JP3666093B2 - デジタル信号処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、テジタル放送を受信して復号化する装置に関し、特に復号化前のデジタルビデオ信号及びデジタルオーディオ信号を外部の記録再生装置等へ入出力する際の処理に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、米国や欧州諸国において、MPEG(Moving Picture
Image Coding Experts Group)等の高能率符号化技術を応用して、ビデオ信号及びオーディオ信号を符号化し、通信衛星等を介して伝送し、受信側においてこれを復調するようにしたシステムが普及しつつある。
【0003】
これらのシステムでは、受信側に専用の受信・復調装置が必要となる。この受信・復調装置においては、複数チャンネルのデータが多重化されたトランスポートストリームから所望のチャンネルのトランスポートストリームを選択する部分と、所望のチャンネルのトランスポートストリームから所望のプログラムのビデオデータとオーディオデータを分離する部分と、分離したビデオデータ及びオーディオデータを復号化する部分とを備えている。
【0004】
また、このシステムでは、受信・復調装置において、前述した所望のチャンネルのトランスポートストリームの受信や所望のプログラムのビデオデータ及びオーディオデータの分離ができるようにするために、多重化されたトランスポートストリーム中にPSI(Program Spesific Information:プログラム仕様情報)やEPG(Electroic ProgramGuide:電子番組ガイド)あるいはSI(Service Information:サービス情報)を付加している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ビデオ信号及びオーディオ信号を符号化して記録/再生するビデオテープレコーダ(以下DVCRという)が商品化されている。前述したデジタル放送の受信信号をこのようなDVCRに記録/再生する際に、受信したビデオデータ及びオーディオデータを復号化した後、DVCRにおいて再度符号化して記録するのでは、効率が悪いし、データの復号化/符号化の過程で信号が劣化してしまう。
【0006】
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであって、デジタル放送の受信信号を復号化せずに外部に対してデジタルデータのまま入出力するデジタル信号処理装置及びデジタル信号処理方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明に係るデジタル信号処理装置は、外部から供給され、多重化された複数チャンネルからなり、符号化されてなるトランスポートストリームを受信する受信手段と、上記受信手段により受信された当該トランスポートストリームから任意の1チャンネルのトランスポートストリームを選択する選択手段と、上記選択手段により選択したトランスポートストリームに含まれている付加情報を参照して該トランスポートストリームから任意のプログラムのデータを分離する分離手段と、上記分離手段により分離したデータを復号化する復号手段と、外部の記録再生装置とデータの送受信を行うためのデジタルインタフェースと、上記選択手段により選択した上記トランスポートストリームに含まれている付加情報の内、上記デジタルインタフェースと接続されている外部の記録再生装置に対して送信されるプログラムに関係しない情報を削除する削除手段とを備え、上記デジタルインタフェースは、上記削除手段により上記デジタルインタフェースと接続されている外部の記録再生装置に対して送信されるプログラムに関係しない情報を削除した後のトランスポートストリームを外部の記録再生装置に送信し、また、外部の記録再生装置から送信されてきたトランスポートストリームを受信することを特徴とする。
【0008】
また、上述した分離手段は、分離すべきトランスポートストリームが上記選択手段から供給された場合には、当該トランスポートストリームに含まれている付加情報を参照して分離処理を行い、また、分離すべきトランスポートストリームが上記デジタルインタフェースによって受信した外部の記録再生装置から送信された場合には、当該トランスポートストリームに含まれている付加情報の一部のみを参照して処理を行う。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明を適用したデジタル信号処理装置の構成を示すブロック図である。このデジタル信号処理装置はIRD(Integrated Receiver Decoder)と呼ばれているものである。
【0011】
このデジタル信号処理装置は、ダウンコンバータ(図示せず)から送られてくるRF信号を入力し、所望のチャンネルのトランスポートストリームを選択するフロントエンド1と、フロントエンド1で選択したトランスポートストリームから所望のプログラムのMPEGビデオデータとMPEGオーディオデータと付加情報を分離するデマルチプレクサ2と、デマルチプレクサ2を通して入出力するデータを一時的に蓄積するバッファメモリ3とを備えている。
【0012】
また、このデジタル信号処理装置は、デマルチプレクサ2で分離したビデオデータを復号化するMPEGビデオデコーダ4と、デマルチプレクサ2で分離したオーディオデータを復号化するMPEGオーディオデコーダ5と、MPEGビデオデコーダ4で復号化したビデオ信号をNTSC方式のビデオ信号に変換するNTSCエンコーダ6と、NTSCエンコーダ6の出力をアナログ化するD/Aコンバータ7と、MPEGオーディオデコーダ5の出力をアナログ化するD/Aコンバータ8とを備えている。MPEGビデオデコーダ4にはビデオデータを一時的に蓄積するバッファメモリ4aが、またMPEGオーディオデコーダ5には、オーディオデータを一時的に蓄積するバッファメモリ5aが設けられている。
【0013】
さらに、このデジタル信号処理装置は、装置全体の動作を制御するマイクロコンピュータ(以下マイコンという)9と、フロントパネル10と、デマルチプレクサ2で分離したMPEGビデオデータ、MPEGオーディオデータ、及び付加情報を外部へ送信し、また外部から受信したMPEGビデオデータ、MPEGオーディオデータ、及び付加情報をデマルチプレクサ2へ送るデジタルインタフェース11を備えている。
【0014】
フロントエンド1は、チューナとQPSK復調器とエラー訂正回路とから構成されており、多重化されている複数チャンネルのトランスポートストリームから、ユーザーがフロントパネル10から指定した所望のチャンネルのトランスポートストリームを選択してQPSK復調し、さらにエラーの検出・訂正を行う。
【0015】
図2に1チャンネル分のトランスポートストリームの例を示す。この図に示すように、1チャンネルのトランスポートストリームには複数個のプログラム(ここでは、プログラム番号1〜3を図示)が多重化されている。ここで、プログラムとは仮想的な放送チャンネル、日本の現行放送でいえば、例えばNHK衛星第1、NHK衛星第2等の放送サービスのことである。
【0016】
各プログラムのデータは所定の長さ(188バイト)でパケット化されており、その先頭にヘッダを持っている。そして、ヘッダにはデータを識別するためのPID(Packet Identification:パケットID)が付与されている。
【0017】
フロントエンド1で選択された所望のチャンネルのトランスポートストリームから、デマルチプレクサ2を通して付加情報を含むパケットが一旦バッファメモリ3に書き込まれる。そして、ここから所望のプログラムのMPEGビデオデータとMPEGオーディオデータを認識して分離し、そのビデオデータをMPEGビデオデコーダ4へ、オーディオデータをMPEGオーディオデコーダ5へ送る。図2においては、プログラム2のビデオデータとオーディオデータを分離している。
【0018】
この分離に際しては、パケットに付与されているPID(パケットID)を見る。そして、それが所望のプログラムのビデオデータ及びオーディオデータを識別するPIDであれば、それぞれMPEGビデオデコーダ4とMPEGオーディオデコーダ5へ送る。図2においては、プログラム番号2のビデオデータに付与されているPIDは“xx”であり、オーディオデータに付与されているPIDは“yy”である。なお、デジタル信号処理装置においてプログラム番号とPIDとの対応関係を知る方法については、後述する。
【0019】
MPEGビデオデコーダ4へ送られたビデオデータは、バッファメモリ4aに記憶され、適宜読み出されて復号化される。復号化されたビテオデータはNTSCエンコーダ6によりNTSC方式のビデオ信号に変換され、D/Aコンバータ7によりアナログビデオ信号に変換された後、外部のモニタ装置(図示せず)へ供給される。また、MPEGオーディオデコーダ5へ送られたオーディオデータは、バッファメモリ5aに記憶され、適宜読み出されて復号化される。復号化されたオーディオデータは、D/Aコンバータ8によりアナログオーディオ信号に変換された後、モニタ装置等のスピーカー(図示せず)へ供給される。
【0020】
以上のようにして、デジタル放送のビデオ信号及びオーディオ信号を受信し復号化してモニタ装置に表示することができる。
【0021】
次に付加情報について説明する。前述したように、多重化されたビットストリーム中にはPSI(プログラム使用情報)やEPG(電子番組ガイド)あるいはSI(サービス情報)が付加されている。ここでは、MPEGで規定されているPSIと欧州のデジタル放送であるDVB(Digital Video Broadcasting)システムで規定されているSIについて説明する。
【0022】
▲1▼:PAT(Programme Association Table)
このテーブルはMPEGで規定されており、PID(パケットID)は0である。そして、主な内容は、後述するNITのPIDと、PMTのPIDの記述である。
【0023】
▲2▼:PMT(Programme Map Table)
