以下、実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の実施の形態(1)について図1〜図5に基づいて説明する。図1〜図5は、寝具として座布団を示す。
座布団1Aは、コイル状の金属線材から構成される複数の放熱フィン11と、その複数の放熱フィン11を収納する外装体21とを備える。放熱フィン11は外装体21の人が座る座面21aに沿って配置される。ここでは、座面21aが、被放熱体をのせる接触面となる。また、外装体21には穴22が設けられ、被放熱体との間で熱伝達を促す放熱経路部となる。さらに、外装体21の内部には緩衝材23が設けられる。
放熱フィン11は、図4に示すように、金属線材がコイル状に巻回されて巻回単位が形成されるとともに全体が扁平に連続形成され、隣接する巻回単位11a、11bが相互に位置ずれして空隙部112と接触部113を有するものである。具体的には、左巻きに巻回されたコイル状の金属線材11xと、右巻きに巻回されたコイル状の金属線材11yとが、幅方向に長さe1、長手方向に長さe2の距離だけ位置ずれして組み合わされる。そして、各金属線材11x、11yを扁平に形成することによって作製されている。放熱フィン11は、それぞれ異なる向きに巻回されたコイル状の金属線材11x、11yが組み合わさっているため、金属線材11x、11yが密集して密に形成され、熱伝導性が向上し、放熱性能も向上する。また、左巻きおよび右巻きの金属線材11x、11yが絡み合うため、放熱フィン11の形態が安定し、コイルを連続的に圧延する際に強度等の関係でコイルが伸びてしまうことがない。
そして、金属線材11x、11yは扁平に形成され各巻回単位11a、11bが相互に幅方向と長手方向に位置ずれして交差して、空隙部112と接触部113を形成する。そして、金属線材11x、11yとが扁平に形成されているため、各巻回単位が相互に接触した接触部113の接触面積が大きくなる。これにより、接触部113を介して熱が放熱フィン11全体に速やかに伝導することとなる。また、コイル状の金属線材11x、11yから形成されるために、平板等を用いた放熱フィンと比較して放熱フィン11全体の表面積が大きくなり、したがって高い放熱性能を得ることができる。また、放熱フィン11には金属線材11x、11yの隙間に空隙部112が形成されているため、、特に金属線材11x、11yの外気との接触面積が大きい。このため、空隙部112が空気等の流れる通気孔として機能し、熱を速やかに外部へ放出することができる。
なお、各巻回単位11a、11bが相互に接触した接触部113は、後述のように固定することができるが、固定しなくても良い。接触部113を固定しない場合には、放熱フィン11の柔軟性に非常に優れるため、本実施例のように座布団等の寝具に用いた場合には体圧を良好に分散することができる。
なお、各巻回単位11a、11bが相互に接触した接触部113は、半田付け、半田メッキ、接着剤、粘着剤、振動溶接、フラッシュ溶接等の手段により、接触した線材同士が離れないように固定することができる。接触部113が固定されることで、各巻回単位11a、11bの相互の密着が確実に行われ、放熱フィン11全体が変形に対して伸びきったりせずに機械的安定性が向上し、また接触部113を介した熱伝導性も向上する。
また、放熱フィン11の端部には、保護部材114が取り付けられている。保護部材114を取り付けることで、金属線材11x、11yが端部において固定されるため、形態崩れを生じたりすることがない。保護部材114の材質としては、アルミニウム、銅、銀、金等の金属材料、またはこれらとニッケル、マグネシウム、亜鉛、ケイ素等との合金等を挙げることができる。銅系やアルミニウム系の材料は熱伝導性に優れるため好適に用いられる。特に、アルミニウム系の材料は、熱伝導性と柔軟性に優れ、かつ軽量、低コストであるため好適に用いられる。
コイル状に巻回された金属線材を扁平に形成するには、圧延等の公知の手段により押し潰すなどして行うことができる。また、一方向に送られるコイルを連続的に圧延して、長尺状の放熱フィンを得ることもできる。このとき、隣接する巻回単位が相互に適切に密着するように、圧延の圧力、圧延する角度等を適宜設定することが好ましい。
放熱フィン11の材質は、種々の金属材から構成することができる。具体的には、アルミニウム、銅、銀、金等の金属材料、またはこれらとニッケル、マグネシウム、亜鉛、ケイ素等との合金等を挙げることができる。銅系やアルミニウム系の材料は熱伝導性に優れるため好適に用いられる。特に、アルミニウム系の材料は、熱伝導性と柔軟性に優れ、かつ軽量、低コストであるため好適に用いられる。
また、放熱フィン11の金属線材11x、11yの材質としては、耐蝕性の金属を用いることもできる。用途によっては、腐食しやすい環境で使用される場合があるため、そのような場合に適している。耐蝕性の金属の例としては、チタン、及びその合金、ステンレスなどが挙げられる。
また、放熱フィン11を構成する金属線材11x、11yには、必要に応じて、熱伝導性、耐蝕性を高めるために表面処理を施すことができる。具体的には、銅めっき、銀めっき等が挙げられる。また、アルミニウム又はその合金を素材とする場合には、表面に陽極酸化皮膜処理(アルマイト処理)を施すことが好ましい。これにより、耐蝕性が向上するとともに、巻回単位の相互に密着する接触部の熱抵抗が低下し、全体の放熱性をさらに高めることができる。処理の方法は、既知の工程を採用することができ、具体的には、処理物を陽極として、シュウ酸や硫酸、リン酸等の液中で電解を行うことにより酸化皮膜を形成することができる。なお、陽極酸化皮膜処理には、いわゆる白色アルマイトと黒色アルマイトとがあるが、いずれも適用可能である。
また、金属線材11x、11yの表面には、必要に応じて、フェライトを含む塗膜を形成することもできる。これにより、フェライトが電磁波吸収能を有するため、全体として電磁波を効果的に吸収する放熱フィン11を得ることができる。特に、放熱フィン11の表面は金属線材から構成するがゆえに凹凸形状であるため、電磁波が乱反射されて、電磁波吸収の効果が相乗的に大きくなる。
なお、フェライトとしては、軟磁性フェライト(ソフトフェライト)と、硬磁性フェライト(ハードフェライト)とが知られているが、いずれか一方を用いても良いし、複数種を混合して用いても良い。また、フェライトを分散させるバインダーとしては、特に限定されることなく、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等の一般的な物質を用いることができる。
さらに、金属線材11x、11yの表面には、必要に応じて、放熱フィン11中を伝導する熱を速やかに外部へ放熱するために、熱放射性の塗膜を形成することができる。
このような塗膜は、熱放射効果を有する種々の顔料を含有させた塗料から形成することができる。顔料の例としては、カーボンブラック、アルミナ、ジルコニア、チタニア、シリカ、ジルコン、マグネシア、イットリア(Y2O3)、コージライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)、チタン酸アルミニウム(Al2O3・TiO2)等を挙げることができる。これらは、いずれかを単独で用いても良いし、複数を複合して用いても良い。また、塗料中の顔料の量は、所望の熱放射性に応じて適宜設定することができ、一般には塗膜の乾燥質量に対して10〜90wt%程度が適当である。また、バインダーとしては、熱によって劣化し難い物質が好ましく、例として、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。
