JP4305006B2 - スイッチの特性調整方法及び特性調整装置 - Google Patents

スイッチの特性調整方法及び特性調整装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイッチの特性を調整する方法および装置に関し、更に詳しくは、スナップアクション式に接点の切り換えを行うマイクロスイッチの動作特性の調整に好適な特性調整方法および特性調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、マイクロスイッチでは、アクチュエータに加える力(Force)とアクチュエータの変位(Stroke)とは、図7の力―変位特性図に示されるように変化する。
【0003】
すなわち、アクチュエータの移動によって動作位置OP(Operating Position)に達すると、反転作動するが、復帰に際しては、アクチュエータが逆方向に移動して前記動作位置OPを過ぎた戻りの位置RP(Releasing Position)に達して初めて反転復帰するものであり、動作位置OPにアクチュエータを動かすの必要な力が動作力OF(Operating Force)であり、戻りの位置RPにアクチュエータを動かすのに必要な力が戻りの力RF(Releasing Force)である。
【0004】
また、動作位置OPと戻りの位置RPとの差がいわゆる応差の動きMD(Movement Differential)であり、ユーザの要求仕様を満足する応差の動きのマイクロスイッチが求められる。
【0005】
かかる応差の動きの人手による調整作業を省略するようにしたスイッチの調整方法も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、この調整方法では、可動接点支承部と固定接点との間隔が一定値になるように固定接点を設けたり、可動接点板の厚さを所要の厚さにするなどマイクロスイッチの構造を変更する必要があるとともに、適用できるスイッチも限定され、応差の動きの要求が厳しい超高感度のスイッチに適用するのは困難である。
【0007】
ここで、具体的なマイクロスイッチの人手による調整作業について説明する。
【0008】
図8は、マイクロスイッチの断面図であり、図9はその要部の分解斜視図である。
【0009】
スイッチケースの下ケース20には、共通固定端子21、常閉固定端子22および常開固定端子23が設けられている。共通固定端子21には、可動片8の基端側が支持されており、さらに、この共通固定端子21には、前記可動片8のスナップアクション用の一対の圧縮ばね部8aの基端側を係合溝4aでそれぞれ係合支持する一対の受け金4が装備されている。
【0010】
常閉固定端子22および常開固定端子23には、可動片8の遊端側の可動接点24が接離する固定接点25,26をそれぞれ有する固定端子片5,27がそれぞれ設けられている。
【0011】
カバーケース28には、可動片8の基端側に当接作用するアクチュエータとしての押しボタン29が支持されている。
【0012】
押しボタン29に外力をかけない常態においては、図示のように、圧縮ばね部8aの弾性復元力によって可動片8の遊端側が上方に付勢変位されて可動接点24が固定端子片5の固定接点(常閉接点)25に接触維持されている。
【0013】
押しボタン29が押し込み操作されて可動片8が下方変位して上述の図7の動作位置OPに達すると、瞬時に圧縮ばね部8aの弾性復元力が可動片8を下方に付勢変位するように反転し、可動接点24が固定端子片27の固定接点(常開接点)26に接触されて接点切換が行われる。
【0014】
また、復帰に際しては、押しボタン29が上方に変位し、前記動作位置OPを過ぎた戻りの位置RPに達すると、圧縮ばね部8aの弾性復元力が可動片8を上方に付勢変位するように反転し、可動接点24が固定端子片5の固定接点25に接触されて復帰する。
【0015】
かかるマイクロスイッチ2の動作特性の調整は、次のようにして行われる。
【0016】
すなわち、下ケース20に、両固定端子片5,27、一対の受け金4および可動片8を組み込みつけた後に、マイクロスイッチ2がオンするときの動作力OF(Operating Force)およびオフするときの戻りの力RF(Releasing Force)の調整が行われる。ここで、図7に示されるように、動作力OFと戻りの力RFとの力の差DF(Differential Force)は、動作力OFと戻りの力RFとを調整することによって、自ずと調整されることになる。
【0017】
これら力OF,RFの調整は、作業者が冶具などの工具を用いて一対の受け金4及び固定端子片5を押圧することによって行われる。
【0018】
この調整によって、動作力OF、戻りの力RFおよび力の差DFが規格内の値になったことを検査して確認した後に、上述の応差の動きMD(Movement Differential)を検査している。この応差の動きMDが規格を満足しない場合には、再び作業者が、冶具などの工具を用いて受け金4及び固定端子片5を押圧して動作力OFおよび戻りの力RFを調整し、動作力OF、戻りの力RF、力の差DFおよび応差の動きMDを検査することになる。なお、上記の作業者による動作力OFおよび戻りの力RFのみのを機械で調整することもできるが、応差の動きMDの要求が厳しいスイッチへの適用は困難であった。
