JP4303442B2 - 燃料電池車両の燃料ガス供給装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料ガスを使用する車両に用いられる燃料電池車両の燃料ガス供給装置に関するものである
【0002】
【従来の技術】
圧縮天然ガス(CNG)や、水素等の燃料ガスを用いた設備においては、一般に複数の燃料タンクが設置される。又、同様に燃料ガスを用いた車両においても、空間の有効活用のために複数の燃料タンクを設置することが行われるようになってきた。
【0003】
複数の燃料タンクを用いる場合には個々の燃料タンクに遮断弁が設けられており、車両又は装置の非稼動時には遮断弁を閉弁し、燃料ガスの供給を止め、稼動時にのみ遮断弁を開弁し燃料ガスを供給するように構成されている。
【0004】
ところで、複数の燃料タンクを有する車両又は装置においては、この遮断弁の内の幾つかに固着等の不具合が発生して、不具合が発生した遮断弁を有する燃料タンクより燃料ガスが供給されなくなる不良が発生する可能性がある。このような不良が発生すると、燃料ガスを用いる車両の場合には車両の運行は可能であるものの、走行可能距離が短くなるという問題が起こる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、遮断弁に不具合が発生して、燃料ガスの供給が停止してしまうという不良を積極的に検知している例は従来見られなかった。
ここに本発明の解決すべき技術的課題が存在するのであり、本発明の第1の課題は、燃料ガスを貯蔵する複数の燃料タンクを有する燃料電池車両の燃料ガス供給装置であって、燃料タンクに設けられた遮断弁の固着等の不具合を検出することが可能な燃料電池車両の燃料ガス供給装置を提供することである。
【0006】
また、圧縮した燃料ガスを貯蔵する燃料タンクを有する車両又は設備においては、燃料ガス配管よりリークが生じる可能性がある。リークを検知し、装置の安全を確保する方法として、燃料が大量にリークした場合、機械的に燃料ガスの流出を防止する過流防止弁を燃料タンクに備える方法が存在する。
【0007】
また、微量なリークに対して、燃料タンク近傍に漏洩した燃料ガスを検知するための濃度センサを設け、その濃度センサの検出値により燃料タンクの遮断弁を電気的又は機械的に閉弁する方法が存在する。しかし、この方法では、リーク発生個所が濃度センサから離れている場合にリーク発生を検知することが難しく、リーク検出精度を向上するためには数多くの濃度センサを配置しなければならないという問題点がある。
【0008】
ここに、本発明の解決すべき技術的課題が存在するのであり、本発明の第2の課題は、燃料タンクから燃料供給路を介して燃料ガスを供給する装置において、燃料の微量なリークを精度良く検出でき、且つ単純な構造を有する燃料電池車両の燃料ガス供給装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記した課題を解決するために次のように構成した。
請求項1に記載の発明は、燃料貯蔵容器を構成する燃料ガスを貯蔵する複数の各燃料タンクに、前記燃料ガスの供給を遮断する1つの遮断弁が接続され、並列な各前記燃料タンクからの配管が前記各遮断弁の下流で合流する前記燃料ガスを供給する燃料ガス流路とを備えた燃料電池車両の燃料ガス供給装置において、前記燃料ガス流路中の燃料ガスの圧力、温度を用いて前記燃料貯蔵容器中に残留する使用可能な燃料ガス残量を求める残量検出手段と、1以上の前記燃料タンクから燃料ガスの供給が停止したとの仮定の下に、前記燃料ガスの供給が停止していない他の前記燃料タンクからなる前記燃料貯蔵容器内部の燃料ガス仮想残量を、前記停止していない燃料タンクの燃料ガス実残量初期値から発電電流と水素パージ量とに基づいて算出した積算燃料ガス消費量を差し引くことにより、推定する仮想残量推定手段と、前記燃料ガス残量と前記燃料ガス仮想残量とを比較して、前記燃料ガス残量が前記燃料ガス仮想残量の範囲に収まる場合、前記燃料ガスの供給が停止した前記燃料タンクに接続される遮断弁の不具合を検出する検出手段とを備えたことを特徴とする燃料電池車両の燃料ガス供給装置である。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、残量検出手段はある時刻において、燃料ガス流路中の燃料ガスの状態(温度、圧力等)より実際に燃料貯蔵容器中に存在する使用可能な燃料ガス残量を求めることが可能である。
ここで、「燃料ガス残量」とは、燃料貯蔵容器中に存在する燃料ガス残量の内、使用可能状態となっている燃料ガスの量を示す。つまり、一部の燃料タンクに不具合が発生して、使用不可能な燃料ガスが存在する場合、その量は燃料ガス残量には含まれないものとする。
また、仮想残量推定手段は、ある時刻において前記残量検出手段により求められた燃料ガス残量から、一部の燃料タンクが利用不能であるとの仮定の下に、一定時間内に消費された燃料ガスの消費量を差し引き、利用可能な燃料タンク中の燃料ガスの残量(燃料ガス仮想残量)を推定する。尚、燃料ガスの消費量の評価には誤差を伴うために、仮想残量推定手段が推定する燃料ガス仮想残量は誤差範囲を有している。
【0011】
さらに、検出手段は、前記一定時間後に残量検出手段より求められた燃料ガス残量と前記燃料ガス仮想残量とを比較して、燃料ガス残量が、燃料ガス仮想残量と前記誤差範囲内で一致した場合には、燃料貯蔵容器において、一部の燃料タンクが遮断弁の不具合により利用不能となっていることを検出する。
このように、請求項1に記載された発明によれば、燃料ガス残量と前記燃料ガス仮想残量とを比較することで燃料タンクの遮断弁において固着等の不具合を検出することが可能となる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、前記検出手段が遮断弁の不具合を検出した場合に、遮断弁が不具合でない燃料タンクから燃料ガスの供給を継続するとともに、ユーザに対し遮断弁の不具合を報知することを特徴とする請求項1記載の燃料電池車両の燃料ガス供給装置である。
請求項2に記載された発明によれば、燃料タンクの一部において遮断弁が不具合となり燃料ガスが供給されなくなっても、他の正常な燃料タンクより燃料ガスが供給されるので、燃料ガスを利用する装置は正常に稼動することが可能となる。また、遮断弁の不具合は、報知手段等によりユーザに報知されるので、ユーザはメンテナンスの必要性を認識することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、前記燃料ガス供給装置が、全ての前記燃料タンクより正常に燃料ガスが供給されているとの仮定の下に、前記発電電流量及び前記水素パージ量より求められる所定の期間の積算燃料ガス消費量を求め、該積算燃料ガス消費量を前記燃料ガス残量の初期値から差し引くことにより、前記燃料貯蔵容器内部の燃料ガス理想残量を推定する理想残量推定手段をさらに備え、前記検出手段は、さらに、前記燃料ガス残量と前記燃料ガス理想残量とを比較して、前記燃料ガス残量が前記燃料ガス理想残量の範囲より小さい場合、前記燃料ガスのリークを検出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料電池車両の燃料ガス供給装置である。
【0014】
請求項3に記載された発明によれば、理想残量推定手段は、ある時刻において前記残量検出手段により求められた燃料ガス残量から、全ての燃料タンクが利用できるとの仮定の下に、一定時間内に消費された燃料ガスの消費量を差し引き、燃料タンク中の燃料ガスの残量(燃料ガス理想残量)を推定する。尚、燃料ガスの消費量の評価には誤差を伴うために、理想残量推定手段が推定する燃料ガス理想残量は誤差範囲を有している。
【0015】
また、検出手段は、前記一定時間後に残量検出手段より求められた燃料ガス残量と前記燃料ガス理想残量とを比較して、燃料ガス流路中におけるリークの有無を検出する。つまり、検出手段は、燃料ガス残量が、燃料ガス理想残量よりも前記誤差範囲を勘案しても小さい場合には、燃料ガス流路中において燃料ガスのリークが発生していると判断する。
【0016】
このように、この燃料ガス供給装置においては、理想残量推定手段により推定された燃料ガス理想残量と残量検出手段により求められた燃料ガス残量とを比較することにより燃料ガスの燃料ガス流路中におけるリークを検出することができる。また、請求項1に記載の発明と請求項3に記載の発明とを組み合わせることにより、燃料タンクの遮断弁の固着と燃料ガス流路中のリークとを判別して検出することが可能となる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、前記検出手段は、前記燃料ガス残量と前記燃料ガス理想残量と比較を、第1の所定時間毎に及びこの第1の所定時間よりも長い第2の所定時間毎に行うことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池車両の燃料ガス供給装置である。
請求項4に記載の発明によれば、燃料電池車両の燃料ガス供給装置において、理想残量推定手段は、ある時刻における燃料ガス残量を基準として、この燃料ガス残量から、第1の所定時間内に消費された燃料ガスの消費量を差し引くことにより、第1の燃料ガス理想残量を推定し、検出手段はこの第1の燃料ガス理想残量と第1の所定時間後の燃料ガス残量とを比較する。
【0018】
さらに、理想残量推定手段は、前記したある時刻における燃料ガス残量を基準として、第1の所定時間よりも長い第2の所定時間内に消費された燃料ガスの消費量を前記したある時刻における燃料ガス残量より差し引くことにより第2の燃料ガス理想残量を推定し、検出手段はこの第2の燃料ガス理想残量と第2の所定時間後の燃料ガス残量とを比較する。
【0019】
本発明の燃料ガス供給装置は、燃料ガス流路より微量のリーク(スローリーク)が発生しており、第1の所定時間毎に行われる第1の燃料ガス理想残量と燃料ガス残量との比較ではこのスローリークを検出できない場合であっても、第1の所定時間よりも長い第2の所定時間毎に行われる第2の燃料ガス理想残量と燃料ガス残量との比較により、このスローリークを検出することが可能となる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、前記残量検出手段は、前記燃料ガス流路中の燃料ガスの圧力、温度を用いて、第1の時刻における前記燃料貯蔵容器中に残留する使用可能な燃料ガス残量である第1の残量と、前記第1の時刻より所定時間後の第2の時刻において、前記燃料貯蔵容器中に残留する使用可能な燃料ガス残量である第2の残量とを求め、前記理想残量推定手段は、全ての前記燃料タンクより正常に燃料ガスが供給されているとの仮定の下に、前記発電電流と前記水素パージ量とに基づいて算出される前記所定時間中に消費された燃料ガス量を前記第1の残量より差し引くことで求められる燃料貯蔵容器内部の燃料ガス理想残量を推定し、前記検出手段は、異なる長さの2以上の前記所定時間において、前記第2の残量と前記燃料ガス理想残量との比較を行い、前記第2の残量が前記燃料ガス理想残量の範囲より小さい場合、前記ガス流路の不具合を検出することを特徴とする請求項3または請求項4記載の燃料電池車両の燃料ガス供給装置である。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、燃料電池車両の燃料ガス供給装置において、残量検出手段は任意の時刻において、燃料貯蔵容器中の利用可能な燃料ガス残量を求め、この値を記憶しておくことが可能であり、残量検出手段は、第1の時刻において第1の残量を求め、所定時間後の第2の時刻において第2の残量を求める。
また、理想残量推定手段は、発電電流と水素パージ量とに基づいて算出されるこの所定時間中に消費された燃料ガス量(燃料ガス消費量)を評価しており、全ての前記燃料タンクより正常に燃料ガスが供給されているとの仮定の下で、前記第1の残量より燃料ガス消費量を差し引くことにより、理想的な燃料ガス残量である燃料ガス理想残量を推定する。
そして、検出手段は、第2の時刻において、前記燃料ガス理想残量と前記第2の残量とを比較することで、燃料ガス流路におけるリークを検出することができる。
さらに、請求項5の燃料電池車両の燃料ガス供給装置では、検出手段が、異なる長さの2以上の所定時間において、前記燃料ガス理想残量と前記第2の残量との比較を行うことで、所定時間が短い場合では検出することが難しいスローリークを、所定時間を長くすることで検出することが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を適宜図面を参照して説明する。
まず、本発明の燃料ガス供給装置のシステムを図1を参照して説明する。図1は本発明の燃料ガス供給装置を水素ガスを燃料ガスとして用いる燃料電池車両に組み込んだ例を示している。燃料ガス供給装置は、水素タンク1a,1bからなる燃料貯蔵容器1と、それぞれの水素タンク1a,1bに設けられる遮断弁2a,2bと、これらの遮断弁2a,2bを介して1本に合流し、燃料ガス利用装置である高分子電解質型燃料電池4(以下、「PEFC4」という)に燃料ガスを供給するとともに、PEFC4から排出される燃料ガスを還流させるための燃料ガス流路3と、燃料貯蔵容器1とPEFC4との間の燃料ガス流路3に設けられ、PEFC4に供給される水素の圧力を調整するためのレギュレータ5と、PEFC4から排出される水素を含む排ガスを適宜排出するための三方弁6と、水素を系外(燃料ガス供給装置外)にパージするためのパージ弁13と、燃料ガス流路3のレギュレータ5より上流に設けられる水素ガスの状態(圧力、温度)を測定するための圧力・温度センサ7と、PEFC4に設けられ、PEFC4の発電電流量を測定するための電流計8と、パージ弁13の下流に設けられ、系外に放出される水素量を評価するための流量計9と、燃料貯蔵容器1及び車体の所定箇所に設けられる水素ガスの濃度を計測するためのH2センサ10a,10bと、圧力・温度センサ7、電流計8、流量計9及びH2センサ10a,10bからの情報を処理するためのECU11と、水素のリークや遮断弁2a,2bの固着が発生した場合に、それをユーザに報知するための報知手段12とからなる。
