JP4304856B2 - 核磁気共鳴装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料供給源と核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance)装置(以下NMR装置と略す)とが流路を介して接続され、試料供給源から供給される試料をオンラインで分析できるようにしたNMR装置に関する。
例えば液体クロマトグラフ装置とNMR装置とを流路的に接続し、液体クロマトグラフ装置により分取した試料を順次流路を介してNMR装置側に送って測定を行う場合等に適用される。
【0002】
【従来の技術】
NMR測定では、測定に必要な重水系(重アルコール系)溶媒を用いて試料を個々の有底試料管内に採取し、これを1つ1つNMR装置の測定空間内に位置するNMRプローブ(測定プローブ)に取り付けてNMR測定を行うオフライン測定が汎用されているが、近年測定の自動化を進めるために有底試料管を用いないで、直接試料供給源から配管流路を介してNMR装置のNMRプローブに試料を送り込んで測定を行うようにしたオンライン測定のNMR装置も用いられている。
【0003】
図3は、液体クロマトグラフ装置とNMRとをオンラインで接続するようにした液体クロマトグラフ−核磁気共鳴装置(以下LC−NMR装置と略す)の従来例の概略構成を示す図である。
この装置は試料供給源として機能する液体クロマトグラフ部(LC部)と、NMR装置とからなる。
【0004】
このうちLC部は、移動相1が送液ポンプ2により配管流路中に送り出され、流路途中に設けた試料導入部3から試料が導入される。導入された試料はカラム4により成分分離され、各成分ごとに順次カラム4を通過する。ここで移動相1は試料がカラム4を通過する際に適度に成分ごとに分離することができるように、重水系溶媒(試料をカラムに吸着させる能力が高い)と重アルコール系溶媒(試料をカラムに吸着させる能力が低い)の濃度を調整して作られている。なお、軽水溶媒と軽アルコール溶媒を用いていないのは、後述するNMR測定を行うには軽水、軽アルコールではなく、重水、重アルコール溶媒を用いる必要があるからである。そして、カラム4を通過した試料成分は電気伝導度やUV測定を行う検出器5により検出される。
【0005】
NMR装置は、電磁石により形成される強磁場空間内に測定空間が形成され、この測定空間内にはNMR測定に必要な電磁波が装置制御部によって発生するように構成されているとともに、測定した電磁波信号を送受信するためのNMRコイル20が取り付けられている。
【0006】
LC部の検出器5の後段には試料流路21が接続され、この試料流路21がNMRコイル20を軸方向に貫通するようにしてある。
そして検出器5からNMRコイル20の位置までの配管容積を予め測定しておき、さらに移動相の送液速度(単位時間あたりの送液量)をポンプの回転数から知ることにより、測定対象となる試料が検出器5で検出されてからNMRコイル位置に到達するまでの時間が計算できる。
【0007】
したがって、検出器5が測定対象となる試料を検出すると、測定対象試料がNMRコイル位置に到達する時間を配管容積と送液速度に基づいて算出し、到達時間が経過した直後に移動相の送液を停止することにより、試料をNMRコイル位置に止めることができ、これによりNMRコイル20の位置の試料流路領域内に存在する物質のNMR測定を行うことができる。あるいは、送液を停止しなくとも試料がNMRコイル20の位置を通過する時間に合わせて測定を開始することにより測定対象試料のNMR測定を行うことができる。
【0008】
このように、試料流路21のうちのNMRコイル20を貫通する部分によりNMR測定がなされるので、NMRコイル20とNMRコイル20を貫通する試料流路21の一部分とにより測定のためのNMRプローブ22が実質的に形成されていることになる。なお、試料流路21の末端はドレインにつながれており、測定後の試料が廃棄される。
【0009】
図4は図3におけるNMRプローブ部分の拡大図である。NMRコイル20は円筒形のコイル用チューブ23に巻くようにして作られている。このコイル用チューブ23内を試料流路21が貫通するようにしてある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように従来のNMRプローブ22は、NMRコイル20内を中空の試料流路21がそのまま貫通するように形成されている。この装置で測定する場合に、試料が送られてくると、NMRプローブ22内を流れる時間内に試料を測定するか(on-flow、オンフロー測定)、送液ポンプ9を停止して試料が流動するのを一時的に中断することにより試料をNMRプローブ22内に止めて積算時間を長くした測定をするか(stopped-flow、ストップドフロー測定)のいずれかを採用していた。
