JP2005121574A - 近赤外分光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 近赤外領域の電磁波を用いた物質の定性・定量分析を目的とする分光分析技術に関し、小型でかつ近赤外光のスペクトルが高分解能・広ダイナミックレンジ・高感度で検出できる近赤外分光装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 近赤外光Bが分光されてスペクトルを発生する近赤外分光装置10において、ローランド円周K上に設けられ、近赤外光Bを入力する入力端11cと、ローランド円周K上に設けられ、近赤外光Bの入射する近赤外光Bが、単波長成分毎に分光されて前記スペクトルを生成する回折格子13と、ローランド円周K上のスペクトルが結像する部分に設けられた複数の出力端14cと、を備え、複数の出力端14cが配置される位置は、不等間隔で配置されていることを特徴とする近赤外分光装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、近赤外領域の電磁波を用いた物質の定性・定量分析を目的とする分光分析技術に関し、特に、電磁波が伝送される光導波路と電磁波が分光される回折格子とが一体形成された小型の近赤外分光装置に関するものである。
従来から、被測定物質に電磁波を当て、この電磁波の透過波または反射波を分光して得られた連続スペクトルから、その物質を定性(同定)・定量する分光分析技術が広く用いられている。分光分析技術は、被測定物質に照射する電磁波の波長帯域によって紫外−可視分光分析、近赤外分光分析、遠赤外−マイクロ波分光分析に大別できる。このうち、近赤外分光分析は、近赤外スペクトルから有意な情報を引き出すことが困難であるという理由により、紫外−可視分光および遠赤外−マイクロ波分光に比較して利用実績の積み上げが少ない。しかし、得られた近赤外光の連続スペクトルの解析に多変量解析等のケモメトリクス手法を適用することにより、近年、近赤外分光分析の有用性が大幅に見直され応用範囲や適用分野も拡大してきている。
当初、近赤外分光分析は、農産物の糖度計測に応用されていたが、その後現在にいたるまで、化学物質、薬品等の分析へと適用分野が拡大しつつある。このため、近赤外分光分析を実施する上での主要構成品である近赤外分光装置の小型化、低価格化、高性能化が求められている。
なお、従来の近赤外分光装置は可変波長フィルタを用いたものや、マイケルソン干渉計を用いたものや、回転型回折格子を用いたものや、固定回折格子に可動型スリットを組み合わせたものにより構成されていた(例えば非特許文献1,2)。一方、近赤外領域の電磁波は、従来から光通信で使用されている領域であり、光通信技術におけるレーザ光源、検出器等の安価で信頼性の高いデバイスを利用した分光分析技術が公開されている(例えば特許文献1)。
図6は、特許文献1に記載された従来の近赤外分光装置を示す斜視図である。
従来の近赤外分光装置60は、半導体デバイス製造技術によりシリコン基板61上に作成されたものであって、ローランド円周上に開口し、光ファイバ62から伝送される近赤外光が入射する光入射スリット63と、入射した近赤外光を分光して反射する回折格子64と、近赤外光が分光して形成したスペクトルを検出するフォトダイオードアレイ65と、を含むものである。なお、フォトダイオードアレイ65は、複数の検出素子(図示せず)が、ローランド円周H上に一定間隔で配置して構成されている。
日本工業規格 JIS K0117 赤外分光分析方法通則 日本工業規格 JIS K0134 近赤外分光分析通則 特開2003−139611号公報(段落0017〜段落0045、第1図)
しかし、以上述べた従来の近赤外分光装置を物質の定性・定量を目的とした分光分析技術に適用する場合、スペクトルの検出が高分解能でかつ広帯域で行われる要件が要求される為、以下に記載する問題があった。すなわち、非特許文献1,2における従来の近赤外分光装置においては、複数の光学部品で装置を構成したり、一部の光学部品を可動にしたりすることによって、前記要件を達成していた。このため、かかる従来の近赤外分光装置は、これら要素部品の配置されるスペース確保と組立時における高精度の位置合わせが要求される為、小型で安価な装置を実現させることが困難であった。
