JP4302927B2 - ホウ化物単結晶とその製造方法及びそれを利用した半導体層形成用基板 - Google Patents
ホウ化物単結晶とその製造方法及びそれを利用した半導体層形成用基板 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4302927B2 JP4302927B2 JP2002051578A JP2002051578A JP4302927B2 JP 4302927 B2 JP4302927 B2 JP 4302927B2 JP 2002051578 A JP2002051578 A JP 2002051578A JP 2002051578 A JP2002051578 A JP 2002051578A JP 4302927 B2 JP4302927 B2 JP 4302927B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- crystal
- single crystal
- substrate
- rod
- raw material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ZrB2又はTiB2を含むホウ化物単結晶とその製造方法および、その単結晶を利用した半導体層成長用基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、発光ダイオードなどに窒化ガリウム系半導体の実用化が進んでいる。窒化ガリウム系半導体とは、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)及びこれらの混晶であるInxGayAlzN(但し、0≦x,0≦y,x+y≦1,z=1−x−y)を含むものである。従来、そのような窒化ガリウム系半導体はサファイア基板の上にエピタキシャル成長して作成されていた。
【0003】
化合物TiB2とZrB2の結晶は知られており、特開平10−95699号は、浮揚帯溶融結晶化法(フローティング・ゾーン法、以下には、単に、FZ法ということがある)を用いて、高輝度電子放射材料として、二ホウ化ジルコニウムの単結晶を作る方法を開示している。TiB2とZrB2の結晶は、融点が3000℃ないしそれ以上の高温であるので、結晶化には、フローティング・ゾーン法のほかには、フラックス法が、知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記基板材料としてのサファイアは、窒化ガリウム系半導体と大きな格子不整合を持っており、格子不整合に起因する結晶欠陥がエピタキシャル成長層中に導入され、結晶性の優れた窒化ガリウム系半導体層が得られない。また、サファイア基板は絶縁体であるので、発光ダイオードなどの半導体素子構造においては、サファイア基板面側からの電極取り出しができず、窒化ガリウム系半導体の形成された面にのみ正電極・負電極の両極を形成する必要があった。このため、発光ダイオードなどの製造プロセスが複雑になり、発光面積が、基板面積ないし素子面積に比べ小さくなるなどの問題があった。
【0005】
表1には、TiB2及びZrB2結晶と、GaN及びAlNとの物性をまとめているが、TiB2とZrB2結晶は、六方晶系であり、上記GaNとAlNなどの窒化物半導体とほぼ等しい格子定数と熱膨張係数をもつので、上記の窒化ガリウム系半導体層をエピタキシャル成長させるための基板結晶として利用することが期待でき、基板と半導体層との結晶整合性が高いので、結晶欠陥の少ないエピタキシャル成長層を形成し、結晶性の優れた窒化ガリウム系半導体層が得られる。さらに、表1のように、ZrB2結晶は、比較的高い熱伝導性を備えているので、放熱性に優れた基板となし、TiB2とZrB2の両結晶は、さらに電気的に良導体であることから、結晶基板を電極用導体としても利用できる。
【0006】
【表1】
【0007】
これら二ホウ化物の結晶を窒化ガリウム系半導体の基板結晶として利用するには、できるだけ大型結晶であって、基板主面には、粒界と亜粒界とが実質的に存在しない単結晶が必要である。しかしながら、FZ法を利用してこれらの二ホウ化物の単結晶に成長させると、直径10mm以上の大型の結晶棒では結晶中に結晶粒界や亜粒界が多数発生し、良質な単結晶の育成が困難であった。基板結晶に亜粒界などが存在すると、この上にエピタキシャル成長した半導体層にも、転移などの格子欠陥の密度が高くなり、優れた特性の半導体層が得られない。
【0008】