【0011】
しかしながら、オンフロー測定の場合、例えば試料の流速が大きいときに測定時間を十分にとれない場合があり、適切な積算処理ができない結果SN比の高い測定ができない場合がある。一方、ストップドフローの場合、停止中にサンプルが流路内を前後方向に拡散することは避けられないため(例えば試料が拡散することによりNMRコイル近傍には全試料の30%程度しか残らないこともありうる)、たとえ積算時間を稼いだとしても、試料拡散による希釈の影響により積算処理によっても全体としては十分なSN比が得ることができない。又拡散にともない、定量的な測定もできなくなる場合がある。
【0012】
又、測定対象試料がNMRコイル20の位置に到達した時点でNMR測定をすることになるが、そのタイミングを正確に定めることは困難であり、したがって安全のために通常はNMRコイル内の試料流路の長さに比べて、測定試料が存在する流路長さが長くなるように少し拡散させて試料を送るようにして、多少タイミングがずれたとしてもNMRコイル位置内に試料が存在するようにせざるをえなかった。したがって、試料供給源から送り込まれた全測定試料のうち、実際に測定に寄与する量は一部だけになるのでSN比を高くするのに限界があった。
【0013】
さらに、NMR測定時に使用する溶媒は高価な重水・重アルコール系溶媒を使用することになるが、そのような溶媒の使用はできるかぎり節約したいものである。つまり代替できるのであれば可能なかぎり軽水・軽アルコール系溶媒を使用したいものである。
特に、重アルコール系溶媒は極めて高価であるため極力使用量を減らすことが望ましいが、上述のようにNMR装置の前段にLC部が接続されたシステムでは、分離カラムが存在するので移動相に重アルコール系溶媒を混合して使用する必要があり(長いカラムを重水系溶媒のみで試料を通過させることは困難なため)、高価な重アルコールを相当量使用する必要があった。
【0014】
さらに、NMR測定中はNMRプローブ位置にできるだけ試料を高濃度に保持する必要があるが、測定終了後はできるだけ迅速かつ効率的にNMRプローブ位置から試料を排出することが望まれる。
【0015】
そこで、本発明はNMR装置をオンライン測定で用いる場合に、微量試料をできるだけ有効に利用して高感度でSN比の高い測定ができるようにしたNMR装置を提供することを目的とする。又、本発明は流動する試料を容易かつ正確に測定位置に止めることが可能なNMR装置を提供することを目的とする。又、本発明はNMR測定で使用する高価な溶媒の使用をできるだけ節約できるようにしたNMR装置を提供することを目的とする。又、本発明は測定のためNMRプローブ内に試料を止める必要のあるときは高濃度に濃縮することができるようにし、かつ、測定後にNMRプローブから排出したいときには迅速かつ効率的に排出できるようにしたNMR装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するためになされた第1の発明のNMR装置は、NMR装置の測定空間内に取り付けられ電磁波を送受信するNMRコイルと、試料供給源から前記NMRコイルを貫通するように流路接続された試料流路とを有し、前記試料流路のうちのNMRコイルを通過する部分が測定を行うためのNMRプローブとして機能するようにしたオンライン測定を行うためのNMR装置において、前記NMRプローブ位置の試料流路内に試料を吸着しうる充填剤を設けたことを特徴とする。
【0017】
また、上記問題を解決するためになされた第2の発明のNMR装置は、NMR装置の測定用空間内に取り付けられ電磁波を送受信するNMRコイルと、試料供給源から前記NMRコイル内を貫通するように流路接続された試料流路とを有し、前記試料流路のうちのNMRコイルを通過する部分が測定を行うためのNMRプローブとして機能するようにしたオンライン測定を行うためのNMR装置において、前記NMRプローブの試料流路内に試料を吸着しうる充填剤を設けるとともに、NMRプローブより上流側の試料流路が試料供給源につながる試料供給流路と、溶媒を置換するための溶媒流路とが切換手段により切換え可能に接続されたことを特徴とする。
【0018】
