JP4296895B2 - データ処理装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、デジタル放送を受信して復号化するデジタル信号処理装置及び方法に関し、詳細には、外部の記録再生装置からの復号化されていないビデオデータ及びオーディオデータを入力する際の処理に関するものである。
近年、米国や欧州諸国において、MPEG(Moving Picture Image Coding Experts Group) 等の高能率符号化技術を応用して、ビデオ信号及びオーディオ信号を符号化し、通信衛星等を介して伝送し、受信側においてこれを復調するようにしたシステムが普及しつつある。
これらのシステムでは、受信側に専用の受信・復調装置が必要となる。この受信・復調装置においては、複数チャンネルのデータが多重化されたトランスポートストリームから所望のチャンネルのトランスポートストリームを選択する部分と、所望のチャンネルのトランスポートストリームから所望のプログラムのビデオデータとオーディオデータを分離する部分と、分離したビデオデータ及びオーディオデータを復号化する部分とを備えている。
また、このシステムでは、受信・復調装置において、前述した所望のチャンネルのトランスポートストリームの受信や所望のプログラムのビデオデータ及びオーディオデータの分離ができるようにするために、多重化されたトランスポートストリーム中にPSI(Program Spesific Information:プログラム仕様情報)やEPG(Electronic Program Guide:電子番組ガイド)あるいはSI(Service Information:サービス情報)を付加している。
ところで、ビデオ信号及びオーディオ信号を符号化して記録/再生するビデオテープレコーダ(以下DVTRという)が提案されている。そして、非特許文献1には、このようなDVTRに前述したデジタル放送のビデオデータ及びオーディオデータを復号化せずに記録/再生することが考えられている。
久保田 幸雄 編著「図解 デジタルビデオ読本」,pp.140-152,(株)オーム社,平成7年8月25日
本発明は、前述したようなDVTRがデジタル放送のプログラムを複数個連続して再生し、前述した受信・復調装置に入力する際に、プログラムの変化あるいは不連続時にでも、受信・復調装置におけるビデオデータ及びオーディオデータの復号化動作を迅速に行なえ、また復号出力が途切れたりしないようなデータ処理装置及び方法の提供を目的とする。
前記課題を解決するために、本発明に係るデータ処理装置は、デジタル放送のパケットを含むトランスポートストリームをIEEE1394インターフェースに出力するデータ処理装置において、符号化されたデジタルビデオデータ及び/又はオーディオデータのストリームを受け取る手段と、上記符号化されたデジタルビデオデータ及び/又はオーディオデータのストリームにおけるプログラムが、不連続か否かを判断する手段と、上記符号化されたデジタルビデオデータ及び/又はオーディオデータのストリームにおけるプログラムが、不連続であると判断した場合には、上記IEEE1394インターフェースを介して伝送される符号化されたデジタルビデオデータ及び/又はオーディオデータのトランスポートストリームに、不連続情報を挿入する手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明に係るデータ処理方法は、デジタル放送のパケットを含むトランスポートストリームをIEEE1394インターフェースに出力するデータ処理方法において、符号化されたデジタルビデオデータ及び/又はオーディオデータのストリームを受け取る工程と、上記符号化されたデジタルビデオデータ及び/又はオーディオデータのストリームにおけるプログラムが、不連続か否かを判断する工程と、上記符号化されたデジタルビデオデータ及び/又はオーディオデータのストリームにおけるプログラムが、不連続であると判断した場合には、上記IEEE1394インターフェースを介して伝送される符号化されたデジタルビデオデータ及び/又はオーディオデータのトランスポートストリームに、不連続情報を挿入する工程とを備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、外部から入力されるプログラムが変化した時のビデオデータ及びオーディオデータの復号化を迅速に行なうことができ、また復号出力が途切れたりすることがない。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明を適用したデジタル信号処理装置の構成を示すブロック図である。このデジタル信号処理装置はIRD(Integrated Receiver Decoder) と呼ばれているものである。
