それを補完して求めてもよい。
次に、対向車の初期位置yをこうして求めたyと比較する(ステップS63)。対向車の初期位置yがyよりも小さい場合には、衝突を回避することが困難であり、衝突可能性が高いと見て、当該対向車について衝突可能性ありと設定し(ステップS65)、ステップS91へと移行する。一方、対向車の初期位置がyより大きい場合には、回避動作によって衝突を回避しうる可能性が高いと見て、衝突可能性なしと設定し(ステップS67)、ステップS91へと移行する。
ステップS11で幅情報を有していないと判定された場合には、ステップS71へと移行して、ステップS13と同様に、障害物自体の速度Vをしきい値Vthと比較する。このしきい値VthはステップS13で用いるしきい値Vthと同一でよいが、異ならせてもよい。
がVthより大きい場合には、障害物は低速度の静止物(歩行者を含む。)か自車と同方向に進行している先行車であると推定される。この場合は、さらに、ステップS15と同様に、Vと自車の車速Vとを比較する(ステップS73)。VがV以上の場合には、障害物に現在より接近することはないため、衝突を判定する必要はない。そこで、ステップS17へと移行する。移行後の処理は、上述した場合と同様である。
ステップS73で、VがV未満と判定された場合には、自車が障害物に近づきつつあることを意味する。低速の物体、先行車については、上述したように、積極的な回避行動を期待することができない。そこで、この場合は、障害物が現在の進路を維持するものとみて衝突進路推定を行う。この推定処理は基本的に上述した図4、図5の推定処理と同一であるが、障害物の幅を考慮しない点のみが異なる。すなわち、ステップS21に代えて自車両の円の直径Waとして自車両の幅Wsを設定する(ステップS75)。そして、ステップS23へと移行する。移行後の処理は、上述と同一であるため、説明を省略する。
ステップS71で、VがVthより小さいと判定した場合には、障害物は自車方向に向かってきている対向車である可能性が高い。この場合に、障害物、自車ともに回避行動をとるものとして衝突進路推定を行う点は、図6、図7に示される衝突進路推定処理と同様である。ただし、ステップS51に代えて自車両の円の直径Waとしては、自車両の幅Wsを用いる(ステップS77)。そして、ステップS53へと移行する。移行後の処理は、上述と同一であるため、説明を省略する。
以上の推定処理の結果、衝突可能性が高いと判定した場合には、各衝突衝撃軽減手段を制御して所定の衝突衝撃軽減動作を行わせることで、乗員および歩行者・衝突車両の乗員の衝突による衝撃を低減する。
衝突衝撃軽減制御としては、まず、ブレーキ装置25の制御として、ブレーキアクチュエータ250を作動させて各ホイールシリンダ251へ制動油圧を付与して自動的に制動を行い、減速する自動制動制御がある。あるいは、ブレーキスイッチ54がオンになったら、通常の場合よりもアシスト油圧を大きく設定することにより、運転者のブレーキペダル踏み込みに対する応答特性を向上させ、より速やかな減速を可能とするプリクラッシュブレーキアシスト制御を行ってもよい。これにより、衝突時の自車の速度を低下させることで、衝突衝撃を低減させる。
シートベルト装置23においては、シートベルト巻取装置230により予めシートベルト231を巻き取ることで、衝突前に乗員を座席に拘束して、衝突時における乗員の移動を抑制し、衝突時の被害を軽減する。また、乗員に拘束によって衝突の危険が迫っていることを警告できるため、万一衝突する場合でも、乗員が衝突に備えることができ、危険軽減に効果的である。
エアバッグ装置24においては、エアバッグ制御装置240が乗員の姿勢、体格、衝突方向、衝突時期を基に最も適切な時期、状態でエアバッグ241が作動するよう制御する。シートベルト制御と合わせてエアバッグ制御を行うことで、乗員を確実に座席に拘束するとともに、エアバッグ作動による乗員へのショックを和らげ、衝突時の被害を効果的に軽減する。
自動操舵装置26においては、適切な操舵により障害物との衝突回避・軽減が可能であると判定した場合には、ステアリング制御装置260がアシストモータ261を制御して、必要な操舵力を付与して障害物との衝突を回避もしくは軽減する方向へと舵を切り、障害物との衝突を回避または衝突のショックを軽減する。