【0019】
【特許文献1】
特開平6−208813号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
かかる人手による特性の調整作業は、作業者の熟練や勘に依存する要素が強く、作業者によってばらつきが大きく、効率の悪いものである。
【0021】
また、近年、特に応差の動きMDについては、μmオーダの極めて高い精度のスイッチが要求されつつあるが、従来の特性調整作業では、動作力OFおよび戻りの力RFを、応差の動きMDとは独立して調整し、その後に応差の動きMDが規格を満足するか否かを検査するものである。
【0022】
このため、例えば、可動片8などの材料ロットの変動や温度変化などによって、上述の図7の特性図の直線の傾きが変化すると、この傾きは、力の差DF/応差の動きMDであるために、同じ動作力OFおよび戻りの力RF、すなわち、同じ力の差DFに調整したとしても、応差の動きMDは異なったものとなって規格を満足できないことになり、調整不良となる。そのときの特性調整作業は、特性の微調整が必要であり、作業者の熟練や勘に依存する要素がさらに強くなる。
【0023】
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、人手によることなく、しかも、材料ロットなどによる変動に対しても高精度に特性を調整できるスイッチの特性調整方法およびそれを用いた特性調整装置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記目的を達成するために、次のように構成している。
【0025】
すなわち、本発明のスイッチの特性調整方法は、固定接点を有する固定端子片と可動接点を有する可動片を反転動作させるばねの一端を係合支持する受け金とがケースに組み込まれたスイッチの応差の動き、動作力、戻りの力に関する特性を、予め定めた目標に調整装置を用いて調整する方法であって、調整装置は、動作力と戻りの力との力の差の変化量と固定端子片の操作量との第1相関データ、および戻り力の変化量と受け金の操作量との第2相関データを予め記憶しており、前記スイッチの可動片を押圧することにより、応差の動き、動作力と戻りの力、その力の差を計測する計測ステップと、計測した応差の動きと目標とする応差の動きと計測した力の差に基づいて前記目標とする力の差への変化量を算出し、計測した戻りの力に基づいて前記目標とする戻りの力への変化量を算出し、算出した力の差の変化量から前記第1相関データに基づいて固定端子片の操作量を、算出した戻りの力の変化量から前記第2相関データに基づいて受け金の操作量をそれぞれ求める算出ステップと、求めた固定端子片の操作量に従って前記固定端子片を、求めた受け金の操作量に従って前記受け金を、それぞれ加工する加工ステップと、からなる動作をするものである。
【0026】
ここで、可動接点を有する可動片とばねとは、一体であってもよいし、別体であってもよい。
【0027】
本発明によると、応差の動き、動作力と戻りの力、その力の差を計測し、目標とする応差の動きとするための力の差の変化量を算出するとともに、目標とする戻りの力とするための戻りの力の変化量を算出し、算出した力の差の変化量および戻りの力の変化量から第1,2相関データに基づいて、固定端子片および受け金の操作量をそれぞれ求め、求めた操作量に従って固定端子片および前記受け金をそれぞれ加工するので、材料ロットの変動などに起因して特性が変化してもそれに応じて、固定端子片および受け金の操作量を変化させることができ、これによって、応差の動き、動作力、戻りの力に関する特性を、予め定めた目標に高精度で調整できる。
【0028】
また、本発明のスイッチの特性調整方法は、固定接点を有する固定端子片と可動接点を有する可動片を反転動作させるばねの一端を係合支持する受け金とがケースに組み込まれたスイッチの応差の動き、動作力、戻りの力に関する特性を予め定めた目標に調整装置を用いて調整する方法であって、調整装置は、 動作力の変化量と固定端子片の操作量との第1相関データ、および戻り力の変化量と受け金の操作量との第2相関データを、予め記憶しており、前記スイッチの可動片を押圧することにより、応差の動き、動作力、戻りの力を計測する計測ステップと、計測した応差の動きと目標とする応差の動きと計測した動作力に基づいて前記目標とする動作力への変化量を算出し、計測した戻りの力に基づいて前記目標とする戻りの力への変化量を算出し、算出した動作力の変化量から前記第1相関データに基づいて固定端子片の操作量を、算出した戻りの力の変化量から前記第2相関データに基づいて受け金の操作量をそれぞれ求める算出ステップと、求めた固定端子片の操作量に従って前記固定端子片を、求めた受け金の操作量に従って前記受け金を、それぞれ加工する加工ステップと、からなる動作をするものである。
【0029】
本発明によると、応差の動き、動作力、戻りの力を計測し、目標とする応差の動きとするための動作力の変化量を算出するとともに、目標とする戻りの力とするための戻りの力の変化量を算出し、算出した動作力の変化量および戻りの力の変化量から第1,第2相関データに基づいて固定端子片および受け金の操作量をそれぞれ求め、求めた操作量に従って固定端子片および受け金をそれぞれ加工するので、材料ロットの変動などに起因して特性が変化してもそれに応じて、固定端子片および受け金の操作量を変化させることができ、これによって、応差の動き、動作力、戻りの力に関する特性を、予め定めた目標に高精度で調整できる。
