以下に本発明の実施の形態を説明するが、本明細書に記載の発明と、発明の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本明細書に記載されている発明をサポートする実施の形態が本明細書に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の実施の形態中には記載されているが、発明に対応するものとして、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その発明に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が発明に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その発明以外の発明には対応しないものであることを意味するものでもない。
さらに、この記載は、本明細書に記載されている発明の全てを意味するものではない。換言すれば、この記載は、本明細書に記載されている発明であって、この出願では請求されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により出現、追加される発明の存在を否定するものではない。
即ち、本発明の撮像装置は、第1の露出時間で第1の画像を撮像する第1の撮像手段(例えば、図14の長時間露光制御部113a)と、第2の露出時間で第2の画像を撮像する第2の撮像手段(例えば、図14の短時間露光制御部113b)と、第1の画像に基づいて、第1の露出時間の補正値である第1の補正値を算出する第1の算出手段(例えば、図14の短時間露出補正計算部131)と、第2の画像に基づいて、第2の露出時間の補正値である第2の補正値を算出する第2の算出手段(例えば、図14の長時間露出補正計算部132)と、第1の補正値と、第2の補正値とに基づいて、第1の露出時間、および、第2の露出時間を制御する露出制御手段(例えば、図14の長短連動露出補正値計算部133)と、第1の撮像手段により撮像される第1の画像の利得を制御する第1の利得制御手段(例えば、図19のゲイン調整部178)と、第2の撮像手段により撮像される第2の画像の利得を制御する第2の利得制御手段(例えば、図19のゲイン調整部179)とを備え、露出制御手段は、現フレームの第1の補正値に基づいて補正して得られる、次フレームの第1の露出時間と、現フレームの第2の補正値に基づいて補正して得られる、次フレームの第2の露出時間とに基づいて、第1の撮像手段と第2の撮像手段のそれぞれの次フレームの第1の露出時間、および、第2の露出時間を計算し、その差が所定の時間よりも短くなるように、第1の撮像手段、および第2の撮像手段における絞りを段階的に開放することで、第1の露出時間、および、第2の露出時間を制御し、絞りが開放しきった場合、差が所定時間よりも短くなっていないとき、さらに、第1の利得制御手段、および第2の利得制御手段により段階的に利得を上げることで、第1の露出時間、および、第2の露出時間を制御することを特徴とする。
前記第2の画像の画素値に関するヒストグラムを生成するヒストグラム生成手段(例えば、図15のヒストグラム計算部141)をさらに設けるようにさせることができ、第2の算出手段には、ヒストグラム生成手段により生成された前記ヒストグラム、および、第1の撮像手段と第2の撮像手段との露光量の比率に基づいて、第2の露出時間の補正値である第2の補正値を算出させるようにすることができる。
前記第1の画像の平均輝度値を計算する平均輝度値計算手段(例えば、図18の平均輝度算出部151)をさらに設けるようにさせることができ、第1の算出手段には、平均輝度値計算手段により計算された平均輝度値に基づいて、第1の補正値を算出させるようにすることができる。
前記露出制御手段は、前記現フレームの第1の補正値に基づいて補正して得られる、次フレームの第1の露出時間と、現フレームの第2の補正値に基づいて補正して得られる、次フレームの第2の露出時間とに基づいて、第1の撮像手段と第2の撮像手段のそれぞれの次フレームの第1の露出時間、および、第2の露出時間を計算し、その差が所定の時間よりも短くなるように第1の露出時間、および、第2の露出時間を制御させるようにすることができる。
本発明の撮像方法は、第1の露出時間で第1の画像を撮像する第1の撮像ステップ(例えば、図20のフローチャートのステップS3の処理)と、第2の露出時間で第2の画像を撮像する第2の撮像ステップ(例えば、図20のフローチャートのステップS2の処理)と、第1の画像に基づいて、第1の露出時間の補正値である第1の補正値を算出する第1の算出ステップ(例えば、図20のフローチャートのステップS6の処理)と、第2の画像に基づいて、第2の露出時間の補正値である第2の補正値を算出する第2の算出ステップ(例えば、図20のフローチャートのステップS5の処理)と、第1の補正値と、第2の補正値とに基づいて、第1の露出時間、および、第2の露出時間を制御する露出制御ステップ(例えば、図20のフローチャートのステップS7の処理)と、第1の撮像ステップの処理により撮像される第1の画像の利得を制御する第1の利得制御ステップ(例えば、図23のフローチャートのステップS60の処理)と、第2の撮像ステップの処理により撮像される第2の画像の利得を制御する第2の利得制御ステップ(例えば、図23のフローチャートのステップS62の処理)とを備え、露出制御ステップの処理は、現フレームの第1の補正値に基づいて補正して得られる、次フレームの第1の露出時間と、現フレームの第2の補正値に基づいて補正して得られる、次フレームの第2の露出時間とに基づいて、第1の撮像ステップの処理と第2の撮像ステップの処理でのそれぞれの次フレームの第1の露出時間、および、第2の露出時間を計算し、その差が所定の時間よりも短くなるように、第1の撮像ステップの処理、および第2の撮像ステップの処理における絞りを段階的に開放することで、第1の露出時間、および、第2の露出時間を制御し、絞りが開放しきった場合、差が所定時間よりも短くなっていないとき、さらに、第1の利得制御ステップの処理、および第2の利得制御ステップの処理により段階的に利得を上げることで、第1の露出時間、および、第2の露出時間を制御するを含むことを特徴とする。
尚、記録媒体、並びに、プログラムについての対応関係は、画像処理方法にそれぞれ対応するものであるので、その説明は省略する。
以下、本発明の一実施の形態であるデジタルビデオカメラについて、図面を参照して説明する。
図9は、本発明の一実施の形態であるデジタルビデオカメラの構成例を示している。このデジタルビデオカメラは、被写体を撮影して、画素値のダイナミックレンジが通常よりも広い広DR画像を生成し、所定の記憶媒体に記録するとともに、構図決定のファインダや映像モニタを兼ねる内蔵されたディスプレイ、あるいは外部機器に対しては、広DR画像を、画素値のダイナミックレンジがより狭い狭DR画像に変換して出力すると共に、動被写体を鮮明に撮像できるように露出制御を行う。
デジタルビデオカメラは、大別して光学系、信号処理系、記録系、表示系、および制御系から構成される。
光学系は、被写体の光画像を集光するレンズ111、光画像の光量を調整する絞り112、絞り112を制御するAIC(Automatic Iris Controller)123、および集光された光画像を所定のフレームレートで光電変換して広DR画像を生成するCCDイメージセンサ(固体撮像素子)113から構成される。尚、CCDイメージセンサ113については、画素毎に露光時間が制御できるものであるものとする(詳細な構成については、特開2002−112120を参照されたい)。
信号処理系は、CCDイメージセンサ113から出力された広DR画像をサンプリングすることによってノイズを低減させる相関2重サンプリング回路(CDS)114、相関2重サンプリング回路114によってノイズが除去された広DR画像の利得を調整するAGC(Automatic Gain Controler:利得調整装置)115、AGC115により利得が著製された広DR画像を、例えば14乃至16ビット程度のビット幅を有する値にAD変換するA/Dコンバータ116、A/Dコンバータ116が出力する広DR画像に対して階調圧縮処理や露出制御を行うDSP(Digital Signal Processor)117から構成される。
デジタルビデオカメラの記録系は、DSP117から入力される広DR画像または狭DR画像をエンコードしてメモリ(Memory)122に記録したり、メモリ122に記憶されている符号データを読み出してデコードし、DSP117に供給したりするCODEC(Compression/Decompression)121、および、エンコードされた広DR画像または狭DR画像を記憶する、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体などよりなるメモリ122から構成される。
表示系は、DSP117から供給される狭DR画像をDA変換するD/Aコンバータ118、D/Aコンバータ118が出力するアナログの狭DR画像を、輝度Y、色差Cr,Cb等の通常のビデオ信号に変換してビデオモニタ120に出力するビデオエンコーダ(Video Encoder)119、およびビデオ信号に対応する画像を表示することによってファインダやビデオモニタとして機能するLCD(Liquid Crystal Display)等よりなるビデオモニタ120から構成される。
制御系は、CCDイメージセンサ113乃至DSP117、および、AIC123の動作タイミングを制御するタイミングジェネレータ(TG)124、ユーザからの各種の操作を受け付けるインプットデバイス(Input Device)126、およびデジタルビデオカメラの全体を制御するCPU(Central Processing Unit)125から構成される。
次に、デジタルビデオカメラの動作の概要について説明する。被写体の光学画像(入射光)は、レンズ111および絞り112を介してCCDイメージセンサ113に入射され、CCDイメージセンサ113によって光電変換され、得られた広DR画像の画素となる電気信号は、相関2重サンプリング回路114によってノイズが除去され、AGC115により利得が制御され、A/Dコンバータ116によってディジタル化された後、DSP117に供給される。
DSP117は、A/Dコンバータ116から入力された広DR画像に対して露出時間制御(露光時間制御)処理を施し、狭DR画像を生成して、D/Aコンバータ118またはCODEC121、あるいは両方に出力する。D/Aコンバータ118に供給された狭DR画像は、DA変換され、ビデエンコーダ10により通常のビデオ信号に変換されて、その画像がビデオモニタ120に表示される。一方、CODEC121に供給された狭DR画像は、符号化されてメモリ122に記録される。
次に、本発明の主眼となるDSP117について説明する。
尚、以降の説明において、露出補正値の計算には、特開2001-337360、特開2000-227619、および、特許第2958959号等に示されている、APEX(Additive system of Photographic Exposure)に基づく最適露出決定方法を用いるものとし、以降においては、露出値、露出補正値は基本的に、このAPEX値に換算した値を使用するものとする。
