JP4298898B2 - フィルムの巻き取り装置およびその巻き取り方法 - Google Patents

フィルムの巻き取り装置およびその巻き取り方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば磁気テープ、粘着テープ、写真用フィルム、紙、などの長尺フィルムの巻き取り装置、およびその巻き取り方法に関する。詳しくは、長尺フィルムを巻き乱れの無いように巻き取る鍔付きタッチガイドロールに関する。
【0002】
【従来の技術】
長尺で、薄いテープを巻き取る技術は、大量、安定、低コスト、小設備、省エネルギー等を求め、かつ多工程を必要とする各種産業に用いられてきた。たとえば、製紙、印刷、インクリボン、写真フィルム、建材、粘着テープ、磁気テープなどの産業分野である。
【0003】
巻き取る工程においては、巻き姿よく巻き乱れのないように巻き取ることが重要で、巻き乱れが工程歩留まりや品質に繋がる。巻き乱れなく巻き取られたロールはフィルム端がきれいに揃いロール側面が平らに仕上がるが、巻き乱れて、巻き幅が広がると、次の工程への投入ができず、再度巻き直しが必要となったり、巻き乱れた部分は、こすれ、しわ、エッジ折れなどができていることが多いので、廃棄しなければならない場合もある。
巻き乱れなく巻き取るためには、巻き取りロールへ方向誘導されたフィルムを蛇行させないように幅規制し、フィルム層間に空気を巻き込まないようにして巻きずれを防ぐが、近年は、巻き取りのさらなる高速化、フィルムの薄層化に対応しなければならなくなってきた。
【0004】
磁気記録媒体の製造工程においては、ベースフィルム上に磁性膜はもちろん、その保護膜や、走行を安定させたり濡れ性をコントロールしたりする各種の機能性膜を塗布したり、あるいは乾燥、表面処理、裁断などの工程がいくつかあり、その都度フィルムを繰り出し、巻き取る作業が行われる。その為、高い工程歩留まりを維持しフィルムの品質を保持する巻き乱れのない巻き取り方法が望まれる。
特開昭62−31645号公報には、従来の技術として、磁気テープが巻き取りロールに達した位置において、巻き取りロールにタッチロールを押圧して幅規制と空気の巻き込み防止を同時に行うと記載されている。この従来技術に対して同公報は、巻き取りロールの大型化、巻き取りの高速化、フィルムの薄層化に対応するため、磁気テープが巻き取りロールに達した位置で、押圧力の低いタッチロールに鍔を設けて幅規制を行い、それとは別にこれより下流に空気の巻き込み防止用の押圧力の高いタッチロールを設け、さらに、巻き取りロールが大径になる場合はこれらタッチロールと略対向する位置に補助エッジ規制ロールを設ける方法を採用している。
また、特開平6−48623では、幅規制をより確実に行うため鍔付きの非回転のガイドブロックなるものを設け、その下流には前記公報と同様に、空気の巻き込み防止用のタッチロールを設ける方法が開示されている。
【0005】
ただし、これらの先行技術は、いずれも幅広のフィルムをスリットした狭い巾のテープを規制するものである。スリット後のテープの巻き取りに際しては、きわめて正確に巻き取ることが要求されるので、このような規制方法がとられている。しかしながら本発明のようにスリット前の幅の広いフィルムを巻き取る際には、このような正確さは要求されず、前記のような規制方法は反ってわずらわしく、経済的に有効な手段とは言えない。かといって全く規制しないと許容できる程度の正確さは得難く、従って、簡便な規制方法が必要とされる。
このような要求に応じるものとして、特開平5−124761に開示されたように螺旋状の溝を形成したガイドロールを用いる方法がある。ところが、このガイドロールで幅規制を行なうと、薄いフィルムを巻き取る場合には、フィルムに溝の転写が生じ、著しい品質の低化があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一方、溝のないタッチロールに単に鍔をつける方法で、巻き取りロールを押圧しながら幅規制を行うと、巻き取られる際にフィルムの間から逃げようとする空気は、タッチガイドロールの鍔によって妨げられ、フィルム両端から逃げにくくなる。その為、巻き取りスピードを上げて生産性を高めようとすると、フィルムの間には逃げ切れなかった空気で空気溜りができてフィルムが横滑りしやすくなるので、巻き取りスピードを上げて巻き取られたフィルムは、巻き取られる間に蛇行して端部が揃わない不具合が生じたり、何層ものフィルムの間に空気溜りができて、その後のハンドリングや搬送の際にも、フィルムのずれが生じる。
【0007】
しかも、媒体が高密度化するに従いその表面粗度は小さくなる傾向にあり、重なり合うフィルム同士の摩擦が低くなって、空気を巻き込むと更に横滑りしやすくなる。
したがって、本発明は薄く、表面粗度が小さく、フィルム同士の摩擦が低いフィルムの高速巻き取りにおいても、鍔付きのタッチガイドロールを用いて幅規制と同時に、空気の巻き込みを防止し、装置の部材が少なくとも、巻き乱れがなく姿良くフィルムを巻き取る装置及びその巻き取り方法を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の装置は、スリット前の幅の広いフィルムを巻き取りロール芯に巻き取ったフィルム巻き取りロールを押圧する鍔のないタッチロールおよび当該フィルム巻き取りロールを押圧する鍔付きタッチガイドロールの双方を備え、前記巻き取りロール芯は前記鍔付きタッチガイドロールにおける鍔間隔よりもその幅が広く構成され、前記フィルムの巻き取り開始時において前記鍔のないタッチロールだけで前記フィルム巻き取りロールを押圧し、巻き取った前記フィルムの厚みが前記鍔の幅を超えたときに前記鍔のないタッチロールに換えて前記鍔付きタッチガイドロールだけで前記フィルム巻き取りロールを押圧可能に構成され、前記鍔に孔を設け、この孔と前記タッチガイドロール表面の一部とが重なっていることを特徴とする。請求項2記載の発明の装置は、スリット前の幅の広いフィルムを巻き取りロール芯に巻き取ったフィルム巻き取りロールを押圧する鍔のないタッチロールおよび当該フィルム巻き取りロールを押圧する鍔付きタッチガイドロールの双方を備え、前記巻き取りロール芯は前記鍔付きタッチガイドロールにおける鍔間隔よりもその幅が広く構成され、前記フィルムの巻き取り開始時において前記鍔のないタッチロールだけで前記フィルム巻き取りロールを押圧し、巻き取った前記フィルムの厚みが前記鍔の幅を超えたときに前記鍔のないタッチロールに換えて前記鍔付きタッチガイドロールだけで前記フィルム巻き取りロールを押圧可能に構成され、前記鍔に切り込みを設け、この切り込みが前記タッチガイドロール表面に達していることを特徴とする。請求項3記載の発明の装置は、スリット前の幅の広いフィルムを巻き取りロール芯に巻き取ったフィルム巻き取りロールを押圧する鍔のないタッチロールおよび当該フィルム巻き取りロールを押圧する鍔付きタッチガイドロールの双方を備え、前記巻き取りロール芯は前記鍔付きタッチガイドロールにおける鍔間隔よりもその幅が広く構成され、前記フィルムの巻き取り開始時において前記鍔のないタッチロールだけで前記フィルム巻き取りロールを押圧し、巻き取った前記フィルムの厚みが前記鍔の幅を超えたときに前記鍔のないタッチロールに換えて前記鍔付きタッチガイドロールだけで前記フィルム巻き取りロールを押圧可能に構成され、前記鍔の内表面に溝を設け、この溝が前記タッチガイドロール表面の一部から、鍔外周まで、放射状あるいは渦巻き状に設けられていることを特徴とする。請求項4記載の発明の方法は、スリット前の幅の広いフィルムを巻き取りロール芯に巻き取ったフィルム巻き取りロールに、鍔を有するタッチガイドロールを押圧して前記フィルムを巻き取るフィルムの巻き取り方法であって、前記鍔を有するタッチガイドロールにおける鍔間隔よりもその幅が広く構成された前記巻き取りロール芯に前記フィルムを巻き取る際に、前記フィルムの巻き取り開始時において鍔のないタッチロールだけを前記フィルム巻き取りロールに押圧し、巻き取った前記フィルムの厚みが前記鍔の幅を超えたときに、前記鍔のないタッチロールに換えて、孔、切り込み、および溝の少なくとも1つが設けられた前記鍔を有するタッチガイドロールだけを前記フィルム巻き取りロールに押圧して前記フィルムの層間の空気を前記における前記少なくとも1つを介して逃がしながら当該フィルムを巻き取ることを特徴とする。請求項5記載の発明の装置は、請求項1、2、又は3記載のタッチガイドロールの鍔がポリテトラフルオロエチレンからなる。請求項6記載の発明の装置は、請求項1、2、3、又は5記載の鍔をタッチガイドロールの円筒軸方向に移動可能にした。こうして、フィルム層間に巻き込まれる空気を、タッチガイドロールのロール端から、鍔に設けた孔、あるいは切り込みを通して鍔の外側へ逃がすか、鍔に設けた溝を通して鍔外周へ逃がす。
【0009】
【発明実施の形態】
本発明の具体的な構成について説明する。
図1、図2のように、フィルム1は巻き取りロール2に巻き取られる。3はタッチガイドロール本体、4は鍔、5は鍔に設けた孔である。タッチガイドロールは、巻き取られる際の最外周フィルムに接しながら、巻き取りロールを押圧しフィルムのばたつきを押さえながら空気を巻き込まないようにする。そしてタッチガイドロール両端の鍔により、フィルムの幅規制を行いながら、フィルム層間に巻き込まれる空気層をフィルム端から鍔に設けた孔を通して外へ逃がす。
【0010】
巻き取りロール芯の幅e22は、フィルムの幅f、及び鍔付きタッチガイドロールの鍔間隔e4のいずれより広いので、巻き取り開始時は図8のように、巻き取ったフィルムの厚みtfが鍔の幅tu以上になるまでは、鍔のないタッチロール8を用いて所定のスピードより低速で巻き始める。そして鍔の縁が巻き取りロール芯に当たらなくなってから、鍔付きタッチガイドロールに換えて所定のスピードで巻き終わりまで巻き取る。
【0011】
タッチガイドロールが巻き取りロールに接する位置は、図9のようにフィルムが巻き取りロールへ進入した直後になることが好ましいが、図1のようにそれより下流であってもよく、巻き取りロール周辺の装置の配置や機能及びその操作性等を考慮して決める。
【0012】
幅規制のために鍔とフィルム端の間隔を狭めすぎると、瞬間的な大きな蛇行が起こる場合、フィルムが横にずれようとする大きな力が働くので、フィルム端が巻き取り側面より大きく飛び出して鍔を乗り越してしまうことがある。乗り越しを防ぐには、鍔で規制できる程度の力に緩和するまで横ずれさせる最小限の間隔が必要で、その間隔は巻き取るスピードとフィルムの特性による。表面粗度が小さく、重なり合うフィルム同士の摩擦がより低くなると、横ずれの力は大きくなるため間隔を広くする等の調整が必要である。
【0013】
そのため、例えば図4のように、鍔にねじ止め部を備えタッチガイドロール本体への固定部を移動可能にして、所望の位置にねじで止めて固定する事で、フィルムの種類に応じてフィルム端から鍔までの間隔を最適な位置に微調整する事が可能な構造にする。
【0014】
例えば、幅1mのフィルムを400m/ 分の速度で巻き取る場合で、厚さ15μmのPETフィルムを支持体として片面に磁性層を2μm、もう一方の面にバックコート層を0.5μm設け、それぞれの表面粗度Raが6乃至12nm、17乃至18nmの高画質VHS用フィルムでは、鍔とフィルム端までの間隔が3mm以上であれば、10mm以上の飛び出しが発生しにくく、5mm以上であれば更に発生しにくい。間隔を10mm以上にすると、飛び出しは無くなっても幅規制がされず、巻きズレが大きくなる。したがって、鍔とフィルム端の間隔は、3乃至10mmであれば巻き姿が良く、巻き乱れも少ない。より好ましくは5乃至10mmである。3mm未満では鍔を乗り越し飛び出す量が大きく、10mm以上の飛び出しが頻繁に起きる。
【0015】
タッチガイドロール本体は円筒形でその表面はゴムから成る。ゴムは天然ゴム、合成ゴム、エラストマー等種々のものが用いられるが、詳しくは、工業調査会発行の「ゴム・エラストマー活用ノート」に記載されている。特に耐摩耗性等の観点から、ウレタンゴム、ネオプレンゴム、フッ素系ゴムなどが好ましい。用いられるゴムの硬度は、40乃至60、特に40乃至50の範囲のものが好ましい。硬度が40未満ではゴム表面に粘着性が出てきてフィルムを巻き取るには不適で、60以上では空気が抜けにくい。
【0016】
鍔の形状はフィルムの蛇行を防止し、走行を妨げなければ特に制約はないが、好ましくは円盤状である。
材質は金属でもよいが、巻き取る際にフィルム端部による鍔の摩耗を防ぎ、鍔削れによる金属粉の付着をなくすと、それによるフィルム端近傍の品質を劣化させることがなくなるので、ポリテトラフルオロエチレンのような摩擦係数の低い樹脂を用いると更に良い。
【0017】
ここで、図3に示すように、タッチガイドロールの回転中心に対して、孔がタッチガイドロールの表面から鍔の外周方向に広がる大きさを孔の深さd、回転方向に広がる大きさを孔の広さwとする。鍔の孔は、タッチガイドロールが接している巻き取られたばかりの巻き取りロール外周側のフィルム層間から空気層を逃がすので、タッチガイドロール表面を実質的な孔の輪郭の一部となるように設けられる。孔の深さは、巻き取るフィルムの厚みの数倍程度あれば効果が得られるが、鍔の取り付け時の調整のし易さ、その後のメンテナンス、形状の加工性などを考慮して決める。
【0018】
本発明の実施例では、直径80mmの太さのタッチガイドロールに、同じく図3に示すように、円形でその外径が100mmの鍔を用いて、dが4mm、wが4mmの半円形をした孔を、1つの鍔に6個、均等に設ける。
当該する鍔付きタッチガイドロールを備える巻き取り装置で、厚さ3μm乃至80μmのベースフィルムを支持体とし、0.01μm乃至数μmの塗膜を片面あるいは両面に形成する磁気記録媒体の製造工程に適用できる。
【0019】
こうして、タッチガイドロールの鍔に孔を設けると、走行性が安定しフィルムの巻き姿がよく、巻き乱れが少なく、巻き取りによる品質劣化がなくなる。同様の効果は、図5のように鍔にタッチガイドロール表面まで達する切り込みを設けても得られ、又は、図6、あるいは図7のように鍔の内表面にタッチガイドロール表面から鍔外周までの放射状あるいは渦巻き状の溝を設けても得られる。タッチガイドロールの鍔に孔が空いていないと、巻き込んでしまった空気層を逃がすことができず、巻き取られたフィルムの間に空気溜りができて、蛇行しやすく巻き姿が悪くなり、生産性が悪く、歩留まりが低下する。
より詳しくは、実施例1乃至8、そして比較例1として以下に述べる。
【0020】
またこのようにして巻き取ったロールの巻き姿を観察し、「巻きズレ」、「飛び出し」の2項目を目視評価した結果と、磁気記録媒体としてエラーを評価した結果を表1に示す。評価項目の「巻きズレ」とは連続的、周期的な蛇行により、幅方向にずれて巻かれ、巻き取り側面が波打ち、揃わない不良を指す。巻きズレが10mm以内の場合を○、10mmより大きい場合を×とする。「飛び出し」とは幅方向に瞬間的に大きな蛇行が起きて、1〜数層のフィルムがずれて巻き取られ、巻き取り側面から飛び出す巻き取り不良を指す。10mmより大きな飛び出しが一個所でも起こったロールの発生率で、発生率が2%未満は○、2%以上5%未満は△、5%以上は×とする。「端部ドロップアウト」とは、巻き取られたフィルムを製品として規定の幅にスリットした際、フィルム端のテープの品質を表す数値で、電気磁気記録のドロップアウトの個数である。付着物や傷がなければこの数値が少なく、品質が良いことを示す。1本のテープに15個以下ならば○、16個乃至20個ならば△、21個以上ならば×とする。
【0021】
【実施例】
実施例はビデオテープの塗布工程に適用した例であって、用いたベースフィルムは、PETフィルムであり、このベースの片面には磁気記録層、及びもう一方の面にはバックコート層を塗布し、乾燥炉を通してから巻き取る。フィルムの全長は1万2千m、幅は1mである。巻き取り部張力は10kg/幅、巻き取り速度は毎分400m、タッチガイドロールの押圧50kg/幅である。
巻き取るフィルムの詳細
ベースフィルム厚み:15μm
磁気記録層厚み:2μm
磁気記録層表面粗度Ra:6乃至12nm
バックコート層厚み:0.5μm
バックコート層表面粗度Ra:17乃至18nm
ベースのヤング率 縦方向:450乃至470kg/mm
ベースのヤング率 横方向:650乃至680kg/mm
【0022】
なお、表面粗度Raの測定は、テーラーホブソン社製の表面粗さ計「TALYSTEPシステム」を用い、JIS B 0601に基づいて行う。測定条件は、触針0.1μm×2.5μmを取り付け、加重2mgf、測定スピード0.03mm/sec、フィルター0.18〜9.0Hz、測定長500μmで行う。
またヤング率は、幅12.65mmのサンプルを、引っ張り試験機を用いてチャック間距離200mmにして、その長さを1%(2mm)引っ張り、そのときの荷重gを求めて、以下の式で計算する。なお厚みTは、まえもってマイクロメーターで測っておく。
ヤング率(kg/mm2)=g×100/(12.65×T)(mm)
【0023】
実施例1は、金属の鍔に前述した孔を設けたタッチガイドロールを用いて、フィルム端から鍔までの間隔を3mmに設定して巻き取る。
実施例2は、実施例1と同じタッチガイドロールを用いて、フィルム端から鍔までの間隔を5mmに設定して巻き取る。
実施例3は、鍔をテフロンに代えた以外は実施例1と同じタッチガイドロールを用いて、フィルム端から鍔までの間隔を3mmに設定して巻き取る。
実施例4は、実施例3と同じタッチガイドロールを用いて、フィルム端から鍔までの間隔を5mmに設定して巻き取る。
実施例5は、実施例3と同じタッチガイドロールを用いて、フィルム端から鍔までの間隔を10mmに設定して巻き取る。
実施例6は、実施例4の孔に代え、図5に示した切り込みを設けた鍔に置き換え巻き取る。
実施例7は、実施例4の孔に代え、図6に示した放射状の溝を内表面に設けた鍔に置き換え巻き取る。
実施例8は、実施例4の孔に代え、図7に示した渦巻き状の溝を内表面に設けた鍔に置き換え巻き取る。
比較例1は、実施例1と同じ金属で、同じ大きさ、おなじ同じ形の鍔であるが、孔のない鍔を付けたタッチガイドロールで、フィルム端から鍔までの間隔を5mmに設定して巻き取る。
【0024】
表1から明らかなように、実施例1乃至5のように鍔に孔を設けた鍔付きタッチガイドロールでフィルムを巻き取ると、巻きズレが無く、飛び出し発生率が少ない。また、実施例6のように鍔に切り込みを設けるか、実施例7及び8のように鍔の内表面に溝を設けても孔を設けるのと同様の効果が得られる。実施例2、4及び、5のようにフィルム端から鍔までの間隔を5mm、あるいは10mmにすると飛び出し発生率は減少して顕著な効果を発する。実施例3、4,5のように鍔の材質を摩擦係数の小さな樹脂にすると、フィルム端部におけるドロップアウトがより少ない。一方、比較例1のように従来の孔のない鍔では、巻きズレが生じ飛び出し発生率が高い。
【0025】
したがって、本発明のように、フィルムの巻き取りに用いるタッチガイドロールの鍔に、孔あるいは切り込み、あるいは内表面に溝を設けてフィルムを巻き取ると、高速で巻き取っても巻き乱れがなく姿良く巻き取ることができ、その際、鍔を摩擦係数の低い樹脂にするとフィルム端による鍔削れや品質の低下を低減させ更に有効である。
【表1】
Figure 0004298898
【0026】
【発明の効果】
このようにフィルムの巻き取りに用いるタッチガイドロールの鍔に、孔、切り込み、あるいは内表面に溝を設けた巻き取り装置でフィルムを巻き取ると、高速でフィルムを巻いても巻き乱れがなく、品質を保ったまま生産性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の鍔付きタッチガイドロールを用いてフィルムを巻き取る側面図である。
【図2】図2は、本発明の鍔付きタッチガイドロールと巻き取りロールの幅の関係を表す図である。
【図3】図3は、実施例1から5で用いた孔を設けた鍔の形状である。
【図4】図4は、請求項6記載の鍔付きタッチガイドロールの実施の形態である。
【図5】図5は、切り込みを設けた鍔の形状である。
【図6】図6は、内表面に溝を放射状に設けた鍔の形状である。
【図7】図7は、内表面に溝を渦巻き状に設けた鍔の形状である。
【図8】図8は、フィルムの巻き始めに鍔のないタッチロールが巻き取りロールを押圧する図である。
【図9】図9は、本発明の鍔付きタッチガイドロールの好ましい配置である。
【符号の説明】
1:フィルム
2:巻き取りロール
3:鍔付きタッチガイドロール
4:鍔
5:鍔に設けた孔
6:タッチガイドロール本体
7:フィルム端
8:鍔のないタッチロール
b:フィルム端から鍔までの間隔
d:孔の深さ
w:孔の広さ
tf:巻き取ったフィルムの厚み
tu:鍔の幅
11:ねじ
13:タッチガイドロール表面位置
14:鍔に設けた切り込み
15:鍔の内表面に設けた溝
22:巻き取りロール芯
22:巻き取りロール芯の幅
e4:鍔間隔
f:フィルムの幅

Claims (6)

  1. スリット前の幅の広いフィルムを巻き取りロール芯に巻き取ったフィルム巻き取りロールを押圧する鍔のないタッチロールおよび当該フィルム巻き取りロールを押圧する鍔付きタッチガイドロールの双方を備え、前記巻き取りロール芯は前記鍔付きタッチガイドロールにおける鍔間隔よりもその幅が広く構成され、
    前記フィルムの巻き取り開始時において前記鍔のないタッチロールだけで前記フィルム巻き取りロールを押圧し、巻き取った前記フィルムの厚みが前記鍔の幅を超えたときに前記鍔のないタッチロールに換えて前記鍔付きタッチガイドロールだけで前記フィルム巻き取りロールを押圧可能に構成され、
    前記鍔に孔を設け、この孔と前記タッチガイドロール表面の一部とが重なっていることを特徴とするフィルムの巻き取り装置。
  2. スリット前の幅の広いフィルムを巻き取りロール芯に巻き取ったフィルム巻き取りロールを押圧する鍔のないタッチロールおよび当該フィルム巻き取りロールを押圧する鍔付きタッチガイドロールの双方を備え、前記巻き取りロール芯は前記鍔付きタッチガイドロールにおける鍔間隔よりもその幅が広く構成され、
    前記フィルムの巻き取り開始時において前記鍔のないタッチロールだけで前記フィルム巻き取りロールを押圧し、巻き取った前記フィルムの厚みが前記鍔の幅を超えたときに前記鍔のないタッチロールに換えて前記鍔付きタッチガイドロールだけで前記フィルム巻き取りロールを押圧可能に構成され、
    前記鍔に切り込みを設け、この切り込みが前記タッチガイドロール表面に達していることを特徴とするフィルムの巻き取り装置。
  3. スリット前の幅の広いフィルムを巻き取りロール芯に巻き取ったフィルム巻き取りロールを押圧する鍔のないタッチロールおよび当該フィルム巻き取りロールを押圧する鍔付きタッチガイドロールの双方を備え、前記巻き取りロール芯は前記鍔付きタッチガイドロールにおける鍔間隔よりもその幅が広く構成され、
    前記フィルムの巻き取り開始時において前記鍔のないタッチロールだけで前記フィルム巻き取りロールを押圧し、巻き取った前記フィルムの厚みが前記鍔の幅を超えたときに前記鍔のないタッチロールに換えて前記鍔付きタッチガイドロールだけで前記フィルム巻き取りロールを押圧可能に構成され、
    前記鍔の内表面に溝を設け、この溝が前記タッチガイドロール表面の一部から、鍔外周まで、放射状あるいは渦巻き状に設けられていることを特徴とするフィルムの巻き取り装置。
  4. スリット前の幅の広いフィルムを巻き取りロール芯に巻き取ったフィルム巻き取りロールに、鍔を有するタッチガイドロールを押圧して前記フィルムを巻き取るフィルムの巻き取り方法であって、
    前記鍔を有するタッチガイドロールにおける鍔間隔よりもその幅が広く構成された前記巻き取りロール芯に前記フィルムを巻き取る際に、前記フィルムの巻き取り開始時において鍔のないタッチロールだけを前記フィルム巻き取りロールに押圧し、巻き取った前記フィルムの厚みが前記鍔の幅を超えたときに、前記鍔のないタッチロールに換えて、孔、切り込み、および溝の少なくとも1つが設けられた前記鍔を有するタッチガイドロールだけを前記フィルム巻き取りロールに押圧して前記フィルムの層間の空気を前記における前記少なくとも1つを介して逃がしながら当該フィルムを巻き取ることを特徴とするフィルムの巻き取り方法。
  5. タッチガイドロールの鍔がポリテトラフルオロエチレンからなることを特徴とする請求項1、2、又は3記載のフィルムの巻き取り装置。
  6. 鍔をタッチガイドロールの円筒軸方向に移動可能にしたことを特徴とする請求項1、2、3、又は5記載のフィルムの巻き取り装置。
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