JP4296707B2 - テープドライブ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気テープとしてのテープ状記録媒体に対応して記録又は再生が可能なテープドライブ装置に関わる。
【0002】
【従来の技術】
磁気記録された記録媒体から再生を行うための磁気ヘッドとして、MR(MagnetoResistive)ヘッドが知られている。
MRヘッドは、周知のように、磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗型の磁気ヘッドである。つまり、磁性体に電流を流した場合に、電流の流れる方向と磁性体の磁化の向きが変わることによって磁性体の抵抗が変化するという特質を利用しているものである。
【0003】
このMRヘッドは、いわゆるMR膜といわれる素子に対してヘッドに一定のバイアス電流(センス電流等ともいわれる)を流すようにされ、これによって、抵抗の変化を電圧の変化として読み出すことで磁気記録媒体からの再生を行う。
このバイアス電流としては、適切なバイアス値を与えないと再生波形が歪んでしまって適正な復号ができなくなり、エラーが増加する。
図22には、MR素子の特性として入力磁界と出力電圧との関係を示している。この図に示される、釣り鐘型の特性曲線の比較的直線性の良い部分(ほぼ中央の領域)を動作点とすれば歪みの少ない再生波形が得られる。工場出荷時にはこのような特性が得られるようにバイアスの調整が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
MRヘッドは、これまでハードディスク装置の再生用ヘッドとして広く利用されてきており、このMRヘッドの採用が、近年におけるハードディスクの高記録密度化の一因になっているという背景がある。
そして、このようなMRヘッドを例えばヘリカルスキャン方式によって記録再生を行う磁気記録再生装置に適用すれば、これまでに使用されている薄膜ヘッドよりも高記録密度化を促進することが可能となる。
【0005】
しかし、MRヘッドをヘリカルスキャン方式による記録再生装置に適用する場合には、次のような問題を有している。この点について、図23、図24、及び図25を参照して説明する。
図23(a)(b)には、ハードディスクとヘッドとの位置関係が示されている。この場合には、図23(a)に示すようにして、ヘッド101はディスク100の記録面上に在るようにされるが、ディスク100が回転してヘッド101により再生を行う際には、図23(b)に示すようにして、ヘッド101は、ディスク101の記録面上に対して浮上するようにしてトレースする。従って、ヘッド101自体の摩耗は生じないこととなる。
【0006】
また、図24(a)には、非ヘリカルスキャン方式による磁気テープ対応の記録再生装置に採用される、固定ヘッドユニット110が示される。また、この固定ヘッドユニット110においては、規定のトラック数に応じた複数ヘッドの集合より成る、マルチトラックヘッド111が設けられている。
そして、この固定ヘッドユニット110は、固定的に取り付けられた上で、磁気テープ114に対して記録再生を行う場合には、図24(b)に示すようにして、磁気テープ114がマルチトラックヘッド111と接する状態で走行する。
この場合、磁気テープ114とマルチトラックヘッド111とは、摺接する状態となるため、マルチトラックヘッド111が摩耗することになる。但し、この場合には、磁気テープ114とマルチトラックヘッド111との当たり面積が大きいため、その磨耗の程度は僅かなものとなる。
【0007】
図25(a)には、ヘリカルスキャン方式による磁気テープ対応の記録再生装置に採用される、ヘッドドラム120が示されている。
周知のように、ヘリカルスキャン方式に対応するヘッドドラム120は、固定ドラム122に対して、ヘッド123が配置された回転ドラム121を回転可能に取り付けた構造を有する。そして、図25(b)に示すようにして、ヘッドドラム120の側面に対して磁気テープ124を所定の斜角を有して巻き付けた状態で走行させると共に、回転ドラム121側をテープ走行速度に応じた所定速度で回転させることで、磁気テープ124に対して斜め方向のトラックをトレースすることで記録再生を行うものである。
【0008】
しかし、一般に回転ドラム121に設けられるヘッド123は、テープと接触する面が0.1mm×2mmぐらいしかない小さなものであることから、ヘッド123はより磨耗しやすくなる。
MRヘッドは、磨耗するのにつれて図22に示した特性が変化するという特質を有しており、従って、使用時間に伴う摩耗によって、工場出荷時に調整された最適とされるバイアス値から非可逆的にずれてしまうことになる。
バイアス値にずれが生じてきた場合には、図22に示した特性に偏りが生じることになるため、必然的に再生エラーの頻度が高くなってしまうことになる。例えば実際の磁気記録再生装置においては、再生エラーが生じたときには、エラーとなったデータ位置についての読み込みを再度行う、いわゆるリトライ動作が実行されるようになっているが、上記のようにして再生エラーの頻度が高くなると、リトライ動作時における再読み込み動作を繰り返す回数が多くなり、これに起因してデータ転送レートが低下してしまうことになる。また、再生エラーの程度によっては再生不能になってしまう可能性も生じる。
【0009】
以上の説明から、MRヘッドを、ヘリカルスキャン方式等をはじめとする、磁気テープとヘッドが摺接して再生を行うような方式を採る録再生装置に搭載する場合には、ヘッドの摩耗は避けることができず、これに伴うバイアス値のずれも避けられない問題となってくることが理解される。従って、係る問題を解決しなければ、MRヘッドを磁気テープ対応の記録再生装置に適用しても、必要充分とされる長期間にわたって信頼性のある再生性能を確保することは期待できないことになる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は上記した課題を考慮して、テープ状記録媒体に対応して記録又は再生を行うテープドライブ装置として次のように構成する。
つまり、テープ状記録媒体に対応して記録又は再生を行うテープドライブ装置において、磁気抵抗型ヘッドと、磁気抵抗型ヘッドに対してバイアス電流を流すバイアス回路と、磁気抵抗型ヘッドにより再生された再生信号について評価を行う評価手段と、不揮発性メモリと、テープ状記録媒体のフォーマットを判別する判別手段と、リトライシーケンスにおいて、トラックを再生するごとに、バイアス回路のバイアス電流値を可変して設定すると共に、可変されたバイアス電流値ごとに対応して評価手段による評価を実行させることで得た評価結果に基づいて、適切とされるバイアス電流値を決定し、この決定されたバイアス電流値を上記バイアス回路に対して設定するとともに、決定されたバイアス電流値を、判別手段により判別されたフォーマットごとに区分して不揮発性メモリに対して記憶させる制御手段とを備えることとした。
【0011】
上記構成によれば、テープ状記録媒体に対応するテープドライブ装置としては、例えばMRヘッドに代表される磁気抵抗型ヘッドが搭載される。そして、リトライ動作時においては、磁気抵抗型ヘッドに流すべきバイアス電流値を可変し、この可変したバイアス電流値ごとに対応して得られた評価結果に基づいて、適切とされるバイアス電流値を設定するようにされる。
これにより、例えば磁気抵抗型ヘッドの摩耗等によって特性が変化したとしても、この変化した特性に対応して適切とされるバイアス値を探し出して設定することができる。
【0012】
また、テープ状記録媒体に対応して記録又は再生を行うテープドライブ装置について次のようにも構成する。