このAPEXに基づいた最適露出決定方法は、露出光量、絞り量、シャッタスピードの時間、ISO感度の大きさ、被写体の明るさを、それぞれEv、Av、Tv、Sv、BvというAPEX値で換算した際に、Ev =Av +Tv =Sv +Bvとなるように、露出を制御する方法である。
ここで、露出光量(Ev)、絞り量(Av)、シャッタスピードの時間(Tv)、ISO感度の大きさ(Sv)、被写体の明るさ(Bv)に対して、それぞれ絞りF値、シャッタスピード(秒)、ISO感度、被写体の照度(Lux)には、それぞれ図10乃至図13の関係がある。
すなわち、図10で示されるように、APEX値である絞り量(Av)とF値は、絞り量(Av)が、0乃至8に対して、F値は、それぞれ1,1.4,2,2.8,4,5.6,8,11,16となる。また、図11で示されるように、APEX値であるシャッタスピードの時間(Tv)とシャッタスピード(秒)は、シャッタスピードの時間(Tv)が、0乃至8に対して、シャッタスピード(秒)は、それぞれ1/2,1/4,1/8,1/15,1/30,1/60,1/125,1/250,1/500となる。さらに、図12で示されるように、APEX値であるISO感度の大きさ(Sv)とISO感度は、ISO感度の大きさ(Sv)が、0乃至8に対して、ISO感度は、それぞれ6,12,25,50,100,200,400,800,1600となる。また、さらに、図13で示されるように、APEX値である被写体の明るさ(Bv)と被写体照度(Lux)は、被写体の明るさ(Bv)が、0乃至8に対して、被写体照度は、それぞれ65,129,258,516,1033,2066,4132,8264,16530となる。
次に、図14を参照して、露出制御に必要なデジタルビデオカメラの構成と、DSP117の詳細な構成について説明する。尚、図14においては、DSP117を中心として、露出制御に必要なデジタルビデオカメラの構成を示しており、露出制御の説明に不要なデジタルビデオカメラのブロックについては記載を省略している。
絞り112は、AIC123より供給される絞り制御信号(図中のAperture Control)に基づいて、絞りを制御して、入射される光量を制御する。
CCD113は、TG124から供給される長時間露出制御信号と短時間露出制御信号に基づいて、それぞれ長時間露光により撮像された画像信号(長時間露光画像信号)と、短時間露光により撮像された画像信号(短時間露光画像信号)とをAGC115に供給する。
AGC115は、DSP117より供給される長時間露光画像信号、および、短時間露光画像信号に対する利得制御信号(GL:長時間露光画像信号用の利得制御信号,SL:短時間露光画像信号用の利得制御信号)に基づいて、長時間露光画像信号、および、短時間露光画像信号の利得を制御して、DSP117に供給する。
DSP117は、AGC115より供給される長時間露光画像信号、および、短時間露光画像信号に基づいて、AIC123に対して、制御すべき絞り値(AP)(APEX値ではない)を、TG124に対して、長時間露出制御信号(SL)、および、短時間露出制御信号(SL)を、AGC115に利得調整信号をそれぞれ供給する。
DSP117の短時間露出補正値計算部131は、AGC115より供給される短時間露光画像信号と、長短連動露出補正値計算部132より供給される露光比信号(ratio)に基づいて、短時間露光画像信号における露光量の補正値である短時間露出補正値ΔEvSを生成し、長短連動露出補正値計算部133に出力する。尚、短時間露出補正値計算部131の詳細については、図15乃至図17を参照して後述する。
DSP117の長時間露出補正値計算部132は、AGC115より供給される長時間露光画像信号に基づいて、長時間露光画像信号における露光量の補正値である長時間露出補正値ΔEvLを生成し、長短連動露出補正値計算部133に出力する。尚、長時間露出補正値計算部132の詳細については、図18を参照して後述する。
長短連動露出補正値計算部133は、短時間露出補正値計算部131より供給された短時間露出補正値ΔEvSと、長時間露出補正値計算部132より供給された長時間露出補正値ΔEvLとに基づいて、絞り制御信号AP、シャッタスピード制御信号SS(短時間露光用)、SL(長時間露光用)、および利得制御信号GS(短時間露光用)、GL(長時間露光用)を計算し、絞り制御信号AP をAIC123に、シャッタスピード制御信号SS(短時間露光用)、SL(長時間露光用)をTG124に、利得制御信号GS(短時間露光用)、GL(長時間露光用)をAGC115にそれぞれ供給する。
次に、図15を参照して、短時間露出補正値計算部131の詳細について説明する。
ヒストグラム計算部141は、供給された短時間露光画像信号に基づいて、短時間露光画像における輝度を横軸にして、それぞれの輝度の画素の度数を縦軸とした輝度ヒストグラムを求めて、露出補正値状態遷移計算部142に供給する。露出補正値状態遷移計算部142は、ヒストグラム計算部141より供給される輝度ヒストグラムと、長短連動露出補正値計算部133より供給される、長時間露光画像の露光量と短時間露光画像の露光量の比率である露光量比率を示す露光比信号に基づいて、短時間露出補正値を計算し、出力する。
より詳細には、露出補正値状態遷移計算部142は、短時間露光画像の輝度ヒストグラムと、露光量比率に基づいて、短時間露光画像における露出量に関する状態遷移を行い、状態遷移結果に応じて短時間露出補正値を算出する。
