JP4304483B2 - 分光素子 - Google Patents

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本発明は、基板表面に形成された誘電体多層膜を有しこの誘電体多層膜における一方の端縁から他方の端縁へ向かう波長可変ライン上の入射位置に応じて透過する波長が線形的に変化する透過波長可変フィルタと、縦横方向に亘って複数の画素が配列された2次元マトリックス受光素子とでその主要部が構成される小型で駆動部のない分光素子に係り、特に、測定波長分解能が高められた分光素子の改良に関するものである。
光通信部品製造のためイオンプロセスを応用した成膜技術が2000年ごろから飛躍的に進歩し、狭帯域フィルタの製造方法が確立されて光学薄膜製造メーカから狭帯域フィルタの入手が可能となってきた。透過波長可変フィルタは、狭帯域フィルタにおいて光学薄膜の膜厚が一方向に連続的に厚く(あるいは薄く)なっている構造のフィルタである。
すなわち、透過波長可変フィルタは、基板表面に形成された誘電体多層膜を有しこの誘電体多層膜の膜厚が一方向に連続的に厚く(あるいは薄く)設定されているフィルタで、誘電体多層膜における一方の端縁から他方の端縁へ向かう波長可変ライン上の入射位置に応じて透過する波長が線形的に変化するフィルタ、具体的には図1に示すように上記一方向に透過する波長が長く(あるいは短く)なる機能を有するフィルタである(特許文献1参照)。
この透過波長可変フィルタと1次元アレイ受光素子若しくは2次元マトリックス受光素子とでその主要部が構成される分光素子は小型でかつ駆動部がないことから低価格で信頼性にも優れるため屋外での測定や他の装置に組み込まれる場合が多くなってきており(特許文献2〜4参照)、特に、図2(A)〜(B)に示す透過波長可変フィルタ1と2次元マトリックス受光素子2とでその主要部が構成される分光素子が主流を占めている。
ところで、従来の分光素子においては、透過波長可変フィルタ1の波長可変ラインの方向が図2(A)に示すように2次元マトリックス受光素子2の横方向に配列された画素列に対し平行になるよう配置されているため、その測定波長分解能が2次元マトリックス受光素子2の画素ピッチで決定されてしまう問題があった。
図3(A)はこの問題点を示す説明図である。
すなわち、従来の分光素子は、透過波長可変フィルタ1における波長可変ライン3の方向が図2(A)や図3(A)に示すように2次元マトリックス受光素子2の横方向に配列された画素4列に対し平行になるよう配置され、上記波長可変ライン3と直交する関係にある特定波長の上記2次元マトリックス受光素子2に対する直線状透過領域5も2次元マトリックス受光素子2の縦方向に配列された画素4列に対し平行となっている。
従って、透過波長可変フィルタ1における波長可変ライン3の特定位置を透過する波長λの直線状透過領域5は図3(A)に示すように2次元マトリックス受光素子2の縦方向に配列された真ん中の画素4列上に設定され、同様に、上記波長可変ライン3の特定位置を透過する波長(λ−Δλ)の直線状透過領域5は図3(A)に示すように2次元マトリックス受光素子2の縦方向に配列された左端の画素4列上に設定され、波長可変ライン3の特定位置を透過する波長(λ+Δλ)の直線状透過領域5は図3(A)に示すように2次元マトリックス受光素子2の縦方向に配列された右端の画素4列上に設定され、これにより各波長(λ−Δλ、λ、λ+Δλ)を感知するための受光領域として、2次元マトリックス受光素子2の縦方向に配列された各一列分の画素4列の全てが利用されることになることから、その測定波長分解能が2次元マトリックス受光素子2の画素ピッチで決定される問題があった。
そこで、従来、測定波長分解能を高めるための以下の方法が検討されている。
(1)同一面積の2次元マトリックス受光素子で画素数の多い2次元マトリックス受光素子を用いる方法
しかし、この方法は画素数を増加させた分、処理速度が低下し、かつ、1画素あたりの受光面積が小さくなるため感度も悪くなる別の問題を有していた。
(2)同一面積の透過波長可変フィルタにおける透過波長域(nm)と波長可変ラインの長さ(mm)とで決定される波長可変ライン1mm当たりの透過波長可変量(nm/mm)を緩やか(小さく)にする方法
