JP4300454B2 - カード保持具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はカードを保持するカード保持具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、幼児教育の教材として、フラッシュカードが用いられている。フラッシュカードは、B6版からA4版程度の大きさのカードで、表面に種々の物品のイラスト、絵画、記号(地図記号など)、ひらがな、カタカナ、漢字、アルファベットなどの文字が表記されている。
【0003】
これらのフラッシュカード(以下カードとする)を、物品のイラスト、絵画、記号(以下これらを図形とする)のカードの場合はそれらの名称を、文字のカードの場合はその文字を口頭で読み上げながら0.5〜1秒に一枚の早さで幼児(以下被実施者Qとする)に見せて行く。具体的には、たとえば図14のように実施者Pと被実施者Qが向かい合い、実施者Pは10枚程度重ねたカードC3を左手に持ち、右手で矢印のように実施者P側の最後部のカードを摘み被実施者Q側の最前部に移動させて行くようにする。
【0004】
カードは使用するときの扱いやすさの点で、材質として通常、腰のある厚紙が用いられている。腰のない薄い紙は重ねたものを手で保持しにくいため、カードの材質として不適当である。
【0005】
一人の幼児に、1日に見せるカードは20〜30枚であり、数日毎に一部を入れ替える。カードを見せる期間は2〜3年間であるので、繰り返し見せるものもあるが、カードは数百枚から千枚或いはそれ以上必要である。このように、カードは大量に用意する必要があるが、従来の厚紙のカードは、高価になる、保管に場所をとるといった問題があった。
【0006】
そこで、薄い紙からなるカードを適切な腰の強さを備えた板状の基材に着脱自在に保持させたものを1枚のカードとして使用することが考えられる。
【0007】
シート状の物品を基材に着脱自在に保持させる公知の手段としては、例えば特許文献1に開示されている「アルバム用シート」がある。当該手段は、静電吸着可能な基材と、透明フィルムとの間にシート状の物品(写真)を保持するものであるが、一旦保持されたシート状の物品を取り外す場合は静電力に抗して透明フィルムを基材から離さなければならないため、頻繁にシート状物品を交換する必要のある使用目的には不向きである。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−192790
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、斯かる従来技術の問題点を解決するべくなされたもので、容易にカードを交換することを可能にするカード保持具を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、本発明に係るカード保持具は、厚紙製の基材と透明フィルムを重ねてなり、前記基材と透明フィルム間に、表面に文字または図形を表記したカードを保持するカード保持具であって、カード保持具の前記カードを保持することのできる一辺に沿って、前記基材と透明フィルムが面接触の状態で固定されていると共に、前記厚紙製の基材は、前記カードの裏面に表記されている文字または図形の位置に対応した位置に開口部を備えていることを特徴とする。
【0011】
斯かる発明によれば、カード保持具は、使用する時に下側となり、カードを保持することのできる辺に沿った部分で、厚紙製の基材(以下基材とする)と透明フィルムが固定されているため、カードが重力により脱落することなく、基材と透明フィルム間に保持させることができる。
【0012】
また、重ねられた基材と透明フィルムが前記辺に沿って面接触の状態で固定されているため、透明フィルムは、基材上に、基材に平行に片持ち状態で支持されることになる。従って、透明フィルムの自由端側を基材に対して開くと、透明フィルムを基材に平行な位置に戻す弾性的な力が作用し、基材と透明フィルム間にカードを挿入するとカードは両者間に保持されることになる。
【0013】
透明フィルムは基材に対して自在に開閉できるので、保持させたカードを簡単に交換することができ、カード自体は安価な薄い紙製のものを使用することができる。従って、20乃至30のカード保持具を用意することにより、多くの費用をかけることなく多数のカードを利用することができ、カードの保管にあたっても従来の厚紙製のものより場所を取らない。
【0014】