つまり、テープ状記録媒体に対応して記録又は再生を行うテープドライブ装置において、磁気抵抗型ヘッドと、磁気抵抗型ヘッドに対してバイアス電流を流すバイアス回路と、磁気抵抗型ヘッドにより再生された再生信号について評価を行う評価手段と、不揮発性メモリと、テープ状記録媒体のフォーマットを判別する判別手段と、キャリブレーション動作において、トラックを再生するごとに、バイアス回路のバイアス電流値を可変して設定すると共に、可変されたバイアス電流値ごとに対応して評価手段による評価を実行させることで得た評価結果に基づいて、適切とされるバイアス電流値を決定し、この決定されたバイアス電流値をバイアス設定手段に対して設定するとともに、決定されたバイアス電流値を、判別手段により判別されたフォーマットごとに区分して不揮発性メモリに対して記憶させる制御手段とを備えることとした。
【0013】
上記構成によっても、テープ状記録媒体に対応するテープドライブ装置において磁気抵抗型ヘッドが搭載される。そして、キャリブレーション動作時においては、磁気抵抗型ヘッドに流すべきバイアス電流値を可変し、この可変したバイアス電流値ごとに対応して得られた評価結果に基づいて、適切とされるバイアス電流値を設定するようにされる。
従ってこの場合にも、例えば磁気抵抗型ヘッドの摩耗等によって特性が変化したとしても、この変化した特性に対応して適切とされるバイアス値を探し出して設定することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について説明を行っていくこととする。
本実施の形態の記録装置、再生装置としては、例えばホストコンピュータと接続されて使用されるデータストレージ機器であり、磁気テープに対応してユーザデータの記録再生を行うテープストリーマドライブを例に挙げることとする。そして、このテープストリーマドライブとして、再生ヘッドにMRヘッドを備えると共にヘリカルスキャン方式に対応する構成を採っているものとされる。
MRヘッドは、前述もしたように、磁気ヘッドとして磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗型の磁気ヘッドであり、磁性体に電流を流した場合に、電流の流れる方向と磁性体の磁化の向きが変わることによって磁性体の抵抗が変化するという特質を利用して、磁気記録媒体からの再生を行うものである。
また、以降の説明は次の順序で行っていく。
1.第1の実施の形態
1−1.テープストリーマドライブの構成
1−2.リトライシーケンス時の処理動作(第1例)
1−3.リトライシーケンス時の処理動作(第2例)
2.第2の実施の形態
2−1.評価信号
2−2.テープストリーマドライブの構成(第1例)
2−3.リトライシーケンス時の処理動作
2−4.テープストリーマドライブの構成(第2例)
3.変形例
3−1.MRバイアス設定をキャリブレーションにより行う場合
3−2.メモリ付きカセットに対応する場合
【0017】
1.第1の実施の形態
1−1.テープストリーマドライブの構成
図1は、第1の実施の形態としてのテープストリーマドライブの構成例を示している。なお、周知のように、MRヘッドは再生に用いられることから、この図においては、再生系のみを示し、記録系については省略している。
再生MRヘッドは、ここでは図示しない回転ヘッドに設けられていることで、ヘリカルスキャン方式によって磁気テープにトラックとして記録された情報について磁気再生を行い、静電容量Cを介して再生RF信号としてヘッドアンプ12に対して出力する。
ヘッドアンプ12では入力した再生RF信号について増幅を行い、ロータリートランス13を介して固定側の再生回路系に対して伝送する。
【0018】
ロータリートランス13を介して固定側に入力された再生RF信号は、例えば先ず検出回路14に入力されて、例えばここで記録変調方式、信号伝送特性に対応した検出処理が行われることで、デジタル信号に波形整形される。そして、デジタル再生信号としてエラー訂正回路15に対して入力される。
エラー訂正回路15では、入力されたデジタル再生信号についてエラー訂正処理等を施して最終的には再生データを得るようにされる。この再生データは、例えばシステムコントローラ20の制御によって、ここでは図示しないホストコンピュータにユーザデーターとして転送される。
【0019】
また、システムコントローラ20は、メモリインターフェイス22を介して、テープカセットに備えられるメモリであるMIC(Memory In Cassete)4と通信可能な構成を採っている。このMICには後述するようにして、主としては、そのテープカセットについての記録再生を管理するための管理情報が記憶されており、例えば記録再生時において、このMIC4の内容を読み出すことで、適正な記録再生を実行するようにされる。
本実施の形態においては、後述するようにして得られた再生MRヘッド11のためのバイアス電流値(以降、MRバイアスという)の情報を、このMIC4に対して格納するようにされるのであるが、これについては、変形例として後述する。
【0020】
再生MRヘッド11は、再生を行うのにあたり、MRバイアスを流すことが必要とされる。また、本実施の形態においてはこのMRバイアスを可変する構成を採る。ここで、MRバイアスは直流電流なのでバイアスを発生させるための回路は必ず回転ドラム側に配置される。しかし、バイアスを変更設定するのは、固定側のシステムコントローラ20が行うために、次のような構成が採られる。
【0021】
システムコントローラ20は、所要のMRバイアス値を発生させて、D/Aコンバータ16に対して入力する。D/Aコンバータ16では、このMRバイアス値に応じた電圧値を発生させてVCO17に対して出力する。VCO17では、D/Aコンバータ16から入力された電圧値に応じた周波数信号を発生させる。つまり、交流に変換することで、ロータリートランス13を介しての伝送を可能とするものである。
ロータリートランス13を介して回転ドラム側に伝送された周波数信号は、F−V変換回路18に入力され、ここで周波数信号をMRバイアス値に応じたレベルの直流電圧に変換し、バイアス回路19へ入力する。
バイアス回路では、入力された直流電圧値に応じてMRバイアスを可変設定する。そして設定したMRバイアスとしての直流電流を再生MRヘッド11を形成するMR素子に対して供給する。
【0022】
また、本実施の形態においては、システムコントローラ20に対して不揮発性メモリ21が設けられる。不揮発性メモリ21は周知のように、例えばテープストリーマドライブの電源がオフとなるのにともなって電源供給がオフになったとしても、内部に記憶された情報を保持することが可能な特質を有するメモリ素子より成る。
本実施の形態においては、この不揮発性メモリ21には、後述するようにして本実施の形態のリトライ動作によって求められた適切とされるMRバイアス値の情報が格納されるものである。
【0023】
1−2.リトライシーケンス時の処理動作(第1例)
一般に、テープストリーマドライブにおいては、データの記録再生の信頼性を確保し、また向上させることを目的として、いわゆるリトライシーケンスを実行する。このリトライシーケンスとは、例えば記録時であれば記録ヘッドにより磁気テープに対して書き込んだ情報を、その直後において再生ヘッドにより再生する。そして、この再生時におけるエラーレートが所定以上であると、再度、そのエラーレートが所定以上であったとされる領域(トラック)についてのデータ記録をやりなおすものである。
また、再生時であれば、エラー訂正してもデータを修復できないとされる程度にひどいエラーが発生した場合は、巻き戻して同じトラックを再生するものである。
【0024】