本発明は、上記の二ホウ化物単結晶の粒界と亜粒界の問題に鑑みてなされたもので、FZ法を用いて大きな、且つ亜粒界のないTiB2とZrB2単結晶とその製造方法を提供しようとするものである。本発明は、そのような単結晶を利用して基板に起因して誘発される格子欠陥の極めて少ない半導体層を形成するための基板を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のホウ化物単結晶の製造方法は、フローティングゾーン法によるXB2化合物(XはTi若しくはZrの少なくとも一種である)の結晶を育成するに際して、原料棒に粒界抑制剤としてモリブデン又はタングステンのホウ化物を少なくとも1種を添加して、成長過程で大型結晶の中での亜粒界の発生を抑制して、単結晶を得る方法である。特に、直径が約10mm以上に成長させた大きな結晶棒においても粒界及び亜粒界が実質的に存在しない単結晶にすることができる。
【0010】
本発明においては、原料棒中には、上記粒界抑制剤としてのモリブデン又はタングステンのホウ化物を最適な添加量として0.05から3重量%を含有する。0.05重量%より少ないと、結晶中での亜粒界の発生を抑制する効果が少なくて実用的ではないが、配合量を増加するに伴って亜粒界の発生を抑制する効果が大きくなる。原料棒中に粒界抑制剤が3重量%以上を配合すると、結晶中には、結晶成長方向に沿って層状の粒界が発生し、結晶が多結晶化するので好ましくない。
【0011】
本発明のXB2単結晶は、XB2(XはTi若しくはZrの少なくとも一種である)単結晶であって、亜粒界を含まず、0.05〜3重量%のMoB2若しくはWB2の少なくとも一つが添加されていることを特徴とする。
本発明は、このような単結晶から形成した半導体層成長用の基板を含み、特に、単結晶基板には、径10mmを越える結晶棒から切り出して成形しても、亜粒界が存在しないので、窒化ガリウム系半導体層を成長させるための成長基板とすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法においては、XB2(XはTi若しくはZrの少なくとも一種である)と、0.05〜3重量%のMoB2若しくはWB2の少なくとも一種を含む原料棒を調製し、原料棒をフローティングゾーン法により局部的に加熱溶融しながら、徐々に凝固させて、結晶棒に結晶化させるものである。
【0013】
原料棒は、通常は、上記のXB2化合物の粉末と、MoB2粉末又はWB2粉末との混合物から棒状に成形される。好ましくは、原料棒は、圧縮成形された圧粉体か、これをさらに、焼結した焼結棒にする。焼結するのは、原料棒に、フローティングゾーン溶解の際に必要で適度の機械的強度と、導電性とを付与するためである。
【0014】
フローティングゾーン法による結晶育成の過程では、原料棒は、一端の始端部から他端の終端部に向けて、局部的に加熱し、局部的に溶融帯を形成しながら、溶融帯を棒長手方向に一定速度で移動させると、溶融帯の凝固面で結晶化させ、結晶領域が成長する。
【0015】
XB2化合物は、導電性があるので、その原料棒には、局部的に通電加熱することもでき、フローティングゾーン法においては、高周波コイルを用いて、誘導加熱をする方法が利用できる。他の加熱方法には、レーザの局部照射法や、プラズマ照射による加熱が利用できる。
【0016】
本発明の製造方法においては、結晶育成の際にフローティングゾーン法を利用するが、図1には、数気圧の高圧不活性ガス雰囲気中で、結晶育成させるための高周波誘導加熱フローティングゾーン装置を示している。この誘導加熱フローティングゾーン法は、上記のTiとZrの二ホウ化物がかなりの導電性を有することを利用するもので、原料棒を垂直に立てて、高周波コイルを原料棒に外挿し、原料棒の高周波コイル近接位置でのみ局部的に誘導溶解して狭い幅の融帯を作り、コイルに対して原料棒を相対的に移動させて融帯を移動させることにより、融帯の後側に結晶相を形成する。この方法は、原料棒の終端部側を固定すればよいので、融帯が耐火物などと接触せず、従って、融帯の汚染が防止でき、且つ接触による冷却がないので、極めて高温まで加熱して高温の融帯にできる利点がある。
結晶化の初期操作は、原料棒8の下端を種結晶などと近接させて溶解の始端部として融帯を作り、原料棒に対して相対的に上方に融帯を移動させて、融帯の下方に単結晶6を育成する。
【0017】
原料の二ホウ化物粉末は、TiB2若しくはZrB2又はこれらの混合物を使用し、これに、二ホウ化モリブデン(MoB2)粉末又は二ホウ化タングステン(WB2)粉末またはこれらの二ホウ化物を、よく混合して原料混合粉にし、これに、結合剤として少量の樟脳を加え、圧縮成形して圧粉棒を作る。圧粉棒の成形は、好ましくは、ラバープレスなどを利用して、静水圧的に加圧される。この圧粉棒を焼結するには、真空中又は不活性ガス中で1100〜1600℃程度に加熱して焼結棒にする。
【0018】
調製した原料棒8は、誘導加熱フローティングゾーン装置に装着されるが、図1にフローティングゾーン装置の概要を示すように、原料棒8の上端を上軸2にホルダー3を介して固定し、原料棒8の始端部に近接するように下軸10には種結晶5(これは、初期融帯形成用の別の焼結棒でもよい)を、ホルダー11を介して、セットする。つぎに、原料棒8の始端部を、高周波コイルに通電して加熱して、局部的に溶融させ融帯7を形成させ、上軸2と下軸10を高周波コイルに対して、徐々に下方に移動させて、融帯の移動に伴って、単結晶6を育成して結晶棒にする。このとき、原料棒8の融帯7への供給速度は、供給原料棒の密度(結晶相に対する相対密度が通常は55%程度)と、原料棒の直径に対して育成されるべき結晶の直径の大きさと、を考慮して、設定される。
【0019】
結晶育成中の雰囲気には、高圧力(3〜10atm)の不活性ガス、例えば、アルゴンまたはヘリウムを、用いる。これは、高周波コイル4の部分で発生する放電を防止するため、および、融帯7からの蒸発を抑制するためである。
【0020】
図2はこのようにして形成した結晶6を含む結晶棒の外観を示している。上記Mo又はWの二ホウ化物を配合薄めすると、結晶棒中には、亜粒界を実質的に含まない単結晶60を作ることができる。結晶化初期の過程では、種結晶または別の焼結体から最初に成長する結晶は粒界が常に発生する多結晶であるが、図3(A)に縦断面の研摩面を示すように、粒界12は、融帯7が10mm程度以上の移動すると結晶外に排出され、それ以後の融帯移動により単結晶60が得られ、単結晶内には亜粒界も生じない。初期の成長過程では、モリブデンまたはタングステンの添加は、添加しないで結晶生育した場合と比較すると、結晶成長初期に発生する粒界の排出を遅らせる傾向がある。図3(A、B)中には、結晶の始端部における多結晶域の長さL12を比較している。Mo又はWの二ホウ化物を添加すると、L12が、無添加の場合と比較して長くなる。従って、亜粒界のない良質な単結晶を得るには、無添加の場合に比較して、より長い融帯移動距離を必要とする。これに対しては、原料棒先端から0.5〜3cm程度の始端部には、Mo及びWの二ホウ化物を添加しないのが有効である。原料棒に始端部にMo及びWの二ホウ化物を含まないように調製した原料棒を用いてフローティングゾーン溶解すると、種結晶に接して溶解が始まる始端部61の多結晶域の長さL12を小さくでき、それに続く結晶には、Mo又はWの二ホウ化物を添加した原料によって、亜粒界のない単結晶が得られるので、単結晶の製造歩留まりを高くすることができる。
【0021】
Ti又はZrの二ホウ化物へのMo及びWの二ホウ化物の添加は、添加量が多くなるほど、結晶棒中にひずみが残り、引張残留応力によってクラックが発生しやすくなる。特に、育成した結晶棒から単結晶の切断や研磨をする過程で、ひび割れが生じることがある。 これを防止するには、結晶育成後に加熱して歪みを除くアニーリングが有効である。このアニーリングは、1600〜2000℃で、3〜10時間程度実施するのが有効である。
【0022】
この方法により得られたTi又はZrの二ホウ化物の単結晶は、半導体成長用の基板として用いることができる。このような成長用基板には、結晶棒の単結晶部を、特定の結晶面が基板の主面になるように切断して、切断面を研磨して、主面とした基板に利用される。例えば、上記GaNなどの窒化物半導体の成長用に使用する基板の場合には、上記育成した二ホウ化物の単結晶からの(0001)面に平行に板面を切り出して、基板にされる。
【0023】
Ti又はZrの二ホウ化物が多結晶であると、アルミナ、シリカの研摩剤を用いて化学研磨したときには、研摩面には、粒界及び亜粒界が目視できるが、上記実施形態の方法で製造した結晶棒から切り出した単結晶には、このような粒界は、認められない。上記Tiなどの二ホウ化物は、粒界や亜粒界が存在すれば、研摩面のX線トポグラフや酸エッチングによっても確認できるが、主面を化学研磨した時点で目視にて容易に判別することが出来る。
【0024】
【実施例】
[実施例1]
市販のZrB2化合物の粉末に、市販のMo2B5化合物の粉末を(MoB2換算で)0重量%、0.1重量%、0.9重量%、2.5重量%、及び4.2重量%を5水準で添加して混合粉末にし、圧粉体に成形して後、1600℃で焼結して、直径13mmの原料棒に調製した。この原料棒を、上記高周波誘導加熱FZ装置を用いて、直径13mm、結晶6の長さ約50mmの結晶棒を製造した。結晶棒から、結晶の終端部62の断面マクロ組織の観察を行ない、原料棒8、融帯7の急冷凝固部、及び結晶6の終端部62から分析試料を採取して、組成分析を行なった。その試験結果を表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】