透明フィルムとしては、表面が鏡面仕上げされているものを使用すれば、指との密着性がよいのでカード保持具を摘むとき滑りにくく、カード保持具を速くめくることができる。さらに基材と指間の滑りを止め、カード保持具を摘みやすくするため、基材の反透明フィルム側の面の一部または全面を樹脂でコーティングしてもよい。
【0015】
透明フィルムとしては、ポリプロピレン、塩化ビニール、PETなどの樹脂よりなる厚さ0.15〜0.8mm程度の、弾性を有するフィルムが好適に用いられる。透明フィルムがこれより薄い場合はカードを安定して保持しにくく、厚い場合は保持具の重量が増し、速くめくることが困難になる。また、透明フィルムは、カードを基材と透明フィルム間に保持したときに、カード表面の文字または図形が見えるものであれば、半透明のものでもよい。
【0016】
基材の厚さは、扱い易さの点で、好ましくは0.3〜1.5mm、特に好ましくは0.5〜1mmである。
【0017】
基材と透明フィルムの固定は、接着剤、両面テープ、金具、溶着などにより行うことができる。
【0021】
前記基材は、前記カードの裏面に表記されている文字または図形の位置に対応した位置に開口部を備えるように構成される。
【0022】
斯かる発明によれば、実施者は前記開口部に現れている、カードの裏面の文字または図形の表記を読みとることができる。なお、開口部は複数箇所に設けてもよい。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0026】
図1は本発明の一実施の形態に係るカード保持具20の正面図、図2は図1のA−A断面図である。1は薄板状の基材としての厚さ0.5mm、坪量350g/m2の厚紙製の基材、2は表面が鏡面仕上げされているポリプロピレン製の厚さ0.2mmの透明フィルムである。基材1と透明フィルム2は、共に略B6版の大きさのもので、カード保持具20の使用時に下側となる、カードを保持することのできる一辺としての辺3に沿った細長い長方形の部分4が、両面テープ5で面接触で固定されている。
【0027】
図3はカードの出し入れのためにカード保持具20の基材1と、透明フィルム2とを相互に開いた状態を示す縦断面図である。
【0028】
図4は図1のカード保持具20に、厚さ0.2mm、大きさB6版のカードC1を保持させた状態を示す縦断面図である。
【0029】
なお以下の実施の形態で特に断らない限り基材1及び透明フィルム2の材質と大きさは上記カード保持具20の場合と同じである。
【0030】
また基材1と透明フィルム2は図5のカード保持具30のように接着材で固定してもよい。斜線部6は接着剤により面接触で固定されている部分、7は固定部分に挿入されるカードC1とほぼ等しい厚さのスペーサである。
【0031】
また、基材1と透明フィルム2との固定は図6のカード保持具40のようにステープラの針のような針金状の金具8で押圧して行うこともできる。この場合も、基材1と透明フィルム2は、辺3に沿った細長い長方形の部分で面接触で固定されていることになる。
【0032】
次に、カード保持具20、30、40の使用方法を説明する。なお、これらカード保持具の使用方法は全て同じなので、以下はカード保持具20について説明する。
【0033】
実施者Pは、図12のようにカードC1を保持させたカード保持具20を10枚程度重ね、片方の手に辺3を下にして支持して被実施者Qと向かい合う。そして0.5〜1秒に1枚の割合で順に他方の手で、矢印のように実施者P側の最後部のカード保持具20を摘んで被実施者Q側の最前部に移して行く。
【0034】
またカード保持具20は、図13のように上記と反対に最前部から最後部に移してもよい。この場合は実施者P、被実施者Qの位置は双方共重ねられたカード保持具20の最前部側である。
【0035】
いずれの場合もカード保持具20に保持させたカードC1を被実施者Qに示すと同時に、図形のカードの場合は図形の名称を、文字のカードの場合は文字を口頭で読み上げる。
【0036】
以上のようにカード保持具20をめくる時、最後部から最前部に移す場合、最前部から最後部へ移す場合の何れの場合も、透明フィルム2に指を当てるようにすれば透明フィルム2の表面は鏡面に仕上げられているため平滑で指との密着性がよいので滑りにくく、カード保持具20を速くめくることができる。
【0037】
さらに、基材1と指間の滑り止めのため、基材1の反透明フィルム面側を樹脂でコーティングしてもよい。コーティングは全面に施しても、一部分に施してもよい。
【0038】