しかし、この方法で同一面積の2次元マトリックス受光素子を用いたのでは透過波長可変範囲が小さくなってしまう問題があり、かつ、透過波長可変範囲を広げるため大面積の2次元マトリックス受光素子を用いると、コストが高くなるばかりかこの分光素子における小型という利点を生かせなくなる問題があった。
USP3,442,472号公報 USP5,166,755号公報 USP6,630,999号公報 特開平10−111240号公報
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、従来利用していた2次元マトリックス受光素子や透過波長可変フィルタ並びに信号処理技術を変更することなく測定波長分解能が高められた分光素子を提供することにある。
すなわち、請求項1に係る発明は、
基板表面に形成された誘電体多層膜を有しこの誘電体多層膜における一方の端縁から他方の端縁へ向かう波長可変ライン上の入射位置に応じて透過する波長が線形的に変化する透過波長可変フィルタと、縦横方向に亘って複数の画素が配列された2次元マトリックス受光素子とでその主要部が構成される分光素子を前提とし、
上記波長可変ラインと直交する関係にある特定波長の上記2次元マトリックス受光素子に対する直線状透過領域が、縦方向に配列された互いに隣接する一対の画素列における一方画素列の縦方向一端側画素から他方画素列の縦方向他端側画素間までに1画素列分ずれるように、透過波長可変フィルタの波長可変ラインが2次元マトリックス受光素子の横方向に配列された画素列に対し非平行に配置されており、かつ、上記透過波長可変フィルタにおける波長可変ライン上の任意位置を透過する特定波長の透過光強度の半値幅が、2次元マトリックス受光素子の横方向に配列された画素数と上記透過波長可変フィルタの透過波長域(nm)とで決定される1画素当たりの透過波長可変量(nm/画素)より小さいことを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、
請求項記載の発明に係る分光素子を前提とし、
上記2次元マトリックス受光素子が、CCD素子、CMOS素子、複数の受光素子を2次元に並べて配置した集合素子のいずれかであることを特徴とするものである。
請求項1または2記載の発明に係る分光素子によれば、
上記波長可変ラインと直交する関係にある特定波長の上記2次元マトリックス受光素子に対する直線状透過領域が、縦方向に配列された互いに隣接する一対の画素列における一方画素列の縦方向一端側画素から他方画素列の縦方向他端側画素間までに1画素列分ずれるように、上記透過波長可変フィルタの波長可変ラインが2次元マトリックス受光素子の横方向に配列された画素列に対して非平行に配置されており、かつ、上記透過波長可変フィルタにおける波長可変ライン上の任意位置を透過する特定波長の透過光強度の半値幅が、2次元マトリックス受光素子の横方向に配列された画素数と上記透過波長可変フィルタの透過波長域(nm)とで決定される1画素当たりの透過波長可変量(nm/画素)より小さくなっている
従って、測定波長分解能が2次元マトリックス受光素子の画素ピッチで決定されなくなるため、2次元マトリックス受光素子や透過波長可変フィルタ並びに信号処理技術を変更することなく測定波長分解能を改善することが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る分光素子は、図3(B)に示すように波長可変ライン3と直交する関係にある特定波長の2次元マトリックス受光素子2に対する直線状透過領域5が、縦方向に配列された互いに隣接する一対の画素列51,52における一方画素列51の下端側画素から他方画素列52の上端側画素間までに1画素列分ずれるように、透過波長可変フィルタ1の波長可変ライン3が2次元マトリックス受光素子2の横方向に配列された画素列に対して非平行に配置されていることを特徴としている。