すなわち、短時間露光画像における露出量に関する状態は、図16で示されるように、3種類ある。第1の状態は、露出量が適正な状態であることを示すstable状態であり、露出量を変更する必要がない状態である。第2の状態は、短時間露光画像における露出量が不足している状態を示すunstable-under状態であり、露出量が不足している分、その不足分の露出量を上げる必要がある状態である。さらに、第3の状態は、短時間露光画像における露出量が過剰な状態を示すunstable-over状態であり、露出量が過剰な分、その過剰分の露出量を下げる必要がある状態である。
より具体的には、上述の3種類の露出量に関する状態は、輝度ヒストグラムにより決定される状態と露光量比率に基づいて決定される。
輝度ヒストグラムにより決定される状態は、図17で示されるように、ある輝度の閾値thを超える画素がどの程度の割合存在するかによって、under(露出不足)、over(露出過剰)、適正露出、の3種類のいずれかの状態が決定される。すなわち、図17の左部で示されるように、閾値thを越える画素の度数が、少ないような場合、underと判定され、図17の中央部で示されるように、閾値thを越える画素の度数が、適正量である場合、適正露出と判定され、さらに、図17の右部で示されるように、閾値thを越える画素の度数が、多いような場合、overと判定される。
露光量比率(ratio)は、露光量比率の最小値であるMin、最大値であるMaxと、その間の値になる状態の3種類が存在する。Min、Maxは特に限定されるものではないが、例えば、Min=1、Max=8と設定される。
例えば、図16で示される露出量に関する状態がstable状態である場合、ヒストグラムにより決定される状態がoverであって、かつ、露光量比率がratio<Maxであるとき、露出過剰であるが、露光量比率はMax未満であるので、短時間露出の露出を減らすことができる。そこで、露出補正値状態遷移計算部142は、図16の番号1で示されるように、露出過剰を解消すべく露光量を減少させる方向に状態を遷移させ(すなわち、露出量に関する状態をunstable-over状態に遷移させ)、露出補正値を露出を下げる値、例えば、露出の上げ下げを1/3露出値(Ev)単位で行うとすれば、unstable-over状態では、短時間露出補正値としてΔEvS =1/3を出力する。この場合、短時間露出の露出値は増加するように補正されることになるので、露光量は減少することになるため、露光量比率は上昇することになる。
また、図16で示される露出量に関する状態がunstable-over状態である場合、ヒストグラムにより決定される状態がoverであって、かつ、露光量比率がratio<Maxではなく、ratio =Maxであるとき、これ以上露光量比率を上げることができないため、露出補正値状態遷移計算部142は、短時間露出を下げることができないので、図16の番号2で示されるように、露出量に関する状態はunstable-overの状態のまま、露出補正値を変化させないため短時間露出補正値としてΔEvS =0を出力する。
さらに、例えば、図16で示される露出量に関する状態がunstable-under状態である場合、ヒストグラムにより決定される状態がoverであって、かつ、露光量比率がratio<Maxであるとき、露出補正値状態遷移計算部142は、図16の番号3で示されるように、露出過剰を解消すべく露光量を減少させる方向に状態を遷移させ(すなわち、露出量に関する状態をstable状態に遷移させ)、露出補正値を露出を下げる短時間露出補正値としてΔEvS =1/3を出力する。
同様に、図16で示される露出量に関する状態がstable状態である場合、ヒストグラムにより決定される状態がunderであって、かつ、露光量比率がratio>Minのとき、露出補正値状態遷移計算部142は、番号4で示されるように、露出不足を解消すべく状態を遷移させ(すなわち、露出量に関する状態をunstable-under状態に遷移させ)、露出補正値を露出を上げるための短時間露出補正値としてΔEvS =−1/3を出力する。この場合、短時間露出の露出値は減少するように補正されることになるので、露光量は増加することになるため、露光量比率は減少することになる。
図16で示される露出量に関する状態がunstable-under状態である場合、ヒストグラムにより決定される状態がunderであって、かつ、ratio =Minであるときは、それ以上露出を上げることができないので、露出補正値状態遷移計算部142は、番号5で示されるようにunstable-under状態のまま、露出補正値を変化させないため短時間露出補正値としてΔEvS =0を出力する。
さらに、図16で示される露出量に関する状態がunstable-over状態である場合、ヒストグラムにより決定される状態がunderであって、かつ、露光量比率がratio>Minのとき、露出補正値状態遷移計算部142は、番号6で示されるように、露出不足を解消すべく状態を遷移させ(すなわち、露出量に関する状態をstable状態に遷移させ)、露出補正値を露出を上げるための短時間露出補正値としてΔEvS =−1/3を出力する。
さらに、図16で示される露出量に関する状態がstable状態である場合、ヒストグラムにより決定される状態が適正露出であるとき、露出補正値状態遷移計算部142は、stable状態のまま、露出補正値を変化させないため短時間露出補正値としてΔEvS =0を出力する。
次に、図18を参照して、長時間露出補正値計算部132の詳細な構成について説明する。
平均輝度算出部151は、長時間露光画像信号に基づいて、各画素の輝度値に基づいて、平均輝度値を求め補正値算出部152に供給する。補正値算出部152は、供給された平均輝度値に基づいて、長時間露出補正値ΔEvLを求める。