【0030】
本発明の一実施態様では、前記算出ステップにおける力の差の変化量の算出は、計測した力の差 −(計測した力の差×目標とする応差の動き/計測した応差の動き)という式により算出してもよく、また、前記算出ステップにおける動作力の変化量の算出は、計測した動作力 −(計測した動作力×目標とする応差の動き/計測した応差の動き)という式により算出してもよい。
【0031】
本発明の他の実施態様では、前記算出ステップにおける戻りの力の変化量の算出は、目標とする戻りの力と計測した戻りの力との差により算出してもよい。
【0032】
本発明の好ましい実施態様では、前記第1相関データは、力の差の変化量と固定端子片の加工量との関係を示すデータと、その固定端子片の加工量と該加工量で固定端子片を加工するためにスプリングバックを考慮した固定端子片の押圧操作量との関係を示すデータとを含み、前記第2相関データは、戻りの力の変化量と受け金の加工量との関係を示すデータと、その受け金の加工量と該加工量で受け金を加工するためにスプリングバックを考慮した受け金の押圧操作量との関係を示すデータとを含み、前記算出ステップにおける固定端子片の操作量および受け金の操作量を求める方法は、算出した力の差の変化量から前記第1相関データに基づいて固定端子片の押圧操作量を求め、算出した戻りの力の変化量から前記第2相関データに基づいて受け金の押圧操作量をそれぞれ求めるものであり、前記加工ステップは、求めた固定端子片の押圧操作量に従って前記固定端子片を押圧加工し、求めた受け金の押圧操作量に従って前記受け金を押圧加工するものである。
【0033】
固定端子片および受け金は、初期の押圧操作領域では、いわゆるスプリングバックによって押圧操作しても復帰するのであるが、この実施態様では、このスプリングバックを考慮したデータを用いることによって、目標とする力の差および戻りの力にするために必要な押圧操作量を容易に求めることができる。
【0034】
また、本発明の好ましい実施態様では、前記第1相関データは、動作力の変化量と固定端子片の加工量との関係を示すデータと、その固定端子片の加工量と該加工量で固定端子片を加工するためにスプリングバックを考慮した固定端子片の押圧操作量との関係を示すデータとを含むものであり、前記第2相関データは、戻りの力の変化量と受け金の加工量との関係を示すデータと、その受け金の加工量と該加工量で受け金を加工するためにスプリングバックを考慮した受け金の押圧操作量との関係を示すデータとを含むものであり、前記算出ステップにおける固定端子片の操作量および受け金の操作量を求める工程は、算出した動作力の変化量から前記第1相関データに基づいて固定端子片の押圧操作量を求め、算出した戻りの力の変化量から前記第2相関データに基づいて受け金の押圧操作量をそれぞれ求めるものであり、前記加工ステップは、求めた固定端子片の押圧操作量に従って前記固定端子片を押圧加工し、求めた受け金の押圧操作量に従って前記受け金を押圧加工するものである。
【0035】
固定端子片および受け金は、初期の押圧操作領域では、いわゆるスプリングバックによって押圧操作しても復帰するのであるが、この実施態様では、このスプリングバックを考慮したデータを用いることによって、目標とする力の差および戻りの力にするために必要な押圧操作量を容易に求めることができる。
【0036】
本発明の他の実施態様では、前記相関データを、計測された実測値を用いて更新する更新ステップを備えている。
【0037】
この実施態様によると、スイッチの特性を調整して実測値が得られると、その実測値を用いて相関データを更新する、すなわち、上述の変化量と操作量との関係を学習するので、より精度の高い調整を効率的に行える。
【0038】
本発明のスイッチの特性調整装置は、固定接点を有する固定端子片と可動接点を有する可動片を反転動作させるばねの一端を係合支持する受け金とがケースに組み込まれたスイッチの応差の動き、動作力、戻りの力に関する特性を、予め定めた目標に調整する装置であって、前記スイッチの可動片を押圧することにより、応差の動き、動作力と戻りの力、その力の差を計測する計測手段と、前記固定端子片および前記受け金を、固定端子片の操作量および受け金の操作量に従ってそれぞれ加工する加工手段と、力の差の変化量と固定端子片の操作量との第1相関データ、および戻り力の変化量と受け金の操作量との第2相関データを予め記憶する記憶部を有するとともに、前記予め定めた目標、前記計測手段の計測結果および前記第1,第2相関データに基づいて、固定端子片の操作量および受け金の操作量をそれぞれ求めて、前記加工手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、計測された応差の動きと目標とする応差の動きと計測された力の差に基づいて前記目標とする力の差への変化量を算出し、計測された戻りの力に基づいて前記目標とする戻りの力への変化量を算出し、算出した力の差の変化量から前記第1相関データに基づいて固定端子片の操作量を、算出した戻りの力の変化量から前記第2相関データに基づいて受け金の操作量をそれぞれ求めるものである。
【0039】
本発明によると、計測手段によって、応差の動き、動作力と戻りの力、その力の差を計測し、制御手段によって、目標とする応差の動きとするための力の差の変化量を算出するとともに、目標とする戻りの力とするための戻りの力の変化量を算出し、算出した力の差の変化量および戻りの力の変化量から第1,2相関データに基づいて、固定端子片および受け金の操作量をそれぞれ求め、加工手段によって、求めた操作量に従って固定端子片および前記受け金をそれぞれ加工するので、材料ロットの変動などに起因して特性が変化してもそれに応じて、固定端子片および受け金の操作量を変化させることができ、これによって、応差の動き、動作力、戻りの力に関する特性を、自動的に、予め定めた目標に高精度で調整できる。
【0040】
また、本発明のスイッチの特性調整装置は、固定接点を有する固定端子片と可動接点を有する可動片を反転動作させるばねの一端を係合支持する受け金とがケースに組み込まれたスイッチの応差の動き、動作力、戻りの力に関する特性を予め定めた目標に調整する装置であって、前記スイッチの可動片を押圧することにより、応差の動き、動作力、戻りの力を計測する計測手段と、前記固定端子片および前記受け金を、固定端子片の操作量および受け金の操作量に従ってそれぞれ加工する加工手段と、動作力の変化量と固定端子片の操作量との第1相関データ、および戻り力の変化量と受け金の操作量との第2相関データを予め記憶する記憶部を有するとともに、前記予め定めた目標、前記計測手段の計測結果および前記第1,第2相関データに基づいて、固定端子片の操作量および受け金の操作量をそれぞれ求めて、前記加工手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、計測された応差の動きと目標とする応差の動きと計測された動作力に基づいて前記目標とする動作力への変化量を算出し、計測された戻りの力に基づいて前記目標とする戻りの力への変化量を算出し、算出した動作力の変化量から前記第1相関データに基づいて固定端子片の操作量を、算出した戻りの力の変化量から前記第2相関データに基づいて受け金の操作量をそれぞれ求めるものである。
【0041】
本発明によると、計測手段によって応差の動き、動作力、戻りの力を計測し、制御手段によって、目標とする応差の動きとするための動作力の変化量を算出するとともに、目標とする戻りの力とするための戻りの力の変化量を算出し、算出した動作力の変化量および戻りの力の変化量から第1,第2相関データに基づいて固定端子片および受け金の操作量をそれぞれ求め、加工手段によって、求めた操作量に従って固定端子片および受け金をそれぞれ加工するので、材料ロットの変動などに起因して特性が変化してもそれに応じて、固定端子片および受け金の操作量を変化させることができ、これによって、応差の動き、動作力、戻りの力に関する特性を、自動的に、予め定めた目標に高精度で調整できる。
【0042】
本発明の好ましい実施態様では、前記第1相関データは、力の差の変化量と固定端子片の加工量との関係を示すデータと、その固定端子片の加工量と該加工量で固定端子片を加工するためにスプリングバックを考慮した固定端子片の押圧操作量との関係を示すデータとを含み、前記第2相関データは、戻りの力の変化量と受け金の加工量との関係を示すデータと、その受け金の加工量と該加工量で受け金を加工するためにスプリングバックを考慮した受け金の押圧操作量との関係を示すデータとを含み、前記制御手段は、算出した力の差の変化量から前記第1相関データに基づいて固定端子片の押圧操作量を求め、算出した戻りの力の変化量から前記第2相関データに基づいて受け金の押圧操作量をそれぞれ求めるものであり、前記加工手段は、固定端子片の押圧操作量に従って前記固定端子片を押圧加工し、受け金の押圧操作量に従って前記受け金を押圧加工するものである。
【0043】
固定端子片および受け金は、初期の押圧操作領域では、いわゆるスプリングバックによって押圧操作しても復帰するのであるが、この実施態様では、このスプリングバックを考慮したデータを用いることによって、目標とする力の差および戻りの力にするために必要な押圧操作量を容易に求めることができる。
【0044】
また、本発明の好ましい実施態様では、前記第1相関データは、動作力の変化量と固定端子片の加工量との関係を示すデータと、その固定端子片の加工量と該加工量で固定端子片を加工するためにスプリングバックを考慮した固定端子片の押圧操作量との関係を示すデータとを含むものであり、前記第2相関データは、戻りの力の変化量と受け金の加工量との関係を示すデータと、その受け金の加工量と該加工量で受け金を加工するためにスプリングバックを考慮した受け金の押圧操作量との関係を示すデータとを含むものであり、前記制御手段は、算出した動作力の変化量から前記第1相関データに基づいて固定端子片の押圧操作量を求め、算出した戻りの力の変化量から前記第2相関データに基づいて受け金の押圧操作量をそれぞれ求めるものであり、前記加工手段は、固定端子片の押圧操作量に従って前記固定端子片を押圧加工し、受け金の押圧操作量に従って前記受け金を押圧加工するものである
【0045】
固定端子片および受け金は、初期の押圧操作領域では、いわゆるスプリングバックによって押圧操作しても復帰するのであるが、この実施態様では、このスプリングバックを考慮したデータを用いることによって、目標とする力の差および戻りの力にするために必要な押圧操作量を容易に求めることができる。
【0046】
本発明の他の実施態様では、前記制御手段は、前記相関データを、計測された実測値を用いて更新するものである。
【0047】
この実施態様によると、スイッチの特性を調整して実測値が得られると、その実測値を用いて相関データを更新する、すなわち、上述の変化量と操作量との関係を学習するので、より精度の高い調整を効率的に行える。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、図面によって本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0049】
この実施の形態では、上述の図8および図9に示されるマイクロスイッチ2の特性調整に適用して説明する。
【0050】
図1は、本発明の一つの実施の形態に係るスイッチの特性調整装置1の概略構成図である。
【0051】
この実施の形態の特性調整装置1は、マイクロスイッチ2の力(Force)−変位(Stroke)特性(以下「FS特性」ともいう)を計測するFS特性計測装置3と、マイクロスイッチ2の受け金4および固定端子片5を押圧して加工する加工装置6と、それらを制御する制御装置7とを備えている。
【0052】
FS特性計測装置3は、上述の押しボタン29と同様に、マイクロスイッチ2の可動片8を押圧してその力−変位特性を計測するものであって、ロードセル9、変位センサ10およびそれらを駆動する駆動装置11を内蔵している。
【0053】
加工装置6は、一対の受け金4および固定端子片5を、順番に下方に押圧して加工する加工部12と、受け金4および固定端子片5の実際の加工量を、非接触で計測するレーザ計測部13とを備えている。加工部12は、加工部材12aを上下方向に駆動するモータ、例えば、パルスモータ等を内蔵し、制御装置7から指令される加工量になるように受け金4および固定端子片5を押圧して加工する。
【0054】
制御装置7は、キーボードなどの入力部14と、液晶モニタなどの出力部15とを有するとともに、予め、後述の相関データなどが格納される記憶部16などを備えており、例えば、パーソナルコンピュータによって構成される。
【0055】
この実施の形態のスイッチの特性調整方法では、応差の動きMDの要求規格が、例えば、数μmという超高感度タイプのマイクロスイッチの特性調整を効率的に行えるように次のようにしている。
【0056】
先ず、調整するマイクロスイッチ2のFS特性の初期特性をFS特性計測装置3によって計測する。これによって、少なくとも応差の動きMD、動作力OFと戻りの力RFとの力の差DFを計測する。
【0057】
上述のように、材料ロットの変動や温度変化などによって、FS特性の直線の傾きが変化するので、応差の動きMDと力の差DFとの関係は変化することになる。
【0058】
そこで、この実施の形態では、計測した初期特性から目標となる応差の動きMDに対応する力の差DFを算出するのである。
【0059】
例えば、計測した初期特性における応差の動きMDが10μmであって、力の差DFが60gであったとし、規格で要求される目標とする応差の動きMDが6μmであるとすると、この応差の動きMDを満足させるための目標とする力の差DFは、36g(=6×60/10)となる。
【0060】
したがって、初期特性で計測された現在の力の差DF=60gと目標とする力の差DF=36gとの力の差の変化量ΔDFは、ΔDF=24gとなる。
【0061】
一方、戻りの力RFは、予め定められている目標とする戻りの力RFと初期特性で計測された現在の戻りの力RFとの差が、戻りの力の変化量ΔRFとなる。
【0062】
本件発明者は、力の差DFは、固定端子片5によって、また、戻りの力RFは、受け金4によってそれぞれ調整できることを見出した。
【0063】
そこで、この実施の形態では、力の差DFの変化量ΔDFと加工装置6による固定端子片5の操作量との関係を示す第1相関データおよび戻りの力RFの変化量ΔRFと加工装置6による受け金4の操作量との関係を示す第2相関データを予め記憶部16に格納している。
【0064】
ここで、操作量とは、加工装置6の加工部12による受け金4あるいは固定端子片5の押圧操作量をいい、後述のように、受け金4あるいは固定端子片5は、スプリングバックによって、押圧しても復元するために、押圧操作量が、そのまま受け金4あるいは固定端子片5の加工量とならない操作領域が存在する。なお、スプリングバックがなければ、操作量と加工量とは等しくなる。
【0065】
図2および図3は、かかる相関データに基づく特性図であり、図2(a)は力の差DFの変化量ΔDFと固定端子片5の加工量との関係を、図2(b)は戻りの力RFの変化量ΔRFと受け金4の加工量との関係をそれぞれ示す図である。
【0066】
また、図3(a)は固定端子片5の加工量と加工装置6による固定端子片5の操作量との関係を、図3(b)は受け金4の加工量と加工装置6による受け金4の操作量との関係を示す図である。
【0067】
図2(a)から力の差DFの変化量ΔDF(目標とする力の差と現在の力の差との差)が分かれば、固定端子片5の加工量、すなわち、固定端子片5を何μm押圧加工すればよいかが分かり、図2(b)から戻りの力RFの変化量ΔRF(目標とする戻りの力と現在の戻りの力との差)が分かれば、受け金4の加工量、すなわち、受け金4を何μm押圧加工すればよいかが分かる。
