JP4301234B2 - 生産原価異常の監視装置 - Google Patents

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Description

本発明は、生産原価が異常に変動する現象の発生を監視する技術に関する。
通常は製品の企画段階で製品の生産原価を想定する。想定した製品の生産原価に基づいて製品の販売価格等を決定する。製品の生産販売に伴って得られる損益には、企画段階で想定した生産原価と実際の生産原価の関係が大きく影響する。実際の生産原価を正確に知り、それが企画段階で想定した生産原価を上回っていることを短時間のうちに発見する技術が必要とされている。
現在は多くの生産現場で多種類少量生産をしており、複数種類の部品を生産して複数種類の部品を多様に組合せて複数種類の製品を生産している。この場合、製品種類毎の生産原価を計算することは困難である。1種類の製品のみを生産している単流生産系では、生産に投入した資源のコストを生産された製品数で除することによって製品あたりの生産原価を計算することができる。しかしながら、複数種類の製品を生産している混流生産系では、製品種類毎の生産原価を計算することが途端に困難となる。
特許文献1には、経時的に変動する生産原価を正確に計算するために、「受注単価を入力する手段と、受注品の原価を記憶する手段と、受注単価と生産原価に基づいて損益を演算する手段と、演算結果を出力する手段とを備える原価管理装置であって、受注品の生産に要した作業に関連する情報を入力する手段と、入力された情報に基づいて受注品の生産に要した費用を演算する手段と、演算された費用に基づいて原価を更新する手段を備えた原価管理装置」が開示されている。
特許文献2にも、生産原価を把握する方法が開示されている。
特開2001−117983号公報 特開平11−328263号公報
通常は、人と資材とエネルギー等の資源を投入して生産する。人の投入の仕方は様々であり、1直勤務体制であったり、2直勤務体制であったり、残業を伴ったり、残業を伴わなかったり、良質で単価の高い少数の人を投入したり、単価の低い多数の人を投入したりする。投入資材には、素材や原料や購入部品等のように生産によって消費される資材と、生産設備のように生産によって償却される資材が存在する。エネルギーには、電気や燃料ガス等が含まれる。
生産に投入した人員と資材とエネルギー等の資源が合理的に活用されると、投入資源に対して最大の生産量が得られ、生産品1個あたりの生産原価が低減される。しかしながら人員と資材とエネルギー等を合理的に活用することは難しい。例えば、購入した素材を無駄なく活用するためには不良品の発生率を抑える必要があり、そのためには良質な人員でゆったりしたペースで生産活動を継続することが好ましい。しかしながら、そうして不良品の発生率を抑制する場合、投入した人員が合理的に活用されているとはいいがたくなる。人と資材を合理的に活用して最大の生産量を得るためには、適量の不良品が発生する程度の人員とペースで生産活動をすすめることが必要とされる。また与えられた生産量に対して過不足なく人員を確保することが難しく、過剰な人員を投入することもある。この場合、投入した人員が合理的に活用されれば生産できるだけの生産が行われず、生産品1個あたりの生産原価は上昇する。
人と資材とエネルギー等の資源を合理的に活用して最大の生産量を上げているのか否かを判断することは困難である。例えば、不良品の発生をおさえながら良質な人員で生産活動を持続している生産現場に対して、人員が合理的に活用されているのか合理的に活用されていないかを評価するのは困難である。
現状では、人と資材とエネルギー等の資源を合理的に活用して生産原価を低減しているのか、あるいは資源の活用方法に問題があって合理的に活用することによって生産原価を低減できるのか否かを判断する技術がない。そのために、生産原価を低減する上での問題点の所在すら明らかでなく、問題点さえ明らかになれば対策を講じることによって生産原価を低減できるものを放置していることが多い。
本発明は、人と資材とエネルギー等の資源を合理的に活用して生産していれば得られるはずの生産原価を計算する技術を実現する。ここでいう合理的とは、資源を最も有効に活用して生産品1個あたりの生産原価を低減していることをいう。ここでは、生産品1個あたりの生産原価が目的関数であり、資源種類単位では評価しない。例えば、素材100個が最も合理的に活用されれば100個の生産品が得られる。しかしながらそのためには、良質な人員をゆったりしたペースで活用することになり、人員が合理的に活用されているとはいえない。素材100個から例えば3個の不良品が発生するように活用した方が合理的であることがある。投入資源を上記した意味で合理的に活用することによって得られるはずの生産原価を計算することができれば、実際の生産原価と比較することによって、資源を合理的に活用して生産原価を低減しているのか、あるいは投入資源を合理的に活用していないために生産原価が高く、投入資源を合理的に活用するように改善することによって生産原価を低減できるか否かを判断することが可能となる。
同一量の生産のために投入することが必要な資源の種類と量は一様でない。先の例でいえば、多くの良質な人員と少数の素材を投入して高い歩留まりを確保する投入方法もあれば、少数の人員と多数の素材を投入して低い歩留まりを甘受して生産する投入方法もある。熟練作業者を少なく投入して未熟練作業者を多く投入してもよいし、熟練作業者を多く投入して未熟練作業者を少なく投入して全作業者数を少なくしてもよい。設備投資に多くを投入して作業者数を少なくしてもよいし、多くの作業者を投入して設備投資を節約してもよい。
資源の投入方法によって生産品1個あたりの生産原価が変動し、投入資源の構成成分配合比を最適に選択すれば生産品1個あたりの生産原価が低減され、投入資源の構成成分配合比がうまく選択されなければ生産品1個あたりの生産原価が上昇する。投入資源の構成成分配合比が的確に選択されて生産品1個あたりの生産原価を低減しているのか否かを判断することは困難である。
本発明の他の一つの目的は、投入資源の構成成分配合比が的確に選択することによって得られる生産原価を計算する技術を実現する。これが実際に計算できれば、実際の生産原価と比較することによって、投入資源の構成成分配合比が的確に選択されているのか否かが判別可能となる。
本発明では、生産原価異常現象の監視装置を提供する。この装置は、投入資源の単価を、少なくとも素材と労務に分けて記憶している単価記憶手段と、所与の生産量を生産するのに必要な「投入資源の構成成分配合比と生産品1個あたりの生産原価」の関係を記述する数式を記憶している関係式記憶手段を備えている。この装置は、複数種類の部品を生産して複数種類の部品を組合せて複数種類の製品を生産する生産系を全部の部品が最終工程から出荷される生産単位に分解し、その生産単位に実際に投入された資源量を少なくとも素材量と労務量に分けて計測してコンピュータに入力する手段と、実際の生産量を計測してコンピュータに入力する手段と、それらの入力手段によって入力された実際の投入資源量に投入資源の単価を乗じた値を実際の生産量で除することによって生産品1個あたりの実際の生産原価を計算する手段と、関係式記憶手段に記憶されている数式と単価記憶手段に記憶されている単価から、構成成分配合比を変数として生産品1個あたりの生産原価が最小である期待生産原価を計算する手段と、計算された際生産原価と期待生産原価が許容レベル以上に相違するときに注意喚起表示する手段を備えている。
ここで、投入資源の構成成分配合比が、素材量と労務量に亘る配合比であることを特徴とする。
実際に投入された資源量が判明すると、その投入資源が無駄なく活用されるときに得られる生産量が判明する。その生産量を生産するのに必要な投入資源の構成成分配合比は一様でなく、熟練作業者を多く投入して未熟練作業者を少なく投入してもよいし、熟練作業者を少なく投入して未熟練作業者を多く投入してもよいし、素材を多く投入して未熟練作業者で生産してもよいし、熟練作業者を多く投入して少ない素材で生産してもよいし、設備投資に投入して作業者数を少なくしてもよいし、多くの作業者を投入して設備投資を節約してもよい。
同じ生産量を生産するのに必要な投入資源の構成成分配合比(上記した例に示されるような投入資源の種類毎の量の比率をいう)は様々であることから、構成成分配合比毎に、生産品1個あたりの生産原価は変化する。そこで、投入資源の構成成分配合比と生産品1個あたりの生産原価の関係を解析することによって、両者の関係を記述する数式が得られる。この数式が得られると、与えられた生産量に対して生産品1個あたりの生産原価を最小とする投入資源の構成成分配合比が判明し、生産品1個あたりの最小生産原価が判明する。本発明では、これを期待生産原価という。
本発明の装置では、実際生産原価と期待生産原価を比較し、許容レベルを超えて相違すると、注意喚起表示が表示される。
投入資源が浪費されて可能なはずの生産量が得られない場合や、投入資源の構成成分配合比に問題がある場合には、実際生産原価が期待生産原価を大きく上回ることから、これらの現象が生じたときに注意が喚起され、実際生産原価が期待生産原価から異常に上昇したことが見過ごされない。必要な対策をとって実際の生産原価の異常上昇に迅速に対処することが可能となる。
特に、素材量と労務量に亘る配合比(投入資源の構成成分配合比)に着目して解析すると、素材を多く投入して少数の作業者で生産するのがよいか、多数の作業者で歩留まりよく生産するのがよいかといった解析が可能となり、時には不良品の発生比率を上げる方が生産原価を低減できるといったことが判明する。
生産原価の異常上昇時に、期待生産原価を実現する投入資源の構成成分配合比と、実際の投入資源の構成成分配合比を対比可能に表示する手段を備えることが好ましい。
この場合、生産品1個あたりの生産原価を最小とする投入資源の構成成分配合比と、実際の構成成分配合比が対比表示され、投入資源の選択ミス等を発見しやすくなる。
本発明の一つの効果は、複数種類を混流して生産する系での部品種類別の部品生産原価が比較的に簡単に正確に計算できるようになることであり、これによって生産原価の解析のもととなるデータが入手可能となる。
本発明の他の一つの効果は、部品種類別の部品生産原価を様々に集約して各種の分析を可能とすることであり、これによって問題点が顕在化される。
本発明の他の一つの効果は、生産原価の異常を種々の観点から監視して異常が早期に発見可能となることであり、これによって問題を早期に発見して早期に対策することが可能となる。
本発明の他の一つの効果は、将来の予測が可能となることであり、これによって対策の評価を客観化することができる。
本発明の他の一つの効果は、生産原価の内訳を計算することができることであり、これによって問題点の原因を究明しやすくなる。
本発明は、上記の効果のうちを少なく一つを奏するものであり、実施の態様によっては全部の効果を奏しないことがありえる。
図1は、部品搬送設備の単位で見た部品と製品の生産ライン群を簡略化して例示している。混流生産系では部品が複雑に移動し、部品1は生産ライン1の途中から出荷され(1a)、部品2は生産ライン1の途中に投入され(2b)、部品3は生産ライン1の大部分の工程をスキップ(3a、3b)する。同種の複雑な部品の移動が生産ライン2から6についても見られ、最終的には生産ライン6で製品が生産される。部品は、生産ラインの途中から出荷されたり(1,3,5,7,8,9)、生産ラインの最後から出荷されたり(4,6,10,11,12)、生産ラインの途中に投入されたり(2,3,6,9)、生産ラインの最初に投入されたり(4,7,8,10,11,12)しながら、生産系を複雑に移動する。図示はされていないが、同じ生産ラインに複数回投入されたりすることもある。この生産系では、約15000種類に及ぶ部品を生産し、数十種類に及ぶ製品を生産しており、部品種類毎の部品生産原価や製品種類毎の製品生産原価を計算することは非常に困難である。
本実施例では、部品種類毎の部品生産原価を算出するために、図1に例示される生産系を図2に例示されるコストセンターに分解する。コストセンターは、最大に大きくても、生産のために投入した資源が出荷部品の全部の生産に費やされる生産単位である。図1の生産ライン1の場合、生産ライン1に投入された資源の一部は部品1の生産に費やされない(部品1は途中から出荷され、出荷後の工程に投入される資源は部品1の生産に利用されない。また、部品3がスキップする工程に投入される資源は部品1の生産に利用されない)。生産ライン1は、コストセンターということができない。
コストセンターの途中に部品が投入されることはある。生産ライン1の部品2が合流する工程2bの前後をまたぐコストセンターに分解することは許される。
途中から部品が出荷されない生産ライン(例えば生産ライン4と5)は、生産ライン自体を一つのコストセンターとすることができる。管理の便宜等の目的によって、より細かな単位に分解してもよい。
図2は、分解されたコストセンターの一例を示し、コストセンターの途中から部品が出荷されることはなく、必ずコストセンターの最後から出荷される。出荷された部品が複数の出荷先に移動することがあり、例えば、コストセンターAでは、部品A1、A2、A3、A4を生産し、部品A1、A2はコストセンターCに出荷され、部品A3、A4はコストセンターDに出荷される。
コストセンターには、生産に必要な資源が投入される。図3は投入資源を例示しており、素材(前工程で生産された部品、外部から購入する部品、原材料、消耗品、生産補助用の消耗品等)が投入され、労働力が投入され、電気やガス等のエネルギーが投入され、生産設備投資が投入され、生産設備の維持管理コストが投入され、その他の費用が投入される。その他の費用には、設計要員の人件費等の間接経費が含まれ、生産系を維持管理する租税公課等の固定費や稼働費が含まれる。投入素材費用は単価と使用数量で決まり、投入労務費用は単価と投入量で決まり、投入エネルギー費用は単価と使用量で決まり、設備費用は設備投資の償却費用と生産設備の維持管理費用等で決まる。その他の費用は、間接経費や固定費や稼働費で決まる。
投入された資源と、投入資源で生産される生産量の間には、コストセンターの特性が反映し、不良率、労働力が活用される効率、エネルギー効率、生産設備の生産性等によって、投入資源量と生産量の関係は変わってくる。
コストセンターに投入された資源の費用を、コストセンターで生産された部品に分担させることによって、コストセンターで生産された部品の生産原価が計算される。
コストセンターに実際に投入された資源の単価と投入(資源)量を収集するために、またコストセンターで生産された部品数量を収集するために、本実施例の「部品生産原価と製品生産原価を算出して生産原価の異常現象の発生を監視する装置」が構成されている。この装置は、コンピュータシステムで構築され、図4に示す統合データベースを備えている。統合データベース20は、コンピュータによって読み書き自在であり、生産系を管理する部署や資材等を購入する部署や費用を支払う部署が維持管理しているデータベースを統合し、コストセンターと部品種類毎に、実際に生産された部品数量と、実際にかかった部品生産原価を計算するのに必要なデータが得られるようにしたものである。
統合データベース20は、購入資材データベース22を持ち、購入した資材の種類と単価と数量と使用したコストセンターのデータを持っている。これを参照することで、コストセンターに投入した子部品や原材料等の素材の単価と投入数量と素材費用を計算することができる。人事データベース24は、作業者毎に作業時間あたりの単価と作業時間と勤務したコストセンターを記憶しており、これを参照することでコストセンターに投入した労務単価と労働時間と労務費用を計算することができる。設備データベース26は、コストセンターに投入した設備とその償却費用と保守管理や点検費用が記憶されており、これを参照することでコストセンターに投入した設備費用を計算することができる。設備データベース26には、将来の設備投資計画や将来の保守点検計画が記憶されており、これを参照することで将来の設備費用を計算して予測モジュール54が必要とするデータを得ることができる。費用データベース29は、投入資源の費用を支払った記録を記録しており、それを参照することで、投入した素材費用や労務費用やエネルギー費用や設備費用を計算することができる。単価の情報も得られる。間接費用も計算することができる。
生産管理データベース28には、将来の生産計画が記憶されており、部品種類と部品生産数量(計画)をコストセンター毎に算出することができる。予測モジュール54が必要とするデータを得ることができる。生産実績データベース30は、コストセンターと部品種類毎に、実際に生産された部品生産数量を記憶している。不良品が発生するために、投入した1個の素材から1個の部品が生産される場合でも、投入素材数量と部品生産数量は一致しないことがある。
統合データベース20は、企画原価データベース32を備えており、企画原価データベース32は、製品企画時に想定した各種資源の単価と使用数量を記憶している。これを参照することで、製品企画時に想定した目標製品生産単価を計算することができる。なお、主要部品については部品毎に必要な単価と数量が記憶されており、主要部品の目標部品生産原価を計算することもできる。
管理組織データベース34には、コストセンターが所属する管理部門の別が記憶されている。図6が、コストセンターと所属する管理部門の一例を図示している。製品部品データベース36には、製品種類毎に、製品を構成する部品種類が記憶されている。部品は、子部品と孫部品と曾孫部品の連鎖で構成されている。図5が、製品を構成する部品種類リストの一例を示している。
統合データベース20には、過去の生産原価を記憶しているデータベース38が用意されており、過去の製品生産原価の変動履歴や過去の部品生産原価の変動履歴が記憶されている。これらの過去の生産原価のデータは、解析モジュール50で比較対象とされ、生産原価の急激な変化等を発見するために用いられる。
図4の生産原価を計算して異常を監視する装置には、実際の部品生産原価計算モジュール40が用意されている。実際の部品生産原価計算モジュール40は、購入資材データベース22と人事データベース24と設備データベース26と費用データベース29等から得られるデータから、コストセンターに投入した資源の単価と投入数量と費用を計算する。また、生産実績データベース30からコストセンターで生産された部品種類別の部品生産数量を計算する。コストセンターで複数種類の部品を生産するために、投入された資源コストを部品種類別に按分する必要がある。図7がこの按分のための係数を示し、この係数は実際部品生産原価計算モジュール40に記憶されている。
係数k11〜k14等は部品種類毎の資材使用比率を示し、部品種類A1〜A4を同数だけ生産する場合、資材がk11〜k14の比率で使用されることを例示している。同様のことが労働時間にも用意されており、部品種類A1〜A4を同数だけ生産する場合、労働時間がk21〜k24の比率で使用されることを例示している。エネルギーについても同様であり、部品種類A1〜A4を同数だけ生産する場合、エネルギーがk31〜k34の比率で使用されることを例示している。設備コストについても同様であるが、この実施例では、k41〜k44の全部が1.0に設定されている。設備にかかる負担度に対応してk41〜k44の値を設定してもよい。
実際の部品生産原価計算モジュール40は、コストセンター毎に、コストセンターに投入された資材の費用を資源の種類別に計算し、コストセンターで生産された部品数量を種類別に把握し、図7に例示した按分比率を用いて、部品種類毎の部品生産原価を算出する。
目標部品生産原価計算モジュール42は、企画原価データベース32に記憶されているデータに基づいて、製品企画段階で想定した目標部品生産原価を計算する。
実際の製品生産原価計算モジュール44は、実際の部品生産原価計算モジュール40で計算された部品生産原価と、製品部品データベース36に記憶されている製品を構成する部品種類のリストから、製品を構成する部品種類のリストに含まれる部品の生産原価を合計して製品の生産原価を計算する。なお、図5の子部品や孫部品の生産原価は合計の計算に用いない。孫部品の生産原価は子部品の生産原価に反映され、子部品の生産原価は部品の生産原価に反映されている。
目標製品生産原価計算モジュール46は、目標部品生産原価計算モジュール42で計算された目標部品生産原価と、製品部品データベース32に記憶されている製品を構成する部品種類のリストから、製品を構成する部品種類のリストに含まれる部品の目標生産原価を合計して製品の目標生産原価を計算する。
実際の部品や製品の生産原価が計算され、目標とする部品や製品の生産原価が計算されると、それを様々に利用して分析することが可能となる。
最も単純には、実際生産原価と目標生産原価が許容レベル以上に相違する製品種類や、部品種類(それを生産するコストセンター)を発見することであり、問題の所在が顕在化される。この場合、素材単価と素材使用量、労務費単価と労務時間、エネルギー単価とエネルギー使用量等の、生産原価の内訳レベルで対照することができるために、問題の原因を探求することができる。
図8は、実際生産原価が目標生産原価を上回った製品Aの生産原価を内訳レベルまで含めて実績と目標を対比して表示する出力表の一例を示しており、この表を分析することによって、生産原価を目標生産原価以下に低減できない原因が明らかとなり、必要な対策を考察できるようになる。
部品生産原価で実際と目標が大きくずれる場合にも、部品レベルで同種の対比表を得ることができる。
コストセンター単位で生産原価を計算していることから、コストセンターを管理する部課単位で実績と目標を対比表示して部課単位での損益計算をすることもできる。集約モジュール48は、種々の単位で集約するために、種々の観点から分析することが可能となる。部品レベル、サブ部品レベル、製品レベル、部課レベル等の任意のレベルで分析可能とする。対比表作成モジュール52は、様々なレベルで集約した生産原価を内訳とともに、実績と目標を対比した表を作成し、必要に応じて実績と目標の差を表示する。
製品企画時に想定した目標生産原価が妥当でなく、信頼できる分析をするためには目標生産原価の方を修正する必要に迫られることがある。素材単価が高騰し、他に代替素材がなければ、目標生産原価を修正する必要があることがある。この場合、入力モジュール58が利用される。入力モジュール58で目標生産原価が修正されれば、それ以降には、実績と目標を対比するにあたっては修正された目標が利用される。それによって、実情に適合した分析が可能となる。
解析モジュール50は、前記したように、種々のレベルで集約した生産原価の実績と目標を比較し、許容レベル以上に相違するものを発見する他、種々の観点から比較して生産原価の異常な変化の発生を監視する。
例えば、過去の生産原価データベース38に記憶されている過去の生産原価と新たに計算された最新の生産原価を比較し、大きく変動している部品種類、コストセンター、製品種類等を発見する。発見された異常原価は、出力モジュール56から出力されて管理者の注意を喚起する。管理者は、異常な生産原価の変動をいち早く把握することができるようになる。
解析モジュール50はさらに下記の処理を実行する。前記したように、統合データ20を参照することによって、コストセンターに投入した資源量を計測することができる。図9のグラフにおいてこれをAとする。この場合、資源が無駄なく活用されると得られる生産量を計算することができる。そのコストセンターで無理無駄なく安価な生産原価で生産していた時期のデータ等を参照することで、資源が無駄なく活用されると得られる生産量を計算することができる。ここではそれをBとする。
統合データ20を参照することによって実際の生産数量が判明する。ここではそれをCとする。生産量Bと生産量Cの差Dは、資源が有効に活用されなかったことによる生産量の減少分に相当する。減少量Dは様々な理由で発生する。例えば、大雨による交通網の遮断で部品が到着しなかったために、投入した人員に見あうだけの生産ができなかったこともある。あるいは、予定生産数に対して不必要に多くの作業者を投入してしまったために、作業者が有効に活用されなかったこともありえる。
解析モジュール50は、実際の生産原価Eと、資源が無駄なく活用されるときに得られる生産原価Fを比較し、両者が許容レベル以上に相違するコストセンターなしは部品種類を発見する。
この比較によって、資源が有効に活用されなかったことによる生産量の減少分Dが大きなコストセンターが発見され、原因を追求することが可能となる。例えば、大雨による交通網の遮断で部品が到着しなかったために生産量が減少していれば、避けられない事象であり、対策の必要がないことがわかる。これに対して、予定生産数に対して不必要に多くの作業者を投入してしまったために生じた現象であることが分ければ、同じミスをしないための対策を講じる必要があることがわかる。必要な対策を講じることによって、生産数量がBに復活して生産原価をFに戻すことが可能となる。
生産数量Bを実現するのに必要な投入資源の種類と量のバランスは一通りには決定されない。図10に示すように、熟練作業者を多く投入して未熟練作業者を少なく投入してもよいし、熟練作業者を少なく投入して未熟練作業者を多く投入してもよい。素材を多く投入して未熟練作業者で生産してもよいし、熟練作業者を多く投入して少ない素材で生産してもよい。設備投資に多くを投入して作業者数を少なくしてもよいし、多くの作業者を投入して設備投資を節約してもよい。
同じ生産量を生産するのに必要な投入資源の構成成分配合比(上記した例に示されるような投入資源の種類毎の投入量の比率をいう)は様々であることから、構成成分配合比毎に、生産品1個あたりの生産原価は変化する。そこで、投入資源の構成成分配合比と生産品1個あたりの生産原価の関係を解析することによって、両者の関係を記述する数式が得られる。図10のカーブIは、その関係を模式的に示している。もちろん投入資源の構成成分の配合比は一つの変数ではなく、多数の変数の組合せであり、図10はあくまで模式図である。
投入資源の構成成分の配合比と生産原価のデータを多変量解析すると、各種の配合比と生産原価の間に成立する回帰式が得られ、各種の配合比から生産原価を算出する式が得られる。
下記の式は、投入資源量と配合比と資源の単価から、生産原価を算出する式を示している。ここで、yは生産原価であり、xは投入資源量を示し、nは投入資源の種類を示し、P(zn)は配合比を示し、Zは生産数量を示し、a、b、c、dは係数を示している。
Figure 0004301234
本実施例の装置では、下記の処理を実行する。
(1)コストセンターに投入した資源量Aと資源の配合比から、資源が無駄なく利用されるときに得られる生産量Bを計算する。
(2)生産量Bを生産するのに必要な投入資源量と資源の配合比を算出する。
(3)投入資源量と資源の配合比から、先に求めておいた数式を使って、生産原価を計算する。
(4)計算された生産原価が最も安価となる生産原価Gと、その生産原価Gをもたらす投入資源量Hと資源の配合比を特定する。
(5)実際に投入された資源量と資源配合比Aと、それで実現された生産原価Eと、最適な資源量と資源配合比Hと、それで実現される最小生産原価(期待生産原価)Gを対比表に示す。
(6)この対比表から、種々の分析を進めることが可能となる。
第1に、投入資源が有効に活用されたのか、あるいは資源が有効に活用されないで生産数量が減少したのかがわかる。
第2に、投入資源は有効に活用されて予定の生産数量が得られているものの、資源配合比の選択に問題があり、より的確に資源配合比を選択していれば生産原価をさらに低減させられたのか否かが判明する。
上記の分析が可能となると、例えば、不良品の発生をおさえながら良質な人員で生産活動を持続している生産現場に対して、素材と人員が合理的に活用されているのか合理的に活用されていないかを評価することが可能となり、場合によっては、不良品の発生がある程度まで高まるほどに生産ペースを上げる投入資源の配分比の方が生産原価を低減できることが明らかとなる。
期待生産原価Gは、資源の配合比率と生産数量に依存して変化する。図9のカーブJは、生産数量に依存して変化することを例示している。カーブIは、投入資源の配合比率に依存して生産原価が変化することを例示している。
期待生産原価をもたらす投入資源の配合比率は、生産数量に応じてカーブKに示すように変化する。また、期待生産原価G自体も生産数量に応じて変動する。
図9、図10に示す関係式が得られると、コストセンターで実際に起こっている事象を的確に評価することが可能となり、問題なく生産しているのか、実は多くの問題を抱えながら生産しているのかが判明する。
予測モジュール54は、問題点を顕在化させて対策すべき対策を実施したときに得られる将来の生産原価を予測する。あるいは、対策を実施しないときの将来の生産原価を予測する。これらの予測処理を実行することによって、対策の有効性を評価することが可能となり、的確な対策を講じることが可能となる。
生産ラインと部品の移動を模式的に示す。 コストセンターに分解した様子を示す。 コストセンターに投入する資源と生産を模式的に示す。 生産原価を算出して異常を監視する装置のシステム構成を模式的に示す。 製品と部品の展開関係を例示する。 コストセンターと所属部門の関係を例示する。 部品種類毎の按分比率を例示する。 生産原価の実績と目標とその差を対比して内訳レベルで表示する表を例示している。 生産量と投入資源に応じて生産原価が変動する様子を模式的に示す。 投入資源の配合比によって生産原価が変動する様子を模式的に示す。

Claims (2)

  1. 複数種類の部品を生産して複数種類の部品を組合せて複数種類の製品を生産する生産系を全部の部品が最終工程から出荷される生産単位に分解し、その生産単位に実際に投入された資源量を少なくとも素材量と労務量に分けて計測してコンピュータに入力する手段と、
    実際の生産量を計測してコンピュータに入力する手段と、
    投入資源の単価を、少なくとも素材と労務に分けて記憶している単価記憶手段と、
    入力された実際の投入資源量に投入資源の単価を乗じた値を実際の生産量で除することによって生産品1個あたりの実際の生産原価を計算する実際生産原価計算手段と、
    過去に得られた投入資源の構成成分配合比と生産原価のデータを多変量解析することによって得られる数式であり、所与の生産量を生産するのに必要な「投入資源の構成成分配合比と生産品1個あたりの生産原価」の関係を記述する数式を記憶している関係式記憶手段と、
    関係式記憶手段に記憶されている数式と単価記憶手段に記憶されている単価から、構成成分配合比を変数として生産品1個あたりの生産原価が最小である期待生産原価を計算する期待生産原価計算手段と、
    前記の実際生産原価計算手段と期待生産原価計算手段で計算された実際生産原価と期待生産原価が許容レベル以上に相違するときに注意喚起表示する手段と、
    を有し、
    前記投入資源の構成成分配合比が、素材量と労務量に亘る配合比であることを特徴とする生産原価異常現象の監視装置。
  2. 期待生産原価を実現する投入資源の構成成分配合比と、実際の投入資源の構成成分配合比を対比可能に表示する手段をさらに備える請求項1の生産原価異常現象の監視装置。
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