より詳細には、補正値算出部152は、供給された平均輝度値をaveLLとし、補正値をΔEvLとするとき、以下の式(1)で示されるような演算を実行することにより、長時間露出補正値ΔEvLを求める。
ΔEvL = log2(Lref/aveLL)
・・・(1)
ここで、Lrefは適正露出目標輝度値であり、一般的には、最高輝度値に対して18%の輝度値である。従って、現在の長時間露出値EvLと長時間露出補正値ΔEvLを足したものが、次フレーム時の露出値となる。
次に、図19を参照して、長短連動露出補正値計算部133の詳細な構成について説明する。
加算器171は、長時間露出補正値ΔEvLと、現在の長時間露出のシャッタスピードTvLを足し合わせて、補正後の長時間露出用のシャッタスピードL1pを生成し、差分計算機173および長時間露出用のシャッタスピード調整部(L)176に供給する。加算器172は、短時間露出補正値ΔEvSと、現在の短時間露出のシャッタスピードTvSを足し合わせて、補正後の短時間露出用のシャッタスピードS1pを生成し、差分計算機173および長時間露出用のシャッタスピード調整部(S)177に供給する。従って、加算器171,172により補正された長時間露出用のシャッタスピードL1p(=ΔEvL +TvL)、および、短時間露出用のシャッタスピードS1p(=ΔEvS +TvS)が差分計算部173に供給される。
尚、加算器171,172で得られた値は、Ev=Av+TvのAPEX値において、次フレーム時にAvを変化させなかった場合のTvに相当するものである。
差分計算部173は、補正されたAPEX値の長時間露出用のシャッタスピードL1p(=ΔEvL +TvL)、および、短時間露出用のシャッタスピードS1p(=ΔEvS +TvS)、または、シャッタスピード調整部176,177より供給された、計算上、順次生成される長時間露出用のシャッタスピードL1(Loop)、および、短時間露出用のシャッタスピードS1(Loop)を、それぞれAPEX値ではないシャッタスピードSS、SLにそれぞれ変換した後、それらの差分の絶対値差分を求めて判定部174に供給する。
判定部174は、差分計算部173より供給される差分の絶対値と所定の閾値βとを比較し、判定結果を判定部175、および、シャッタスピード調整部176乃至絞り調整部180に供給する。
判定部175は、判定部174より供給される判定結果が、供給された差分値が所定の閾値βよりも小さくないと判定された場合にのみ、絞り調整部180より供給される絞り値Avと所定の閾値γとを比較し、比較結果を判定部175、および、シャッタスピード調整部176乃至絞り調整部180に供給する。
シャッタスピード調整部176は、判定部174,175の判定結果に基づいて、シャッタスピードのAPEX値であるL1の初期値L1pに1、または、1/3を順次加算して、L1(Loop)として差分計算部173に出力するか、または、そのときのL1を最終的に決定されたシャッタスピードL1(=長時間露出制御信号SL)として露光量比率計算部182、および、TG124に出力する。
シャッタスピード調整部177は、判定部174,175の判定結果に基づいて、シャッタスピードのAPEX値であるS1に1、または、1/3を加算して、S1(Loop)として差分計算部173に出力するか、または、そのときのS1を最終的に決定されたシャッタスピードS1(=短時間露出制御信号SS)として露光量比率計算部182、および、TG124に出力する。
ゲイン調整部178は、判定部174,175の判定結果に基づいて、長時間露光用の利得制御信号のAPEX値であるGLの初期値GLpに順次21/3を乗じるか、または、そのときのGLを最終的に決定された長時間露光用の利得制御信号GLとしてAGC115に出力する。
ゲイン調整部179は、判定部174,175の判定結果に基づいて、短時間露光用の利得制御信号のAPEX値であるGSの初期値GSpに2-1/3を順次乗じるか、または、そのときのGSを最終的に決定された短時間露光用の利得制御信号SLとしてAGC115に出力する。
絞り調整部180は、判定部174,175の判定結果に基づいて、絞りのAPEX値であるAvの初期値Avpに1を順次減じて、Av(Loop)として判定部175に供給するか、または、そのときのAvを最終的に決定された絞りのAPEX値Avとして変換部181、および、露光量比率計算部182に出力する。
変換部181は、絞り調整部180より供給されたAPEX値の絞り値AvをAPEX値ではない絞り値APに変換して、AIC123に供給する。露光量比率計算部182は、絞り調整部180より供給されたAPEX値の絞り値Av、並びに、シャッタスピード調整部176,177より供給されるシャッタスピードL1(長時間露出制御信号SLに大生するもの)およびシャッタスピードS1(短時間露出制御信号SSに対応するもの)に基づいて、露光量比率(ratio=(Av+L1)/(Av+S1))を計算して、AIC123に供給する。
次に、図20のフローチャートを参照して、図14で示されるデジタルビデオカメラによる撮像処理について説明する。
ステップS1において、AIC123は、DSP117の長短連動露出補正値計算部133より供給される絞り値APに基づいて、絞り112を制御する。ただし、最初の処理においては、DSP117は絞り値APを出力することができないので、デフォルトとして所定のAPが用いられる。