以上の結果から、融帯中のMoB2の蒸発による組成変化は無視できる程度に少ないことが予測できる。このデータから、ZrB2についてのMoB2の分配比が約0.3で、かなり小さいことが判る。ここに、分配比とは、ZrB2結晶中のMoB2含有量の融帯中のMoB2含有量に対する比である。この比が小さいことは、融帯中に溶質不純物量がある程度残留するので、融点降下により、固相線温度が低下することが期待される。こうして、モリブデンの添加は、育成温度を低下させるが、さらに、モリブデン添加による育成時の加熱電力を低減させる効果が認められた。
【0027】
同様にして、ZrB2にWB2を添加した結晶育成試験を行なった。試験結果を、表3に示す。WB2の添加は、MoB2と同様の結果を得た。
【0028】
【表3】
【0029】
これらの表から判るように、長尺のZrB2単結晶を製造するには、MoB2又はWB2の少なくとも一種を0.1〜3重量%の含有量で含まれれば良いことがわかる。上記の結果よりMoB2とWB2とは、相互に置換可能であり、上記の配合範囲で、混合して添加することもできる。
【0030】
また、XB2中に配合したMoB2とWB2とは、上記のXB2の高い融点においても、XB2より蒸発が非常に少ないため、添加量のほとんどが成長した単結晶に残留しており、得られた結晶中のMoB2またはWB2含量は0.1〜3重量%の範囲にあった。
【0031】
単結晶育成過程で形成される亜粒界は、成長直後に受ける熱応力により、転移が、移動して一列に並列しあるいは網目構造を形成したものであるが、XB2結晶中にTiやZrとは原子半径の異なる不純物MoやWが、転移の移動を抑制して、亜粒界の成形を防止したものと思われる。さらに、MoやWの添加による融点降下により融帯‐結晶成長域の温度勾配が緩和されたことも、亜粒界防止の原因の一つと思われる。
【0032】
この実施形態の製造方法は、高周波誘導加熱以外の加熱法、例えば、レーザー加熱によるFZ法にも適用することができる。また、MoB2またはWB2のを添加して結晶性を改善する方法は、FZ法による結晶育成だけではなく、他の溶融法による単結晶の製造に利用することができる。
【0033】
[実施例2]
実施例1において製造した試料番号4の直径13mmのZrB2単結晶棒から基板を切り出した。単結晶棒は、X線回折法により結晶方位を割り出し、(0001)面を主面とする厚さ0.6mmの板をバンドソーを用いて板状に切り出した。得られた板は外形が不定形であるので、12.7mm(0.5インチ)角に外辺部を研削加工し、厚さ方向にはダイヤモンド砥石を用いた研削加工を行い厚さ0.4mmの結晶板にした。この板の片面をコロイダルシリカを用いて化学研磨し、洗浄した。
【0034】
従来のFZ法による作成方法では、直径10mmを越える結晶については、化学研磨を終えた状態で粒界が目視にて観察され、且つ、X線回折法にて(0001)面を測定すると回折ピークが複数観察され、基板としては機能上問題があった。
【0035】
然しながら、この実施例の結晶板の研磨後に、主面を観察したが、粒界と亜粒界は観察されず、単結晶X線回折ピークも単一であった。さらに、研磨後の基板に塩酸・硝酸による化学エッチングを行っても粒界は出現せず、均質な単結晶であることが判った。
【0036】
[実施例3]
実施例2で調製した結晶板を、基板に用いて、有機金属化合物成長法(以下MOCVD法という)により、窒化ガリウム系半導体層の気相からの成長の試験を行なった。基板は、反応炉内に、水素ガスを流しながらサセプタを加熱して、1050℃に加熱して10分保持し、その後、950℃にして、トリメチルアルミニウム(TMA)とアンモニアNH3を流してアンドープAlN層を1μmに成長させた。このAlN層はいわゆる非晶質の低温バッファ層ではなくて、結晶質層である。さらにアンモニアを流したまま1000℃に基板を加熱し、その後にトリメチルガリウム(TMG)を流して、アンドープのGaN層を2μm成長させた。このGaNエピタキシャル結晶の電気特性をホール効果法にて測定し、n型であって、キャリア濃度は1×1016cm−3程度で、格子欠陥の少ない良好な特性の結晶が成長できたことがわかった。
【0037】
【発明の効果】
本発明のホウ化物単結晶は、XB2(XはTi若しくはZrの少なくとも一種である)単結晶であって、0.05〜3重量%のMoB2若しくはWB2の少なくとも一つを含有することにより、亜粒界を含まず結晶性の高い大型の単結晶とすることができる。
【0038】
本発明のホウ化物単結晶の製造方法は、XB2(XはTi若しくはZrの少なくとも一種である)と、0.05〜3重量%のMoB2若しくはWB2の少なくとも一つを含む原料棒を用い、フローティングゾーン法により結晶を育成するので、粒界や亜粒界を含まない結晶性の高い良質な大型のTi及びZrの二ホウ化物単結晶を得ることができる。
【0039】
本発明の製造方法により製造した二ホウ化物単結晶を用いて、半導体層成長用の基板にすることができる。特に、このようなTi及びZrの二ホウ化物単結晶基板は、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)などの窒化物半導体層を成長させるための基板に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法に利用可能な高周波誘導加熱フローティングゾーン装置の模式的断面図である。
【図2】 フローティングゾーン法により形成した結晶棒を含む試料のの外観図。
【図3】 (A)は、本発明の製造方法の実施例により得られた結晶棒の縦断面の研摩面を示す模式図、(B)は、従来の製造方法により製造した結晶棒の縦断面の研摩面を示す模式図。
【符号の説明】
1:上軸駆動部
2:上軸
3:ホルダー
4:高周波コイル
5:種結晶
6:結晶
7:融帯
8:原料棒
9:ホルダー
10:下軸
11:下軸駆動部
12:粒界
13 亜粒界
60 単結晶
61 始端部
62 終端部
Claims (6)
- XB2(XはTi若しくはZrの少なくとも一種である)単結晶であって、亜粒界を含まず、0.05〜3重量%のMoB2若しくはWB2の少なくとも一つが添加されていることを特徴とするホウ化物単結晶。
- 請求項1記載の単結晶の製造方法であって、
XB2(XはTi若しくはZrの少なくとも一種である)と、0.05〜3重量%のMoB2若しくはWB2の少なくとも一つを含む原料棒をフローティングゾーン法により結晶棒に育成することを特徴とするホウ化物単結晶の製造方法。 - 原料棒の溶解始端部がMoB2とWB2とのいずれも含有しないことを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
- さらに、上記結晶棒を加熱して歪み取りアニーリングを行なうことを特徴とする請求項2又は3に記載の製造方法。
- 請求項1記載の単結晶から成る基板であって、基板が半導体層を成長形成するための主面を有することを特徴とする半導体形成用基板。
- 請求項2ないし4のいずれかに記載の製造方法により製造した結晶棒から切り出してなる基板であって、基板が半導体層を成長形成するための主面を有することを特徴とする半導体形成用基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002051578A JP4302927B2 (ja) | 2002-02-27 | 2002-02-27 | ホウ化物単結晶とその製造方法及びそれを利用した半導体層形成用基板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002051578A JP4302927B2 (ja) | 2002-02-27 | 2002-02-27 | ホウ化物単結晶とその製造方法及びそれを利用した半導体層形成用基板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003252697A JP2003252697A (ja) | 2003-09-10 |
JP4302927B2 true JP4302927B2 (ja) | 2009-07-29 |
Family
ID=28663515
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002051578A Expired - Fee Related JP4302927B2 (ja) | 2002-02-27 | 2002-02-27 | ホウ化物単結晶とその製造方法及びそれを利用した半導体層形成用基板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4302927B2 (ja) |
-
2002
- 2002-02-27 JP JP2002051578A patent/JP4302927B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003252697A (ja) | 2003-09-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI259513B (en) | III-V nitride boule and method of making the same, wafers derived and parted therefrom, and microelectronic device structure | |
JP4327339B2 (ja) | 半導体層形成用基板とそれを利用した半導体装置 | |
KR101454978B1 (ko) | SiC 단결정 웨이퍼와 그 제조 방법 | |