【0068】
図3では、加工装置6による操作量は、その初期の操作領域では、固定端子片5あるいは受け金4のスプリングバックのために、押圧操作しても復帰して所望の加工量が得られないことを示している。
【0069】
この図3(a)から固定端子片5を所望の加工量に押圧加工するためには、加工装置6の操作量を何μmにすればよいかが分かり、図3(b)から受け金4を所望の加工量に押圧加工するためには、加工装置6による操作量を何μmにすればよいかが分かることになる。
【0070】
したがって、目標とする力の差DFおよび目標とする戻りの力RFにするには、加工装置6による固定端子片5の操作量および受け金4の操作量を何μmにすればよいかが分かることになり、この操作量になるように、固定端子片5および受け金4の加工操作が行われる。
【0071】
この操作量の調整は、加工装置6のパルスモータの駆動量の調整によって行われる。
【0072】
なお、加工装置6のレーザ計測部13によって加工された後の実際の加工量の確認が行われる。
【0073】
図4は、以上の調整動作を説明するためのフローチャートである。
【0074】
先ず、FS特性の初期特性を計測し、応差の動きMD、動作力OF、戻りの力RF、力の差DFが得られる(ステップn1)。
【0075】
次に、応差の動きMD、動作力OF、戻りの力RFおよび力の差DFの全てが規格を満足する所定値であるか否かを判断し(ステップn2)、所定値であれば、調整を完了する。
【0076】
所定値でないときには、応差の動きMD、力の差DFが所定値であるか否かを判断し(ステップn3)、所定値であるときには、ステップn5に移り、所定値でないときには、上述のようにして算出した操作量に従って所定値になるように固定端子片5を押圧加工してステップn5に移る(ステップn4)。
【0077】
ステップn5では、動作力OF、戻りの力RFが所定値であるか否かを判断し、所定値であるときには、ステップn1に戻り、所定値でないときには、上述のようにして算出した操作量に従って所定値になるように受け金4を押圧加工してステップn1に移る(ステップn6)。
【0078】
この実施の形態では、FS特性計測装置11で実際に計測された力の差DFおよび戻りの力RF並びに加工装置6のレーザ計測部13で実際に計測された加工量を用いて上述の図2および図3の相関データを更新するようにしている。具体的には、実測値に基づいて、図2および図3に新たなプロットを行って、線形近似によって相関関係を示す直線を更新するのである。
【0079】
このようにスイッチの特性の調整を行って実測値が得られる度に、得られた実測値で相関データを更新する、すなわち、学習するので、より精度よく、効率的に調整が行われる。
【0080】
(その他の実施の形態)
上述の実施の形態では、図4に示されるように、固定端子片5を加工した後に、受け金4を加工したけれども、本発明の他の実施の形態として、図5のフローチャートに示されるように、受け金4を加工した後に、固定端子片5を加工してもよい。
【0081】
あるいは、受け金4と固定端子片5とを同時に加工するようにしてもよい。
【0082】
また、上述の実施の形態では、受け金4および固定端子片5の両方を加工したけれども、本発明の他の実施の形態として、要求されるスイッチの規格が比較的緩やかな汎用のスイッチでは、受け金4または固定端子片5のいずれか一方のみ、例えば、受け金4のみを加工して特性を調整するようにしてもよい。
【0083】
上述の実施の形態では、可動片8は、圧縮ばね部8aを一体的に備えていたけれども、本発明は、例えば、図6に示されるように、可動片30と圧縮ばね31とが別部材で構成されるマイクロスイッチやその他のスイッチにも同様に適用できるものである。
【0084】
上述の実施の形態では、力の差DFと戻りの力RFとに基づいて、固定端子片5および受け金4の加工を行ったけども、上述のように力の差DFは、動作力OFと戻りの力RFとの差であるから動作力OFと戻り力RFとに基づいて、固定端子片5および受け金4の加工を行ってもよいのは勿論である。
【0085】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、応差の動き、動作力、戻りの力に関する特性を計測し、それに基づいて受け金及び固定端子片の操作量を算出し、算出した操作量に従って加工を行うので、材料ロットなどの変動によって特性が変化したときには、それに応じて操作量を変化させることができ、これによって、材料ロットなどによる変動に対しても高精度で特性を調整できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る特性調整装置の概略構成図である。
【図2】 力の差の変化量あるいは戻りの力の変化量と加工量との関係を示す図である。
【図3】 加工量と操作量との関係を示す図である。
【図4】 調整動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】 本発明の他の実施の形態の動作説明に供するフローチャートである。
【図6】 他のマイクロスイッチの断面図である。
【図7】 マイクロスイッチの力−変位特性を示す図である。
【図8】 マイクロスイッチの断面図である。
【図9】 図8のマイクロスイッチの要部の分解斜視図である。
【符号の説明】
1 特性調整装置