ここで、記録/再生エラーの発生については、テープ傷、ヘッド汚れ、サーボ不調、トラック直線性異常など各種の原因が存在するのであるが、本実施の形態のように再生MRヘッド11を利用する装置では、バイアスズレという新たな不良原因が加わることになる。つまり、従来の問題点として指摘したように、MRヘッドの摩耗によって素子の特性が変化することで、適切とされるMRバイアスも変化するものである。したがって、本実施の形態のように再生MRヘッド11を備えるばあいには、リトライシーケンス時にMRバイアスを変化させて同じトラックを再生し直すことで、その変化されたMRバイアスが適正なものとなって再生エラーでなくなる可能性を充分に有していることになる。
【0025】
そこで、本実施の形態としては、例えば図2のフローチャートに示す処理によってリトライシーケンスを行うことで、適切とされるMRバイアスを設定するようにされる。なお、ここでは説明の便宜上、再生時におけるリトライシーケンスを例に挙げているが、記録時におけるリトライシーケンスにあっても、この図に準じた処理によって、同様にしてMRバイアスを設定することが可能である。また、この図に示す処理は、システムコントローラ20が実行する。
【0026】
この場合、先ずステップS101において、磁気テープに記録されているトラックのうちから所要の1つのトラックを再生するための処理が実行されている。そして、次のステップS102においては、上記ステップS101により再生された1トラックのデータについてのエラー訂正結果についてOKであったか否かが判別される。
ここで、エラー訂正結果がOKなのであれば、一旦、この図に示すルーチンを抜けるようにして、次のトラックを再生するための処理、すなわちステップS101の処理に再度移行する。
これに対してエラー訂正結果がNGとされた場合には、ステップS103に進むことでリトライシーケンスのための処理に移行することになる。
【0027】
ステップS103においてはMRバイアスを最小値に設定してステップS104に進む。
ステップS104においては磁気テープの巻き戻しを行って、ステップS105によりその再生エラーが発生したとされるトラックを再び再生する。 次のステップS106においては、上記のようにして再生されたトラックについてのエラー訂正結果がOKであったか否かについて判別を行う。
ここで、先ず、エラー訂正結果がNGであるとして否定結果が得られた場合には、ステップS107に進んで、MRバイアスが最大値となっているか否かについて判別し、最大値でなければ、ステップS108により現在のMRバイアスに対して所定のΔ増加させたMRバイアスを設定してステップS104に戻ることになる。
つまり、ステップS104〜S108の処理としては、リトライシーケンスとして、再生データのエラー訂正結果にOKが出るまでは、MRバイアスをΔづつ増加させるようにして可変設定していくようにされるものである。
【0028】
そして、或るMRバイアスが設定された段階において、ステップS106にてエラー訂正結果がOKであるとの肯定結果が得られた場合には、ステップS109に進むようにされる。
ステップS109では、現在のMRバイアスの設定値を不揮発性メモリ21に対して書き込んで記憶させるようにする。そして、例えばステップS101に戻ることで次のトラックを再生するための処理に移行する。
【0029】
なお、リトライシーケンスの過程において、ステップS107により現在のMRバイアスが最大値であることが判別された場合には、設定可能なMRバイアスの何れの値によっても再生データの品質が向上しなかったことになる。この場合には、再生エラーの原因はMRバイアスずれ以外の要因であると判断してよいこととなるため、例えば他の所定のエラー原因を想定した他のリトライ処理に移行するようにされる。
【0030】
このような処理によれば、再生データについてOKのエラー訂正結果が得られたときのMRバイアスが適切な設定値であるとして求められることになる。そして、このときのMRバイアス設定値を不揮発性メモリ21に対して記憶させておけば、以降において電源がオフとされても、不揮発性メモリ21にはMRバイアス設定値が消去されることなく記憶されていることになる。そして、再度電源がオンとなったときには、この不揮発性メモリ21に記憶されているMRバイアス設定値をバイアス回路19に対して設定すれば、エラーが無いとされる良好な再生結果が期待されることになる。この結果、例えば電源オン直後における不要なリトライシーケンスは実行されないこととなって、再生信頼性が向上する。
そしてまた、長期間の使用に伴って再生MRヘッド11が摩耗して適切なMRバイアスが変化し、再生エラーが発生したときには、再び、上記したリトライシーケンスによって、新たに適切とされるMRバイアスが設定されるわけであり、このようにして本実施の形態では、常に安定したデータの再生を期待することが可能とされる。
【0031】
なお、上記リトライシーケンスの処理では、最小のMRバイアス値からΔずつ増加させてゆくようにされているが、現在のバイアス設定値から+1Δ,−1Δ,+2Δ,−2Δ,+3Δ,−3Δと変化させるようなシーケンスとされてもよいものである。
【0032】
1−3.リトライシーケンス時の処理動作(第2例)
また、図1に示す構成によるテープストリーマドライブが実行可能な他のリトライシーケンスについて、図3のフローチャートにより説明する。
この図に示す処理においても、先ずステップS201においては1トラックを再生するための処理が実行され、次のステップS202においてエラー訂正結果がOKであるか否かについての判別が行われる。そして、肯定結果が得られた場合には、次のトラックを再生するための処理に移行するが、否定結果が得られた場合にはステップS203に進んでMRバイアスを最小値に設定し、続くステップS204以降のリトライシーケンスに移行する。
【0033】
ステップS204では磁気テープの巻き戻しを行い、続くステップS205において再生エラーがあったとされるトラックを再生する。そして、次のステップS206においては、この再生を行ったトラックについて発生したエラー数をカウントするための処理を実行する。ここでカウントされたエラー数は、ステップS207の処理によって、例えばシステムコントローラ20内部のRAMに用意されたバイアス/エラーカウントテーブルに格納するようにされる。
【0034】
バイアス/エラーカウントテーブルは例えば図4に示す構造を有しており、後述するステップS209の処理によって可変されるMRバイアスの値ごとに対応して得られたエラー数(エラーカウント)が格納されるものである。例えば、或る段階でのステップS206の処理実行時におけるMRバイアスが6mAであるとして、このときのステップS206により得られたエラー数が8であるとすれば、図4の最上段に示すようにして、MRバイアスが6mAに対応しては、「8」という値が格納されるものである。
【0035】
そして、上記ステップS204〜207の処理は、ステップS208にて現在のMRバイアスが最大値であることが判別されるまで繰り返される。そして、ステップS204〜207の処理の繰り返しが開始されるときには、ステップS209によってMRバイアスをΔ増加して設定するための処理が実行される。
従って、ステップS208にて肯定結果が得られた段階では、例えば図4に示すようにして、バイアス/エラーカウントテーブルとして、MRバイアスの設定可能範囲内におけるすべてのΔごとに対応したエラー数が格納されている状態が得られていることになる。なお、この図4に示すテーブルは、ここではΔ=2mAとされて6〜16mAまでの6段階とされているが、これはあくまでも一例である。
【0036】
ステップS208において肯定結果が得られると、システムコントローラ20はステップS210以降の処理によって、適切とされるMRバイアスを設定することになる。
先ずステップS210においては、バイアス/エラーカウントテーブルを参照し、次のステップS211により、参照しているバイアス/エラーカウントテーブルの内容に基づいて、最良とされるMRバイアスを選択する。
【0037】