【0023】
燃料ガスである水素ガスは、水素充填口より水素タンク1a,1bに充填される。車両が稼動すると、遮断弁2a,2bが開弁し、水素ガスは、燃料ガス流路3を通ってレギュレータ5より調圧されてPEFC4に供給される。PEFC4は、水素ガスの供給を受けて発電を行い、水素と生成水とを含む排ガスを排出する。排ガスは三方弁6を経て再び燃料ガス流路3に還流される。また、排ガスの一部は、適宜パージ弁13を経て系外に排出される。
【0024】
車両の稼動中には、水素ガスの状態(圧力、温度)は燃料ガス流路3に設けられた圧力・温度センサ7により所定のサンプリング間隔(例えば0.1秒間隔)で監視されている。圧力・温度センサ7の検出した状態は、後記のようにECU11に送信され、残量検出手段E2により、燃料貯蔵容器1に貯蔵されて、利用可能な水素ガス残量(以下、「水素ガス実残量」と言う)が評価される。また、車両の稼動中には、PEFC4の発電電流量は電流計8により、系外への水素パージ量は流量計9により、所定のサンプリング間隔(例えば0.1秒間隔)でそれぞれ監視されており、これらの情報は後記のようにECU11の水素消費量算出手段E1に送信され、単位サンプリング期間(例えば、0.1秒間)に消費された水素量が算出される。ここで、圧力・温度センサ7、電流計8及び流量計9の測定のサンプリング間隔は、互いに等しく、同期しているものとする。また、この単位サンプリング期間に消費された水素量のことを単位水素消費量と称することとする。
【0025】
続いて、本発明の燃料ガス供給装置において重要な役割を果たすECU11の機能について概説する。
ECU11は、電流計8により測定された発電電流量と流量計9により測定された水素パージ量とから、単位水素消費量を算出する水素消費量算出手段E1と、圧力・温度センサ7で測定された水素の圧力と温度より水素ガス実残量を評価する残量検出手段E2と、水素タンク1a,1bのいずれか片方からしか水素が供給されていないとの仮定の下に、燃料貯蔵容器1中の水素ガス残量(水素ガス仮想残量)を推定する仮想残量推定手段E3と、全水素タンク1a,1bの双方から正常に水素が供給されているとの仮定の下に、燃料貯蔵容器1中の水素ガス残量(水素ガス理想残量)を推定する理想残量推定手段E4と、水素ガス仮想残量、水素ガス理想残量及び水素ガス実残量とを比較して、水素ガスのリーク及び遮断弁2a,2bの固着を検出するための検出手段E5、及び、H2センサ10a,10bからの水素濃度の情報を受けて、大きなリークが発生していないかどうかを判断するための大リーク検出手段E6とからなる。
尚、特許請求の範囲で言うところの「燃料ガス仮想残量」が「水素ガス仮想残量」に、「燃料ガス理想残量」が「水素ガス理想残量」にそれぞれ相当する。
【0026】
ECU11には、車両の稼動中には圧力・温度センサ7、電流計8及び流量計9から前記サンプリング間隔(例えば0.1秒間隔)で常に情報が入力される。圧力・温度センサ7からの情報(圧力、温度)は残量検出手段E2に入力され、気体の状態方程式に基づいて燃料貯蔵容器1中の水素ガス実残量が評価される。
【0027】
また、電流計8により測定されたPEFC4の発電電流量及び流量計9により測定された水素パージ量は水素消費量算出手段E1に入力される。前記発電電流量はPEFC4の消費水素量と比例するので、この関係を用いてPEFC4により単位サンプリング期間あたりに消費された水素量が算出される。同様に、水素パージ量より、単位サンプリング期間あたりに系外に捨てられた(消費された)水素量が算出される。これらの消費水素量を加え合わせることによりシステム全体における単位水素消費量が算出される。
【0028】
仮想残量推定手段E3には、前記サンプリング間隔で、水素消費量算出手段E1から単位水素消費量が入力される。仮想残量推定手段E3は単位水素消費量を所定の期間に渡り積算して、積算水素消費量を求め、この値を、水素タンク1a,1bの片方からしか水素供給がないとの仮定の下に、燃料貯蔵容器1中の水素ガス実残量の初期値から差し引くことにより、燃料貯蔵容器1の仮想的な水素ガス残量である水素ガス仮想残量を推定する。尚、単位水素消費量は誤差を伴う値であるので、水素ガス仮想残量はある幅を有する値となる。
【0029】
理想残量推定手段E4には、前記サンプリング間隔で、水素消費量算出手段E1から単位水素消費量が入力される。理想残量推定手段E4は、単位水素消費量を所定の期間(短期間、中期間、長期間)に渡り積算して、積算水素消費量を求め、この値を水素タンク1a,1bが両者とも正常に水素ガスを供給しているとの仮定の下に、燃料貯蔵容器1中の水素ガス実残量の初期値より差し引くことにより、燃料貯蔵容器1中の理想的な水素ガス残量である水素ガス理想残量を推定する。尚、水素消費量は誤差を伴う値であるので、水素ガス理想残量はある幅を有する値となる。
【0030】
このようにして得られた水素ガス実残量、水素ガス仮想残量及び水素ガス理想残量は、検出手段E5に送信され、水素ガス実残量と水素ガス仮想残量とが比較され、これらが誤差の範囲で一致した場合には、検出手段E5は水素タンク1a,1bの片方からしか水素供給がされていない。つまり、遮断弁2a,2bのどちらかで固着が発生していると判断し、報知手段12に指令を送り、報知手段12はユーザに対して「遮断弁2a,2bの内のどちらかが固着している」との報知を行う。
【0031】
同様に、検出手段E5においては、水素ガス実残量と水素ガス理想残量とが比較され、水素ガス実残量が水素ガス理想残量の誤差範囲内に収まらない場合には、検出手段E5は、燃料ガス流路3の何れかの箇所でリークが発生していると判断し、報知手段12に指令を送り、報知手段12はユーザに対して「水素ガスのリークが発生している」との報知を行う。
【0032】
ここで、本発明の燃料ガス供給装置が水素タンク1a,1bの遮断弁2a,2bの固着及び燃料ガス流路3からのリークを判別して判断を行う概念について図2を用いて説明する。
図2は縦軸が燃料貯蔵容器1中の水素ガス残量を、横軸が時間を示している。グラフには、理想残量推定手段E4が、水素タンク1a,1bから正常に水素ガスが供給されているとの仮定の下に、積算水素消費量を用いて推定した水素ガス理想残量が実線で描かれている。前記したように、積算水素消費量の算出の基礎となる単位水素消費量は誤差を含んだ値であるので、水素ガス理想残量は、破線で示したように縦軸方向に誤差の幅を有する帯となっている。
【0033】
グラフには、また、仮想残量推定手段E3が、水素タンク1a,1bの片方において遮断弁2a,2bが固着しており、水素ガスが片方の水素タンク1a,1bからしか供給されていないとの仮定の下に、積算水素消費量を用いて推定した水素ガス仮想残量が実線で描かれている。前記したように、水素ガス仮想残量を算出する基礎となる単位水素消費量は誤差を含んでいるので、水素ガス仮想残量は、破線で示したように縦軸方向に誤差の幅を有する帯となっている。
【0034】
グラフには、さらに、残量検出手段E2が、圧力・温度センサ7より得られた水素ガスの状態より算出した、ある時刻における燃料貯蔵容器1に貯蔵されている利用可能な水素ガス残量(水素ガス実残量)が点R1〜R4として描かれている。
【0035】
燃料ガス供給装置において、リークも遮断弁2a,2bの固着も発生していない場合には、水素ガス実残量は、点R1で示すように水素ガス理想残量の帯の中に収まっている。しかし、リークが発生した場合には、リークにより水素ガスが水素ガス理想残量よりも多く消費されるために、点R2で示したように、水素ガス実残量は、水素ガス理想残量よりも小さくなり、水素ガス理想残量と水素ガス実残量とは一致しなくなる。
【0036】
また、同様に、遮断弁2a,2bのどちらかが固着した場合には、水素タンク1a,1bの一方が使用不能状態となり、水素ガス実残量が急激に減少するので、点R3で示すように、水素ガス実残量は水素ガス仮想残量の範囲に収まる。この点の詳細については後記する。
更に、点R4のように、水素ガス実残量が水素ガス仮想残量の範囲を下回る場合には、大幅なリークが発生しているとする。
このように本発明の燃料ガス供給装置においては、水素ガス実残量と水素ガス仮想残量及び水素ガス理想残量とを比較することで、燃料ガス流路3からのリークと遮断弁2a,2bの固着とを区別して検出することが可能となる。
【0037】
続いて、仮想残量推定手段E3、理想残量推定手段E4について、より詳細に説明する。
仮想残量推定手段E3は、単位水素消費量を積算して積算水素消費量を評価するための消費量積算部E3aと、水素ガス実残量と積算水素消費量とから水素ガス仮想残量を演算する仮想残量演算部E3bとからなる。
【0038】
消費量積算部E3aは、加算部E3a1と記憶部E3a2とからなる。
加算部E3a1には、水素消費量算出部E1より前記サンプリング間隔毎に単位水素消費量が入力され続けている。加算部E3a1は、単位水素消費量が入力されると、記憶部E3a2から、それまでに積算された積算水素消費量が記憶されている一時記憶データを読み出し、この一時記憶データに水素消費量算出部E1から入力された単位水素消費量を加算して、一時記憶データを更新して、再び記憶部E3a2に記憶する。この積算水素消費量は、短期間(例えば、1秒間)という積算期間で積算されているものとする。
【0039】
積算水素消費量の積算期間が終了すると、消費量積算部E3aは積算結果を仮想残量演算部E3bに出力する。それとともに、記憶部E3a2に記憶されている一時記憶データを0にリセットし、再び積算水素消費量の積算を開始する。
【0040】
ここで、消費量積算部E3aにおける積算水素消費量の算出の手順を図3を参照しながら説明する。
先ず、S201において、水素消費量算出手段E1から加算部E3a1に単位水素消費量が入力される。すると、加算部E3a1は、記憶部E3a2より一時記憶データを読み出す(S202)。続いて、S203において、「一時記憶データ=一時記憶データ+単位水素消費量」との演算が行われ、一時記憶データが更新される。続いて、S204において、積算期間が終了したかどうかが判断される。S204において、積算期間が終了していない(NO)と判断された場合には、更新された一時記憶データが記憶部E3a2に書き込まれ(S205)、処理はS201に戻る。
【0041】
それに対し、S204において積算期間が終了したと判断された場合(YES)には、「積算水素消費量=一時記憶データ」との演算がされ(S206)、積算水素消費量が仮想残量演算部E3bに出力される(S207)。その後、新たに積算を開始するために、「一時記憶データ=0」との演算がされ(S208)、この一時記憶データ(=0)が記憶部E3a2に書き込まれる(S205)。
【0042】
仮想残量演算部E3bは、演算部E3b1と記憶部E3b2とからなる。
記憶部E3b2は、水素ガス仮想残量を算出する際の基礎となる水素ガス実残量初期値が記憶されている。また、記憶部E3b2には、残量検出手段E1より前記サンプリング間隔毎に燃料貯蔵容器1中の水素ガス実残量が入力され続けており、水素ガス実残量初期値は、後記するようなタイミングで更新される。
【0043】
演算部E3b1には、前記した消費量積算部E3aより、積算水素消費量が適宜入力される。演算部E3b1は、前記した積算水素消費量の入力をキーとして、記憶部E3b2に記憶されている水素ガス実残量初期値を読み出し、水素タンク1a,1bの片方からしか水素供給がないとの仮定の下に、例えば、
水素ガス実残量初期値/2−積算水素消費量×2・・(I)
との演算を行い、積算区間における水素ガス仮想残量を求める。
【0044】
(I)式において、「水素ガス実残量初期値/2」の項は、遮断弁2a,2bのどちらかが固着して1個の水素タンク1a又は1bしか利用可能でないのとの仮定の下では、水素ガス実残量初期値は1/2になるとの理由により設けられたものである。また、「積算水素消費量×2」の項は、遮断弁2a,2bのどちらかが固着して1個の水素タンク1a又は1bしか利用可能でないのとの仮定の下では、片方の水素タンク1a又は1bからのみ水素ガスが供給されるので、片方の水素タンク1a又は1bにおける水素ガスの消費量は2倍になるとの理由により設けられたものである。
このようにして得られた水素ガス仮想残量は、検出手段E5に出力される。
【0045】
図2に示した水素ガス仮想残量はこのようにして求められる。そのため、図2において、水素ガス仮想残量は、常に水素ガス理想残量よりも値が小さく、その減少率(傾き)が水素ガス理想残量よりも大きく(傾きが急)になっている。
遮断弁2a,2bの何れかにおいて固着が発生して、水素タンク1a,1bのどちらかが使用不能となると、その結果は、直ちに燃料ガス流路3中の水素ガスの状態(圧力・温度)に反映されるので、残量検出手段E2により算出される水素ガス実残量(利用可能残量)は図2の点R3で示したように、水素ガス仮想残量と誤差の範囲で一致するようになる。
【0046】
尚、水素ガス実残量初期値の更新は、演算部E3b1に消費量積算部E3aより積算水素消費量が入力されたことをキーとして、それまで記憶されていた水素ガス実残量初期値を破棄し、残量検出手段E2より記憶部E3b2に入力される水素ガス実残量を新たな水素ガス実残量初期値として記憶することで行われる。
【0047】
ここで、水素ガス仮想残量の算出の手順を図4を参照しながら説明する。
先ず、S301において、消費量積算部E3aより積算水素消費量が仮想残量演算部E3bに入力されたかどうかが判断される。S301において、積算水素消費量が入力されたと判断された場合(YES)には、S302において、水素ガス実残量初期値が記憶部E3b2から読み出される。続いて、S303において、前記した式(I)が演算され水素ガス仮想残量が計算される。次に、S304において、求められた水素ガス仮想残量は、検出手段E5に出力される。最後に、S305において、記憶部E3bに記憶されている水素ガス実残量初期値が、残量検出手段E2から入力される水素ガス実残量へと更新される。その後、処理はS301に戻る。