このデジタル信号処理装置は、ダウンコンバータ(図示せず)から送られてくるRF信号を入力し、所望のチャンネルのトランスポートストリームを選択するフロントエンド1と、フロントエンド1で選択したトランスポートストリームから所望のプログラムのMPEGビデオデータとMPEGオーディオデータと付加情報を分離するデマルチプレクサ2と、デマルチプレクサ2を通して入出力するデータを一時的に蓄積するバッファメモリ3とを備えている。
また、このデジタル信号処理装置は、デマルチプレクサ2で分離したビデオデータを復号化するMPEGビデオデコーダ4と、デマルチプレクサ2で分離したオーディオデータを復号化するMPEGオーディオデコーダ5と、MPEGビデオデコーダ4で復号化したビデオ信号をNTSC方式のビデオ信号に変換するNTSCエンコーダ6と、NTSCエンコーダ6の出力をアナログ化するD/Aコンバータ7と、MPEGオーディオデコーダ5の出力をアナログ化するD/Aコンバータ8とを備えている。MPEGビデオデコーダ4にはビデオデータを一時的に蓄積するバッファメモリ4aが、またMPEGオーディオデコーダ5には、オーディオデータを一時的に蓄積するバッファメモリ5aが設けられている。
さらに、このデジタル信号処理装置は、装置全体の動作を制御するマイクロコンピュータ(以下マイコンという)9と、フロントパネル10と、デマルチプレクサ2で分離したMPEGビデオデータ、MPEGオーディオデータ、及び付加情報を外部へ送信し、また外部から受信したMPEGビデオデータ、MPEGオーディオデータ、及び付加情報をデマルチプレクサ2へ送るデジタルインタフェース11を備えている。
フロントエンド1は、チューナとQPSK復調器とエラー訂正回路とから構成されており、多重化されている複数チャンネルのトランスポートストリームから、ユーザーがフロントパネル10で指定した所望のチャンネルのトランスポートストリームを選択してQPSK復調し、さらにエラーの検出・訂正を行う。
図2に1チャンネル分のトランスポートストリームの例を示す。この図に示すように、1チャンネルのトランスポートストリームには複数個のプログラム(ここでは、プログラム番号1〜3を図示)が多重化されている。ここで、プログラムとは仮想的な放送チャンネル、日本の現行放送でいえば、例えばNHK衛星第1、NHK衛星第2等の放送サービスのことである。
各プログラムのデータは所定の長さ(188バイト)でパケット化されており、その先頭にヘッダを持っている。そして、ヘッダにはデータを識別するためのPID(Packet Identification: パケットID)が付与されている。
フロントエンド1で選択された所望のチャンネルのトランスポートストリームは、デマルチプレクサ2を通して一旦バッファメモリ3に書き込まれる。そして、ここから所望のプログラムのMPEGビデオデータとMPEGオーディオデータを読み出して分離し、そのビデオデータをMPEGビデオデコーダ4へ、オーディオデータをMPEGオーディオデコーダ5へ送る。図2においては、プログラム2のビデオデータとオーディオデータを分離している。
この分離に際しては、パケットに付与されているPID(パケットID)を見る。そして、それが所望のプログラムのビデオデータ及びオーディオデータを識別するPIDであれば、それぞれMPEGビデオデコーダ4とMPEGオーディオデコーダ5へ送る。図2においては、プログラム2のビデオデータに付与されているPIDは“xx”であり、オーディオデータに付与されているPIDは“yy”である。なお、デジタル信号処理装置においてプログラム番号とPIDとの対応関係を知る方法については後述する。
MPEGビデオデコーダ4へ送られたビデオデータは、バッファメモリ4aに記憶され、適宜読み出されて復号化される。復号化されたビテオデータはNTSCエンコーダ6によりNTSC方式のビデオ信号に変換され、D/Aコンバータ7によりアナログビデオ信号に変換された後、外部のモニタ装置(図示せず)へ供給される。また、MPEGオーディオデコーダ5へ送られたオーディオデータは、バッファメモリ5aに記憶され、適宜読み出されて復号化される。復号化されたオーディオデータは、D/Aコンバータ8によりアナログオーディオ信号に変換された後、モニタ装置等のスピーカー(図示せず)へ供給される。
以上のようにして、デジタル放送のビデオ信号及びオーディオ信号を受信し復号化してモニタ装置に表示することができる。
次に付加情報について説明する。前述したように、多重化されたビットストリーム中にはPSI(プログラム使用情報)やEPG(電子番組ガイド)あるいはSI(サービス情報)が付加されている。ここでは、MPEGで規定されているPSIと欧州のデジタル放送であるDVB(Digital Video Broadcasting)システムで規定されているSIについて説明する。