2 マイクロスイッチ
3 FS特性計測装置
4 受け金
5 固定端子片
6 加工装置
7 制御装置
8 可動片
8a 圧縮ばね部

Claims (13)

  1. 固定接点を有する固定端子片と可動接点を有する可動片を反転動作させるばねの一端を係合支持する受け金とがケースに組み込まれたスイッチの応差の動き、動作力、戻りの力に関する特性を、予め定めた目標に調整装置を用いて調整する方法であって、
    調整装置は、
    動作力と戻りの力との力の差の変化量と固定端子片の操作量との第1相関データ、および戻り力の変化量と受け金の操作量との第2相関データを予め記憶しており、
    前記スイッチの可動片を押圧することにより、応差の動き、動作力と戻りの力、その力の差を計測する計測ステップと、
    計測した応差の動きと目標とする応差の動きと計測した力の差に基づいて前記目標とする力の差への変化量を算出し、計測した戻りの力に基づいて前記目標とする戻りの力への変化量を算出し、算出した力の差の変化量から前記第1相関データに基づいて固定端子片の操作量を、算出した戻りの力の変化量から前記第2相関データに基づいて受け金の操作量をそれぞれ求める算出ステップと、
    求めた固定端子片の操作量に従って前記固定端子片を、求めた受け金の操作量に従って前記受け金を、それぞれ加工する加工ステップと、からなる動作をする
    ことを特徴とするスイッチの特性調整方法。
  2. 固定接点を有する固定端子片と可動接点を有する可動片を反転動作させるばねの一端を係合支持する受け金とがケースに組み込まれたスイッチの応差の動き、動作力、戻りの力に関する特性を予め定めた目標に調整装置を用いて調整する方法であって、
    調整装置は、
    動作力の変化量と固定端子片の操作量との第1相関データ、および戻り力の変化量と受け金の操作量との第2相関データを、予め記憶しており、
    前記スイッチの可動片を押圧することにより、応差の動き、動作力、戻りの力を計測する計測ステップと、
    計測した応差の動きと目標とする応差の動きと計測した動作力に基づいて前記目標とする動作力への変化量を算出し、計測した戻りの力に基づいて前記目標とする戻りの力への変化量を算出し、算出した動作力の変化量から前記第1相関データに基づいて固定端子片の操作量を、算出した戻りの力の変化量から前記第2相関データに基づいて受け金の操作量をそれぞれ求める算出ステップと、
    求めた固定端子片の操作量に従って前記固定端子片を、求めた受け金の操作量に従って前記受け金を、それぞれ加工する加工ステップと、からなる動作をする
    ことを特徴とするスイッチの特性調整方法。
  3. 前記算出ステップにおける力の差の変化量の算出は、
    計測した力の差 −(計測した力の差×目標とする応差の動き/計測した応差の動き)という式により算出する請求項1に記載のスイッチの特性調整方法。
  4. 前記算出ステップにおける動作力の変化量の算出は、
    計測した動作力 −(計測した動作力×目標とする応差の動き/計測した応差の動き)という式により算出する請求項2に記載のスイッチの特性調整方法。
  5. 前記算出ステップにおける戻りの力の変化量の算出は、目標とする戻りの力と計測した戻りの力との差により算出する請求項1または2に記載のスイッチの特性調整方法。
  6. 前記第1相関データは、力の差の変化量と固定端子片の加工量との関係を示すデータと、その固定端子片の加工量と該加工量で固定端子片を加工するためにスプリングバックを考慮した固定端子片の押圧操作量との関係を示すデータとを含み、
    前記第2相関データは、戻りの力の変化量と受け金の加工量との関係を示すデータと、その受け金の加工量と該加工量で受け金を加工するためにスプリングバックを考慮した受け金の押圧操作量との関係を示すデータとを含み、
    前記算出ステップにおける固定端子片の操作量および受け金の操作量を求める方法は、算出した力の差の変化量から前記第1相関データに基づいて固定端子片の押圧操作量を求め、算出した戻りの力の変化量から前記第2相関データに基づいて受け金の押圧操作量をそれぞれ求めるものであり、
    前記加工ステップは、求めた固定端子片の押圧操作量に従って前記固定端子片を押圧加工し、求めた受け金の押圧操作量に従って前記受け金を押圧加工するものである請求項1に記載のスイッチの特性調整方法。
  7. 前記第1相関データは、動作力の変化量と固定端子片の加工量との関係を示すデータと、その固定端子片の加工量と該加工量で固定端子片を加工するためにスプリングバックを考慮した固定端子片の押圧操作量との関係を示すデータとを含むものであり、
    前記第2相関データは、戻りの力の変化量と受け金の加工量との関係を示すデータと、その受け金の加工量と該加工量で受け金を加工するためにスプリングバックを考慮した受け金の押圧操作量との関係を示すデータとを含むものであり、
    前記算出ステップにおける固定端子片の操作量および受け金の操作量を求める工程は、算出した動作力の変化量から前記第1相関データに基づいて固定端子片の押圧操作量を求め、算出した戻りの力の変化量から前記第2相関データに基づいて受け金の押圧操作量をそれぞれ求めるものであり、
    前記加工ステップは、求めた固定端子片の押圧操作量に従って前記固定端子片を押圧加工し、求めた受け金の押圧操作量に従って前記受け金を押圧加工するものである請求項2に記載のスイッチの特性調整方法。
