JP4297619B2 - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

バルブタイミング調整装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4297619B2
JP4297619B2 JP2001023777A JP2001023777A JP4297619B2 JP 4297619 B2 JP4297619 B2 JP 4297619B2 JP 2001023777 A JP2001023777 A JP 2001023777A JP 2001023777 A JP2001023777 A JP 2001023777A JP 4297619 B2 JP4297619 B2 JP 4297619B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
advance
chamber
driven
piston
rotating member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001023777A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002227617A (ja
Inventor
剛史 溝渕
潤 山田
賢治 金原
秋二 水谷
太衛 杉浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Soken Inc
Original Assignee
Denso Corp
Nippon Soken Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp, Nippon Soken Inc filed Critical Denso Corp
Priority to JP2001023777A priority Critical patent/JP4297619B2/ja
Publication of JP2002227617A publication Critical patent/JP2002227617A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4297619B2 publication Critical patent/JP4297619B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関(以下、「内燃機関」をエンジンという)の吸気弁および排気弁の少なくともいずれか一方の開閉タイミング(以下、「開閉タイミング」をバルブタイミングという)を調整するためのバルブタイミング調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、エンジンの燃費向上および排気ガスの低減等の要求から、吸気弁および排気弁の少なくとも一方のバルブタイミングを可変に調整する油圧式のバルブタイミング調整装置が知られている。バルブタイミング調整装置は、例えばエンジンの駆動軸としてのクランクシャフトからベーン部材を介して従動軸としてのカムシャフトに駆動トルクを伝達している。
【0003】
べ一ン部材は、例えばタイミングプーリやチェーンスプロケットとともに回転するハウジング部材内に収容され、カムシャフトとともに回転する。そして、ハウジング部材に対するべーン部材の相対回転位相差を油圧室の油圧で調整することにより、クランクシャフトに対するカムシャフトの位相差を調整する。
【0004】
このようなバルブタイミング調整装置では、吸気弁および排気弁の少なくともいずれか一方を駆動することにより正・負に変動する変動トルクをカムシャフトが受ける。例えばエンジン始動開始時のクランキング時のように作動油が充分に供給されず作動圧が低い場合、ハウジング部材に対しベーン部材を進角側または遅角側に油圧制御すると、カムシャフトが受ける変動トルクによりハウジング部材に対しベーン部材が揺動しながら目標位相角度位置に回転するので、バルブタイミング制御の応答性が低下する。
【0005】
そこで、特開平11−336516号公報に開示されるバルブタイミング調整装置では、ベーン部材のベーンに往復移動可能に収容したプランジャが揺動回転方向の一方に突出して一方側のハウジング部材内壁に当接することにより、プランジャが当接している側にベーン部材およびカムシャフトが揺動することを防止している。これにより、油圧が低いときにもベーン部材が作動回転方向と反対方向に揺動することを防止し、バルブタイミングを素早く制御しようとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、相対回動方向の一方のハウジング部材内壁に当接することによりプランジャがベーン部材の一方向側への揺動を防止できる相対回動角度範囲はプランジャの長さにより限定される。ハウジング部材に対しベーン部材の相対回動角度範囲が大きいときにすべての相対回動角度範囲でベーン部材の一方向側への揺動を防止するためには、プランジャを長くしプランジャの往復移動量を増加する必要がある。しかし、プランジャが長くなりプランジャの往復移動量が増加すると、プランジャを往復移動可能に収容し支持するベーン部材を大径化する必要がある。ベーン部材が大径化すると、バルブタイミング調整装置が大型化するという問題がある。
本発明の目的は、位相制御時の従動側回転部材の揺動を防止し低圧時においても速やかに目標位相角度位置に達する小型のバルブタイミング調整装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載のバルブタイミング調整装置によると、進角突部は駆動側回転部材に設けられ、進角ピストンは従動側回転部材に収容されている。そして、進角突部と向き合う進角ピストンの対向面は駆動側回転部材に対し従動側回転部材が進角する方向に向けて進角突部側に近づいている。駆動側回転部材に対し従動側回転部材を進角側に回転させる進角制御をするときに進角室から進角ピストン室に作動流体が供給され進角ピストン室の流体圧力が上昇すると、進角ピストン室の流体圧力から受ける力により進角ピストンの対向面が進角突部に押し付けられる。
【0008】
この状態で進角ピストンを収容している従動側回転部材が進角突部を設けている駆動側回転部材に対し遅角側に相対回転しようとすると、進角ピストンの対向面が進角突部に向けて近づいている側に進角突部が相対回転することになるので、進角ピストンの対向面が進角突部に係止され従動側回転部材が遅角側に回転することが防止される。一方、従動側回転部材が進角側に相対回転しようとすると、進角ピストンの対向面が進角突部から離れていく側に進角突部が相対回転することになるので、進角ピストンの対向面は進角突部に係止されない。したがって、駆動側回転部材に対し従動側回転部材を進角制御するときに従動軸が受ける変動トルクが従動側回転部材に加わっても、進角ピストンが進角突部に係止されることにより従動側回転部材が遅角側に揺動することを防止するので、速やかに目標位相角度位置に従動側回転部材を回転できる。
【0009】
また、進角突部は従動側回転部材に向け径方向または回転軸方向に突出し、進角ピストンは進角突部に当接可能である。駆動側回転部材と従動側回転部材とが形成する間隔がほぼ変わらず小さい箇所に進角突部および進角ピストンが設けられているので、進角ピストンが進角突部に当接するために往復移動する量は僅かである。したがって、駆動側回転部材に対する従動側回転部材のすべての相対回動角度範囲において、進角ピストンを収容する従動側回転部材を大型化することなく進角ピストンと進角突部とを当接させ、進角制御時の遅角側への揺動を防止できる。
【0010】
本発明の請求項2または3記載のバルブタイミング調整装置によると、遅角突部は駆動側回転部材に設けられ、遅角ピストンは従動側回転部材に収容されている。そして、遅角突部と向き合う遅角ピストンの対向面は駆動側回転部材に対し従動側回転部材が遅角する方向に向けて遅角突部側に近づいている。駆動側回転部材に対し従動側回転部材を遅角側に回転させる遅角制御をするときに遅角室から遅角ピストン室に作動流体が供給され遅角ピストン室の流体圧力が上昇すると、遅角ピストン室の流体圧力から受ける力により遅角ピストンの対向面が遅角突部に押し付けられる。
【0011】
この状態で遅角ピストンを収容している従動側回転部材が進角側に相対回転しようとすると、遅角ピストンの対向面が遅角突部に向けて近づいている側に遅角突部が相対回転することになるので、遅角ピストンの対向面が遅角突部に係止され従動側回転部材が進角側に回転することが防止される。一方、従動側回転部材が遅角側に回転しようとすると、遅角ピストンの対向面が遅角突部から離れていく側に遅角突部が回転することになるので、遅角ピストンの対向面は遅角突部に係止されない。したがって、駆動側回転部材に対し従動側回転部材を遅角制御するときに従動軸が受ける変動トルクが従動側回転部材に加わっても、従動側回転部材が進角側に揺動することを防止するので、速やかに目標位相角度位置に従動側回転部材を回転できる。
【0012】
また、遅角突部は従動側回転部材に向け径方向または回転軸方向に突出し、遅角ピストンは遅角突部に当接可能である。駆動側回転部材と従動側回転部材とが形成する間隔がほぼ変わらず小さい箇所に遅角突部および遅角ピストンが設けられているので、遅角ピストンが遅角突部に当接するために往復移動する量は僅かである。したがって、駆動側回転部材に対する従動側回転部材のすべての相対回動角度範囲において、遅角ピストンを収容する従動側回転部材を大型化することなく遅角ピストンと遅角突部とを当接させ、遅角制御時の進角側への揺動を防止できる。
【0013】
なお、本発明の変形例のバルブタイミング調整装置によると、進角突部は従動側回転部材に設けられ、進角ピストンは駆動側回転部材に収容されている。そして、進角突部と向き合う進角ピストンの対向面は駆動側回転部材に対し従動側回転部材が遅角する方向に向けて進角突部側に近づいている。駆動側回転部材に対し従動側回転部材を進角制御するために進角室から進角ピストン室に作動流体が供給され進角ピストン室の流体圧力が上昇すると、進角ピストン室の流体圧力から受ける力により進角ピストンの対向面が進角突部に押し付けられる。
【0014】
この状態で進角突部を設けている従動側回転部材が遅角側に相対回転しようとすると、進角ピストンの対向面が進角突部に向けて近づいている側に進角突部が相対回転することになるので、進角ピストンの対向面が進角突部に係止され遅角側への回転が防止される。一方、進角突部を設けている従動側回転部材が進角側に相対回転しようとすると、進角ピストンの対向面が進角突部から離れていく側に進角突部が回転することになるので、進角ピストンの対向面は進角突部に係止されない。したがって、駆動側回転部材に対し従動側回転部材を進角制御するときに従動軸が受ける変動トルクが従動側回転部材に加わっても、従動側回転部材が遅角側に揺動することを防止するので、速やかに目標位相角度位置に従動側回転部材を回転できる。
【0015】
また、進角突部は従動側回転部材に向け径方向または回転軸方向に突出し、進角ピストンは進角突部に当接可能である。駆動側回転部材と従動側回転部材とが形成する間隔がほぼ変わらず小さい箇所に進角突部および進角ピストンが設けられているので、進角ピストンが進角突部に当接するために往復移動する量は僅かである。したがって、駆動側回転部材に対する従動側回転部材のすべての相対回動角度範囲において、進角ピストンを収容する従動側回転部材を大型化することなく進角ピストンと進角突部とを当接させ、進角制御時の遅角側への揺動を防止できる。
【0016】
本発明の他の変形例のバルブタイミング調整装置によると、遅角突部は従動側回転部材に設けられ、遅角ピストンは駆動側回転部材に収容されている。そして、遅角突部と向き合う遅角ピストンの対向面は駆動側回転部材に対し従動側回転部材が進角する方向に向けて遅角突部側に近づいている。駆動側回転部材に対し従動側回転部材を遅角制御するために遅角室から遅角ピストン室に作動流体が供給され遅角ピストン室の流体圧力が上昇すると、遅角ピストン室の流体圧力から受ける力により遅角ピストンの対向面が遅角突部に押し付けられる。
【0017】
この状態で遅角突部を設けている従動側回転部材が進角側に相対回転しようとすると、遅角ピストンの対向面が遅角突部に向けて近づいている側に遅角突部が相対回転することになるので、遅角ピストンの対向面が遅角突部に係止され従動側回転部材の進角側への回転が防止される。一方、従動側回転部材が遅角側に回転しようとすると、遅角ピストンの対向面が遅角突部から離れていく側に遅角突部が回転することになるので、遅角ピストンの対向面は遅角突部に係止されない。したがって、駆動側回転部材に対し従動側回転部材を遅角制御するときに従動軸が受ける変動トルクが従動側回転部材に加わっても、従動側回転部材が進角側に揺動することを防止するので、速やかに目標位相角度位置に従動側回転部材を回転できる。
【0018】
また、遅角突部は従動側回転部材に向け径方向または回転軸方向に突出し、遅角ピストンは遅角突部に当接可能である。駆動側回転部材と従動側回転部材とが形成する間隔がほぼ変わらず小さい箇所に遅角突部および遅角ピストンが設けられているので、遅角ピストンが遅角突部に当接するために往復移動する量は僅かである。したがって、駆動側回転部材に対する従動側回転部材のすべての相対回動角度範囲において、遅角ピストンを収容する従動側回転部材を大型化することなく遅角ピストンと遅角突部とを当接させ、遅角制御時の進角側への揺動を防止できる。
【0019】
本発明の請求項記載のバルブタイミング調整装置によると、請求項1または2記載のバルブタイミング調整装置において、進角室または遅角室の流体圧力が所定値以上になると進角圧力制御弁が進角室と進角ピストン室とを連通する。進角制御を行うときは、進角ピストン室に作動流体を供給して進角突部に進角ピストンを押し付け従動側回転部材が遅角側に揺動することを防止する。また、遅角制御を行うときには、遅角室に作動流体を供給するとともに進角ピストン室の作動流体と進角室とが連通することにより進角ピストン室が密封されないので、従動側回転部材が遅角側に相対回転し進角突部が進角ピストンの対向面に当接しても、進角ピストンは進角ピストン室に向けて押し下げられる。したがって、従動側回転部材は遅角側に滑らかに相対回転する。
【0020】
本発明の請求項記載のバルブタイミング調整装置によると、進角室または遅角室の流体圧力が所定値以上になると遅角圧力制御弁が遅角室と遅角ピストン室とを連通する。遅角制御を行うときは、遅角ピストン室に作動流体を供給して遅角突部に遅角ピストンを押し付け従動側回転部材が進角側に揺動することを防止する。また、進角制御を行うときには、進角室に作動流体を供給するとともに遅角ピストン室の作動流体と遅角室とが連通することにより遅角ピストン室が密封されないので、従動側回転部材が進角側に相対回転し遅角突部が遅角ピストンの対向面に当接しても、遅角ピストンは遅角ピストン室に向けて押し下げられる。したがって、従動側回転部材は進角側に滑らかに相対回転する。
【0021】
本発明の請求項記載のバルブタイミング調整装置によると、作動流体が十分に供給されておらず流体圧力の低いエンジン始動開始直後において拘束手段により駆動側回転部材に対し従動側回転部材の相対回動を拘束すれば、従動軸が受ける変動トルクが従動側回転部材に加わっても、従動側回転部材がばたつくことを防止する。したがって、駆動側回転部材に従動側回転部材が衝突することにより打音が発生することを防止する。さらに、エンジン始動に好適な相対回動位置で駆動側回転部材に対し従動側回転部材の相対回動を拘束すれば、エンジンの始動不良を防止できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す複数の実施例を図に基づいて説明する。
(第1実施例)
本発明の第1実施例によるエンジン用バルブタイミング調整装置を図1に示す。本実施例のバルブタイミング調整装置1は油圧制御式であり、吸気弁のバルブタイミングを制御するものである。
【0023】
駆動側回転部材でありハウジング部材としてのシューハウジング10は、図示しないタイミングプーリとボルト等で固定されており一体に回転する。タイミングプーリはエンジンの駆動軸としてのクランクシャフトと図示しないタイミングベルトで結合して駆動力を伝達され、クランクシャフトと同期してクランクシャフトとともに回転する。
【0024】
シューハウジング10は、周壁11と周壁11に対し反カムシャフト側に位置するフロントプレート12(図2参照)とを有している。シューハウジング10は周方向にほぼ等間隔に台形状に形成された仕切部としてのシュー10a、10b、10cを有している。シュー10a、10b、10cの周方向の3箇所の間隙にはそれぞれベーン15a、15b、15cを収容する扇状の収容室が形成されており、シュー10a、10b、10cの内周面は断面円弧状に形成されている。
【0025】
従動側回転部材でありベーン部材としてのベーンロータ15は図示しない従動軸としてのカムシャフトにボルト等で固定されカムシャフトとともに回転する。ベーンロータ15は周方向にほぼ等間隔にベーン15a、15b、15cを有し、ベーン15a、15b、15cは各収容室内に回動可能に収容されている。各ベーンは、各収容室を作動圧室である遅角油圧室20、21、22と進角油圧室25、26、27とに仕切っている。図1に示す遅角方向、進角方向を表す矢印は、シューハウジング10に対するベーンロータ15の遅角方向、進角方向を表している。図1において、シューハウジング10およびベーンロータ15は進角方向に回転する。
【0026】
カムシャフトが吸気弁を駆動するときに受ける変動トルクは正・負に変動している。ここで、変動トルクの正方向はシューハウジング10に対しベーンロータ15の遅角方向を表し、変動トルクの負方向はシューハウジング10に対しベーンロータ15の進角方向を表している。変動トルクの平均は正方向、つまり遅角方向に加わる。
【0027】
シール部材16は、各ベーンの外周壁に嵌合している。各ベーンの外周壁とシューハウジング10の周壁11の内周壁との間には微小クリアランスが設けられており、このクリアランスを介して油圧室間に作動油が漏れることをシール部材16により防止している。
【0028】
図2に示すように、ガイドリング30は収容孔38を形成するベーン15bの内壁に圧入保持され、このガイドリング30に円筒状に形成された当接部としてのストッパピストン31がカムシャフト2の回転軸方向に摺動可能に収容されている。被当接部としての嵌合リング35はシューハウジング10のフロントプレート12に形成された凹部12aに圧入保持されている。ストッパピストン31は嵌合リング35に当接し嵌合可能である。ストッパピストン31および嵌合リング35の当接側はテーパ状に形成されているので、ストッパピストン31は嵌合リング35に滑らかに嵌合する。当接付勢手段としてのスプリング37は嵌合リング35側にストッパピストン31を付勢している。ストッパピストン31、嵌合リング35およびスプリング37は拘束手段を構成している。ストッパピストン31は、シューハウジング10に対しベーンロータ15が最遅角位置に位置するとき嵌合リング35に嵌合可能である。ストッパピストン31が嵌合リング35に嵌合した状態においてシューハウジング10に対するベーンロータ15の相対回動は拘束される。
【0029】
油圧室40および油圧室41に供給される作動油の圧力は、嵌合リング35からストッパピストン31が抜け出す方向に働く。油圧室40は後述する進角油圧室25と連通し、油圧室41は後述する遅角油圧室20と連通している。遅角油圧室20または進角油圧室25の油圧が所定圧以上になると、ストッパピストン31は嵌合リング35から抜け出す。
シューハウジング10に対しベーンロータ15が最遅角位置から進角側に回転するとストッパピストン31と嵌合リング35との回転方向位置がずれることにより、ストッパピストン31は嵌合リング35に嵌合不能になる。
【0030】
図3に示すように、シューハウジング10の周壁11の内周壁に進角突部としてのピン50が嵌合固定されており、シューハウジング10に対するピン50の回転方向位置は変化しない。ピン50はベーン15aに向け径方向内側に突出している。進角ピストン51は摺動部材52および受圧部材53を有しており、ピン50に向け往復移動可能にベーン15aに収容されている。摺動部材52は径方向でピン50と向き合っており、受圧部材53が進角ピストン室45の油圧を受けることにより摺動部材52はピン50に押し付けられ、ピン50と当接する。ピン50と向き合う摺動部材52の対向面52aはピン50側に向かう凸曲面であり、シューハウジング10に対しベーンロータ15が進角する回転方向に向けピン50に近づき、遅角回転方向に向けピン50から離れている。周壁11の内周面11aと対向面52aとの間隔は、進角側が狭く遅角側が広くなっている。したがって、ピン50と摺動部材52とが図3に示すように当接した状態で摺動部材52が進角ピストン室45側に押し込まれないと、ベーンロータ15はシューハウジング10に対し遅角側に回転できない。
【0031】
進角圧力制御弁60はベーン15aに収容されており、ハウジング61、弁部材62、スプリング64およびスプリング座65を有している。弁部材62はハウジング61内に往復移動可能に収容されている。弁部材62は有底筒状に形成されている。弁部材62の底側は油路47を介して進角油圧室25の油圧を受け、弁部材62の開口側に位置するフランジ63は油路46、48を介して遅角油圧室20の油圧を受ける。弁部材62が受ける進角油圧および遅角油圧は弁部材62が弁座61aから離座する方向に働く。スプリング64はスプリング座65に当接し、ハウジング61に形成されている弁座61aに向け弁部材62を付勢している。
【0032】
油路47は進角油圧室25と進角ピストン室45とを連通可能である。弁部材62が弁座61aに着座すると油路47と進角ピストン室45との連通が遮断され、進角ピストン室45が閉塞される。進角油圧室25または遅角油圧室20の油圧が所定圧以上になると、スプリング64の付勢力に抗し弁部材62は弁座61aから離座する。弁部材62が弁座61aから離座すると、進角ピストン室45と進角油圧室25とが連通する。
【0033】
図1に示す油圧制御弁70は、スプリング72の付勢力と電磁駆動部73の磁気吸引力との釣り合いによりスプール71の位置を制御している。電磁駆動部73に供給する電流値は、制御手段としてのエンジン制御装置(ECU)75により制御される。スプリング72は図1の右方向にスプール71を付勢している。
【0034】
電磁駆動部73への通電をオフすると、スプリング72の付勢力によりスプール71は図1の右方向に移動する。すると、ポンプ80から油路110、100を通り遅角油圧室20、21、22、油圧室41に作動油が供給されるとともに、進角油圧室25、26、27、油圧室40の作動油が油路101、111を通りドレイン81に排出される。
【0035】
電磁駆動部73への通電をオンすると、電磁駆動部73が発生する磁気吸引力によりスプール71はスプリング72の付勢力に抗し図1の左方向に移動する。すると、ポンプ80から油路110、101を通り進角油圧室25、26、27、油圧室40に作動油が供給されるとともに、遅角油圧室20、21、22、油圧室41の作動油が油路100、112を通りドレイン81に排出される。
【0036】
次に、バルブタイミング調整装置1の作動について図4、図5および図6に基づいて説明する。図4に示す位相制御ルーチンは、タイマ割り込みより定期的に実行される。
エンジンを始動するためにイグニション(IG)をオンし(ステップ200)、始動が完了したかを判定する(ステップ201)。始動が完了しない間、油圧制御弁70の電磁駆動部73への通電をオフする。電磁駆動部73への通電をオフすると、図5の(B)に示すように遅角油圧室20に作動油が供給され進角油圧室25の作動油が排出されるので、シューハウジング10に対しベーンロータ15は遅角側に付勢され最遅角位置にある。このとき、ストッパピストン31が嵌合リング35に嵌合しているので、ベーンロータ15のばたつきを防止し打音の発生を防止する。
【0037】
エンジンの始動が完了すると、各遅角油圧室または各進角油圧室に作動油が十分に供給されるので、油圧室40または油圧室41から受ける油圧により、ストッパピストン31は嵌合リング35から抜け出す。これにより、シューハウジング10に対するベーンロータ15の相対回動制御が可能になる。
【0038】
エンジン始動が完了するとステップ203に移行し、エンジンの運転状態により決定される目標位相角度を読み込む。目標位相角度とカム角度センサで検出した実際のカム位相角度とを比較する(ステップ204)。等しければ、図5の(C)に示すように、遅角油圧室20および進角油圧室25とポンプ80およびドレイン81との接続が遮断されるように電磁駆動部73への通電量を中程度にし、シューハウジング10に対するベーンロータの位相を保持する。
【0039】
カム位相角度と目標位相角度が等しくなくカム位相角度が目標位相角度よりも遅角しているとステップ206で判定すると、電磁駆動部73への通電量を増大する(ステップ207)。すると、図5の(A)に示すように、進角油圧室25に作動油が供給され、遅角油圧室20の作動油が排出される。これにより、ベーンロータ15はシューハウジング10に対し進角側に回転する。
【0040】
カム位相角度と目標位相角度が等しくなくカム位相角度が目標位相角度よりも進角しているとステップ208で判定すると、電磁駆動部73への通電量を減少する(ステップ209)。すると、図5の(B)に示すように、遅角油圧室20に作動油が供給され、進角油圧室25の作動油が排出される。これにより、ベーンロータ15はシューハウジング10に対し遅角側に回転する。ステップ208においてカム位相角と目標位相角との比較ができない場合はステップ204に戻る。
【0041】
次に、シューハウジング10に対しベーンロータ15を進角制御および遅角制御するときの進角ピストン51および進角圧力制御弁60の作動を説明する。
(1) 進角制御をする場合、前述したように油圧制御弁70の電磁駆動部73への通電をオンし、スプリング72の付勢力に抗しスプール71を図1の左方向に移動させる。すると、進角油圧室25に作動油が供給され、遅角油圧室20から作動油が排出される。図6の(A)に示すように、進角圧力制御弁60の弁部材62は進角油圧室25の油圧から受ける力により弁座61aから離座する。油路47を介し進角油圧室25と進角ピストン室45とが連通し進角ピストン室45の油圧が上昇するので、摺動部材52がピン50に押し付けられる。
【0042】
前述したように、ピン50と向き合う摺動部材52の対向面52aは、シューハウジング10に対しベーンロータ15が進角する回転方向に向けピン50に近づき、遅角回転方向に向けピン50から離れている凸曲面である。したがって、進角油圧室25から油圧を受け摺動部材52がピン50に向けて押し付けられても、シューハウジング10に対しベーンロータ15が進角側に回転するとき摺動部材52の対向面52aはピン50に係止されず、シューハウジング10に対しベーンロータ15は進角側に滑らかに回転する。カムシャフトが吸気弁を駆動するときに受ける正負の変動トルクのうち、負側つまり進角側の変動トルクがベーンロータ15に加わっても、ベーンロータ15は進角側に滑らかに回転する。
【0043】
一方、進角油圧室25の油圧が低く、図6の(A)に示す状態から変動トルクが正側、つまり遅角側に加わると、シューハウジング10に対しベーンロータ15が遅角側に回転しようとする。すると、ピン50により摺動部材52が進角ピストン室45側に押されるので、進角ピストン室45の油圧が進角油圧室25の油圧よりも高くなる。すると、進角ピストン室45と進角油圧室25との圧力差により図6の(B)に示すように弁部材62が弁座61aに着座する。これにより、進角ピストン室45は閉塞され進角ピストン室45の作動油は進角油圧室25側に流出しないので、摺動部材52は進角ピストン室45側に押し込まれない。したがって、進角油圧室25の油圧が低いときに遅角側の変動トルクを受けても摺動部材52がピン50に係止されるので、ベーンロータ15はシューハウジング10に対し遅角側に回転しない。
【0044】
次に変動トルクが負側、つまり進角側に加わると、ピン50により摺動部材52が進角ピストン室45側に押し込まれないので、図6の(B)に示す状態から図6の(C)に示すようにベーンロータ15が進角側に滑らかに回転する。
このように進角制御をするときに遅角側に変動トルクを受けても、摺動部材52がピン50に係止されベーンロータ15がシューハウジング10に対し遅角側に回転しないので、ベーンロータ15は図7に示すように目標進角位置に速やかに到達する。したがって、進角制御の応答性が向上する。
【0045】
第1実施例に対し、進角制御中に受ける変動トルクにより遅角側に回転することを防止する手段を持たない従来例では、図7に示すようにベーンロータが進角側および遅角側に揺動しながら目標進角位置に達するので、目標進角位置に達するまでに要する時間が長くなり、応答性が低下する。
【0046】
(2) 遅角制御をする場合、油圧制御弁70の電磁駆動部73への通電をオフし、スプリング72の付勢力によりスプール71は図1の右方向に移動する。すると、遅角油圧室20に作動油が供給され、進角油圧室25の作動油が排出される。弁部材62は、遅角油圧室20の油圧を油路46、48を介しフランジ63に受けるので、弁座61aから離座する。遅角油圧室20の油圧から受ける力によりベーンロータ15がシューハウジング10に対し遅角側に回転しようとすると、摺動部材52がピン50に押される。弁部材62は弁座61aから離座しているので、進角ピストン室45は油路47を介し進角油圧室25と連通している。したがって、摺動部材52がピン50に押されると、進角ピストン室45の作動油は進角油圧室25に排出され、摺動部材52および受圧部材53は進角ピストン室45側に押し込まれる。これにより、摺動部材52がピン50に係止されることなくベーンロータ15はシューハウジング10に対し遅角側に滑らかに回転する。
【0047】
(第2実施例)
本発明の第2実施例を図8に示す。第1実施例と実質的に同一構成部分に同一符号を付し、説明を省略する。
駆動側回転部材でありハウジング部材としてのシューハウジング90は周方向にほぼ等間隔に台形状に形成された4個の仕切部としてのシュー90a、90b、90c、90dを有している。シュー90a、90b、90c、90dの周方向の4箇所の間隙にはそれぞれベーン95a、95b、95c、95dを収容する扇状の収容室が形成されている。各収容室は、各ベーンにより、遅角油圧室20、21、22、23、進角油圧室25、26、27、28に仕切られている。
【0048】
進角突部としてのピン50はベーン95aと径方向に向き合うシューハウジング90の周壁91の内周壁に嵌合固定されている。遅角突部としてのピン50はベーン95cと径方向に向き合う周壁91の内周壁に嵌合固定されている。ベーン95aに進角ピストン51が収容され、ベーン95cに遅角ピストン51が収容されている。遅角ピストン51は進角ピストン51と同一構成である。遅角ピストン51はベーン95cに形成した遅角ピストン室45の油圧によりピン50に押し付けられる。ピン50と径方向に向き合う遅角ピストン51の摺動部材52の対向面52aはピン50側に向かう凸曲面であり、シューハウジング90に対しベーンロータ95が遅角する回転方向に向けピン50に近づき、進角回転方向に向けピン50から離れている。
【0049】
進角圧力制御弁60はベーン95aに収容されており、遅角圧力制御弁60はベーン95cに収容されている。ベーン95aに収容されている進角圧力制御弁60は第1実施例の進角圧力制御弁60と同一構成であり、進角制御を行うときに進角油圧室25と進角ピストン室45とを連通する。
【0050】
ベーン95cに収容されている遅角圧力制御弁60は進角圧力制御弁60と同一構成である。ただし、遅角圧力制御弁60の弁部材62が弁座61aから離座すると、遅角ピストン室45は遅角油圧室22と連通する。したがって、遅角制御を行う場合、遅角油圧室22の油圧から受ける力により遅角ピストン51の摺動部材52がピン50に向けて押し付けられ、シューハウジング90に対しベーンロータ95が進角側に揺動することを防止する。
【0051】
第2実施例では、油圧が低い場合に変動トルクを受けながら進角制御または遅角制御を行っても、反対方向への揺動を防止する。したがって、進角制御および遅角制御のいずれにおいても目標位相角度位置に速やかに到達することができる。
【0052】
(第3実施例)
本発明の第3実施例を図9に示す。第1実施例と実質的に同一構成部分に同一符号を付し、説明を省略する。
第3実施例では進角ピストン室45と進角油圧室25との連通を断続する進角圧力制御弁を持たず、油路49を介し進角ピストン室45は常に進角油圧室25と連通している。スプリング54は受圧部材53をピン50側に付勢している。
【0053】
進角制御を行う場合、進角油圧室25から油路49を通り作動油が進角ピストン室45に供給されるので、進角ピストン室45の油圧が上昇する。これにより、摺動部材52がピン50に押し付けられるので、油圧が低いときに変動トルクを受けても、進角制御中にベーンロータ15はシューハウジング10に対し遅角側に揺動しない。したがって、速やかに目標進角位置に達することができる。
【0054】
遅角制御をする場合、摺動部材52がピン50に進角ピストン室45側に押される。さらに、ピン50の遅角油圧室20側にシール部材16が設けられていないので、遅角油圧室20の油圧が進角ピストン室45に摺動部材52を押し込む方向に加わる。したがって、摺動部材52および受圧部材53が進角ピストン室45側に押し込まれ、進角ピストン室45の作動油が進角油圧室25に流出する。シューハウジング10に対しベーンロータ15が遅角側に回転しても摺動部材52はピン50に係止されない。したがって、ベーンロータ15は滑らかに遅角側に回転する。
【0055】
(第4実施例)
本発明の第4実施例を図10に示す。第1実施例と実質的に同一構成部分に同一符号を付し、説明を省略する。
第4実施例の進角圧力制御弁120は、複数の貫通油路を有する筒状のハウジング121と、ハウジング121内に往復移動可能に収容されているスプール130とを有している。ハウジング121内をスプール130が移動することにより貫通油路の連通が切り替わる。
【0056】
進角制御を行う場合、進角油圧室25から油路140を介し油圧室141に作動油が供給されるので、図10の(A)に示すようにスプール130は図10の右方向に移動する。すると、油路142を通り進角油圧室25の作動油が進角ピストン室45に供給されるので、進角ピストン室45の油圧により摺動部材52はピン50に向けて押し付けられる。油圧が低いときに遅角側に変動トルクを受けピン50が摺動部材52を進角ピストン室45側に押し込もうとすると、進角ピストン室45の油圧が油路143を介し油圧室144に加わる。すると、図10の(B)に示すようにスプール130は図10の左方向に移動し、進角ピストン室45と油路142との連通が遮断される。これにより、摺動部材52は進角ピストン室45側に押し込まれないので、進角制御中にベーンロータ15はシューハウジング10に対し遅角側に揺動しない。したがって、速やかに目標進角位置に達することができる。
【0057】
遅角制御をする場合、油路145を介し遅角油圧室20の油圧がスプール130に加わるので、図10の(C)に示すようにスプール130は図10の右方向に移動する。すると進角油圧室25と進角ピストン室45とが連通するので、ベーンロータ15がシューハウジング10に対し遅角側に回転するときに摺動部材52は進角ピストン室45側に押し込まれ、ベーンロータ15が遅角側に滑らかに回転する。
【0058】
(第5実施例)
本発明の第5実施例を図11に示す。第4実施例と実質的に同一構成部分に同一符号を付し、説明を省略する。
第5実施例の進角圧力制御弁150は、複数の貫通油路を有する筒状のハウジング151と、ハウジング151内に往復移動可能に収容されているスプール160とを有している。ハウジング121内をスプール130が移動することにより貫通油路の連通が切り替わる。
【0059】
進角制御を行う場合、進角油圧室25の油圧によりスプール160が図11の右方向に移動すると、スプール160の端部のランドではなく中間ランド161がハウジング151の隔壁152に係止される。これ以外の構成および作動は第4実施例と同様である。したがって、進角制御中にベーンロータ15はシューハウジング10に対し遅角側に揺動せず、速やかに目標進角位置に達することができる。
【0060】
以上説明した本発明の上記実施例では、ピン50と進角ピストン51または遅角ピストン51とが、シューハウジングとベーンロータとの間隔がほほ一定で小さい径方向で向き合っているので、進角ピストン51または遅角ピストン51がベーンロータの相対回動に伴いピン50と摺動しながら往復移動する移動量が小さい。したがって、進角ピストンまたは遅角ピストンを大型化することなく、言い換えればベーンロータを大型化することなく、シューハウジングに対し可能な限り広いベーンロータの相対回動範囲においてピンと進角ピストンまたは遅角ピストンとの当接を維持できる。したがって、バルブタイミング調整装置を大型化することなく、相対回動範囲の広い進角制御または遅角制御において、反対方向にベーンロータが揺動することを防止できる。
【0061】
上記複数の実施例では、油圧が低い状態で進角制御を行う場合、シューハウジングに対しベーンロータが遅角側に揺動することを防止し速やかに目標進角位置に達する構成を有している。第2実施例では、油圧が低い状態で遅角制御を行う場合、シューハウジングに対しベーンロータが進角側に揺動することを防止し速やかに目標遅角位置に達する構成を有している。
これに対し、遅角制御中にシューハウジングに対しベーンロータが進角側に揺動することを防止し速やかに目標遅角位置に達する構成だけを実現してもよい。
【0062】
上記複数の実施例では、シューハウジング側にピン50、ベーンロータ側に進角ピストン51または遅角ピストン51を設けた。これに対し、シューハウジング側に進角ピストン51または遅角ピストン51、ベーンロータ側にピン50を設けてもよい。また上記複数の実施例では、回転軸と直交する径方向に進角突部または遅角突部としてのピン50が突出し、径方向でピン50と進角ピストン51または遅角ピストン51とが向き合う構成にした。これに対し、回転軸と平行に進角突部または遅角突部が突出し、回転軸方向で進角突部と進角ピストン、あるいは遅角突部と遅角ピストンとが向き合う構成にしてもよい。
上記複数の実施例ではシューハウジングに進角突部または遅角突部であるピン50を嵌合したが、シューハウジングと一体に進角突部または遅角突部を形成してもよい。
【0063】
上記実施例では、吸気弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置について説明した。これ以外にも、吸気弁、あるいは吸気弁および排気弁両方のバルブタイミング調整装置として本発明のバルブタイミング調整装置を用いてもよい。
本実施例では、タミングプーリによりクランクシャフトの回転駆動力をカムシャフトに伝達する構成を採用したが、チェーンスプロケットまたはタイミングギア等を用いる構成にすることも可能である。また、駆動軸としてのクランクシャフトの駆動力をベーン部材で受け、従動軸としてのカムシャフトとハウジング部材とを一体に回転させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によるバルブタイミング調整装置を示す断面図である。
【図2】第1実施例のストッパピストン周囲を示す断面図である。
【図3】第1実施例のピンおよび進角ピストン周囲を示す断面図である。
【図4】第1実施例の位相制御ルーチンである。
【図5】(A)は進角制御を示す断面図であり、(B)は遅角制御を示す断面図であり、(C)は保持制御を示す断面図である。
【図6】第1実施例の進角制御を示す断面図であり、(A)および(C)は進角制御中に遅角側の変動トルクを受けていない状態を示し、(B)は進角制御中に遅角側の変動トルクを受けた状態を示している。
【図7】進角制御時におけるシューハウジングに対するベーンロータの位相変化を示す特性図である。
【図8】本発明の第2実施例によるバルブタイミング調整装置を示す断面図である。
【図9】本発明の第3実施例によるバルブタイミング調整装置を示す断面図である。
【図10】本発明の第4実施例を示す断面図であり、(A)は進角制御中に遅角側の変動トルクを受けていない状態を示し、(B)は進角制御中に遅角側の変動トルクを受けた状態を示し、(C)は遅角制御状態を示している。
【図11】本発明の第5実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 バルブタイミング調整装置
10 シューハウジング(ハウジング部材、駆動側回転部材)
10a、10、10c シュー(仕切部)
15 ベーンロータ(ベーン部材、従動側回転部材)
15a、15b、15c ベーン
20、21、22、23 遅角油圧室
25、26、27、28 進角油圧室
50 ピン(進角突部、遅角突部)
51 進角ピストン、遅角ピストン
52 摺動部材
53 受圧部材
60 進角圧力制御弁、遅角圧力制御弁
75 ECU
90 シューハウジング(ハウジング部材、駆動側回転部材)
90a、90b、90c、90d シュー(仕切部)
95 ベーンロータ(ベーン部材、従動側回転部材)
95a、95b、95c、95d ベーン
120、150 進角圧力制御弁

Claims (6)

  1. 内燃機関の駆動軸から吸気弁および排気弁の少なくともいずれか一方を開閉駆動する従動軸に駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、前記吸気弁および前記排気弁の少なくともいずれか一方の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、
    前記駆動軸または前記従動軸の一方と回転し、回転中心に向け突出する仕切部を回転方向に設け、前記仕切部と前記仕切部との間に収容室を形成しているハウジング部材と、
    前記駆動軸または前記従動軸の他方と回転し、所定角度範囲に限り前記ハウジング部材に対し相対回動可能に前記収容室に収容され、前記収容室を仕切って作動圧室を形成しているベーンを有するベーン部材と、
    前記駆動軸と回転する駆動側回転部材のハウジング部材に設けられ、前記従動軸と回転する従動側回転部材のベーン部材に向け径方向に突出する進角突部と、
    前記進角突部と向き合い前記進角突部と当接可能に前記従動側回転部材に収容され、前記駆動側回転部材に対し前記従動側回転部材を進角側に付勢する進角室と連通可能な進角ピストン室から受ける流体圧力により前記進角突部に向けて押される進角ピストンとを備え、
    前記進角突部と向き合う前記進角ピストンの対向面は、前記駆動側回転部材に対し前記従動側回転部材が進角する回転方向に向けて前記進角突部側に近づいていることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 前記駆動側回転部材に設けられ前記従動側回転部材に向け径方向に突出する遅角突部と、前記遅角突部と向き合い前記遅角突部と当接可能に前記従動側回転部材に収容され、前記駆動側回転部材に対し前記従動側回転部材を遅角側に付勢する遅角室と連通可能な遅角ピストン室から受ける流体圧力により前記遅角突部に向けて押される遅角ピストンとを備え、前記遅角突部と向き合う前記遅角ピストンの対向面は、前記駆動側回転部材に対し前記従動側回転部材が遅角する回転方向に向けて前記遅角突部側に近づいていることを特徴とする請求項1記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 内燃機関の駆動軸から吸気弁および排気弁の少なくともいずれか一方を開閉駆動する従動軸に駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、前記吸気弁および前記排気弁の少なくともいずれか一方の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、
    前記駆動軸または前記従動軸の一方と回転し、回転中心に向け突出する仕切部を回転方向に設け、前記仕切部と前記仕切部との間に収容室を形成しているハウジング部材と、
    前記駆動軸または前記従動軸の他方と回転し、所定角度範囲に限り前記ハウジング部材に対し相対回動可能に前記収容室に収容され、前記収容室を仕切って作動圧室を形成しているベーンを有するベーン部材と、
    前記駆動軸と回転する駆動側回転部材のハウジング部材に設けられ、前記従動軸と回転する従動側回転部材のベーン部材に向け径方向に突出する遅角突部と、
    前記遅角突部と向き合い前記遅角突部と当接可能に前記従動側回転部材に収容され、前記駆動側回転部材に対し前記従動側回転部材を遅角側に付勢する遅角室と連通可能な遅角ピストン室から受ける流体圧力により前記遅角突部に向けて押される遅角ピストンとを備え、
    前記遅角突部と向き合う前記遅角ピストンの対向面は、前記駆動側回転部材に対し前記従動側回転部材が遅角する回転方向に向けて前記遅角突部側に近づいていることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  4. 前記進角室と前記進角ピストン室との連通を断続し、前記進角室または前記遅角室の流体圧力が所定値以上になると前記進角室と前記進角ピストン室とを連通する進角圧力制御弁を備えることを特徴とする請求項1または2記載のバルブタイミング調整装置。
  5. 内燃機関の駆動軸から吸気弁および排気弁の少なくともいずれか一方を開閉駆動する従動軸に駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、前記吸気弁および前記排気弁の少なくともいずれか一方の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、
    前記駆動軸または前記従動軸の一方と回転し、回転中心に向け突出する仕切部を回転方向に設け、前記仕切部と前記仕切部との間に収容室を形成しているハウジング部材と、
    前記駆動軸または前記従動軸の他方と回転し、所定角度範囲に限り前記ハウジング部材に対し相対回動可能に前記収容室に収容され、前記収容室を仕切って作動圧室を形成しているベーンを有するベーン部材と、
    前記ハウジング部材および前記ベーン部材のうち前記駆動軸と回転する駆動側回転部材に設けられ前記ハウジング部材および前記ベーン部材のうち前記従動軸と回転する従動側回転部材に向け径方向または回転軸方向に突出する進角突部と、
    前記進角突部と向き合い前記進角突部と当接可能に前記従動側回転部材に収容され、前記駆動側回転部材に対し前記従動側回転部材を進角側に付勢する進角室と連通可能な進角ピストン室から受ける流体圧力により前記進角突部に向けて押される進角ピストンと、
    前記駆動側回転部材に設けられ前記従動側回転部材に向け径方向または回転軸方向に突出する遅角突部と、
    前記遅角突部と向き合い前記遅角突部と当接可能に前記従動側回転部材に収容され、前記駆動側回転部材に対し前記従動側回転部材を遅角側に付勢する遅角室と連通可能な遅角ピストン室から受ける流体圧力により前記遅角突部に向けて押される遅角ピストンと、
    前記遅角室と前記遅角ピストン室との連通を断続し、前記遅角室または前記進角室の流体圧力が所定値以上になると前記遅角室と前記遅角ピストン室とを連通する遅角圧力制御弁を備えることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  6. 前記駆動側回転部材と前記従動側回転部材とにそれぞれ設けられ、前記駆動側回転部材に対し前記従動側回転部材が所定角度位置にあるとき互いに当接することにより前記駆動側回転部材に対する前記従動側回転部材の相対回動を拘束する当接部および被当接部、ならびに前記被当接部に当接する方向に前記当接部を付勢する当接付勢手段を有する拘束手段を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載のバルブタイミング調整装置。
JP2001023777A 2001-01-31 2001-01-31 バルブタイミング調整装置 Expired - Fee Related JP4297619B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001023777A JP4297619B2 (ja) 2001-01-31 2001-01-31 バルブタイミング調整装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001023777A JP4297619B2 (ja) 2001-01-31 2001-01-31 バルブタイミング調整装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002227617A JP2002227617A (ja) 2002-08-14
JP4297619B2 true JP4297619B2 (ja) 2009-07-15

Family

ID=18889021

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001023777A Expired - Fee Related JP4297619B2 (ja) 2001-01-31 2001-01-31 バルブタイミング調整装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4297619B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002227617A (ja) 2002-08-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3736489B2 (ja) バルブタイミング調整装置の制御方法
KR101227254B1 (ko) 밸브 타이밍 조정 장치
JPH11280428A (ja) 弁開閉時期制御装置
JPH11280427A (ja) 弁開閉時期制御装置
JP3620684B2 (ja) 内燃機関用バルブタイミング調整装置
JPH11311107A (ja) 弁開閉時期制御装置
JPH0960508A (ja) 内燃機関用バルブタイミング調整装置
JP2947165B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング変更装置
JP2001355414A (ja) バルブタイミング調整装置
JP2000345816A (ja) バルブタイミング調整装置
JP4236462B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP2001050016A (ja) バルブタイミング調整装置
JPH11241608A (ja) 内燃機関におけるバルブタイミング調整機構
US7895980B2 (en) Valve timing adjusting device
JP5057232B2 (ja) バルブタイミング調整装置、および、その製造方法
JP2000345815A (ja) バルブタイミング調整装置
JP4058580B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP4297619B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP4338326B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP2009185762A (ja) バルブタイミング調整装置
JPH11173119A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御方法及びバルブタイミング制御装置
JP3736496B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP2000104510A (ja) バルブタイミング調整装置
JP2001050017A (ja) バルブタイミング調整装置
JP3842540B2 (ja) バルブタイミング調整装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070416

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081016

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081016

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081211

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090413

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090414

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120424

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees