JP4303509B2 - マツの子葉胚を発生させる方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物胚をインビトロにて発生させる方法、および所望により植物胚から植物を発生させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
木材物品を製造するためのマツの木の需要が増大し続けている。こうした需要に対して提唱されている1つの方策は、望ましい特性(例えば高い生長速度)を有していて、高品質の木の、遺伝学的に同一の多くのクローンを発生するような個々の木を体細胞クローニングによって識別するというものである。これらのクローンを培養して、望ましい特性を有するマツの木の植生すなわち完全な森林を生成させることができる。
【0003】
マツの木をクローニングするための1つの方法では、純粋培養された生きているマツ組織を、マツ胚の形成を促進する条件下にてインビトロ処理し、次いで処理された組織から得られる全植物を利用する。純粋培養されたマツ組織を、1種以上のオーキシンおよび/またはサイトカイニンの存在下で培養して胚発生組織(embryogenic tissue)の形成と増殖を促進させることができ、次いでこの胚発生組織を、マツの子葉胚(cotyledonary pine embryos)の形成を促進するような条件下で培養する。次いで胚を発芽させて、マツの木を生成させることができる。マツの胚発生組織の1つの例は、マツの種子を切開して得られるマツ胚から、インビトロの組織培養によって形成することのできる胚柄塊(embryonal suspensor masses)(ESM)である。図1は、液体培地中におけるマツの胚柄塊を示している。図2は、ESMから形成されたマツの子葉胚を示している(胚の頂部に子葉が視認できる)。
【0004】
しかしながら、依然として続いている課題は、高い頻度で発芽してマツを生成できるようなマツ子葉胚の効率的な形成を刺激することである。インビトロにて形成されるマツの子葉胚は、マツの種子中においてインビボで形成される接合体のマツ胚(zygotic pine embryos)と、形態学的に、解剖学的に、そして生化学的に類似しているか又は同一であるのが好ましい。特に、従来技術の方法によって発生させるより多い数の接合体様のマツ子葉胚をインビトロで発生させる方法が求められている。新規の方法によって発生させたマツ子葉胚の発芽頻度および発芽特性が、従来技術の方法によって発生させたマツ子葉胚の発芽頻度および発芽特性より高くて優れているのが好ましい。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、マツの子葉胚を発生させる方法を提供する。本発明の方法は、従来技術の方法によって発生させるより多数の接合体様マツ子葉胚を発生する。さらに、本発明の方法によって発生させたマツ子葉胚の発芽頻度および発芽特性は、従来技術の方法によって発生させたマツ子葉胚の発芽頻度および発芽特性より高くて優れている。
【0006】
本発明の方法はいずれも、二糖類とグルコースとを含んだ培地中もしくは培地上にてマツの胚発生組織を培養してマツの子葉胚を発生させる工程を含み、ここで、前記二糖類と前記グルコースのそれぞれが培地中に3%未満の濃度にて存在する(すなわち、二糖類が培地中に3%未満の濃度で存在し、グルコースが培地中に3%未満の濃度で存在する)。幾つかの実施態様においては、培地がグルコース(3%未満の濃度で存在する)と少なくとも2種の二糖類とを含み、ここで、培地中における全ての二糖類の合計濃度が3%未満である。培地はさらに、1種以上の吸収性組成物を含んでもよい。本発明の方法はさらに、本発明に従って作製したマツの子葉胚から1つ以上のマツの木(例えば、マツの木の個体群)を発生させる工程を含んでよい。
【0007】
本発明の幾つかの実施態様の実施においては、一連の少なくとも2種の培地(このうちの少なくとも1種が二糖類とグルコースを含み、それぞれが培地中に3%未満の濃度で存在する)上もしくは培地中にて胚発生組織を順次培養する。二糖類とグルコースを含んだ培地を、胚発生組織からの子葉胚の発生と成熟を促進するよう適合させた。
【0008】