図4を例に挙げれば、MRバイアス=10mAに対応して得られたエラー数である1が最小であることから、この場合には、MRバイアス=10mAが最良であると判定することになる。
例えば図2に示したリトライシーケンスでは、再生エラーがはじめて解消されたときに得られていたMRバイアスを、適切なMRバイアスとして扱っていたことから、再生エラーが生じない程度に充分とされる適切なMRバイアスは求められるものの、これが必ずしも最良であるとはいえない。
これに対して本実施の形態では、上記したステップS204〜S209の処理によって可変可能なすべてのMRバイアスごとにエラー数のサンプルを行うために、最良のMRバイアスを求めることが可能となるものである。
【0038】
図3においてステップS211の処理によって最良のMRバイアスが選択された後は、次のステップS212において、この選択されたMRバイアスの設定値を不揮発性メモリ21に書き込んで記憶させる。また、このときには、この不揮発性メモリ21に記憶されたMRバイアスの設定値によって、再生MRヘッド11のMRバイアスが設定されている状態にある。
【0039】
そして、続くステップS213〜S215においては、巻き戻し→エラートラック再生→エラー訂正結果の判定からなるリトライシーケンスを実行する。これは、ステップS212までの処理によって設定された最良のMRバイアスによって、再生エラーが解消されるか否かの確認を行うために実行されるものである。そして、ステップS215においてエラー訂正結果がOKであることが判別されたのであれば、次のトラックを再生するための処理に移行するが、NGであるとして否定結果が得られた場合には、例えば他の原因を前提としてのリトライシーケンスのための処理に移行することになる。
【0040】
ところで、テープストリーマドライブシステムとしては、大容量化を促進するために記録フォーマットの変更が行われていくという現状にある。そして、これに伴って、磁気テープもより出力が高いものに変更されていくのが通常である。ここで、入力磁界が大きな磁気テープを再生する場合は、図5に示すようにMR特性のリニアな領域をほぼ占有するようにして利用することになるので、この図からも理解されるように利用可能な動作点が狭くなる。つまり、フォーマットが進化するのに応じて、適切とされるMRバイアスのマージンは厳しいものとなり、また、適切とされるMRバイアスの設定値自体も変化し得るものである。
また、テープストリーマドライブとしては、後発となるフォーマットに対応するものは、先発フォーマットにも対応して記録再生可能なように、つまり、下位互換性が与えられるようにして構成される。
従って、テープストリーマドライブの実際としては、フォーマットにより異なる入力磁界強度に対応できるよう、MRバイアスの設定値のメモリ内容としてもも、フォーマットごとに複数用意しておくことが好ましい。
【0041】
このためには、不揮発性メモリ21に記憶すべきMRバイアスのテーブル構造として、例えば上記図2又は図3に示した処理によって求めたMRバイアスについて、テープフォーマットごとに管理されるようにすればよい。
なお、図示しないが、通常はテープカセットの筐体に対してテープフォーマットに対応した識別孔が設けられるようになっている。そして、テープストリーマドライブにおいては、この識別孔を検出して装填されたテープカセットのテープフォーマットを判別するようにされている。従って、実際に図2又は図3に示した処理によってMRバイアスを求めて不揮発性メモリ21に記憶させる際には、上記のようにして判別されたテープフォーマットに対応して用意された格納領域にMRバイアスを記憶させればよいものである。
そして、新たにテープカセットが装填されたときには、そのときに判別したテープフォーマットに対応して格納されているMRバイアス設定値を読み出してバイアス回路19に設定すればよいものである。
なお、このようなテープフォーマットに対応したMRバイアスの記憶動作に関しては、次に説明する第2の実施の形態においても同様に適用できる。
【0042】
2.第2の実施の形態
2−1.評価信号
第1の実施の形態としては、エラー訂正処理によって得られるエラーレートに基づいて再生信号の歪みを測定していたものであると見ることができる。これに対して以降説明する第2の実施の形態においては、波形解析によって再生信号の歪みを数値化することで、適切とされるMRバイアスを探索する構成を採る。
そこで先ず、このようなMRバイアスの設定のために好適となる評価信号について説明する。
【0043】
図12は、プラスピーク電圧:マイナスピーク電圧=7:10にしてシュミレーションした8T再生波形である。ここでTはチャンネルクロック周期を示している。また、図13に同条件での4T再生波形を示し、図14に同条件での2T再生波形を示す。
これら図12,図13,図14の波形を比較して分かるように、8T→4T→2Tと短波長になるにしたがって、孤立再生波が近接して重ね合わさるため、正弦波に近づいていく。このため、波形についての目視によっては歪みを確認しにくくなっていくのが理解される。
【0044】
そして、図15,図16,図17は、上記図12,図13,図14の波形について、チャンネルクロック周期Tで同期サンプルした状態を示している。
ここで、便宜的に信号の歪み率について、
歪み率=(プラスピーク電圧/マイナスピーク電圧)×100[%]・・・(式1)
であらわされるものとして定義することとすれば、この(式1)を利用して、8T再生波形,4T再生波形,2T再生波形の歪み率を計算した場合には、それぞれ次のようになる。
8T 351mV/485mV=72%
4T 350mV/449mV=78%
2T 325mV/355mV=91%
この計算結果からも分かるように、長波長の方が歪みを感度良く判別できることが理解される。
【0045】
以上のことから鑑みて、本実施の形態では再生信号歪みを評価するための評価信号として、孤立再生波に近い比較的長い波長の信号(長波長信号)を採用することとする。つまり、例えば上記の場合であれば、図12に示されるような8T再生波形の信号(8T信号)を採用するものである。
【0046】
ここで、テープストリーマドライブシステムでは、テープカセットの筐体に設けられた記録禁止ホールにより記録禁止を設定すれば記録が禁止されて、テープストリーマドライブでは磁気テープに対するデータの記録を行わないように動作する。従って、例えばリトライシーケンスが実行されるたびに長波長信号を記録するというシーケンスとしたのでは、記録禁止が設定されている場合には、長波長信号が記録できないために、これを利用したリトライシーケンスを実行できないことになる。
【0047】
そこで、本実施の形態としては、このような長波長信号を記録したエリアをフォーマットしておくこととする。つまり、予めのテープフォーマット時、若しくは、ユーザデータの記録時において長波長信号を記録したエリアを形成しておくようにする。そして、以降におけるリトライシーケンス時においては、後述する処理動作によって、既に記録された長波長信号を用いて信号歪みの評価を行い、その評価結果に基づいて適切とされるMRバイアスを設定するようにされるものである。
【0048】
ここで、磁気テープ上に対して長波長信号をフォーマットするとすれば、トラック上における或る所定領域ということになる。本発明としては、実際に設定された長波長信号の記録位置に対応して記録再生可能なようにテープストリーマドライブを構成すればよいことから、特にトラック上のどの位置に対して長波長信号エリアを形成するのかについての限定は無いのであるが、代表的な例として、以下に3例を挙げておく。
【0049】
第1例は図9に示される。この図9においては磁気テープ3に対してヘリカルスキャン方式によりトラックTK,TK・・・が形成されている状態が示される。
