JP4304578B2 - 画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム - Google Patents

画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラムに関し、特に、画像の特徴量を求める画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
第1の次元を有する現実世界の信号である第1の信号をセンサによって検出することにより得た、第1の次元に比較し次元が少ない第2の次元を有し、第1の信号に対する歪みを含む第2の信号を取得し、第2の信号に基づく信号処理を行うことにより、第2の信号に比して歪みの軽減された第3の信号を生成しているものがある(特許文献1参照)。
【0003】
本願出願人は、画像の特徴量として、画像において、前景のオブジェクトと背景のオブジェクトとが混合されている割合を示す混合比の検出を提案した。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−250119号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、所定の領域の画素を利用して混合比を算出する場合、求めようとする混合比の誤差が大きくなってしまうときがあるという問題があった。
【0006】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、より正確に混合比を算出することができるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像処理装置は、それぞれ時間積分効果を有する複数の画素に光信号が射影されることにより取得された画像データの注目フレームにおける、前景オブジェクト成分と背景オブジェクト成分とが混合される混合領域を検出する領域特定手段と、領域特定手段により検出された混合領域内の画素の画素値は、注目フレームに対して時間的に前または後のフレームの対応する第1の対応画素の画素値に等しい前景オブジェクト成分と、注目フレームに対して時間的に後または前のフレームの対応する第2の対応画素の画素値に等しい背景オブジェクト成分とが、所定の混合比で混合された値であるとする方程式を生成する方程式生成手段と、方程式生成手段により生成された方程式の前景オブジェクト成分に対応する変数の一部に第1の対応画素の画素値を代入し、方程式の背景オブジェクト成分に対応する変数に第2の対応画素の画素値を代入して、第1の対応画素の画素値および第2の対応画素の画素値が代入されることにより生成された正規方程式を解くことにより、混合比と第1の対応画素の画素値が代入されていない前景オブジェクト成分に対応する変数の他部とを求める演算手段とを備え、さらに、演算手段は、正規方程式を解くことにより求められた前景オブジェクト成分に対応する変数の他部の値を方程式の前景オブジェクト成分に対応する変数の一部に代入することにより生成された正規方程式を解くことにより、混合比と前景オブジェクト成分に対応する変数の他部とを繰り返し求めることを特徴とする。
【0008】
方程式生成手段は、混合比が画像データの空間方向に対して線形に変化するとして、方程式を生成するようにすることができる。
【0009】
方程式生成手段は、前景オブジェクト成分の動き方向に対応する混合領域の端部のサンプルを除いて、方程式を生成するようにすることができる。
【0010】
本発明の画像処理方法は、それぞれ時間積分効果を有する複数の画素に光信号が射影されることにより取得された画像データの注目フレームにおける、前景オブジェクト成分と背景オブジェクト成分とが混合される混合領域を検出する領域特定ステップと、領域特定ステップにおいて検出された混合領域内の画素の画素値は、注目フレームに対して時間的に前または後のフレームの対応する第1の対応画素の画素値に等しい前景オブジェクト成分と、注目フレームに対して時間的に後または前のフレームの対応する第2の対応画素の画素値に等しい背景オブジェクト成分とが、所定の混合比で混合された値であるとする方程式を生成する方程式生成ステップと、方程式生成ステップにおいて生成された方程式の前景オブジェクト成分に対応する変数の一部に第1の対応画素の画素値を代入し、方程式の背景オブジェクト成分に対応する変数に第2の対応画素の画素値を代入して、第1の対応画素の画素値および第2の対応画素の画素値が代入されることにより生成された正規方程式を解くことにより、混合比と第1の対応画素の画素値が代入されていない前景オブジェクト成分に対応する変数の他部とを求める演算ステップとを含み、さらに、演算ステップにおいては、正規方程式を解くことにより求められた前景オブジェクト成分に対応する変数の他部の値が方程式の前景オブジェクト成分に対応する変数の一部に代入されることにより生成された正規方程式が解かれることにより、混合比と前景オブジェクト成分に対応する変数の他部とが繰り返し求められることを特徴とする。
【0011】
本発明の記録媒体のプログラムは、それぞれ時間積分効果を有する複数の画素に光信号が射影されることにより取得された画像データの注目フレームにおける、前景オブジェクト成分と背景オブジェクト成分とが混合される混合領域を検出する領域特定ステップと、領域特定ステップにおいて検出された混合領域内の画素の画素値は、注目フレームに対して時間的に前または後のフレームの対応する第1の対応画素の画素値に等しい前景オブジェクト成分と、注目フレームに対して時間的に後または前のフレームの対応する第2の対応画素の画素値に等しい背景オブジェクト成分とが、所定の混合比で混合された値であるとする方程式を生成する方程式生成ステップと、方程式生成ステップにおいて生成された方程式の前景オブジェクト成分に対応する変数の一部に第1の対応画素の画素値を代入し、方程式の背景オブジェクト成分に対応する変数に第2の対応画素の画素値を代入して、第1の対応画素の画素値および第2の対応画素の画素値が代入されることにより生成された正規方程式を解くことにより、混合比と第1の対応画素の画素値が代入されていない前景オブジェクト成分に対応する変数の他部とを求める演算ステップとを含み、さらに、演算ステップにおいては、正規方程式を解くことにより求められた前景オブジェクト成分に対応する変数の他部の値が方程式の前景オブジェクト成分に対応する変数の一部に代入されることにより生成された正規方程式が解かれることにより、混合比と前景オブジェクト成分に対応する変数の他部とが繰り返し求められることを特徴とする。
【0012】
本発明のプログラムは、それぞれ時間積分効果を有する複数の画素に光信号が射影されることにより取得された画像データの注目フレームにおける、前景オブジェクト成分と背景オブジェクト成分とが混合される混合領域を検出する領域特定ステップと、領域特定ステップにおいて検出された混合領域内の画素の画素値は、注目フレームに対して時間的に前または後のフレームの対応する第1の対応画素の画素値に等しい前景オブジェクト成分と、注目フレームに対して時間的に後または前のフレームの対応する第2の対応画素の画素値に等しい背景オブジェクト成分とが、所定の混合比で混合された値であるとする方程式を生成する方程式生成ステップと、方程式生成ステップにおいて生成された方程式の前景オブジェクト成分に対応する変数の一部に第1の対応画素の画素値を代入し、方程式の背景オブジェクト成分に対応する変数に第2の対応画素の画素値を代入して、第1の対応画素の画素値および第2の対応画素の画素値が代入されることにより生成された正規方程式を解くことにより、混合比と第1の対応画素の画素値が代入されていない前景オブジェクト成分に対応する変数の他部とを求める演算ステップとを含み、さらに、演算ステップにおいては、正規方程式を解くことにより求められた前景オブジェクト成分に対応する変数の他部の値が方程式の前景オブジェクト成分に対応する変数の一部に代入されることにより生成された正規方程式が解かれることにより、混合比と前景オブジェクト成分に対応する変数の他部とが繰り返し求められることを特徴とする。
【0013】
本発明の画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラムにおいては、それぞれ時間積分効果を有する複数の画素に光信号が射影されることにより取得された画像データの注目フレームにおける、前景オブジェクト成分と背景オブジェクト成分とが混合される混合領域が検出され、検出された混合領域内の画素の画素値は、注目フレームに対して時間的に前または後のフレームの対応する第1の対応画素の画素値に等しい前景オブジェクト成分と、注目フレームに対して時間的に後または前のフレームの対応する第2の対応画素の画素値に等しい背景オブジェクト成分とが、所定の混合比で混合された値であるとする方程式が生成され、生成された方程式の前景オブジェクト成分に対応する変数の一部に第1の対応画素の画素値が代入され、方程式の背景オブジェクト成分に対応する変数に第2の対応画素の画素値が代入され、第1の対応画素の画素値および第2の対応画素の画素値が代入されることにより生成された正規方程式を解くことにより、混合比と第1の対応画素の画素値が代入されていない前景オブジェクト成分に対応する変数の他部とが求められ、さらに、正規方程式を解くことにより求められた前景オブジェクト成分に対応する変数の他部の値が方程式の前景オブジェクト成分に対応する変数の一部に代入されることにより生成された正規方程式を解くことにより、混合比と前景オブジェクト成分に対応する変数の他部とが繰り返し求められる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、請求項に記載の構成要件と、発明の実施の形態における具体例との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、請求項に記載されている発明をサポートする具体例が、発明の実施の形態に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の実施の形態中には記載されているが、構成要件に対応するものとして、ここには記載されていない具体例があったとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、具体例が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0015】
さらに、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明が、請求項に全て記載されていることを意味するものではない。換言すれば、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明であって、この出願の請求項には記載されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により追加される発明の存在を否定するものではない。
【0016】
請求項1に記載の画像処理装置は、それぞれ時間積分効果を有する複数の画素に光信号が射影されることにより取得された画像データの注目フレームにおける、前景オブジェクト成分と背景オブジェクト成分とが混合される混合領域を検出する領域特定手段(例えば、図2の領域特定部103)と、領域特定手段により検出された混合領域内の画素の画素値は、注目フレームに対して時間的に前または後のフレームの対応する第1の対応画素の画素値に等しい前景オブジェクト成分と、注目フレームに対して時間的に後または前のフレームの対応する第2の対応画素の画素値に等しい背景オブジェクト成分とが、所定の混合比で混合された値であるとする方程式を生成する方程式生成手段(例えば、図47のマトリックス演算部602)と、方程式生成手段により生成された方程式の前景オブジェクト成分に対応する変数の一部に第1の対応画素の画素値を代入し、方程式の背景オブジェクト成分に対応する変数に第2の対応画素の画素値を代入して、第1の対応画素の画素値および第2の対応画素の画素値が代入されることにより生成された正規方程式を解くことにより、混合比と第1の対応画素の画素値が代入されていない前景オブジェクト成分に対応する変数の他部とを求める演算手段(例えば、図47の最小自乗法演算部603)とを備え、さらに、演算手段は、正規方程式を解くことにより求められた前景オブジェクト成分に対応する変数の他部の値を方程式の前景オブジェクト成分に対応する変数の一部に代入することにより生成された正規方程式を解くことにより、混合比と前景オブジェクト成分に対応する変数の他部とを繰り返し求めることを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の画像処理方法は、それぞれ時間積分効果を有する複数の画素に光信号が射影されることにより取得された画像データの注目フレームにおける、前景オブジェクト成分と背景オブジェクト成分とが混合される混合領域を検出する領域特定ステップ(例えば、図19のステップS11の処理)と、領域特定ステップにおいて検出された混合領域内の画素の画素値は、注目フレームに対して時間的に前または後のフレームの対応する第1の対応画素の画素値に等しい前景オブジェクト成分と、注目フレームに対して時間的に後または前のフレームの対応する第2の対応画素の画素値に等しい背景オブジェクト成分とが、所定の混合比で混合された値であるとする方程式を生成する方程式生成ステップ(例えば、図51のステップS602の処理)と、方程式生成ステップにおいて生成された方程式の前景オブジェクト成分に対応する変数の一部に第1の対応画素の画素値を代入し、方程式の背景オブジェクト成分に対応する変数に第2の対応画素の画素値を代入して、第1の対応画素の画素値および第2の対応画素の画素値が代入されることにより生成された正規方程式を解くことにより、混合比と第1の対応画素の画素値が代入されていない前景オブジェクト成分に対応する変数の他部とを求める演算ステップ(例えば、図51のステップS603の処理)とを含み、さらに、演算ステップにおいては、正規方程式を解くことにより求められた前景オブジェクト成分に対応する変数の他部の値が方程式の前景オブジェクト成分に対応する変数の一部に代入されることにより生成された正規方程式が解かれることにより、混合比と前景オブジェクト成分に対応する変数の他部とが繰り返し求められることを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の記録媒体のプログラムは、それぞれ時間積分効果を有する複数の画素に光信号が射影されることにより取得された画像データの注目フレームにおける、前景オブジェクト成分と背景オブジェクト成分とが混合される混合領域を検出する領域特定ステップ(例えば、図19のステップS11の処理)と、領域特定ステップにおいて検出された混合領域内の画素の画素値は、注目フレームに対して時間的に前または後のフレームの対応する第1の対応画素の画素値に等しい前景オブジェクト成分と、注目フレームに対して時間的に後または前のフレームの対応する第2の対応画素の画素値に等しい背景オブジェクト成分とが、所定の混合比で混合された値であるとする方程式を生成する方程式生成ステップ(例えば、図51のステップS602の処理)と、方程式生成ステップにおいて生成された方程式の前景オブジェクト成分に対応する変数の一部に第1の対応画素の画素値を代入し、方程式の背景オブジェクト成分に対応する変数に第2の対応画素の画素値を代入して、第1の対応画素の画素値および第2の対応画素の画素値が代入されることにより生成された正規方程式を解くことにより、混合比と第1の対応画素の画素値が代入されていない前景オブジェクト成分に対応する変数の他部とを求める演算ステップ(例えば、図51のステップS603の処理)とを含み、さらに、演算ステップにおいては、正規方程式を解くことにより求められた前景オブジェクト成分に対応する変数の他部の値が方程式の前景オブジェクト成分に対応する変数の一部に代入されることにより生成された正規方程式が解かれることにより、混合比と前景オブジェクト成分に対応する変数の他部とが繰り返し求められることを特徴とする。
【0019】
請求項6に記載のプログラムは、それぞれ時間積分効果を有する複数の画素に光信号が射影されることにより取得された画像データの注目フレームにおける、前景オブジェクト成分と背景オブジェクト成分とが混合される混合領域を検出する領域特定ステップ(例えば、図19のステップS11の処理)と、領域特定ステップにおいて検出された混合領域内の画素の画素値は、注目フレームに対して時間的に前または後のフレームの対応する第1の対応画素の画素値に等しい前景オブジェクト成分と、注目フレームに対して時間的に後または前のフレームの対応する第2の対応画素の画素値に等しい背景オブジェクト成分とが、所定の混合比で混合された値であるとする方程式を生成する方程式生成ステップ(例えば、図51のステップS602の処理)と、方程式生成ステップにおいて生成された方程式の前景オブジェクト成分に対応する変数の一部に第1の対応画素の画素値を代入し、方程式の背景オブジェクト成分に対応する変数に第2の対応画素の画素値を代入して、第1の対応画素の画素値および第2の対応画素の画素値が代入されることにより生成された正規方程式を解くことにより、混合比と第1の対応画素の画素値が代入されていない前景オブジェクト成分に対応する変数の他部とを求める演算ステップ(例えば、図51のステップS603の処理)とを含み、さらに、演算ステップにおいては、正規方程式を解くことにより求められた前景オブジェクト成分に対応する変数の他部の値が方程式の前景オブジェクト成分に対応する変数の一部に代入されることにより生成された正規方程式が解かれることにより、混合比と前景オブジェクト成分に対応する変数の他部とが繰り返し求められることを特徴とする。
【0020】
図1は、本発明に係る画像処理装置の一実施の形態の構成を示す図である。CPU(Central Processing Unit)21は、ROM(Read Only Memory)22、または記憶部28に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM(Random Access Memory)23には、CPU21が実行するプログラムやデータなどが適宜記憶される。これらのCPU21、ROM22、およびRAM23は、バス24により相互に接続されている。
【0021】
CPU21にはまた、バス24を介して入出力インタフェース25が接続されている。入出力インタフェース25には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部26、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部27が接続されている。CPU21は、入力部26から入力される指令に対応して各種の処理を実行する。そして、CPU21は、処理の結果得られた画像や音声等を出力部27に出力する。
【0022】
入出力インタフェース25に接続されている記憶部28は、例えばハードディスクなどで構成され、CPU21が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。通信部29は、インターネット、その他のネットワークを介して外部の装置と通信する。この例の場合、通信部29はセンサの出力を取り込む取得部として働く。
【0023】
また、通信部29を介してプログラムを取得し、記憶部28に記憶してもよい。
【0024】
入出力インタフェース25に接続されているドライブ30は、磁気ディスク51、光ディスク52、光磁気ディスク53、或いは半導体メモリ54などが装着されたとき、それらを駆動し、そこに記録されているプログラムやデータなどを取得する。取得されたプログラムやデータは、必要に応じて記憶部28に転送され、記憶される。
【0025】
次に、センサにより取得されたデータから、有意情報が埋もれている領域を特定したり、埋もれた有意情報を抽出する処理を行う信号処理装置についてより具体的な例を挙げて説明する。以下の例において、CCDラインセンサまたはCCDエリアセンサがセンサに対応し、領域情報や混合比が有意情報に対応し、混合領域において、前景と背景が混合していることや動きボケが歪みに対応する。
【0026】
図2は、画像処理装置を示すブロック図である。
【0027】
なお、画像処理装置の各機能をハードウェアで実現するか、ソフトウェアで実現するかは問わない。つまり、本明細書の各ブロック図は、ハードウェアのブロック図と考えても、ソフトウェアによる機能ブロック図と考えても良い。
【0028】
ここで、動きボケとは、撮像の対象となる、現実世界におけるオブジェクトの動きと、センサの撮像の特性とにより生じる、動いているオブジェクトに対応する画像に含まれている歪みをいう。
【0029】
この明細書では、撮像の対象となる、現実世界におけるオブジェクトに対応する画像を、画像オブジェクトと称する。
【0030】
画像処理装置に供給された入力画像は、オブジェクト抽出部101、領域特定部103、混合比前景画素値算出部104、および前景成分算出部105に供給される。
【0031】
オブジェクト抽出部101は、入力画像に含まれる前景のオブジェクトに対応する画像オブジェクトを粗く抽出して、抽出した画像オブジェクトを動き検出部102に供給する。オブジェクト抽出部101は、例えば、入力画像に含まれる前景のオブジェクトに対応する画像オブジェクトの輪郭を検出することで、前景のオブジェクトに対応する画像オブジェクトを粗く抽出する。
【0032】
オブジェクト抽出部101は、入力画像に含まれる背景のオブジェクトに対応する画像オブジェクトを粗く抽出して、抽出した画像オブジェクトを動き検出部102に供給する。オブジェクト抽出部101は、例えば、入力画像と、抽出された前景のオブジェクトに対応する画像オブジェクトとの差から、背景のオブジェクトに対応する画像オブジェクトを粗く抽出する。
【0033】
また、例えば、オブジェクト抽出部101は、内部に設けられている背景メモリに記憶されている背景の画像と、入力画像との差から、前景のオブジェクトに対応する画像オブジェクト、および背景のオブジェクトに対応する画像オブジェクトを粗く抽出するようにしてもよい。
【0034】
動き検出部102は、例えば、ブロックマッチング法、勾配法、位相相関法、およびペルリカーシブ法などの手法により、粗く抽出された前景のオブジェクトに対応する画像オブジェクトの動きベクトルを算出して、算出した動きベクトルおよび動きベクトルの位置情報(動きベクトルに対応する画素の位置を特定する情報)を領域特定部103および動きボケ調整部106に供給する。
【0035】
動き検出部102が出力する動きベクトルには、動き量vに対応する情報が含まれている。
【0036】
また、例えば、動き検出部102は、画像オブジェクトに画素を特定する画素位置情報と共に、画像オブジェクト毎の動きベクトルを動きボケ調整部106に出力するようにしてもよい。
【0037】
動き量vは、動いているオブジェクトに対応する画像の位置の変化を画素間隔を単位として表す値である。例えば、前景に対応するオブジェクトの画像が、あるフレームを基準として次のフレームにおいて4画素分離れた位置に表示されるように移動しているとき、前景に対応するオブジェクトの画像の動き量vは、4とされる。
【0038】
なお、オブジェクト抽出部101および動き検出部102は、動いているオブジェクトに対応した動きボケ量の調整を行う場合に必要となる。
【0039】
領域特定部103は、入力された画像の画素のそれぞれを、前景領域、背景領域、または混合領域のいずれかに特定し、画素毎に前景領域、背景領域、または混合領域のいずれかに属するかを示す情報(以下、領域情報と称する)を混合比前景画素値算出部104、前景成分算出部105、および動きボケ調整部106に供給する。
【0040】
混合比前景画素値算出部104は、入力画像、および領域特定部103から供給された領域情報を基に、混合領域に含まれる画素に対応する混合比(以下、混合比αと称する)、および混合領域に属する画素の画素値に混合されている前景のオブジェクトの画素値(以下、前景画素値と称する。)を算出して、算出した混合比および前景画素値を前景成分算出部105に供給する。
【0041】
混合比αは、後述する式(3)で示されるように、画素値における、背景のオブジェクトに対応する画像の成分(以下、背景の成分とも称する)の割合を示す値である。
【0042】
前景成分算出部105は、混合比前景画素値算出部104から供給された混合比αおよび前景画素値を基に、混合領域における前景のオブジェクトに対応する画像の成分(以下、前景の成分とも称する)を算出する。例えば、前景成分算出部105は、前景画素値に(1−混合比α)を掛け算することにより、前景の成分を算出する。そして、前景成分算出部105は、入力画像および領域特定部103から供給された領域情報を基に、前景領域に属する画素の画素値、および混合領域における前景の成分から、前景の成分のみから成る前景成分画像を算出して、算出した前景成分画像を動きボケ調整部106および選択部107に供給する。
【0043】
なお、算出された前景成分画像を最終的な出力とすることも考えられる。従来の混合領域を考慮しないで前景だけを特定し、分離していた方式に比べ正確な前景を得ることが出来る。
【0044】
動きボケ調整部106は、動きベクトルからわかる動き量vおよび領域情報を基に、前景成分画像に含まれる1以上の画素を示す処理単位を決定する。処理単位は、動きボケの量の調整の処理の対象となる1群の画素を指定するデータである。
【0045】
動きボケ調整部106は、画像処理装置に入力された動きボケ調整量、前景成分算出部105から供給された前景成分画像、動き検出部102から供給された動きベクトルおよびその位置情報、並びに処理単位を基に、前景成分画像に含まれる動きボケを除去する、動きボケの量を減少させる、または動きボケの量を増加させるなど前景成分画像に含まれる動きボケの量を調整して、動きボケの量を調整した前景成分画像を選択部107に出力する。動きベクトルとその位置情報は使わないこともある。
【0046】
選択部107は、例えば使用者の選択に対応した選択信号を基に、前景成分算出部105から供給された前景成分画像、および動きボケ調整部106から供給された動きボケの量が調整された前景成分画像のいずれか一方を選択して、選択した前景成分画像を出力する。
【0047】
次に、図3乃至図18を参照して、画像処理装置に供給される入力画像について説明する。
【0048】
図3は、センサによる撮像を説明する図である。センサは、例えば、固体撮像素子であるCCD(Charge-Coupled Device)エリアセンサを備えたCCDビデオカメラなどで構成される。現実世界における、前景に対応するオブジェクト111は、現実世界における、背景に対応するオブジェクト112と、センサとの間を、例えば、図中の左側から右側に水平に移動する。
【0049】
センサは、前景に対応するオブジェクト111を、背景に対応するオブジェクト112と共に撮像する。センサは、撮像した画像を1フレーム単位で出力する。例えば、センサは、1秒間に30フレームから成る画像を出力する。センサの露光時間は、1/30秒とすることができる。露光時間は、センサが入力された光の電荷への変換を開始してから、入力された光の電荷への変換を終了するまでの期間である。以下、露光時間をシャッタ時間とも称する。
【0050】
図4は、画素の配置を説明する図である。図4中において、A乃至Iは、個々の画素を示す。画素は、画像に対応する平面上に配置されている。1つの画素に対応する1つの検出素子は、センサ上に配置されている。センサが画像を撮像するとき、1つの検出素子は、画像を構成する1つの画素に対応する画素値を出力する。例えば、検出素子のX方向の位置は、画像上の横方向の位置に対応し、検出素子のY方向の位置は、画像上の縦方向の位置に対応する。
【0051】
図5に示すように、例えば、CCDである検出素子は、シャッタ時間に対応する期間、入力された光を電荷に変換して、変換された電荷を蓄積する。電荷の量は、入力された光の強さと、光が入力されている時間にほぼ比例する。検出素子は、シャッタ時間に対応する期間において、入力された光から変換された電荷を、既に蓄積されている電荷に加えていく。すなわち、検出素子は、シャッタ時間に対応する期間、入力される光を積分して、積分された光に対応する量の電荷を蓄積する。検出素子は、時間に対して、積分効果があるとも言える。
【0052】
検出素子に蓄積された電荷は、図示せぬ回路により、電圧値に変換され、電圧値は更にデジタルデータなどの画素値に変換されて出力される。従って、センサから出力される個々の画素値は、前景または背景に対応するオブジェクトの空間的に広がりを有するある部分を、シャッタ時間について積分した結果である、1次元の空間に射影された値を有する。
【0053】
画像処理装置は、このようなセンサの蓄積の動作により、出力信号に埋もれてしまった有意な情報、例えば、混合比αを抽出する。画像処理装置は、前景の画像オブジェクト自身が混ざり合うことによる生ずる歪みの量、例えば、動きボケの量などを調整する。また、画像処理装置は、前景の画像オブジェクトと背景の画像オブジェクトとが混ざり合うことにより生ずる歪みの量を調整する。
【0054】
図6Aは、動きを伴う前景に対応するオブジェクトと、静止している背景に対応するオブジェクトとを撮像して得られる画像を示している。図6Aに示す例において、前景に対応するオブジェクトは、画面に対して水平に左から右に動いている。
【0055】
図6Bは、図6Aに示す画像の1つのラインに対応する画素値を時間方向に展開したモデル図である。図6Bの横方向は、図6Aの空間方向Xに対応している。
【0056】
背景領域の画素は、背景の成分、すなわち、背景のオブジェクトに対応する画像の成分のみから、その画素値が構成されている。前景領域の画素は、前景の成分、すなわち、前景のオブジェクトに対応する画像の成分のみから、その画素値が構成されている。
【0057】
混合領域の画素は、背景の成分、および前景の成分から、その画素値が構成されている。混合領域は、背景の成分、および前景の成分から、その画素値が構成されているので、歪み領域ともいえる。混合領域は、更に、カバードバックグラウンド領域およびアンカバードバックグラウンド領域に分類される。
【0058】
カバードバックグラウンド領域は、前景領域に対して、前景のオブジェクトの進行方向の前端部に対応する位置の混合領域であり、時間の経過に対応して背景成分が前景に覆い隠される領域をいう。
【0059】
これに対して、アンカバードバックグラウンド領域は、前景領域に対して、前景のオブジェクトの進行方向の後端部に対応する位置の混合領域であり、時間の経過に対応して背景成分が現れる領域をいう。
【0060】
このように、前景領域、背景領域、またはカバードバックグラウンド領域若しくはアンカバードバックグラウンド領域を含む画像が、領域特定部103、混合比前景画素値算出部104、および前景成分算出部105に入力画像として入力される。
【0061】
図7は、以上のような、背景領域、前景領域、混合領域、カバードバックグラウンド領域、およびアンカバードバックグラウンド領域を説明する図である。図6に示す画像に対応する場合、背景領域は、静止部分であり、前景領域は、動き部分であり、混合領域のカバードバックグラウンド領域は、背景から前景に変化する部分であり、混合領域のアンカバードバックグラウンド領域は、前景から背景に変化する部分である。
【0062】
図8は、静止している前景に対応するオブジェクトおよび静止している背景に対応するオブジェクトを撮像した画像における、隣接して1列に並んでいる画素の画素値を時間方向に展開したモデル図である。例えば、隣接して1列に並んでいる画素として、画面の1つのライン上に並んでいる画素を選択することができる。
【0063】
図8に示すF01乃至F04の画素値は、静止している前景のオブジェクトに対応する画素の画素値である。図8に示すB01乃至B04の画素値は、静止している背景のオブジェクトに対応する画素の画素値である。
【0064】
図8における縦方向は、図中の上から下に向かって時間が経過する。図8中の矩形の上辺の位置は、センサが入力された光の電荷への変換を開始する時刻に対応し、図8中の矩形の下辺の位置は、センサが入力された光の電荷への変換を終了する時刻に対応する。すなわち、図8中の矩形の上辺から下辺までの距離は、シャッタ時間に対応する。
【0065】
以下において、シャッタ時間とフレーム間隔とが同一である場合を例に説明する。
【0066】
図8における横方向は、図6で説明した空間方向Xに対応する。より具体的には、図8に示す例において、図8中の”F01”と記載された矩形の左辺から”B04”と記載された矩形の右辺までの距離は、画素のピッチの8倍、すなわち、連続している8つの画素の間隔に対応する。
【0067】
前景のオブジェクトおよび背景のオブジェクトが静止している場合、シャッタ時間に対応する期間において、センサに入力される光は変化しない。
【0068】
ここで、シャッタ時間に対応する期間を2つ以上の同じ長さの期間に分割する。例えば、仮想分割数を4とすると、図8に示すモデル図は、図9に示すモデルとして表すことができる。仮想分割数は、前景に対応するオブジェクトのシャッタ時間内での動き量vなどに対応して設定される。例えば、4である動き量vに対応して、仮想分割数は、4とされ、シャッタ時間に対応する期間は4つに分割される。
【0069】
図中の最も上の行は、シャッタが開いて最初の、分割された期間に対応する。図中の上から2番目の行は、シャッタが開いて2番目の、分割された期間に対応する。図中の上から3番目の行は、シャッタが開いて3番目の、分割された期間に対応する。図中の上から4番目の行は、シャッタが開いて4番目の、分割された期間に対応する。
【0070】
以下、動き量vに対応して分割されたシャッタ時間をシャッタ時間/vとも称する。
【0071】
前景に対応するオブジェクトが静止しているとき、センサに入力される光は変化しないので、前景の成分F01/vは、画素値F01を仮想分割数で除した値に等しい。同様に、前景に対応するオブジェクトが静止しているとき、前景の成分F02/vは、画素値F02を仮想分割数で除した値に等しく、前景の成分F03/vは、画素値F03を仮想分割数で除した値に等しく、前景の成分F04/vは、画素値F04を仮想分割数で除した値に等しい。
【0072】
背景に対応するオブジェクトが静止しているとき、センサに入力される光は変化しないので、背景の成分B01/vは、画素値B01を仮想分割数で除した値に等しい。同様に、背景に対応するオブジェクトが静止しているとき、背景の成分B02/vは、画素値B02を仮想分割数で除した値に等しく、B03/vは、画素値B03を仮想分割数で除した値に等しく、B04/vは、画素値B04を仮想分割数で除した値に等しい。
【0073】
すなわち、前景に対応するオブジェクトが静止している場合、シャッタ時間に対応する期間において、センサに入力される前景のオブジェクトに対応する光が変化しないので、シャッタが開いて最初の、シャッタ時間/vに対応する前景の成分F01/vと、シャッタが開いて2番目の、シャッタ時間/vに対応する前景の成分F01/vと、シャッタが開いて3番目の、シャッタ時間/vに対応する前景の成分F01/vと、シャッタが開いて4番目の、シャッタ時間/vに対応する前景の成分F01/vとは、同じ値となる。F02/v乃至F04/vも、F01/vと同様の関係を有する。
【0074】
背景に対応するオブジェクトが静止している場合、シャッタ時間に対応する期間において、センサに入力される背景のオブジェクトに対応する光は変化しないので、シャッタが開いて最初の、シャッタ時間/vに対応する背景の成分B01/vと、シャッタが開いて2番目の、シャッタ時間/vに対応する背景の成分B01/vと、シャッタが開いて3番目の、シャッタ時間/vに対応する背景の成分B01/vと、シャッタが開いて4番目の、シャッタ時間/vに対応する背景の成分B01/vとは、同じ値となる。B02/v乃至B04/vも、同様の関係を有する。
【0075】
次に、前景に対応するオブジェクトが移動し、背景に対応するオブジェクトが静止している場合について説明する。
【0076】
図10は、前景に対応するオブジェクトが図中の右側に向かって移動する場合の、カバードバックグラウンド領域を含む、1つのライン上の画素の画素値を時間方向に展開したモデル図である。図10において、前景の動き量vは、4である。1フレームは短い時間なので、前景に対応するオブジェクトが剛体であり、等速で移動していると仮定することができる。図10において、前景に対応するオブジェクトの画像は、あるフレームを基準として次のフレームにおいて4画素分右側に表示されるように移動する。
【0077】
図10において、最も左側の画素乃至左から4番目の画素は、前景領域に属する。図10において、左から5番目乃至左から7番目の画素は、カバードバックグラウンド領域である混合領域に属する。図10において、最も右側の画素は、背景領域に属する。
【0078】
前景に対応するオブジェクトが時間の経過と共に背景に対応するオブジェクトを覆い隠すように移動しているので、カバードバックグラウンド領域に属する画素の画素値に含まれる成分は、シャッタ時間に対応する期間のある時点で、背景の成分から、前景の成分に替わる。
【0079】
例えば、図10中に太線枠を付した画素値Mは、式(1)で表される。
【0080】
M=B02/v+B02/v+F07/v+F06/v (1)
【0081】
例えば、左から5番目の画素は、1つのシャッタ時間/vに対応する背景の成分を含み、3つのシャッタ時間/vに対応する前景の成分を含むので、左から5番目の画素の混合比αは、1/4である。左から6番目の画素は、2つのシャッタ時間/vに対応する背景の成分を含み、2つのシャッタ時間/vに対応する前景の成分を含むので、左から6番目の画素の混合比αは、1/2である。左から7番目の画素は、3つのシャッタ時間/vに対応する背景の成分を含み、1つのシャッタ時間/vに対応する前景の成分を含むので、左から7番目の画素の混合比αは、3/4である。
【0082】
前景に対応するオブジェクトが、剛体であり、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表示されるように等速で移動すると仮定できるので、例えば、図10中の左から4番目の画素の、シャッタが開いて最初の、シャッタ時間/vの前景の成分F07/vは、図10中の左から5番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分に等しい。同様に、前景の成分F07/vは、図10中の左から6番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分と、図10中の左から7番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分とに、それぞれ等しい。
【0083】
前景に対応するオブジェクトが、剛体であり、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表示されるように等速で移動すると仮定できるので、例えば、図10中の左から3番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分F06/vは、図10中の左から4番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分に等しい。同様に、前景の成分F06/vは、図10中の左から5番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分と、図10中の左から6番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分とに、それぞれ等しい。
【0084】
前景に対応するオブジェクトが、剛体であり、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表示されるように等速で移動すると仮定できるので、例えば、図10中の左から2番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分F05/vは、図10中の左から3番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分に等しい。同様に、前景の成分F05/vは、図10中の左から4番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分と、図10中の左から5番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分とに、それぞれ等しい。
【0085】
前景に対応するオブジェクトが、剛体であり、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表示されるように等速で移動すると仮定できるので、例えば、図10中の最も左側の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分F04/vは、図10中の左から2番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分に等しい。同様に、前景の成分F04/vは、図10中の左から3番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分と、図10中の左から4番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分とに、それぞれ等しい。
【0086】
動いているオブジェクトに対応する前景の領域は、このように動きボケを含むので、歪み領域とも言える。
【0087】
図11は、前景が図中の右側に向かって移動する場合の、アンカバードバックグラウンド領域を含む、1つのライン上の画素の画素値を時間方向に展開したモデル図である。図11において、前景の動き量vは、4である。1フレームは短い時間なので、前景に対応するオブジェクトが剛体であり、等速で移動していると仮定することができる。図11において、前景に対応するオブジェクトの画像は、あるフレームを基準として次のフレームにおいて4画素分右側に移動する。
【0088】
図11において、最も左側の画素乃至左から4番目の画素は、背景領域に属する。図11において、左から5番目乃至左から7番目の画素は、アンカバードバックグラウンドである混合領域に属する。図11において、最も右側の画素は、前景領域に属する。
【0089】
背景に対応するオブジェクトを覆っていた前景に対応するオブジェクトが時間の経過と共に背景に対応するオブジェクトの前から取り除かれるように移動しているので、アンカバードバックグラウンド領域に属する画素の画素値に含まれる成分は、シャッタ時間に対応する期間のある時点で、前景の成分から、背景の成分に替わる。
【0090】
例えば、図11中に太線枠を付した画素値M'は、式(2)で表される。
【0091】
M'=F02/v+F01/v+B26/v+B26/v (2)
【0092】
例えば、左から5番目の画素は、3つのシャッタ時間/vに対応する背景の成分を含み、1つのシャッタ時間/vに対応する前景の成分を含むので、左から5番目の画素の混合比αは、3/4である。左から6番目の画素は、2つのシャッタ時間/vに対応する背景の成分を含み、2つのシャッタ時間/vに対応する前景の成分を含むので、左から6番目の画素の混合比αは、1/2である。左から7番目の画素は、1つのシャッタ時間/vに対応する背景の成分を含み、3つのシャッタ時間/vに対応する前景の成分を含むので、左から7番目の画素の混合比αは、1/4である。
【0093】
式(1)および式(2)をより一般化すると、画素値Mは、式(3)で表される。
【0094】
【数1】
Figure 0004304578
ここで、αは、混合比である。Bは、背景の画素値であり、Fi/vは、前景の成分である。
【0095】
前景に対応するオブジェクトが剛体であり、等速で動くと仮定でき、かつ、動き量vが4であるので、例えば、図11中の左から5番目の画素の、シャッタが開いて最初の、シャッタ時間/vの前景の成分F01/vは、図11中の左から6番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分に等しい。同様に、F01/vは、図11中の左から7番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分と、図11中の左から8番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分とに、それぞれ等しい。
【0096】
前景に対応するオブジェクトが剛体であり、等速で動くと仮定でき、かつ、仮想分割数が4であるので、例えば、図11中の左から6番目の画素の、シャッタが開いて最初の、シャッタ時間/vの前景の成分F02/vは、図11中の左から7番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分に等しい。同様に、前景の成分F02/vは、図11中の左から8番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分に等しい。
【0097】
前景に対応するオブジェクトが剛体であり、等速で動くと仮定でき、かつ、動き量vが4であるので、例えば、図11中の左から7番目の画素の、シャッタが開いて最初の、シャッタ時間/vの前景の成分F03/vは、図11中の左から8番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分に等しい。
【0098】
図9乃至図11の説明において、仮想分割数は、4であるとして説明したが、仮想分割数は、動き量vに対応する。動き量vは、一般に、前景に対応するオブジェクトの移動速度に対応する。例えば、前景に対応するオブジェクトが、あるフレームを基準として次のフレームにおいて4画素分右側に表示されるように移動しているとき、動き量vは、4とされる。動き量vに対応し、仮想分割数は、4とされる。同様に、例えば、前景に対応するオブジェクトが、あるフレームを基準として次のフレームにおいて6画素分左側に表示されるように移動しているとき、動き量vは、6とされ、仮想分割数は、6とされる。
【0099】
図12および図13に、以上で説明した、前景領域、背景領域、カバードバックグラウンド領域若しくはアンカバードバックグラウンド領域から成る混合領域と、分割されたシャッタ時間に対応する前景の成分および背景の成分との関係を示す。
【0100】
図12は、静止している背景の前を移動しているオブジェクトに対応する前景を含む画像から、前景領域、背景領域、および混合領域の画素を抽出した例を示す。図12に示す例において、図12中のAで示す前景に対応するオブジェクトは、画面に対して水平に移動している。
【0101】
フレーム#n+1は、フレーム#nの次のフレームであり、フレーム#n+2は、フレーム#n+1の次のフレームである。
【0102】
フレーム#n乃至フレーム#n+2のいずれかから抽出した、前景領域、背景領域、および混合領域の画素を抽出して、動き量vを4として、抽出された画素の画素値を時間方向に展開したモデルを図13に示す。
【0103】
前景領域の画素値は、前景に対応するオブジェクトが移動するので、シャッタ時間/vの期間に対応する、4つの異なる前景の成分から構成される。例えば、図13に示す前景領域の画素のうち最も左側に位置する画素は、F01/v,F02/v,F03/v、およびF04/vから構成される。すなわち、前景領域の画素は、動きボケを含んでいる。
【0104】
背景に対応するオブジェクトが静止しているので、シャッタ時間に対応する期間において、センサに入力される背景に対応する光は変化しない。この場合、背景領域の画素値は、動きボケを含まない。
【0105】
カバードバックグラウンド領域若しくはアンカバードバックグラウンド領域から成る混合領域に属する画素の画素値は、前景の成分と、背景の成分とから構成される。
【0106】
次に、オブジェクトに対応する画像が動いているとき、複数のフレームにおける、隣接して1列に並んでいる画素であって、フレーム上で同一の位置の画素の画素値を時間方向に展開したモデルについて説明する。例えば、オブジェクトに対応する画像が画面に対して水平に動いているとき、隣接して1列に並んでいる画素として、画面の1つのライン上に並んでいる画素を選択することができる。
【0107】
図14は、静止している背景に対応するオブジェクトを撮像した画像の3つのフレームの、隣接して1列に並んでいる画素であって、フレーム上で同一の位置の画素の画素値を時間方向に展開したモデル図である。フレーム#nは、フレーム#n-1の次のフレームであり、フレーム#n+1は、フレーム#nの次のフレームである。他のフレームも同様に称する。
【0108】
図14に示すB01乃至B12の画素値は、静止している背景のオブジェクトに対応する画素の画素値である。背景に対応するオブジェクトが静止しているので、フレーム#n-1乃至フレームn+1において、対応する画素の画素値は、変化しない。例えば、フレーム#n-1におけるB05の画素値を有する画素の位置に対応する、フレーム#nにおける画素、およびフレーム#n+1における画素は、それぞれ、B05の画素値を有する。
【0109】
図15は、静止している背景に対応するオブジェクトと共に図中の右側に移動する前景に対応するオブジェクトを撮像した画像の3つのフレームの、隣接して1列に並んでいる画素であって、フレーム上で同一の位置の画素の画素値を時間方向に展開したモデル図である。図15に示すモデルは、カバードバックグラウンド領域を含む。
【0110】
図15において、前景に対応するオブジェクトが、剛体であり、等速で移動すると仮定でき、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表示されるように移動するので、前景の動き量vは、4であり、仮想分割数は、4である。
【0111】
例えば、図15中のフレーム#n-1の最も左側の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、F12/vとなり、図15中の左から2番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F12/vとなる。図15中の左から3番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分、および図15中の左から4番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F12/vとなる。
【0112】
図15中のフレーム#n-1の最も左側の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F11/vとなり、図15中の左から2番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F11/vとなる。図15中の左から3番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F11/vとなる。
【0113】
図15中のフレーム#n-1の最も左側の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F10/vとなり、図15中の左から2番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F10/vとなる。図15中のフレーム#n-1の最も左側の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F09/vとなる。
【0114】
背景に対応するオブジェクトが静止しているので、図15中のフレーム#n-1の左から2番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの背景の成分は、B01/vとなる。図15中のフレーム#n-1の左から3番目の画素の、シャッタが開いて最初および2番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B02/vとなる。図15中のフレーム#n-1の左から4番目の画素の、シャッタが開いて最初乃至3番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B03/vとなる。
【0115】
図15中のフレーム#n-1において、最も左側の画素は、前景領域に属し、左側から2番目乃至4番目の画素は、カバードバックグラウンド領域である混合領域に属する。
【0116】
図15中のフレーム#n-1の左から5番目の画素乃至12番目の画素は、背景領域に属し、その画素値は、それぞれ、B04乃至B11となる。
【0117】
図15中のフレーム#nの左から1番目の画素乃至5番目の画素は、前景領域に属する。フレーム#nの前景領域における、シャッタ時間/vの前景の成分は、F05/v乃至F12/vのいずれかである。
【0118】
前景に対応するオブジェクトが、剛体であり、等速で移動すると仮定でき、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表示されるように移動するので、図15中のフレーム#nの左から5番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、F12/vとなり、図15中の左から6番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F12/vとなる。図15中の左から7番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分、および図15中の左から8番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F12/vとなる。
【0119】
図15中のフレーム#nの左から5番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F11/vとなり、図15中の左から6番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F11/vとなる。図15中の左から7番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F11/vとなる。
【0120】
図15中のフレーム#nの左から5番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F10/vとなり、図15中の左から6番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F10/vとなる。図15中のフレーム#nの左から5番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F09/vとなる。
【0121】
背景に対応するオブジェクトが静止しているので、図15中のフレーム#nの左から6番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの背景の成分は、B05/vとなる。図15中のフレーム#nの左から7番目の画素の、シャッタが開いて最初および2番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B06/vとなる。図15中のフレーム#nの左から8番目の画素の、シャッタが開いて最初乃至3番目の、シャッタ時間/vの背景の成分は、B07/vとなる。
【0122】
図15中のフレーム#nにおいて、左側から6番目乃至8番目の画素は、カバードバックグラウンド領域である混合領域に属する。
【0123】
図15中のフレーム#nの左から9番目の画素乃至12番目の画素は、背景領域に属し、画素値は、それぞれ、B08乃至B11となる。
【0124】
図15中のフレーム#n+1の左から1番目の画素乃至9番目の画素は、前景領域に属する。フレーム#n+1の前景領域における、シャッタ時間/vの前景の成分は、F01/v乃至F12/vのいずれかである。
【0125】
前景に対応するオブジェクトが、剛体であり、等速で移動すると仮定でき、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表示されるように移動するので、図15中のフレーム#n+1の左から9番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、F12/vとなり、図15中の左から10番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F12/vとなる。図15中の左から11番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分、および図15中の左から12番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F12/vとなる。
【0126】
図15中のフレーム#n+1の左から9番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの期間の前景の成分は、F11/vとなり、図15中の左から10番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F11/vとなる。図15中の左から11番目の画素の、シャッタが開いて4番目の、シャッタ時間/vの前景の成分は、F11/vとなる。
【0127】
図15中のフレーム#n+1の左から9番目の画素の、シャッタが開いて3番目の、シャッタ時間/vの前景の成分は、F10/vとなり、図15中の左から10番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F10/vとなる。図15中のフレーム#n+1の左から9番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F09/vとなる。
【0128】
背景に対応するオブジェクトが静止しているので、図15中のフレーム#n+1の左から10番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの背景の成分は、B09/vとなる。図15中のフレーム#n+1の左から11番目の画素の、シャッタが開いて最初および2番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B10/vとなる。図15中のフレーム#n+1の左から12番目の画素の、シャッタが開いて最初乃至3番目の、シャッタ時間/vの背景の成分は、B11/vとなる。
【0129】
図15中のフレーム#n+1において、左側から10番目乃至12番目の画素は、カバードバックグラウンド領域である混合領域に対応する。
【0130】
図16は、図15に示す画素値から前景の成分を抽出した画像のモデル図である。
【0131】
図17は、静止している背景と共に図中の右側に移動するオブジェクトに対応する前景を撮像した画像の3つのフレームの、隣接して1列に並んでいる画素であって、フレーム上で同一の位置の画素の画素値を時間方向に展開したモデル図である。図17において、アンカバードバックグラウンド領域が含まれている。
【0132】
図17において、前景に対応するオブジェクトは、剛体であり、かつ等速で移動していると仮定できる。前景に対応するオブジェクトが、次のフレームにおいて4画素分右側に表示されるように移動しているので、動き量vは、4である。
【0133】
例えば、図17中のフレーム#n-1の最も左側の画素の、シャッタが開いて最初の、シャッタ時間/vの前景の成分は、F13/vとなり、図17中の左から2番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F13/vとなる。図17中の左から3番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分、および図17中の左から4番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F13/vとなる。
【0134】
図17中のフレーム#n-1の左から2番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、F14/vとなり、図17中の左から3番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F14/vとなる。図17中の左から3番目の画素の、シャッタが開いて最初の、シャッタ時間/vの前景の成分は、F15/vとなる。
【0135】
背景に対応するオブジェクトが静止しているので、図17中のフレーム#n-1の最も左側の画素の、シャッタが開いて2番目乃至4番目の、シャッタ時間/vの背景の成分は、B25/vとなる。図17中のフレーム#n-1の左から2番目の画素の、シャッタが開いて3番目および4番目の、シャッタ時間/vの背景の成分は、B26/vとなる。図17中のフレーム#n-1の左から3番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B27/vとなる。
【0136】
図17中のフレーム#n-1において、最も左側の画素乃至3番目の画素は、アンカバードバックグラウンド領域である混合領域に属する。
【0137】
図17中のフレーム#n-1の左から4番目の画素乃至12番目の画素は、前景領域に属する。フレームの前景の成分は、F13/v乃至F24/vのいずれかである。
【0138】
図17中のフレーム#nの最も左側の画素乃至左から4番目の画素は、背景領域に属し、画素値は、それぞれ、B25乃至B28となる。
【0139】
前景に対応するオブジェクトが、剛体であり、等速で移動すると仮定でき、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表示されるように移動するので、図17中のフレーム#nの左から5番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、F13/vとなり、図17中の左から6番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F13/vとなる。図17中の左から7番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分、および図17中の左から8番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F13/vとなる。
【0140】
図17中のフレーム#nの左から6番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、F14/vとなり、図17中の左から7番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F14/vとなる。図17中の左から8番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、F15/vとなる。
【0141】
背景に対応するオブジェクトが静止しているので、図17中のフレーム#nの左から5番目の画素の、シャッタが開いて2番目乃至4番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B29/vとなる。図17中のフレーム#nの左から6番目の画素の、シャッタが開いて3番目および4番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B30/vとなる。図17中のフレーム#nの左から7番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B31/vとなる。
【0142】
図17中のフレーム#nにおいて、左から5番目の画素乃至7番目の画素は、アンカバードバックグラウンド領域である混合領域に属する。
【0143】
図17中のフレーム#nの左から8番目の画素乃至12番目の画素は、前景領域に属する。フレーム#nの前景領域における、シャッタ時間/vの期間に対応する値は、F13/v乃至F20/vのいずれかである。
【0144】
図17中のフレーム#n+1の最も左側の画素乃至左から8番目の画素は、背景領域に属し、画素値は、それぞれ、B25乃至B32となる。
【0145】
前景に対応するオブジェクトが、剛体であり、等速で移動すると仮定でき、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表示されるように移動するので、図17中のフレーム#n+1の左から9番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、F13/vとなり、図17中の左から10番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F13/vとなる。図17中の左から11番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分、および図17中の左から12番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F13/vとなる。
【0146】
図17中のフレーム#n+1の左から10番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、F14/vとなり、図17中の左から11番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F14/vとなる。図17中の左から12番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、F15/vとなる。
【0147】
背景に対応するオブジェクトが静止しているので、図17中のフレーム#n+1の左から9番目の画素の、シャッタが開いて2番目乃至4番目の、シャッタ時間/vの背景の成分は、B33/vとなる。図17中のフレーム#n+1の左から10番目の画素の、シャッタが開いて3番目および4番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B34/vとなる。図17中のフレーム#n+1の左から11番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B35/vとなる。
【0148】
図17中のフレーム#n+1において、左から9番目の画素乃至11番目の画素は、アンカバードバックグラウンド領域である混合領域に属する。
【0149】
図17中のフレーム#n+1の左から12番目の画素は、前景領域に属する。フレーム#n+1の前景領域における、シャッタ時間/vの前景の成分は、F13/v乃至F16/vのいずれかである。
【0150】
図18は、図17に示す画素値から前景の成分を抽出した画像のモデル図である。
【0151】
図2に戻り、領域特定部103は、複数のフレームの画素値を用いて、前景領域、背景領域、カバードバックグラウンド領域、またはアンカバードバックグラウンド領域に属することを示すフラグを画素毎に対応付けて、領域情報として、混合比前景画素値算出部104および動きボケ調整部106に供給する。
【0152】
混合比前景画素値算出部104は、複数のフレームの画素値、および領域情報を基に、混合領域に含まれる画素について画素毎に混合比αを算出し、算出した混合比αを前景成分算出部105に供給する。
【0153】
前景成分算出部105は、複数のフレームの画素値、領域情報、および混合比αを基に、前景の成分のみからなる前景成分画像を抽出して、動きボケ調整部106に供給する。
【0154】
動きボケ調整部106は、前景成分算出部105から供給された前景成分画像、動き検出部102から供給された動きベクトル、および領域特定部103から供給された領域情報を基に、前景成分画像に含まれる動きボケの量を調整して、動きボケの量を調整した前景成分画像を出力する。
【0155】
図19のフローチャートを参照して、画像処理装置による動きボケの量の調整の処理を説明する。ステップS11において、領域特定部103は、入力画像を基に、入力画像の画素毎に前景領域、背景領域、カバードバックグラウンド領域、またはアンカバードバックグラウンド領域のいずれかに属するかを示す領域情報を生成する領域特定の処理を実行する。領域特定の処理の詳細は、後述する。領域特定部103は、生成した領域情報を混合比前景画素値算出部104、前景成分算出部105、および動きボケ調整部106に供給する。
【0156】
なお、ステップS11において、領域特定部103は、入力画像を基に、入力画像の画素毎に前景領域、背景領域、または混合領域(カバードバックグラウンド領域、またはアンカバードバックグラウンド領域の区別をしない)のいずれかに属するかを示す領域情報を生成するようにしてもよい。この場合において、前景成分算出部105および動きボケ調整部106は、動きベクトルの方向を基に、混合領域がカバードバックグラウンド領域であるか、またはアンカバードバックグラウンド領域であるかを判定する。例えば、動きベクトルの方向に対応して、前景領域、混合領域、および背景領域と順に並んでいるとき、その混合領域は、カバードバックグラウンド領域と判定され、動きベクトルの方向に対応して、背景領域、混合領域、および前景領域と順に並んでいるとき、その混合領域は、アンカバードバックグラウンド領域と判定される。
【0157】
ステップS12において、混合比前景画素値算出部104は、入力画像および領域情報を基に、混合領域に含まれる画素毎に、混合比αおよび前景画素値を算出する。混合比および前景画素値の算出の処理の詳細は、後述する。混合比前景画素値算出部104は、算出した混合比αおよび前景画素値を前景成分算出部105に供給する。
【0158】
ステップS13において、前景成分算出部105は、混合比前景画素値算出部104から供給された混合比αおよび前景画素値を基に、混合領域における前景の成分を算出する。そして、前景成分算出部105は、入力画像および領域特定部103から供給された領域情報を基に、前景領域に属する画素の画素値、および混合領域における前景の成分から、前景の成分のみから成る前景成分画像を生成して、生成した前景成分画像を動きボケ調整部106および選択部107に供給する。
【0159】
上述したように、混合比αは、画素値における、背景の成分の割合を示す値であるので、0乃至1の範囲の値である。1から混合比αを引き算した値は、画素値における、前景の成分の割合を示す。そこで、例えば、前景成分算出部105は、前景画素値に(1−混合比α)を乗算することにより、混合領域における前景の成分を算出する。そして、前景成分算出部105は、領域情報を基に、入力画像から前景領域の画素を抽出し、抽出された前景領域の画素と混合領域における前景の成分とを合成することにより、前景成分画像を生成する。
【0160】
ステップS14において、動きボケ調整部106は、動きベクトルおよび領域情報を基に、動き方向に並ぶ連続した画素であって、アンカバードバックグラウンド領域、前景領域、およびカバードバックグラウンド領域のいずれかに属するものの画像上の位置を示す処理単位を生成し、処理単位に対応する前景成分に含まれる動きボケの量を調整する。動きボケの量の調整の処理の詳細については、後述する。
【0161】
ステップS15において、画像処理装置は、画面全体について処理を終了したか否かを判定し、画面全体について処理を終了していないと判定された場合、ステップS14に進み、処理単位に対応する前景の成分を対象とした動きボケの量の調整の処理を繰り返す。
【0162】
ステップS15において、画面全体について処理を終了したと判定された場合、処理は終了する。
【0163】
このように、画像処理装置は、前景と背景を分離して、前景に含まれる動きボケの量を調整することができる。すなわち、画像処理装置は、前景の画素の画素値であるサンプルデータに含まれる動きボケの量を調整することができる。
【0164】
以下、領域特定部103、混合比前景画素値算出部104、前景成分算出部105、および動きボケ調整部106のそれぞれの構成について説明する。
【0165】
図20は、領域特定部103の構成を示すブロック図である。図20に構成を示す領域特定部103は、動きベクトルを利用しない。フレームメモリ201は、入力された画像をフレーム単位で記憶する。フレームメモリ201は、処理の対象がフレーム#nであるとき、フレーム#nの2つ前のフレームであるフレーム#n-2、フレーム#nの1つ前のフレームであるフレーム#n-1、フレーム#n、フレーム#nの1つ後のフレームであるフレーム#n+1、およびフレーム#nの2つ後のフレームであるフレーム#n+2を記憶する。
【0166】
静動判定部202−1は、フレーム#nの領域特定の対象である画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n+2の画素の画素値、およびフレーム#nの領域特定の対象である画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n+1の画素の画素値をフレームメモリ201から読み出して、読み出した画素値の差の絶対値を算出する。静動判定部202−1は、フレーム#n+2の画素値とフレーム#n+1の画素値との差の絶対値が、予め設定している閾値Thより大きいか否かを判定し、差の絶対値が閾値Thより大きいと判定された場合、動きを示す静動判定を領域判定部203−1に供給する。フレーム#n+2の画素の画素値とフレーム#n+1の画素の画素値との差の絶対値が閾値Th以下であると判定された場合、静動判定部202−1は、静止を示す静動判定を領域判定部203−1に供給する。
【0167】
静動判定部202−2は、フレーム#nの領域特定の対象である画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n+1の画素の画素値、およびフレーム#nの対象となる画素の画素値をフレームメモリ201から読み出して、画素値の差の絶対値を算出する。静動判定部202−2は、フレーム#n+1の画素値とフレーム#nの画素値との差の絶対値が、予め設定している閾値Thより大きいか否かを判定し、画素値の差の絶対値が、閾値Thより大きいと判定された場合、動きを示す静動判定を領域判定部203−1および領域判定部203−2に供給する。フレーム#n+1の画素の画素値とフレーム#nの画素の画素値との差の絶対値が、閾値Th以下であると判定された場合、静動判定部202−2は、静止を示す静動判定を領域判定部203−1および領域判定部203−2に供給する。
【0168】
静動判定部202−3は、フレーム#nの領域特定の対象である画素の画素値、およびフレーム#nの領域特定の対象である画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n-1の画素の画素値をフレームメモリ201から読み出して、画素値の差の絶対値を算出する。静動判定部202−3は、フレーム#nの画素値とフレーム#n-1の画素値との差の絶対値が、予め設定している閾値Thより大きいか否かを判定し、画素値の差の絶対値が、閾値Thより大きいと判定された場合、動きを示す静動判定を領域判定部203−2および領域判定部203−3に供給する。フレーム#nの画素の画素値とフレーム#n-1の画素の画素値との差の絶対値が、閾値Th以下であると判定された場合、静動判定部202−3は、静止を示す静動判定を領域判定部203−2および領域判定部203−3に供給する。
【0169】
静動判定部202−4は、フレーム#nの領域特定の対象である画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n-1の画素の画素値、およびフレーム#nの領域特定の対象である画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n-2の画素の画素値をフレームメモリ201から読み出して、画素値の差の絶対値を算出する。静動判定部202−4は、フレーム#n-1の画素値とフレーム#n-2の画素値との差の絶対値が、予め設定している閾値Thより大きいか否かを判定し、画素値の差の絶対値が、閾値Thより大きいと判定された場合、動きを示す静動判定を領域判定部203−3に供給する。フレーム#n-1の画素の画素値とフレーム#n-2の画素の画素値との差の絶対値が、閾値Th以下であると判定された場合、静動判定部202−4は、静止を示す静動判定を領域判定部203−3に供給する。
【0170】
領域判定部203−1は、静動判定部202−1から供給された静動判定が静止を示し、かつ、静動判定部202−2から供給された静動判定が動きを示しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対象である画素がアンカバードバックグラウンド領域に属すると判定し、領域の判定される画素に対応するアンカバードバックグラウンド領域判定フラグに、アンカバードバックグラウンド領域に属することを示す”1”を設定する。
【0171】
領域判定部203−1は、静動判定部202−1から供給された静動判定が動きを示すか、または、静動判定部202−2から供給された静動判定が静止を示しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対象である画素がアンカバードバックグラウンド領域に属しないと判定し、領域の判定される画素に対応するアンカバードバックグラウンド領域判定フラグに、アンカバードバックグラウンド領域に属しないことを示す”0”を設定する。
【0172】
領域判定部203−1は、このように”1”または”0”が設定されたアンカバードバックグラウンド領域判定フラグを判定フラグ格納フレームメモリ204に供給する。
【0173】
領域判定部203−2は、静動判定部202−2から供給された静動判定が静止を示し、かつ、静動判定部202−3から供給された静動判定が静止を示しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対象である画素が静止領域に属すると判定し、領域の判定される画素に対応する静止領域判定フラグに、静止領域に属することを示す”1”を設定する。
【0174】
領域判定部203−2は、静動判定部202−2から供給された静動判定が動きを示すか、または、静動判定部202−3から供給された静動判定が動きを示しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対象である画素が静止領域に属しないと判定し、領域の判定される画素に対応する静止領域判定フラグに、静止領域に属しないことを示す”0”を設定する。
【0175】
領域判定部203−2は、このように”1”または”0”が設定された静止領域判定フラグを判定フラグ格納フレームメモリ204に供給する。
【0176】
領域判定部203−2は、静動判定部202−2から供給された静動判定が動きを示し、かつ、静動判定部202−3から供給された静動判定が動きを示しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対象である画素が動き領域に属すると判定し、領域の判定される画素に対応する動き領域判定フラグに、動き領域に属することを示す”1”を設定する。
【0177】
領域判定部203−2は、静動判定部202−2から供給された静動判定が静止を示すか、または、静動判定部202−3から供給された静動判定が静止を示しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対象である画素が動き領域に属しないと判定し、領域の判定される画素に対応する動き領域判定フラグに、動き領域に属しないことを示す”0”を設定する。
【0178】
領域判定部203−2は、このように”1”または”0”が設定された動き領域判定フラグを判定フラグ格納フレームメモリ204に供給する。
【0179】
領域判定部203−3は、静動判定部202−3から供給された静動判定が動きを示し、かつ、静動判定部202−4から供給された静動判定が静止を示しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対象である画素がカバードバックグラウンド領域に属すると判定し、領域の判定される画素に対応するカバードバックグラウンド領域判定フラグに、カバードバックグラウンド領域に属することを示す”1”を設定する。
【0180】
領域判定部203−3は、静動判定部202−3から供給された静動判定が静止を示すか、または、静動判定部202−4から供給された静動判定が動きを示しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対象である画素がカバードバックグラウンド領域に属しないと判定し、領域の判定される画素に対応するカバードバックグラウンド領域判定フラグに、カバードバックグラウンド領域に属しないことを示す”0”を設定する。
【0181】
領域判定部203−3は、このように”1”または”0”が設定されたカバードバックグラウンド領域判定フラグを判定フラグ格納フレームメモリ204に供給する。
【0182】
判定フラグ格納フレームメモリ204は、領域判定部203−1から供給されたアンカバードバックグラウンド領域判定フラグ、領域判定部203−2から供給された静止領域判定フラグ、領域判定部203−2から供給された動き領域判定フラグ、および領域判定部203−3から供給されたカバードバックグラウンド領域判定フラグをそれぞれ記憶する。
【0183】
判定フラグ格納フレームメモリ204は、記憶しているアンカバードバックグラウンド領域判定フラグ、静止領域判定フラグ、動き領域判定フラグ、およびカバードバックグラウンド領域判定フラグを合成部205に供給する。合成部205は、判定フラグ格納フレームメモリ204から供給された、アンカバードバックグラウンド領域判定フラグ、静止領域判定フラグ、動き領域判定フラグ、およびカバードバックグラウンド領域判定フラグを基に、各画素が、アンカバードバックグラウンド領域、静止領域、動き領域、およびカバードバックグラウンド領域のいずれかに属することを示す領域情報を生成し、判定フラグ格納フレームメモリ206に供給する。
【0184】
判定フラグ格納フレームメモリ206は、合成部205から供給された領域情報を記憶すると共に、記憶している領域情報を出力する。
【0185】
次に、領域特定部103の処理の例を図21乃至図25を参照して説明する。
【0186】
前景に対応するオブジェクトが移動しているとき、オブジェクトに対応する画像の画面上の位置は、フレーム毎に変化する。図21に示すように、フレーム#nにおいて、Yn(x,y)で示される位置に位置するオブジェクトに対応する画像は、次のフレームであるフレーム#n+1において、Yn+1(x,y)に位置する。
【0187】
前景のオブジェクトに対応する画像の動き方向に隣接して1列に並ぶ画素の画素値を時間方向に展開したモデル図を図24に示す。例えば、前景のオブジェクトに対応する画像の動き方向が画面に対して水平であるとき、図22におけるモデル図は、1つのライン上の隣接する画素の画素値を時間方向に展開したモデルを示す。
【0188】
図22において、フレーム#nにおけるラインは、フレーム#n+1におけるラインと同一である。
【0189】
フレーム#nにおいて、左から2番目の画素乃至13番目の画素に含まれているオブジェクトに対応する前景の成分は、フレーム#n+1において、左から6番目乃至17番目の画素に含まれる。
【0190】
フレーム#nにおいて、カバードバックグラウンド領域に属する画素は、左から11番目乃至13番目の画素であり、アンカバードバックグラウンド領域に属する画素は、左から2番目乃至4番目の画素である。フレーム#n+1において、カバードバックグラウンド領域に属する画素は、左から15番目乃至17番目の画素であり、アンカバードバックグラウンド領域に属する画素は、左から6番目乃至8番目の画素である。
【0191】
図22に示す例において、フレーム#nに含まれる前景の成分が、フレーム#n+1において4画素移動しているので、動き量vは、4である。仮想分割数は、動き量vに対応し、4である。
【0192】
次に、注目しているフレームの前後における混合領域に属する画素の画素値の変化について説明する。
【0193】
図23に示す、背景が静止し、前景の動き量vが4であるフレーム#nにおいて、カバードバックグラウンド領域に属する画素は、左から15番目乃至17番目の画素である。動き量vが4であるので、1つ前のフレーム#n-1において、左から15番目乃至17番目の画素は、背景の成分のみを含み、背景領域に属する。また、更に1つ前のフレーム#n-2において、左から15番目乃至17番目の画素は、背景の成分のみを含み、背景領域に属する。
【0194】
ここで、背景に対応するオブジェクトが静止しているので、フレーム#n-1の左から15番目の画素の画素値は、フレーム#n-2の左から15番目の画素の画素値から変化しない。同様に、フレーム#n-1の左から16番目の画素の画素値は、フレーム#n-2の左から16番目の画素の画素値から変化せず、フレーム#n-1の左から17番目の画素の画素値は、フレーム#n-2の左から17番目の画素の画素値から変化しない。
【0195】
すなわち、フレーム#nにおけるカバードバックグラウンド領域に属する画素に対応する、フレーム#n-1およびフレーム#n-2の画素は、背景の成分のみから成り、画素値が変化しないので、その差の絶対値は、ほぼ0の値となる。従って、フレーム#nにおける混合領域に属する画素に対応する、フレーム#n-1およびフレーム#n-2の画素に対する静動判定は、静動判定部202−4により、静止と判定される。
【0196】
フレーム#nにおけるカバードバックグラウンド領域に属する画素は、前景の成分を含むので、フレーム#n-1における背景の成分のみから成る場合と、画素値が異なる。従って、フレーム#nにおける混合領域に属する画素、および対応するフレーム#n-1の画素に対する静動判定は、静動判定部202−3により、動きと判定される。
【0197】
このように、領域判定部203−3は、静動判定部202−3から動きを示す静動判定の結果が供給され、静動判定部202−4から静止を示す静動判定の結果が供給されたとき、対応する画素がカバードバックグラウンド領域に属すると判定する。
【0198】
図24に示す、背景が静止し、前景の動き量vが4であるフレーム#nにおいて、アンカバードバックグラウンド領域に含まれる画素は、左から2番目乃至4番目の画素である。動き量vが4であるので、1つ後のフレーム#n+1において、左から2番目乃至4番目の画素は、背景の成分のみを含み、背景領域に属する。また、更に1つ後のフレーム#n+2において、左から2番目乃至4番目の画素は、背景の成分のみを含み、背景領域に属する。
【0199】
ここで、背景に対応するオブジェクトが静止しているので、フレーム#n+2の左から2番目の画素の画素値は、フレーム#n+1の左から2番目の画素の画素値から変化しない。同様に、フレーム#n+2の左から3番目の画素の画素値は、フレーム#n+1の左から3番目の画素の画素値から変化せず、フレーム#n+2の左から4番目の画素の画素値は、フレーム#n+1の左から4番目の画素の画素値から変化しない。
【0200】
すなわち、フレーム#nにおけるアンカバードバックグラウンド領域に属する画素に対応する、フレーム#n+1およびフレーム#n+2の画素は、背景の成分のみから成り、画素値が変化しないので、その差の絶対値は、ほぼ0の値となる。従って、フレーム#nにおける混合領域に属する画素に対応する、フレーム#n+1およびフレーム#n+2の画素に対する静動判定は、静動判定部202−1により、静止と判定される。
【0201】
フレーム#nにおけるアンカバードバックグラウンド領域に属する画素は、前景の成分を含むので、フレーム#n+1における背景の成分のみから成る場合と、画素値が異なる。従って、フレーム#nにおける混合領域に属する画素、および対応するフレーム#n+1の画素に対する静動判定は、静動判定部202−2により、動きと判定される。
【0202】
このように、領域判定部203−1は、静動判定部202−2から動きを示す静動判定の結果が供給され、静動判定部202−1から静止を示す静動判定の結果が供給されたとき、対応する画素がアンカバードバックグラウンド領域に属すると判定する。
【0203】
図25は、フレーム#nにおける領域特定部103の判定条件を示す図である。フレーム#nの判定の対象となる画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n-2の画素と、フレーム#nの判定の対象となる画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n-1の画素とが静止と判定され、フレーム#nの判定の対象となる画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n-1の画素と、フレーム#nの画素とが動きと判定されたとき、領域特定部103は、フレーム#nの判定の対象となる画素がカバードバックグラウンド領域に属すると判定する。
【0204】
フレーム#nの判定の対象となる画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n-1の画素と、フレーム#nの画素とが静止と判定され、フレーム#nの画素と、フレーム#nの判定の対象となる画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n+1の画素とが静止と判定されたとき、領域特定部103は、フレーム#nの判定の対象となる画素が静止領域に属すると判定する。
【0205】
フレーム#nの判定の対象となる画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n-1の画素と、フレーム#nの画素とが動きと判定され、フレーム#nの画素と、フレーム#nの判定の対象となる画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n+1の画素とが動きと判定されたとき、領域特定部103は、フレーム#nの判定の対象となる画素が動き領域に属すると判定する。
【0206】
フレーム#nの画素と、フレーム#nの判定の対象となる画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n+1の画素とが動きと判定され、フレーム#nの判定の対象となる画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n+1の画素と、フレーム#nの判定の対象となる画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n+2の画素とが静止と判定されたとき、領域特定部103は、フレーム#nの判定の対象となる画素がアンカバードバックグラウンド領域に属すると判定する。
【0207】
図26A乃至図26Dは、領域特定部103の領域の特定の結果の例を示す図である。図26Aにおいて、カバードバックグラウンド領域に属すると判定された画素は、白で表示されている。図26Bにおいて、アンカバードバックグラウンド領域に属すると判定された画素は、白で表示されている。
【0208】
図26Cにおいて、動き領域に属すると判定された画素は、白で表示されている。図26Dにおいて、静止領域に属すると判定された画素は、白で表示されている。
【0209】
図27は、判定フラグ格納フレームメモリ206が出力する領域情報の内、混合領域を示す領域情報を画像として示す図である。図27において、カバードバックグラウンド領域またはアンカバードバックグラウンド領域に属すると判定された画素、すなわち混合領域に属すると判定された画素は、白で表示されている。判定フラグ格納フレームメモリ206が出力する混合領域を示す領域情報は、混合領域、および前景領域内のテクスチャの無い部分に囲まれたテクスチャの有る部分を示す。
【0210】
次に、図28のフローチャートを参照して、領域特定部103の領域特定の処理を説明する。ステップS201において、フレームメモリ201は、判定の対象となるフレーム#nを含むフレーム#n-2乃至フレーム#n+2の画像を取得する。
【0211】
ステップS202において、静動判定部202−3は、フレーム#n-1の画素とフレーム#nの同一位置の画素とで、静止か否かを判定し、静止と判定された場合、ステップS203に進み、静動判定部202−2は、フレーム#nの画素とフレーム#n+1の同一位置の画素とで、静止か否かを判定する。
【0212】
ステップS203において、フレーム#nの画素とフレーム#n+1の同一位置の画素とで、静止と判定された場合、ステップS204に進み、領域判定部203−2は、領域の判定される画素に対応する静止領域判定フラグに、静止領域に属することを示す”1”を設定する。領域判定部203−2は、静止領域判定フラグを判定フラグ格納フレームメモリ204に供給し、手続きは、ステップS205に進む。
【0213】
ステップS202において、フレーム#n-1の画素とフレーム#nの同一位置の画素とで、動きと判定された場合、または、ステップS203において、フレーム#nの画素とフレーム#n+1の同一位置の画素とで、動きと判定された場合、フレーム#nの画素が静止領域には属さないので、ステップS204の処理はスキップされ、手続きは、ステップS205に進む。
【0214】
ステップS205において、静動判定部202−3は、フレーム#n-1の画素とフレーム#nの同一位置の画素とで、動きか否かを判定し、動きと判定された場合、ステップS206に進み、静動判定部202−2は、フレーム#nの画素とフレーム#n+1の同一位置の画素とで、動きか否かを判定する。
【0215】
ステップS206において、フレーム#nの画素とフレーム#n+1の同一位置の画素とで、動きと判定された場合、ステップS207に進み、領域判定部203−2は、領域の判定される画素に対応する動き領域判定フラグに、動き領域に属することを示す”1”を設定する。領域判定部203−2は、動き領域判定フラグを判定フラグ格納フレームメモリ204に供給し、手続きは、ステップS208に進む。
【0216】
ステップS205において、フレーム#n-1の画素とフレーム#nの同一位置の画素とで、静止と判定された場合、または、ステップS206において、フレーム#nの画素とフレーム#n+1の同一位置の画素とで、静止と判定された場合、フレーム#nの画素が動き領域には属さないので、ステップS207の処理はスキップされ、手続きは、ステップS208に進む。
【0217】
ステップS208において、静動判定部202−4は、フレーム#n-2の画素とフレーム#n-1の同一位置の画素とで、静止か否かを判定し、静止と判定された場合、ステップS209に進み、静動判定部202−3は、フレーム#n-1の画素とフレーム#nの同一位置の画素とで、動きか否かを判定する。
【0218】
ステップS209において、フレーム#n-1の画素とフレーム#nの同一位置の画素とで、動きと判定された場合、ステップS210に進み、領域判定部203−3は、領域の判定される画素に対応するカバードバックグラウンド領域判定フラグに、カバードバックグラウンド領域に属することを示す”1”を設定する。領域判定部203−3は、カバードバックグラウンド領域判定フラグを判定フラグ格納フレームメモリ204に供給し、手続きは、ステップS211に進む。
【0219】
ステップS208において、フレーム#n-2の画素とフレーム#n-1の同一位置の画素とで、動きと判定された場合、または、ステップS209において、フレーム#n-1の画素とフレーム#nの同一位置の画素とで、静止と判定された場合、フレーム#nの画素がカバードバックグラウンド領域には属さないので、ステップS210の処理はスキップされ、手続きは、ステップS211に進む。
【0220】
ステップS211において、静動判定部202−2は、フレーム#nの画素とフレーム#n+1の同一位置の画素とで、動きか否かを判定し、動きと判定された場合、ステップS212に進み、静動判定部202−1は、フレーム#n+1の画素とフレーム#n+2の同一位置の画素とで、静止か否かを判定する。
【0221】
ステップS212において、フレーム#n+1の画素とフレーム#n+2の同一位置の画素とで、静止と判定された場合、ステップS213に進み、領域判定部203−1は、領域の判定される画素に対応するアンカバードバックグラウンド領域判定フラグに、アンカバードバックグラウンド領域に属することを示す”1”を設定する。領域判定部203−1は、アンカバードバックグラウンド領域判定フラグを判定フラグ格納フレームメモリ204に供給し、手続きは、ステップS214に進む。
【0222】
ステップS211において、フレーム#nの画素とフレーム#n+1の同一位置の画素とで、静止と判定された場合、または、ステップS212において、フレーム#n+1の画素とフレーム#n+2の同一位置の画素とで、動きと判定された場合、フレーム#nの画素がアンカバードバックグラウンド領域には属さないので、ステップS213の処理はスキップされ、手続きは、ステップS214に進む。
【0223】
ステップS214において、領域特定部103は、フレーム#nの全ての画素について領域を特定したか否かを判定し、フレーム#nの全ての画素について領域を特定していないと判定された場合、手続きは、ステップS202に戻り、他の画素について、領域特定の処理を繰り返す。
【0224】
ステップS214において、フレーム#nの全ての画素について領域を特定したと判定された場合、ステップS215に進み、合成部205は、判定フラグ格納フレームメモリ204に記憶されているアンカバードバックグラウンド領域判定フラグ、およびカバードバックグラウンド領域判定フラグを基に、混合領域を示す領域情報を生成し、更に、各画素が、アンカバードバックグラウンド領域、静止領域、動き領域、およびカバードバックグラウンド領域のいずれかに属することを示す領域情報を生成し、生成した領域情報を判定フラグ格納フレームメモリ206に設定し、処理は終了する。
【0225】
このように、領域特定部103は、フレームに含まれている画素のそれぞれについて、動き領域、静止領域、アンカバードバックグラウンド領域、またはカバードバックグラウンド領域に属することを示す領域情報を生成することができる。
【0226】
なお、領域特定部103は、アンカバードバックグラウンド領域およびカバードバックグラウンド領域に対応する領域情報に論理和を適用することにより、混合領域に対応する領域情報を生成して、フレームに含まれている画素のそれぞれについて、動き領域、静止領域、または混合領域に属することを示すフラグから成る領域情報を生成するようにしてもよい。
【0227】
前景に対応するオブジェクトがテクスチャを有す場合、領域特定部103は、より正確に動き領域を特定することができる。
【0228】
領域特定部103は、動き領域を示す領域情報を前景領域を示す領域情報として、また、静止領域を示す領域情報を背景領域を示す領域情報として出力することができる。
【0229】
なお、背景に対応するオブジェクトが静止しているとして説明したが、背景領域に対応する画像が動きを含んでいても上述した領域を特定する処理を適用することができる。例えば、背景領域に対応する画像が一様に動いているとき、領域特定部103は、この動きに対応して画像全体をシフトさせ、背景に対応するオブジェクトが静止している場合と同様に処理する。また、背景領域に対応する画像が局所毎に異なる動きを含んでいるとき、領域特定部103は、動きに対応した画素を選択して、上述の処理を実行する。
【0230】
図29は、領域特定部103の構成を示すブロック図である。図29に示す領域特定部103は、動きベクトルを使用しない。背景画像生成部301は、入力画像に対応する背景画像を生成し、生成した背景画像を2値オブジェクト画像抽出部302に供給する。背景画像生成部301は、例えば、入力画像に含まれる背景のオブジェクトに対応する画像オブジェクトを抽出して、背景画像を生成する。
【0231】
前景のオブジェクトに対応する画像の動き方向に隣接して1列に並ぶ画素の画素値を時間方向に展開したモデル図の例を図30に示す。例えば、前景のオブジェクトに対応する画像の動き方向が画面に対して水平であるとき、図30におけるモデル図は、1つのライン上の隣接する画素の画素値を時間方向に展開したモデルを示す。
【0232】
図30において、フレーム#nにおけるラインは、フレーム#n-1およびフレーム#n+1におけるラインと同一である。
【0233】
フレーム#nにおいて、左から6番目の画素乃至17番目の画素に含まれているオブジェクトに対応する前景の成分は、フレーム#n-1において、左から2番目乃至13番目の画素に含まれ、フレーム#n+1において、左から10番目乃至21番目の画素に含まれる。
【0234】
フレーム#n-1において、カバードバックグラウンド領域に属する画素は、左から11番目乃至13番目の画素であり、アンカバードバックグラウンド領域に属する画素は、左から2番目乃至4番目の画素である。フレーム#nにおいて、カバードバックグラウンド領域に属する画素は、左から15番目乃至17番目の画素であり、アンカバードバックグラウンド領域に属する画素は、左から6番目乃至8番目の画素である。フレーム#n+1において、カバードバックグラウンド領域に属する画素は、左から19番目乃至21番目の画素であり、アンカバードバックグラウンド領域に属する画素は、左から10番目乃至12番目の画素である。
【0235】
フレーム#n-1において、背景領域に属する画素は、左から1番目の画素、および左から14番目乃至21番目の画素である。フレーム#nにおいて、背景領域に属する画素は、左から1番目乃至5番目の画素、および左から18番目乃至21番目の画素である。フレーム#n+1において、背景領域に属する画素は、左から1番目乃至9番目の画素である。
【0236】
背景画像生成部301が生成する、図30の例に対応する背景画像の例を図31に示す。背景画像は、背景のオブジェクトに対応する画素から構成され、前景のオブジェクトに対応する画像の成分を含まない。
【0237】
2値オブジェクト画像抽出部302は、背景画像および入力画像の相関を基に、2値オブジェクト画像を生成し、生成した2値オブジェクト画像を時間変化検出部303に供給する。
【0238】
図32は、2値オブジェクト画像抽出部302の構成を示すブロック図である。相関値演算部321は、背景画像生成部301から供給された背景画像および入力画像の相関を演算し、相関値を生成して、生成した相関値をしきい値処理部322に供給する。
【0239】
相関値演算部321は、例えば、図33Aに示すように、X4を中心とした3×3の背景画像の中のブロックと、図33Bに示すように、背景画像の中のブロックに対応するY4を中心とした3×3の入力画像の中のブロックに、式(4)を適用して、Y4に対応する相関値を算出する。
【0240】
【数2】
Figure 0004304578
【0241】
【数3】
Figure 0004304578
【0242】
【数4】
Figure 0004304578
【0243】
相関値演算部321は、このように各画素に対応して算出された相関値をしきい値処理部322に供給する。
【0244】
また、相関値演算部321は、例えば、図34Aに示すように、X4を中心とした3×3の背景画像の中のブロックと、図34Bに示すように、背景画像の中のブロックに対応するY4を中心とした3×3の入力画像の中のブロックに、式(7)を適用して、Y4に対応する差分絶対値和を算出するようにしてもよい。
【0245】
【数5】
Figure 0004304578
【0246】
相関値演算部321は、このように算出された差分絶対値和を相関値として、しきい値処理部322に供給する。
【0247】
しきい値処理部322は、相関画像の画素値としきい値th0とを比較して、相関値がしきい値th0以下である場合、2値オブジェクト画像の画素値に1を設定し、相関値がしきい値th0より大きい場合、2値オブジェクト画像の画素値に0を設定して、0または1が画素値に設定された2値オブジェクト画像を出力する。しきい値処理部322は、しきい値th0を予め記憶するようにしてもよく、または、外部から入力されたしきい値th0を使用するようにしてもよい。
【0248】
図35は、図30に示す入力画像のモデルに対応する2値オブジェクト画像の例を示す図である。2値オブジェクト画像において、背景画像と相関の高い画素には、画素値に0が設定される。
【0249】
図36は、時間変化検出部303の構成を示すブロック図である。フレームメモリ341は、フレーム#nの画素について領域を判定するとき、2値オブジェクト画像抽出部302から供給された、フレーム#n-1、フレーム#n、およびフレーム#n+1の2値オブジェクト画像を記憶する。
【0250】
領域判定部342は、フレームメモリ341に記憶されているフレーム#n-1、フレーム#n、およびフレーム#n+1の2値オブジェクト画像を基に、フレーム#nの各画素について領域を判定して、領域情報を生成し、生成した領域情報を出力する。
【0251】
図37は、領域判定部342の判定を説明する図である。フレーム#nの2値オブジェクト画像の注目している画素が0であるとき、領域判定部342は、フレーム#nの注目している画素が背景領域に属すると判定する。
【0252】
フレーム#nの2値オブジェクト画像の注目している画素が1であり、フレーム#n-1の2値オブジェクト画像の対応する画素が1であり、フレーム#n+1の2値オブジェクト画像の対応する画素が1であるとき、領域判定部342は、フレーム#nの注目している画素が前景領域に属すると判定する。
【0253】
フレーム#nの2値オブジェクト画像の注目している画素が1であり、フレーム#n-1の2値オブジェクト画像の対応する画素が0であるとき、領域判定部342は、フレーム#nの注目している画素がカバードバックグラウンド領域に属すると判定する。
【0254】
フレーム#nの2値オブジェクト画像の注目している画素が1であり、フレーム#n+1の2値オブジェクト画像の対応する画素が0であるとき、領域判定部342は、フレーム#nの注目している画素がアンカバードバックグラウンド領域に属すると判定する。
【0255】
図38は、図30に示す入力画像のモデルに対応する2値オブジェクト画像について、時間変化検出部303の判定した例を示す図である。時間変化検出部303は、2値オブジェクト画像のフレーム#nの対応する画素が0なので、フレーム#nの左から1番目乃至5番目の画素を背景領域に属すると判定する。
【0256】
時間変化検出部303は、2値オブジェクト画像のフレーム#nの画素が1であり、フレーム#n+1の対応する画素が0なので、左から6番目乃至9番目の画素をアンカバードバックグラウンド領域に属すると判定する。
【0257】
時間変化検出部303は、2値オブジェクト画像のフレーム#nの画素が1であり、フレーム#n-1の対応する画素が1であり、フレーム#n+1の対応する画素が1なので、左から10番目乃至13番目の画素を前景領域に属すると判定する。
【0258】
時間変化検出部303は、2値オブジェクト画像のフレーム#nの画素が1であり、フレーム#n-1の対応する画素が0なので、左から14番目乃至17番目の画素をカバードバックグラウンド領域に属すると判定する。
【0259】
時間変化検出部303は、2値オブジェクト画像のフレーム#nの対応する画素が0なので、左から18番目乃至21番目の画素を背景領域に属すると判定する。
【0260】
次に、図39のフローチャートを参照して、領域判定部103の領域特定の処理を説明する。ステップS301において、領域判定部103の背景画像生成部301は、入力画像を基に、例えば、入力画像に含まれる背景のオブジェクトに対応する画像オブジェクトを抽出して背景画像を生成し、生成した背景画像を2値オブジェクト画像抽出部302に供給する。
【0261】
ステップS302において、2値オブジェクト画像抽出部302は、例えば、図33を参照して説明した演算により、入力画像と背景画像生成部301から供給された背景画像との相関値を演算する。ステップS303において、2値オブジェクト画像抽出部302は、例えば、相関値としきい値th0とを比較することにより、相関値およびしきい値th0から2値オブジェクト画像を演算する。
【0262】
ステップS304において、時間変化検出部303は、領域判定の処理を実行して、処理は終了する。
【0263】
図40のフローチャートを参照して、ステップS304に対応する領域判定の処理の詳細を説明する。ステップS321において、時間変化検出部303の領域判定部342は、フレームメモリ341に記憶されているフレーム#nにおいて、注目する画素が0であるか否かを判定し、フレーム#nにおいて、注目する画素が0であると判定された場合、ステップS322に進み、フレーム#nの注目する画素が背景領域に属すると設定して、処理は終了する。
【0264】
ステップS321において、フレーム#nにおいて、注目する画素が1であると判定された場合、ステップS323に進み、時間変化検出部303の領域判定部342は、フレームメモリ341に記憶されているフレーム#nにおいて、注目する画素が1であり、かつ、フレーム#n-1において、対応する画素が0であるか否かを判定し、フレーム#nにおいて、注目する画素が1であり、かつ、フレーム#n-1において、対応する画素が0であると判定された場合、ステップS324に進み、フレーム#nの注目する画素がカバードバックグラウンド領域に属すると設定して、処理は終了する。
【0265】
ステップS323において、フレーム#nにおいて、注目する画素が0であるか、または、フレーム#n-1において、対応する画素が1であると判定された場合、ステップS325に進み、時間変化検出部303の領域判定部342は、フレームメモリ341に記憶されているフレーム#nにおいて、注目する画素が1であり、かつ、フレーム#n+1において、対応する画素が0であるか否かを判定し、フレーム#nにおいて、注目する画素が1であり、かつ、フレーム#n+1において、対応する画素が0であると判定された場合、ステップS326に進み、フレーム#nの注目する画素がアンカバードバックグラウンド領域に属すると設定して、処理は終了する。
【0266】
ステップS325において、フレーム#nにおいて、注目する画素が0であるか、または、フレーム#n+1において、対応する画素が1であると判定された場合、ステップS327に進み、時間変化検出部303の領域判定部342は、フレーム#nの注目する画素を前景領域と設定して、処理は終了する。
【0267】
このように、領域特定部103は、入力された画像と対応する背景画像との相関値を基に、入力画像の画素が前景領域、背景領域、カバードバックグラウンド領域、およびアンカバードバックグラウンド領域のいずれかに属するかを特定して、特定した結果に対応する領域情報を生成することができる。
【0268】
図41は、領域特定部103の他の構成を示すブロック図である。図41に示す領域特定部103は、動き検出部102から供給される動きベクトルとその位置情報を使用する。図29に示す場合と同様の部分には、同一の番号を付してあり、その説明は省略する。
【0269】
ロバスト化部361は、2値オブジェクト画像抽出部302から供給された、N個のフレームの2値オブジェクト画像を基に、ロバスト化された2値オブジェクト画像を生成して、時間変化検出部303に出力する。
【0270】
図42は、ロバスト化部361の構成を説明するブロック図である。動き補償部381は、動き検出部102から供給された動きベクトルとその位置情報を基に、N個のフレームの2値オブジェクト画像の動きを補償して、動きが補償された2値オブジェクト画像をスイッチ382に出力する。
【0271】
図43および図44の例を参照して、動き補償部381の動き補償について説明する。例えば、フレーム#nの領域を判定するとき、図43に例を示すフレーム#n-1、フレーム#n、およびフレーム#n+1の2値オブジェクト画像が入力された場合、動き補償部381は、動き検出部102から供給された動きベクトルを基に、図44に例を示すように、フレーム#n-1の2値オブジェクト画像、およびフレーム#n+1の2値オブジェクト画像を動き補償して、動き補償された2値オブジェクト画像をスイッチ382に供給する。
【0272】
スイッチ382は、1番目のフレームの動き補償された2値オブジェクト画像をフレームメモリ383−1に出力し、2番目のフレームの動き補償された2値オブジェクト画像をフレームメモリ383−2に出力する。同様に、スイッチ382は、3番目乃至N−1番目のフレームの動き補償された2値オブジェクト画像のそれぞれをフレームメモリ383−3乃至フレームメモリ383−(N−1)のいずれかに出力し、N番目のフレームの動き補償された2値オブジェクト画像をフレームメモリ383−Nに出力する。
【0273】
フレームメモリ383−1は、1番目のフレームの動き補償された2値オブジェクト画像を記憶し、記憶されている2値オブジェクト画像を重み付け部384−1に出力する。フレームメモリ383−2は、2番目のフレームの動き補償された2値オブジェクト画像を記憶し、記憶されている2値オブジェクト画像を重み付け部384−2に出力する。
【0274】
同様に、フレームメモリ383−3乃至フレームメモリ383−(N−1)のそれぞれは、3番目のフレーム乃至N−1番目のフレームの動き補償された2値オブジェクト画像のいずれかを記憶し、記憶されている2値オブジェクト画像を重み付け部384−3乃至重み付け部384−(N−1)のいずれかに出力する。フレームメモリ383−Nは、N番目のフレームの動き補償された2値オブジェクト画像を記憶し、記憶されている2値オブジェクト画像を重み付け部384−Nに出力する。
【0275】
重み付け部384−1は、フレームメモリ383−1から供給された1番目のフレームの動き補償された2値オブジェクト画像の画素値に予め定めた重みw1を乗じて、積算部385に供給する。重み付け部384−2は、フレームメモリ383−2から供給された2番目のフレームの動き補償された2値オブジェクト画像の画素値に予め定めた重みw2を乗じて、積算部385に供給する。
【0276】
同様に、重み付け部384−3乃至重み付け部384−(N−1)のそれぞれは、フレームメモリ383−3乃至フレームメモリ383−(N−1)のいずれかから供給された3番目乃至N−1番目のいずれかのフレームの動き補償された2値オブジェクト画像の画素値に予め定めた重みw3乃至重みw(N-1)のいずれかを乗じて、積算部385に供給する。重み付け部384−Nは、フレームメモリ383−Nから供給されたN番目のフレームの動き補償された2値オブジェクト画像の画素値に予め定めた重みwNを乗じて、積算部385に供給する。
【0277】
積算部385は、1乃至N番目のフレームの動き補償され、それぞれ重みw1乃至wNのいずれかが乗じられた、2値オブジェクト画像の対応する画素値を積算して、積算された画素値を予め定めたしきい値th0と比較することにより2値オブジェクト画像を生成する。
【0278】
このように、ロバスト化部361は、N個の2値オブジェクト画像からロバスト化された2値オブジェト画像を生成して、時間変化検出部303に供給するので、図41に構成を示す領域特定部103は、入力画像にノイズが含まれていても、図29に示す場合に比較して、より正確に領域を特定することができる。
【0279】
次に、図41に構成を示す領域特定部103の領域特定の処理について、図45のフローチャートを参照して説明する。ステップS341乃至ステップS343の処理は、図39のフローチャートで説明したステップS301乃至ステップS303とそれぞれ同様なのでその説明は省略する。
【0280】
ステップS344において、ロバスト化部361は、ロバスト化の処理を実行する。
【0281】
ステップS345において、時間変化検出部303は、領域判定の処理を実行して、処理は終了する。ステップS345の処理の詳細は、図40のフローチャートを参照して説明した処理と同様なのでその説明は省略する。
【0282】
次に、図46のフローチャートを参照して、図45のステップS344の処理に対応する、ロバスト化の処理の詳細について説明する。ステップS361において、動き補償部381は、動き検出部102から供給される動きベクトルとその位置情報を基に、入力された2値オブジェクト画像の動き補償の処理を実行する。ステップS362において、フレームメモリ383−1乃至383−Nのいずれかは、スイッチ382を介して供給された動き補償された2値オブジェクト画像を記憶する。
【0283】
ステップS363において、ロバスト化部361は、N個の2値オブジェクト画像が記憶されたか否かを判定し、N個の2値オブジェクト画像が記憶されていないと判定された場合、ステップS361に戻り、2値オブジェクト画像の動き補償の処理および2値オブジェクト画像の記憶の処理を繰り返す。
【0284】
ステップS363において、N個の2値オブジェクト画像が記憶されたと判定された場合、ステップS364に進み、重み付け部384−1乃至384−Nのそれぞれは、N個の2値オブジェクト画像のそれぞれにw1乃至wNのいずれかの重みを乗じて、重み付けする。
【0285】
ステップS365において、積算部385は、重み付けされたN個の2値オブジェクト画像を積算する。
【0286】
ステップS366において、積算部385は、例えば、予め定められたしきい値th1との比較などにより、積算された画像から2値オブジェクト画像を生成して、処理は終了する。
【0287】
このように、図41に構成を示す領域特定部103は、ロバスト化された2値オブジェクト画像を基に、領域情報を生成することができる。
【0288】
以上のように、領域特定部103は、フレームに含まれている画素のそれぞれについて、動き領域、静止領域、アンカバードバックグラウンド領域、またはカバードバックグラウンド領域に属することを示す領域情報を生成することができる。
【0289】
図47は、混合比前景画素値算出部104の構成を示すブロック図である。
【0290】
混合比前景画素値算出部104は、領域特定部103により検出されたアンカバードバックグラウンド領域である混合領域内の画素の画素値が、注目している注目フレームに対して時間的に前のフレームの対応する第1の対応画素の画素値に等しい前景画素値(前景オブジェクト成分)と、注目フレームに対して時間的に後のフレームの対応する第2の対応画素の画素値に等しい背景画素値(背景オブジェクト成分)とが、所定の混合比で混合された値であるとする方程式を生成し、生成された方程式に、第1の対応画素の画素値および第2の対応画素の画素値を代入して、第1の対応画素の画素値および第2の対応画素の画素値が代入された方程式を解くことにより、混合比と前景画素値(前景オブジェクト成分)とを統計的に求めて、さらに、方程式を解くことにより求められた前景画素値を方程式に代入して、求められた前景画素値が代入された方程式を解くことにより、混合比と、前景画素値とを繰り返し求める。
【0291】
混合比前景画素値算出部104は、領域特定部103により検出されたカバードバックグラウンド領域である混合領域内の画素の画素値が、注目している注目フレームに対して時間的に後のフレームの対応する第1の対応画素の画素値に等しい前景画素値(前景オブジェクト成分)と、注目フレームに対して時間的に前のフレームの対応する第2の対応画素の画素値に等しい背景画素値(背景オブジェクト成分)とが、所定の混合比で混合された値であるとする方程式を生成し、生成された方程式に、第1の対応画素の画素値および第2の対応画素の画素値を代入して、第1の対応画素の画素値および第2の対応画素の画素値が代入された方程式を解くことにより、混合比と前景画素値(前景オブジェクト成分)とを統計的に求めて、さらに、方程式を解くことにより求められた前景画素値を方程式に代入して、求められた前景画素値が代入された方程式を解くことにより、混合比と、前景画素値とを繰り返し求める。
【0292】
処理タップ抽出部601は、領域情報を基に、注目している注目フレームの混合領域に属する注目している注目画素に対して、注目フレームおよび注目フレームに時間的に隣接するフレームから画素を処理タップとして抽出する。
【0293】
より詳しく説明すれば、処理タップ抽出部601は、領域情報を基に、注目している注目フレームの混合領域に属する注目している注目画素に対して、注目フレーム上の注目画素に対する所定の領域の画素を処理タップとして、抽出する。例えば、処理タップ抽出部601は、注目フレームから、注目画素を中心とした、縦×横が10画素×10画素の領域の画素を処理タップとして、抽出する。
【0294】
なお、処理タップは、任意の数とすることができ、処理タップの数は、本発明を限定するものではない。
【0295】
図48は、3つのフレームの、隣接して1列に並んでいる画素であって、フレーム上で同一の位置の画素の画素値を時間方向に展開したモデル図である。図48において、フレーム#nは、注目フレームであり、フレーム#n+1は、フレーム#nに対して時間的に後のフレームであり、フレーム#n-1は、フレーム#n対して時間的に前のフレームである。
【0296】
図48において、C01乃至C21は、それぞれ、注目フレームの画素の画素値を示し、P01乃至P21は、それぞれ、フレーム#n-1の画素の画素値を示し、N01乃至N21は、それぞれ、フレーム#n+1の画素の画素値を示す。
【0297】
画素値がC01である画素の位置は、画素値がP01である画素の位置、または画素値がN01である画素の位置に対応する。同様に、画素値がC02である画素乃至C21である画素の位置のそれぞれは、画素値がP01である画素乃至P21である画素の位置のそれぞれ、または画素値がN01である画素乃至N21である画素の位置のそれぞれに対応する。
【0298】
例えば、アンカバードバックグラウンド領域に属する、画素値がC07である画素が注目画素であるとき、注目フレーム#nから画素値がC06乃至C08である画素が、処理タップとして抽出される。また、例えば、カバードバックグラウンド領域に属する、画素値がC16である画素が注目画素であるとき、注目フレーム#nから画素値がC15乃至C17である画素が、処理タップとして抽出される。
【0299】
処理タップ抽出部601は、注目画素がアンカバードバックグラウンド領域に属しているとき、時間的に前のフレームから、注目画素に画面上で対応する位置の画素に対して所定の領域の画素を、前景画素値に等しい画素値を有する処理タップとして、抽出する。例えば、注目画素がアンカバードバックグラウンド領域に属しているとき、処理タップ抽出部601は、注目フレームに対して時間的に前のフレームから、注目画素の画面上の位置に対応する位置の画素を中心とする、縦×横が10画素×10画素の領域の画素を、前景画素値に等しい画素値を有する処理タップとして抽出する。
【0300】
例えば、図48で示される、アンカバードバックグラウンド領域に属する、画素値がC07である画素が注目画素である場合、注目フレーム#nから画素値がC06乃至C08である画素が、処理タップとして抽出されたとき、フレーム#n-1から画素値がP06乃至P08である画素が、前景画素値に等しい画素値を有する処理タップとして抽出される。
【0301】
処理タップ抽出部601は、領域情報を基に、注目画素がアンカバードバックグラウンド領域に属しているとき、時間的に後のフレームから、注目画素に画面上で対応する位置の画素に対して所定の領域の画素を、背景画素値に等しい画素値を有する処理タップとして、抽出する。例えば、注目画素がアンカバードバックグラウンド領域に属しているとき、処理タップ抽出部601は、注目フレームに対して時間的に後のフレームから、注目画素の画面上の位置に対応する位置の画素を中心とする、縦×横が10画素×10画素の領域の画素を、背景画素値に等しい画素値を有する処理タップとして抽出する。
【0302】
例えば、図48で示される、アンカバードバックグラウンド領域に属する、画素値がC07である画素が注目画素である場合、注目フレーム#nから画素値がC06乃至C08である画素が、処理タップとして抽出されたとき、フレーム#n+1から画素値がN06乃至N08である画素が、背景画素値に等しい画素値を有する処理タップとして抽出される。
【0303】
処理タップ抽出部601は、領域情報を基に、注目画素がカバードバックグラウンド領域に属しているとき、時間的に後のフレームから、注目画素に画面上で対応する位置の画素に対して所定の領域の画素を、前景画素値に等しい画素値を有する処理タップとして、抽出する。例えば、注目画素がカバードバックグラウンド領域に属しているとき、処理タップ抽出部601は、注目フレームに対して時間的に後のフレームから、注目画素の画面上の位置に対応する位置の画素を中心とする、縦×横が10画素×10画素の領域の画素を、前景画素値に等しい画素値を有する処理タップとして抽出する。
【0304】
例えば、図48で示される、カバードバックグラウンド領域に属する、画素値がC16である画素が注目画素である場合、注目フレーム#nから画素値がC15乃至C17である画素が、処理タップとして抽出されたとき、フレーム#n+1から画素値がN15乃至N17である画素が、前景画素値に等しい画素値を有する処理タップとして抽出される。
【0305】
処理タップ抽出部601は、領域情報を基に、注目画素がカバードバックグラウンド領域に属しているとき、時間的に前のフレームから、注目画素に画面上で対応する位置の画素に対して所定の領域の画素を、背景画素値に等しい画素値を有する処理タップとして、抽出する。例えば、注目画素がカバードバックグラウンド領域に属しているとき、処理タップ抽出部601は、注目フレームに対して時間的に前のフレームから、注目画素の画面上の位置に対応する位置の画素を中心とする、縦×横が10画素×10画素の領域の画素を、前景画素値に等しい画素値を有する処理タップとして抽出する。
【0306】
例えば、図48で示される、カバードバックグラウンド領域に属する、画素値がC16である画素が注目画素である場合、注目フレーム#nから画素値がC15乃至C17である画素が、処理タップとして抽出されたとき、フレーム#n-1から画素値がP15乃至P17である画素が、背景画素値に等しい画素値を有する処理タップとして抽出される。
【0307】
なお、処理タップ抽出部601は、注目フレームから処理タップが抽出される領域と同じ大きさの領域に属する画素を、時間的に前のフレームまたは後のフレームから、処理タップとして抽出する。
【0308】
処理タップ抽出部601は、入力画像から抽出した処理タップをマトリックス演算部602に供給する。
【0309】
マトリックス演算部602は、注目画素の画素値が、前景画素値と、背景画素値とが、所定の混合比αで混合された値であるとする方程式を生成する。
【0310】
例えば、マトリックス演算部602は、カバードバックグラウンド領域に属する注目画素の画素値が、注目している注目フレームに対して時間的に後のフレームの対応する対応画素の画素値に等しい前景画素値と、注目フレームに対して時間的に前のフレームの対応する対応画素の画素値に等しい背景画素値とが、所定の混合比αで混合された値であるとする方程式を生成する。または、マトリックス演算部602は、アンカバードバックグラウンド領域に属する注目画素の画素値が、注目している注目フレームに対して時間的に前のフレームの対応する対応画素の画素値に等しい前景画素値と、注目フレームに対して時間的に後のフレームの対応する対応画素の画素値に等しい背景画素値とが、所定の混合比αで混合された値であるとする方程式を生成する。
【0311】
マトリックス演算部602は、生成した方程式を最小自乗法演算部603に供給する。
【0312】
そして、マトリックス演算部602は、処理タップ抽出部601から供給された処理タップを最小自乗法演算部603に供給する。
【0313】
最小自乗法演算部603は、マトリックス演算部602から供給された方程式に、処理タップを代入して、処理タップが代入された方程式を解くことにより、混合比と注目画素の前景画素値(前景オブジェクト成分)とを統計的に求める。
【0314】
例えば、最小自乗法演算部603は、マトリックス演算部から供給された方程式に、注目フレームから抽出された処理タップ、前景画素値に等しい画素値を有する処理タップ、および背景画素値に等しい画素値を有する処理タップを代入して、処理タップが代入された方程式を解くことにより、混合比と注目画素の前景画素値(前景オブジェクト成分)とを統計的に求める。
【0315】
最小自乗法演算部603は、混合比および注目画素の前景画素値(前景オブジェクト成分)、並びに方程式を解いた結果得られる特徴量を繰り返し判定部604に供給する。特徴量には、後述するように、混合比αの傾きまたは切片などが含まれる。
【0316】
繰り返し判定部604は、最小自乗法演算部603から供給された混合比αおよび注目画素の前景画素値(前景オブジェクト成分)、並びに方程式を解いた結果得られる特徴量を基に、混合比αおよび注目画素の前景画素値を算出する処理を繰り返すか否かを判定する。
【0317】
混合比αおよび注目画素の前景画素値を算出する処理を繰り返すと判定された場合、繰り返し判定部604は、処理タップ抽出部601およびマトリックス演算部602に処理の繰り返しを指示する。一方、混合比αおよび注目画素の前景画素値を算出する処理を繰り返さないと判定された場合、繰り返し判定部604は、算出された混合比αおよび注目画素の前景画素値を出力する。
【0318】
例えば、繰り返し判定部604は、最小自乗法演算部603から供給された混合比α、注目画素の前景画素値、方程式を解いた結果得られる特徴量から、誤差を算出し、予め設定した閾値と誤差とを比較し、誤差が閾値を超える場合、混合比αおよび注目画素の前景画素値を算出する処理を繰り返すと判定する。
【0319】
繰り返し判定部604は、誤差が閾値以下である場合、算出された混合比αおよび注目画素の前景画素値を出力する。
【0320】
繰り返し判定部604から処理の繰り返しを指示された場合、処理タップ抽出部601は、繰り返し判定部604からの指示に基づいて、注目フレームから処理タップを抽出すると共に、注目フレームに時間的に前または後のフレームから背景素値に等しい画素値を有する処理タップを抽出する。
【0321】
繰り返し判定部604から処理の繰り返しを指示された場合、マトリックス演算部602は、さらに方程式を生成し、最小自乗法演算部603は、生成された方程式に、求められた前景画素値、注目フレームから抽出された処理タップ、および注目フレームに時間的に前または後のフレームから抽出された背景素値に等しい画素値を有する処理タップを方程式に代入して、代入された方程式を解くことにより、混合比αと前景画素値とをさらに求める。
【0322】
なお、この場合、マトリックス演算部602が生成する方程式は、同じ注目画素に対して、混合比αと前景画素値とを求める前の処理で生成された方程式と同一であってもよく、異なるものであってもよい。
【0323】
このように、混合比前景画素値算出部104においては、より確からしい混合比αおよび前景画素値が求まるまで、方程式を生成し、前の処理で求められた前景画素値を方程式に設定し、前景画素値が代入された方程式を解く処理が繰り返される。
【0324】
ここで、マトリックス演算部602において、生成される方程式について説明する。
【0325】
混合比前景画素値算出部104は、複数の変数間の関係を重回帰分析によって導き、この際、再帰的に結果を演算する。
【0326】
ここで、処理の出発点となる式を、式(8)に示す。
【0327】
混合領域の画素値=前景画素値+混合比α×背景画素値 (8)
【0328】
式(8)に対して、以下の仮定を導入する。
【0329】
第1に、背景のオブジェクトは静止しており、注目フレームに時間的に隣接するフレームから得ることができる。
【0330】
第2に、混合比αは、空間方向に直線的に変化する。
【0331】
第3に、前景画素値は、局所領域で一定値をとる。
【0332】
以上の、3つの仮定のもとに、混合比αを空間方向に2次元の広がりを持ち、平面(Z=bx+cy+d)で近似できるとすると、式(8)から、式(9)を得る。
y=(1-α)×A+α×x (9)
α=b×ix+c×iy+d (10)
【0333】
式(9)において、yは、画素値であり、Aは、yに含まれる前景画素値であり、xは、yに含まれる背景画素値である。式(10)において、bは、空間方向Xの混合比αの傾きであり、Cは、空間方向Yの混合比αの傾きであり、dは、混合比αの切片である。また、式(10)において、ixは、空間方向Xの位置を示し、iyは、空間方向Yの位置を示す。
【0334】
式(9)に式(10)を代入すると、式(11)が得られる。
y=A+b×ix(x-A)+c×iy(x-A)+d×(x-A) (11)
【0335】
式(11)には、未知数同士の掛け算が含まれているので、このままでは未知数の数が増えてしまう。
【0336】
そこで、背景画素値Aを再帰的に求めることによって、これを回避する。
【0337】
最小自乗法の方程式に設定される前景画素値をA'とすると、モデル式は、式(12)で表される。
y=A+b×ix(x-A')+c×iy(x-A')+d×(x-A') (12)
【0338】
式(12)において、A,b,c、およびdは、それぞれ、前景画素値、空間方向Xの混合比αの傾き、空間方向Yの混合比αの傾き、混合比αの切片である。式(12)において、A'は、入力として与えられる前景画素値、yは、入力画像の画素値であり、xは、背景画素値であり、ixは、空間方向Xの位置を示し、iyは、空間方向Yの位置を示し、A',y,x,ix、およびiyは、既知である。
【0339】
最小自乗法を適用するために、式(12)を一般化する。空間方向Xの混合比αの傾きb、空間方向Yの混合比αの傾きc、混合比αの切片d、および前景画素値Aを、それぞれ、w0,w1,w2,w4と表現する。また、w0,w1,w2,w4のそれぞれに係る値であるix(x-A'),iy(x-A'),(x-A')、および1.0を、それぞれ、a0,a2,a3,a4と表現する。ここで、前景画素値Aにかかる係数は常に1.0の定数であるが、ここでは一般化した変数a4と表すようにする。また、入力される画素値yをMと置く。
【0340】
また、最小自乗法に用いるサンプルをK=0,1,2,・・・,n-1のn個とすると、k番目のサンプルの誤差値ekは、式(13)で表される。
【数6】
Figure 0004304578
【0341】
式(13)を変形して、式(14)が得られる。
【数7】
Figure 0004304578
【0342】
ここで、最小自乗法で解くために、誤差の自乗和Eを式(15)で示されるように定義する。
【数8】
Figure 0004304578
【0343】
誤差が最小になるためには、誤差の自乗和Eに対する、変数wv(v=0,1,・・・,4)に対して偏微分した値が0になればよい。従って、式(16)を満たすように、w0,w1,w2,w4を求める。
【数9】
Figure 0004304578
【0344】
式(16)に、式(14)を代入して、式(17)を得る。
【数10】
Figure 0004304578
【0345】
結局、式(17)に、v=0,1,・・・,4を代入することで得られる5つの式から、wh(h=0,1,・・・,4)を求めればよい。
【0346】
式(17)を行列で表すと式(18)が得られる。
【数11】
Figure 0004304578
【0347】
よって、式(18)の右辺の左側の行列の逆行列を求めて、求められた逆行列を左辺の行列に乗算することにより、右辺の右側の行列、すなわち、wh(h=0,1,・・・,4)を求めることができる。
【0348】
マトリックス演算部602は、例えば、式(18)で示される方程式を生成する。
【0349】
最小自乗法演算部603は、例えば、マトリックス演算部602から供給された、式(18)で示される方程式に、処理タップを設定(代入)する。この場合、最小自乗法演算部603は、Mに、注目フレーム#nから抽出された処理タップを設定し、A'に、前景画素値に等しい画素値を有する処理タップを設定し、xに、背景画素値に等しい画素値を有する処理タップを設定する。
【0350】
ix、およびiyは、注目画素の位置を原点とすることができる。この場合、注目画素の混合比αは、切片dに等しい。
【0351】
なお、(x-A)の演算を行い、式(18)の行列の要素における乗算および積和(Σに相当する演算)を行って、式(18)に処理タップを設定することを足し込みと称する。
【0352】
ここで、最小自乗法演算部603は、1つの注目画素について最初に、前景画素値に等しい画素値を有する処理タップを式(18)で示される方程式に設定する場合、変数k毎に異なる処理タップを設定できる。
【0353】
また、最小自乗法演算部603は、1つの注目画素について最初に、前景画素値に等しい画素値を有する処理タップを式(18)で示される方程式に設定する場合、変数kが変化しても1つの処理タップを設定するようにできる。この場合、例えば、最小自乗法演算部603は、処理タップを抽出した領域の中心に位置する1つの画素の画素値を式(18)で示される方程式に設定する。
【0354】
さらに、例えば、最小自乗法演算部603は、前景画素値に等しい画素値を有する処理タップの平均値を式(18)で示される方程式に設定する。また、例えば、最小自乗法演算部603は、前景画素値に等しい画素値を有する処理タップの中央値(メディアン)を式(18)で示される方程式に設定する。
【0355】
繰り返し判定部604は、例えば、誤差の自乗和Eと閾値とを比較し、誤差の自乗和Eが閾値を超える場合、混合比αおよび注目画素の前景画素値を算出する処理を繰り返すと判定する。繰り返し判定部604は、例えば、誤差の自乗和Eが閾値以下である場合、算出された混合比αおよび注目画素の前景画素値Aを出力する。
【0356】
繰り返し判定部604から処理の繰り返しを指示された場合、マトリックス演算部602は、さらに方程式を生成する。
【0357】
最小自乗法演算部603は、生成された方程式に、求められた前景画素値A(w4)および処理タップ抽出部601で抽出された処理タップ(この場合、注目フレームの処理タップと背景画素値に対応する処理タップ)を方程式に設定して、前景画素値A(w4)および処理タップ抽出部601で抽出された処理タップが設定された方程式を解くことにより、さらに、混合比αと、前景画素値Aとを求める。
【0358】
繰り返し判定部604から処理の繰り返しを指示された場合、マトリックス演算部602は、前の処理で生成された方程式と同一の方程式を生成するか、または、異なる方程式を生成する。
【0359】
マトリックス演算部602が生成する、異なる方程式について説明する。
【0360】
マトリックス演算部602が、前の処理で生成された方程式と同一の方程式を生成して、最小自乗法演算部603が、生成された方程式に、求められた前景画素値A(w4)を方程式に設定して、前景画素値A(w4)が設定された方程式を解くことにより、さらに、混合比αと、前景画素値Aとを求めるようにした場合においても、この処理を繰り返すことにより、より正確な混合比αおよび前景画素値Aを求めることができる。
【0361】
しかしながら、このように算出された混合比αおよび前景画素値Aを調査すると、背景領域における混合比αおよび前景画素値Aには、白色ノイズが含まれるのに対して(どの位置でも誤差の期待値がほぼ0になることが確認された)、混合領域と前景領域または混合領域と背景領域の境界部分における混合比αおよび前景画素値Aには、はっきりとした有色ノイズが含まれることがわかった。
【0362】
これから、前の処理で生成された方程式と同一の方程式を生成する場合、全処理タップ(全画素)に対して、同じ仮定および同じ処理を適用しており、境界の部分において、モデルが現実と合わなくなってしまっていると考えられる。
【0363】
また、この場合、空間方向の重みを平面で代表させているのは、統計処理のための処理タップを集めるためであるが、実際に値として用いるのは、注目画素であり、処理単位(処理タップ)同士の連続性は考慮されていない。
【0364】
さらに、最小自乗法は、処理単位のブロック(処理タップが抽出される領域)内全ての画素に対する誤差を評価しており、注目画素に対する誤差のみを評価しているわけではない。
【0365】
さらにまた、最小自乗法の重みは、全画素で同様に評価されている。
【0366】
すなわち、混合領域と前景領域または混合領域と背景領域の境界部分において、方程式で表現されるモデルが成り立っていないと考えられる。
【0367】
換言すれば、混合領域の境界部分を含む領域の複数の画素、すなわち混合領域の境界部分を含むブロックの処理は、モデルから外れる画素を巻き込んでしまい(モデルから外れる画素を含むことになり)、処理の結果得られる混合比αおよび前景画素値Aに大きな影響を与えてしまう。
【0368】
図49は、このような誤差の発生を説明する図である。
【0369】
混合比前景画素値算出部104における処理は、式(19)で示される関係から、再帰的な処理により、式(20)で示される関係を求めると言える。
y=A+α×(x-A') (19)
y=(1-α)×A+α×x (20)
【0370】
図49で示されるように、複数の画素(処理タップ)からなるブロック(領域)を単位として処理が実行されることで、混合比αが1.0である境界付近では、下にシフトした混合比α’が算出され、混合比αが0.0である境界付近では、上にシフトした混合比α'が算出される。従って、混合比αが1.0である付近では、正しい値に比較して小さい値を示す結果が得られることになり、画素値に混ざり込まれている前景成分が大きく、背景成分が小さく評価される。
【0371】
そこで、前景オブジェクト成分の動き方向に対応する混合領域の端部のサンプルを除いて、方程式を生成することを考える。
【0372】
すなわち、マトリックス演算部602に、同じ注目画素に対して、混合比αと前景画素値とを求める前の処理で生成された方程式と異なる方程式であって、前景オブジェクト成分の動き方向に対応する混合領域の端部のサンプルを除いた方程式を生成させるようにする。
【0373】
図50は、マトリックス演算部602が生成する方程式に設定される処理タップの領域の例を説明する図である。図50で示される例において、マス目は、画素を示す。10画素×10画素の中心に位置する画素が注目画素である。図50で示される例において、前景のオブジェクトは、図中の左下から右上に向かって動いている。すなわち、図中の左下および右下に混合領域の端部が位置する。
【0374】
例えば、図50で示されるように、マトリックス演算部602は、1つの注目画素に対して、最初に混合比αおよび前景画素値Aを算出するとき、縦×横が10画素×10画素の領域の処理タップを対象とした方程式を生成し、2回目に混合比αおよび前景画素値Aを算出するとき、図中の最も上の行(横の並び)の右から1番目乃至4番目、上から2番目の行の右から1番目乃至3番目、上から3番目の行の右から1番目および2番目、上から4番目の行の右から1番目、最も下の行の左から1番目乃至3番目、下から2番目の行の左から1番目乃至2番目、および下から3番目の行の左から1番目の処理タップを除いた他の処理タップを対象とした方程式を生成し、3回目に混合比αおよび前景画素値Aを算出するとき、図中の最も上の行の右から1番目乃至5番目、上から2番目の行の右から1番目乃至4番目、上から3番目の行の右から1番目乃至3番目、上から4番目の行の右から1番目および2番目、上から5番目の行の右から1番目、最も下の行の左から1番目乃至4番目、下から2番目の行の左から1番目乃至3番目、下から3番目の行の左から1番目および2番目、および下から4番目の行の左から1番目の処理タップを除いた他の処理タップを対象とした方程式を生成する。
【0375】
処理タップを除くか否かの判断は、例えば、方程式を解いて得られた、空間方向Xの混合比αの傾きb、空間方向Yの混合比αの傾きc、および混合比αの切片dを基準とすることができる。
【0376】
例えば、繰り返し判定部604は、方程式を解いて得られた、空間方向Xの混合比αの傾きb、空間方向Yの混合比αの傾きc、および混合比αの切片dから、混合比αが0.0乃至1.0である範囲を求め、処理タップ抽出部601に、混合比αが0.0乃至1.0である範囲を基準として、処理タップを抽出させる。
【0377】
繰り返し判定部604は、マトリックス演算部602に、混合比αが0.0乃至1.0である範囲をサンプルとした、方程式を生成させる。例えば、マトリックス演算部602は、繰り返し判定部604からの指示の基に、混合比αが0.0乃至1.0である範囲をサンプルとした、図50を参照して説明した方程式を生成する。
【0378】
マトリックス演算部602は、処理タップ抽出部601から供給された、混合比αが0.0乃至1.0である範囲を基準として抽出された処理タップを生成した方程式に足し込む。
【0379】
このようにすることで、注目画素に対して、より正確に、混合比αおよび前景画素値Aを求めることができるようになる。
【0380】
図51は、混合比前景画素値算出部104による、混合比αおよび前景画素値の算出の処理を説明するフローチャートである。
【0381】
ステップS601において、処理タップ抽出部601は、まだ注目画素とされていない画素から注目画素を選択して、選択された注目画素について、領域情報を基に、注目フレームおよび注目フレームに時間的に隣接するフレームから処理タップを抽出する。抽出された処理タップは、マトリックス演算部602、および最小自乗法演算部603に供給される。
【0382】
ステップS602において、マトリックス演算部602は、注目画素の画素値が、前景画素値と、背景画素値とが、所定の混合比αで混合された値であるとする方程式を生成する。生成された方程式は、最小自乗法演算部603に供給される。
【0383】
ステップS603において、最小自乗法演算部603は、最小自乗法の演算の処理を実行する。すなわち、最小自乗法演算部603は、マトリックス演算部602から供給された方程式に、処理タップを代入して、処理タップが代入された方程式を解くことにより、混合比と注目画素の前景画素値(前景オブジェクト成分)とを統計的に求める。最小自乗法演算部603は、例えば、掃き出し法により方程式を解く。
【0384】
ステップS604において、繰り返し判定部604は、最小自乗法演算部603から供給された混合比αおよび注目画素の前景画素値(前景オブジェクト成分)、並びに方程式を解いた結果得られる特徴量を基に、混合比αおよび注目画素の前景画素値を算出する処理を繰り返すか否かを判定する。ステップS604において、繰り返しを終了しないと判定された場合、ステップS601に戻り、混合比と注目画素の前景画素値とを求める処理が繰り返される。
【0385】
例えば、繰り返し判定部604は、誤差の自乗和Eと閾値とを比較することにより、ステップS601乃至ステップS603の処理を繰り返すか否かを判定する。より具体的には、繰り返し判定部604は、誤差の自乗和Eが閾値を超えているとき、ステップS601乃至ステップS603の処理を繰り返すと判定し、誤差の自乗和Eが閾値以下であるとき、ステップS601乃至ステップS603の処理の繰り返しを終了する。
【0386】
ステップS604において、繰り返しを終了すると判定された場合、ステップS605に進み、繰り返し判定部604は、内部に記憶している混合比αおよび前景画素値を更新する。
【0387】
ステップS606において、繰り返し判定部604は、全領域、すなわち全ての画素について混合比αおよび前景画素値を予測したか否かを判定し、全ての画素について混合比αおよび前景画素値を予測していないと判定された場合、ステップS601に戻り、他の画素を注目画素として、上述した処理を繰り返す。
【0388】
ステップS606において、全ての画素について混合比αおよび前景画素値を予測したと判定された場合、予測された混合比αおよび前景画素値を出力して、処理は終了する。
【0389】
図52は、混合比前景画素値算出部104による、混合領域に属する画素から選択された注目画素ついての、混合比αおよび前景画素値の算出のより具体的な処理を説明するフローチャートである。
【0390】
ステップS631において、処理タップ抽出部601は、注目画素について、入力画像から初期値としての処理タップを抽出する。例えば、処理タップ抽出部601は、注目フレームから、注目画素を中心とした、縦×横が10画素×10画素の領域の画素を処理タップとして、抽出し、注目フレームに対して時間的に前のフレームおよび後のフレームから、それぞれ、注目フレームから抽出された処理タップに対応する位置の、縦×横が10画素×10画素の画素を処理タップとして抽出する。
【0391】
ステップS632において、マトリックス演算部602は、ステップS631の処理で抽出された処理タップを対象とした、注目画素の画素値が、前景画素値と、背景画素値とが、所定の混合比αで混合された値であるとする、式(18)で示される方程式を生成する。
【0392】
ステップS633において、最小自乗法演算部603は、ステップS631の処理で抽出された初期値を、ステップS632の処理で生成された方程式に足し込む。例えば、最小自乗法演算部603は、式(18)で示される方程式に、変数k毎に異なる、前景画素値に等しい画素値を有する処理タップを足し込む。
【0393】
または、例えば、最小自乗法演算部603は、前景画素値に等しい画素値を有する処理タップ処理タップを抽出した領域の中心に位置する1つの画素(処理タップ)の画素値を式(18)で示される方程式に足し込む。さらに例えば、最小自乗法演算部603は、前景画素値に等しい画素値を有する処理タップの平均値を式(18)で示される方程式に足し込むようにしてもよい。
【0394】
さらにまた、例えば、最小自乗法演算部603は、前景画素値に等しい画素値を有する処理タップの中央値(メディアン)を式(18)で示される方程式に足し込むようにしてもよい。
【0395】
ステップS634において、最小自乗法演算部603は、処理タップが足し込まれた正規方程式を解いて、混合比の傾きと切片および前景画素値を求める。例えば、最小自乗法演算部603は、掃き出し法により、処理タップが足し込まれた正規方程式を解いて、混合比の傾きと切片および前景画素値を求める。
【0396】
なお、正規方程式を解く手法は、本発明を限定するものではない。
【0397】
ステップS635において、最小自乗法演算部603は、ステップS634の処理で算出された混合比の傾きと切片から、注目画素に対する混合比αを算出する。例えば、ixおよびiyの原点を、注目画素の位置としたとき、最小自乗法演算部603は、切片dを注目画素の混合比αとする。
【0398】
ステップS636において、繰り返し判定部604は、誤差の自乗和Eと閾値とを比較し、誤差の自乗和Eが閾値以下であるか否かを判定し、誤差の自乗和Eが閾値を超えていると判定された場合、さらに混合比の傾きと切片および前景画素値を求める処理を繰り返す必要があるので、ステップS637に進み、繰り返し判定部604は、最小自乗法演算部603が算出した結果である前景画素値をマトリックス演算部602に供給する。
【0399】
処理タップ抽出部601は、注目フレームの処理タップと背景画素値に対応する処理タップをマトリックス演算部602に供給する。
【0400】
マトリックス演算部602は、繰り返し判定部604から供給された、最小自乗法演算部603が算出した結果である前景画素値、並びに注目フレームの処理タップおよび背景画素値に対応する処理タップを最小自乗法演算部603に供給する。最小自乗法演算部603は、処理タップとして抽出された、入力画像の画素値と、算出された前景画素値を、正規方程式に足し込む。
【0401】
ステップS638において、最小自乗法演算部603は、入力画像の画素値と、算出された前景画素値とが足し込まれた正規方程式を解いて、混合比の傾きと切片および前景画素値を求める。
【0402】
ステップS639において、最小自乗法演算部603は、ステップS634の処理で算出された混合比の傾きと切片から、注目画素に対する混合比αを算出して、ステップS636に戻り、上述した処理を繰り返す。
【0403】
ステップS636において、誤差の自乗和Eが閾値以下であると判定された場合、正確な混合比の傾きと切片および前景画素値が算出されたので、ステップS640に進み、繰り返し判定部604は、混合比αおよび前景画素値を出力して、処理は終了する。
【0404】
図53は、混合比前景画素値算出部104による、混合領域に属する画素から選択された注目画素ついての、混合比αおよび前景画素値の算出のより具体的な他の処理を説明するフローチャートである。
【0405】
ステップS661乃至ステップS666の処理は、それぞれ、図52のステップS631乃至ステップS636の処理と同様なので、その説明は省略する。
【0406】
ステップS667において、繰り返し判定部604は、混合比の傾きと切片から、混合比が0.0乃至1.0である範囲を特定する。繰り返し判定部604は、混合比が0.0乃至1.0である範囲を示す情報を処理タップ抽出部601およびマトリックス演算部602に供給する。
【0407】
ステップS668において、処理タップ抽出部601は、最小自乗法に用いるサンプルを決定する。すなわち、処理タップ抽出部601は、混合比αが0.0乃至1.0である範囲の注目フレームの処理タップと、注目フレームの処理タップに対応する位置の背景画素値の処理タップとを抽出することにより、最小自乗法に用いるサンプルを決定する。処理タップ抽出部601は、抽出した処理タップを最小自乗法演算部603に供給する。このようにすることで、混合領域の端部のサンプルが除かれることになる。
【0408】
処理タップ抽出部601は、混合比αが0.0乃至1.0である範囲の、抽出した処理タップをマトリックス演算部602に供給する。
【0409】
ステップS669において、マトリックス演算部602は、サンプルに基づき、正規方程式を生成する。すなわち、マトリックス演算部602は、繰り返し判定部604から供給された、混合比が0.0乃至1.0である範囲を示す情報を基に、混合比が0.0乃至1.0である範囲のサンプルに基づいた、正規方程式を生成する。
【0410】
マトリックス演算部602は、生成した方程式、および処理タップ抽出部601から供給された処理タップを最小自乗法演算部603に供給する。
【0411】
ステップS670において、最小自乗法演算部603は、ステップS668の処理で抽出された処理タップである、入力画像の画素の画素値と、正規方程式を解いて算出された前景画素値を、正規方程式に足し込む。
【0412】
ステップS671において、最小自乗法演算部603は、正規方程式を解いて、混合比の傾きと切片および前景画素値を求める。
【0413】
ステップS672において、最小自乗法演算部603は、ステップS634の処理で算出された混合比の傾きと切片から、注目画素に対する混合比αを算出して、ステップS666に戻り、上述した処理を繰り返す。
【0414】
ステップS673の処理は、図52のステップS640の処理と同様なので、その説明は省略する。
【0415】
このように、混合比前景画素値算出部104は、画素について、より正確に、混合比を算出することができる。また、混合比前景画素値算出部104は、画素について、より正確に前景画素値を算出することができる。
【0416】
それぞれ時間積分効果を有する複数の画素に光信号が射影されることにより取得された画像データの注目フレームにおける、前景オブジェクト成分と背景オブジェクト成分とが混合される混合領域を検出し、検出された混合領域内の画素の画素値は、注目フレームに対して時間的に前または後のフレームの対応する第1の対応画素の画素値に等しい前景オブジェクト成分と、注目フレームに対して時間的に後または前のフレームの対応する第2の対応画素の画素値に等しい背景オブジェクト成分とが、所定の混合比で混合された値であるとする方程式を生成し、生成された方程式に、第1の対応画素の画素値および第2の対応画素の画素値を代入して、第1の対応画素の画素値および第2の対応画素の画素値が代入された方程式を解くことにより、混合比と前景オブジェクト成分とを統計的に求めるようにした場合、混合比を求めることができる。
【0417】
また、それぞれ時間積分効果を有する複数の画素に光信号が射影されることにより取得された画像データの注目フレームにおける、前景オブジェクト成分と背景オブジェクト成分とが混合される混合領域を検出し、検出された混合領域内の画素の画素値は、注目フレームに対して時間的に前または後のフレームの対応する第1の対応画素の画素値に等しい前景オブジェクト成分と、注目フレームに対して時間的に後または前のフレームの対応する第2の対応画素の画素値に等しい背景オブジェクト成分とが、所定の混合比で混合された値であるとする方程式を生成し、生成された方程式に、第1の対応画素の画素値および第2の対応画素の画素値を代入して、第1の対応画素の画素値および第2の対応画素の画素値が代入された方程式を解くことにより、混合比と前景オブジェクト成分とを統計的に求めて、さらに、方程式を解くことにより求められた前景オブジェクト成分を方程式に代入して、求められた前景オブジェクト成分が代入された方程式を解くことにより、混合比と前景オブジェクト成分とを繰り返し求めるようにした場合、より正確に混合比を算出することができる。
【0418】
次に、前景成分画像からの動きボケの量の調整について説明する。
【0419】
図54は、動きボケ調整部106の構成の一例を示すブロック図である。動き検出部102から供給された動きベクトルとその位置情報、および領域特定部103から供給された領域情報は、処理単位決定部801およびモデル化部802に供給される。前景成分算出部105から供給された前景成分画像は、足し込み部804に供給される。
【0420】
処理単位決定部801は、動きベクトルとその位置情報、および領域情報を基に、動きベクトルと共に、生成した処理単位をモデル化部802に供給する。処理単位決定部801は、生成した処理単位を足し込み部804に供給する。
【0421】
図55中のAで示す、処理単位決定部801が生成する処理単位は、図55に例を示すように、前景成分画像のカバードバックグラウンド領域に対応する画素から始まり、アンカバードバックグラウンド領域に対応する画素までの動き方向に並ぶ連続する画素、またはアンカバードバックグラウンド領域に対応する画素から始まり、カバードバックグラウンド領域に対応する画素までの動き方向に並ぶ連続する画素を示す。処理単位は、例えば、左上点(処理単位で指定される画素であって、画像上で最も左または最も上に位置する画素の位置)および右下点の2つのデータから成る。
【0422】
モデル化部802は、動きベクトルおよび入力された処理単位を基に、モデル化を実行する。より具体的には、例えば、モデル化部802は、処理単位に含まれる画素の数、画素値の時間方向の仮想分割数、および画素毎の前景の成分の数に対応する複数のモデルを予め記憶しておき、処理単位、および画素値の時間方向の仮想分割数を基に、図56に示すような、画素値と前景の成分との対応を指定するモデルを選択するようにしても良い。
【0423】
例えば、処理単位に対応する画素の数が12でありシャッタ時間内の動き量vが5であるときにおいては、モデル化部802は、仮想分割数を5とし、最も左に位置する画素が1つの前景の成分を含み、左から2番目の画素が2つの前景の成分を含み、左から3番目の画素が3つの前景の成分を含み、左から4番目の画素が4つの前景の成分を含み、左から5番目の画素が5つの前景の成分を含み、左から6番目の画素が5つの前景の成分を含み、左から7番目の画素が5つの前景の成分を含み、左から8番目の画素が5つの前景の成分を含み、左から9番目の画素が4つの前景の成分を含み、左から10番目の画素が3つの前景の成分を含み、左から11番目の画素が2つの前景の成分を含み、左から12番目の画素が1つの前景の成分を含み、全体として8つの前景の成分から成るモデルを選択する。
【0424】
なお、モデル化部802は、予め記憶してあるモデルから選択するのではなく、動きベクトル、および処理単位が供給されたとき、動きベクトル、および処理単位を基に、モデルを生成するようにしてもよい。
【0425】
モデル化部802は、選択したモデルを方程式生成部803に供給する。
【0426】
方程式生成部803は、モデル化部802から供給されたモデルを基に、方程式を生成する。図56に示す前景成分画像のモデルを参照して、前景の成分の数が8であり、処理単位に対応する画素の数が12であり、動き量vが5であり、仮想分割数が5であるときの、方程式生成部803が生成する方程式について説明する。
【0427】
前景成分画像に含まれるシャッタ時間/vに対応する前景成分がF01/v乃至F08/vであるとき、F01/v乃至F08/vと画素値C01乃至C12との関係は、式(21)乃至式(32)で表される。
【0428】
C01=F01/v (21)
C02=F02/v+F01/v (22)
C03=F03/v+F02/v+F01/v (23)
C04=F04/v+F03/v+F02/v+F01/v (24)
C05=F05/v+F04/v+F03/v+F02/v+F01/v (25)
C06=F06/v+F05/v+F04/v+F03/v+F02/v (26)
C07=F07/v+F06/v+F05/v+F04/v+F03/v (27)
C08=F08/v+F07/v+F06/v+F05/v+F04/v (28)
C09=F08/v+F07/v+F06/v+F05/v (29)
C10=F08/v+F07/v+F06/v (30)
C11=F08/v+F07/v (31)
C12=F08/v (32)
【0429】
方程式生成部803は、生成した方程式を変形して方程式を生成する。方程式生成部803が生成する方程式を、式(33)乃至式(44)に示す。
【0430】
Figure 0004304578
【0431】
式(33)乃至式(44)は、式(45)として表すこともできる。
【0432】
【数12】
Figure 0004304578
式(45)において、jは、画素の位置を示す。この例において、jは、1乃至12のいずれか1つの値を有する。また、iは、前景値の位置を示す。この例において、iは、1乃至8のいずれか1つの値を有する。aijは、iおよびjの値に対応して、0または1の値を有する。
【0433】
誤差を考慮して表現すると、式(45)は、式(46)のように表すことができる。
【0434】
【数13】
Figure 0004304578
式(46)において、ejは、注目画素Cjに含まれる誤差である。
【0435】
式(46)は、式(47)に書き換えることができる。
【0436】
【数14】
Figure 0004304578
【0437】
ここで、最小自乗法を適用するため、誤差の自乗和Eを式(48)に示すように定義する。
【0438】
【数15】
Figure 0004304578
【0439】
誤差が最小になるためには、誤差の自乗和Eに対する、変数Fkによる偏微分の値が0になればよい。式(49)を満たすようにFkを求める。
【0440】
【数16】
Figure 0004304578
【0441】
式(49)において、動き量vは固定値であるから、式(50)を導くことができる。
【0442】
【数17】
Figure 0004304578
【0443】
式(50)を展開して、移項すると、式(51)を得る。
【0444】
【数18】
Figure 0004304578
【0445】
式(51)のkに1乃至8の整数のいずれか1つを代入して得られる8つの式に展開する。得られた8つの式を、行列により1つの式により表すことができる。この式を正規方程式と呼ぶ。
【0446】
このような最小自乗法に基づく、方程式生成部803が生成する正規方程式の例を式(52)に示す。
【0447】
【数19】
Figure 0004304578
【0448】
式(52)をA・F=v・Cと表すと、C,A,vが既知であり、Fは未知である。また、A,vは、モデル化の時点で既知だが、Cは、足し込み動作において画素値を入力することで既知となる。
【0449】
最小自乗法に基づく正規方程式により前景成分を算出することにより、画素Cに含まれている誤差を分散させることができる。
【0450】
方程式生成部803は、このように生成された正規方程式を足し込み部804に供給する。
【0451】
足し込み部804は、処理単位決定部801から供給された処理単位を基に、前景成分画像に含まれる画素値Cを、方程式生成部803から供給された行列の式に設定する。足し込み部804は、画素値Cを設定した行列を演算部805に供給する。
【0452】
演算部805は、掃き出し法(Gauss-Jordanの消去法)などの解法に基づく処理により、動きボケが除去された前景成分Fi/vを算出して、動きボケが除去された前景の画素値である、0乃至8の整数のいずれかのiに対応するFiを算出して、図57に例を示す、動きボケが除去された画素値であるFiから成る、動きボケが除去された前景成分画像を動きボケ付加部806および選択部807に出力する。
【0453】
なお、図57に示す動きボケが除去された前景成分画像において、C03乃至C10のそれぞれにF01乃至F08のそれぞれが設定されているのは、画面に対する前景成分画像の位置を変化させないためであり、任意の位置に対応させることができる。
【0454】
動きボケ付加部806は、動き量vとは異なる値の動きボケ調整量v'、例えば、動き量vの半分の値の動きボケ調整量v'や、動き量vと無関係の値の動きボケ調整量v'を与えることで、動きボケの量を調整することができる。例えば、図58に示すように、動きボケ付加部806は、動きボケが除去された前景の画素値Fiを動きボケ調整量v'で除すことにより、前景成分Fi/v'を算出して、前景成分Fi/v'の和を算出して、動きボケの量が調整された画素値を生成する。例えば、動きボケ調整量v'が3のとき、画素値C02は、(F01)/v'とされ、画素値C03は、(F01+F02)/v'とされ、画素値C04は、(F01+F02+F03)/v'とされ、画素値C05は、(F02+F03+F04)/v'とされる。
【0455】
動きボケ付加部806は、動きボケの量を調整した前景成分画像を選択部807に供給する。
【0456】
選択部807は、例えば使用者の選択に対応した選択信号を基に、演算部805から供給された動きボケが除去された前景成分画像、および動きボケ付加部806から供給された動きボケの量が調整された前景成分画像のいずれか一方を選択して、選択した前景成分画像を出力する。
【0457】
このように、動きボケ調整部106は、選択信号および動きボケ調整量v'を基に、動きボケの量を調整することができる。
【0458】
また、例えば、図59に示すように、処理単位に対応する画素の数が8であり、動き量vが4であるとき、動きボケ調整部106は、式(53)に示す行列の式を生成する。
【0459】
【数20】
Figure 0004304578
【0460】
動きボケ調整部106は、このように処理単位の長さに対応した数の式を立てて、動きボケの量が調整された画素値であるFiを算出する。同様に、例えば、処理単位に含まれる画素の数が100あるとき、100個の画素に対応する式を生成して、Fiを算出する。
【0461】
図60は、動きボケ調整部106の他の構成を示す図である。図54に示す場合と同様の部分には同一の番号を付してあり、その説明は省略する。
【0462】
選択部821は、選択信号を基に、入力された動きベクトルとその位置信号をそのまま処理単位決定部801およびモデル化部802に供給するか、または動きベクトルの大きさを動きボケ調整量v'に置き換えて、その大きさが動きボケ調整量v'に置き換えられた動きベクトルとその位置信号を処理単位決定部801およびモデル化部802に供給する。
【0463】
このようにすることで、図60の動きボケ調整部106の処理単位決定部801乃至演算部805は、動き量vと動きボケ調整量v'との値に対応して、動きボケの量を調整することができる。例えば、動き量vが5であり、動きボケ調整量v'が3であるとき、図60の動きボケ調整部106の処理単位決定部801乃至演算部805は、図56に示す動き量vが5である前景成分画像に対して、3である動きボケ調整量v'対応する図58に示すようなモデルに従って、演算を実行し、(動き量v)/(動きボケ調整量v')=5/3、すなわちほぼ1.7の動き量vに応じた動きボケを含む画像を算出する。なお、この場合、算出される画像は、3である動き量vに対応した動きボケを含むのではないので、動きボケ付加部806の結果とは動き量vと動きボケ調整量v'の関係の意味合いが異なる点に注意が必要である。
【0464】
以上のように、動きボケ調整部106は、動き量vおよび処理単位に対応して、式を生成し、生成した式に前景成分画像の画素値を設定して、動きボケの量が調整された前景成分画像を算出する。
【0465】
次に、図61のフローチャートを参照して、動きボケ調整部106による前景成分画像に含まれる動きボケの量の調整の処理を説明する。
【0466】
ステップS801において、動きボケ調整部106の処理単位決定部801は、動きベクトルおよび領域情報を基に、処理単位を生成し、生成した処理単位をモデル化部802に供給する。
【0467】
ステップS802において、動きボケ調整部106のモデル化部802は、動き量vおよび処理単位に対応して、モデルの選択や生成を行う。ステップS803において、方程式生成部803は、選択されたモデルを基に、正規方程式を作成する。
【0468】
ステップS804において、足し込み部804は、作成された正規方程式に前景成分画像の画素値を設定する。ステップS805において、足し込み部804は、処理単位に対応する全ての画素の画素値の設定を行ったか否かを判定し、処理単位に対応する全ての画素の画素値の設定を行っていないと判定された場合、ステップS804に戻り、正規方程式への画素値の設定の処理を繰り返す。
【0469】
ステップS805において、処理単位の全ての画素の画素値の設定を行ったと判定された場合、ステップS806に進み、演算部805は、足し込み部804から供給された画素値が設定された正規方程式を基に、動きボケの量を調整した前景の画素値を算出して、処理は終了する。
【0470】
このように、動きボケ調整部106は、動きベクトルおよび領域情報を基に、動きボケを含む前景画像から動きボケの量を調整することができる。
【0471】
すなわち、サンプルデータである画素値に含まれる動きボケの量を調整することができる。
【0472】
以上のように、図2に構成を示す画像処理装置は、入力画像に含まれる動きボケの量を調整することができる。図2に構成を示す画像処理装置は、埋もれた情報である混合比αを算出して、算出した混合比αを出力することができる。
【0473】
図62は、動きボケ調整部106の構成の他の一例を示すブロック図である。動き検出部102から供給された動きベクトルとその位置情報は、処理単位決定部901および補正部905に供給され、領域特定部103から供給された領域情報は、処理単位決定部901に供給される。前景成分算出部105から供給された前景成分画像は、演算部904に供給される。
【0474】
処理単位決定部901は、動きベクトルとその位置情報、および領域情報を基に、動きベクトルと共に、生成した処理単位をモデル化部902に供給する。
【0475】
モデル化部902は、動きベクトルおよび入力された処理単位を基に、モデル化を実行する。
【0476】
方程式生成部903は、モデル化部902から供給されたモデルを基に、方程式を生成する。
【0477】
図63乃至図65に示す前景成分画像のモデルを参照して、前景の成分の数が8であり、処理単位に対応する画素の数が12であり、動き量vが5であるときの、方程式生成部903が生成する方程式の例について説明する。
【0478】
前景成分画像に含まれるシャッタ時間/vに対応する前景成分がF01/v乃至F08/vであるとき、F01/v乃至F08/vと画素値C01乃至C12との関係は、上述したように、式(21)乃至式(32)で表される。
【0479】
画素値C12およびC11に注目すると、画素値C12は、式(54)に示すように、前景の成分F08/vのみを含み、画素値C11は、前景の成分F08/vおよび前景の成分F07/vの積和から成る。従って、前景の成分F07/vは、式(55)で求めることができる。
【0480】
F08/v=C12 (54)
F07/v=C11-C12 (55)
【0481】
同様に、画素値C10乃至C01に含まれる前景の成分を考慮すると、前景の成分F06/v乃至F01/vは、式(56)乃至式(61)により求めることができる。
【0482】
F06/v=C10-C11 (56)
F05/v=C09-C10 (57)
F04/v=C08-C09 (58)
F03/v=C07-C08+C12 (59)
F02/v=C06-C07+C11-C12 (60)
F01/v=C05-C06+C10-C11 (61)
【0483】
方程式生成部903は、式(54)乃至式(61)に例を示す、画素値の差により前景の成分を算出するための方程式を生成する。方程式生成部903は、生成した方程式を演算部904に供給する。
【0484】
演算部904は、方程式生成部903から供給された方程式に前景成分画像の画素値を設定して、画素値を設定した方程式を基に、前景の成分を算出する。演算部904は、例えば、式(54)乃至式(61)が方程式生成部903から供給されたとき、式(54)乃至式(61)に画素値C05乃至C12を設定する。
【0485】
演算部904は、画素値が設定された式に基づき、前景の成分を算出する。例えば、演算部904は、画素値C05乃至C12が設定された式(54)乃至式(61)に基づく演算により、図64に示すように、前景の成分F01/v乃至F08/vを算出する。演算部904は、前景の成分F01/v乃至F08/vを補正部905に供給する。
【0486】
補正部905は、演算部904から供給された前景の成分に、処理単位決定部901から供給された動きベクトルに含まれる動き量vを乗じて、動きボケを除去した前景の画素値を算出する。例えば、補正部905は、演算部904から供給された前景の成分F01/v乃至F08/vが供給されたとき、前景の成分F01/v乃至F08/vのそれぞれに、5である動き量vを乗じることにより、図65に示すように、動きボケを除去した前景の画素値F01乃至F08を算出する。
【0487】
補正部905は、以上のように算出された、動きボケを除去した前景の画素値から成る前景成分画像を動きボケ付加部906および選択部907に供給する。
【0488】
動きボケ付加部906は、動き量vとは異なる値の動きボケ調整量v'、例えば、動き量vの半分の値の動きボケ調整量v'、動き量vと無関係の値の動きボケ調整量v'で、動きボケの量を調整することができる。例えば、図58に示すように、動きボケ付加部906は、動きボケが除去された前景の画素値Fiを動きボケ調整量v'で除すことにより、前景成分Fi/v'を算出して、前景成分Fi/v'の和を算出して、動きボケの量が調整された画素値を生成する。例えば、動きボケ調整量v'が3のとき、画素値C02は、(F01)/v'とされ、画素値C03は、(F01+F02)/v'とされ、画素値C04は、(F01+F02+F03)/v'とされ、画素値C05は、(F02+F03+F04)/v'とされる。
【0489】
動きボケ付加部906は、動きボケの量を調整した前景成分画像を選択部907に供給する。
【0490】
選択部907は、例えば使用者の選択に対応した選択信号を基に、補正部905から供給された動きボケが除去された前景成分画像、および動きボケ付加部906から供給された動きボケの量が調整された前景成分画像のいずれか一方を選択して、選択した前景成分画像を出力する。
【0491】
このように、動きボケ調整部106は、選択信号および動きボケ調整量v'を基に、動きボケの量を調整することができる。
【0492】
次に、図62に構成を示す動きボケ調整部106による前景の動きボケの量の調整の処理を図66のフローチャートを参照して説明する。
【0493】
ステップS901において、動きボケ調整部106の処理単位決定部901は、動きベクトルおよび領域情報を基に、処理単位を生成し、生成した処理単位をモデル化部902および補正部905に供給する。
【0494】
ステップS902において、動きボケ調整部106のモデル化部902は、動き量vおよび処理単位に対応して、モデルの選択や生成を行う。ステップS903において、方程式生成部903は、選択または生成されたモデルを基に、前景成分画像の画素値の差により前景の成分を算出するための方程式を生成する。
【0495】
ステップS904において、演算部904は、作成された方程式に前景成分画像の画素値を設定し、画素値が設定された方程式を基に、画素値の差分から前景の成分を抽出する。ステップS905において、演算部904は、処理単位に対応する全ての前景の成分を抽出したか否かを判定し、処理単位に対応する全ての前景の成分を抽出していないと判定された場合、ステップS904に戻り、前景の成分を抽出の処理を繰り返す。
【0496】
ステップS905において、処理単位に対応する全ての前景の成分を抽出したと判定された場合、ステップS906に進み、補正部905は、動き量vを基に、演算部904から供給された前景の成分F01/v乃至F08/vのそれぞれを補正して、動きボケを除去した前景の画素値F01乃至F08を算出する。
【0497】
ステップS907において、動きボケ付加部906は、動きボケの量を調整した前景の画素値を算出して、選択部907は、動きボケが除去された画像または動きボケの量が調整された画像のいずれかを選択して、選択した画像を出力して、処理は終了する。
【0498】
このように、図62に構成を示す動きボケ調整部106は、より簡単な演算で、より迅速に、動きボケを含む前景画像から動きボケを調整することができる。
【0499】
ウィナー・フィルタなど従来の動きボケを部分的に除去する手法が、理想状態では効果が認められるが、量子化され、ノイズを含んだ実際の画像に対して十分な効果が得られないのに対し、図62に構成を示す動きボケ調整部106においても、量子化され、ノイズを含んだ実際の画像に対しても十分な効果が認められ、精度の良い動きボケの除去が可能となる。
【0500】
図67は、画像処理装置の機能の他の構成を示すブロック図である。
【0501】
図2に示す部分と同様の部分には同一の番号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0502】
領域特定部103は、領域情報を混合比前景画素値算出部104、前景成分算出部105、および合成部1001に供給する。
【0503】
混合比前景画素値算出部104は、混合比αおよび前景画素値を前景成分算出部105に供給する。
【0504】
前景成分算出部105は、前景成分画像を合成部1001に供給する。
【0505】
合成部1001は、混合比前景画素値算出部104から供給された混合比α、領域特定部103から供給された領域情報を基に、任意の背景画像と、前景成分算出部105から供給された前景成分画像とを合成して、任意の背景画像と前景成分画像とが合成された合成画像を出力する。
【0506】
図68は、合成部1001の構成を示す図である。背景成分生成部1021は、混合比αおよび任意の背景画像を基に、背景成分画像を生成して、混合領域画像合成部1022に供給する。
【0507】
混合領域画像合成部1022は、背景成分生成部1021から供給された背景成分画像と前景成分画像とを合成することにより、混合領域合成画像を生成して、生成した混合領域合成画像を画像合成部1023に供給する。
【0508】
画像合成部1023は、領域情報を基に、前景成分画像、混合領域画像合成部1022から供給された混合領域合成画像、および任意の背景画像を合成して、合成画像を生成して出力する。
【0509】
このように、合成部1001は、前景成分画像を、任意の背景画像に合成することができる。
【0510】
特徴量である混合比αを基に前景成分画像を任意の背景画像と合成して得られた画像は、単に画素を合成した画像に比較し、より自然なものと成る。
【0511】
なお、混合比αは、画素値に含まれる背景の成分の割合として説明したが、画素値に含まれる前景の成分の割合としてもよい。
【0512】
また、前景となるオブジェクトの動きの方向は左から右として説明したが、その方向に限定されないことは勿論である。
【0513】
以上においては、3次元空間と時間軸情報を有する現実空間の画像をビデオカメラを用いて2次元空間と時間軸情報を有する時空間への射影を行った場合を例としたが、本発明は、この例に限らず、より多くの第1の次元の第1の情報を、より少ない第2の次元の第2の情報に射影した場合に、その射影によって発生する歪みを補正したり、有意情報を抽出したり、またはより自然に画像を合成する場合に適応することが可能である。
【0514】
なお、センサは、CCDに限らす、固体撮像素子である、例えば、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)、BBD(Bucket Brigade Device)、CID(Charge Injection Device)、またはCPD(Charge Priming Device)などのセンサでもよく、また、検出素子がマトリックス状に配置されているセンサに限らず、検出素子が1列に並んでいるセンサでもよい。
【0515】
本発明の信号処理を行うプログラムを記録した記録媒体は、図1に示すように、コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク51(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク52(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク53(MD(Mini-Disc)(商標)を含む)、もしくは半導体メモリ54などよりなるパッケージメディアにより構成されるだけでなく、コンピュータに予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM22や、記憶部28に含まれるハードディスクなどで構成される。
【0516】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0517】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、混合比を検出することができる。
【0518】
また、本発明によれば、より正確に混合比を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】画像処理装置を示すブロック図である。
【図3】センサによる撮像を説明する図である。
【図4】画素の配置を説明する図である。
【図5】検出素子の動作を説明する図である。
【図6】動いている前景に対応するオブジェクトと、静止している背景に対応するオブジェクトとを撮像して得られる画像を説明する図である。
【図7】背景領域、前景領域、混合領域、カバードバックグラウンド領域、およびアンカバードバックグラウンド領域を説明する図である。
【図8】静止している前景に対応するオブジェクトおよび静止している背景に対応するオブジェクトを撮像した画像における、隣接して1列に並んでいる画素の画素値を時間方向に展開したモデル図である。
【図9】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図10】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図11】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図12】前景領域、背景領域、および混合領域の画素を抽出した例を示す図である。
【図13】画素と画素値を時間方向に展開したモデルとの対応を示す図である。
【図14】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図15】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図16】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図17】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図18】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図19】動きボケの量の調整の処理を説明するフローチャートである。
【図20】領域特定部103の構成を示すブロック図である。
【図21】前景に対応するオブジェクトが移動しているときの画像を説明する図である。
【図22】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図23】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図24】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図25】領域判定の条件を説明する図である。
【図26】領域特定部103の領域の特定の結果の例を示す図である。
【図27】領域特定部103の領域の特定の結果の例を示す図である。
【図28】領域特定の処理を説明するフローチャートである。
【図29】領域特定部103の他の構成を示すブロック図である。
【図30】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図31】背景画像の例を示す図である。
【図32】2値オブジェクト画像抽出部302の構成を示すブロック図である。
【図33】相関値の算出を説明する図である。
【図34】相関値の算出を説明する図である。
【図35】2値オブジェクト画像の例を示す図である。
【図36】時間変化検出部303の構成を示すブロック図である。
【図37】領域判定部342の判定を説明する図である。
【図38】時間変化検出部303の判定の例を示す図である。
【図39】領域判定部103の領域特定の処理を説明するフローチャートである。
【図40】領域判定の処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図41】領域特定部103のさらに他の構成を示すブロック図である。
【図42】ロバスト化部361の構成を説明するブロック図である。
【図43】動き補償部381の動き補償を説明する図である。
【図44】動き補償部381の動き補償を説明する図である。
【図45】領域特定の処理を説明するフローチャートである。
【図46】ロバスト化の処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図47】混合比前景画素値算出部104の構成を示すブロック図である。
【図48】3つのフレームの、隣接して1列に並んでいる画素であって、フレーム上で同一の位置の画素の画素値を時間方向に展開したモデル図である。
【図49】誤差の発生を説明する図である。
【図50】処理タップの領域の例を説明する図である。
【図51】混合比αおよび前景画素値の算出の処理を説明するフローチャートである。
【図52】混合比αおよび前景画素値の算出の処理を説明するフローチャートである。
【図53】混合比αおよび前景画素値の算出の処理を説明するフローチャートである。
【図54】動きボケ調整部106の構成の一例を示すブロック図である。
【図55】処理単位を説明する図である。
【図56】前景成分画像の画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図57】前景成分画像の画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図58】前景成分画像の画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図59】前景成分画像の画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図60】動きボケ調整部106の他の構成を示す図である。
【図61】動きボケ調整部106による前景成分画像に含まれる動きボケの量の調整の処理を説明するフローチャートである。
【図62】動きボケ調整部106の他の構成を示すブロック図である。
【図63】画素値と前景の成分のとの対応を指定するモデルの例を示す図である。
【図64】前景の成分の算出を説明する図である。
【図65】前景の成分の算出を説明する図である。
【図66】前景の動きボケの除去の処理を説明するフローチャートである。
【図67】画像処理装置の機能の他の構成を示すブロック図である。
【図68】合成部1001の構成を示す図である。
【符号の説明】
21 CPU, 22 ROM, 23 RAM, 26 入力部, 27 出力部,28 記憶部, 29 通信部, 51 磁気ディスク, 52 光ディスク, 53 光磁気ディスク, 54 半導体メモリ, 101 オブジェクト抽出部, 102 動き検出部, 103 領域特定部, 104 混合比前景画素値算出部, 105 前景成分算出部, 106 動きボケ調整部, 107選択部, 201 フレームメモリ, 202−1乃至202−4 静動判定部, 203−1乃至203−3 領域判定部, 204 判定フラグ格納フレームメモリ, 205 合成部, 206 判定フラグ格納フレームメモリ, 301 背景画像生成部, 302 2値オブジェクト画像抽出部, 303 時間変化検出部, 321 相関値演算部, 322 しきい値処理部, 341 フレームメモリ, 342 領域判定部, 361 ロバスト化部, 381 動き補償部, 382 スイッチ, 383−1乃至383−N フレームメモリ、 384−1乃至384−N 重み付け部, 385 積算部, 601 処理タップ抽出部, 602 マトリックス演算部, 603 最小自乗法演算部, 604 繰り返し判定部, 801 処理単位決定部, 802 モデル化部, 803 方程式生成部, 804 足し込み部, 805 演算部, 806 動きボケ付加部, 807 選択部, 821 選択部, 901処理単位決定部, 902 モデル化部, 903 方程式生成部, 904演算部, 905 補正部, 906 動きボケ付加部, 907 選択部,1001 合成部, 1021 背景成分生成部, 1022 混合領域画像合成部, 1023 画像合成部

Claims (6)

  1. それぞれ時間積分効果を有する複数の画素に光信号が射影されることにより取得された画像データの注目フレームにおける、前景オブジェクト成分と背景オブジェクト成分とが混合される混合領域を検出する領域特定手段と、
    前記領域特定手段により検出された前記混合領域内の画素の画素値は、前記注目フレームに対して時間的に前または後のフレームの対応する第1の対応画素の画素値に等しい前景オブジェクト成分と、前記注目フレームに対して時間的に後または前のフレームの対応する第2の対応画素の画素値に等しい背景オブジェクト成分とが、所定の混合比で混合された値であるとする方程式を生成する方程式生成手段と、
    前記方程式生成手段により生成された前記方程式の前記前景オブジェクト成分に対応する変数の一部に前記第1の対応画素の画素値を代入し、前記方程式の前記背景オブジェクト成分に対応する変数に前記第2の対応画素の画素値を代入して、前記第1の対応画素の画素値および前記第2の対応画素の画素値が代入されることにより生成された正規方程式を解くことにより、前記混合比と前記第1の対応画素の画素値が代入されていない前記前景オブジェクト成分に対応する変数の他部とを求める演算手段と
    を備え、
    さらに、前記演算手段は、前記正規方程式を解くことにより求められた前記前景オブジェクト成分に対応する変数の他部の値を前記方程式の前記前景オブジェクト成分に対応する変数の一部に代入することにより生成された正規方程式を解くことにより、前記混合比と前記前景オブジェクト成分に対応する変数の他部とを繰り返し求める
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記方程式生成手段は、
    前記混合比が前記画像データの空間方向に対して線形に変化するとして、前記方程式を生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記方程式生成手段は、
    前記前景オブジェクト成分の動き方向に対応する前記混合領域の端部のサンプルを除いて、前記方程式を生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. それぞれ時間積分効果を有する複数の画素に光信号が射影されることにより取得された画像データの注目フレームにおける、前景オブジェクト成分と背景オブジェクト成分とが混合される混合領域を検出する領域特定ステップと、
    前記領域特定ステップにおいて検出された前記混合領域内の画素の画素値は、前記注目フレームに対して時間的に前または後のフレームの対応する第1の対応画素の画素値に等しい前景オブジェクト成分と、前記注目フレームに対して時間的に後または前のフレームの対応する第2の対応画素の画素値に等しい背景オブジェクト成分とが、所定の混合比で混合された値であるとする方程式を生成する
    方程式生成ステップと、
    前記方程式生成ステップにおいて生成された前記方程式の前記前景オブジェクト成分に対応する変数の一部に前記第1の対応画素の画素値を代入し、前記方程式の前記背景オブジェクト成分に対応する変数に前記第2の対応画素の画素値を代入して、前記第1の対応画素の画素値および前記第2の対応画素の画素値が代入されることにより生成された正規方程式を解くことにより、前記混合比と前記第1の対応画素の画素値が代入されていない前記前景オブジェクト成分に対応する変数の他部とを求める演算ステップと
    を含み、
    さらに、前記演算ステップにおいては、前記正規方程式を解くことにより求められた前記前景オブジェクト成分に対応する変数の他部の値が前記方程式の前記前景オブジェクト成分に対応する変数の一部に代入されることにより生成された正規方程式が解かれることにより、前記混合比と前記前景オブジェクト成分に対応する変数の他部とが繰り返し求められる
    ことを特徴とする画像処理方法。
  5. それぞれ時間積分効果を有する複数の画素に光信号が射影されることにより取得された画像データの注目フレームにおける、前景オブジェクト成分と背景オブジェクト成分とが混合される混合領域を検出する領域特定ステップと、
    前記領域特定ステップにおいて検出された前記混合領域内の画素の画素値は、前記注目フレームに対して時間的に前または後のフレームの対応する第1の対応画素の画素値に等しい前景オブジェクト成分と、前記注目フレームに対して時間的に後または前のフレームの対応する第2の対応画素の画素値に等しい背景オブジェクト成分とが、所定の混合比で混合された値であるとする方程式を生成する方程式生成ステップと、
    前記方程式生成ステップにおいて生成された前記方程式の前記前景オブジェクト成分に対応する変数の一部に前記第1の対応画素の画素値を代入し、前記方程式の前記背景オブジェクト成分に対応する変数に前記第2の対応画素の画素値を代入して、前記第1の対応画素の画素値および前記第2の対応画素の画素値が代入されることにより生成された正規方程式を解くことにより、前記混合比と前記第1の対応画素の画素値が代入されていない前記前景オブジェクト成分に対応する変数の他部とを求める演算ステップと
    を含み、
    さらに、前記演算ステップにおいては、前記正規方程式を解くことにより求められた前記前景オブジェクト成分に対応する変数の他部の値が前記方程式の前記前景オブジェクト成分に対応する変数の一部に代入されることにより生成された正規方程式が解かれることにより、前記混合比と前記前景オブジェクト成分に対応する変数の他部とが繰り返し求められる
    ことを特徴とする処理をコンピュータに実行させるプログラムが記録されている記録媒体。
  6. それぞれ時間積分効果を有する複数の画素に光信号が射影されることにより取得された画像データの注目フレームにおける、前景オブジェクト成分と背景オブジェクト成分とが混合される混合領域を検出する領域特定ステップと、
    前記領域特定ステップにおいて検出された前記混合領域内の画素の画素値は、前記注目フレームに対して時間的に前または後のフレームの対応する第1の対応画素の画素値に等しい前景オブジェクト成分と、前記注目フレームに対して時間的に後または前のフレームの対応する第2の対応画素の画素値に等しい背景オブジェクト成分とが、所定の混合比で混合された値であるとする方程式を生成する方程式生成ステップと、
    前記方程式生成ステップにおいて生成された前記方程式の前記前景オブジェクト成分に対応する変数の一部に前記第1の対応画素の画素値を代入し、前記方程式の前記背景オブジェクト成分に対応する変数に前記第2の対応画素の画素値を代入して、前記第1の対応画素の画素値および前記第2の対応画素の画素値が代入されることにより生成された正規方程式を解くことにより、前記混合比と前記第1の対応画素の画素値が代入されていない前記前景オブジェクト成分に対応する変数の他部とを求める演算ステップと
    を含み、
    さらに、前記演算ステップにおいては、前記正規方程式を解くことにより求められた前記前景オブジェクト成分に対応する変数の他部の値が前記方程式の前記前景オブジェクト成分に対応する変数の一部に代入されることにより生成された正規方程式が解かれることにより、前記混合比と前記前景オブジェクト成分に対応する変数の他部とが繰り返し求められる
    ことを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログラム。
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