従って、幾つかの実施態様においては、本発明はマツの子葉胚を発生させる方法を提供し、前記方法はいずれも、(a)マツの胚発生組織(例えばマツの胚柄塊)を維持培地上もしくは維持培地中にて培養する工程; および(b)工程(a)に従って処理されたマツの胚発生組織を、グルコースと二糖類とを含んだ発生培地上にて培養してマツの子葉胚を形成させる工程、ここで、二糖類とグルコースのそれぞれが発生培地中に3%未満の濃度にて存在する; を含む。発生培地は、所望により吸収性組成物を含んでもよい。本発明のこの態様の方法は、マツの組織を開始培地(initiation medium)上もしくは開始培地中にて培養してマツの胚発生組織を発生させ、次いでこの胚発生組織を工程(a)において述べた維持培地上もしくは維持培地中にて培養する工程を所望により含んでもよい。
【0009】
他の態様においては、本発明は、本発明の方法に従って作製されるマツの子葉胚を提供する。
本発明の方法は、例えば遺伝学的もしくは生化学的な手段によってさらに特徴付けることのできる、および/または必要に応じて、発達したマツの木に生長させることのできる小さなマツ植物(pine plant)を生成するよう発芽させることのできるマツ子葉胚を作製するのに有用である。従って、例えば本発明の方法を使用して、1つ以上の望ましい特徴(例えば、高い生長速度や改良された木材特性)を有する個々のマツの木のクローンを生成させることができる。例えば、本発明のマツ子葉胚を使用して、1つ以上の望ましい特徴(例えば、高い生長速度や改良された木材特性)を有するマツの木の植生すなわち森林を生成させることができる。これらのマツの木を使用して木材製品を製造することができる。
【0010】
特に明記しない限り、本明細書で使用している用語はいずれも、本発明の技術分野における当業者にとって意味しているのと同じ意味を有する。
本明細書で使用している“子葉胚”とは、1つ以上の子葉を有する胚を意味している。
【0011】
“二糖類”とは、2つの単糖類残基で構成されている炭水化物を表わしている。二糖類の代表的な例としては、マルトース、スクロース、ラクトース、セロビオース、イソマルトース、ゲンチオビオース、ラミナリビオース、キトビオース、キシロビオース、イヌロビオース、マンノビオース、ヒアロビウロン酸、コンドロシン、およびセロビオウロン酸などがある。
【0012】
本明細書で使用している“胚発生組織”とは、本発明の方法に従って処理したときに1つ以上のマツの子葉胚を発生することができる、マツ科の植物から得られるあらゆる組織を表わしている。従って“胚発生組織”としては、例えばマツの胚柄塊がある。
【0013】
特に明記しない限り、パーセントとして表示されている濃度値はいずれも容量当たりの重量%である。
1つの態様においては、本発明はマツの子葉胚を発生させる方法を提供する。本発明の方法はいずれも、二糖類とグルコースとを含んだ培地中もしくは培地上にてマツの胚発生組織を培養してマツの子葉胚を発生させる工程を含み、ここで、二糖類とグルコースのそれぞれが培地中に3%未満の濃度にて存在する。
【0014】
本発明の方法の幾つかの実施態様においては、発生するマツ子葉胚の少なくとも50%(例えば少なくとも60%、または例えば少なくとも70%、または例えば少なくとも80%、または例えば少なくとも90%)が接合体様である(すなわち、同じ発生段階における接合体のマツ子葉胚と同じ形態学的特徴および生理学的特性を有する)。従って、本発明の方法の幾つかの実施態様においては、発生するマツ子葉胚の50%〜100%(例えば60%〜90%、または例えば70%〜80%)が接合体様である。
【0015】
一般に、本発明に従って作製したマツの子葉胚はいずれも、下記の特性の1つ以上を有する: すなわち、本発明に従って作製した胚は、グルコースおよび/または二糖類がいずれも培地中に3%未満の濃度で存在しないという点以外は同じように処理した胚より長い; 本発明に従って作製した胚は、どの胚も8〜12個の子葉を含む; 本発明に従って作製した胚は、グルコースおよび/または二糖類がいずれも培地中に3%未満の濃度で存在しないという点以外は同じように処理した胚より速く生長する(例えば、幾つかの実施態様においては、本発明に従って作製した胚は9週間以内に生長する)。
【0016】
本発明の方法を使用して、マツ科のどの植物でも〔例えば、テーダマツ(Pinus taeda)等のパイナス属の植物〕子葉胚を発生させることができる。
本発明を実施する上で有用な胚発生組織の1つの例は胚柄塊(ESM)である。ESMは、マツの種子から取り出されるプレ子葉胚(precotyledonary embryos)から用意することができる。一般には種子を表面殺菌してからプレ子葉胚を取り出し、次いで、発芽と分裂による増殖のプロセスにおける初期胚を含んだESMの形成を可能にする培地上もしくは培地中にてプレ子葉胚を培養する。培地は、必要であれば、初期胚の増殖を刺激するホルモンを含んでよい。培地中に組み込むことのできるホルモンの例としては、オーキシン(例えば2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D))およびサイトカイニン(例えば6-ベンジルアミノプリン(BAP))がある。オーキシンは、例えば1mg/リットル〜200mg/リットルの濃度で使用することができる。サイトカイニンは、例えば0.1mg/リットル〜10mg/リットルの濃度で使用することができる。マツのプレ子葉胚を培養してESMの形成を促すのに有用な培地の1つの例は、本明細書の実施例1に記載の培地BM1である。
【0017】
本発明の方法はいずれも、マツの胚発生組織を、二糖類とグルコースとを含んだ培地中もしくは培地上にて培養してマツの子葉胚を発生させる工程を含み、ここで、二糖類とグルコースのそれぞれが3%未満の濃度(例えば2.9%未満、または例えば2.8%未満、または例えば2.7%未満、または例えば2.6%未満)で存在する。本発明の幾つかの実施態様においては、二糖類とグルコースのそれぞれが培地中に1%〜2.5%の濃度にて存在する。本発明の方法の幾つかの実施態様においては、二糖類とグルコースのそれぞれが培地中に1%〜2.5%の濃度にて存在する。本発明の方法の幾つかの実施態様においては、二糖類とグルコースのそれぞれが培地中に2%〜2.5%の濃度にて存在する。本発明の方法の幾つかの実施態様においては、二糖類が培地中に2.5%の濃度にて存在し、グルコースが培地中に1%の濃度にて存在する。本発明の方法の幾つかの実施態様においては、培地がグルコースと少なくとも2種の二糖類とを含み、ここで、培地中のグルコースの濃度が3%未満であって、培地中の全二糖類の合計濃度が1%〜2.5%である。本発明の方法の幾つかの実施態様においては、培地がグルコースと少なくとも2種の二糖類とを含み、ここで、グルコースが培地中に3%未満の濃度で存在し、培地中の全二糖類の合計濃度が2%〜2.5%である。
【0018】
本発明の方法の幾つかの実施態様においては、マツの胚発生組織を、二糖類とグルコースをそれぞれ3%未満の濃度で含んだ培地中もしくは培地上にて6週間〜12週間(例えば8週間〜12週間、または例えば9週間〜11週間)培養する。本発明の方法の幾つかの実施態様においては、マツの胚発生組織を、二糖類とグルコースをそれぞれ3%未満の濃度で含んだ培地中もしくは培地上にて20℃〜24℃の温度(例えば21℃〜24℃の温度)で培養する。
【0019】
二糖類とグルコースとを含んだ培地は、培養された植物組織を維持する栄養分(例えば塩類)と、培地のオスモル濃度(osmolality)を所望の範囲内に調節するための1種以上の薬剤をさらに含んでもよい。例えば、培地のオスモル濃度は250mM/Kg〜450mM/Kg(例えば250mM/Kg〜350mM/Kg)であってよい。さらに、培地のpHを所望の値に調節することができる。例えば、培地のpHは4.5〜6.5(例えば5.0〜6.0)であってよい。
【0020】
二糖類とグルコースとを含む培地は、液体培地であっても固体培地であってもよい。液体培地を使用する場合は、一般には胚発生組織を吸収性支持体(例えば濾紙)上に置き、この支持体を液体培地中に浸す。固体培地を使用する場合は、胚発生組織を培地の表面上に置き、胚発生組織が固体培地の表面からある程度入り込んでもよい。従って固体培地は、ある程度固化していて、胚発生組織がその本体中に実質的に入り込めるような培地、および胚発生組織がその本体中に入り込めないような完全に固化した培地を含む。液体培地は、適切な量のゲル化剤(例えば、寒天やゲルライト)を加えることによって完全に、又はある程度固化させることができる。
【0021】
さらに、二糖類とグルコースを含んだ培地中に吸収性組成物を組み込むと、改良された発芽頻度と発芽特性とを有するマツ子葉胚の発生を大幅に促進することがわかった。吸収性組成物は、本発明の方法の実施に際して使用される濃度において胚発生組織に対し毒性がなく、培地中に存在している生長促進ホルモンと、胚の発生時に植物細胞から生成される毒性化合物とを吸収することのできる組成物であれば特に限定されない。従って、吸収されたホルモンは、培地中もしくは培地上での胚発生組織の生長促進に対してはもはや利用されず、吸収されたトキシンが植物細胞に悪影響を及ぼすことはない。これに関連して、“吸収性の(absorbing)”とは、培地中における吸収性組成物と1種以上の生長促進ホルモンおよび/またはトキシンとのあらゆる化学的もしくは物理的な相互作用(これによって、生長促進ホルモンおよび/またはトキシンが吸収性組成物に捕捉される)を包含している。