ここで従来からのフォーマットとして、トラックTKごとにおいては、信号の記録再生は可能ではあるが、ユーザデータ等の記録のために必須では無いとされるマージンエリアA1を形成することが規定されている。この場合であれば、マージンエリアA1は、1つのトラックTKにおける両端の所定長の領域として形成されるものである。
そして、第1例としては、トラックTKの両端にある2つのマージンエリアA1,A1をそれぞれ、長波長信号エリアA2,A2とするものである。
【0050】
また、図10には第2例が示される。
ここで、トラックTKの両端にあるマージンエリアA1,A1をヘッドが走査するヘッドスキャン方向に対応させてみた場合には、図において下側端部に位置するマージンエリアA1は、ヘッド走査の開始位置に対応して形成されており、一方、上側端部に位置するマージンエリアA1は、ヘッド走査の終了位置に対応して形成されていることになる。
そして、この第2例としては、これらトラックTKの両端にあるマージンエリアA1,A1のうち、ヘッド走査の終了位置に対応して形成された側のマージンエリアA1のみを長波長信号エリアA2としているものである。
【0051】
例えば所定の変調方式等に基づくユーザデータの最大反転区間が4Tであるとしたときに、長波長信号を8T信号とした場合、この長波長信号は、ユーザデータの最大波長よりも長くなる。このため、チャネルクロックを生成するPLL回路としては、位相比較のために入力するサンプルポイントが少なくなるのであるが、このような信号が、例えばトラック上のヘッド走査の開始位置にあるとすると、初期的にPLL回路の動作が不安定となる可能性がある。
そこで、この第2例のようにしてヘッド走査の終了位置に対応するマージンエリアA1のみを長波長信号エリアA2とすれば、上記のようにトラック走査開始時においてPLL回路の動作が不安定になる可能性を排除でき、また、ヘッド走査の終了位置側に記録された長波長信号エリアA2の再生も安定したものとすることが可能となる。
【0052】
また、図11に第3例を示す。
この第3例にあっては、連続して形成される所定数のトラックTK,TK・・・ごとにわたって形成される長波長信号エリアA2,A2・・が、図示するように、見た目として縦並びとなるように形成するものである。
磁気テープにあっては、記録信号波長が長くなるほど隣接トラックとのクロストークが増加することが分かっている。従って、隣接するトラック間で、長波長信号エリアA2と同じ位置にあるとされるエリアが、波長がより短いユーザデータエリア等であると、このユーザデータエリアがクロストークの影響を受けやすくなる。
そこで、図11に示すような長波長信号エリアA2の配列パターンとすれば、隣接するトラック間で長波長信号エリアA2と同位置に在るエリアもまた、長波長信号エリアA2となることから、上記のようなユーザデータエリアに対するクロストークの影響を排除することができるものである。
【0053】
2−2.テープストリーマドライブの構成(第1例)
上記のようにしてフォーマットされた長波長信号を利用して最終的に適切なMRバイアスを求めることのできるテープストリーマドライブの構成として、ここでは第1例と第2例の2例を挙げることとする。
【0054】
図6は、第1例としてのテープストリーマドライブの構成を示している。なお、この図において図1と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。また、この図に示すテープストリーマドライブは、長波長信号として図12に示した8T信号がフォーマットされている場合に対応した構成を採っている。
【0055】
この図に示すテープストリーマドライブとしては、ロータリートランス13を介して固定側に伝送されてきた再生RF信号は、検出回路14だけではなく、8Tバンドパスフィルタ31及び4Tバンドパスフィルタ33に対して分岐して入力される。
8Tバンドパスフィルタ31は、8Tに対応する周期の信号成分を通過させて整流器32に出力し、4Tバンドパスフィルタ33は、8Tの2倍(2次高調波)であるところの4Tに対応する周期の信号を通過させて整流器34に出力する。
ここで、長波長信号(基本波)が8Tである場合、歪み率に比例して2次高調波4Tが増減することになる。4Tバンドパスフィルタ33に入力される信号経路は、この歪みの成分を抽出するためのものである。
【0056】
整流器32,34では、それぞれ入力された信号を整流して直流電圧に変換する。整流器32では8Tに対応する周期の信号成分レベルに応じたレベルの直流電圧が得られ、整流器34では4Tに対応する周期の信号成分レベルに応じたレベルの直流電圧が得られることになる。各直流電圧は4T/8T除算回路35に対して入力される。
【0057】
4T/8T除算回路35では、8Tに対応する周期の信号成分の直流電圧レベルをV8t、4Tに対応する周期の信号成分の直流電圧レベルをV4tとすると、
DIS=V4t/V8t・・・(式2)
で表される演算式によって8Tの長波長信号についての歪み率DISを求める。そして、この歪み率DISの値は、D/Aコンバータ36によってアナログ電圧値に変換されてシステムコントローラ20に対して出力される。
ここで、システムコントローラ20は、フォーマット上規定されている、8T信号が記録されているトラック上の位置(エリア)を認識しているものとされ、この8T信号を再生しているタイミングでD/Aコンバータ36の出力をリードし、歪み率を識別する。
【0058】
2−3.リトライシーケンス時の処理動作
そして、上記図6に示したテープストリーマドライブが、リトライシーケンス時においてによって適切とされるMRバイアスを設定するための処理動作を、図7のフローチャートに示す。
この図に示す処理であるステップS301〜S315までの処理の流れは、先に図3に示したステップS201〜S215までの処理の準ずるものとなるので、図3との相違点についてのみ説明する。
【0059】
図7の場合には、ステップS306において、エラーカウント処理を実行するのに代えて、D/Aコンバータ36から出力される長波長信号(8T信号)の歪み率DISを取り込むための処理が行われる。
そして、この取り込んだ歪み率DISの値を、次のステップS307により、バイアス/歪み率テーブルに格納するようにされる。
【0060】
バイアス/歪み率テーブルの構造例を図8に示す。
この図に示すようにバイアス/歪み率テーブルは、ステップS309の処理によって可変されるMRバイアス値ごとに対応して得られた歪み率DISの値が格納されて形成される。
【0061】
そして、ステップS310においては、これまでの処理によって完成したとされるバイアス/歪み率テーブルを参照し、続くステップS311において最良のMRバイアス値を選択することになる。
図8のバイアス/歪み率テーブルの場合であれば、歪み率DISが最小であるのは、MRバイアス=10mA時の「8」であることから、この場合には、MRバイアス=10mAが最良のMRバイアスとして選択されることになる。
そしてこの選択されたMRバイアスをステップS312の処理によって、不揮発性メモリ21に対して記憶させる。
【0062】
なお、この第2の実施の形態としてのテープストリーマドライブにあっても、先に図2に示した処理に準じたMRバイアスの設定を行うことは当然可能である。
また、この場合にも、例えば判別したテープフォーマットごとに管理されるようにして、不揮発性メモリ21に対してMRバイアスを記憶させることが好ましいものである。
【0063】
2−4.テープストリーマドライブの構成(第2例)
ところで、近年のテープストリーマドライブシステムにおいては、高記録密度化の促進を目的として、PRML(Partial Response Maximum Likelihood)が広く採用されている。
これに対応してテープストリーマドライブにおいては、再生系においてデジタル信号に波形整形するための再生RF信号の検出点をサンプルするためのA/Dコンバータを備えている。
そこで、このA/Dコンバータによる検出点データを利用して、高速フーリエ変換(FFT)によって、長波長信号の2次高調波歪み率を求めることが可能である。このような歪み評価に対応する構成を採るのが第2の実施の形態における第2例としての構成なのであるが、このような構成とすれば、既存のA/Dコンバータを利用することができるために、例えばIC化が容易であり、さらに高速応答であるというメリットを有している。
【0064】
但し、FFTによる解析では、入力系列が2のべき乗個でないと計算精度が低下する。そこで、この第2例としての構成を採る場合には、テープフォーマットとして、長波長信号のサンプル数が2のべき乗個になる信号をフォーマットすることが要求される。本実施の形態の場合には、4T信号,8T信号,又は16T信号が好適であると考えられる。4T信号とすれば、1波は8サンプルなので最低8ポイントFFTで済むことになる。また、8T信号では同様に最低16ポイントのFFTとなり、16T信号では最低32ポイントのFFTとなる。
【0065】
そして、このようなFFTにより歪み率の評価を行う構成を採るテープストリーマドライブの構成例を図18に示す。なお、図1と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0066】
図18に示すように、この第2例の場合には、長波長信号の歪み率を測定するための手段としてFFT回路41が設けられることになる。
検出回路14は、PRMLによる再生RF信号について、例えば3値検出などの波形整形のための検出を行って、この検出点のサンプル値をA/DコンバータによってA/D変換することで、デジタル信号への波形整形を行うようにされている。FFT回路41は、この検出回路14による検出点(ポイント)の信号をを入力してFFTを実行する。
【0067】
ここで、例えばフォーマットされた長波長信号が8T信号であるとして、この8T信号の1波を16ポイントFFTした出力例は、図19(a)に示すものとなる。なお、この図19(a)ではチャネルクロック周波数を40MHzとしている。
ここで、歪みを含む場合は偶数次高調波成分≠0になるので、
歪み率DIS=2次高調波成分/基本波成分×100[%]・・・(式3)
のようにして、歪み率を定量化することができるものである。そして、図19(a)に示した場合について上記(式3)による計算を行うと、基本波成分はレベル175であり、2次高調波成分はレベル28として解析結果が得られていることから、
歪み率DIS=28/175=16[%]
のようにして、歪み率が得られることになる。
【0068】
そして、このような第2例の構成においても、リトライシーケンスのための処理動作は、図7に準じたものとなる。つまり、上記のようにしてFFT回路41により得られる長波長信号の歪み率DISを取り込んで(S306)、これをバイアス/歪み率テーブルに格納する(S307)。そして、このような手順をMRバイアスの最小値〜最大値まで繰り返し(S304〜S308)、最終的には、図19(b)に示すようなバイアス/歪み率テーブルを得る。そして、最適とされるMRバイアスを得るようにされるものである(S310〜S312)。
【0069】
3.変形例
3−1.MRバイアス設定をキャリブレーションにより行う場合
続いて、上記第1及び第2の実施の形態を基とした変形例について説明する。上記第1及び第2の実施の形態では、適切とされるMRバイアスをリトライシーケンス時において求め、設定するようにされていたのであるが、例えばテープカセットが装填された直後などに初期的に調整を行う、いわゆるキャリブレーション時において、MRバイアスを設定する構成とすることもできるものである。
【0070】
このような構成の場合にも、第1の実施の形態として説明したような再生データのエラーレートに基づいて行うことは可能ではあるが、ユーザデータが記録されていないテープカセットが装填される可能性は避けられないので、第2の実施の形態として説明した構成を採用することが適当とされる。つまり、予め長波長信号をフォーマット時に記録しておくようにしておけば、フォーマット済みのテープカセットを使用する限りは、キャリブレーションとして、MRバイアスを設定することが可能となるものである。
このキャリブレーションとして行うMRバイアスの設定も、先に図2、図3、及び図7に示した処理動作に準じて実行するようにして構わないものである。但しこの場合には、リトライシーケンスの場合のように、1トラック再生を行うごとにエラーレートを計測して、次のトラックを再生すべきか否かを判断する必要はない。つまり、図2の場合であれば、ステップS103〜S109の処理を1回実行すればよいものであり、また、図3又は図7の場合であれば、ステップS203〜S212又はステップS303〜S312の処理を1回実行すればよいものである。
【0071】
3−2.メモリ付きカセットに対応する場合
また、テープストリーマドライブシステムにあっては、テープカセットに不揮発性のメモリ素子であるMIC(Memory In Casette)を備えたものが知られている。
このMICは、例えばそのテープカセットについての各種使用履歴等をはじめとする管理情報を記憶するために設けられたものであり、これによって、例えば磁気テープ上の先頭位置に在って管理情報が記録されるシステムデバイスエリアにテープを送ってアクセスするための時間を要することなく、これと同等の情報をテープストリーマドライブとの間で授受できることを実現している。
【0072】
図20は、MICを備えたテープカセットの内部構造を概念的に示すものとされる。
この図に示すテープカセット1の内部にはリールハブ2A、2Bが設けられ、この両リールハブ2A及び2B間に磁気テープ3が巻装される。
このテープカセット1には不揮発性メモリであるMIC4が設けられており、このMIC4のモジュールからは5個の端子5A、5B、5C、5D、5Eが導出され、それぞれ電源端子、データ入力端子、クロック入力端子、アース端子、予備端子等として構成されている。このMIC4には、テープカセットごとの製造年月日や製造場所、テープの厚さや長さ、材質、テープ3上のに形成される各パーティションごとの記録データの使用履歴等に関連する情報、ユーザ情報等が記憶される。つまり、当該テープカセットについての記録再生等に必要とされる管理情報が記憶される。
【0073】
図21は、テープカセット1の外観例を示すものとされ、筺体全体は上側ケース6a、下側ケース6b、及びガードパネル8からなり、通常の8ミリVTRに用いられるテープカセットの構成と基本的には同様となっている。このテープカセット1の側面のラベル面9には、端子ピン7A、7B、7C、7D、7Eが設けられており、上記図20にて説明した各端子5A、5B、5C、5D、5Eとそれぞれ接続されている。即ち、テープカセット1は、本実施の形態のテープストリーマドライブと、上記端子ピン7A、7B、7C、7D、7Eを介して物理的に接触してデータ信号等の相互伝送が行われるものとされる。つまり、図1,図6及び図18に示したメモリインターフェイス22としては、上記各端子ピン端子ピン7A〜7Eと接触する端子構造を有してシステムコントローラ20との通信を可能としているものである。
また、ここでの図示は省略するが、先に本出願人によっては、無線によってMIC4と通信可能な構成も出願されており、このような無線対応のMIC4と通信する場合には、メモリインターフェイス22としては、MIC4との無線通信が可能な送受信機能を備えた構成を採ることとなる。
【0074】