S301において、積算水素消費量が入力されていないと判断された場合には、処理はS301をループする。
【0048】
理想残量推定手段E4は、単位水素消費量を積算して積算水素消費量を評価するための消費量積算部E4aと、水素ガス実残量と積算水素消費量とから水素ガス理想残量を演算する理想残量演算部E4bとからなる。
【0049】
消費量積算部E4aは、加算部E4a1と記憶部E4a2とからなる。
加算部E4a1には、水素消費量算出部E1より前記サンプリング間隔毎に単位水素消費量が入力され続けている。加算部E4a1は、単位水素消費量が入力されると、記憶部E4a2から、それまでに積算された積算水素消費量が記憶されている一時記憶データを読み出し、この一時記憶データに水素消費量算出部E1から入力された単位水素消費量を加算して、一時記憶データを更新して、再び記憶部E4a2に記憶する。本実施の形態では、積算水素消費量は、(1)短期水素消費量(例えば、1秒間)、(2)中期水素消費量(例えば、車両稼動中)、(3)長期水素消費量(例えば、水素充填時〜次回水素充填時)という3つの期間で積算されているものとする。よって、記憶部E4a2に記憶される一時記憶データも、積算期間(短期、中期、長期)毎に3種類記憶されている。
【0050】
積算水素消費量の積算期間(短期、中期、長期)が終了すると、消費量積算部E4aは積算結果を仮想残量演算部E4bに出力する。それとともに、記憶部E4a2に記憶されている対応する積算期間(短期、中期、長期)の一時記憶データを0にリセットし、再び積算期間に応じた積算水素消費量の積算を開始する。
【0051】
ここで、消費量積算部E4aにおける積算水素消費量の算出の手順を図5を参照しながら説明する。
先ず、S901において、水素消費量算出手段E1から加算部E4a1に単位水素消費量が入力される。すると、加算部E4a1は、記憶部E4a2から3種類の一時記憶データ(短期、中期、長期)を読み出す(S902)。続いて、S903において、「一時記憶データ=一時記憶データ+単位水素消費量」との演算が積算期間(短期、中期、長期)毎に行われ、一時記憶データが更新される。続いて、S904において、積算期間(短期、中期、長期)が終了したかどうかが判断される。S904において、積算期間が終了していない(NO)と判断された場合には、更新された一時記憶データが記憶部E4a2に書き込まれ(S905)、処理はS901に戻る。
【0052】
それに対し、S904において積算期間が終了したと判断された場合(YES)には、「積算水素消費量=一時記憶データ」との演算がされ(S906)、積算水素消費量が理想残量演算部E4bに出力される(S907)。その後、新たに積算を開始するために、「一時記憶データ=0」との演算がされ(S908)、この一時記憶データ(=0)が記憶部E4a2に書き込まれる(S905)。
【0053】
理想残量演算部E4bは、演算部E4b1と記憶部E4b2とからなる。
記憶部E4b2は、水素ガス仮想残量を算出する際の基礎となる水素ガス実残量初期値が、積算期間(短期、中期、長期)毎に記憶されている。また、記憶部E4b2には、残量検出手段E1より前記サンプリング間隔毎に燃料貯蔵容器1中の水素ガス実残量が入力され続けており、水素ガス実残量初期値(短期、中期、長期)は、後記するようなタイミングで更新される。
【0054】
演算部E4b1には、前記した消費量積算部E4aから、積算水素消費量(短期、中期、長期)が適宜入力される。演算部E4b1は、前記した積算水素消費量(短期、中期、長期)の入力をキーとして、記憶部E4b2に記憶されている水素ガス実残量初期値(短期、中期、長期)を読み出し、両方の水素タンク1a,1bから正常に水素供給がされているとの仮定の下に、
水素ガス実残量初期値(短期)−積算水素消費量(短期)・・・(II−1)
水素ガス実残量初期値(中期)−積算水素消費量(中期)・・・(II−2)
水素ガス実残量初期値(長期)−積算水素消費量(長期)・・・(II−3)
との演算を行い、各積算区間における水素ガス理想残量を求める。
【0055】
このようにして得られた水素ガス理想残量は、検出手段E5に出力される。
尚、3種類の水素ガス実残量初期値の更新は、演算部E4b1に消費量積算部E4aより積算水素消費量が入力されたことをトリガとして、それまで記憶されていた水素ガス実残量初期値を破棄し、記憶部E4b2に入力される水素ガス実残量を新たな水素ガス残量初期値として記憶することで行われる。
【0056】
ここで、水素ガス理想残量の算出の手順を図6を参照しながら説明する。
先ず、S401において、消費量積算部E4aから積算水素消費量が理想残量演算部E4bに入力されたかどうかが判断される。S401において、積算水素消費量が入力されたと判断された場合(YES)には、続いて、S402において、入力された積算水素消費量の積算期間(短期、中期、長期)が判断される。次に、S403において、積算期間に応じた水素ガス実残量初期値が記憶部E4b2から読み出される。続いて、S404において、S402において判断された積算区間に応じて前記した式(II−1)〜(II−3)の内の何れかの式が演算され水素ガス理想残量が計算される。次に、S405において、求められた水素ガス理想残量は、検出手段E5に出力される。最後に、S406において、記憶部E4bに記憶されている水素ガス実残量初期値(S402で判断された積算区間に対応するもの)が、残量検出手段E2から入力される水素ガス実残量へと更新される。その後、処理はS401に戻る。
S401において、積算水素消費量が入力されていないと判断された場合には、処理はS401をループする。
【0057】
続いて、図7〜図9を参照して、遮断弁2a,2bの固着及び燃料ガス流路3で発生するリークを検出するメカニズムについて説明する。
【0058】
先ず、燃料ガス流路3のリークを検出するメカニズムから説明する。
図7は、検出手段E5において、短期水素ガス理想残量と水素ガス実残量を比較して、リークを検出する際の概念を示したグラフである。グラフの上段は、消費量積算部E4a(図1)で評価される積算水素消費量(短期)の時間変化を示しており、グラフの下段は理想残量演算部E4b(図1)で評価される短期水素ガス理想残量(●)と、残量検出手段E2で検出される水素ガス実残量(△)の時間変化を示したものである。
【0059】
横軸は、単位水素消費量のサンプリング期間(tu)(例えば0.1秒間)を単位とした時間であり、10サンプリング期間(10×tu)で積算水素消費量(短期)の積算期間が終了し、T1,T2,T3・・において短期水素ガス理想残量(●)と水素ガス実残量(△)との比較が行われることを示している。
【0060】
グラフ上段の積算水素消費量(短期)Δn1,Δn2,Δn3は、図3に示したように、水素消費量算出手段E1からサンプリング間隔(tu)で消費量積算部E4aに入力される単位水素消費量を積算期間(この場合は短期間)に渡って積算することで得られる。所定の積算区間(本グラフでは10サンプリング期間)が終了すると、消費量積算部E4aは、積算水素消費量(短期)Δn1,Δn2,Δn3を理想残量演算部E4bに出力し、記憶部E4a2に記憶されている一時記憶データを0にリセットして、新たに積算水素消費量(短期)の積算を開始する。
【0061】
積算水素消費量(短期)Δn1,Δn2,Δn3の入力を受けた理想残量演算部E4bは、図6に示すような手順で、短期水素ガス理想残量(●)の推定を行う。推定は、記憶部E4b2に記憶されている水素ガス実残量初期値(短期)を読み出し、これから、積算水素消費量(短期)を差し引くことにより行われる。例えば、T1における短期水素ガス理想残量(●)を推定する場合を例に取ると、水素ガス実残量初期値(短期)とは、T0における水素ガス実残量(△)に対応し、この値から、積算水素消費量(短期)Δn1を差し引くことにより、T1における、水素ガス理想残量(●)が推定される。
【0062】
前記したように、積算水素消費量(短期)Δn1,Δn2,Δn3は誤差を含むものであるために、得られた短期水素ガス理想残量(●)はエラーバーで示す誤差範囲を有している。
【0063】
このように、短期水素ガス理想残量(●)が推定されると、その結果は、検出手段E5送信される。検出手段E5には、短期水素ガス理想残量(●)の他に、残量検出手段E2から、燃料ガス流路3中の水素ガスの状態(圧力・温度)より求められる水素タンク1a,1bに存在する水素ガス実残量(△)の値が、前記したサンプリング期間(tu)毎に入力されている。水素ガス実残量(△)は、短期水素ガス理想残量(●)の入力をトリガとして読み出され、短期水素ガス理想残量(●)と比較される。
【0064】
この短期水素ガス理想残量(●)は、水素タンク1a,1bがどちらとも正常に水素ガスを供給しているとの仮定の下に、(1)PEFC4で消費された水素量、(2)パージ弁13から系外に排出された水素量、とを用いて求められたものである。よって、燃料ガス流路3でリークが発生して(1)、(2)以外に余分な水素が消費されていなければ、短期水素ガス理想残量(●)と水素ガス実残量(△)は、T0〜T2のように、誤差の範囲で一致する。この場合には、検出手段E5は、燃料ガス流路3ではリークが発生していないと判断する。しかし、T3のように、水素ガス実残量(△)が、短期水素ガス理想残量(●)のエラーバーを下回っている場合には、前記した(1)、(2)以外に余分な水素が消費されているということであるので、検出手段E5は燃料ガス流路3中の何れかの箇所でリークが発生していると判断し、報知手段12を介してユーザに「リークが発生している」旨の報知を行う。
【0065】
尚、本実施の形態においては、短期水素ガス理想残量を用いて、リークを検出するメカニズムについて説明したが、中期水素ガス理想残量、長期水素ガス理想残量を用いる場合も同様である。
【0066】
続いて、遮断弁2a,2bの固着を検出するメカニズムを説明する。
図8は、検出手段E5において、短期水素ガス仮想残量と水素ガス実残量を比較して、遮断弁2a,2bの固着を検出する際の概念を示したグラフである。グラフの上段は、図7と同様に積算水素消費量(短期)の時間変化を示したものである。グラフの下段は、仮想残量演算部E3b(図1)で評価される短期水素仮想残量(□)と残量検出手段E2で評価される水素ガス実残量(△)の時間変化を示したものである。
横軸は、図7と同様に、単位水素消費量のサンプリング期間(tu)(例えば0.1秒間)を単位とした時間である。
【0067】
仮想残量演算部E3b(図1)には、積算水素消費量Δn1,Δn2,Δn3が入力され、図4に示すような手順で、水素ガス仮想残量(□)の推定が行われる。推定は、記憶部E3b2に記憶されている水素ガス実残量初期値を読み出し、前記した(I)式の演算を行うことで行われる。例えば、T1における水素ガス仮想残量(□)を推定する場合には、水素ガス実残量初期値とは、T0における水素ガス実残量(△)に対応し、この水素ガス実残量(△)を(I)式に従い1/2として、積算水素消費量Δn1を2倍にして差し引くことにより、T1における水素ガス仮想残量(□)が推定される。
【0068】
前記したように、積算水素消費量(短期)Δn1,Δn2,Δn3は誤差を含むものであるために、得られた水素ガス仮想残量(□)はエラーバーで示す誤差範囲を有している。
【0069】
このように、水素ガス仮想残量(□)が推定されると、その結果は、検出手段E5送信される。検出手段E5には、水素ガス仮想残量(□)の他に、残量検出手段E2から、燃料ガス流路3中の水素ガスの状態(圧力・温度)より求められる水素タンク1a,1bに存在する水素ガス実残量(△)の値が、前記したサンプリング期間(tu)毎に入力されている。水素ガス実残量(△)は、水素ガス仮想残量(□)の入力をキーとして読み出され、水素ガス仮想残量(□)と比較される。
【0070】
この水素ガス仮想残量(□)は、水素タンク1a又は1bのどちらかの遮断弁2a,2bが固着して片方の水素タンク1a又は1bからしか水素が供給されないとの仮定の下に求められたものである。よって、このような事態が生じていなければ、水素ガス実残量(△)と水素ガス仮想残量(□)とは、T0〜T2のように、一致することはない。この場合には、検出手段E5は、遮断弁2a,2bは固着しておらず正常であると判断する。しかし、T3のように、水素ガス実残量(△)が、水素ガス仮想残量(□)とエラーバーの範囲内で一致する場合、T2〜T3の期間に遮断弁2a,2bのどちらかが固着したと判断し、報知手段12を介してユーザに「遮断弁が固着した」旨の報知を行う。
【0071】
続いて、本発明の燃料ガス供給装置において、スローリークを検知するメカニズムについて図9を参照して説明する。
図9は、縦軸が水素ガス残量を示しており、横軸は、水素ガス理想残量の短期積算期間を単位とした時間軸である。
【0072】
今、燃料ガス流路3のいずれかの個所から短期積算期間あたりにΔSという量のスローリークが発生しているものとする。このΔSは余りにも小さいために、T0〜T4のそれぞれにおける短期水素ガス理想残量(●)と水素ガス実残量(△)との比較では、水素ガス実残量(△)が、短期水素ガス理想残量(●)のエラーバーの範囲に入ってしまうので、検出手段E5は、このスローリークを認識することができない。しかし、T0〜T4までを積算区間とする中期水素ガス理想残量(○)を導入し、T4において、中期水素ガス理想残量(○)と水素ガス実残量(△)とを比較すると、スローリークΔSがT0〜T4の区間で累積されて4倍の大きさ(4ΔS)となり、中期水素ガス理想残量(○)のエラーバーの範囲を下回るので、このスローリークを検出することが可能となる。
【0073】