また、衝突する対象が速度、幅情報等から歩行者と推定される場合には、歩行者への衝突衝撃を緩和するため、バンパ制御装置270がアクティブバンパ271の突出量を変更して、歩行者への衝突時の衝撃を吸収する。これにより、万一衝突した場合でも歩行者への衝撃を吸収して特に脚部に及ぼす障害を軽減する。
本発明によれば、対象となる障害物自体と自身の回避可能性を考慮して、衝突推定を行うため、現在の進路を維持した場合には衝突する可能性があっても、回避可能性が高い場合には衝突可能性はないと推定するため、衝突可能性を過剰に見積もることがなく、衝突可能性を高精度に判定することが可能となる。例えば、図8に示されるS字カーブでのすれ違い時の場合に道路情報がなくても衝突可能性ありと誤判定するのを防止できる。
ここでは、幅情報がない場合には、自車の幅情報のみを利用して判定を行ったが、幅情報が得られない場合には、障害物の幅を所定の幅と仮定して判定を行ってもよい。例えば、一般的な車両の幅や、自車幅を利用するとよい。また、所定の余裕度を加味して判定を行ってもよい。この場合には、障害物から余裕を持って通過できるか否かを判定することができる。さらに、運転者の脇見状態等を検出して、脇見状態の場合には、この余裕度を大きく設定したり、回避時のGmaxを小さくすることで、衝突可能性ありと推定されやすくしてもよい。これらの余裕度や回避時のGmax等は自車両の速度や加速度・減速度状態、操舵状態に応じて変更してもよい。また、道路情報が利用可能な場合には、これを利用して回避方向を設定してもよい。
上記の説明では、ミリ波レーダと画像認識を併用して障害物を検出する例を説明したが、いずれか単独のみを用いて障害物の検出を行ってもよい。また、レーダ装置はミリ波を利用したものに限られず、赤外線や超音波、その他の波長の電波を用いたものでもよい。また、画像取得手段は、可視画像に限られるものではなく、赤外線画像等を用いたものでもよい。
車両制御装置としては、衝突衝撃軽減制御装置を備える場合を説明したが、衝突警報のみを行ってもよい。衝突衝撃軽減装置としては、上述した装置全てを搭載する必要はなく、また、上述した装置に限られるものでもない。
本発明に係る車両用衝突推定装置を搭載した車両を示す概略構成図である。 図1の車両制御装置のブロック構成図である。 図2の車両制御装置2の衝突可能性推定動作を説明するフローチャートである。 追突時の衝突進路推定処理を説明する図である。 図4とともに追突時の衝突進路推定処理を説明する図である。 対向車との衝突時の衝突進路推定処理を説明する図である。 図6とともに対向車との衝突時の衝突進路推定処理を説明する図である。 S字カーブでのすれ違いを説明する図である。
符号の説明
1…車両、2…車両制御装置、3…車両用衝突推定装置、20…制御ECU、21…ミリ波レーダ、22…画像認識手段、23…シートベルト装置、24…エアバッグ装置、25…ブレーキ装置、26…自動操舵装置、27…歩行者保護装置、51…ヨーレートセンサ、52…Gセンサ、53…車速センサ、54…ブレーキスイッチ、61…スロットル、62…変速手段、201…衝突判定部、221…カメラ、222…画像処理ECU、230…シートベルト巻取装置、231…シートベルト、240…エアバッグ制御装置、241…エアバッグ、250…ブレーキアクチュエータ、251…ホイールシリンダ、260…ステアリング制御装置、261…アシストモータ、270…バンパ制御装置、271…アクティブバンパ。

Claims (1)

  1. 車両の進路上の物体を検出する物体検出手段と、自車と検出した物体との衝突可能性を判定する衝突可能性判定手段とを備える車両用衝突推定装置において、
    検出した物体が自車方向へ所定速度以上の速度で向かっている場合に、検出した物体自体が自車両に対して横方向への衝突回避動作を行う可能性があると判定する回避可能性判定手段をさらに備え、
    前記衝突可能性判定手段は自車両の衝突回避操舵と、前記回避可能性判定手段で検出した物体が衝突回避動作を行う可能性があると判定した場合は、その回避動作を考慮して衝突可能性の判定を行うことを特徴とする車両用衝突推定装置。
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