また、特許文献1における従来の近赤外分光装置60においては、小型で安価に装置が構成される点で、非特許文献1,2に記載される従来の近赤外分光装置より優れる。しかし、近赤外分光装置60において前記した要件を満たそうとする場合、フォトダイオードアレイ65は、検出素子が高集積度でかつ広範囲にわたってローランド円周H上に敷き詰められて構成されなくてはならない。しかし、かかる大量の検出素子がローランド円周H上に配置されるとなると、検出素子毎に必要とされる導波路も大量に配設されることとなり、導波路の集積度の上限がむしろ高性能化に対するボトルネックとなっていた。
本発明は、以上の問題点を解決することを目的としてなされたものであり、小型でかつ近赤外光のスペクトルが高分解能・広帯域・高感度で検出できる近赤外分光装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、前記した目的を達成するために創案されたものであり、まず請求項1に記載の近赤外分光装置は、近赤外光が分光されてスペクトルを発生する近赤外分光装置であって、ローランド円周上に設けられた入力端、回折格子および複数の出力端を備え、複数の前記出力端は、中心線に対し数式1(記載略)の関係がみたされる反射角βkだけ傾斜した直線とローランド円周との交点上に配置されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、ローランド円周上の固定点に設けられた入力端から近赤外光が入力すると、回折格子に入射して、入射面に一定の間隔dで刻まれた溝により前記近赤外光は回折される。回折された前記近赤外光は、単波長成分毎に分光されて前記スペクトルを生成する。前記ローランド円周上に、数式1をみたすように不等間隔で配置された複数の出力端は、各々の位置で結像する前記スペクトルの単波長成分を出力することができる。
そして、出力された単波長成分の強度を波長λkに対してプロットすると近赤外光のスペクトル曲線が得られる。この得られたスペクトル曲線は、全波長範囲において一定の波長分解能Δλを有する。
このように、近赤外光におけるすべての波長領域において、単波長成分が等間隔(Δλ)にサンプリングできるように出力端が不等間隔で配置されるので、高分解能、広帯域でかつ小型の分光器を実現できる。
請求項2に記載の近赤外分光装置は、請求項1に記載の近赤外分光装置において、前記回折格子は、前記近赤外光に対して透明なスラブ光導波路の一端面に形成され、前記スラブ光導波路の他端面は、ローランド円周を形成し、複数の前記出力端および前記入力端は、前記ローランド円周上に設けられており、前記入力端には、前記近赤外光が伝送される入力用光導波路が接続され、前記出力端には、前記単波長成分の伝送されるコア部の屈折率が3以上で、クラッド部の屈折率が1.5以下であり、前記コア部の断面が一辺長として500nm以下の矩形である、出力用光導波路が接続されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、導波路のコアとクラッドの屈折率差が大きいため、コア部の断面が一辺長として500nm以下の矩形にすることができる。よって、導波路が最も密に配設される出力用光導波路部分において、導波路の集積数の制限の緩和に寄与する。
請求項3に記載の近赤外分光装置は、請求項2に記載の近赤外分光装置において、前記スラブ光導波路、前記入力用光導波路および前記出力用光導波路のコア部の材料はシリコンであり、前記コア部の外周面にはクラッド部が被覆され、前記クラッド部は、シリコン酸化物系化合物、シリコン窒化物系化合物、シリコン酸窒化物系化合物、エポキシ系高分子化合物、ポリイミド系高分子化合物の群から選ばれる一の物質からなることを特徴とする。
かかる構成によれば、回折格子、入力用光導波路および出力用光導波路は、一体に成形される。さらにリソグラフィ技術により要素部品の微細でかつ高精密性を維持しつつ量産が可能であるため、安価で小型で信頼性の高い近赤外分光装置が提供される。
請求項4に記載の近赤外分光装置は、請求項2に記載の近赤外分光装置において、前記出力用光導波路の先端は、テーパ形状をなし、前記先端が前記出力端に嵌合して接続していることを特徴とする。
請求項5に記載の近赤外分光装置は、請求項4に記載の近赤外分光装置において、前記出力用光導波路のコア部の材料はシリコンであり、前記スラブ光導波路および前記入力用光導波路のコア部の材料は、シリコン酸化物系化合物、シリコン窒化物系化合物、シリコン酸窒化物系化合物、エポキシ系高分子化合物、ポリイミド系高分子化合物の群から選ばれる一の物質であり、前記コア部の外周面にはクラッド部が被覆され、前記クラッド部の材料は、前記コア部の材料よりも屈折率の小さいシリコン酸化物系化合物、シリコン窒化物系化合物、シリコン酸窒化物系化合物、エポキシ系高分子化合物、ポリイミド系高分子化合物の群から選ばれる一の物質であることを特徴とする。
かかる構成によれば、スラブ光導波路のコア部は、出力用光導波路のコア部よりも屈折率が小さく、コア部の外周面に被覆されるクラッド部は、さらに屈折率が小さく構成される。これにより、コアを伝送する近赤外光またはその単波長成分の閉じ込め効果が向上し、さらにスペクトルの効果的な取り込みが可能となる。よって、スペクトル検出の高感度化に寄与する。
本発明にかかる近赤外分光装置により以下に示す優れた効果を奏する。すなわち、所定の波長分解能を維持しつつ近赤外分光装置を小型に設計しようとすると、原理的にスペクトルを検出するために検出素子等の集積度を高めなければならないところ、検出の対象となる単波長成分の波長に対応させて不等間隔に出力端およびそれに接続される出力用光導波路を配置し、その出力用光導波路のコア部の屈折率を3以上、クラッド部の屈折率を1.5以下とすることで、コア部の断面が一辺長として500nm以下の矩形にできるので導波路がもっとも密に配設される出力用光導波路部分において、導波路の集積数の制限を緩和することができる。また、回折格子、入力用光導波路、出力用光導波路などの部品は、一体に形成可能であるため、公知のリソグラフィ技術等により、微細かつ高精密性を維持しつつ量産ができ、安価で信頼性の高い近赤外分光装置を実現することができる。
(第一の実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図1乃至図4を参照して本発明における第一の実施の形態について説明する。図1は本実施形態における近赤外分光装置を示す構成図である。図2は本実施形態における近赤外分光装置の出力端の部分を拡大して示す拡大図である。図3は、本実施形態における近赤外分光装置のスラブ光導波路を説明する概念図である。図4は、本実施形態における近赤外分光装置に入力する近赤外光のスペクトル曲線を示すグラフである。
図1に示すように近赤外分光装置10は、入力用光導波路11、スラブ光導波路12、回折格子13および出力用光導波路アレイ14から構成されている。これら、近赤外分光装置10の構成要素は、半導体デバイス製造技術により一体的に形成されている。
さらに、近赤外光Bが伝搬する入力用光導波路11、スラブ光導波路12および出力用光導波路アレイ14は、波長1.1〜2.2μmの近赤外領域において透明であるシリコンにより形成されている。そして、この近赤外光Bが伝搬する媒体部分(ここではシリコン部分)をコア部と総称することとし、コア部の外周面は、コア部より屈折率の小さいクラッド材により被覆されている。このクラッド部の材料は、具体的に、コア部の材料であるシリコンより屈折率の小さい、シリコン酸化物系化合物、シリコン窒化物系化合物、シリコン酸窒化物系化合物、エポキシ系高分子化合物またはポリイミド系高分子化合物等が例示される。
このように、クラッド部でコア部の外周面が被覆されることにより、伝搬する近赤外光Bの進路が大きな屈曲を伴うものであっても、近赤外光がコア部の外周面を飛び出して漏洩することがない。
入力用光導波路11は、一端がスラブ光導波路12の後記するローランド円周H上に設けられた入力端11cに接続されている。そして、図示しない被測定物質に照射された近赤外光の透過波または反射波(近赤外光B)は、入力用光導波路11の他端から入力し、コア部を伝搬してスラブ光導波路12に出力される。
スラブ光導波路12は、一端面に成形された反射型の回折格子13と、他端面に入力用光導波路11が接続する入力端11cと、同じく他端面に後記するスペクトルの開口窓となる出力端14c…と、が形成されている。
スラブ光導波路12の構成について、以降、図3を参照しつつ(適宜図1参照)詳細に説明する。
回折格子13は、スラブ光導波路12の一端面に曲率半径Rの湾曲を伴って形成され、その反射面には等間隔の無数の溝がピッチdで刻まれている。そして、この反射面は、入射した近赤外光Bを反射するように、コアの材料であるシリコンとクラッド材料との屈折率差による反射の原理が適用されたものであったり、回折格子13とクラッド部との境界面にアルミニウムや金のような高反射率を持つ金属を挿入したものであったりする。そして、入力端11cから入力した近赤外光Bは、スラブ光導波路12の内部で拡散しながら伝搬し、回折格子13の全面に照射するとそれぞれの溝で回折される。これら、複数の溝により回折された回折光は互いに干渉し、出力端14c…が設けられている他端面に、帯状に生成されたスペクトルを形成する。
ここで、入力端11cおよび出力端14c…が設けられているスラブ光導波路12上の他端面は、ローランド円周Hであることとする。
ローランド円とは、図3に示すように、回折格子13の球面の曲率半径R(=2r)を直径とし、この球面の中心Oと、回折格子13(接点P)とに接する半径rの円である。かかるローランド円の円周上から出射された光が、回折格子13で回折を受けると、生成したスペクトルは、ローランド円の円周上に沿って結像することとなる。
ここで、図4に示すように、スラブ光導波路12に入力される近赤外光Bは、間隔が一定間隔Δλの波長λ1,λ2…λk…λn(ここでΔλ=λk−λk-1)である複数の単波長成分を含むものとする(以降、これら複数の単波長成分を単波長成分λ1,λ2…と記す)。そして、これら単波長成分λ1,λ2…が回折格子13で回折されてローランド円周H上に結像する位置にそれぞれ出力端14c1,14c2…14ck…14cn(図2)(以降出力端14c1,14c2…と記す)が配置されている。また、出力端14c1,14c2…および接点P(図3)がなす線分と、中心Oおよび接点Pがなす線分OPとがなす角度をそれぞれ反射角β1,β2…βk…βnとする(図3には、βkのみ記載)。さらに、入力端11cおよび接点Pがなす線分と、線分OPとがなす角度を入射角αとし、回折格子13に形成されている溝の間隔をd(図示せず)とする。すると、単波長成分λ1,λ2…と、それぞれ対応する反射角β1,β2…とは、数式2の関係を満たし、出力端14c1,14c2…は、図2に示すようにローランド円周H上にそれぞれ不等間隔で配置されることになる。
Figure 2005121574
出力用光導波路アレイ14(図1)は、複数の出力用光導波路141,142…14k…14nから構成され、各々の一端は、出力端14c1,14c2…にそれぞれ接続されている。これら、出力用光導波路141,142…のコア部がシリコン、クラッド部がシリコン酸化物系化合物、シリコン窒化物系化合物、シリコン酸窒化物系化合物、エポキシ系高分子化合物、ポリイミド系高分子化合物などで構成されているので、コア部の断面は、少なくとも一辺が500nm以下の矩形を有している(図示せず)。このようにコア材料とクラッド材料の屈折率差が大きい場合は、光の閉じ込めが強いので、出力用光導波路141,142…が、曲率半径5μm程度の折曲部分を有していても、この折曲部分から伝搬する光信号が漏れることがない。また、隣接する導波路間の干渉を回避するためには、各々の導波路間の間隔が2μm以上あればよく、出力用光導波路アレイ14の導波路形状や配置の自由度が高くなる。
出力用光導波路141,142…の図示しない他端先端部分には、それぞれ光信号の強度を検出する検出素子(図示せず)が接続されている。そして、各々の検出素子の出力値を波長に対してプロットすることにより、図4に示すような、近赤外光Bのスペクトル曲線が得られる。
以上のように本実施形態は本発明を説明するための一例であり、本発明は前記した実施形態に限定されるものでなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。例えば、前記近赤外分光装置10において、出力される単波長成分λ1,λ2…を検出する検出素子は、出力端14c…に接続された出力用光導波路141,142…の先端に設けられていたが、この検出素子は、出力端14c…に直接設けられたものであってもよい。
次に、図1に基づいて、近赤外分光装置10を用いて、物質の定性・定量分析を実施する場合の動作について説明する。
まず、図示しない、被測定物質に近赤外光を照射する。この近赤外光の透過波または反射波(近赤外光B)を入力用光導波路11の一端に入力する。近赤外光Bは、入力用光導波路11を伝搬し、入力端11cからスラブ光導波路11の内部を拡散しつつ伝搬し回折格子13の全面に出射されることとなる。そして、近赤外光Bは、回折格子13において反射して、ローランド円周H上に、近赤外光Bを構成する単波長成分λ1,λ2…がそれぞれ分離したスペクトルが形成する。
このスペクトルが形成されるローランド円周H上には、開口した出力端14c1,14c2…が前記したように不等間隔で配置されている。これら、出力端14c1,14c2…に入力した単波長成分λ1,λ2…を横軸にとり、縦軸に強度をとって平面座標上にプロットすると、横軸に対し等間隔にプロットされた図4に示すようなスペクトル線図が得られる。
以上述べた近赤外分光装置10により以下に述べる効果が得られる。
すなわち、検出される近赤外光Bの波長分解能Δλが、波長検出範囲全般にわたり一定となるように、出力端14c1,14c2…がローランド円周H上に不等間隔で配置されている。これにより、出力端14c1,14c2…からの出力から直接、スペクトル線図が得られる。