前述のように、実施者Pが被実施者Qにカード保持具20に保持したカードC1を見せるときは、カードC1の表面に表示されている図形の名称や、文字を口頭で読み上げるのであるが、図12のように最後部(実施者P側)のカード保持具20を最前部(被実施者Q側)に移して行く場合は、実施者PにはカードC1の表面に表示されている図形、文字が見えないため、実施者PはカードC1表面の表示内容の読み上げを記憶により行わなければならない。
【0039】
そこで、カードC1の裏面に、表面に表記されている図形の名称または文字と同じ文字を参照用に表示しておき、基材を透明のものとすれば実施者Pはそれらの表示を透明の基材を通して読み取り、読み上げることができる。
【0040】
図7は、基材9を表面が鏡面仕上げされた透明の樹脂板としたカード保持具50の縦断面図、図8は裏面に参照用の文字10を表記したカードC2(厚さ0.2mm、大きさB6版)を保持させたカード保持具50の裏面を示す背面図である。9は透明の基材、10は透明の基材9を通して見えるカードC2の裏面に表記された文字である。透明の基材9と透明フィルム2は両面テープ5で固定されている。
【0041】
図9は、厚紙製の基材11に開口部12を設けたカード保持具60に、カードC2を保持させた状態を示す図である。開口部12は、カードC2の裏面に表記されている文字10の位置に対応した位置に設けられている。
【0042】
図10は、図9のB−B断面図である。基材11と透明フィルム2は両面テープ7で固定されている。これにより、基材11が不透明の場合も、実施者PはカードC2の裏面に表記されている文字を参照することができる。
【0043】
図11は、厚紙製の基材13に切り欠き14を設けた本発明の一実施の形態に係るカード保持具70にカードC2を保持させた状態を、カード保持具70の裏面から見た図である。切り欠き14は、カードC2の裏面に表記されている文字10の位置に対応した位置に設けられているため、基材13が不透明の場合も、実施者PはカードC2の裏面に表記されている文字を参照することができる。なお、本実施形態に係るカード保持具70では、切り欠き14はカード保持具70を裏面から見た場合、当該カード保持具70の左上隅部に設けられているが、切り欠き14の位置はこれに限定されるものではなく、基材13の周辺部であり、カードC2の裏面に表記されている文字または図形の位置に対応した位置に対応した位置であれば、何れの位置であってもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上のように本発明に係るカード保持具によれば、保持具に保持されているカードを容易に交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るカード保持具の正面図。
【図2】 図1のA−A断面図。
【図3】カードの出し入れのためにカード保持具の基材と透明フィルムを相互に開いた状態を示す縦断面図。
【図4】図1のカード保持具にカードを保持させ状態を示す縦断面図。
【図5】基材と透明フィルムを接着材で固定した本発明の一実施の形態に係るカード保持具の正面図。
【図6】基材と透明フィルムの固定を針金状の金具で行った本発明の一実施の形態に係るカード保持具の正面図。
【図7】基材が透明の樹脂からなる本発明の一実施の形態に係るカード保持具の縦断面図。
【図8】裏面に参照用の文字を表示したカードを保持させた、基材が透明の樹脂からなる本発明の一実施の形態に係るカード保持具の裏面を示す背面図。
【図9】厚紙製の基材に開口部を設けた本発明の一実施の形態に係るカード保持具に、カードを保持させた状態を示す図。
【図10】図9のB−B断面図。
【図11】厚紙製の基材に切り欠きを設けた本発明の一実施の形態に係るカード保持具にカードを保持させた状態を示す図。
【図12】本発明に係るカード保持具の使用方法の一例を示す図。
【図13】本発明に係るカード保持具の使用方法の他の一例を示す図。
【図14】フラッシュカードの使用方法の一例を示す図。
【符号の説明】
1,9,11,13 基材
2 透明フィルム
3 カードを保持することのできる辺
10 文字
20,30,40,50,60,70 カード保持具
C1,C2 カード
Claims (1)
- 厚紙製の基材と透明フィルムを重ねてなり、前記基材と透明フィルム間に、表面に文字または図形を表記したカードを保持するカード保持具であって、カード保持具の前記カードを保持することのできる一辺に沿って、前記基材と透明フィルムが面接触の状態で固定されていると共に、前記厚紙製の基材は、前記カードの裏面に表記されている文字または図形の位置に対応した位置に開口部を備えていることを特徴とするカード保持具。
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