ここで、例えば適切とされるMRバイアスは、テープフォーマットによっても異なる可能性があることを述べたが、例えば同一フォーマットであったとしても、例えば磁気テープの長期間使用などによりる磁気特性の劣化などによって、磁気テープごとに適切とされるMRバイアスが異なってくることも考えられるものである。つまり、先に説明した処理手順によって設定されたMRバイアスとしては、磁気テープごとに異なる磁気特性の影響を含んでいる可能性を有している。
【0075】
そこで、この変形例としては、MIC4においてMRバイアスの設定値を格納可能な領域を確保する。そして、先の第1及び第2の実施の形態として説明した処理手順によって得られた、適切とされるMRバイアスの設定値を、テープストリーマドライブ側の不揮発性メモリ21に対して記憶させるだけではなく、現在装填されているテープカセット1のMIC4に対しても書き込みを行って格納するようにされる。
【0076】
そして、例えば以降においてそのテープカセット1が装填された場合には、このテープカセット1のMIC4に記憶されているMRバイアスの値を読み込んでバイアス回路19に設定するようにされる。
このようにしてMRバイアスを設定したテープストリーマドライブでは、装填されたテープカセット1に巻装される磁気テープ3の特性にまで応じた適切なMRバイアスが設定されていることになり、より信頼性の高い再生を行うことが可能となるものである。
なお、例えばMIC4に格納されていたMRバイアスの設定値が古いもので、現在のMRヘッドの特性と照らし合わせた場合には既に適切ではなくなっているとしても、エラーが発生した段階で本実施の形態としてのリトライシーケンスが実行されることで、現在のMRヘッドの特性に対応した適切なMRバイアスが新規に設定されて、またこのMRバイアス設定値がMIC4に格納されることになるため、特に問題にはならないものである。
【0077】
また、本発明としては上記した各実施の形態に限定されるものではなく各種変更が可能である。
例えば、上記各実施の形態にあって採用されているものとしたMRヘッドは、AMR(Anisotropic MagnetoResistive)効果といわれる磁気抵抗効果を利用したいわゆるAMRヘッドであったが、磁気抵抗効果としてGMR(Giant MagnetoResistive)効果や、TMR(tunneling MagnetoResistive)効果を利用した、GMRヘッドやTMRヘッドも開発されてきている。そして、本発明としては、これらをはじめとする他の磁気抵抗型ヘッドに対しても適用は可能とされる。
【0078】
また、上記各実施の形態においては、コンピュータデータについて記録再生を行うテープストリーマドライブを例に挙げているが、これ以外の磁気テープに対応した記録再生装置に適用可能である。また、上記実施の形態では、本発明を適用して最も好適とされるヘリカルスキャン方式による記録再生装置を例に挙げているが、これに限定されるものではなく、他の各種非ヘリカルスキャン方式による磁気テープ対応の記録再生装置に対しても適用しても同様の効果を得ることができる。
また信号歪みを評価するための構成としても、本発明としては特に限定されるものではなく、上記実施の形態として例示したもの以外の構成が採られても構わないものである。特に、高記録密度化によって変調方式等は進化することから、このような方式に対応してより適しているとされる評価手段の構成が採られるべきである。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、MRヘッドに代表される磁気抵抗型ヘッドを搭載して、テープ状記録媒体に対応したテープドライブ装置として、リトライ時もしくはキャリブレーション時において、磁気抵抗型ヘッドに流すべきバイアス電流値を可変させると共に、可変されたバイアス電流値ごとに対応して得た評価結果に基づいて適切とされるバイアス電流値を決定し、この決定されたバイアス電流値を設定するようにされる。
このようにして磁気抵抗型ヘッドに流すべきバイアス電流値を設定すれば、磁気抵抗型ヘッドの摩耗によって変化する特性に適合するバイアス電流値を常に設定することが可能となるものである。
つまり、磁気テープとヘッドが摺接する記録再生装置ではヘッドの摩耗を避けることができないが、本発明では、磁気抵抗型ヘッドの摩耗による特性変化に関わらず適切なバイアス値が設定可能であるために、磁気抵抗型ヘッドを採用したうえで信頼性の高い再生性能を維持することが可能となるものである。
【0080】
また、上記のようにして設定したバイアス電流値を不揮発性メモリに対して記憶させるようにすることで、例えばその後においてテープドライブ装置の電源がオフとなったとしても、この不揮発性メモリに記憶されたバイアス電流値を設定しさえすれば、起動時から適切とされるバイアス電流値を設定することが可能となる。
【0081】
また、テープカセットに備えられるメモリ(MIC)に対して上記したリトライ動作又はキャリブレーション動作時おいて得られたバイアス電流値を記憶させるようにした場合、このメモリに記憶されるバイアス電流値としては、現在の磁気抵抗型ヘッドの特性に対応しているだけではなく、そのテープカセットの磁気テープの特性にも対応しているものとして扱うことができる。そして以降においては、このメモリから読み出したバイアス電流値を設定するようにすれば、その磁気テープごとの磁気特性の相違等にも対応する適切な再生特性が得られていることになるものである。
【0082】
また、装填されたテープ状記録媒体のフォーマットを判別して、適切であるとして決定されたバイアス電流値を不揮発性メモリに記憶させる際に、判別されたフォーマットごとに対応して、そのバイアス電流値を記憶させるようにも構成される。
このようにすれば、以降の再生時においては、先ず、装填されたテープ状記録媒体のフォーマットを判別し、判別されたフォーマットに対応して記憶されているバイアス電流値を設定するという動作を実現することが可能となる。つまり、テープフォーマットごとに異なる特性に対応して適切とされるバイアス電流値を設定することが可能となるものである。
【0083】
更に本発明においては、例えばテープフォーマット時やユーザデータ記録時などの所定の記録動作時において、テープ状記録媒体における所要の領域に対して、再生信号の歪みを評価する評価信号を記録するようにされる。このようにして評価信号が予め記録されていれば、再生時においては、この評価信号を利用した評価結果に基づいて適切とされるバイアス値を求めることが可能となる。そしてこの場合には、本来評価に適するものとして形成された評価信号を利用するのであるから、通常の再生信号を利用する場合よりも、より信頼性の高い評価結果が得られることになり、従って、求められるバイアス電流値としても、より高精度なものとすることができる。
【0084】
そして、評価信号として、歪み波形を検出しやすいとされる所定以上の単一波長信号を生成するようにすれば、評価結果に基づいて求められるバイアス電流値の精度は、より信頼性の高いものとすることができる。
また、テープ状記録媒体に形成されるトラックのマージン領域に対して評価信号を記録するようにすれば、マージン領域は元から規定上存在するエリアであることから、他のユーザデータエリアの記録容量を減少させることもなく、また、ユーザデータ再生に及ぼす影響も少ないものとすることができる。また、トラック内におけるヘッド走査の終端位置側の所定領域に対して評価信号が記録されるようにすれば、例えば評価信号がユーザデータの変調方式により規定される反転区間の範囲外の波長を有するものであっても、例えばPLL回路の動作に及ぼす影響を最小限とすることができ、ユーザデータの再生信頼性を確保することが可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に対応するテープストリーマドライブの要部の構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態としてのリトライシーケンス(第1例)を示すフローチャートである。