ステップS2において、CCDイメージセンサ113の短時間露光制御部113bは、各受光素子を制御して、DSP117の長短連動露出補正値計算部133より供給される短時間露出用シャッタスピード制御信号であるSSに基づいて、TGより供給されるタイミング制御信号により短時間露光画像を撮像し、短時間露光画像信号として利得制御装置115に供給する。ただし、最初の処理においては、DSP117は短時間露出用シャッタスピード制御信号であるSSを出力することができないので、デフォルトとして所定のSSが用いられる。
ステップS3において、CCDイメージセンサ113の短時間露光制御部113aは、各受光素子を制御して、DSP117の長短連動露出補正値計算部133より供給される長時間露出用シャッタスピードSLに基づいて、TGより供給されるタイミング制御信号により長時間露光画像を撮像し、長時間露光画像信号として利得制御装置115に供給する。ただし、最初の処理においては、DSP117は長時間露出用シャッタスピード制御信号であるSLを出力することができないので、デフォルトとして所定のSLが用いられる。
ステップS4において、AGC115は、DSP117の長短連動露出補正値計算部133より供給される長時間露光画像信号用の利得制御信号GLおよび短時間露光画像信号用の利得制御信号GSに基づいて、CCDイメージセンサ113より供給された長時間露光画像および短時間露光画像についてそれぞれ利得制御処理を実行し、利得制御した長時間露光画像および短時間露光画像をそれぞれ長時間露出補正値計算部132および短時間露出補正値計算部131に供給する。ただし、最初の処理においては、DSP117は長時間露光画像信号用の利得制御信号GLおよび短時間露光画像信号用の利得制御信号GSを出力することができないので、デフォルトとして所定のGS,GLが用いられる。
ステップS5において、短時間露出補正値計算部131は、短時間露出補正処理を実行する。
ここで、図21のフローチャートを参照して、短時間露出補正値計算部131による短時間露出補正処理について説明する。
ステップS21において、短時間露出補正値計算部131のヒストグラム計算部141は、AGC115より供給された短時間露光画像信号に基づいて、輝度ヒストグラムを求め、露出補正値状態遷移計算部142に供給する。
ステップS22において、露出補正値状態遷移計算部142は、ヒストグラム計算部141より供給された輝度ヒストグラムと長短連動露出補正値計算部133より供給される露光比信号に基づいた露光量比率に基づいて、図16を参照して説明したように、ヒストグラムにより決定される状態と、露光量比率に基づいて、短時間露光画像における露出量に関する状態がstable状態、unstable-over状態、または、unstable-under状態いずれかの状態を判別する。
ステップS23において、露出補正値状態遷移計算部142は、判定された露出量に関する状態がstable状態の場合、短時間露出補正値としてΔEvS =0を出力し、判定された露出量に関する状態がunstable-over状態の場合、短時間露出補正値としてΔEvS =1/3を出力し、判定された露出量に関する状態がunstable-under状態の場合、短時間露出補正値としてΔEvS =−1/3を出力する。
このように短時間露出補正処理により、短時間露出補正値計算部131は、露出量に関する状態に基づいて、−1/3,0,1/3のいずれかを短時間露出補正値としてΔEvSとして出力する。尚、以上においては、1/3間隔でAPEX値のシャッタスピードを変化させる場合について説明してきたが、それ以外の間隔で変化させるようにしても良いことは言うまでもない。
ここで、図20のフローチャートの説明に戻る。
ステップS6において、長時間露出補正値計算部132は、長時間露出補正処理を実行する。
ここで、図22のフローチャートを参照して、長時間露出補正値計算部132による長時間露出補正処理について説明する。
ステップS31において、平均輝度計算部151は、AGC115より供給される長時間露光画像信号に基づいて、各画素の平均輝度値を求め補正値算出部152に供給する。
ステップS32において、補正値算出部152は、供給された平均輝度値に基づいて、上述した式(1)を演算することにより、長時間露出補正値ΔEvLを求め、出力する。
尚、Lrefは適正露出目標輝度値として、一般的に、最高輝度値に対して18%の輝度値となるように設定されるものとするが、必要に応じてそれ以外の値を適正露出目標輝度値としてもよいことは言うまでもない。
ここで、図20のフローチャートの説明に戻る。
ステップS8において、長短連動露出補正値計算部133は、長短連動露出補正処理を実行する。
ここで、図23のフローチャートを参照して、長短連動露出補正値計算部133による長短連動露出補正処理について説明する。
ステップS51において、加算器171は、長時間露出補正値ΔEvLと、現在の長時間露出のシャッタスピードのAPEX値であるTvL(直前に求められたSLに対応するものである)を足し合わせて、補正後の長時間露出用のシャッタスピードL1pを生成し、差分計算機173および長時間露出用のシャッタスピード調整部(L)176に供給する。同時に、加算器172は、短時間露出補正値ΔEvSと、現在の短時間露出のシャッタスピードのAPEX値であるTvS TvL(直前に求められたSSに対応するものである)を足し合わせて、補正後の短時間露出用のシャッタスピードS1pを生成し、差分計算機173および長時間露出用のシャッタスピード調整部(S)177に供給する。
ステップS52において、差分計算部173は、APEX値であるシャッタスピードS1pより、(APEX値ではない)シャッタスピードSSを算出する。ステップS53において、差分計算部173は、APEX値であるシャッタスピードL1pより、(APEX値ではない)シャッタスピードSLを算出する。