また、上記問題を解決するためになされた第3の発明のNMR装置は、NMR装置の測定用空間内に取り付けられ電磁波を送受信するNMRコイルと、試料供給源から前記NMRコイル内を貫通するように流路接続された試料流路とを有し、前記試料流路のうちのNMRコイルを通過する部分が測定を行うためのNMRプローブとして機能するようにしたオンライン測定を行うためのNMR装置において、前記NMRプローブの試料流路内に試料を吸着しうる充填剤を設けるとともに、NMRプローブより上流側の試料流路が試料供給源につながる試料供給流路と、2以上の異なる溶媒を選択的に又は混合して置換するための溶媒流路とが切換手段により切換え可能に接続されたことを特徴とする。
【0019】
第1の発明によれば、NMRプローブ部分を通過する試料流路には試料を吸着しうる充填剤が詰められているので、流路内を流れてきた試料はこの充填剤によって、NMRプローブ内に正確に捕捉される。この充填剤の種類と溶媒とを選択することにより、捕捉時間を調整することができるので試料に応じた充填剤と溶媒との選択を行うことにより測定に十分な積算時間を得ることができる。また、試料自体は充填剤に捕捉されているので試料が濃縮されることになり、試料流路内を拡散することがなくなるので、微量試料による測定の場合であってもSN比を落としたり、定量測定が困難になる問題も生じない。
【0020】
第2の発明によれば、試料供給源から切換手段までの試料供給流路を流れるうちは安価な軽水・軽アルコール系溶媒を用い、切換手段以降の試料流路に重水・重アルコール系溶媒を用いるようにする。これにより、高価な重水・重アルコール系溶媒の使用量を減らすことができる。
【0021】
第3の発明によれば、溶媒流路から供給される溶媒と充填剤との組み合わせによっては試料の吸着能力を調整することができるので、測定中は試料を吸着する能力の高い溶媒を用い、測定終了後は試料吸着能力の弱い溶媒を用いて迅速に試料を排出することが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図を用いて説明する。図1は本発明の一実施例を示すNMR装置の構成を示す図である。
図1に示すようにこのNMRは、一対の強磁場発生用のコイル電磁石30と、同じく一対の掃引磁場用電磁石31とにより測定空間が形成され、その測定空間内にNMRコイル20が取り付けられている。このNMRコイル20は変形しにくいように円筒形チューブ23に巻くようにして形成されている。
一方、試料供給源(例えばLC部)から流路的に接続されたガラス管製の試料流路21がNMRコイル20を貫通するようにしてあり、この試料流路21がNMRコイル20を通過する位置には充填剤24が詰められている。充填剤としては、水系(軽水、重水)に対しては吸着能力が高く、アルコール系(軽アルコール、重アルコール)に対しては吸着能力が低いものが用いられる。例えばフルオロカーボンが充填剤として好適であるが、測定物質に応じて適当なものを選ぶことができる。
【0023】
試料源から試料流路21を介して試料が送られてくると、充填剤24の位置に存在する試料についてNMR測定がなされることになるので、NMRコイル20、試料流路21、充填剤24とにより、実質的にNMRプローブ22としての機能が達成されることになる。
コイル電磁石30及び掃引磁場用電磁石31の制御、さらにはNMRコイルの信号処理は、装置制御部により処理され、これによりNMR測定が実行されるようにしてある。
【0024】
この装置によると、試料流路21を介して重水(あるいは重アルコールとの混合)系溶媒により送られてくる試料が充填剤24の位置に到達すると、試料が充填剤24により吸着されて滞留することになる。この状態で送液を停止し、NMR測定を行う。充填剤24による吸着作用の結果、試料を濃縮することができ、又、NMRプローブ22内での試料の滞留時間を大幅に増大させることができるので、高濃度試料による長時間の積算処理を行うことができ、SN比の高い測定を行うことができる。また、たとえ送液を停止したとしても、吸着作用により試料の拡散が生じないので、従来のような試料流路内での拡散に基づくSN比の低下問題、定量分析ができなくなる問題等も解決できる。測定終了後はアルコール系の濃度を高くした溶媒を供給することにより短時間で廃棄する(充填剤が存在する領域の長さは短いので吸着能力の高い重水系溶媒を使用しつつづけるだけでも試料を排出することはできるが長時間必要となり、時間と溶媒とを浪費することになるので溶媒にアルコール系に切り替える方が望ましい)。
【0025】