【図3】第1の実施の形態としてのリトライシーケンス(第2例)を示すフローチャートである。
【図4】バイアス/エラーカウントテーブルの構造例を示す説明図である。
【図5】磁気テープの入力磁界が大きい場合に対応するMRヘッドの特性を示す説明図である。
【図6】第2の実施の形態に対応するテープストリーマドライブの要部の構成(第1例)を示すブロック図である。
【図7】第2の実施の形態としてのリトライシーケンスを示すフローチャートである。
【図8】バイアス/歪み率テーブルの構造例を示す説明図である。
【図9】長波長信号エリアを含むテープフォーマット(第1例)を示す説明図である。
【図10】長波長信号エリアを含むテープフォーマット(第2例)を示す説明図である。
【図11】長波長信号エリアを含むテープフォーマット(第3例)を示す説明図である。
【図12】8T信号の再生波形を示す波形図である。
【図13】4T信号の再生波形を示す波形図である。
【図14】2T信号の再生波形を示す波形図である。
【図15】8T信号の再生波形をサンプルポイントと共に示す波形図である。
【図16】4T信号の再生波形をサンプルポイントと共に示す波形図である。
【図17】2T信号の再生波形をサンプルポイントと共に示す波形図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態に対応するテープストリーマドライブの要部の構成(第2例)を示すブロック図である。
【図19】FFTにより得られた8T信号の解析結果例、及びバイアス/歪み率テーブルの構造例を示す説明図である。
【図20】テープカセットの内部構造を概略的に示す説明図である。
【図21】テープカセットの外観を示す斜視図である。
【図22】MRヘッドの特性を示す説明図である
【図23】ハードディスクとヘッドとの位置関係を示す説明図である。
【図24】非ヘリカルスキャン方式による固定ヘッドを用いた磁気テープに対するトレース状態を概念的に示す説明図である。
【図25】ヘリカルスキャン方式による回転ヘッドを用いた磁気テープに対するトレース状態を概念的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 テープカセット、3 磁気テープ、4 MIC、11 再生MRヘッド、12 ヘッドアンプ、13 ロータリートランス、14 検出回路、15 エラー訂正回路、16 D/Aコンバータ、17 VCO、18 F−V変換回路、19 バイアス回路、20 システムコントローラ、21 不揮発性メモリ、22 メモリインターフェイス、31 8Tバンドパスフィルタ、32,34 整流器、33 4Tバンドパスフィルタ、35 4T/8T除算器、36 D/Aコンバータ、41 FFT回路、A1 マージンエリア、A2 長波長信号エリア、TK トラック

Claims (10)

  1. テープ状記録媒体に対応して記録又は再生を行うテープドライブ装置において、
    磁気抵抗型ヘッドと、
    上記磁気抵抗型ヘッドに対してバイアス電流を流すバイアス回路と、
    上記磁気抵抗型ヘッドにより再生された再生信号について評価を行う評価手段と、
    不揮発性メモリと、
    上記テープ状記録媒体のフォーマットを判別する判別手段と、
    リトライシーケンスにおいて、トラックを再生するごとに、上記バイアス回路のバイアス電流値を可変して設定すると共に、可変された上記バイアス電流値ごとに対応して上記評価手段による評価を実行させることで得た評価結果に基づいて、適切とされるバイアス電流値を決定し、この決定されたバイアス電流値を上記バイアス回路に対して設定するとともに、上記決定されたバイアス電流値を、上記判別手段により判別されたフォーマットごとに区分して上記不揮発性メモリに対して記憶させる制御手段と
    を備えるテープドライブ装置。
  2. テープ状記録媒体に対応して記録又は再生を行うテープドライブ装置において、
    磁気抵抗型ヘッドと、
    上記磁気抵抗型ヘッドに対してバイアス電流を流すバイアス回路と、
    上記磁気抵抗型ヘッドにより再生された再生信号について評価を行う評価手段と、
    不揮発性メモリと、
    上記テープ状記録媒体のフォーマットを判別する判別手段と、
    キャリブレーション動作において、トラックを再生するごとに、上記バイアス回路のバイアス電流値を可変して設定すると共に、可変された上記バイアス電流値ごとに対応して上記評価手段による評価を実行させることで得た評価結果に基づいて、適切とされるバイアス電流値を決定し、この決定されたバイアス電流値を上記バイアス設定手段に対して設定するとともに、上記決定されたバイアス電流値を、上記判別手段により判別されたフォーマットごとに区分して上記不揮発性メモリに対して記憶させる制御手段と
    を備えるテープドライブ装置。
  3. 上記評価手段は、エラー訂正結果によりデータが修復されたか否かについて判定していき、
    上記制御手段は、上記評価手段によりデータが修復されたとの判定が得られたときに設定されていたバイアス電流値を、上記適切とされるバイアス電流値として決定する、
    請求項1又は請求項2に記載のテープドライブ装置。
  4. 上記評価手段は、バイアス電流値を可変設定してトラックを再生するごとに対応するエラー数をカウントし、
    上記制御手段は、最も少ない上記エラー数に対応するバイアス電流値を、上記適切とされるバイアス電流値として決定する、
    請求項1又は請求項2に記載のテープドライブ装置。
  5. 上記評価手段は、バイアス電流値を可変設定してトラックを再生するごとに、そのトラックに記録されている評価信号としての長波長信号を再生したときの歪み率を求め、
    上記制御手段は、最も少ない上記歪み率に対応するバイアス電流値を、上記適切とされるバイアス電流値として決定する、
    請求項1又は請求項2に記載のテープドライブ装置。
  6. 上記評価手段は、再生信号としての上記長波長信号のレベルと、この長波長信号に対する高調波のレベルとを除算することに基づいて、上記歪み率を求める、
    請求項5に記載のテープドライブ装置。
  7. 上記評価手段は、再生信号が入力されるA/Dコンバータにより得られる、上記長波長信号の検出点データを利用した高速フーリエ変換に基づいて、上記歪み率を求める、
    請求項5に記載のテープドライブ装置。
  8. テープ状記録媒体に対して信号の記録を行うための記録手段と、
    上記評価信号としての長波長信号を生成する評価信号生成手段と、
    記録要求に応じて上記テープ状記録媒体への記録を行う際に、評価信号生成手段から出力される長波長信号がテープ状記録媒体における所要の領域に記録されるように、上記記録手段を制御する記録制御手段と、をさらに備える、
    請求項5乃至請求項7のいずれかに記載のテープドライブ装置。
  9. 上記記録手段は、
    上記テープ状記録媒体に対してトラックを形成していくようにして信号を記録するように構成されており、
    上記記録制御手段は、
    上記トラックにおけるマージン領域に対して上記評価信号が記録されるように上記記録手段を制御する、
    請求項8に記載のテープドライブ装置。
  10. 上記記録手段は、
    上記テープ状記録媒体に対してトラックを形成していくようにして信号を記録するように構成されており、
    上記記録制御手段は、
    上記トラック内におけるヘッド走査の終端位置側の所定領域に対して上記評価信号が記録されるように上記記録手段を制御する、
    請求項8に記載のテープドライブ装置。
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