US7905958B2 (en) | Group III-nitride semiconductor crystal and manufacturing method thereof, and group III-nitride semiconductor device | |
JP5068423B2 (ja) | 炭化珪素単結晶インゴット、炭化珪素単結晶ウェハ及びその製造方法 | |
KR100655106B1 (ko) | 스피넬 기판 및 당해 기판 상에서의 ⅲ-ⅴ 물질의헤테로에피택셜 성장 | |
US10612156B2 (en) | Two-stage seeded growth of large aluminum nitride single crystals | |
JP4480298B2 (ja) | ホウ化物結晶とこれを用いた半導体層形成用基板並びにその製造方法 | |
Kinoshita et al. | ZrB2 substrate for nitride semiconductors | |
JP4302927B2 (ja) | ホウ化物単結晶とその製造方法及びそれを利用した半導体層形成用基板 | |
JP5430467B2 (ja) | Iii族窒化物半導体成長用基板、iii族窒化物半導体自立基板、iii族窒化物半導体素子、ならびに、これらの製造方法 | |
JP2004165564A (ja) | 窒化ガリウム結晶基板の製造方法と窒化ガリウム結晶基板及びそれを備えた窒化ガリウム系半導体素子 | |
JP2005104742A (ja) | 単結晶育成用基板および半導体装置 | |
JP2000044399A (ja) | 窒化ガリウム系化合物半導体のバルク結晶製造方法 | |
JP4538619B2 (ja) | ホウ化物単結晶と半導体形成用基板及びその製造方法 | |
JP2015151291A (ja) | 窒化物半導体自立基板及びその製造方法並びに半導体デバイス | |
JP4817099B2 (ja) | 炭化物単結晶とその製造方法 | |
KR20150092083A (ko) | 비스무트 도핑된 반절연성 3족 질화물 웨이퍼 및 그의 제조 방법 | |
JP4515674B2 (ja) | ホウ化物単結晶と半導体形成用基板 | |
JP4518782B2 (ja) | 二ホウ化物単結晶の製造方法 | |
TW202302934A (zh) | Ga2O3系單晶基板及Ga2O3系單晶基板的製造方法 | |
JP2000247790A (ja) | 半導体素子用基板及び半導体素子並びに窒素化合物半導体単結晶基板の製造方法 | |
JP2005154234A (ja) | 結晶育成用棒および二ホウ化物単結晶の製造方法 | |
JP2002167296A (ja) | 成膜用基板 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040903 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20061129 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070731 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20071001 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080909 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20081106 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090324 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090423 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120501 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120501 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130501 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130501 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140501 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |