JP4299007B2 - 液封型圧力センサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、各種圧力媒体の圧力を電気信号に変換する液封型圧力センサに関し、特に、ワンチップ型式の半導体圧力センサチップを液封した液封型圧力センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液封型圧力センサは、受圧面を金属製ダイヤフラムによって画定されてオイル等の電気絶縁液を封入された液封室に圧力検出用のセンサチップを配置されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
液封型圧力センサは、センサチップと金属製ダイヤフラムとの間をオイル等の電気絶縁液によって電気的に絶縁するため、高絶縁性、高耐電圧性を有するセンサとして市場での実績もかなり長いものがある。
【0004】
センサチップも、単なる圧力検出素子(ゲージ)のみのチップから、近年は、圧力検出部、不揮発性メモリ等を回路形成され、調整回路や温度補償回路を含んだワンチップ型式の半導体圧力センサチップに進化してきている。また、半導体プロセスも、バイポーラからCMOSへと変化している。そして、CMOSとEPROMを組み合わせたワンチップ半導体圧力センサは高精度、高信頼性で、今後の主流になると思われる。センサチップの圧力検出部分をエッチングにより薄膜化して金属ダイヤフラムと二重構造にしたものを、特に、二重金属ダイヤフラム方式液封型圧力センサと云う。
【0005】
【特許文献1】
特公平6−65974号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
微細加工により、マイクロパワー化したワンチップ半導体圧力センサは、使い方が悪いと、誘導やノイズの影響を受けやすい。例えば、1次電源(例えば、AC100V)と2次電源(例えば、DC5V)が絶縁されていない電源を使用し、圧力センサの継手が金属配管を通して接地される場合、継手と導通している金属製ダイヤフラムとチップと間には、1次電圧(以下、バイアス電圧Ebと云う)がそのまま加わり、センサチップの回路に悪影響を与える可能性がある。このことは、絶縁型電源を用しても、絶縁程度が不十分であると、同様である。
【0007】
バイアス電圧Ebが回路に悪影響を与えるメカニズムを図10を参照して説明する。なお、図10において、101はセンサ担持ハウジング側のハーメチックガラス部102上に取り付けられたワンチップ型式のセンサチップ、103は金属製ダイヤフラムであり、ハーメチックガラス部102と金属製ダイヤフラム103との間に画定される液封室104にオイルが封入されている。また、106はハーメチックガラス部102に設けられたリードピンを、107はボンディングワイヤを示している。
【0008】
センサチップ101と金属製ダイヤフラム103との間にバイアス電圧Ebが加わると、相対向するチップ表面と金属製ダイヤフラム103との間に電界が発生する。図10では、電界を視覚的に点線によって示している。
【0009】
MOSトランジスタは、ゲート電圧が作り出す電界によってドレン電流を制御するから、MOSトランジスタや不揮発性メモリはバイアス電圧Ebによる電界の影響を受ける。また、液封室104に封入されたオイル中に電荷を持つ不純物があると、電荷が移動して同様に悪影響を与える。
【0010】
この対策として、図11に示されているように、センサチップ101と金属製ダイヤフラム103との間にゼロ電位の電極(シールド電極)105を設ける考えがある。シールド電極105は、チップ回路のゼロ電位(GND)に接続されているので、センサチップ101と金属製ダイヤフラム103との間にバイアス電圧Ebが加わっても、電界は金属製ダイヤフラム103とシールド電極105との間に発生し、センサチップ101とシールド電極105とは同電位で、この間に電界が発生しない。これにより、センサチップ101の回路が電界による影響を受けなくなる。
【0011】
しかし、上述したような対策品では、センサチップ101と金属製ダイヤフラム103との間にシールド電極105を配置する必要があるため、構造が複雑で、コストアップになる。また、チップの組み込み後にシールド電極105を取り付けるため、不用意な作業で、チップの損傷やボンディングワイヤ107の破損の虞れがある。また、製造装置の自動化のためには、複雑で、高価な専用装置を作る必要がある。
【0012】