【0022】
従って、本発明の方法の幾つかの実施態様においては、生長促進ホルモン(例えば、オーキシンおよび/またはサイトカイニン)を含む培地中もしくは培地上にて胚発生組織を培養して、胚発生組織の増殖を促進する。充分な量の胚発生組織が得られたら、生長促進ホルモンを含まないが、二糖類とグルコース、そして所望により1種以上の吸収性組成物を含む培地に胚発生組織を移す。吸収性組成物が培地中に存在する生長促進ホルモンを捕捉し、これによって胚発生組織の増殖速度が低下するか又は増殖が完全に止まり、二糖類とグルコースが、胚発生組織からのマツ子葉胚の発生を誘発する。
【0023】
有用な吸収性組成物の例としては、活性炭、可溶性のポリ(ビニルピロリドン)、不溶性のポリ(ビニルピロリドン)、活性アルミナ、およびシリカゲルなどがあるが、これらに限定されない。吸収性組成物は、例えば0.01g/L〜5g/Lの量にて存在してよい。幾つかの実施態様においては、吸収性組成物は0.05g/L〜1g/Lの量にて存在する。1種より多い吸収性組成物(例えば少なくとも2種の吸収性組成物)が培地中に存在する本発明の方法の実施態様では、上記の濃度範囲は、培地中の全組成物の濃度を表わしている。
【0024】
本発明の幾つかの実施態様の実施においては、胚発生組織を、一連の少なくとも2種の培地(このうちの少なくとも1種の培地が二糖類とグルコースを含み、二糖類とグルコースのそれぞれが培地中に3%未満の濃度にて存在する)上もしくは培地中にて順次培養する。二糖類とグルコースを含んだ培地を、胚発生組織(例えば、1種以上の生長ホルモンで処理した胚発生組織)からの子葉胚の発生と生長を促進するよう適合させた。こうして得られたマツの子葉胚は、改良された発芽頻度と発芽特性を有している。
【0025】
本発明の幾つかの実施態様の実施においては、例えば、マツの胚発生組織(例えばESM)を、胚発生組織の細胞分裂と生長を促進するよう適合させた培地上もしくは培地中にて培養する。維持培地は、固体培地であっても液体培地であってもよく、こうした培地をかき混ぜて胚発生組織の生長と増殖を促進することができる。維持培地は、胚発生組織を維持する栄養分を含有してよく、また胚発生組織の細胞分裂と生長を促進するホルモン〔例えば、1種以上のオーキシン(例えば2,4-D)および/またはサイトカイニン(例えばキネチン、BAP)〕を含んでよい。オーキシンを使用する場合、維持培地中のオーキシンの濃度は、例えば0.1mg/L〜10mg/L(例えば0.1mg/L〜5mg/L)であってよい。2種以上のオーキシンが培地中に存在する場合、前記の濃度範囲は、培地中の全オーキシンの濃度を表わしている。サイトカイニンを使用する場合、維持培地中のサイトカイニンの濃度は、例えば0.1mg/L〜2mg/L(例えば0.1mg/L〜1mg/L)であってよい。培地中に2種以上のサイトカイニンが存在する場合、前記の濃度範囲は、培地中の全サイトカイニンの濃度を表わしている。
【0026】
一般には、マルトースを単独もしくは主要な糖源として維持培地中に含むのが望ましいが、必須要件ではない。マルトースは、0.5mg/L〜6mg/L(例えば1mg/L〜3mg/L)の濃度で存在してよい。
【0027】
維持培地のオスモル濃度は、所望の範囲(例えば、100mM/Kg〜250mM/Kg、又は100mM/Kg〜200mM/Kg)に調節することができる。維持培地のpHも、所望の範囲内(例えば、4.5〜6.5又は5.0〜6.0)の値に調節することができる。胚発生組織は一般に、20℃〜24℃(例えば21℃〜24℃)の範囲の温度で維持培地中もしくは維持培地上にて培養される。適切な維持培地の1つの例は、本明細書の実施例1に記載の培地BM2である。
【0028】
胚発生組織は、所望の量だけ増殖するまで(例えば、培養された胚発生組織の集合体によって決定される)維持培地中もしくは維持培地上にて培養される。次いで胚発生組織を、高品質のマツ子葉胚の発生を促進するよう適合された発生培地に移す。発生培地は、一般には固体培地であるが、液体培地であってもよい。
【0029】
発生培地は二糖類とグルコースを含み、それぞれが3%未満(例えば2.9%未満、2.8%未満、2.7%未満、または2.6%未満)の濃度で存在する。幾つかの実施態様では、二糖類とグルコースのそれぞれが発生培地中に1%〜2.5%の濃度にて存在する。幾つかの実施態様では、二糖類とグルコースのそれぞれが発生培地中に2%〜2.5%の濃度にて存在する。