このテーブルもMPEGで規定されており、PIDは前述したPATにより決められている。主な内容は、プログラム番号とPIDとの対応の記述と、ECM(番組に付随するスクランブルデータ)のPIDの記述である。
【0024】
▲3▼:CAT(Conditional Access Table)
このテーブルもMPEGで規定されており、PIDは1である。そして、主な内容は、EMM(顧客向けのスクランブル情報)の記述である。
【0025】
▲4▼:NIT(Network Information Table)
PIDは0010である。そして、主な内容はネットワーク名(衛星名、地上波送信所等)の記述と、その各トランスポートストリーム(物理チャンネル)に関する変調方式や周波数の記述である。
【0026】
以下のテーブルはDVBで規定されている。
▲5▼:BAT(Bouquet Association Table)
PIDは0011である。そして、主な内容は、ブーケ(Bouquet:番組供給者)の名称と仕向国の記述、及びトランスポートストリーム(物理チャンネル)に関するサービスの内容とCASS(Conditional Access Service System)方式の記述である。
【0027】
▲6▼:SDT(Service Description Table)
PIDは0011である。そして、主な内容は、トランスポートストリーム(物理チャンネル)に関し、そこに含まれるサービスIDとそのブーケの名称等の記述である。ここで、サービスIDとは、NHK衛星第1、NHK衛星第2等の放送チャンネルのことである。すなわち、MPEGで規定されているブログラム番号と同じである。
【0028】
▲7▼:EIT(Event Information Table)
PIDは0012である。そして、主な内容は、イベントIDとその開始時刻、放送時間、番組内容等の記述である。そして、このイベントID毎にトランスポートストリームIDとサービスIDが記述されている。ここで、イベントとは、例えば「7時のニュース(12月1日放送分)」等の番組のことである。
【0029】
▲8▼:TDT(Time and Data Table)
PIDは0010である。そして、主な内容は、世界標準時の情報の記述である。このTDTを用いて装置内の時計(図示せず)の時刻合わせを行える。
【0030】
▲9▼:RST(Running Status Table)
PIDは0013である。そして、主な内容は、イベントの実行状況の記述である。すなわち、あるイベントの開始前、実行中、終了等の記述をする。
【0031】
次にデジタル信号処理装置におけるマイコン9が以上説明したPSIとSIをどのように処理するかについて説明する。
【0032】
まず、デジタル信号処理装置においては、各ネットワークの方式に合わせて、定数等の設定を行う。この情報はNITに記述されているので、各トランスポートストリームに対し変調方式、周波数、ビットレート、誤り訂正方式等が得られる。設定後、これらの情報はマイコン9のEEPROM(図示せず)に格納する。
【0033】
次に、EITを用いてイベントの検索を行う。各放送イベントには固有のイベントIDが付与され、EITに放送番組の名称や内容が開始時刻と共に記述され、イベント毎にそのトランスポートストリームIDとサービスIDが記述されている。そこで、EITからトランスポートストリームIDを判別し、NITで得たトランスポートストリームの定数を用いてデジタル信号処理装置を設定し、所望のチャンネルのトランスポートストリームを選択する。
【0034】
以上フロントエンド1において所望のチャンネルのトランスポートストリームを選択する際の処理を説明した。次にデマルチプレクサ2の出力をMPEGビデオデコーダ4及びMPEGオーディオデコーダ5へ送る際のマイコン9の処理について説明する。
【0035】
図3にデマルチプレクサ2へ入力されるトランスポートストリームの1例とその中のPAT及びPMTの内容を示す。また、図4はバッファメモリ3の内部構成例を示す。そして、図5はこの処理の流れを示す図である。ここでは、プログラム番号1の放送を選択したものとして説明する。
【0036】
まず図5のステップS1に示すように、フロントエンド1の出力をデマルチプレクサ2を通してバッファメモリ3に書き込む。バッファメモリ3は、図4に示すようにデータ毎に格納エリア3A〜3Cが定められているので、それぞれのエリアに書き込む。
【0037】
次にステップS2に示すように、バッファメモリ3の付加情報エリア3Cに書き込んだ付加情報の中からPATを探す。この処理はPIDが0のパケットを探せばよい。図3(2)に示すように、PATにはプログラム毎のPMTのPID(ここでは、PMT1のPIDを“cc”、PMT2のPIDを“dd”とした)が記述されている。
【0038】
そこで、次にPIDが“cc”のパケットを探す。これによりプログラム番号1に対応するPMT1を検出することができる。図3(3)に示すように、PMT1にはプログラム番号1の、MPEGビデオデータ、MPEGオーディオデータ、及びECMのPIDが記述されている。
