JP4301685B2 - 破損燃料検出装置及びその検出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料集合体内の破損燃料棒を減圧法インコアガスシッピング法によって検出する破損燃料検出装置及びその検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
原子炉内に装荷された燃料集合体の破損燃料を検出する方法はシッピング法と呼ばれ、シッピング法には破損した燃料棒から放出する核分裂生成物の放射性ヨウ素を測定するヨウ素測定方法と、燃料集合体内に加圧ガスを供給するアウトコア加圧法によるガスシッピング方法と、燃料集合体を上下動させる圧力差式ガスシッピング法が知られている。また、最近、ガスシッピング方法において減圧法が提案されている。
【0003】
これらのシッピング法について図6から図9により順次説明する。
図6はヨウ素測定方法を説明するための装置の概略図で、その要部のみを一部縦断面で示している。図6中、符号1は燃料集合体で、燃料集合体1は原子炉圧力容器(図示せず)内の炉心に装荷されており、図6ではその上部のみ示している。符号2は燃料棒、3は破損燃料棒である。燃料集合体1は4体1組となって上部格子板4の格子枠内に2行2列配置されている。
【0004】
符号5は大型シッパキャップで、上部格子板4の格子枠の上部に設置され4体1組の燃料集合体1の上部全然を覆っている。符号6は小型シッパキャップで大型シッパキャップ5内に設けられ、各々の燃料集合体1の上部を覆っている。符号7は加圧管で大型シッパキャップ5を貫通して設けられている。8はサンプリングラインで、各々の燃料集合体1に設けられており、9は大型シッパキャップ5の上面に取り付けた把手、10は把手9を掴むフック、11はフック10を備えた燃料交換機を部分的に示している。燃料交換機11はオペレーションフロア(図示せず)を走行する。12は冷却水で、原子炉圧力容器内に気液二相流となって存在している。
【0005】
上記構成の装置において、ヨウ素測定方法は炉心に装荷された燃料集合体1の上部に大型シッパキャップ5と小型シッパキャップ6を装着し、加圧管7から気体を送り込んで冷却水12の流れを止めることにより燃料集合体1内の冷却水12の温度を崩壊熱により上昇させる。
【0006】
この温度上昇により燃料棒2の内圧を上昇させることで、破損している破損燃料棒3からヨウ素を冷却水中に放出させる。このヨウ素を含む冷却水をサンプリングライン8に接続するシッピング装置(図示せず)により吸い上げて捕集し、冷却水の放射能を測定することにより破損の有無を判定する。
【0007】
次に加圧式によるアウトコアガスシッピング方法を図7により説明する。
図7において、符号13は燃料貯蔵プールで、この燃料貯蔵プール13内に原子炉圧力容器の炉心に装荷されている燃料集合体1を移送し、燃料集合体1を空気ジャケット14を備えた減圧容器15内に収納する。そしてシッピングキャップ16で密閉した後、0.5気圧に減圧し、燃料棒2内部との圧力差によりガスを放出させ、このガスを捕集し、放射能を測定することにより破損の有無を判定する。
【0008】
図7中、符号17は窒素ボンベ、18は窒素ガス圧力計、19は窒素ガス圧力調整弁、20は窒素ガス元弁、21はガスサンプル採取管、22はガスサンプル流量計、23はガスアナライザ、24はポンプバイパス弁、25はポンプ、26は放出弁、27はガス調節元弁、28はガス供給管、29は水ポンプ、30は空気管、31は空気圧力調整弁、32は空気ベント弁、33は空気元弁、34は温度計、35は圧力計である。
【0009】
次に圧力差式インコアガスシッピング法を図8(a),(b)により説明する。
図8(a)に示すように燃料集合体1が炉心に装荷された状態で捕集マウスピース37を燃料集合体1の上部に取り付け、この状態から図8(b)に示す状態のように原子炉圧力容器内で燃料交換機11により燃料集合体1を約3m上昇させる。これにより水頭差により生じる圧力差から燃料集合体1内の破損燃料棒3に蓄積した放射性ガス36を放出させ、これを捕集マウスピース37により冷却水12とともに捕集し、放射能を測定することにより破損の有無を判定する。
【0010】
次に図9により従来のガスシッピング方法を改良した減圧式インコアガスシッピング方法を説明する。
この方法は燃料集合体1を原子炉圧力容器(図示せず)から燃料貯蔵プール等へ移動することなく、破損燃料棒3から放射性ガス36を放出させる方法である。すなわち、燃料集合体1に小型シッパキャップ6を装着し、この小型シッパキャップ6に抽出管41を接続して制御装置38に組み込んだコンプレッサ39からバルブ40及び抽出管41を通して小型シッパキャップ6内に空気を送り込む。
【0011】
また、抽出管41の途中はバルブ40により任意に閉止され、抽出管41には減圧タンク42と減圧ポンプ43がそれぞれ止め弁44,45を介して分岐接続している。減圧ポンプ43により減圧タンク42内は約0.5気圧に減圧されている。減圧タンク42上には放射能を検出する検出器46が設置され、検出器46は測定機器47に接続している。
【0012】
減圧タンク42内を0.5気圧に保持した状態で抽出管41のバルブ40を解放することにより、瞬時にキャップ6内の圧力が2気圧から0.5気圧に減圧され、同時に集合体1内を減圧でき、破損燃料棒3から放射性ガス36がキャップ6内に放出される。放射性ガス36は空気とともに減圧タンク42内に流入し、ここで放射能を検出器46で測定することに破損の有無を判定する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ヨウ素測定方法は破損燃料棒3から放出される水溶性のヨウ素を冷却水に溶けた状態で捕集して測定するため、炉水中に存在するバックグランドのヨウ素により検出感度が劣り、また、ヨウ素を冷却水中に放出させる手段に温度上昇方法を使用しているため、十分な検出のためには時間を要する課題がある。
【0014】
一方、加圧式および圧力差式ガスシッピング方法は何れもヨウ素測定方法に比較して測定する放射性希ガスXe,Krの絶対量が多いため、感度は向上する。しかしながら、何れのガスシッピング方法も破損燃料を燃料貯蔵プール13へ移動するか、または約3m上昇させることが必要なため、燃料破損の程度によっては二次的に破損を拡大する課題があり、また全燃料を移動させたり、上昇させたりする作業時間が必要となる課題がある。
【0015】
また、減圧式ガスシッピング方法については、その特長であるガス分析感度をより向上させる目的で、減圧タンクにより約0.5気圧の真空状態を作り瞬時にキャップ内を2気圧から0.5気圧に約1.5気圧減圧させることから、キャップ、抽出管、減圧タンクに約2気圧以上の外圧に耐える構造が必要条件となる。特に抽出管は従来装置で使用しているようなフレキシブルなナイロン製ホースの代わりに鋼製のチューブを用いることになり、キャップを燃料集合体に装着することや取扱性が困難である。
【0016】
また、キャップにおいても従来以上の強度が必要とされるため、必然的に質量が増大し、キャップを吊下げる燃料交換機の定格荷重の制限から、従来装置で最大16体の複数体の燃料集合体を同時にサンプリングする複数体キャップの設計に限界が生じ、キャップの炉心内での移動回数が増えることから、シッピング全体の作業時間が増加することになる。
【0017】
また、真空状態を作るためだけの目的で従来装置には無い減圧タンクと減圧ポンプの設備を必要としていた。また、キャップ内を約1.5気圧の圧力差で減圧し、その圧力差で燃料集合体内に減圧を生じさせるよう冷却水をキャップ内に効率よく流入させたり、減圧状態を効率的に燃料集合体に伝えるためには、キャップ3と燃料集合体2の間での冷却水の漏洩を極力阻止するためにパッキンが必要不可欠となることから燃料の種類により性能が左右される。
【0018】
さらに燃料集合体は、現行の8×8格子のステップ2燃料と次世代の9×9格子のステップ3燃料への交替時期となっており、この燃料は燃料集合体の外枠を形成するチャンネルボックスの上部形状が異なるため、双方の燃料の混在時期では十分なパッキンのシール性が期待できないことが推測できる。また、将来的に次世代の燃料の開発の可能性もあり、燃料の種類により性能が影響する。
【0019】
キャップ自体も外圧約2気圧に耐える強度にするためキャップ質量が増大し複数体同時作業が可能なキャプ体数が制限され、キャップの炉心内での移動時間と移動回数が増えることから、シッピング全体の作業時間が増加することになる。
【0020】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、減圧法インコアガスシッピング方法を改良し、従来のガスシッピング方法と同等以上の高い検出感度を維持しながら、破損燃料に負荷を与えることなく、また、燃料の種類に依存しないで、迅速、高感度に破損燃料を検出できる破損燃料検出装置及びその検出方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、原子炉圧力容器内に設置されている上部格子板の格子枠上に当接して燃料集合体の上部を被冠するキャップと、このキャップ内に気体を送り込む給気管と、前記キャップ内に送り込んだ気体を前記キャップ外に放出する放出管と、前記キャップ内上部に形成される気体溜り部に接続する送気管と、前記給気管内に給気する気体の圧力及び前記放出管から放出する気体の圧力を制御する制御装置と、前記キャップ内の空気が前記放出管から放出されることにより前記キャップ内の圧力が減少する際に、前記送気管を流れる気体中に含まれる破損燃料棒から放出されるガスを核種別に放射能を測定する検出器と、を具備したことを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、燃料集合体の移動を必要とする従来のガスシッピング方法よりも同等以上の高い検出感度を維持しながら、破損燃料に負荷を与えることなく、迅速にかつ、容易に破損燃料の検出を行うことができる。
【0027】
請求項2の発明は、前記給気管の上流側に空気送り込み量を調節する第1の電磁弁を接続し、この第1の電磁弁の他端側に大気基準圧と比較し前記キャップ内の水位を計測する差圧計を接続し、前記放出管に空気放出量を調節する第2の電磁弁を接続し、前記差圧計の信号を前記第1の電磁弁及び第2の電磁弁に送信する信号回路を設けてなることを特徴とする。
【0028】
請求項2の発明では、キャップ内に空気を供給する給気管には大気圧との差圧を計測する差圧計を設けたことを特徴とする。キャップ内の水位を計測している。差圧計の出力信号により弁が開閉する回路となっており、設定した水頭圧になるよう空気送り込み量と空気放出量を調節することができ、キャップ内の水位を一定に保つことができる。また、設定値を変更することにより、任意に水位を変更することができる。
【0029】
本発明によれば、ガスシッピング作業中であっても、任意にかつ容易に検出感度を制御装置側で変更することができ、作業の信頼性が向上する。また、本発明は、キャップの下端に炉水の漏洩を阻止するパッキンを設ける場合において、空気供給時の水位調整にオーバーフローの手段を用いることができない場合に有効な手段である。
【0030】
請求項3の発明は、原子炉圧力容器内に設置されている上部格子板の格子枠上に当接して燃料集合体の上部を被冠するキャップと、一端が前記キャップに接続され他端が気体溜りタンクに接続されるとともに前記キャップ内に送り込んだ気体を前記キャップ外に放出するホースと、前記気体溜りタンクに接続される給気管及び送気管と、前記給気管内に給気する気体の圧力及び前記放出管から放出する気体の圧力を制御する制御装置と、前記キャップ内の空気が前記放出管から放出されることにより前記キャップ内の圧力が減少する際に、前記ホース及び前記気体溜りタンクを介して前記送気管を流れる気体中に含まれる破損燃料棒から放出されるガスを核種別に放射能を測定する検出器と、を具備したことを特徴とする。
【0031】
請求項3の発明では、キャップ内に減圧を生じさせる空気の放出量の制御装置からのコントロールを、放出する空気容量ではなくキャップ内の水位を一定に保つ手段によって水位を変化させる。これにより放出量を調節しており、キャップの高さと断面積から求まる内容積とは無関係にキャップ内の空気の放出量を任意に設定することができる。
本発明によれば、内容量、キャップ高さを変えた複数種類のキャップを用意して、異なる検出感度によりガスシッピングを行う場合に、制御装置側の構成を変えずに1つの制御装置によって行うことが可能となり、検出方法の選択肢が増え、作業の信頼性が向上する。
また、キャップ空気溜り部を除く冷却水が流入する内容積を、燃料集合体内の保有する冷却水量と同等以上、2倍以下とする。これにより、キャップと燃料集合体との間に冷却水の漏洩を阻止する特別な手段が無い場合、燃料集合体からキャップに流入する冷却水の全量をキャップにて捕集することができる。よって、燃料集合体の種類に左右されないため、異なる燃料が同時期に同一炉心に混在している場合に、全ての燃料を同じ検出感度でガスシッピングを行うことが可能となり、作業の信頼性が向上する。
【0035】
請求項4の発明は、前記請求項1記載の破損燃料検出装置を使用して破損燃料を検出する方法において、前記キャップ内の空気が前記放出管から放出されることにより前記キャップ内の圧力が減少する際に、前記送気管に設けられた弁を開くことにより、前記送気管を流れる気体中に含まれる破損燃料棒から放出されるガスを核種別に放射能を測定することを特徴とする。
【0036】
これにより、燃料集合体を炉心に装荷したまま移動することなく、キャップ内の圧力が大気圧以上の正圧力条件下で、水位の移動による水頭圧力差によって、燃料集合体内の圧力を最大約1気圧減圧することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
図1により本発明に係る破損燃料検出装置及びその検出方法の第1の実施の形態を説明する。
図1中、図6ないし図9と同一部分には同一符号を付して重複する部分の説明は省略する。図1中、符号48は長尺キャップで、この長尺キャップ48は各々の燃料集合体1を上方から覆い被せるようにして上部格子板4の格子枠上に設置される。長尺キャップ48は上端面に給気ノズル49および、放出管50が接続し、中央部に把手9が取り付けられている。
【0041】
放出管50は内部に開度調整ダンパ51が設けられており、上端部は原子炉ウェル52のウェル水53中に開口している。給気ノズル49には給気管56の一部が接続し、給気管56の他端はオペレーションフロア54上に設置された制御装置38内のコンプッサ(図示せず)に弁55を介して接続している。把手9はフック10に引っ掛けられ、フック10は燃料交換機11に吊り下げられいる。
【0042】
また、長尺キャップ48の上部側面には送気ノズル57が接続しており、送気ノズル57は送気管59の一端が接続し、送気管59の他端は制御装置内の検出器46と弁58を介して接続している。なお、図1中符号60は燃料集合体1と長尺キャップ48内の水頭圧力差で、61は長尺キャップ48内の空気(気体)溜り部である。
【0043】
給気管56は長尺キャップ48内に空気を送り込み、送気管59は空気溜り部61に溜まった空気を制御装置38に送り込み、検出器46は制御装置38に送られた空気の中から燃料集合体1内の破損燃料棒3から放出される放射性ガス36を核種別に放射能を測定する。
【0044】
本実施の形態において、長尺キャップ48内に空気を送りこんだ時のキャップ48内圧力と、キャップ48内の空気をキャップ48外に放出する際のキャップ48内の圧力減少により破損燃料棒3に圧力差を生じさせ、破損燃料棒3内の放射性ガス10を放出させる。
【0045】
本実施の形態によれば、燃料集合体1を炉心に装荷したままの状態で、移動する必要がなく、長尺キャップ48内の圧力が大気圧以上の正圧力条件下で、水位の移動による水頭圧力差60によって燃料集合体1内の圧力を減圧することができる。これにより破損燃料を与えることなく、また燃料の形式に依存しないで迅速かつ高速度に破損燃料を特定できる。
【0046】
つぎに、図2により本発明に係る破損燃料検出装置の第2の実施の形態を説明する。
図2中、図1と同一部分には同一符号を付して重複する部分の説明は省略する。本実施の形態の第1の実施の形態と異なる点は長尺キャップ48の代わりに、2体分ないし4体分の燃料集合体1を覆い被せる大面積の短尺キャップ48aを設け、この短尺キャップ48aにホース63の一端を接続し、ホース63の他端に空気溜りタンク64を接続し、空気溜りタンク64に給気管56と送気管59を接続して、水頭圧力差60を最大水深における最大水頭圧力差とすることにある。
【0047】
ホース63は空気管56の一部と放出管50を共用化するため一体化したもので、キャップ48a内の空気の内容積は給気管56、放出管50を兼ねるホース63の内容積を含む。キャップ48a内の空気の放出は放出管50、空気溜りタンク64、送気管59及び検出器46を通り大気へ放出されている。
【0048】
このように構成された本実施の形態において、キャップ内48aに空気を送り込んだ時のキャップ48a内圧力と、キャップ48a内の空気をキャップ48a外に大気放出する際のキャップ48a内の圧力減少により破損燃料棒3に圧力差を生じさせ破損燃料棒内のガス36を放出させる。
【0049】
第1および第2の実施の形態によれば、キャップ48,48a内の圧力が大気圧以上の正圧力条件下で、水位の移動による水頭圧力差60を2mH2O以上、大気解放時の最大水頭圧力差以下の任意の差圧で、燃料集合体内の圧力を減圧することができる。
【0050】
また、図1及び図2において、キャップ48,48a内に減圧を生じさせる空気の放出量の制御装置38からのコントロールを、放出する空気容量ではなくキャップ48,48aの高さと断面積から求まる内容積とは無関係にキャップ48,48a内の空気の放出量を任意に設定することができる。
【0051】
さらに、図1及び図2において、原子炉圧力容器の上部格子板4に当接して燃料集合体1の上部を被冠するキャップ48,48aは、燃料集合体1との間に冷却水の漏洩を阻止する特別な手段の有無に無関係で装着されている。キャップ48,48a内に減圧が生じると、燃料集合体1と上部格子板4の隙間からもキャップ48,48a内に炉心が漏洩する。
【0052】
炉水の漏洩量は燃料集合体1内外差圧と、燃料集合体1と上部格子板4の隙間の面積に比例して求まる。実際には、燃料集合体内圧が外圧より大であり、また、燃料集合体1の断面積が上部格子板4の隙間より大である関係にある。
【0053】
そのため、燃料集合体1からキャップ48,48aに流入する冷却水量が炉水の漏洩量より常に大である関係が成立している。よって、キャップ48,48aの空気溜り61,64部を除く冷却水が流入する内容積を、燃料集合体1内の保有する冷却水量と同等以上、2倍以下とする。
【0054】
このようにすると、長尺キャップ48と燃料集合体との間に冷却水の漏洩を阻止する特別な手段がない場合においても燃料集合体1からキャップ48,48aに流入する冷却水の全量をキャップ48,48aにより捕集することができる。
【0055】
つぎに図3により本発明に係る破損燃料検出装置の第3の実施の形態を説明する。
図3中、図1と同一部分には同一符号を付して重複する部分の説明は省略する。
【0056】
本実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、給気管58の上流側に第1の電磁弁62を接続し、この第1の電磁弁62の他端側に他方が大気基準圧と比較する差圧計63を接続し、放出管50内の開度調整ダンパ51に第2の電磁弁64を接続し、差圧計63の信号を第1の電磁弁62と第2の電磁弁64に送信する信号回路65を設けたことにある。
【0057】
図3において、長尺キャップ48内に空気を供給する給気管56には大気圧との差圧を計測する差圧計63が設けてあり、キャップ48内の水位を計測している。差圧計63の出力信号により第1及び第2の電磁弁62,64が開閉する回路となっている。
【0058】
本実施の形態によれば、設定した水頭圧になるよう空気送り込み量と空気放出量を調節することができ、キャップ48内の水位を一定に保つことができる。また、設定値を変更することにより、任意に水位を変更することができる。
【0059】
つぎに図4により本発明に係る破損燃料検出装置の第4の実施の形態を説明する。
本実施の形態は第3の実施の形態に準じており、図4において、キャップ48の下端部近傍で燃料集合体1の頂部から若干下方に空気の放出口66を設けたことにある。この例によれば、キャップ48内に送り込む空気の水面が燃料集合体1の頂部から下方に位置した時、空気がキャップ48の下端部近傍に設けた放出口66からキャップ48外にオーバーフローすることで、電装品、制御回路等特別な手段を必要とせずに水位を一定に保つことができる。
【0060】
また、図4において、キャップ48内の空気を放出する放出管50の先端部50aをキャップ48に貫通して差し込んで挿入し、その先端部50aはキャップ48上部の空気溜り61を保つ水位の高さとしてある。
【0061】
先端部50aをキャップ48内に挿入すると、キャップ48内の空気をキャップ48の外に放出する時、放出管5の第1の電磁弁64を開とすることで、放出管50の先端部50aから下方に位置する空気だけキャップ48の外に放出することができ、電装品、制御回路等特別な手段を必要とせずに水位を一定に保つことができる。
【0062】
さらに図4において、放出管50に設けた第2の電磁弁64を開から閉とする時間を任意に設定可能なタイマー67を信号ケーブル68により接続し、このタイマー67を制御装置38に設けている。
【0063】
タイマー67を設けることにより、放出管50に設けた第2の電磁弁64を開から閉とする時間を任意に調整することで、キャップ48内の空気放出時の水位を任意に、かつ、自動的に一定に保つことができる。
【0064】
つぎに図5により本発明に係る破損燃料検出装置の第5の実施の形態を説明する。
図5は図1において上部格子板4の近傍を拡大して示したもので、図1と異なる点は図5に示したように、キャップ48内の下端部にキャップ48と燃料集合体1間の炉水の漏洩を阻止するパッキン69を設けたことにある。
図5中、符号70はチャンネルファスナであり、燃料集合体1のチャンネルボックスの上端部に設けて各燃料集合体1,1間を間隙を保つものである。
【0065】
本実施の形態によれば、キャップ48内の圧力減少により燃料集合体1に圧力差が生じたとき、パッキン69により燃料集合体1の外からキャップ48内に漏洩する炉水の量を低減させることができる。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、破損燃料に負荷を与えることなく、また燃料の種類に依存しないで、迅速かつ高感度に破損燃料を特定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る破損燃料検出装置及びその方法の第1の実施の形態を説明するための一部概略的に示す縦断面図。
【図2】本発明に係る破損燃料検出装置及びその方法の第2の実施の形態を説明するための一部概略的に示す縦断面図。
【図3】本発明に係る破損燃料検出装置及びその方法の第3の実施の形態を説明するための一部概略的に示す縦断面図。
【図4】本発明に係る破損燃料検出装置及びその方法の第4の実施の形態を説明するための一部概略的に示す縦断面図。
【図5】本発明に係る破損燃料検出装置及びその方法の第5の実施の形態を説明するための一部概略的に示す縦断面図。
【図6】従来のヨウ素法シッピング装置を一部概略的に示す縦断面図。
【図7】従来の加圧式ガスシッピング装置を一部配管系統図で概略的に示す縦断面図。
【図8】(a)は従来の圧力差式ガスシッピング装置を説明するための概略的に示す斜視図、(b)は(a)の状態から3m上昇させた移動状態を概略的に示す斜視図。
【図9】従来の減圧式ガスシッピング方法を説明するための装置を一部ブロックで線図的に示す縦断面図。
【符号の説明】
1…燃料集合体、2…燃料棒、3…破損燃料棒、4…上部格子板、5…大型シッパキャップ、6…小型シッパキャップ、7…加圧管、8…サンプリングライン、9…把手、10…フック、11…燃料交換機、12…冷却水、13…燃料貯蔵プール、14…空気ジャケット、15…減圧容器、16…シッピンキャップ、17…窒素ボンベ、18…窒素ガス圧力計、19…窒素ガス圧力調整弁、20…窒素ガス元弁、21…ガスサンプル採取管、22…ガスサンプル流量計、23…ガスアナライザ、24…ポンプバイパス弁、25…ポンプ、26…放出弁、27…ガス調節元弁、28…ガス供給管、29…水ポンプ、30…空気管、31…空気圧力調整弁、32…空気ベント弁、33…空気元弁、34…温度計、35…圧力計、36…放射性ガス、37…捕集マウスピース、38…制御装置、39…コンプレッサ、40…バルブ、41…抽出管、42…減圧タンク、43…減圧ポンプ、44,45…止め弁、46…検出器、47…測定機器、48…長尺キャップ、48a…短尺キャップ、49…給気ノズル、50…放出管、50a…先端部、51…開度調整ダンパ、52…原子炉ウェル、53…ウェル水、54…オペレーションフロア、55…弁、56…給気管、57…送気ノズル、58…弁、59…送気管、60…水頭圧力差、61…空気(気体)溜り部、62…第1の電磁弁、63…差圧計、64…第2の電磁弁、65…信号回路、66…放出口、67…タイマー、68…信号ケーブル、69…パッキン、70…チャンネルファスナ。
Claims (4)
- 原子炉圧力容器内に設置されている上部格子板の格子枠上に当接して燃料集合体の上部を被冠するキャップと、このキャップ内に気体を送り込む給気管と、前記キャップ内に送り込んだ気体を前記キャップ外に放出する放出管と、前記キャップ内上部に形成される気体溜り部に接続する送気管と、前記給気管内に給気する気体の圧力及び前記放出管から放出する気体の圧力を制御する制御装置と、前記キャップ内の空気が前記放出管から放出されることにより前記キャップ内の圧力が減少する際に、前記送気管を流れる気体中に含まれる破損燃料棒から放出されるガスを核種別に放射能を測定する検出器と、を具備したことを特徴とする破損燃料検出装置。
- 前記給気管の上流側に空気送り込み量を調節する第1の電磁弁を接続し、この第1の電磁弁の他端側に大気基準圧と比較し前記キャップ内の水位を計測する差圧計を接続し、前記放出管に空気放出量を調節する第2の電磁弁を接続し、前記差圧計の信号を前記第1の電磁弁及び第2の電磁弁に送信する信号回路を設けてなることを特徴とする請求項1記載の破損燃料検出装置。
- 原子炉圧力容器内に設置されている上部格子板の格子枠上に当接して燃料集合体の上部を被冠するキャップと、一端が前記キャップに接続され他端が気体溜りタンクに接続されるとともに前記キャップ内に送り込んだ気体を前記キャップ外に放出するホースと、前記気体溜りタンクに接続される給気管及び送気管と、前記給気管内に給気する気体の圧力及び前記放出管から放出する気体の圧力を制御する制御装置と、前記キャップ内の空気が前記放出管から放出されることにより前記キャップ内の圧力が減少する際に、前記ホース及び前記気体溜りタンクを介して前記送気管を流れる気体中に含まれる破損燃料棒から放出されるガスを核種別に放射能を測定する検出器と、を具備したことを特徴とする破損燃料検出装置。
- 前記請求項1記載の破損燃料検出装置を使用して破損燃料を検出する方法において、前記キャップ内の空気が前記放出管から放出されることにより前記キャップ内の圧力が減少する際に、前記送気管に設けられた弁を開くことにより、前記送気管を流れる気体中に含まれる破損燃料棒から放出されるガスを核種別に放射能を測定することを特徴とする破損燃料検出方法。
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