【0030】
発生培地は、胚発生組織を維持する栄養分(例えば塩類)を含有してよい。適切な発生培地は、一般には生長促進ホルモン(例えば、オーキシンやサイトカイニン)を含まないが、ホルモンであるアブシジン酸を含んでよい。発生培地中にアブシジン酸を使用する場合、一般には1mg/L〜200mg/L(例えば1mg/L〜100mg/L)の範囲の濃度にて使用する。発生培地のオスモル濃度は、所望の範囲内の値(例えば250mM/Kg〜450mM/Kg、または250mM/Kg〜350mM/Kg)に調節することができる。発生培地のpHも、所望の範囲内の値(例えば4.5〜6.5、または5.0〜6.0)に調節することができる。胚発生組織は一般に、20℃〜24℃(例えば21℃〜24℃)の範囲の温度で発生培地中もしくは発生培地上にて培養する。適切な発生培地の1つの例は、本明細書の実施例1に記載の培地BM3である。
【0031】
本発明の方法の幾つかの実施態様においては、胚発生組織を発生培地中もしくは発生培地上にて6週間〜12週間(例えば、6週間〜9週間)にわたって培養する。従って、幾つかの実施態様においては、本発明はマツの子葉胚を発生させる方法を提供し、前記方法はいずれも、(a)マツの胚発生組織(例えば、マツの胚柄塊)を維持培地上もしくは維持培地中にて培養する工程; および(b)工程(a)に従って処理されたマツの胚発生組織を、二糖類とグルコースとを含んだ発生培地上もしくは発生培地中にて培養してマツの子葉胚を形成させる工程、ここで、二糖類とグルコースのそれぞれが、発生培地中に3%未満の濃度にて存在する; を含む。発生培地は、所望により吸収性組成物を含んでもよい。本発明のこの態様の方法は、マツの組織を開始培地中もしくは開始培地上にて培養してマツの胚発生組織を生成させ、次いでこの胚発生組織を、工程(a)に記載のように維持培地中もしくは維持培地上にて培養する工程を所望により含んでもよい。
【0032】
他の実施態様においては、本発明はマツの子葉胚を発生させる方法を提供し、前記方法はいずれも、(a)マツの胚発生組織(例えば、マツの胚柄塊)を固体維持培地上にて培養する工程; (b)工程(a)に従って処理されたマツの胚発生組織を液体維持培地中にて培養する工程; および(c)工程(b)に従って処理されたマツの胚発生組織を、二糖類とグルコースを含んだ固体発生培地上にて培養してマツの子葉胚を形成させる工程、ここで、二糖類とグルコースのそれぞれが、発生培地中に3%未満の濃度にて存在する; を含む。発生培地は、所望により吸収性組成物を含んでもよい。本発明のこの態様の方法は、マツの組織を開始培地中にて培養してマツの胚発生組織を生成させ、次いでこの胚発生組織を、工程(a)に記載のように維持培地上にて培養する工程を所望により含んでもよい。
【0033】
本発明の方法を使用して得られるマツの子葉胚は、所望により、小さなマツ植物(必要に応じてマツの木に生長させることができる)を形成するよう発芽させることができる。本発明のマツ子葉胚は、固体発芽培地(例えば、本明細書の実施例1に記載の培地BM5)上にて発芽させることができる。発芽した植物は、さらなる生長のために土壌に移すことができる。例えば、発芽した植物を温室の土壌中に植え、生長させてから野外の場所に移植することができる。一般には、マツの子葉胚に光を当てて発芽を刺激する。本発明の方法では通常、発芽工程以外の全ての工程を暗所にて行う。
【0034】
例えば、本発明の方法を使用して、1つ以上の望ましい特性(例えば高い生長速度)を有する個々のマツの木のクローンを生成させることができる。従って1つの態様においては、本発明は、遺伝学的に同一のマツ子葉胚を発生させる方法を提供する。本発明のこの態様の方法はいずれも、遺伝学的に同一のマツの胚発生組織を、二糖類とグルコースを含んだ培地中もしくは培地上にて培養して遺伝学的に同一のマツの子葉胚を発生させる工程を含み、ここで、二糖類とグルコースのそれぞれが培地中に3%未満の濃度にて存在する。
【0035】
他の態様においては、本発明は、接合体様のマツ子葉胚の個体群を提供する。幾つかの実施態様においては、マツ子葉胚の個体群中の少なくとも50%(例えば少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%)のマツ子葉胚が接合体様である。従って、本発明のこの態様の幾つかの実施態様においては、マツ子葉胚の個体群中の50%〜100%(例えば60%〜80%、または70%〜80%)のマツ子葉胚が接合体様である。本発明の方法を使用して、本発明の接合体様マツ子葉胚の個体群を生成させることができる。従って1つの態様においては、本発明は、本発明の方法によって作製されるマツ子葉胚の個体群を提供する。
【0036】
下記の実施例は、本発明を実施する上で現時点で考えられる最良の態様を示しており、本発明がこれらの実施例によって限定されることはない。
実施例 1
本実施例は、テーダマツ(Pinus taeda)の子葉胚を生成させるための、および前記子葉胚の発芽を起こさせるための本発明の代表的な方法を示す。
【0037】
接合体の胚を含有する雌性配偶体を、受精後の4〜5週間にわたって種子から取り出す。種皮は取り除くが、胚は、胚珠心端(nucellar end)を切り取る以外は、周りの配偶体からさらに切り裂くことはしない。円錐体を、使用するまで4℃で保存する。未成熟の胚を取り除く直前に、先ず洗浄・洗剤処理を施し、次いで15%H2O2中にて10分間殺菌処理することによって種子を殺菌する。各処理の後に、これらの外植体を無菌の蒸留水で充分に洗浄する。
【0038】
表1は、テーダマツの胚形成に対して有用な代表的培地の組成を示している。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
段階 1 ‐誘導: 損傷のない胚を含んだ無菌の配偶体を固体BM1培地上に置き、24時間の暗光周期(dark photoperiod)にて3〜5週間にわたって22℃〜25℃の環境に保持する。時間の長さは、培養される遺伝子型の種類に依存する。この時間の終わりに、白色で粘液質の塊体が、最初の外植体と結びついた状態で生じる。顕微鏡による検査は一般に、この塊体と結びついた多くの初期段階の胚を明らかにする。これらは一般に、緻密な細胞質と大きな細胞核とを含む小さな頭部(a small head)と結びついた、長くて薄い壁で囲まれた胚柄を有することを特徴とする。
【0042】
誘導培地のオスモル濃度は、場合によっては170mM/kgという高い値であってもよい。通常は、約160mM/kg以下(例えば150mM/kg)である。
段階 II ‐維持と増殖: 誘導段階において発生した塊体から取り出した初期段階の胚を、先ず最初に、ゲル化させた維持・増殖培地BM2上に置く。これは、生長ホルモン(オーキシンとサイトカイニン)を少なくとも相当程度に(at least a full order of magnitude)減少させているという点で誘導培地とは異なる。一般には、ミオイノシトールの濃度を0.5%w/vに増大させることによって、この培地のオスモル濃度を誘導培地のオスモル濃度から約180mM/kgにまで増大させる。この場合も、温度と光周期は22〜25℃にて暗中24時間である。胚をBM2固体培地上にて12〜14日培養してから、さらなる継代培養のために液体培地に移す。この液体培地は、類似の組成を有しているが、ゲル化剤を含んでいない。固体維持段階の終わりにおける胚は、一般には外観が段階Iからの胚と類似している。液体維持培地上での5〜6週間の継代培養後、より進んだ初期段階の胚(advanced early stage embryos)が形成される。これらの胚は、多数の胚柄を含んだ平滑な胚頭部(embryonal heads)(一般には100個より多い細胞を有すると推定されている)を有することを特徴とする。
【0043】
維持培地の浸透ポテンシャルは一般に、テーダマツの場合は約180〜400mM/kgの範囲である。最も一般的には、維持培地の浸透ポテンシャルは、誘導培地または増殖培地の浸透ポテンシャルより約1.5倍大きい。
【0044】
段階 III ‐胚の発生: 段階IIの培養からのより進んだ初期段階の胚を、液体発生培地をたっぷり含ませたパッド上に配置した濾紙支持体に移す。この培地は、生長ホルモンが全く存在しないか又は極めて低いレベルでのみ存在しており、段階Iおよび段階IIと同じレベルの浸透物質(osmoticants)を含んでいる。マルトースとグルコースが存在している。さらなる発生を容易にするようアブシジン酸を含んでもよい。さらに、吸収性組成物〔例えば、活性炭、可溶性形態のポリ(ビニルピロリドン)、不溶性形態のポリ(ビニルピロリドン)、活性アルミナ、およびシリカゲル〕を、例えば、約0.1〜5g/Lまたは約0.25〜2.5g/Lの濃度で含んでもよい。
【0045】
この培地の浸透ポテンシャルは、維持培地の浸透ポテンシャルより相当程度増大させることができる。例えば、オスモル濃度は、350mM/kg以上という高い値であってもよい。発生は、真っ暗闇の中で、22〜25℃の温度にて細長い子葉胚が発生するまで行うのが好ましい。発生時間は、一般には数週間(例えば6〜9週間)である。
【0046】
次いで、PEGまたはABAを含まない培地(例えば培地BM7)中にて、4℃〜10℃で3〜4週間培養する。
段階 IV ‐乾燥: 濾紙支持体上の胚をパッドから取り上げ、K2SO4の飽和溶液もしくは水の上の密閉容器中に97%の相対湿度で約3週間置く。
【0047】
段階 V ‐発芽: 段階IVからの乾燥子葉胚を、濾紙支持体上にまだ存在している、液体発芽培地をたっぷり含んだパッド上に約24時間置くことによって再水和する。次いで、発芽するように胚を固体BM5培地上に個別的に配置する。この培地は、スクロース、ミオイノシトール、および有機窒素を減らすことによって変性させた、生長ホルモンを含んでいない基礎培地である。生成する苗木が、よく生長した幼根と胚軸および未熟な子葉構造と上胚軸を有するようになるまで、23℃〜25℃の温度および16時間の明るみと8時間の暗闇という光周期の環境条件下にて、胚を約6〜8週間培養する。必要であれば、これらの子葉胚を人工種子に造り上げることができる。炭水化物の濃度が減少しているので、発芽培地の浸透ポテンシャルは、発生培地の浸透ポテンシャルよりさらに下に減少する。発芽培地の浸透ポテンシャルは、通常は約150mM/kg(例えば約100mM/kg)未満である。
【0048】
段階 VI ‐転化: 段階Vからの苗木を発芽培地から取り出し、等量のピートと微細なパーライトを含んだ土壌中に植える。
実施例 2
本実施例は、2.5%のマルトースと1%のグルコースとの組み合わせ物を含んだ発生培地上でテーダマツの不定胚を培養する際の、胚の発生と発芽頻度に及ぼす影響を示す。
【0049】
3種のテーダマツの遺伝子型(遺伝子型A、遺伝子型B、および遺伝子型C)を試験した。1リットルの培地BM2を含有するフラスコ中で各遺伝子型の胚柄塊(ESM)を生長させた。それぞれのフラスコのESMを15分間沈降させ、培地を吸引し、沈降した細胞を新たな容器に移した。細胞に等しい体積の培地BM6を加え、10分間沈降させた。BM6培地の半分を取り除き、1.5mlアリコートの沈降細胞(細胞対BM6の比が1:0.5)を、発生培地BM3(グルコースとマルトースを含む)とBM4(マルトースを含むが、グルコースは含まない)に、そしてさらに培地BM2、BM5、BM6、およびBM7に直接移した。
【0050】
発生培地上での4週間の培養後、培地BM3が培地BM4より速い発生を促進したことが観察された。他の培地では、対照標準培地との差は認められなかった。発生培地上での12週間の培養後、BM3培地上で培養された胚は、BM4培地上で培養された胚よりはるかに大きく、はるかに長く、そして接合体様の胚によく類似していた。BM3培地上で培養された胚は、8週間後に子葉を発生し始めた。BM3培地上で培養された胚は、BM4培地上で培養された胚における4〜6の子葉と比較して、8〜10の子葉(遺伝子型Aは、14〜16の子葉を有する幾つかの胚を生成した)を有していた。したがって、マルトースとグルコースとを含んだ発生培地(培地BM3)上で胚を培養することにより、他の培地上で培養した場合と比較して、より多くの子葉と視認可能なドーム(visible domes)を有する、より大きくてより良好な品質の胚が得られた。表2は、培地BM4とBM3上で発生させた接合体様のテーダマツ胚の数を示している。
【0051】
【表3】
【0052】
BM3プレートとBM4プレートから接合体様の胚を選択し、BM7培地をたっぷり含ませたパッド上に濾紙を有するペトリプレートにこれらの胚を移した。ペトリプレートをパラフィルムでシールし、低温の場所にて保存した。4週間後、胚を有する濾紙を、約100mlの水を含んだマジェンタボックスのメッシュブリッジ(mesh bridges)に移した。ボックス中で3週間乾燥した後、胚を有する濾紙を、BM5液体培地をたっぷり含ませたパッドを含むペトリプレートに移した。24時間後、胚を、発芽ボックス中の固体BM5培地に移した。発芽ボックスを暗所にて1週間放置してから、明るい部屋に移した。
【0053】
BM3上で発生させた胚は、BM4で発生させた胚の発芽頻度のほぼ2倍の発芽頻度を示した。さらに、BM3培地から発生させた発芽体(germinants)の品質は、BM4培地から発生させた発芽体の品質より良好であった。例えば、遺伝子型AとBの場合、BM3培地からの双極性発芽体(bipolar germinants)はまっすぐで厚い胚軸を有し、上胚軸の活発な生長が認められた。これとは対照的に、BM4培地から発生させた双極性発芽体は、曲がっていて比較的細い胚軸を有した。
【0054】
本発明の好ましい実施態様を説明してきたが、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の変更を行ってよいのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、液体培養におけるマツの胚柄塊を示している。
【図2】図2は、本発明の方法を使用して作製した代表的なマツの子葉胚を示している(胚の頂部に子葉が認められる)。
Claims (27)
- (a)マツの胚発生組織を維持培地中もしくは維持培地上にて培養する工程;および
(b)工程(a)に従って処理されたマツの胚発生組織を、マルトースとグルコースとを含んだ発生培地中もしくは発生培地上にて培養してマツの子葉胚を発生させる工程、ここで、マルトースが発生培地中に約2.5%の濃度にて存在し、グルコースが発生培地中に約1%の濃度にて存在する;
を含む、マツの子葉胚を発生させる方法。 - マツの胚発生組織が胚柄塊を含む、請求項1記載の方法。
- マツの子葉胚の少なくとも60%が6〜12の子葉を含む、請求項1記載の方法。
- マツの子葉胚の少なくとも70%が6〜12の子葉を含む、請求項1記載の方法。
- マツの子葉胚の少なくとも80%が6〜12の子葉を含む、請求項1記載の方法。
- マツの子葉胚の少なくとも90%が6〜12の子葉を含む、請求項1記載の方法。
- マツの胚発生組織を、発生培地中もしくは発生培地上にて6週間〜12週間にわたって培養する、請求項1記載の方法。
- マツの胚発生組織を、発生培地中もしくは発生培地上にて8週間〜12週間にわたって培養する、請求項1記載の方法。
- マツの胚発生組織を、発生培地中もしくは発生培地上にて9週間〜11週間にわたって培養する、請求項1記載の方法。
- 発生培地のオスモル濃度が250mM/Kg〜450mM/Kgである、請求項1記載の方法。
- 発生培地のpHが4.5〜6.5である、請求項1記載の方法。
- 発生培地が吸収性組成物をさらに含む、請求項1記載の方法。
- 吸収性組成物が、活性炭、可溶性のポリ(ビニルピロリドン)、不溶性のポリ(ビニルピロリドン)、活性アルミナ、およびシリカゲルからなる群から選択される、請求項12記載の方法。
- 吸収性組成物が活性炭である、請求項13記載の方法。
- 吸収性組成物の濃度が0.01g/L〜5g/Lである、請求項12記載の方法。
- 吸収性組成物の濃度が0.05g/L〜1g/Lである、請求項12記載の方法。
- 発生培地が少なくとも2種の吸収性組成物を含み、ここで、発生培地中の吸収性組成物の合計濃度が0.01g/L〜5g/Lである、請求項12記載の方法。
- 発生培地が少なくとも2種の吸収性組成物を含み、ここで、発生培地中の吸収性組成物の合計濃度が0.05g/L〜1g/Lである、請求項12記載の方法。
- テーダマツの胚発生組織からテーダマツの子葉胚を発生させる、請求項1記載の方法。
- 発生培地が液体培地である、請求項1記載の方法。
- 発生培地が固体培地である、請求項1記載の方法。
- (a)マツの胚発生組織を維持培地中もしくは維持培地上にて培養する工程;および
(b)工程(a)に従って処理されたマツの胚発生組織を、アブシジン酸、吸収性組成物、PEG、マルトース、グルコースを含んだ発生培地中もしくは発生培地上にて培養してマツの子葉胚を発生させる工程、ここで、マルトースが発生培地中に約2.5%の濃度にて存在し、グルコースが発生培地中に約1%の濃度にて存在する;
を含む、マツの子葉胚を発生させる方法。 - 前記子葉胚の少なくとも50%が接合体様である、請求項1記載の方法によって発生させたマツの子葉胚の個体群。
- 前記子葉胚の少なくとも60%が接合体様である、請求項1記載の方法によって発生させたマツの子葉胚の個体群。
- 前記子葉胚の少なくとも70%が接合体様である、請求項1記載の方法によって発生させたマツの子葉胚の個体群。
- 前記子葉胚の少なくとも80%が接合体様である、請求項1記載の方法によって発生されるマツの子葉胚の個体群。
- 前記子葉胚の少なくとも90%が接合体様である、請求項1記載の方法によって発生させたマツの子葉胚の個体群。
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