なお、熱放射性の塗膜の厚さは、1〜50μmが適当である。1μm未満であると、熱放射効果が小さくなり好ましくない。
そして、放熱フィン11の径(扁平な面111の幅)は、特に限定されることなく、要求される放熱性能に応じて適宜設定することができる。一般には、径が大きくなると表面積が増加し、放熱性が向上する。具体的には、各寝具によっても異なるが、数mm〜数cm程度が適当である。
次に、外装体21としては、放熱フィン11の空隙部112に空気を通じて熱を拡散させる必要があるため、通気性を有するものが好ましく、一般的には合成繊維、天然繊維の織布が用いられる。合成繊維としては、レーヨン、テンセル、アセテート、ポリエステル等の各種繊維を用いることができる。また、天然繊維としては、綿、麻、羊毛、絹等の各種繊維を用いることができる。実施の形態(1)では、繊維の織布を用いており、各繊維211の間には放熱経路部12として空隙部212が構成されている。空隙部212は被放熱体との間で熱伝達を促す放熱経路部12として作用する。
また、外装体21の厚さは、被放熱体との間での熱伝達を促すため薄い方がよい。具体的には、外装体21の厚さは0.02mm〜2mm程度が好ましい。0.02mmより薄い場合には、外装体21の強度が低くなるため、使用した際に破れてしまう場合等がある。また、2mmより厚い場合には、被放熱体との間での熱伝達が低下するため好ましくない。
また、外装体21の座面21aには、放熱経路部12として穴22が設けられている。そして、図2に示すように、穴22は長さb、幅cをもつ楕円形状を呈している。そして、穴22の幅cは、放熱フィン11の幅aに対して長く形成されており、放熱フィン11が設けられていない空隙部222と放熱フィン露出部223とが形成される。このため、放熱フィン11に伝導した熱は、放熱フィン11が有する空隙部112だけではなく、穴22の空隙部222を介して外装体21の外部へと放出される。また、穴22は、長さbは幅cに対して長く形成されており放熱フィン11の露出面積が大きくなっており、放熱フィン11と被放熱体との接触面積が大きくなるように構成されている。
なお、穴の大きさ、数は適宜設定することができ、例えば、座り位置である座布団の中心部分の穴を周辺よりも大きくしたり、中心部分の穴の数を多くして放熱フィン11の露出度を高めたりしても良い。
また、緩衝材23は、外装体21の内部に充填されるものであり、綿、羽毛、そば殻等、あるいは低反発ウレタンフォーム等の一般的な充填材を用いることができる。
以上の放熱フィン11を、外装体21の内部に複数個収納し、平行に並べて配置して所定の位置を縫いつけることにより目的の寝具を得ることができる。そして、帯状の放熱フィン11は、座り位置である座布団の中心部分から長手方向に突出するように配置される。このため、被放熱体である身体dから伝えられた熱は、長手方向に突出した端部から速やかに放熱されることとなる。
なお、放熱フィン11の配置方法は適宜設定することができ、例えば放熱フィン11を交差させて配置するなどしてもよい。
実施の形態(1)に係る座布団1Aによれば、図3に示すように、人が寝る、座る等の各種使用形態において、放熱フィン11が座面21aに設けられた穴22から露出しており、被放熱体である身体dと直接接触する。続いて、放熱フィン11の接触部113を介して、身体dの熱は効率良く放熱フィン11の全体に伝熱される。そして、放熱フィン11全体に伝導した熱は、放熱フィン11の空隙部112から拡散し、放熱経路部12である外装体21の穴22及び繊維211の間に形成された空隙部212を介して外装体21の外部へと放出される。
また、放熱フィン11の空隙部112を通して熱気が拡散し、汗などの水分が気化するため蒸れたりすることがない。また、水分の気化熱により放熱フィン11が冷却されるため、快適な使用感を得ることができる。
そして、放熱フィン11は、特に扁平な面111に垂直な方向に対して柔軟に屈曲するため、各種寝具の形状に応じて容易に変形させて用いることが可能である。そして、図3に示すように、人が座った際には、体の動きに追従し体圧を良好に分散して快適な使用感を得ることができる。また、左巻きおよび右巻きに巻回された金属線材11x、11yが絡み合うため、放熱フィン11の形態が安定し、寝具に用いた際にも形崩れすることがない。
続いて、本発明の実施の形態(2)に係る寝具について、図6に基づいて説明する。図6は、本発明の実施の形態(2)に係る寝具の平面図である。
寝具1Bは、上記実施の形態(1)と同様に、人などが座る座布団であり、放熱フィン11を外装体24に収納して構成されている。そして、外装体24は、繊維束を交互に交差させたものを用いている。各繊維束の間には、被放熱体との間で熱伝達を促す放熱経路部12として、編み目25が形成される。また、外装体24の内部には緩衝材が設けられる。
なお、放熱フィン11自体の構成等は上記実施の形態(1)に準ずる。また、編み目25の大きさ、個数等は各繊維束の本数、太さ等を選択することで適宜設定することができる。例えば、座り位置である座布団の中心部分の編み目を周辺よりも大きくなるように、各繊維束の数を少なくしたりしても良い。
実施の形態(2)に係る寝具によれば、人が寝る、座る等の各種使用形態において、放熱フィン11が座面に設けられた編み目25から露出しており、被放熱体である身体と直接接触する。続いて、放熱フィン11の接触部113を介して、身体dの熱は効率良く放熱フィン11の全体に伝熱される。そして、放熱フィン11全体に伝導した熱は、放熱フィン11の空隙部112、及び放熱経路部12として機能する編み目25を介して外装体24の外部へと放出される。
また、放熱フィン11の空隙部112を通して熱気が拡散し、汗などの水分が気化するため蒸れたりすることがない。また、水分の気化熱により放熱フィン11が冷却されるため、快適な使用感を得ることができる。
そして、放熱フィン11は、特に扁平な面111に垂直な方向に対して柔軟に屈曲するため、各種座布団の形状に応じて容易に変形させて用いることが可能である。そして、人が座った際には、体の動きに追従し体圧を良好に分散して快適な使用感を得ることができる。
そして、放熱経路部編み目25が形成したメッシュ状のものをが形成されているため、外装体21に穴22を設けた実施の形態(1)と比較して、同じ強度で放熱経路部の面積を大きくすることが可能となる。
次に、実施の形態(3)に係る座布団について図7に基づいて説明する。図7は、本発明の実施の形態(3)に係る座布団の斜視図である。
この寝具1Cの場合には、実施の形態(2)の座布団1Bにおいて、外装体24の内部に収納する放熱フィン11を交差させて配置している。
なお、放熱フィン11自体の構成等は上記実施の形態(1)に準ずる。また、外装体24の構成は、実施の形態(2)に準ずる。
実施の形態(3)に係る座布団1Cによれば、上記実施の形態(2)と同様の効果を奏する。そして、放熱フィン11は、特に扁平な面に垂直な方向に対して柔軟に屈曲するため、座布団1Cの中心で放熱フィン11を交差させることにより、体圧が分散され、高い放熱性と相まって快適な使用感を得ることができる。
次に、実施の形態(4)に係る寝具について図8に基づいて説明する。図8は、本発明の実施の形態(4)に係る寝具の斜視図である。
寝具1Dは、人が頭をのせる枕であって、コイル状の金属線材から形成される放熱フィン11と、その放熱フィン11を収納する外装体26とを備える。放熱フィン11は、外装体26の人の頭をのせる接触面26aに沿って配置される。そして、接触面26aには穴27が設けられており,被放熱体との間で熱伝達を促す放熱経路部12として作用する。