【0039】
したがって、プログラム番号1の放送を見る場合には、バッファメモリ3のMPEGビデオデータエリア3AからPIDが“aa”のパケットを読み出し、デマルチプレクサ2を通してMPEGビデオデコーダ4へ送り、MPEGオーディオデータエリア3BからPIDが“ab”のパケットを読み出し、デマルチプレクサ2を通してMPEGオーディオデコーダ5へ送る。図2に示したように、このときヘッダを除いたデータだけを送る。また、PIDが“xx”のパケットに記述されているECM情報を用いてスクランブルをデコードする。
【0040】
もしプログラム番号2の放送を見る場合には、同様にしてPIDが“dd”のパケットを探す。このパケットには図3(4)に示すように、プログラム番号2の、ビデオデータ、オーディオデータ、及びECMのPIDが記述されている。そこで、MPEGビデオデータエリア3AからPIDが“ba”のパケットを読み出してMPEGビデオデコーダ4へ送り、MPEGオーディオデータエリア3BからPIDが“bb”のパケットを読み出してMPEGオーディオデコーダ5へ送る。また、PIDが“zz”のパケットに記述されているECM情報を用いてスクランブルをデコードする。
【0041】
以上フロントエンド1から入力されたトランスポートストリームをデコードする通常の処理について説明した。図1のデジタル信号処理装置は、さらにデマルチプレクサ2で分離したMPEGビデオデータ、MPEGオーディオデータ、及び付加情報をデジタルインタフェース11を介して外部の記録再生装置、例えばDVCRへ出力することができる。また、外部の記録再生装置が出力したMPEGビデオデータ、MPEGオーディオデータ、及び付加情報をデジタルインタフェース11を介して受信し、デマルチプレクサ2へ送ることができる。次にこれらの処理について説明する。
【0042】
まずデマルチプレクサ2の出力をデジタルインタフェース11から外部へ送出する際の処理について説明する。この処理の大半は前述した通常の処理と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。
【0043】
MPEGビデオデータ及びMPEGオーディオデータはパケットヘッダを付けたままデジタルインタフェース11へ送る。つまり、マイコン9がバッファメモリ3から読み出すときに、ヘッダごと読み出し、デマルチプレクサ2を通してデジタルインタフェース11へ送る。
【0044】
PSI及びSIもヘッダを付けたままデジタルインタフェース11へ送る。ただし、PATは選択したプログラム番号のPMTを指定するPIDだけを残し、他は除去する。例えばプログラム番号1を選択した場合には、PMT1のPID(図3の場合においては“cc”)だけを残し、他は除去する。
【0045】
このようにしてデジタルインタフェース11へ送られたデータは、ここから外部へ送出される。デジタルインタフェース11は、例えばIEEE−1394に準拠したものである。この場合、データをIEEE−1394のアイソクロナスパケットに入れて出力する。デジタルインタフェース11から出力されたアイソクロナスパケットは、外部のDVCR等へ送られる。そして、ここでアイソクロナスパケットからデータが取り出され、記録系におけるエラー訂正符号を付加され、チャネルコーディング処理を受けた後、記録される。
【0046】
次に外部からの入力をデジタルインタフェース11からデマルチプレクサ2へ送る際の処理について説明する。外部からデジタルインタフェース11に入力されたアイソクロナスパケットは、ここで元のMPEGのビデオデータ、MPEGのオーディオデータ、及び付加情報が取り出され、デマルチプレクサ2を通ってバッファメモリ3に書き込まれる。
【0047】
バッファメモリ3に書き込まれたMPEGビデオデータ及びMPEGオーディオデータの処理は、前述した、フロントエンド1から入力されたトランスポートストリーム中のこれらのデータの処理と同じである。一方、バッファメモリ3に書き込まれたPSI及びSIに対して以下のように処理する。
【0048】
PATとPMTはそのまま使用する。前述したように、デジタル信号処理装置から外部のDVCRへデータを出力する際に、PATから選択したプログラム番号のPMTを指定するPIDだけを残し、他は除去しているので、ここで外部のDVCRから入力されたデータ中のPATには入力中のプログラム番号のPMTを指定するPIDだけが記述されている。したがって、PATを見てPMTを探し、そのPMTを見て入力中のプログラムのMPEGビデオデータ及びMPEGオーディオデータを読み出すことができる。読み出したMPEGビデオデータ及びMPEGオーディオデータは、デマルチプレクサ2を通ってMPEGビデオデコーダ4及びMPEGオーディオデコーダ5へ送られ、以後フロントエンド1からのこれらのデータと同様に処理される。
【0049】
EITについては、PAT内に記述されているプログラムのアクチュアル(actual)かつプレゼント(present)の情報のみをデコードし、他は無視する。ここで、アクチュアルとは選択したチャンネルのトランスポートストリームであることを意味し、プレゼントとは選択したプログラムが現在放送中であることを意味する。