そして、この分光素子においては、透過波長可変フィルタ1における波長可変ライン3の特定位置を透過する波長λの直線状透過領域5が、図3(B)に示すように2次元マトリックス受光素子2の縦方向に配列された互いに隣接する一対の画素列52,53における一方画素列52の下端側画素から他方画素列53の上端側画素間までに1画素列分ずれている関係上、画素列52,53の各画素4に対する波長λの入射強度は各画素4と直線状透過領域(透過波長可変フィルタ1の半値幅を有している)5が交わる面積の大小により相違することとなり、この結果、波長λの入射強度が最大となる画素を波長λの測定用画素として特定することが可能となる。
同様に、波長(λ−Δλ)の入射強度も、画素列51,52の各画素4と透過波長可変フィルタ1の半値幅を有した直線状透過領域5が交わる面積の大小により相違するため、波長(λ−Δλ)の入射強度が最大となる画素列51,52中の画素を波長(λ−Δλ)の測定用画素として特定でき、また、波長(λ+Δλ)の入射強度が最大となる画素列53,54中の画素を波長(λ+Δλ)の測定用画素として特定することが可能となる。
他方、波長(λ−Δλ)と波長λとの間にある狭いスペクトル幅の光、および、波長λと波長(λ+Δλ)との間にある狭いスペクトル幅の光についても、画素列51〜54中の上記各波長(λ−Δλ、λ、λ+Δλ)に対応した測定用画素を除いて残るいずれかの画素においてその入射強度が最大となる画素が必ず存在することになるため、上記狭いスペクトル幅の光の測定用画素として特定することができ、従来の分光素子と比較してその測定波長分解能を改善することが可能となる。
尚、上記Δλは、2次元マトリックス受光素子2の横方向に配列された画素数と上記透過波長可変フィルタ1の透過波長域(nm)とで決定される1画素当たりの透過波長可変量(nm/画素)を意味している。
ところで、本発明に係る分光素子においては、上述したように透過波長可変フィルタにおける波長可変ラインの特定位置を透過する波長の直線状透過領域5が、2次元マトリックス受光素子の縦方向に配列された一対の画素列における一方画素列の下端側画素から他方画素列の上端側画素間までに1画素列分ずれて設定されていることから、波長の入射強度が最大となる画素は、図5の画素100と画素101で示すように一対の画素列中で一つに限られ、残りの画素を他の測定用画素として最大限利用することができる。しかし、上記波長の直線状透過領域5'が、一対の画素列における一方画素列の下端側画素から他方画素列の上端側画素間までに2画素列分ずれて設定された場合、波長の入射強度が最大となる画素は、図5の画素102と画素103で示すように一対の画素列中に複数(この例では2つ)繰り返して存在することになるため、残りの画素を他の測定用画素として最大限利用することができなくなる。従って、本発明に係る分光素子においては、波長の直線状透過領域が、縦方向に配列された隣接する一対の画素列における一方画素列の一端側画素から他方画素列の他端側画素間までに1画素列分ずれるように上記透過波長可変フィルタと2次元マトリックス受光素子とを配置することを要する。
次に、透過波長可変フィルタ1については、その波長可変ライン上の任意位置を透過する特定波長の透過光強度の半値幅Bが図4(A)〜(B)に示すように2次元マトリックス受光素子2の1画素4間隔A当たりに対する透過波長可変量Δλ(nm/画素)より小さい透過波長可変フィルタを適用することを要する。透過光強度の半値幅Bが2次元マトリックス受光素子2の透過波長可変量Δλ(nm/画素)より小さいと、画素4中央の透過波長で非常に狭いスペクトル幅の光(線スペクトル)が入射した場合、波長可変ライン方向に近接する両画素の信号強度に影響を及ぼすことがないからである。
例えば、図6(A)に示すようにピーク波長(λ+Δλ/2)でかつ半値幅が透過波長可変量Δλ(nm/画素)より小さい光が本発明に係る分光素子に入射すると、透過波長可変フィルタのピーク波長(λ+Δλ/2)が透過する位置の下側にある2次元マトリックス受光素子2の各画素4から入射光強度に応じて信号が出力される。この場合、画素4への入射光量が最も多い図6(B)の丸印で示した画素の信号出力が最大となり、丸印で示した画素をピーク波長(λ+Δλ/2)の測定用画素として予め特定することで、本発明に係る分光素子にて波長(λ+Δλ/2)の光の有無を検出することが可能となる。
同様に、図7(A)に示すようにピーク波長(λ+Δλ)でかつ半値幅が2Δλ(nm/画素)より小さい光が本発明に係る分光素子に入射すると、透過波長可変フィルタのピーク波長(λ+Δλ)が透過する位置の下側にある2次元マトリックス受光素子2の各画素4から入射光強度に応じて信号が出力される。この場合、画素4への入射光量が最も多い図7(B)の丸印で示した2つの画素の信号出力が最大となり、丸印で示した2つの画素をピーク波長(λ+Δλ)の測定用画素として予め特定することで、本発明に係る分光素子にて波長(λ+Δλ)の光の有無を検出することが可能となる。
従って、従来の2次元マトリックス受光素子や透過波長可変フィルタ並びに信号処理技術を変更することなく測定波長分解能を改善することが可能となる。
尚、本発明に係る分光素子として、図3(B)に透過波長可変フィルタ1の波長可変ライン3が2次元マトリックス受光素子2の横方向に配列された画素列に対し非平行に配置された構造の分光素子が示されているが、透過波長可変フィルタ1の波長可変ライン3が2次元マトリックス受光素子2の縦方向に配列された画素列に対し非平行に配置された構造の分光素子としてもよく任意である。
次に、本発明に係る分光素子をより具体的に説明する。
すなわち、本発明に係る分光素子の効果を確認するため、透過波長可変フィルタと2次元マトリックス受光素子とでその主要部が構成される本発明に係る分光素子と従来例に係る分光素子をそれぞれ製作した。
上記透過波長可変フィルタの透過有効面積は、横方向12.3mm×縦方向1.4mmで、横方向に透過波長が可変し(すなわち、波長可変ライン方向が横方向となる)、その透過波長域が400〜655nmであることから、横方向の透過波長可変量Δλ(nm/mm)は約20.7nm/mm[=(655nm−400nm)/12.3mm]となる。
一方、2次元マトリックス受光素子は、1画素のサイズが横方向約24μm×縦方向約24μmで、横方向512画素×縦方向60画素の2次元CCD素子を用いた。
尚、2次元CCD素子に代えて、複数の受光素子を2次元に並べて配置した集合素子を用いてもあるいはCMOS素子を用いてもよい。
また、上記透過波長可変フィルタ1画素当たりの透過波長可変量Δλ(nm/画素)は0.5nm/画素[=(655nm−400nm)/512画素]となる。
また、上記透過波長可変フィルタについては、その波長可変ライン上の任意位置を透過する特定波長の透過光強度の半値幅が透過波長全域において2次元マトリックス受光素子の1画素間隔当たりに対する透過波長可変量Δλ(nm/画素)=0.5nm/画素よりも小さい0.3nm以下となる膜構成の透過波長可変フィルタを用いた。透過光強度の半値幅0.3nmが1画素間隔当たりに対する透過波長可変量Δλ(nm/画素)=0.5nm/画素よりわずかに小さいので、もし、画素中央の透過波長で非常に狭いスペクトル幅の光が入射した場合、近接する画素の信号強度に影響を及ぼすことはない。
そして、従来例に係る分光素子は、図3(A)に示すように透過波長可変フィルタ1の波長可変ライン3が2次元マトリックス受光素子2の横方向に配列された画素列に対し平行となるよう透過波長可変フィルタ1と2次元マトリックス受光素子2とを配置した。
一方、本発明に係る受光素子は、図8(B)に示すように波長可変ラインと直交する関係にある特定波長の2次元マトリックス受光素子2に対する直線状透過領域5が、縦方向に配列された互いに隣接する一対の画素列52,53における一方画素列53の上端側画素(横方向に配列された画素列の1ライン目)から他方画素列52の下端側画素(横方向に配列された画素列の60ライン目)間までに1画素列分ずれるように、透過波長可変フィルタ1の波長可変ラインが2次元マトリックス受光素子2の横方向に配列された画素列に対し平行とならないように配置した。
尚、このような配置にするため、まず、波長632.991nmのヨウ素安定化He−Neレーザを用いて、上記透過波長可変フィルタ1における波長可変ラインと直交する関係にあるHe−Neレーザの2次元マトリックス受光素子2に対する直線状透過領域5の位置を調べた。
そして、透過波長可変フィルタ1における波長可変ラインと直交する関係にあるHe−Neレーザの2次元マトリックス受光素子(CCD素子)2に対する直線状透過領域5について、2次元マトリックス受光素子(CCD素子)2の上記1ライン目から60ライン目で1画素列分ずれるように配置するため、2次元マトリックス受光素子(CCD素子)2の横方向に配列された画素列と直交する位置から時計方向に約0.95度[CCD素子2の縦方向に60画素、横方向に1画素ずれる条件であるtanθ=24μm/(24μm×60)]だけ斜めにし、かつ、He−Neレーザの2次元マトリックス受光素子2に対する直線状透過領域5が、465番列目[(632.991nm−400nm)÷透過波長可変量Δλ=232.991÷0.5(nm/画素)=465.982画素]の59ライン目(=60ライン目×0.982)の画素と交わるように、He−Neレーザと2次元マトリックス受光素子(CCD素子)2から各画素の信号強度をモニターしながら、透過波長可変フィルタ1と2次元マトリックス受光素子(CCD素子)2を配置しかつ固定した。
このような配置とすることにより、計算上、2次元マトリックス受光素子(CCD素子)2の横方向に1画素づつずれる毎に透過波長可変フィルタ1を透過する透過波長が0.5nmづつ長くなり、かつ、2次元マトリックス受光素子(CCD素子)2の縦方向に1画素づつずれる毎に透過波長可変フィルタ1を透過する透過波長が約0.0083nm(=0.5nm/60ライン)づつ長くなり、各画素の透過波長は400から655nmmまで0.0083nm間隔で連続していることになる。
但し、透過波長可変フィルタの精度(膜厚ムラ)や2次元マトリックス受光素子のノイズを考慮すると、測定対象光がレーザラインのように非常に狭いスペクトル幅の光が入射したときでも1画素のみから信号が発生するとは考え難い。そこで、ピーク近傍と思われる数画素の信号を数回取込み、これら平均化したデータから本当のピークの画素位置を求めることが望ましい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。
実際に製作した本発明に係る受光素子と従来例に係る分光素子を比較評価した。
まず、アルゴンレーザとクリプトンレーザの発振波長を測定した。アルゴンレーザとクリプトンレーザは、マルチモード発振の場合、出力強度の比較的強い発振波長がどちらも数本ある。
以下の表1に本発明に係る受光素子と従来例に係る分光素子の比較評価結果を示す。
2次元マトリックス受光素子からの信号についてはそのSN比を向上させるため、信号は10回取込みその平均値からその信号の中心(ピーク)となる画素位置(最高信号列および最高信号ライン)を求めた。
そして、従来例に係る分光素子ではその最高信号列位置[400nm+(最高信号列×0.5nm)]から各レーザの発振波長を求め、本発明に係る受光素子ではその最高信号画素位置[400nm+(最高信号列×0.5nm)+(最高信号ライン×0.5nm/60ライン)]から各レーザの発振波長を求めた。
尚、「信号列」とは縦方向に配列された画素列の左1列から右512列までの数値を意味し、「ライン」とは横方向に配列された画素列の一番上の1ライン目から一番下の60ライン目までの数値を意味する。
Figure 0004304483
[評 価]
従来例に係る分光素子では、2次元マトリックス受光素子における各列毎の出力信号はどのラインも同じである。これでは、透過波長可変フィルタの波長可変量の0.5nm/画素の波長分解能しかなく正確なピーク波長を求めることができなかった。
例えば、アルゴンレーザの発振波長が457.9nmの場合、表1に示されているように測定波長結果は458.0nm、また、クリプトンレーザの発振波長が568.2nmと530.9nmの場合、測定波長結果はそれぞれ568.0nmと531.0nmである。
他方、本発明に係る分光素子では、従来とまったく同じ構成部品(透過波長可変フィルタ、2次元マトリックス受光素子)を用いているにも拘らず、0.1nm/画素の波長高分解能を実現することが可能になった。
例えば、アルゴンレーザの発振波長が457.9nmの場合、表1に示されているように測定波長結果は457.9nm、また、クリプトンレーザの発振波長が568.2nmと530.9nmの場合、測定波長結果はそれぞれ568.2nmと530.9nmである。
このように本発明に係る分光素子は、多数の非常に狭いスペクトル幅(線スペクトル)の光が入射した場合でも各スペクトルのピーク波長を同時に計測することができることが確認される。
本発明に係る受光素子は、小型でかつ駆動部がないため信頼性に優れ、しかも、波長高分解能な測定が可能となるため、屋外での測定機器や他の装置に組み込まれて利用される産業分野に利用できる。
透過波長可変フィルタにおける波長可変ライン上の入射位置と透過波長との関係を示すグラフ図。 図2(A)は透過波長可変フィルタと2次元マトリックス受光素子とで構成される分光素子の一部切欠平面図、図2(B)は分光素子の概略側面図。 図3(A)は従来例に係る分光素子の透過波長可変フィルタと2次元マトリックス受光素子との配置関係を示す説明図、図3(B)は本発明に係る分光素子の透過波長可変フィルタと2次元マトリックス受光素子との配置関係を示す説明図。 図4(A)は透過波長可変フィルタと2次元マトリックス受光素子とで構成される分光素子の入射光との関係を示す説明図、図4(B)は入射光の透過位置と透過光強度との関係を示すグラフ図。 透過波長可変フィルタにおける波長可変ラインの特定位置を透過する波長の直線状透過領域と2次元マトリックス受光素子の画素列との関係を示す説明図。 図6(A)はピーク波長(λ+Δλ/2)でかつ半値幅が透過波長可変量Δλ(nm/画素)より小さい光が本発明に係る分光素子に入射した場合の作用説明図、図6(B)は上記光が入射された場合の各画素の信号強度分布を示す説明図。 図7(A)はピーク波長(λ+Δλ)でかつ半値幅が透過波長可変量2Δλ(nm/画素)より小さい光が本発明に係る分光素子に入射した場合の作用説明図、図7(B)は上記光が入射された場合の各画素の信号強度分布を示す説明図。 図8(A)は実施例に係る分光素子の2次元マトリックス受光素子における1ライン目の画素列と透過波長可変フィルタにおける波長可変ラインの特定位置を透過する波長の直線状透過領域との関係を示す説明図、図8(B)は実施例に係る分光素子の2次元マトリックス受光素子における縦横方向に配列された各画素列と透過波長可変フィルタにおける波長可変ラインの特定位置を透過する波長の直線状透過領域との関係を示す説明図、図8(C)は実施例に係る分光素子の2次元マトリックス受光素子における464列目〜466列目の縦方向に配列された各画素の信号強度分布を示す説明図。
符号の説明
1 透過波長可変フィルタ
2 2次元マトリックス受光素子
3 波長可変ライン
4 画素
5 直線状透過領域
51 画素列
52 画素列
53 画素列
54 画素列

Claims (2)

  1. 基板表面に形成された誘電体多層膜を有しこの誘電体多層膜における一方の端縁から他方の端縁へ向かう波長可変ライン上の入射位置に応じて透過する波長が線形的に変化する透過波長可変フィルタと、縦横方向に亘って複数の画素が配列された2次元マトリックス受光素子とでその主要部が構成される分光素子において、
    上記波長可変ラインと直交する関係にある特定波長の上記2次元マトリックス受光素子に対する直線状透過領域が、縦方向に配列された互いに隣接する一対の画素列における一方画素列の縦方向一端側画素から他方画素列の縦方向他端側画素間までに1画素列分ずれるように、透過波長可変フィルタの波長可変ラインが2次元マトリックス受光素子の横方向に配列された画素列に対し非平行に配置されており、かつ、上記透過波長可変フィルタにおける波長可変ライン上の任意位置を透過する特定波長の透過光強度の半値幅が、2次元マトリックス受光素子の横方向に配列された画素数と上記透過波長可変フィルタの透過波長域(nm)とで決定される1画素当たりの透過波長可変量(nm/画素)より小さいことを特徴とする分光素子。
  2. 上記2次元マトリックス受光素子が、CCD素子、CMOS素子、複数の受光素子を2次元に並べて配置した集合素子のいずれかであることを特徴とする請求項記載の分光素子。
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