このように、本発明の燃料ガス供給装置においては、短期水素ガス理想残量と水素ガス実残量との比較では検出されないようなスローリークであっても、中期水素ガス理想残量と水素ガス実残量との比較、長期水素ガス理想残量と水素ガス実残量との比較を行うことで、検出することが可能となる。
【0074】
続いて、本発明の燃料ガス供給装置が、遮断弁2a,2bの固着及び燃料ガス流路3におけるリークを検出する際の、システム全体の流れについて図10を参照して説明する。
【0075】
先ず、S800において、ECU11に設けられた大リーク検出手段E6が、車体の各所に設置されているH2センサ10a,10bより入力される水素ガス濃度を評価して、H2センサ10a,10bにより検出されるような大リークが発生していないかどうかを判断する。大リークが発生していないと判断された場合(NO)、仮想残量推定手段E3において、水素ガス仮想残量(A)が算出される(S801)。続いて、理想残量推定手段E4において、適宜、短期水素ガス理想残量(B1)、中期水素ガス理想残量(B2)及び長期水素ガス理想残量(B3)が算出される(S802)。次に、残量検出手段E2において、燃料貯蔵容器1中の水素ガス実残量(C)が算出される(S803)。
【0076】
続いて、S804において、検出手段E5で水素ガス仮想残量(A)と水素ガス実残量(C)とが等しいかどうかが比較される。水素ガス仮想残量(A)≠水素ガス実残量と判断された場合(YES)には、水素タンク1a,1bにおいて遮断弁2a,2bの固着が発生していないことを示し、処理はS805以降に移り、燃料ガス流路3からのリークの有無が判断される。S805においては、水素ガス実残量(C)が短期水素ガス理想残量(B1)以上であるかどうかが判断される。この処理において、水素ガス実残量(C)≧短期水素ガス理想残量(B1)であると判断された場合(YES)には、燃料ガス流路3では大きなリークが発生していないということであり、処理はS806に移行する。
【0077】
S806においては、中期水素ガス理想残量(B2)と水素ガス実残量(C)とを比較する時刻であるかどうかが判断される。短期水素ガス理想残量(B1)は、例えば1秒毎に積算される値であるため、車両の稼動中における任意の時刻で水素ガス実残量(C)と比較することが可能であるが、中期水素ガス理想残量(B2)は、短期水素ガス理想残量(B1)に比べて長い期間に渡り積算される量であるので、比較を行う時刻を判断する必要がある。S806において、比較時刻であると判断された場合(YES)には、水素ガス実残量(C)と中期水素ガス理想残量(B2)が比較される(S807)。S807において、水素ガス実残量(C)≧中期水素ガス理想残量(B2)であると判断された場合(YES)には、中期間の積算においてもリークが検出されなかったことを示し、処理は、S808に移行する。尚、S806において、比較時刻ではないと判断された場合(NO)には、処理はS807をスキップしてS808に移行する。
【0078】
S808においては、前記した中期水素ガス理想残量(B2)の場合と同様の理由により、長期水素ガス理想残量(B3)と水素ガス実残量(C)とを比較する時刻であるかどうかが判断される。S808において長期水素ガス理想残量(B3)と水素ガス実残量(C)とを比較する時刻であると判断されると、処理はS809に移行し、長期水素ガス理想残量(B3)と水素ガス実残量(C)との比較が行われる。S809で水素ガス実残量(C)≧長期水素ガス理想残量(B3)であると判断された場合(YES)には、図9で示したように、水素ガスのリーク量を長期間に渡り積算したにも拘わらず、水素ガス実残量(C)は長期水素ガス理想残量(B3)の範囲に収まっているということであるので、長期間の積算においてもリークが検出されなかったことを示す。尚、S808において、比較時刻ではないと判断された場合(NO)には、処理はS809をスキップしてS810に移行する。
【0079】
ところで、S800において、水素ガス濃度が高いと判断された場合(YES)には、S811において、H2センサ10a,10bで検出されるほどの大リークが発生していると判断され、遮断弁2a,2bが閉弁され(S812)、水素ガスの供給が停止され、大リーク検出手段E6は、報知手段12を介してユーザに「大リークが発生した旨」を放置し、機関が全停止され(S814)処理が終了する。
【0080】
S804において、水素ガス仮想残量(A)=水素ガス実残量(C)と判断された場合(NO)には、水素ガス仮想残量(A)と水素ガス実残量(C)とが等しくなったので、S815において、遮断弁2a,2bのどちらかが固着していると判断され、S816において、報知手段12により「遮断弁の固着が発生した」旨がユーザに対して報知され処理はS800に戻る。
【0081】
また、S807において、水素ガス実残量(C)<中期水素ガス理想残量(B2)であると判断された場合(NO)には、S805における短期間の比較においては、検出することができなかった微量のリーク(スローリーク)が発生している判断され(S817)、S818において、報知手段12は、「スローリークが発生している」旨をユーザに対して報知して処理はS800に戻る。また、S809において、水素ガス実残量(C)<長期水素ガス理想残量(B3)であると判断された場合(NO)も同様であり、S805における短期間の比較、S807における中期間の比較では、検出されないほどのスローリークが発生していると判断され(S817)、前記同様報知が行われ(S818)、処理はS800に戻る。
【0082】
尚、本実施の形態においては、燃料タンク(水素タンク1a,1b)が2個の場合について例示したが、燃料タンクの個数は3個以上であっても、燃料ガス仮想残量を3個以上の燃料タンクのうち、1個の遮断弁が固着した場合、2個の遮断弁が固着した場合、と言うように、場合分けして算出することにより、燃料タンクの遮断弁の固着を検知することが可能となる。
また、本実施の形態においては、本発明の燃料ガス供給装置を水素ガスを燃料ガスとする燃料電池車両に用いた場合を例示したが、本発明は、圧縮天然ガス(CNG)、プロパンガス等他の燃料ガスの供給装置にも応用することが可能である。
【0083】
さらに、本発明は、この実施の形態の記載にのみ限定されるものではなく、本発明の技術的思想を具現化する種々の変更が可能である。
【0084】
【発明の効果】
本発明は、前記のように構成したので次のような顕著な効果を奏する。
本発明の燃料電池車両の燃料ガス供給装置は、残量検出手段により評価される利用可能な燃料ガス残量と、1以上の前記燃料タンクから燃料ガスの供給が停止したとの仮定の下に仮想残量推定手段により発電電流と水素パージ量とに基づいて推定された燃料ガス仮想残量とを比較し、両者が一致した場合には、燃料タンクの遮断弁が固着していると判断する。このようにすることにより、従来検出されることが少なかった遮断弁の固着を検出することが可能となる(請求項1)。
【0085】