なお、放熱フィン11自体の構成等は上記実施の形態(1)に準ずる。また、外装体26は略々平面状の下面26bと、凹凸形状を呈する接触面26aとを有する。また、座面26aに設けられた穴27は、穴の大きさ、数は適宜設定することができるが、放熱フィン11に髪の毛が絡んだりすることがないように所定の大きさに小さくすることが好ましい。また、無数の穴を有するメッシュ状のものを用いたりすることが好ましい。
実施の形態(4)に係る寝具によれば、人が寝る、座る等の各種使用形態において、放熱フィン11が座面26aに設けられた穴27から露出しており、被放熱体である身体と直接接触する。続いて、放熱フィン11の接触部113を介して、身体の熱は効率良く放熱フィン11の全体に伝熱される。そして、放熱フィン11全体に伝導した熱は、放熱フィン11の空隙部112、及び放熱経路部12を構成する穴27を介して外装体26の外部へと放出される。このため、外装体21の内部に熱が滞留することがなく快適な使用感を得ることができる。
また、放熱フィン11の空隙部112を通して熱気が拡散し、汗などの水分が気化するため蒸れたりすることがない。また、水分の気化熱により放熱フィン11が冷却されるため、快適な使用感を得ることができる。
さらに、放熱フィン11は、特に扁平な面に垂直な方向に対して柔軟に屈曲するため、各種寝具の凹凸形状等に応じて容易に変形させて用いることが可能である。そして、体の動きに追従し、体圧を良好に分散して快適な使用感を得ることができる。
なお、上記実施の形態(1)〜(4)においては、外装体の中に緩衝材23を収納しているが、緩衝材を用いないで寝具を構成することも可能である。
なお、上記実施の形態(1)〜(4)においては、寝具として座布団、枕を例として示したが、敷布団、マットレス、等各種寝具について同様に実施することができる。
続いて、本発明の実施の形態(5)について図9、10に基づき説明する。図9は、実施の形態(5)に係る床ずれ防止マットの平面図である。
床ずれ防止マットとしては、褥瘡の発生を防止するために、体圧を分散させ乾燥した状態を保つ必要がある。従来からある床ずれ防止マットとしては、エアーマットが挙げられる。ビニールに空気をコンプレッサーで送り、持続的に膨らまして使用するもので、マットに設けられた複数の小さな空気穴から空気が常に排出され身体の乾燥を行うものである。しかしながら、このような床ずれ防止マットは、空気をコンプレッサーで送る必要があり、設備が大がかりになるという欠点があった。
また、他の床ずれ防止マットの例としては、ウレタンや各種ゲルを用いたものが挙げられる。しかし、これらの床ずれ防止マットは、体圧の分散を主な目的としたものであり、通気性が低いという問題点があった。
そこで、本発明では、上記従来の状況に鑑み、高い体圧分散性と通気性をもち、別途コンプレッサーなどの装置を使用する必要がない床ずれ防止マットを提供することを目的とする。
本発明の実施の形態(5)に係る床ずれ防止マット1Eは、コイル状の金属線材から構成される複数の放熱フィン11と、その放熱フィン11を内部に収納する外装体28とを備える。そして、放熱フィン11が外装体28の人が寝る際等に接触する接触面28aに沿って配置される。ここでは、接触面28aが、被放熱体をのせる接触面となる。また、外装体28には穴31が設けられ、被放熱体との間で熱伝達を促す放熱経路部12を構成する。
具体的には、図10に示すように、外装体28の内部には充填材29が設けられ、その充填材29の中心にはマットの形状を保持するための芯材30が備えられている。さらに、外装体28のコーナー部にも、マットの形状を保持するためのワイヤー283が設けられている。
そして、放熱フィン11は、身体fに近い接触面28aに沿って設けられ、扁平な面111がマットの接触面28aと平行になるように複数個配置されている。そして、図9、10に示すように、身体fとの主な接触部となる背中部281、腰部282等に設けることが好ましい。この際、背中部281、腰部282等に設けた複数の放熱フィン11を交差させて配置することで、一方向だけではなく面方向に体圧を均一に分散することが可能となる。なお、放熱フィン11の材質等、その他の構成については上記実施の形態(1)に準ずる。
また、充填材29、芯材30の材質は体圧を分散できるように柔軟性を有するものを適宜採用することができ、例えば充填材29として低反発ウレタンフォーム、芯材30としてはより弾性率の高い発泡ポリウレタン材等が好適に用いられる。
また、放熱経路部12が外装体28の接触面28aに設けた穴31により構成されている。なお、穴31の大きさ、数は適宜設定することができ、例えば、身体fとの主な接触部となる背中部281、腰部282等に設けられた穴を周辺より大きくしたり、穴の数を多くして放熱フィン11の露出度を高めたりしても良い。
この実施の形態(5)に係る床ずれ防止マット1Eは、褥瘡患者が使用した場合、放熱フィン11が体に合わせて自在に屈曲し、体圧を良好に分散して床ずれを防止することができる。そして、特に放熱フィン11が交差して設けられているため、体圧を面方向に均一に分散して床ずれを防止することができる。
また、放熱フィン11が接触面28aに設けられた穴31から露出しており、被放熱体である身体fと直接接触する。そして、放熱フィン11の接触部113を介して、身体fの熱は放熱フィン11の全体に伝熱される。そして、放熱フィン11全体に伝導した熱は放熱フィン11の空隙部112及び放熱経路部12である穴31を介して外装体21の外部へと放出される。そして、特に放熱フィン11が交差接触して設けられているため、身体fからの熱を放熱フィン11同士の接触部を介して面方向に熱を伝えることが可能となる。これにより、患者の熱を速やかに放熱し、患部の蒸れを防いで清潔な状態に保つことができる。
また、放熱フィン11の空隙部112を通して熱気が拡散し、汗などの水分が気化するため蒸れたりすることがない。また、水分の気化熱により放熱フィン11が冷却されるため、快適な使用感を得ることができる。
また、床ずれ防止マット1Eの構成は、図9、10の例に限定されるものではなく、外装体の内部に放熱フィン11を収納することを条件として種々の構成を採用することができる。例えば、充填材の内側にシリコーンゲルのシートを積層させる場合等が挙げられる。さらに、図9では、複数個の放熱フィン11を背中部281や腰部282に配置しているが、例えば、他にも床ずれを生じ易い肘部等に、体圧を分散させる方向に沿って放熱フィン11を配置することもできる。
続いて、本発明の実施の形態(6)について図11及び図12に基づき説明する。図11は、実施の形態(6)に係る便座カバー1Fの斜視図である。
従来、便座カバーとしては、暖房便座の代わりとして用いる、パイル地を用いたものが挙げられる。しかしながら、このような便座カバーは夏場に使用した際には蒸れるなどの問題点があるため、夏場においては取り外されることが多かった。
そこで、本発明では、上記従来の状況に鑑み、夏場に使用した際にも蒸れることがなく、高い放熱性、通気性を有する便座カバーを提供することを目的とする。
この便座カバー1Fは、コイル状の金属線材から形成される放熱フィン11を、略々馬蹄状の外装体32に収納することにより構成されている。なお、放熱フィン11の材質等、その他の構成については上記実施の形態(1)に準ずる。便座gは外装体32によって被覆され、放熱フィン11はその扁平な面111を外装体32の座面32aと平行になるように配置されている。そして、放熱フィン11は、扁平な面111と平行方向に対して屈曲され、外装体の形状に沿って配置される。
また、外装体32は、糸321、322から得られるパイル状に起毛された生地により形成されている。そして、外装体32は起毛された部分に無数の空隙部323を有し、被放熱体との間で熱伝達を促す放熱経路部12を構成する。
この実施の形態では、放熱フィン11が扁平な面と平行な方向に対しても容易に屈曲するため、略々馬蹄状を呈する外装体32に沿って容易に追従させることが可能となる。また、便座gを使用する人の熱は、金属線材からなる放熱フィン11に伝わり、放熱フィン11の接続部113を介して放熱フィン11の全体に速やかに伝熱される。そして、放熱フィン11全体に伝導した熱は、放熱フィン11の空隙部112、外装体32の空隙部323を介して外装体32の外部へと放出される。
また、放熱フィン11の空隙部112、外装体32の空隙部323を通して熱気が拡散し汗などの水分が気化するため、蒸れたりすることがない。また、水分の気化熱によりフィンが冷却されるため快適な使用感を得ることができる。
次に、本発明の実施の形態(7)について図13及び図14に基づき説明する。図13は、実施の形態(7)に係る椅子カバー1Gの斜視図である。
椅子カバーとしては、従来から繊維からなる織布等を用いたものが知られているが、通気性などを考慮したものはなく、長時間使用した際には蒸れることが多く、特に夏場においては湿気のため雑菌が繁殖するという問題点があった。
そこで、本発明では、上記従来の状況に鑑み、夏場においても蒸れることなく高い放熱性、通気性を有する椅子カバーを提供することを目的とする。
この椅子カバー1Gは、コイル状の金属線材から形成される放熱フィン11を、椅子hの背もたれ部分や、座面部分を被覆する外装体33A、33Bの内部に収納することによって概略構成されている。そして、外装体33A、33Bの人体等の被放熱体と接触する接触面33aに沿って、複数の放熱フィン11が配置される。そして、被放熱体との接触面33aには穴34が設けられており、被放熱体との間で熱伝達を促す放熱経路部12を構成する。なお。放熱フィン11自体の構成等は上記実施の形態(1)に準ずる。
また、外装体33A、33Bには、椅子hの座面、または背もたれなどに取り付けるための取付構造部331が備えられている。取付構造部としては、ゴムなどの弾性体、紐、面ファスナー等の各種手段を用いることができる。
実施の形態(7)に係る椅子カバー1Gによれば、図13、14に示すように、人が座った場合において、金属線材が扁平に形成された表面積の大きい放熱フィン11が接触面33aに設けられた穴34から露出されるため、被放熱体である身体と直接接触し、身体の熱が速やかに放熱フィン11に伝わる。そして、放熱フィン11の接触部113を介して、身体の熱は放熱フィン11全体へ伝えることができる。そして、放熱フィン11の全体に伝導した熱は、放熱フィン11の空隙部112、及び放熱経路部12を構成する穴34を介して外装体33A、33Bの外部へと放出される。
また、放熱フィン11の空隙部112、及び放熱経路部12を構成する穴34を通して熱気が拡散し、汗などの水分が気化するため蒸れたりすることがない。また、水分の気化熱により放熱フィンが冷却されるため、快適な使用感を得ることができる。
さらに、本発明の実施の形態(8)を図15及び図16に示す。図15は、この実施の形態(8)に係る帽子の斜視図である。
従来、通気性を向上させた帽子としては、メッシュ性の素材等を用いて通気性を向上させた帽子が知られている。しかしながら、ただ単にメッシュ性の素材を用いただけでは、熱の放出を十分に促すことができないという問題点があった。
そこで、本発明では、上記従来の状況に鑑み、高い放熱性、通気性を有し、熱の放出が十分に行われる帽子を提供することを目的とする。
この帽子1Hは、頭部を覆うクラウン部35と、つば部36とを備え、クラウン部35の内側周縁部352aに沿って折り返し部37が取り付けられて構成されている。そして、コイル状の金属線材から形成される放熱フィン11が、折り返し部37のクラウン部35に面する側37aに対して円周方向に沿って設けられている。なお、放熱フィン11の材質等、その他の構成については上記実施の形態(1)に準ずる。
また、折り返し部37は、通気性を有するメッシュを用いており、メッシュの空隙部が被放熱体との間で熱伝達を促す放熱経路部を構成する。そして、クラウン部35の周縁部352についても同様に通気性を有するメッシュが用いられており、メッシュの空隙部が放熱フィン11の伝わった熱を帽子1Hの外部へと放出する放熱経路部として作用する。なお、メッシュ以外にも、穴等を設けることにより経路部と機能させることも可能である。
この実施形態によれば、帽子を頭部iに装着した際には、クラウン部35の内側周縁に沿って取り付けられる折り返し部37は、人の額部分に接触する。そして、人の額部分が有する熱は、折り返し部37に設けられ、放熱経路部を構成するメッシュの空隙部を介して放熱フィン11へと伝えられる。放熱フィン11に伝導した熱は、接触部113を介して、放熱フィン11の全体に速やかに伝わる。そして、放熱フィン11の全体に伝わった熱は、放熱フィン11の空隙部112、及びメッシュからなるクラウン部の空隙部を介して帽子1Hの外部へと放出される。このため、人の身体において額部分は特に発熱量が多いが、本実施の形態の帽子を装着することにより、速やかに放熱することが可能となる。
また、人の身体において額部分は特に発汗量が多いが、放熱フィン11の空隙部112を通して熱気が拡散し、汗などの水分が気化するため蒸れたりすることがない。また、水分の気化熱により放熱フィン11が冷却されるため、快適な使用感を得ることができる。さらに、放熱フィン11は扁平な面に垂直な方向へ屈曲自在であるため、帽子の変形に良好に追従することができる。
さらに、本発明の実施の形態(9)を図17に基づいて説明する。図17は、この実施の形態(9)に係る帽子1Jの断面図である。
帽子1Jは、実施の形態(8)の帽子において、放熱フィン11が、クラウン部35の内側周縁部352aに沿うように設けられており、折り返し部を有しない構成となっている。なお、放熱フィン11の材質等、その他の構成については上記実施の形態(1)に準ずる。また、クラウン部35の材質等、その他の構成については上記実施の形態(8)に準ずる。
この実施形態によれば、上記実施の形態(8)と同様の効果を奏する。そして、特に折り返し部が存在せず、放熱フィン11が直接人体の額部分に直接接触するため、額部分の熱を速やかに放熱フィン11に伝えることが可能となる。
続いて、本発明の実施の形態(10)を図18及び図19に示す。図18は、この実施の形態(10)に係るヘルメット1Kの斜視図である。
従来、通気性を向上させたヘルメットとしては、外側を覆う保護部材に穴を設けたもの、緩衝部材に通気性を有する素材を用いたもの等が知られている。しかしながら、いずれの場合においても、十分な放熱性能は得られず使用の際に、蒸れるなどの問題点があった。
そこで、本発明は上記従来の状況に鑑み、高い放熱性と通気性を有するヘルメットを提供することを目的とする。
ヘルメット1Kは、外側を覆う保護部材38と、保護部材38の内側に設けられる緩衝部材39とから概略構成されている。そして、放熱フィン11が、緩衝部材39の内側面39aに沿うように、緩衝部材39の頭頂部391から周縁部392に向かった方向に複数個取り付けられている。そして、放熱フィン11のさらに内側には、被覆部材40が設けられている。なお、放熱フィン11の材質等、その他の構成については上記実施の形態(1)に準ずる。
保護部材38は、人体に装着した際に最も外側を覆うためのもので強化プラスチック等からなる。また、緩衝部材39は、保護部材38の内側に設けられ発泡部材等からなる。さらに、被覆部材40は、通気性を有するメッシュを用いており、メッシュの空隙部が被放熱体との間で熱伝達をを促す放熱経路部を構成する。なお、メッシュ以外にも、穴等を設けることにより放熱経路部を構成することも可能である。
ヘルメット1Kを頭部iに装着した際には、図19に示すように頭頂部付近には空洞部jを生じる。本実施の形態によれば、空洞部jに滞留した熱は、被覆部材40の空隙部を介して放熱フィン11に伝導する。そして、放熱フィン11は頭頂部391から周縁部392に向かって設けられており、熱が速やかに周縁部392まで伝わりヘルメット1Kの外部へと放出される。
なお、上記実施の形態(10)では、放熱フィン11が、頭頂部391から周縁部392へ向かって、緩衝部材39の内側面に沿って取り付けられているが、頭頂部の中心から周縁部392に向かって放射状に放熱フィン11を配置しても良い。
次に、本発明の実施の形態(11)を図20〜図22に基づいて説明する。図20は、この実施の形態(11)に係るヘアバンドの斜視図である。
ヘアバンドとしては、従来、綿やポリエステル等の繊維からなるパイル地を利用したものが知られている。しかしながら、このようなヘアバンドでは十分な放熱性能が得られないという問題点があった。
そこで、本発明では上記従来の状況に鑑み、十分な放熱性と通気性を有するヘアバンドを提供することを目的とする。
実施の形態(11)に係るヘアバンド1Lは、コイル状の金属線材から形成される放熱フィン11と、放熱フィン11を収納する伸縮自在なリング状のバンド本体41とを備える。そして、放熱フィン11は扁平に形成された面111が前記内周面に沿うように円周方向に複数個配置される、そして、バンド本体40には、複数個設けられた放熱フィン11が位置ずれしないように、各放熱フィン11の間が縫合され、各放熱フィン11が収納される袋体が構成される。なお、放熱フィン11の材質等、その他の構成については上記実施の形態(1)に準ずる。
また、バンド本体41には、頭部に装着した際に頭部と接触する内側面41aには穴411aが設けられており、放熱フィン11が穴411aから露出するように構成されている。また、穴411aは被放熱体との間で熱伝達を促す放熱経路部12を構成する。さらに、外部にする外側面41bについても同様に穴411bが設けられており、ヘアバンド1Lの外側へ熱を放出する経路部として作用する。なお、リング状のバンド本体41には、通気性を有するメッシュ等を用いることも可能である。
本実施の形態によれば、ヘアバンド1Lを頭部に装着した際に、放熱フィン11が内側面41aに設けられた穴411aから露出しており、被放熱体である頭部と直接接触する。続いて、放熱フィン11の接触部113を介して、頭部の熱は効率よく放熱フィン11の全体に伝熱される。そして、放熱フィン11の全体に伝導した熱は、放熱フィン11の空隙部112、及び外側面41bに設けられた穴411bを介してヘアバンド本体41の外部へ放出される。
また、放熱フィン11の空隙部112を通して熱気が拡散し、汗などの水分が気化するため蒸れたりすることがない。また、水分の気化熱により放熱フィン11が冷却されるため、快適な使用感を得ることができる。
さらに、伸縮自在なヘアバンド本体に、円周方向に沿って複数個の放熱フィン11を設けているため頭部に装着する際にも容易に伸縮させることが可能となっている。また、放熱フィン11は、特に扁平な面111に垂直な方向に対して柔軟に屈曲し、装着、脱着等の使用状態に応じて容易に変形するため、快適な使用感を得ることができる。
さらに、本発明の実施の形態(12)を図23及び図24に基づいて説明する。図23は、この実施の形態(12)に係るシューズの斜視図である。
シューズとしては、通気性を有するメッシュ素材などをアッパー部材に使用したものが知られている。しかしながら、シューズの通気性を高くしただけでは十分ではなく、特に長時間使用した場合にはシューズの中が蒸れてしまうという問題点があった。
上記従来の状況に鑑み、本発明では、長時間シューズを使用した際にも蒸れることがない高い放熱性能を有するシューズを提供することを目的とする。
シューズ1Mは、ソール42と、ソール42の上に固着され足表面を覆うアッパー部材43とから主に構成されている。そして、コイル状の金属線材から形成される放熱フィン11が甲被部431の足と接触する接触面に対して平行に取り付けられている。なお、放熱フィン11の材質等、その他の構成については上記実施の形態(1)に準ずる。
そして、甲被部431は、通気性を有するメッシュを用いており、メッシュの空隙部がシューズ1Mの外部へ熱を放出する放熱経路部として作用する。なお、メッシュ以外にも、穴等を設けることにより放熱経路部を構成することも可能である。
また、甲被部431に設ける放熱フィン11は、上述のように、巻回単位が相互に接触した接触部113を、溶接等の手段によって金属線材同士が離れないように固定することが好ましい。このようにすると、足の動きによって甲被部431に激しい変形が加わった場合にも、放熱フィン11が伸びきったりせずに柔軟に追従することができる。
本実施の形態によれば、放熱フィン11が甲被部431の足と接触する接触面に設けられているので、被放熱体である足の熱を効率良く放熱フィン11へと伝導することができる。そして、放熱フィン11の接触部113を介して、放熱フィン11全体へ伝熱することができる。放熱フィン11の全体に伝導した熱は、放熱フィン11の空隙部112、及びメッシュの空隙部を介してシューズの外部へと放出される。
また、放熱フィン11の空隙部112を通して熱気が拡散し、汗などの水分が気化するため蒸れたりすることがない。また、水分の気化熱により放熱フィン11が冷却されるため、快適な使用感を得ることができる。
さらに、本発明の実施の形態(13)に係るシューズを図25及び図26に基づいて説明する。図25は、この実施の形態(13)に係るシューズの斜視図である。
シューズ1Nは、上記実施の形態(12)のシューズにおいて、コイル状の金属線材から得られる放熱フィン11がアッパー部材43の爪先部432の内側面に沿って取り付けられている。具体的には、爪先部432において、補強部434が存在しない部位に設けられている。なお、放熱フィン11の材質等、その他の構成については上記実施の形態(1)に準ずる。
そして、アッパー部材43の爪先部432は、通気性を有するメッシュを用いており、メッシュの空隙部がシューズ1Nの外部へ熱を放出する放熱経路部として作用する。なお、メッシュ以外にも、穴等を設けることにより放熱経路部と機能させることも可能である。
爪先部432に設ける放熱フィン11は、上述のように、巻回単位が相互に接触した接触部を、溶接等の手段によって金属線材同士が離れないように固定することが好ましい。このようにすると、足の動きによってアッパー部材43に激しい変形が加わった場合にも、放熱フィン11が伸びきったりせずに柔軟に追従することができる。
実施の形態(13)に係るシューズによれば、放熱フィン11が爪先部432の足の爪先と接触する接触面に設けられているので、被放熱体である爪先の熱を効率良く放熱フィン11へと伝導することができる。そして、放熱フィン11の接触部113を介して、放熱フィン11全体へ伝熱することができる。放熱フィン11の全体に伝導した熱は、放熱フィン11の空隙部112、及びメッシュの空隙部を介してシューズの外部へと放出される。このため、爪先部432は特に熱が滞留しやすいが、熱を滞留させることなく速やかにシューズ1Nの外部へと放出することが可能となる。
また、足の爪先は汗等よく分泌するが、放熱フィン11の空隙部112を通して熱気が拡散し、汗などの水分が気化するため蒸れたりすることがない。また、水分の気化熱により放熱フィン11が冷却されるため、快適な使用感を得ることができる。
さらに、本発明の実施の形態(14)に係るシューズを図27及び図28に基づいて説明する。図27は、この実施の形態(14)に係るシューズの斜視図である。
シューズ1Pは、上記実施の形態(12)のシューズにおいて、コイル状の金属線材から形成される放熱フィン11がアッパー部材の踵部433に取り付けられている。具体的には、放熱フィン11が踵部433の内側面に設けられた緩衝材436の内側面に沿って設けられている。緩衝材436の内側面は、足の踵部と接触する接触面となる。なお、放熱フィン11の材質等、その他の構成については上記実施の形態(1)に準ずる。
アッパー部材43の踵部433は、一般的に皮革、合成樹脂等が用いられる。そして、踵部433には、通気性を保つために穴437が設けられており、放熱経路として作用する。また、緩衝材436は、通気性を有するメッシュを用いており、メッシュの空隙部がシューズ1Pの外部へ熱を放出する放熱経路部として作用する。なお、メッシュ以外にも、合成繊維や天然繊維からなる織布等に穴等を設けることにより放熱経路部と機能させることも可能である。
踵部433に設ける放熱フィン11は、上述のように、巻回単位が相互に接触した接触部を、溶接等の手段によって金属線材同士が離れないように固定することが好ましい。このようにすると、足の動きによって踵部433に激しい変形が加わった場合にも、放熱フィン11が伸びきったりせずに柔軟に追従することができる。
実施の形態(14)に係るシューズ1Pによれば、放熱フィン11が踵部433の足の踵部と接触する接触面に設けられているので、被放熱体である踵部433の熱を効率良く放熱フィン11へと伝導することができる。そして、放熱フィン11の接触部113を介して、放熱フィン11全体へ伝熱することができる。放熱フィン11の全体に伝導した熱は、放熱フィン11の空隙部112、及びメッシュの空隙部を介してシューズの外部へと放出される。このため、踵部433は特に熱が滞留しやすいが、熱を滞留させることなく速やかにシューズ1Pの外部へと放出することが可能となる。
また、放熱フィン11の空隙部112を通して熱気が拡散し、汗などの水分が気化するため蒸れたりすることがない。また、水分の気化熱により放熱フィン11が冷却されるため、快適な使用感を得ることができる。
さらに、本発明の実施の形態(15)に係る中敷き1Qを図29及び図30に基づいて説明する。図29は、この実施の形態(15)に係る中敷きの平面図である。
中敷き1Qは、コイル状の金属線材から形成される放熱フィン11と、放熱フィン11が設けられる中敷き本体45とから概略構成されてなる。そして、放熱フィン11を覆うように被覆部材46が設けられ、中敷き本体45と被覆部材46のそれぞれの端部451、461において縫い付けて固定されている。なお、放熱フィン11の材質等、その他の構成については上記実施の形態(1)に準ずる。
また、被覆部材46は、通気性を有するメッシュを用いており、メッシュの空隙部が被放熱体である足裏との間で熱伝達を促進する放熱経路部を構成する。そして、メッシュの空隙部からは放熱フィン11が露出している。なお、メッシュ以外にも、合成繊維や天然繊維からなる織布等に穴等を設けることにより放熱経路部と機能させることも可能である。
中敷き本体45に設ける放熱フィン11は、上述のように、巻回単位が相互に接触した接触部を、溶接等の手段によって金属線材同士が離れないように固定することが好ましい。このようにすると、足の動きによって中敷き1Qに激しい変形が加わった場合にも、放熱フィン11が伸びきったりせずに柔軟に追従することができる。
実施の形態(15)に係る中敷き1Qは、シューズの中に入れて用いる。本実施の形態によれば、足を装着した場合には、放熱フィン11が被覆部材46のメッシュの空隙部から露出しており、被放熱体である足裏と直接接触して足裏の熱が放熱フィン11に伝熱する。その際、足裏の中でも踵部と爪先部において接触する。続いて、放熱フィン11の接触部113を介して、足裏の熱が放熱フィン11の全体に伝熱される。そして、放熱フィン11全体に伝導した熱は、放熱フィン11の空隙部112、及び被覆部材46に設けられた放熱経路部を介して中敷き1Qの外部へと放出される。この際、足裏の中でも土踏まずの部分は中敷き1Qと接触しないため、熱の放出が容易に行われる。中敷き1Qから放出された熱は、足とシューズの隙間やシューズに設けられた空隙部などを介してシューズの外部へと放出される。このため、熱を滞留させることなく速やかに中敷き1Qの外部へと放出することが可能となる。
また、放熱フィン11の空隙部112を通して熱気が拡散し、汗などの水分が気化するため蒸れたりすることがない。そして、水分の気化熱により放熱フィン11が冷却されるため、快適な使用感を得ることができる。さらには、コイル状の金属線材を利用して得られた放熱フィン11が凹凸形状を呈するため、マッサージ効果が得られる。
続いて、本発明の実施の形態(16)に係るギプスを図31及び図32に基づいて説明する。図31は、この実施の形態(16)に係るギプスの斜視図である。
ギプスは長時間使用することが多くギプス装着部位での蒸れが問題となることが多かった。蒸れを防止するためのギプスとして、吸水性の高いレーヨン繊維等を用いたものが挙げられる。また、他にも通気性を有するメッシュ素材などを用いるものが挙げられるが、いずれも十分な蒸れ防止効果を有するものではなかった。
そこで、本発明では上記従来の状況に鑑み、高い放熱性、通気性を有し、十分な蒸れ防止効果を有するギプスを提供することを目的とする。
このギプス1Rは、コイル状の金属線材から形成される放熱フィン11が、患部を被覆し固定するための保護部材47の内側に配置されて概略構成されている。放熱フィン11を設ける際には、放熱フィン11の扁平に形成された面111がギプス1Rの内側面47bに沿うように配置される。なお、放熱フィン11の材質等、その他の構成については上記実施の形態(1)に準ずる。
保護部材47としては、一般的な石膏や水硬性のポリエステル材等を用いることができる。また、放熱フィン11を設ける際には、例えば放熱フィン11を予め通気性の良い布に埋め込んでおき、その布を患部にあてがった上にギプス1Rの材料を成形硬化させる等して行うことができる。そして、保護部材47は、端部に外側面47と内側面47bの端部に面ファスナー472、471が設けられておりギプス1Rが脱着可能となるように構成されている。
この実施形態によれば、ギプス1Rの内側にこもった熱が、コイル状の金属線材からなる放熱フィン11によって拡散され、速やかに放熱される。また、放熱フィン11を介してギプス1Rが患部に確実に固定されつつも、空隙部によって空気が流動するため、ギプス1Rの内側を涼しく清潔に保つことができる。
なお、放熱フィン11の材質等、その他の構成については上記実施の形態(1)に準ずる。
次に、本発明の実施の形態(17)に係る熱冷ましシートを図33に示す。図33は、この実施の形態(17)に係る熱冷ましシートの平面図である。
熱冷ましシートとしては、従来ゲルを用いたものが知られている。このゲルを用いた熱冷ましシートは、ゲルが熱を吸収、放出するように構成されている。しかしながら、ゲルは十分な放熱性能をもたないため、一定時間使用した後は取り替える必要があるという問題点があった。
そこで、本発明は上記従来の状況に鑑み、高い放熱性と通気性を有し、長時間にわたって効果を持続できる熱冷ましシートを提供することを目的とする。
熱冷ましシート1Sは、コイル状の金属線材から形成される複数の放熱フィン11と、その放熱フィン11を被放熱体に固定するための取付構造部材48とを備えることによって概略構成されている。なお、放熱フィン11の材質等、その他の構成については上記実施の形態(1)に準ずる。
取付構造部材48は、固定部材481と放熱フィン11との接続部材482とから構成されている。固定部材481は面ファスナー483、ホック等を用いることができる。また、接続部材482としては、ゴム等の弾性部材が好ましく用いられる。
この実施の形態の熱冷ましシート1Sは、放熱フィン11が直接人体の額に接触するように頭部に装着され、取付構造部材48により固定される。この実施の形態によれば、人の額から発する熱は直接接触する放熱フィン11に伝わる。そして、放熱フィン11に伝わった熱は、放熱フィンの接触部113を介して放熱フィン全体に伝わる。そして、放熱フィン11の空隙部112が通気性を有するため、空隙部112を介して空気中へと熱が放出される。
また、放熱フィン11の空隙部112を通して熱気が拡散し、汗などの水分が気化するため蒸れたりすることがない。また、水分の気化熱により放熱フィン11が冷却されるため、快適な使用感を得ることができる。
次に、本発明の実施の形態(18)に係る解凍シート1Tを図34に基づいて説明する。図34は、この実施の形態(18)に係る解凍シート1Tの斜視図である。
解凍シートとしては、従来高熱伝導性を有する炭素質系のセラミックを用いたものが知られている。この炭素質系セラミックを用いた解凍シートは、解凍対象物との接触面で熱交換により解凍するものである。しかしながら、このようなシートを用いた場合、表面積が十分でないため解凍を速やかに行うことができないという問題点があった。また、材質が高価なものであるという問題点があった。さらに、他の解凍シートとしては、アルミニウムの平板からなるものが従来知られている。しかしながら、平板であるため表面積が小さく解凍のための熱を得るのが不十分であるという問題点があった。
そこで、本発明は上記従来の状況に鑑み、高い表面積を有し、速やかに解凍対象物を解凍することのできる解凍シートを提供することを目的とする。
解凍シート1Tは、コイル状の金属線材から形成される放熱フィン11が、複数連結して配置されて概略構成されている。具体的には、平行に並べられた複数の放熱フィン11が金属線材49により連結されている。そして、解凍シート1Tは、解凍対象物mに対して大きな面積を有するものを用いている。なお、放熱フィン11の材質等、その他の構成については上記実施の形態(1)に準ずる。
本実施の形態では、解凍シート1Tの上面に解凍対象物mを載置して用いる。この実施の形態によれば、外気の熱が直接解凍対象物mに伝わるだけではなく、放熱フィン11を介して解凍対象物mの底面からも熱を伝えることが可能となる。具体的には、放熱フィン11が大きな表面積を有するため、多くの外気の熱が放熱フィン11の表面に伝わることとなる。そして、放熱フィン11の表面に伝わった熱は、温度勾配により解凍対象物mの載置された放熱フィン11の中央部にに伝わる。この際、放熱フィン11は接触部113を有するため、速やかに熱が伝えられる。そして、放熱フィン11の中央部に集積した熱は、解凍対象物mに与えられ、速やかに解凍される。
また、解凍が進むにつれて解凍対象物からはドリップが漏出するが、放熱フィン11は、空隙部112を有するため解凍シート1Tの下面にドリップを排出することができる。このため、解凍シート1T上にドリップを残することなく解凍することが可能となる。
なお、上記実施の形態(18)では、複数の放熱フィン11の連結は、金属線材を用いて行われているが、半田付け、半田メッキ、接着剤、粘着剤、振動溶接、フラッシュ溶接などの手段により、各放熱フィン11を離れないように固定することができる。
次に、本発明の実施の形態(19)に係るパソコン用放熱シート1Uを図35及び図36に基づいて説明する。図35は、この実施の形態(19)に係るパソコン用放熱シート1Uの斜視図である。
パソコン用放熱シートとしては、従来外装体内にゲルを内包したものが知られている。このゲルを用いたパソコン用放熱シートは、ゲルが熱を吸収、放出するように構成されている。しかしながら、ゲルは十分な放熱性能をもたないため、一定時間使用した後は取り替える必要があるという問題点があった。
そこで、本発明は上記従来の状況に鑑み、高い放熱性、通気性を有し、長時間にわたって放熱性能を維持することが可能なパソコン用放熱シートを提供することを目的とする。
パソコン用放熱シート1Uは、コイル状の金属線材から形成される放熱フィン11が、略々長方形状の外装体50に収納されることによって概略構成されている。放熱フィン11の扁平に形成された面が外装体50のパソコンとの接触面50aと平行になるように配置される。具体的には、外装体50は、長手方向に対して二つ折りできるように中間位置が縫い付けられ、二つの袋体50A、50Bに分割されている。そして、放熱フィン11は各袋体50A、50B内に配置され、外装体50に対して縫いつけて固定される。この際、放熱フィン11の配置する方向は、外装体の長手方向に沿って設けられている。また、外装体50には、穴501が設けられ、被放熱体であるパソコン本体nとの間で熱伝達を促す放熱経路部12を構成する。
上記実施の形態のパソコン用放熱シート1Uは、その接触面50aにパソコン本体を載置用いる。この実施の形態によれば、放熱フィン11は、外装体50の接触面50aに設けられた穴501から露出しており、被放熱体であるパソコン本体nから直接熱伝達される。続いて、放熱フィン11の接触部113を介して、パソコン本体nの熱は効率よく放熱フィン11の全体に伝熱される。そして、放熱フィン11全体に伝導した熱は、放熱フィン11の空隙部112、及び放熱経路部12として作用する穴501を介して外装体50の外部へと放出される。このため、パソコン本体nから発する熱は、下面より速やかに放熱され、パソコン本体nの過度の温度上昇を防ぐことが可能となる。
なお、上記実施の形態(19)においては、放熱フィン11が外装体50に対して縫いつけて固定されているが、外装体50を一定間隔おきに縫い付けて袋体を形成し、各袋体に放熱フィン11を一つずつ配置することもできる。
次に、本発明の実施の形態(20)に係るパソコン用放熱シート1Vを図37に基づいて説明する。図37は、この実施の形態(20)に係るパソコン用放熱シート1Vの斜視図である。
パソコン用放熱シート1Vは、コイル状の金属線材から形成される放熱フィン11が、複数連結して配置されて概略構成されている。具体的には、平行に並べられた複数の放熱フィン11が金属線材51により連結されている。そして、パソコン用放熱シート1Vは、パソコン本体nに対して大きな面積を有するものを用いている。また、放熱フィン11はパソコン本体nが載置されている部分から長さ方向に突出するように配置されてなる。なお、放熱フィン11の材質等、その他の構成については上記実施の形態(1)に準ずる。
この実施の形態のパソコン用放熱シート1Vは、その上面にパソコン本体nを載置して用いる。この実施の形態によれば、パソコン本体から発する熱は直接接触する放熱フィン11に伝わる。そして、放熱フィン11に伝わった熱は、放熱フィンの接触部113を介して放熱フィン全体に伝わる。そして、放熱フィン11の空隙部112が通気性を有するため、空隙部112を介して空気中へと熱が放出される。この際、パソコン用放熱シート1Vが、パソコン本体nよりも大きな表面積を有するため、容易に空気中へと熱を放出することができる。特に、放熱フィン11がパソコン本体nと直接接触するため、上記実施の形態(19)のパソコン用放熱シートと比較して小さな面積で同程度の放熱性能を得ることができる。