  8. 前記相関データを、計測された実測値を用いて更新する更新ステップを備える請求項1または2記載のスイッチの特性調整方法。
  9. 固定接点を有する固定端子片と可動接点を有する可動片を反転動作させるばねの一端を係合支持する受け金とがケースに組み込まれたスイッチの応差の動き、動作力、戻りの力に関する特性を、予め定めた目標に調整する装置であって、
    前記スイッチの可動片を押圧することにより、応差の動き、動作力と戻りの力、その力の差を計測する計測手段と、
    前記固定端子片および前記受け金を、固定端子片の操作量および受け金の操作量に従ってそれぞれ加工する加工手段と、
    力の差の変化量と固定端子片の操作量との第1相関データ、および戻り力の変化量と受け金の操作量との第2相関データを予め記憶する記憶部を有するとともに、前記予め定めた目標、前記計測手段の計測結果および前記第1,第2相関データに基づいて、固定端子片の操作量および受け金の操作量をそれぞれ求めて、前記加工手段を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、計測された応差の動きと目標とする応差の動きと計測された力の差に基づいて前記目標とする力の差への変化量を算出し、計測された戻りの力に基づいて前記目標とする戻りの力への変化量を算出し、算出した力の差の変化量から前記第1相関データに基づいて固定端子片の操作量を、算出した戻りの力の変化量から前記第2相関データに基づいて受け金の操作量をそれぞれ求める
    ことを特徴とするスイッチの特性調整装置。
  10. 固定接点を有する固定端子片と可動接点を有する可動片を反転動作させるばねの一端を係合支持する受け金とがケースに組み込まれたスイッチの応差の動き、動作力、戻りの力に関する特性を予め定めた目標に調整する装置であって、
    前記スイッチの可動片を押圧することにより、応差の動き、動作力、戻りの力を計測する計測手段と、
    前記固定端子片および前記受け金を、固定端子片の操作量および受け金の操作量に従ってそれぞれ加工する加工手段と、
    動作力の変化量と固定端子片の操作量との第1相関データ、および戻り力の変化量と受け金の操作量との第2相関データを予め記憶する記憶部を有するとともに、前記予め定めた目標、前記計測手段の計測結果および前記第1,第2相関データに基づいて、固定端子片の操作量および受け金の操作量をそれぞれ求めて、前記加工手段を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、計測された応差の動きと目標とする応差の動きと計測された動作力に基づいて前記目標とする動作力への変化量を算出し、計測された戻りの力に基づいて前記目標とする戻りの力への変化量を算出し、算出した動作力の変化量から前記第1相関データに基づいて固定端子片の操作量を、算出した戻りの力の変化量から前記第2相関データに基づいて受け金の操作量をそれぞれ求める
    ことを特徴とするスイッチの特性調整装置。
  11. 前記第1相関データは、力の差の変化量と固定端子片の加工量との関係を示すデータと、その固定端子片の加工量と該加工量で固定端子片を加工するためにスプリングバックを考慮した固定端子片の押圧操作量との関係を示すデータとを含み、
    記第2相関データは、戻りの力の変化量と受け金の加工量との関係を示すデータと、その受け金の加工量と該加工量で受け金を加工するためにスプリングバックを考慮した受け金の押圧操作量との関係を示すデータとを含み、
    前記制御手段は、算出した力の差の変化量から前記第1相関データに基づいて固定端子片の押圧操作量を求め、算出した戻りの力の変化量から前記第2相関データに基づいて受け金の押圧操作量をそれぞれ求めるものであり、
    前記加工手段は、固定端子片の押圧操作量に従って前記固定端子片を押圧加工し、受け金の押圧操作量に従って前記受け金を押圧加工するものである請求項9に記載のスイッチの特性調整装置。
  12. 前記第1相関データは、動作力の変化量と固定端子片の加工量との関係を示すデータと、その固定端子片の加工量と該加工量で固定端子片を加工するためにスプリングバックを考慮した固定端子片の押圧操作量との関係を示すデータとを含むものであり、
    前記第2相関データは、戻りの力の変化量と受け金の加工量との関係を示すデータと、その受け金の加工量と該加工量で受け金を加工するためにスプリングバックを考慮した受け金の押圧操作量との関係を示すデータとを含むものであり、
    前記制御手段は、算出した動作力の変化量から前記第1相関データに基づいて固定端子片の押圧操作量を求め、算出した戻りの力の変化量から前記第2相関データに基づいて受け金の押圧操作量をそれぞれ求めるものであり、
    前記加工手段は、固定端子片の押圧操作量に従って前記固定端子片を押圧加工し、受け金の押圧操作量に従って前記受け金を押圧加工するものである請求項10に記載のスイッチの特性調整装置。
  13. 前記制御手段は、前記相関データを、計測された実測値を用いて更新する請求項9または10記載のスイッチの特性調整装置。
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