本発明の燃料電池車両の燃料ガス供給装置は、遮断弁が固着した場合には、固着していない燃料タンクからの燃料供給を継続しながら、ユーザに対して「遮断弁が固着した」という報知を行うので、ユーザはメンテナンスの必要性を知ることが可能となる(請求項2)。
【0086】
本発明の燃料電池車両の燃料ガス供給装置は、残量検出手段により評価される利用可能な燃料ガス残量と、全ての前記燃料タンクより正常に燃料ガスが供給されているとの仮定の下に、理想残量推定手段が推定した燃料ガス理想残量とを比較することにより、燃料ガス流路からの燃料ガスのリークを検知することが可能となる。特に、請求項1に記載の発明と組み合わせると、燃料タンクの遮断弁の固着と燃料ガス流路中のリークとを判別して検出することが可能となる(請求項3)。
【0087】
本発明の燃料電池車両の燃料ガス供給装置は、残量検出手段により評価される利用可能な燃料ガス残量と燃料ガス理想残量との比較を第1の所定時間と、この第1の所定時間よりも長い第2の所定時間毎に行うことにより、第1の所定時間毎の比較では、検出することができない微量なスローリークをも検出することが可能となる(請求項4)。
【0088】
本発明の燃料電池車両の燃料ガス供給装置は、残量検出手段により評価される利用可能な燃料ガス残量と燃料ガス理想残量との比較を2以上の長さが異なる所定時間毎に行うので、所定時間が短い場合には検出できないようなスローリークを所定時間を長くして比較することで検出することが可能となる(請求項5)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料ガス供給装置のシステムを示す図面である。
【図2】本発明の燃料ガス供給装置が遮断弁の固着及び燃料ガス流路からのリークを判別して判断を行う際の概念を示したグラフである。
【図3】消費量積算部E3aにおける積算水素消費量の算出の手順を示すフローチャートである。
【図4】水素ガス仮想残量の算出の手順を示すフローチャートである。
【図5】消費量積算部E4aにおける積算水素消費量の算出の手順を示すフローチャートである。
【図6】水素ガス理想残量の算出の手順を示すフローチャートである。
【図7】短期水素ガス理想残量と水素ガス実残量を比較して、リークを検出する際の概念を示したグラフである。
【図8】短期水素ガス仮想残量と水素ガス実残量を比較して、遮断弁の固着を検出する際の概念を示したグラフである。
【図9】スローリークを検知するメカニズムを説明するためのグラフである。
【図10】本発明の燃料ガス供給装置が、遮断弁の固着及び燃料ガス流路におけるリークを検出する際のフローチャートである。
【符号の説明】
1 燃料貯蔵容器
1a,1b 水素タンク
2a,2b 遮断弁
3 燃料ガス流路
4 PEFC
5 レギュレータ
6 三方弁
7 圧力・温度センサ
8 電流計
9 流量計
10a,10b H2センサ
11 ECU
12 報知手段
13 パージ弁
E1 水素消費量算出手段
E2 残量検出手段
E3 仮想残量推定手段
E3a 消費量積算部
E3a1 加算部
E3a2 記憶部
E3b 仮想残量演算部
E3b1 演算部
E3b2 記憶部
E4 理想残量推定手段
E4a 消費量積算部
E4a1 加算部
E4a2 記憶部
E4b 理想残量演算部
E4b1 演算部
E4b2 記憶部
E5 固着検出手段
E6 大リーク検出手段

Claims (5)

  1. 燃料貯蔵容器を構成する燃料ガスを貯蔵する複数の各燃料タンクに、前記燃料ガスの供給を遮断する1つの遮断弁が接続され、並列な各前記燃料タンクからの配管が前記各遮断弁の下流で合流する前記燃料ガスを供給する燃料ガス流路を備えた燃料電池車両の燃料ガス供給装置において、
    前記燃料ガス流路中の燃料ガスの圧力、温度を用いて前記燃料貯蔵容器中に残留する使用可能な燃料ガス残量を求める残量検出手段と、
    1以上の前記燃料タンクから燃料ガスの供給が停止したとの仮定の下に、前記燃料ガスの供給が停止していない他の前記燃料タンクからなる前記燃料貯蔵容器内部の燃料ガス仮想残量を、前記停止していない燃料タンクの燃料ガス実残量初期値から発電電流と水素パージ量とに基づいて算出した積算燃料ガス消費量を差し引くことにより、推定する仮想残量推定手段と、
    前記燃料ガス残量と前記燃料ガス仮想残量とを比較して、前記燃料ガス残量が前記燃料ガス仮想残量の範囲に収まる場合、前記燃料ガスの供給が停止した前記燃料タンクに接続される遮断弁の不具合を検出する検出手段とを備えた
    ことを特徴とする燃料電池車両の燃料ガス供給装置。
  2. 前記検出手段が遮断弁の不具合を検出した場合に、遮断弁が不具合でない燃料タンクから燃料ガスの供給を継続するとともに、ユーザに対し遮断弁の不具合を報知する
    ことを特徴とする請求項1記載の燃料電池車両の燃料ガス供給装置。
  3. 前記燃料ガス供給装置が、全ての前記燃料タンクより正常に燃料ガスが供給されているとの仮定の下に、前記発電電流量及び前記水素パージ量より求められる所定の期間の積算燃料ガス消費量を求め、該積算燃料ガス消費量を前記燃料ガス残量の初期値から差し引くことにより、前記燃料貯蔵容器内部の燃料ガス理想残量を推定する理想残量推定手段をさらに備え、
    前記検出手段は、さらに、前記燃料ガス残量と前記燃料ガス理想残量とを比較して、前記燃料ガス残量が前記燃料ガス理想残量の範囲より小さい場合、前記燃料ガスのリークを検出する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料電池車両の燃料ガス供給装置。
  4. 前記検出手段は、前記燃料ガス残量と前記燃料ガス理想残量との比較を、第1の所定時間毎に及びこの第1の所定時間よりも長い第2の所定時間毎に行う
    ことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池車両の燃料ガス供給装置。
  5. 前記残量検出手段は、
    前記燃料ガス流路中の燃料ガスの圧力、温度を用いて、第1の時刻における前記燃料貯蔵容器中に残留する使用可能な燃料ガス残量である第1の残量と、前記第1の時刻より所定時間後の第2の時刻において、前記燃料貯蔵容器中に残留する使用可能な燃料ガス残量である第2の残量とを求め
    前記理想残量推定手段は、
    全ての前記燃料タンクより正常に燃料ガスが供給されているとの仮定の下に、前記発電電流と前記水素パージ量とに基づいて算出される前記所定時間中に消費された燃料ガス量を前記第1の残量より差し引くことで求められる燃料貯蔵容器内部の燃料ガス理想残量を推定し、
    前記検出手段は、
    異なる長さの2以上の前記所定時間において、前記第2の残量と前記燃料ガス理想残量との比較を行い、前記第2の残量が前記燃料ガス理想残量の範囲より小さい場合、前記ガス流路の不具合を検出する
    ことを特徴とする請求項3または請求項4記載の燃料電池車両の燃料ガス供給装置。
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