なお、上記実施の形態(20)では、複数の放熱フィン11の連結は、金属線材を用いて行われているが、半田付け、半田メッキ、接着剤、粘着剤、振動溶接、フラッシュ溶接などの手段により、各放熱フィン11を離れないように固定することができる。
次に、本発明の実施の形態(21)に係るワインクーラー1Wを図38に基づいて説明する。図38は、この実施の形態(21)に係るワインクーラー1Wの断面図である。
従来、ワインクーラーとしては、ステンレスやアルミニウム等を用いた円筒状のものが知られている。ワインボトルを内管に収納し、外部を氷により冷却する等してワインボトルを冷却するものである。しかしながら、ワインクーラーの円筒内側面は平面であり、ワインボトルを冷却するために十分な冷熱が伝わるものではなかった。
そこで、本発明は上記従来の状況に鑑み、高い冷却効果を有するワインクーラーを提供することを目的とする。
ワインクーラー1Wは、コイル状の金属線材から形成される放熱フィン11が、ワインの瓶pを挿入するための略々円筒状の金属部材52の内側面521に配置されることによって概略構成されている。なお、放熱フィン11の扁平に形成された面が金属部材52の内側面521と平行になるように配置される。そして、放熱フィン11の内側面への固定は、半田付け、半田メッキ、接着剤、粘着材、振動溶接、フラッシュ溶接などの手段により行うことができる。なお、フィン11の材質等、その他の構成については上記実施の形態(1)に準ずる。
具体的には、金属部材52は、底面522に向かって逆テーパー状を呈している。そして、金属部材52の底面522には、ワインボトルpの底部の凹部と嵌合する凸部523が設けられる。
この実施の形態によれば、ワインクーラー1Wは氷水等に浸すと、冷熱が金属部材52に伝熱し、さらに金属部材52の内側面521に沿って設けられた表面積の大きなコイル状の金属線材からなる放熱フィン11に伝導する。そして、放熱フィン11は大きな表面積を有するため、熱が速やかに拡散され、ワインクーラー1Wの内側面521に挿入されたワインボトルpは速やかに冷却される。
また、金属部材52の内側面521に設けられた放熱フィン11は、コイル状の金属線材を扁平にして形成されたものであり、ワインボトル1Wが挿入される際に、スプリングとして機能し、ワインボトルpがワインクーラー1Wの内側面に確実に固定される。このため、ワインクーラー1Wが倒れた場合などにおいても、ワインボトルpがワインクーラー1Wから飛び出ることがない。
また、本発明の実施の形態(22)に係るジャケットを図39及び図40に基づいて説明する。図39は、この実施の形態(22)に係るジャケットの図である。
従来の放熱性を向上させたジャケット、衣服としては、弾性部材の上の体に接する部分の近傍に形成されたほぼ平行平面状の冷却流通路と、冷却流通路に空気を流入させる流入口と、冷却流通路から空気を流出させる流出口と、流入口側又は流出口側に設けられた電動ファンと、電動ファンと冷却流通路との間に設けられた接続流通路とを有し、電動ファンにより、体温よりも温度の低い周囲の空気を冷却流通路において体表とほぼ平行に流通させることによって体との温度勾配を大きくし、体から発せられる熱を放熱して体を冷却する冷却衣服が知られている。しかしながら、上述のような製品は、空気を流通させることによってある程度の放熱性は得られるが、十分な性能ではなく、また伝導ファンなどの大がかりな装置が必要であるという問題点があった。そのため、複雑な装置を用いずに放熱性をジャケットの開発が望まれていた。
そこで本発明は、上記従来の状況に鑑み、高い放熱性、通気性を発揮でき、伝導ファン等の装置を別途使用する必要がないジャケットを提供することを目的とする。
ジャケット1Xは、コイル状の金属線材から形成される放熱フィン11が、ジャケットの表地53と裏地54との間に埋め込まれて概略構成されている。そして、裏地54には穴56が設けられており、被放熱体との間で熱伝達を促進する放熱経路部12を構成する。また、表地53には穴55が設けられており、ジャケット1Xの外側へ熱を放出する放熱経路部として作用する。なお、表地53と裏地54には、通気性を有するメッシュ等を用いることも可能である。
なお、放熱フィン11の材質等、その他の構成については上記実施の形態(1)に準ずる。また、放熱フィン11の埋め込む位置は、背側部等の特に熱がこもりやすい位置に、体の動きが制限されない方向に沿って設けることが好ましい。
また、ジャケット1Xの表地53と裏地54に設けられた穴55及び56の大きさ、数は適宜設定することができ、例えば、熱がこもりやすい背側部等に設けられる穴56を周辺よりも大きくしたり、数多く設けることなどにより放熱フィン11の露出度を高めたりしても良い。また、本実施の形態では、放熱経路部として、穴55、56を設けたが、高い通気性を有するメッシュ状の生地を用いることで放熱経路部12を構成することも可能である。
実施の形態(22)に係るジャケット1Xによれば、ジャケット1Xを身体の上半身に装着した際に、放熱フィン11が裏地54に設けられた穴56から露出しており、被放熱体である身体と直接接触し、放熱フィン11に伝熱される。また、ジャケット内部の熱も穴56から露出した放熱フィン11に伝熱される。そして、放熱フィン11の接触部113を介して、効率よく放熱フィン11の全体に伝熱される。さらに、放熱フィン11の全体に伝導した熱は、放熱フィン11の空隙部112、及び表地53に設けられた穴55を介してジャケット1Xの外部へ放出される。このため、ジャケットの内部に身体の熱が滞留することがなく、蒸れたりせず快適な使用感を得ることができる。
また、放熱フィン11の空隙部112を通して熱気が拡散し、汗などの水分が気化するため蒸れたりすることがない。また、水分の気化熱によりフィンが冷却されるため、快適な使用感を得ることができる。
また、本発明のジャケットは、工場などで用いられる作業着として好適に用いられる。作業着は比較的厚手のものが多く、また作業時には身体から多くの熱や汗を発散するが、本実施の形態のジャケット1Xを用いることにより、作業時にも快適な使用感を得ることができる。
なお、上記実施の形態(1)〜(22)では、円形のコイル状に巻回される金属線材を用いているが、これに限定されるものではない。すなわち、円形以外にも三角形や四角形等の多角形、楕円形、星形等の種々の形状に巻回されたコイル状の金属線材を用いることができる。四角形に巻回されたコイル状の金属線材を用いた場合には隣接する巻回単位が線と線で重なり合い、密着する面積が大きくなるため熱伝導性が高まる。また、星型等の複雑な形状に巻回されたコイル状の金属線材を用いた場合には、表面積が大きくなるため放熱性能が向上する。
なお、上記実施の形態(1)〜(22)では、金属線材として断面が円形状のものを用いているが、異形面に形成されたものを用いても良い。異形面としては、(a)多角形状のもの、(b)星形状のもの、(c)複数の金属線を撚ってワイヤ状としたもの、(d)長方形状(テープ状)のもの等のように、種々の形状を採用することが可能である。特に、星型状、ワイヤ状のもの等は特に複雑な形状からなり、表面積が大きくなるため放熱性能が向上する。また、ワイヤきず等のように線材にきずを形成して異形面に形成することも可能である。