また、チップのワイヤボンディング後にシールド電極105を取り付けるため、シールド電極105をリードピン106の配置位置より大きくする必要がある。その結果、ガラスハーメチック部分の面積が大きくなり、ハーメチック耐圧が低下する。
【0013】
液封室104に充填されたオイルは、かなり大きな熱膨張係数を持っており、低温になると収縮するから、低温時には、金属製ダイヤフラム103は、その分量に見合った分だけ、シールド電極105に近づく。もし、金属製ダイヤフラム103とシールド電極105との間隔が狭いと、低温時に、互いに接触してしまい、センサチップ101のゼロ電位と継手とが短絡する。そのため、金属製ダイヤフラム103とシールド電極105との間隔は、充分、余裕をとる必要がある。
【0014】
結果として、サイズが大きくなり、液封室104に充填するオイル量が増える。更に、ガラスハーメチック部分の面積拡大の分も加わり、オイル量が増えると、熱膨張による金属製ダイヤフラム103の変位量が増え、オイル内圧変化が大きくなり、圧力センサの特性を悪化させる原因になる。
【0015】
この発明は、上述の如き問題点を解消するためになされたもので、構造の簡素化と取扱の容易性を備え、オイルの熱膨張による金属製ダイヤフラムとシールド電極の短絡を生じることがないシールド電極構造を有し、オイル量の増大を伴わず、特性の優れた圧力センサを提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明による液封型圧力センサは、中央開口部にリードピンおよび電気絶縁液充填管を貫通装着されたハーメチックガラス部を有するチップ担持ハウジングを有し、当該チップ担持ハウジングに取り付けられた金属製ダイヤフラムによって受圧面を画定されて電気絶縁液を封入された液封室に、シリコン部材とガラス部材とを陽極接合した半導体圧力センサチップが配置された液封型圧力センサにおいて、前記センサチップが前記センサチップの電極と配線基板に形成されている接合パッドとを接続するバンプによって前記配線基板上に所定の間隙をおいてフリップチップ実装されて固定配置され、前記配線基板がシリコンの熱膨張係数と同じ熱膨張係数を有するガラス基板あるいは絶縁処理されたシリコン基板上に導電材製のシールド電極を形成され、前記間隙を隔てて前記シリコン部材によるチップ表面と対向する面部にシールド電極が形成され、前記シールド電極は前記センサチップのグランド電位電極と導通接続され、前記チップ担持ハウジングに前記配線基板が固定装着され、前記リードピンと前記配線基板に形成された接合パッドとが導通接続され、前記チップ担持ハウジングは前記中央開口部に突出形成された取付台座形状部を有し、当該取付台座形状部に前記配線基板が固定されている。
【0017】
この発明による液封型圧力センサによれば、シリコン部材とガラス部材とを陽極接合した半導体圧力センサチップがセンサチップの電極と配線基板に形成されている接合パッドとを接続するバンプによって配線基板上に所定の間隙をおいてフリップチップ実装されて固定配置されていることにより、この間隙(電気絶縁液を満たされる)の圧力は液封室の圧力に等しく、センサチップを構成するシリコン部材によるチップ表面側が配線基板と対向する向きに配置され、正しい圧力検出が行われる。この結果、センサチップを構成するガラス部材によるチップ裏面側が金属製ダイヤフラムと対向するようになる。したがって、センサチップと金属製ダイヤフラムとの間にバイアス電圧が加わり、チップ表面と金属製ダイヤフラムとの間に電界が発生して、液封室に封入されたオイル中の不純物が持つ電荷が移動しようとしても、金属製ダイヤフラムとシリコン部材によるチップ表面との間に存在するガラス部材によって遮られるようになって、センサチップは金属製ダイヤフラムとの間のオイル中の不純物の持つ電荷による悪影響を受け難くなる。
一方、センサチップを構成するシリコン部材によるチップ表面が所定の間隙内のオイルに曝されるセンサチップには、金属製ダイヤフラムが取り付けられているチップ担持ハウジングとの間のバイアス電圧が加わるようになるが、シリコン部材によるチップ表面とチップ担持ハウジングとの間に、センサチップのグランド電位電極と導通接続された配線基板上のシールド電極が介在し、センサチップとチップ担持ハウジングとの間のバイアス電圧による電界がシールド電極で遮断されるので、シールド電極とセンサチップの間には、バイアス電圧による電界が発生されることがなく、センサチップの回路が電界による影響を受け難くなる。
【0019】
この発明による液封型圧力センサによれば、フリップチップ実装のためのバンプによってセンサチップと配線基板との間隙が形成され、この間隙を作るための別部品を必要としない。
【0020】
また、この発明による液封型圧力センサに用いられるセンサチップは、圧力検出部、不揮発性メモリ等を回路形成されることができる
【0021】
この発明による液封型圧力センサでは、シリコンによるセンサチップとセンサチップを実装した配線基板との間に熱膨張係数差による応力が作用することが回避される。
【0023】
この発明による液封型圧力センサでは、前記チップ担持ハウジングは前記中央開口部に突出形成された取付台座形状部を有し、当該取付台座形状部に前記配線基板が接着剤等によって固定される簡便な基板取付構造とすることができる。この場合、前記取付台座形状部と前記ハーメチックガラス部とに段差がある構造にすることができ、この段差によって配線基板とハーメチックガラス部との間に液封室に繋がる間隙ができ、ハーメチックガラス部の絶縁液充填管をハーメチックガラス部の中央部に配置することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照してこの発明の実施の形態を詳細に説明する。図1〜図3はこの発明による液封型圧力センサの一つの実施の形態を示している。
【0025】
図1に示されているように、液封型圧力センサは、圧力検出エレメント10と、継手60と、コネクタハウジング70との結合体により構成されている。
【0026】
圧力検出エレメント10は金属製のチップ担持ハウジング11を有し、チップ担持ハウジング11の中央開口部12にハーメチックガラス(ハーメチックガラス部)13を固着されている。チップ担持ハウジング11の上面には、受圧面をなす金属製ダイヤフラム14の外周縁部と、その上に重ねた連通孔16を有するダイヤフラム保護カバー15の外周縁部とが、溶接によって気密に固着されている。なお、ハーメチックガラス部13の下底面はチップ担持ハウジング11の下底面と面一であるが、ハーメチックガラス部13の上面はチップ担持ハウジング11の上面より充分低い位置にある。
【0027】
この構造により、チップ担持ハウジング11の中央開口部12の部分において、ハーメチックガラス部13と金属ダイヤフラム14との間に、電気絶縁液であるオイルを封入される液封室17が画定される。
【0028】
チップ担持ハウジング11は、図2によく示されているように、中央開口部12内に突出形成された4個の取付台座形状部18を有している。4個の取付台座形状部18は円形の中央開口部12の内周面に等間隔に設けられており、ハーメチックガラス13は取付台座形状部18の内方に残された略十字形状の空間を埋めるように設けられている。取付台座形状部18の上面はハーメチックガラス部13の上面より少し高い位置にあり、取付台座形状部18の上面とハーメチックガラス部13の上面とで、高さ方向の段差t(図3参照)がある。
【0029】
ハーメチックガラス部13には、複数個(8個)のリードピン19と、1つのオイル充填用パイプ(電気絶縁液充填管)20が、各々、貫通状態で、ハーメチック処理により固定されている。リードピン19はハーメチックガラス部13に円周配置され、オイル充填用パイプ20はハーメチックガラス部13の中央部(中心)に配置されている。
【0030】
取付台座形状部18の上面には熱硬化型の接着剤等によって配線基板21が固定されている。配線基板21上にはセンサチップ22がフリップチップ実装されている。センサチップ22は、ワンチップ型式の半導体圧力センサである。
【0031】
センサチップ22は、図7に示されているように、圧力検出部23と、温度検出部24と、EEPROM等による書き込み可能な不揮発性メモリ25と、一時記憶用のレジスタ26と、ディジタル/アナログコンバータ27と、圧力検出部23の出力信号の増幅を行う増幅回路28を含むCMOS等によるワンチップ構造のセンサチップとして構成されている。センサチップ22は、電源用電極31、グランド電位電極32、出力電極33、レジスタ用の3個のシリアル入力電極34、35、36と、メモリ書き込み用の2個の電極37、38を2列に有している(図5参照)。
【0032】
一時記憶用のレジスタ26はシリアル入力電極34、35、36と導通し、増幅回路28は圧力検出信号を外部に取り出す出力電極33に導通し、不揮発性メモリ25はメモリ書き込み用電極37、38に導通している。
【0033】
レジスタ26は、出力調整、温度補償調整のための補正値をシリアルのディジタル値としてシリアル入力電極34、35、36より取り込み、これを一時的に記憶するものであり、調整項目数mと補正値データビット数nの積のm×nの容量を有する。一般的に、調整項目には、零点調整、感度調整、検出温度調整、零点温度補償調整、感度温度補償調整があり、補正値データビット数nは8ビット程度構成になる。この例では、5×8=40ビットのレジスタとなる。
【0034】
不揮発性メモリ25は、補正値が決定(確定)した段階で、零点調整、感度調整、検出温度調整、零点温度補償調整、感度温度補償調整等の出力調整、温度補償調整のための補正値(レジスタの値)をレジスタ26より取り込み、メモリ書き込み用電極37、38より与えられる信号によりデータを保持する。
【0035】
ディジタル/アナログコンバータ(D/Aコンバータ)27は、不揮発性メモリ25にディジタル値で書き込まれている補正値をアナログ値による補正値に変換し、これを圧力検出部23と増幅回路28に渡す。
【0036】
ここで、このセンサチップ22の製造プロセスの概要を図8(a)〜(c)を参照して説明する。図8(a)に示されているように、シリコンウエハ71に、圧力検出部23、温度検出部24、不揮発性メモリ25、レジスタ26、ディジタル/アナログコンバータ27、増幅回路28の各回路をIC製造プロセスに用いて作成する。そして、圧力検出部23に相当する部分の裏面をエッチングにより薄膜化(凹加工)し、圧力によって撓み(ひずみ)が生じるダイヤフラム72を多数作成する。
【0037】
つぎに、図8(b)に示されているように、シリコンウエハ71の裏面側にガラス板73を真空中で陽極接合する。つぎに、図8(c)に示されているように、これをダイシングすることにより、個々の矩形のセンサチップ22が完成する。
【0038】
このセンサチップ22では、シリコンウエハ71の側(回路形成側)がチップ表面22Aで、ガラス板73側がチップ裏面22Bとなり、フリップチップとして、チップ表面22Aに前述の各電極31〜38(図5参照)が形成される。
【0039】
配線基板21は、図4に示されているように、センサチップ22より少し大きい面積を有する矩形の絶縁基板39上に、フリップチップ実装されるセンサチップ22のチップ表面22Aに配置された電極31〜38(図5参照)の各々と対応する接合パッド41〜48と、チップ表面22Aに対向し、接地用の接合パッド42と導体接続されたシールド電極40とを導体により形成されている。
【0040】
絶縁基板39は、熱膨張係数がシリコンと同じガラス基板により構成されている。接合パッド41〜48、シールド電極40等の導体部分は、アルミニウム等の導電性金属(導電材)で、CVD、物理的なスパッタリング等により絶縁基板39上に形成される。絶縁基板39は、ガラス基板以外に、SiO2 +Si3 4 処理等により絶縁処理されたシリコン基板により構成することもできる。シリコン基板の場合の電極形成は、ガラス基板の場合と同様に、CVD、物理的なスパッタリング等により行うことができる。
【0041】
センサチップ22の各電極31〜38には、図6に示されているような、Au、半田等によるバンプ50が形成されている。センサチップ22は配線基板21上に位置合わせされてバンプ50によって配線基板21に加熱接着される。バンプ50は、センサチップ22の各電極31〜38と配線基板21の各接合パッド41〜48とを、機械的にも、電気的にも接続する。なお、Au等、バンプ自体が溶融しないものの場合には、電極31〜38、接合パッド41〜48の表面を錫めっきし、錫の溶融によって機械的な接続を得ることができる。また、バンプ50は配線基板21側に形成することもできる。
【0042】
これにより、図6に示されているように、センサチップ22のフリップチップ実装が行われ、センサチップ22の各電極31〜38はバンプ50を挟んで配線基板21の各接合パッド41〜48と導通接続される。配線基板21の接地用の接合パッド42、シールド電極40は、センサチップ22のグランド電位電極32と導通接続される。配線基板21の各接合パッド41は、図3に示されているボンディングワイヤ52によって、対応する各リードピン19に接続される。
【0043】
フリップチップ実装のセンサチップ22は、バンプ50によって配線基板21上に所定の間隙51をおいて固定配置され、チップ表面22Aは間隙51を隔てて配線基板21のシールド電極40と対向する。間隙51の大きさはバンプ50の大きさ(高さ)によって最適値に設定することができる。
【0044】
液封室17に対するオイル充填は、オイル充填用パイプ20によって行われる。オイル充填用パイプ20は、ハーメチックガラス部13の中央部で、配線基板21の真下にあるが、取付台座形状部18の上面とハーメチックガラス部13の上面とで、高さ方向の段差tがあることにより、取付台座形状部18上に設置された配線基板21とハーメチックガラス部13との間に段差t相当の隙間53ができ、この隙間53を通してオイル充填用パイプ20よりのオイルを液封室17内に入れることができる。
【0045】
オイルは液封室17内に満杯に充填される。これにより、間隙51の部分、隙間53を含む液封室17全体がオイルによって満たされる。
【0046】
上述のように構成された圧力検出エレメント10は、図1に示されているように、継手60のエレメント収納孔61内に嵌め込まれ、コネクタハウジング70とかしめによって共締めされる。圧力検出エレメント10のチップ担持ハウジング11と継手60との間、およびチップ担持ハウジング11とコネクタハウジング70との間にはOリング58、59が挟まれている。
【0047】
継手60は、ねじニップル状をなし、金属製ダイヤフラム14の配置部に流体圧を導く導圧通路62を有する。コネクタハウジング70は、複数個の接続端子81を有し、接続端子81はコネクタハウジング70内の結線材82によってリードピン19に導通接続されている。
【0048】
上述の構成による液封型圧力センサでは、導圧通路62よりの圧力が金属製ダイヤフラム14に作用する。金属製ダイヤフラム14に作用した圧力は液封室17内に封入されたオイルによってセンサチップ22のチップ表面22A(ダイヤフラム部)に作用する。チップ表面22Aの前方の間隙51にはオイルが満たされているから、この間隙51の圧力は液封室17の内圧に等しく、センサチップ22は正しい圧力検出を行う。
【0049】
そして、この液封型圧力センサは、次のような効果を奏する。
(1)図9に示されているように、バイアス電圧Ebが加わる使用形態では、金属製ダイヤフラム14とチップ裏面22Bとの間に電界が発生する。しかし、チップ裏面22Bがガラス板からなっているので、チップ表面22Aと金属製ダイヤフラム14との間に電界が発生して、液封室に封入されたオイル中の不純物が持つ電荷が移動しようとしても、チップ裏面22Bのガラス板によって遮られるようになって、センサチップは金属製ダイヤフラムとの間のオイル中の不純物の持つ電荷による悪影響を受け難くなる。また、シールド電極40はセンサチップ22のグランド電位電極32と導通接続され(いずれも図9中図示せず)、チップ表面22Aと金属製ダイヤフラムが取り付けられているチップ担持ハウジングとの間に存在するので、センサチップとチップ担持ハウジングとの間にバイアス電圧が加わっても、バイアス電圧による電界はシールド電極で遮断され、シールド電極40とセンサチップの間(間隙51)には、バイアス電圧による電界が発生されることがない。これにより、センサチップ22の回路が電界による影響を受け難くなる。
【0050】
(2)シールド電極40は配線基板21上にあり、シールド電極40と金属製ダイヤフラム14との間にはセンサチップ22があり、シールド電極40は金属製ダイヤフラム14と直接対向しないから、構造の簡素化と取扱の容易性を備え、オイルの熱膨張による金属製ダイヤフラム14とシールド電極40の短絡を生じることがない。これにより、短絡防止のための間隔が不要で、オイル量の増大を伴わず、特性の優れた圧力センサが得られる。
【0051】
(3)配線基板21にシールド電極40が形成され、センサチップ22がバンプ50によって配線基板21上にフリップチップ実装されているから、簡単な構成で、小型、安価に圧力センサを提供できる。また、製造装置も、汎用のものを使用でき、製造の自動化が容易になる。
【0052】
(4)配線基板21のシールド電極40は、リードピン配置位置より内側に配置されているから、これに応じてハーメチックガラス部13の面積増大を抑えることができ、高耐圧の圧力センサが得られる。
【0053】
(5)短絡防止のための間隔が不要であることと、ハーメチックガラス部13の面積増大を抑えることとで、液封室17の内容積削減に伴いオイル量を削減でき、温度変化によるオイル内圧の変化が少なくなり、優れた特性の圧力センサが得られる。
【0054】
(6)取付台座形状部18上に設置された配線基板21とハーメチックガラス部13との間に段差t相当の隙間53ができる取付構造であることにより、オイル充填用パイプ20をハーメチックガラス部13の中央部に配置することが可能になる。これにより、オイル充填用パイプ20もリードピン19と同様に円周配列される場合に比してハーメチックガラス部13を小さくでき、このことによってもオイル量が削減され、優れた特性の圧力センサが得られる。
【0055】
【発明の効果】
以上の説明から理解される如く、この発明による液封型圧力センサによれば、センサチップが配線基板上に所定の間隙をおいて固定配置され、配線基板がその間隙を隔ててセンサチップと対向する面部にシールド電極が形成されているから、センサチップの回路がバイアス電圧による電界の影響を受けなくするための構造が簡素化され、オイルの熱膨張による金属製ダイヤフラムとシールド電極の短絡を生じることがない。また、シリコンによるセンサチップとセンサチップを実装した配線基板との間に熱膨張係数差による応力が作用することが回避されるとともに、取付台座形状部に配線基板が接着剤等によって固定される簡便な基板取付構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による液封型圧力センサの一つの実施形態を示す断面図である。
【図2】 一つの実施形態の液封型圧力センサのチップ担持ハウジングの平面図である。
【図3】 図2の線A−Aに沿った断面に相当する圧力検出エレメントの断面図である。
【図4】 一つの実施形態の液封型圧力センサの配線基板の平面図である。
【図5】 一つの実施形態の液封型圧力センサのセンサチップの平面図である。
【図6】 一つの実施形態の液封型圧力センサの配線基板・センサチップ部分の拡大断面図である。
【図7】 一つの実施形態の液封型圧力センサのセンサチップの内部構成を示すブロック図である。
【図8】 (a)〜(c)は一つの実施形態の液封型圧力センサのセンサチップの製造プロセスを示す工程図である。
【図9】 一つの実施形態の液封型圧力センサの電界発生状態を解図的に示す説明図である。
【図10】 シールド電極がない場合の電界発生状態を解図的に示す説明図である。
【図11】 シールド電極がある場合の電界発生状態を解図的に示す説明図である。
【符号の説明】
10 圧力検出エレメント
11 チップ担持ハウジング
12 中央開口部
13 ハーメチックガラス(ハーメチックガラス部)
14 金属製ダイヤフラム
17 液封室
19 リードピン
20 オイル充填用パイプ
21 配線基板
22 センサチップ
22A チップ表面
22B チップ裏面
32 グランド電位電極
40 シールド電極
50 バンプ
51 間隙
52 ボンディングワイヤ

Claims (3)

  1. 中央開口部にリードピンおよび電気絶縁液充填管を貫通装着されたハーメチックガラス部を有するチップ担持ハウジングを有し、当該チップ担持ハウジングに取り付けられた金属製ダイヤフラムによって受圧面を画定されて電気絶縁液を封入された液封室にシリコン部材とガラス部材とを陽極接合した半導体圧力センサチップが配置された液封型圧力センサにおいて、
    前記センサチップが前記センサチップの電極と配線基板に形成されている接合パッドとを接続するバンプによって前記配線基板上に所定の間隙をおいてフリップチップ実装されて固定配置され、前記配線基板がシリコンの熱膨張係数と同じ熱膨張係数を有するガラス基板あるいは絶縁処理されたシリコン基板上に導電材製のシールド電極を形成され、前記間隙を隔てて前記シリコン部材によるチップ表面と対向する面部にシールド電極が形成され、前記シールド電極は前記センサチップのグランド電位電極と導通接続され、前記チップ担持ハウジングに前記配線基板が固定装着され、前記リードピンと前記配線基板に形成された接合パッドとが導通接続され、前記チップ担持ハウジングは前記中央開口部に突出形成された取付台座形状部を有し、当該取付台座形状部に前記配線基板が固定されている
    ことを特徴とする液封型圧力センサ。
  2. 前記センサチップは、圧力検出部、不揮発性メモリ等を回路形成されていることを特徴とする請求項1記載の液封型圧力センサ。
  3. 前記取付台座形状部と前記ハーメチックガラス部とに段差があり、前記絶縁液充填管は前記ハーメチックガラス部の中央部に配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の液封型圧力センサ。
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