すなわち、例えば、差分計算部173は、与えられた値S1pまたはL1pが3である場合、図11で示される関係から、SSまたはSL=1/15として処理する。基本的に、APEX値Tvが1増えると、シャッタスピードは半分になる関係がある。
ステップS53において、差分計算部173は、シャッタスピードの差分の絶対値|SL−SS|を計算し、判定部174に供給する。
ステップS54において、判定部174は、シャッタスピードの差分の絶対値|SL−SS|が所定の閾値β以下であるか否か、すなわち、シャッタスピードの差によるぶれが十分に小さいか否かを判定し、判定結果を判定部175、並びに、シャタスピード調整部176乃至絞り調整部180に供給する。
例えば、シャッタスピードの差分の絶対値|SL−SS|が所定の閾値β以下ではないと判定された場合、すなわち、シャッタスピードの差によるぶれが大きいと判定された場合、ステップS55において、判定部175は、絞り調整部180より供給される絞り値Av(Loop)(ただし、初期値の場合Avp)が所定の閾値γよりも大きいか否かを判定し、判定結果をシャタスピード調整部176乃至絞り調整部180に供給する。
ステップS55において、例えば、絞り値Av(Loop)(ただし、初期値の場合Avp)が所定の閾値γよりも大きいと判定された場合、その処理は、ステップS56に進む。尚、ここで閾値γは、例えば、絞りの最大開放値をAPEX値で表したものである。
ステップS56において、ステップS55の判定結果によれば、まだ絞りを開けることが可能であるので、絞り調整部180は、絞り値Avを1減らす。すなわち、絞り調整部180は、絞りを1段分開放する。
ステップS57において、シャッタスピード調整部176は、シャッタスピードL1を1増加させ、L1(Loop)として、差分計算部173に供給する。ステップS58において、シャッタスピード調整部177は、シャッタスピードS1を1増加させ、S1(Loop)として、差分計算部173に供給し、その処理は、ステップS52に戻る。
すなわち、判定部175の判定結果がNoで、かつ、判定部174の判定結果がYesである場合、ステップS56において、絞り調整部180は、絞り値Avを1減らし、ステップS57において、シャッタスピード調整部176は、シャッタスピードL1を1増加させ、ステップS58において、シャッタスピード調整部177は、シャッタスピードS1を1増加させる。
一方、ステップS55において、絞り値Av(Loop)(ただし、初期値の場合Avp)が所定の閾値γよりも大きくないと判定された場合、ステップS59において、シャッタスピード調整部176は、シャッタスピードL1を1/3増加させ、L1(Loop)として、差分計算部173に供給する。
ステップS60において、ゲイン調整部178は、利得制御信号GLに21/3を乗じる(ただし、最初の処理では、GLの初期値であるGLpに21/3を乗じる)。
ステップS61において、シャッタスピード調整部177は、シャッタスピードS1を1/3増加させ、S1(Loop)として、差分計算部173に供給する。
ステップS62において、ゲイン調整部179は、利得制御信号GSに21/3を乗じ(ただし、最初の処理では、GSの初期値であるGSpに21/3を乗じる)、その処理は、ステップS52に戻る。
すなわち、シャッタスピード差を小さくする方法は2通りあり、第1の方法は、絞りを段階的に開けていくことによって、長時間露光・短時間露光のシャッタスピードをいずれも短くすることで、シャッタスピード差の時間を減少させる方法である。但し、この方法では絞りが完全に開放されてしまうと、それ以上はシャッタスピードの差を減らすことができない。
そして、第2の方法は、長時間露光画像信号および短時間露光画像信号のそれぞれの利得(ゲイン)を調整することにより、シャッタスピードの差を減らすというものである。例えばゲインを2倍にすることで、ゲインを上げない場合と同等の光量を得るには、シャッタスピードを1/2倍に短くすることができる。
以上の処理においては、これらの特性を利用することで、例えば、シャッタスピードSSとSLの差が大きい場合、長時間露光のゲインを上げる代わりにシャッタスピードを下げることで、シャッタスピードSSとSLの差を減少させることができる。但し、ゲインを上げる場合、ノイズが顕著になり、画質上好ましくない状況となることがあるため、ゲインを上げる場合は、絞りが完全に開放されてしまった場合に行うのがよい。
そこで、ステップS55において、絞り値Avが最大値であるγより大きい場合、ステップS56乃至S58の処理により、上述した第1の方法で、シャッタスピード差を小さくする。一方、ステップS55において、絞り値Avが最大値であるγより大きくない場合、すなわち、完全に開放されてしまった場合、ステップS59乃至S60の処理により、上述した第2の方法で、ゲインを上げてシャッタスピード差を小さくする。
結果として、シャッタスピード差が所定の閾値β以下に収まるまで、ステップS52乃至S62の処理を繰り返し実行される。
そして、ステップS54において、シャッタスピードの差分の絶対値|SL−SS|が所定の閾値β以下であると判定された場合、すなわち、シャッタスピードの差によるぶれが十分に小さくなったと判定された場合、ステップS63において、シャッタスピード調整部176,177は、今現在のシャッタスピードSL,SSをTG124、および、露光量比率計算部182に出力し、ゲイン調整部178,179は、今現在の利得制御信号GL,GSをAGC115に出力し、絞り調整部180は、APEX値の絞り値Avを変換部181、および、露光量比率計算部182に出力する。また、このときシャッタスピード調整部176,177は、求められたシャッタスピードSL,SSに基づいて、今現在のシャッタスピードTvS,TvLを更新し、図示せぬメモリに記憶させておき、以降で繰り返されるステップS51の処理において用いるようにする。
ステップS64において、変換部181は、絞り調整部180より供給されたAPEX値の絞り値AvをAPEX値ではない絞り値APに変換して、AIC123に供給する。より具体的には、変換部181は、図10で示される関係に基づいて、与えられたAPEX値Avに対応する絞りF値(AP)に変換し、例えば、絞り値Avが5である場合、AP =5.6に変換して出力する。
ステップS65において、露光量比率計算部182は、絞り調整部180より供給されたAPEX値の絞り値Av、並びに、シャッタスピード調整部176,177より供給されるシャッタスピードL1(=長時間露出制御信号SL)およびシャッタスピードS1(=短時間露出制御信号SS)に基づいて、露光量比率(ratio=(Av+L1)/(Av+S1))を計算して、短時間露出補正値計算部131に供給する。
ここで、図20のフローチャートの説明に戻る。
ステップS8において、CPU125は、インプットデバイス126がユーザにより操作されて、撮像の停止が指示されたか否かを判定し、停止が指示されていない場合、その処理は、ステップS1に戻り、それ以降の処理が繰り返され、停止が指示されていると判定された場合、その処理を終了する。
尚、以上においては、短時間露出画像と長時間露出画像の2回の撮像により広ダイナミックレンジ化する場合について説明してきたが、それ以上の回数の撮像によりさらに広ダイナミックレンジ化するような場合に適用しても良く、そのような場合、最もシャッタスピードが異なる(シャッタスピードの差分が最も大きくなる)画像間で上述したような処理を実行することで、適用させることが可能である。
また、以上においては、画像データの生成に、CCDイメージセンサを用いる場合について説明してきたが、これ以外のイメージセンサであってもよく、例えば、CCDイメージセンサ113の代わりに、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを用いるようにしても良い。
以上によれば、短時間露出画像と長時間露出画像のシャッタスピードの差分を、絞り、または、ゲインを調整することにより、十分に小さくすることが可能となるので、結果として、露出期間を変えて複数回撮影するダイナミックレンジ拡張方式において問題となっていた、露光期間の違いによって発生する画像のぶれに起因する画質の劣化を抑制することが可能となり、ダイナミックレンジの広い動被写体でも高画質に撮像を行うことが可能となる。
ところで、上述した一連の撮像処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
図24は、汎用のパーソナルコンピュータの構成例を示している。このパーソナルコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)201を内蔵している。CPU201にはバス204を介して、入出力インタフェース205が接続されている。バス204には、ROM(Read Only Memory)202およびRAM(Random Access Memory)203が接続されている。
入出力インタフェース205には、ユーザが操作コマンドを入力するキーボード、マウスなどの入力デバイスよりなる入力部206、処理操作画面や処理結果の画像を表示デバイスに出力する出力部207、プログラムや各種データを格納するハードディスクドライブなどよりなる記憶部208、LAN(Local Area Network)アダプタなどよりなり、インタネットに代表されるネットワークを介した通信処理を実行する通信部209が接続されている。また、磁気ディスク211(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク212(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク213(MD(Mini Disc)を含む)、もしくは半導体メモリ214などの記録媒体に対してデータを読み書きするドライブ210が接続されている。
CPU201は、ROM202に記憶されているプログラム、または磁気ディスク211乃至半導体メモリ214から読み出されて記憶部208にインストールされ、記憶部208からRAM203にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM203にはまた、CPU201が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
尚、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理は、もちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理を含むものである。
113 CCD, 115 AGC, 117 DSP, 123 AIC, 124 TG, 131 短時間露出補正値計算部, 132 長時間露出補正値計算部, 133 長短連動露出補正値計算部, 141 ヒストグラム計算部, 142 露出補正値状態遷移計算部, 151 平均輝度算出部, 152 補正値算出部, 171,172 加算器, 173 差分計算部, 174,175 判定部, 176,177 シャッタスピード調整部, 178,179 ゲイン調整部, 180 絞り調整部, 181 変換部, 182 露光量比率計算部