また、図2は図1のNMR装置を用いたLC−NMR装置の全体構成を示す図である。本LC−NMR装置は、LC部、溶媒置換部、NMR装置により構成される。
【0026】
このうちLC部は、移動相1、送液ポンプ2、試料導入部3、カラム4、検出器5をこの順で流路接続するようにして構成されるが、これについては従来例の図3のものと共通しているので同符号を付すことにより、説明を省略する。なお、移動相1には軽水、軽アルコール混合溶媒が用いられる。これらの混合濃度は試料がカラム4内で適当に分離することができるような濃度に調整してある。移動相に重水・重アルコールが用いられていないのは、後述する溶媒置換部によって溶媒置換ができるのでこの部分で高価な溶媒を使用することを避けるためである。
【0027】
本LC−NMR装置の溶媒置換部は、ドレイン側と試料流路側とを切換える切換バルブ6、第1置換溶媒7、第2置換溶媒8、送液ポンプ9、第1置換溶媒7と第2置換溶媒8とを切り換える切換バルブ10、とから構成される。
ここで、第1置換溶媒には軽水より高価な重水が、第2置換溶媒には重水よりも高価な重メタノールが用いられる。重水と重メタノールとでは溶媒強度が異なるので、これらを使い分けたり濃度調整を行うと、充填剤に捕捉された試料の溶出能力を調整することができる。なお、切換バルブ6までのLC部においては通常の液体クロマトグラフに用いられる安価な軽水、軽アルコール溶媒が用いられる。
【0028】
本LC−NMR装置のNMR装置は、切換えバルブ6の後段に流路接続される試料流路21、試料流路21の途中に詰められた充填剤24、充填剤24が詰められている試料流路の周囲を巻くようにして形成されるNMRコイル20、NMR20の位置にNMR測定に必要な磁場を形成する磁石とから構成される。
【0029】
次にこの装置の動作について説明する。切換バルブ6がドレイン側に接続された状態でLC部を動作させ、試料導入部3から試料を注入する。試料はカラム4により成分分離され、順次検出器5に至る。検出器5では成分ごとの信号を検知しつづける。成分ごとに生じる信号のうち不要成分の信号が出ている間は、切り換バルブ6はドレイン側に接続されている。検出器5が所望成分の信号を検出すると、適切なタイミングを見計らって検出器5から切換バルブ6に切換信号が出され、ドレイン側から試料流路側21に流路が切り換わる。これにより、特定成分は試料流路21に導入される。バルブ切換と同時に第1置換溶媒7(重水)が切換バルブ10、送液ポンプ9により試料流路21に送り込まれ、試料流路21内でLC部から送られる試料および軽水・軽アルコール混合溶媒と混合され、その結果試料は重水により希釈される。その後検出器5が所望成分についての信号を検知しなくなると適切なタイミングを見計らって切換バルブ6は再びドレイン側に切り換わる。以上の動作により、試料は重水により希釈されつつ試料流路21を移動し、NMRコイル位置に達するようになる。これによりNMR測定に必要な重水溶媒中に試料が存在することとなる。
【0030】
このようにして試料が充填剤24の位置に到達すると、充填剤24により吸着されて滞留することになる(吸着能力が高い重水により希釈されているので吸着されやすくなっている)。この状態で送液ポンプ9による送液を停止しNMR測定を行う。
試料は吸着作用により測定に必要な時間だけ滞留させることができるので、高濃度試料を十分な積算時間をかけて測定することができる。
【0031】
NMR測定が終了すると、充填剤24における試料の吸着能力を抑えることができる第2溶媒(重メタノール)に切り換える。即ち、切換バルブ10を切り換えて試料流路21に第2溶媒8(重メタノール)を流すようにすることにより、充填剤24に滞留していた試料がドレインに向けて流れ出し、これにより、迅速に排出される。このように溶媒を選択することにより、NMRプローブ22に試料を滞留させたり、排出させたり制御することができる。
【0033】
一般に、重水、重メタノールのような重水素系の溶媒は軽水・軽アルコールに比較すると高価であるため、上記の方法によれば高価な重溶媒の消費量をできるだけ控えるようにできるのでランニングコストの削減にもつながる。重メタノールのような重有機溶媒は特に高価であり、従来例のようにLC部の分離カラムを通過させるための溶媒にも重有機溶媒を使用していた場合に比べると、はるかに重有機溶媒の使用量を低減することができる。
【0034】
又、上記実施例では試料供給源として液体クロマトグラフ装置(LC部)を使用していたが、これに限るものではなく、オンラインで試料が順次供給されるものであれば何でも適用可能である。
【0035】
さらに上記実施例では切換バルブ6はドレイン側と試料流路側とを切り換えるものであるが、複数の測定対象を分取し、順次測定したい場合には、各成分を一時的に保持するために複数の分取流路を切り換えバルブを介して並列的に接続し、成分ごとトラップ流路をスイッチするようにしておき、成分ごとに分取流路に保持させておいた上で、順次測定試料をトラップ流路から試料流路に送るようにしてもよい。
【0036】
以下、本発明の実施態様をまとめておく。
(1) 核磁気共鳴装置の測定空間内に取り付けられ電磁波を送受信するNMRコイルと、試料供給源から前記NMRコイルを貫通するように流路接続された試料流路とを有し、前記試料流路のうちのNMRコイルを通過する部分が測定を行うためのNMRプローブとして機能するようにしたオンライン測定を行うための核磁気共鳴装置において、前記NMRプローブ位置の試料流路内に試料を吸着しうるフルオロカーボンからなる充填剤を設けたことを特徴とする核磁気共鳴装置。
(2)請求項1、2、3又は上記(1)のNMR装置において、試料供給源として液体クロマトグラフ装置を用いたことを特徴とするNMR装置。
【0037】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明のNMR装置では、試料流路のうちのNMRプローブとなる部分に試料を吸着しうる充填剤を設けたので、微量試料であっても試料供給源から送り込まれる試料が濃縮された状態で、しかも測定中は拡散することなく、さらには、正確に測定位置に試料を止めることが可能となり、SN比の高い高感度な測定を行うことができる。
また、第2の発明によれば高価な溶媒の消費を削減することが可能になる。
また、第3の発明によれば溶媒強度を調整することができるので、測定中は吸着能力の高い溶媒、測定後は吸着能力の低い溶媒を流すことができ、濃縮時、排出時にそれぞれ最適な溶媒強度の溶媒を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である核磁気共鳴装置の構成図。
【図2】本発明の核磁気共鳴装置を応用したLC−NMR装置の構成図。
【図3】従来からの核磁気共鳴装置の構成図。
【図4】従来からの核磁気共鳴装置のNMRプローブ部分の拡大図。
【符号の説明】
1:移動相
3:試料導入部
4:カラム
5:検出器
6:切換バルブ
7:第1置換溶媒(重水)
8:第2置換溶媒(重メタノール)
10:切換バルブ
20:NMRコイル
21:試料流路
22:NMRプローブ
24:充填剤
30:電磁石
31:掃引磁場用電磁石

Claims (3)

  1. 核磁気共鳴装置の測定空間内に取り付けられ電磁波を送受信するNMRコイルと、試料供給源から前記NMRコイルを貫通するように流路接続された試料流路とを有し、前記試料流路のうちのNMRコイルを通過する部分が測定を行うためのNMRプローブとして機能するようにしたオンライン測定を行うための核磁気共鳴装置を用いた核磁気共鳴測定方法において、前記NMRプローブ位置の試料流路内に試料を吸着しうる充填剤を設けた核磁気共鳴装置を用いて、前記充填剤に試料が吸着されて滞留した状態で送液を停止し核磁気共鳴測定を行う核磁気共鳴測定方法。
  2. 核磁気共鳴装置の測定用空間内に取り付けられ電磁波を送受信するNMRコイルと、試料供給源から前記NMRコイル内を貫通するように流路接続された試料流路とを有し、前記試料流路のうちのNMRコイルを通過する部分が測定を行うためのNMRプローブとして機能するようにしたオンライン測定を行うための核磁気共鳴装置を用いた核磁気共鳴測定方法において、前記NMRプローブの試料流路内に試料を吸着しうる充填剤を設けるとともに、NMRプローブより上流側の試料流路が試料供給源につながる試料供給流路と、溶媒を置換するための溶媒流路とが切換手段により切換え可能に接続された核磁気共鳴装置を用いて、前記試料供給源から前記切手段以降の前記試料流路に用いる溶媒を切え、前記充填剤に試料が吸着されて滞留した状態で送液を停止し核磁気共鳴測定を行う核磁気共鳴測定方法。
  3. 請求項2に記載の核磁気共鳴測定方法において、溶媒流路は2以上の異なる溶媒が選択的に置換しうるように切換手段が接続された核磁気共鳴装置を用い、測定中は試料吸着能力の高い溶媒を用い試料を吸着させ、測定終了後は試料吸着能力の低い溶媒を用いて試料を排出する核磁気共鳴測定方法。
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