(1):PAT(Programme Association Table)
このテーブルはMPEGで規定されており、PID(パケットID)は0である。そして、主な内容は、後述するNITのPIDと、PMTのPIDの記述である。
(2):PMT(Programme Map Table)
このテーブルもMPEGで規定されており、PIDは前述したPATにより決められている。主な内容は、プログラム番号とPIDとの対応の記述と、ECM(番組に付随するスクランブルデータ)のPIDの記述である。
(3):CAT(Conditional Access Table)
このテーブルもMPEGで規定されており、PIDは1である。そして、主な内容は、EMM(顧客向けのスクランブル情報)の記述である。
(4):NIT(Network Information Table)
PIDは0010である。そして、主な内容はネットワーク名(衛星名、地上波送信所等)の記述と、その各トランスポートストリーム(物理チャンネル)に関する変調方式や周波数の記述である。
以下のテーブルはDVBで規定されている。
(5):BAT(Bouquet Association Table)
PIDは0011である。そして、主な内容は、ブーケ(Bouquet:番組供給者)の名称と仕向国の記述、及びトランスポートストリーム(物理チャンネル)に関するサービスの内容とCASS(Conditional Access Service System)方式の記述である。
(6):SDT(Service Description Table)
PIDは0011である。そして、主な内容は、トランスポートストリーム(物理チャンネル)に関し、そこに含まれるサービスIDとそのブーケの名称等の記述である。ここで、サービスIDとは、NHK衛星第1、NHK衛星第2等の放送チャンネルのことである。すなわち、MPEGで規定されているブログラム番号と同じである。
(7):EIT(Event Information Table)
PIDは0012である。そして、主な内容は、イベントIDとその開始時刻、放送時間、番組内容等の記述である。そして、このイベントID毎にトランスポートストリームIDとサービスIDが記述されている。ここで、イベントとは、例えば「7時のニュース(12月1日放送分)」等の番組のことである。
(8):TDT(Time and Data Table)
PIDは0010である。そして、主な内容は、世界標準時の情報の記述である。このTDTを用いて装置内の時計(図示せず)の時刻合わせを行える。
(9):RST(Running Status Table)
PIDは0013である。そして、主な内容は、イベントの実行状況の記述である。すなわち、あるイベントの開始前、実行中、終了等の記述をする。
次にデジタル信号処理装置におけるマイコン9が以上説明したPSIとSIをどのように処理するかについて説明する。
まず、デジタル信号処理装置においては、各ネットワークの方式に合わせて、定数等の設定を行う。この情報はNITに記述されているので、各トランスポートストリームに対し変調方式、周波数、ビットレート、誤り訂正方式等が得られる。設定後、これらの情報はマイコン9のEEPROM(図示せず)に格納する。
次に、EITを用いてイベントの検索を行う。各放送イベントには固有のイベントIDが付与され、EITに放送番組の名称や内容が開始時刻と共に記述され、イベント毎にそのトランスポートストリームIDとサービスIDが記述されている。そこで、EITからトランスポートストリームIDを判別し、NITで得たトランスポートストリームの定数を用いてデジタル信号処理装置を設定し、所望のチャンネルのトランスポートストリームを選択する。
以上フロントエンド1において所望のチャンネルのトランスポートストリームを選択する際の処理を説明した。次にデマルチプレクサ2の出力をMPEGビデオデコーダ4及びMPEGオーディオデコーダ5へ送る際のマイコン9の処理について説明する。
図3にデマルチプレクサ2へ入力されるトランスポートストリームの1例とその中のPAT及びPMTの内容を示す。また、図4はバッファメモリ3の内部構成例を示す。そして、図5はこの処理の流れを示す図である。ここでは、プログラム番号1の放送を選択したものとして説明する。
まず図5のステップS1に示すように、フロントエンド1の出力をデマルチプレクサ2を通してバッファメモリ3に書き込む。バッファメモリ3は、図4に示すようにデータ毎に格納エリア3A〜3Cが定められているので、それぞれのエリアに書き込む。
次にステップS2に示すように、バッファメモリ3の付加情報エリア3Cに書き込んだ付加情報の中からPATを探す。この処理はPIDが0のパケットを探せばよい。図3(2)に示すように、PATにはプログラム毎のPMTのPID(ここでは、PMT1のPIDを“cc”、PMT2のPIDを“dd”とした)が記述されている。
そこで、次にPIDが“cc”のパケットを探す。これによりプログラム番号1に対応するPMT1を検出することができる。図3(3)に示すように、PMT1にはプログラム番号1のMPEGビデオデータ、MPEGオーディオデータ、及びECMのPIDが記述されている。
したがって、プログラム番号1の放送を見る場合には、バッファメモリ3のMPEGビデオデータエリア3AからPIDが“aa”のパケットを読み出し、デマルチプレクサ2を通してMPEGビデオデコーダ4へ送り、MPEGオーディオデータエリア3BからPIDが“ab”のパケットを読み出し、デマルチプレクサ2を通してMPEGオーディオデコーダ5へ送る。図2に示したように、このときヘッダを除いたデータだけを送る。また、PIDが“xx”のパケットに記述されているECM情報を用いてスクランブルをデコードする。
もしプログラム番号2の放送を見る場合には、同様にしてPIDが“dd”のパケットを探す。このパケットには図3(4)に示すように、プログラム番号2の、ビデオデータ、オーディオデータ、及びECMのPIDが記述されている。そこで、MPEGビデオデータエリア3AからPIDが“ba”のパケットを読み出してMPEGビデオデコーダ4へ送り、MPEGオーディオデータエリア3BからPIDが“bb”のパケットを読み出してMPEGオーディオデコーダ5へ送る。また、PIDが“zz”のパケットに記述されているECM情報を用いてスクランブルをデコードする。
以上フロントエンド1から入力されたトランスポートストリームをデコードする通常の処理について説明した。図1のデジタル信号処理装置は、さらにデマルチプレクサ2で分離したMPEGビデオデータ、MPEGオーディオデータ、及び付加情報をデジタルインタフェース11を介して外部の記録再生装置、例えばDVTRへ出力することができる。また、外部の記録再生装置が出力したMPEGビデオデータ、MPEGオーディオデータ、及び付加情報をデジタルインタフェース11を介して受信し、デマルチプレクサ2へ送ることができる。次にこれらの処理について説明する。
まずデマルチプレクサ2の出力をデジタルインタフェース11から外部へ送出する際のマイコン9の処理について説明する。この処理の大半は前述した通常の処理と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。
MPEGビデオデータ及びMPEGオーディオデータはパケットヘッダを付けたままデジタルインタフェース11へ送る。つまり、マイコン9がバッファメモリ3から読み出すときに、ヘッダごと読み出し、デマルチプレクサ2を通してデジタルインタフェース11へ送る。
PSI及びSIもヘッダを付けたままデジタルインタフェース11へ送る。ただし、PATは選択したプログラム番号のPMTを指定するPIDだけを残し、他は除去する。例えばプログラム番号1を選択した場合には、PMT1のPID(図3の場合においては“cc”)だけを残し、他は除去する。
このようにしてデジタルインタフェース11へ送られたデータは、ここから外部へ送出される。デジタルインタフェース11は、例えばIEEE−1394に準拠したものである。この場合、データをIEEE−1394のアイソクロナスパケットに入れて出力する。デジタルインタフェース11から出力されたアイソクロナスパケットは、外部のDVTRへ送られる。そして、ここでアイソクロナスパケットからデータが取り出され、記録系におけるエラー訂正符号を付加され、チャネルコーディング処理を受けた後、記録される。
次に、前述したようにしてDVTRに記録したデータを再生し、デジタル信号処理装置へ入力する場合について説明する。外部のDVTRは再生したデータをアイソクロナスパケットに入れて出力する。このアイソクロナスパケットはデジタルインタフェース11へ入力され、ここで元のMPEGのビデオデータ、MPEGのビデオデータ、及び付加情報が取り出され、デマルチプレクサ2を通ってバッファメモリ3に書き込まれる。
バッファメモリ3に書き込まれたMPEGビデオデータ及びMPEGオーディオデータの処理は、前述した、フロントエンド1から入力されたトランスポートストリーム中のこれらのデータの処理と同じである。一方、バッファメモリ3に書き込まれたPSI及びSIに対してマイコン9は以下のように処理する。
PATとPMTはそのまま使用する。前述したように、デジタル信号処理装置から外部のDVTRへデータを出力する際に、PATから選択したプログラム番号のPMTを指定するPIDだけを残し、他は除去しているので、ここで外部のDVTRから入力されたデータ中のPATには入力中のプログラム番号のPMTを指定するPIDだけが記述されている。したがって、PATを見てPMTを探し、そのPMTを見て入力中のプログラムのMPEGビデオデータ及びMPEGオーディオデータを読み出すことができる。読み出したMPEGビデオデータ及びMPEGオーディオデータは、デマルチプレクサ2を通ってMPEGビデオデコーダ4及びMPEGオーディオデコーダ5へ送られ、以後フロントエンド1からのこれらのデータと同様に処理される。
EITについては、PAT内に記述されているプログラムのアクチュアル(actual)かつプレゼント(present) の情報のみをデコードし、他は無視する。ここで、アクチュアルとは選択したチャンネルのトランスポートストリームであることを意味し、プレゼントとは選択したプログラムが現在放送中であることを意味する。
RSTについては、PAT内に記述されているプログラムに関するもののみをデコードし、他は無視する。SDTについては、PAT内に記述されているプログラムのアクチュアルのもののみをデコードし、他は無視する。
NITはフロントエンド1における設定に必要であるが、デマルチプレクサ2においては必要ないので無視する。BATについても同様に無視する。
TDTについては、外部のDVTRの再生信号を入力する際には、再生信号中のTDTは録画時の時刻を示すものであって、現在の時刻を示すものではないため、このTDTは無視する。これにより、内蔵時計の時刻合わせの際に誤った時間に合わせる事態を避けることができる。
さらに、外部のDVTRから複数個のプログラムが連続的に入力される場合について説明する。前述したように、マイコン9はPATを見てPMTを探し、そのPMTを見て外部のDVTRから入力中のプログラムのMPEGビデオデータ及びMPEGオーディオデータを読み出す。ところが、外部のDVTRが複数個のプログラムを連続的に出力している際に、マイコン9はプログラムが切り替わった場合には、新たにPATを見てPMTを探し、切り替わったプログラムのMPEGビデオデータ及びMPEGオーディオデータを読みだすことができない。また、MPEGビデオデコーダ4及びMPEGオーディオデコーダ5においては、復号化処理に過去のデータを用いているため、プログラムが切り替わったときには、バッファメモリ4a及び5a内に残っている切り替え前のプログラムのデータをクリアしなければ、正しい復号化ができない。
同様に、SIについても、トランスポートストリームの異なるプログラムに切り替わった場合には、バッファメモリ3内のSIを書き換えることが必要となる。
そこで、本実施の形態では、DVTRが再生しているプログラムが変化したときに、アイソクロナスパケットのヘッダにそれを識別するフラグを設けている。図6はアイソクロナスパケットのフォーマットを示す図である。タグ(tag)フィールドの2ビットが01 のときに、データフィールドの先頭に2クァドレットのコモンアイソクロナスパケットヘッダー(以下CIPヘッダーという)を挿入する。デジタルビデオ機器やデジタルオーディオ機器等のデジタルオーディオ・ビデオ信号の実時間データを扱う目的のために、tagの値を01 とする。
図7はタグ=01 の値をとる場合のCIPヘッダーを示す。また、図8はCIPヘッダーにおけるFMT(フォーマットタイプ)の割り付け例を示す。図6に示すように、FMT=0000000 でDVTR、100001 でMPEG信号伝送のフォーマットを指定している。そして、本実施の形態では、FDF(フォーマット依存フィールド)のビットb0に不連続フラグを設けている。
この不連続フラグは、DVTRの再生信号においてトランスポートストリームが不連続になったときに所定の時間(例、1秒間)“H(ハイ)”レベルにする。具体的には、DVTRにおいてビデオデータの記録時にビデオデータと共に記録の開始位置(REC START)や終了位置(REC END)を示すビデオ補助データ(VAUXデータ)を記録しているので、再生時にこれらの補助データを検出した時に、不連続フラグを“H(ハイ)”レベルにする。
また、本実施の形態では、DVTRのモードが停止(STOP)から再生(PB)に変化した時にも、前述した不連続フラグを“H(ハイ)”レベルにする。これにより、プログラムの途中から再生した場合等においても、バッファメモリ4a及び5a内のデータのクリアとバッファメモリ3内のSIの書き換えを実行できるようにしている。
さらに、本実施の形態では、FDFのビットb1に変速再生フラグを設けている。これは、DVTRの動作モードがスロー及びキュー/レビューの時に“H(ハイ)”レベルにするフラグである。このような変速再生時には、MPEGのIピクチャーのみが有効データとなるため、バッファメモリ4aがアンダフローし、その結果次のIピクチャーが復号化されるまでの間、MPEGビデオデコーダ4の出力が途切れてしまう。そこで、デジタル信号処理装置では、このフラグを検出した時には、次のIピクチャーが入力されるまで最後に復号化したIピクチャーをMPEGビデオデコーダ4から出力するように構成している。
図9は外部入力時のマイコン9の処理を示すフローチャートである。まず、マイコン9は外部入力かどうかを判断する(ステップS11)。外部入力かどうかはフロントパネル10の出力により判断する。
次に、不連続フラグを検出したかどうかを判断する(ステップS12)。この判断は、デジタルインタフェース11が図7に示した不連続フラグを検出したかどうかを基に行なう。そして、不連続フラグを検出していれば、バッファメモリ3内のPAT、PMT、及びSIを書き換え、かつバッファメモリ4a及び5a内のデータをクリアする指令をMPEGビデオデコーダ4及びMPEGオーディオデコーダ5へ与える(ステップS13)。すなわち、不連続フラグを検出したときには、トランスポートストリーム中の付加情報であるPAT、PMT、及びSIを取り込んで、バッファメモリ3を書き換えている。
次に、変速再生フラグを検出したかどうかを判断する(ステップS14)。この判断は、ステップS12と同様、デジタルインタフェース11が図7に示した変速再生フラグを検出したかどうかを基に行なう。そして、変速再生フラグを検出していれば、MPEGビデオデコーダ4に対して最後にデコードしたIピクチャーを出力し続ける指令を与える。
以上詳細に説明した本発明の実施の形態によれば、外部から入力されるプログラムが変化した時のビデオデータ及びオーディオデータの復号化を迅速に行なうことができ、また復号出力が途切れたりすることがない。
本発明を適用したデジタル信号処理装置の構成を示すブロック図である。 1チャンネル分のトランスポートストリームの例を示す図である。 デマルチプレクサへ入力されるトランスポートストリームの1例とその中のPAT及びPMTの内容を示す図である。 図1におけるバッファメモリ3の内部構成例を示す図である。 デマルチプレクサの出力をMPEGビデオデコーダ及びMPEGオーディオデコーダへ送る際のマイコンの処理の流れを示す図である。 アイソクロナスパケットのフォーマットを示す図である。 タグ=01 の値をとる場合のCIPヘッダーを示す図である。 CIPヘッダーにおけるFMT(フォーマットタイプ)の割り付け例を示す図である。 外部入力時のマイコンの処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1 フロントエンド、 2 デマルチプレクサ、 4 MPEGビデオデコーダ、 5 MPEGオーディオデコーダ、 9 マイコン、 11 デジタルインタフェース

Claims (2)

  1. デジタル放送のパケットを含むトランスポートストリームをIEEE1394インターフェースに出力するデータ処理装置において、
    符号化されたデジタルビデオデータ及び/又はオーディオデータのストリームを受け取る手段と、
    上記符号化されたデジタルビデオデータ及び/又はオーディオデータのストリームにおけるプログラムが、不連続か否かを判断する手段と、
    上記符号化されたデジタルビデオデータ及び/又はオーディオデータのストリームにおけるプログラムが、不連続であると判断した場合には、上記IEEE1394インターフェースを介して伝送される符号化されたデジタルビデオデータ及び/又はオーディオデータのトランスポートストリームに、不連続情報を挿入する手段と
    を備えデータ処理装置。
  2. デジタル放送のパケットを含むトランスポートストリームをIEEE1394インターフェースに出力するデータ処理方法において、
    符号化されたデジタルビデオデータ及び/又はオーディオデータのストリームを受け取る工程と、
    上記符号化されたデジタルビデオデータ及び/又はオーディオデータのストリームにおけるプログラムが、不連続か否かを判断する工程と、
    上記符号化されたデジタルビデオデータ及び/又はオーディオデータのストリームにおけるプログラムが、不連続であると判断した場合には、上記IEEE1394インターフェースを介して伝送される符号化されたデジタルビデオデータ及び/又はオーディオデータのトランスポートストリームに、不連続情報を挿入する工程と
    を備えデータ処理方法。
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