【0050】
RSTについては、PAT内に記述されているプログラムに関するもののみをデコードし、他は無視する。SDTについては、PAT内に記述されているプログラムのアクチュアルのもののみをデコードし、他は無視する。
【0051】
NITはフロントエンド1における設定に必要であるが、デマルチプレクサ2においては必要ないので無視する。BATについても同様に無視する。
【0052】
TDTについては、外部の記録/再生装置の再生信号を入力する際には、記録再生装置の再生信号中のTDTは録画時の時刻を示すものであって、現在の時刻を示すものではないため、このTDTは無視する。外部からの入力信号が記録/再生装置の再生信号ではなく、そのTDTが現在の時刻を示すものである場合には、そのTDTをデコードする。つまり、現在の時刻を示すものであるかないかによって処理を変える。そのため、TDTの時刻が現在のものであるかないかを示す情報を外部からの入力信号に付加することが好適である。これにより、内蔵時計の時刻合わせの際に誤った時間に合わせる事態を避けることができる。
【0053】
なお、以上の説明ではデマルチプレクサ2から外部へ1個のプログラムのMPEGビデオデータ及びMPEGオーディオデータを送出するものとして説明したが、例えば外部のDVCRが複数プログラムの記録が可能な記録レートを持つものであれば、複数プログラムを送出するように構成してもよい。
【0054】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、外部との間で復号化前のビデオデータ、復号化前のオーディオデータ、及び付加情報の送受信を行うことができる。したがって、外部の記録/再生装置において、これらのデータ及び付加情報を効率的にかつ劣化することなく記録/再生することができる。
【0055】
また、外部から入力される付加情報に対しては、受信したトランスポートストリーム中の付加情報の処理とは異なる処理を行うことができる。例えば、外部から入力されるプログラムのビデオデータ及びオーディオデータと関係のない付加情報を無視する。これにより、外部から入力されていないプログラムに関する番組ガイドを誤って表示する事態を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したデジタル信号処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】1チャンネル分のトランスポートストリームの例を示す図である。
【図3】デマルチプレクサへ入力されるトランスポートストリームの1例とその中のPAT及びPMTの内容を示す図である。
【図4】図1におけるバッファメモリ3の内部構成例を示す図である。
【図5】デマルチプレクサの出力をMPEGビデオデコーダ及びMPEGオーディオデコーダへ送る際のマイコンの処理の流れを示す図である。
【符号の説明】
1…フロントエンド、2…デマルチプレクサ、4…MPEGビデオデコーダ、5…MPEGオーディオデコーダ、9…マイコン、11…デジタルインタフェース
Claims (2)
- 外部から供給され、多重化された複数チャンネルからなり、符号化されてなるトランスポートストリームを受信する受信手段と、
上記受信手段により受信された当該トランスポートストリームから任意の1チャンネルのトランスポートストリームを選択する選択手段と、
上記選択手段により選択したトランスポートストリームに含まれている付加情報を参照して該トランスポートストリームから任意のプログラムのデータを分離する分離手段と、
上記分離手段により分離したデータを復号化する復号手段と、
外部の記録再生装置とデータの送受信を行うためのデジタルインタフェースと、
上記選択手段により選択した上記トランスポートストリームに含まれている付加情報の内、上記デジタルインタフェースと接続されている外部の記録再生装置に対して送信されるプログラムに関係しない情報を削除する削除手段とを備え、
上記デジタルインタフェースは、上記削除手段により上記デジタルインタフェースと接続されている外部の記録再生装置に対して送信されるプログラムに関係しない情報を削除した後のトランスポートストリームを外部の記録再生装置に送信し、また、外部の記録再生装置から送信されてきたトランスポートストリームを受信することを特徴とするデジタル信号処理装置。 - 上記分離手段は、分離すべきトランスポートストリームが上記選択手段から供給された場合には、当該トランスポートストリームに含まれている付加情報を参照して分離処理を行い、また、分離すべきトランスポートストリームが上記デジタルインタフェースによって受信した外部の記録再生装置から送信された場合には、当該トランスポートストリームに含まれている付加情報の一部のみを参照して処理を行うものであることを特徴とする請求項1記載のデジタル信号処理装置。
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