また、入力用光導波路11、スラブ光導波路12、反射型回折格子13および出力用光導波路14は、量産に対応した半導体プロセス、即ち、電子ビームリソグラフイ、光リソグラフイもしくはX線リソグラフイなどのリソグラフイ技術で形成される。このため、要素部品の大きさや位置が微細でかつ精密に制御されて一体的に形成され、可動部を不要とする構造にすることができる。これにより、組立や調整にかかるコストを削減でき、安価で信頼性の高い近赤外分光装置10が提供される。
(第二の実施の形態)
次に図5を参照して本発明における第二の実施の形態について説明する。図5は本実施の形態における近赤外分析装置の基本構成を示す構成図である。尚、図5において図1と同一又は相当する部分は同一符号で示し詳細な説明を省略する。
第二の実施の形態において、近赤外分光装置10´を構成する、出力用光導波路アレイ14のコア部(図示せず)は、スラブ光導波路12および入力用光導波路11のコア部より屈折率の大きい材料で構成されていることとする。具体的には、出力用光導波路アレイ14のコア部の材料はシリコンであり、入力用光導波路11およびスラブ光導波路12のコア部の材料は、シリコンより屈折率の小さいシリコン酸化物系化合物、シリコン窒化物系化合物、シリコン酸窒化物系化合物、エポキシ系高分子化合物またはポリイミド系高分子化合物のうちの何れかである。そして、入力用光導波路11、スラブ光導波路12および出力用光導波路アレイ11のクラッド部の材料は、入力用光導波路11およびスラブ光導波路12のコア材料よりもさらに屈折率の小さいシリコン酸化物系化合物、シリコン窒化物系化合物、シリコン酸窒化物系化合物、エポキシ系高分子化合物またはポリイミド系高分子化合物のうちの何れかであることとした。
また、出力用光導波路アレイ14のスラブ光導波路に接続する側の先端は、先端に行くほど幅が細くなっているテーパ形状であることとした。以降、この先端をテーパ状先端14aと呼ぶ。なお、このテーパ状先端14aの先端幅は100nm以下であることが望ましい。
出力用光導波路141,142…は、出力端14c1,14c2…に、対応するテーパ状先端14a…が嵌合するようにして接続されている。このように、出力用光導波路アレイ14が、スラブ光導波路12に接続されることにより、効率的にスペクトルが出力用光導波路141,142…に導かれることとなる。
次に、適宜図面を参照して、本発明の効果を確認した実施例について説明する。
近赤外光Bの波長範囲(λ1〜λn)(図4)を1.1〜2.2μmとし、この波長範囲のうち短波長側、中波長側、長波長側をそれぞれ代表させて、波長がλs=1.1μm、λc=1.55μm、λl=2.2μmなる単波長成分について検討してみる。そして、近赤外分光装置10として所望される波長分解能(Δλ)を10nm(=0.01μm)と設定する。
スラブ光導波路12は、大きさの異なる4検体について、具体的には、ローランド円周Hの半径rが1,2,5,10mmのものについて検討した。入射角α(図3)は、中波長側の単波長成分λc(=1.55μm)とλc+10nmとが、回折格子13により回折された後、両者のローランド円周面H上の結像する位置の間隔dcが25μmとなるように設定されている。
従来のようにフォトダイオードアレイを用いる方法を考える。市販のフォトダイオー
ドアレイは等間隔で直線状に配列されており、その配列間隔は25μm程度である。フォトダイオードアレイの中心部がローランド円に接するように配置した場合、帯域中央付近ではフォトダイオード間の間隔と単波長成分λk,λk+1の結像点の間隔はともに25μmとなるが、ローランド円の半径が小さくなるにつれ、短波長側での単波長成分λs(=1.1μm)および長波長側での単波長成分λl(=2.2μm)についてはフォトダイオード間の間隔と隣り合う単波長成分λk,λk+1の結像点の間隔が著しく異なる。短波長側と長波長側での隣り合う単波長成分λk,λk+1の結像点の間隔ds,dlを演算し、その結果を表1に示す。
Figure 2005121574
この表1から明らかなことは、従来の等間隔の直線状フォトダイオードアレイを用いた
場合では、ローランド円の半径rを10mm以下にすることは困難であることがわかる。またフォトダイオードアレイの代わりに従来のシリコン酸化物系化合物光導波路を用いる方法を考える。光導波路は任意の位置に形成することが出来るが、シリコン酸化物系化合物を用いた光導波路の場合、そのコア径は数μm〜10μmであり、相互の光導波路の干渉を防ぐためには数10μm以上離して配設することが必要であるが、ローランド円の半径が10mm以下では、これに必要な間隔が実現できないことがわかる。一方、本発明による近赤外分光装置の場合は、出力用光導波路の間隔が2μm以上で良いので、干渉を防ぐのに十分な間隔を保つことが出来る。
以上、本発明の近赤外分光装置10(10´)においては、従来と比較して高い波長分解能と広い帯域を保持しながら、装置をより小型化させることが可能であるといえる。
本発明にかかる第一の実施の形態における近赤外分光装置を示す構成図である。 第一の実施の形態における近赤外分光装置の出力端の部分を拡大して示す拡大図である。 第一の実施の形態における近赤外分光装置のスラブ光導波路を説明する概念図である。 第一の実施の形態における近赤外分光装置において、入力した近赤外光のスペクトル曲線を示すグラフである。 本発明にかかる第二の実施の形態における近赤外分光装置を示す構成図である。 従来の近赤外分光装置を示す斜視図である。
符号の説明
10、10´ 近赤外分光装置
11 入力用光導波路
11c 入力端
12 スラブ光導波路
13 回折格子
141,142…14k…14n 出力用光導波路
14a… テーパ状先端(先端)
14c,14c1,14c2…14ck…14cn 出力端
α 入射角
β1,β2…βk…βn 反射角
B 近赤外光
H ローランド円周
O 中心点

Claims (5)

  1. 近赤外光が分光されてスペクトルを発生する近赤外分光装置であって、
    ローランド円周上の固定点に設けられ、前記近赤外光を入力する入力端と、
    前記ローランド円周上の接点に接して設けられ、前記近赤外光の入射する入射面に一定の間隔dで刻まれた溝において回折した前記近赤外光が、単波長成分毎に分光されて前記スペクトルを生成する回折格子と、
    前記ローランド円周上の前記スペクトルが結像する部分に設けられた複数の出力端と、を備え、
    複数の前記出力端が配置される位置は、前記ローランド円周の中心点および前記接点の二点間が結ばれる中心線に対し、前記接点を基点に次式で表される反射角βkだけ傾斜した直線上にあることを特徴とする近赤外分光装置。
    Figure 2005121574
    (ここで、kは自然数であるとして、λkは前記近赤外光を構成する前記単波長成分のうち、Δλ=λk+1−λkで表わされる一定の波長間隔Δλをなす一群の前記単波長成分の波長λ1,λ2…である。αは、前記固定点および前記接点を結ぶ線分と前記中心線とがなす角度である。)
  2. 前記回折格子は、前記近赤外光に対して透明なスラブ光導波路の一端面に形成され、前記スラブ光導波路の他端面は、ローランド円周を形成し、複数の前記出力端および前記入力端は、前記ローランド円周上に設けられており、
    前記入力端には、前記近赤外光が伝送される入力用光導波路が接続され、
    前記出力端には、前記単波長成分の伝送されるコア部の屈折率が3以上で、クラッド部の屈折率が1.5以下であり、前記コア部の断面が一辺長として500nm以下の矩形である、出力用光導波路が接続されていることを特徴とする請求項1に記載の近赤外分光装置。
  3. 前記スラブ光導波路、前記入力用光導波路および前記出力用光導波路のコア部の材料はシリコンであり、前記コア部の外周面にはクラッド部が被覆され、前記クラッド部は、シリコン酸化物系化合物、シリコン窒化物系化合物、シリコン酸窒化物系化合物、エポキシ系高分子化合物、ポリイミド系高分子化合物の群から選ばれる一の物質からなることを特徴とする請求項2に記載の近赤外分光装置。
  4. 前記出力用光導波路の先端は、テーパ形状をなし、前記先端が前記出力端に嵌合して接続していることを特徴とする請求項2に記載の近赤外分光装置。
  5. 前記出力用光導波路のコア部の材料はシリコンであり、前記スラブ光導波路および前記入力用光導波路のコア部の材料は、シリコン酸化物系化合物、シリコン窒化物系化合物、シリコン酸窒化物系化合物、エポキシ系高分子化合物、ポリイミド系高分子化合物の群から選ばれる一の物質であり、前記コア部の外周面にはクラッド部が被覆され、前記クラッド部の材料は、前記コア部の材料よりも屈折率の小さいシリコン酸化物系化合物、シリコン窒化物系化合物、シリコン酸窒化物系化合物、エポキシ系高分子化合物、ポリイミド系高分子化合物の群から選ばれる一の物質であることを特徴とする請求項4に記載の近赤外分光装置。
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