JP4296702B2 - 動作表出装置及び玩具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動作表出装置及び玩具に関し、特に、一方向への回転動作を複数個組み合わせることにより全方位の回転動作を表現する動作表出装置、及びこのような動作表出装置を適用した玩具に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、外観形状を犬や猫等の動物に模した玩具が提供されている。このような玩具は、犬や猫のように尻尾等が形成されている。例えば、このような尻尾類似構造を構成する外装部材は、モータ等によって駆動可能とされている。
【0003】
尻尾類似構造を表出するための動作表出装置は、複数方向への複雑な動作を実現するために、例えば、当該複数方向のそれぞれの方向の動きに対応した複数のモータを備えている。
【0004】
従来の動作表出装置において、外装部材は、例えば、第1のモータに取り付けられ、この第1のモータによって所定の一方向に回転駆動されるようになっている。そしてさらに、第1のモータが収納される筐体は、第2のモータに取り付けられ、この第2のモータによって、第1のモータの回転方向とは別の所定の一方向に回転駆動される。
【0005】
外装部材は、これら第1のモータの回転と第2のモータの回転との組み合わせによって、多方向に動作自在とされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の動作表出装置において、第2のモータが第1のモータを含めて外装部材を動作させたのでは、第2のモータの消費電力が多くなる。さらに、外装部材を駆動させるための装置全体としても、大がかりになってしまう。
【0007】
一方、動物において尻尾は、感情を表出するための一手段である。玩具が尻尾による感情表現のバリエーションを多くすることができれば、エンターテインメント性を高めることが可能であるが、上述のように構成された動作表出装置を適用した玩具では、幅広い種類の動作表現を円滑に行うことができない場合がある。
【0008】
そこで、本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、消費電力を低減して、部材を複数の方向に駆動させることが可能で、玩具の尻尾による表現バリエーションを増やすことが可能な動作表出装置及び玩具を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本発明にかかる動作表出装置は、動作部材と、第1の駆動手段と、第2の駆動手段と、上記第1の駆動手段により駆動される第1の駆動部材と、上記第2の駆動手段により駆動される第2の駆動部材とを備え、動作部材は、略球状を呈する球状部と、上記球状部に設けられる第1の突出部と、上記第1の突出部が設けられた個所に対して上記球状部の背部に設けられる第2の突出部と、上記球状部の外周に沿って上記第1の突出部と上記第2の突出部との間に設けられる第1の中心支軸及び第2の中心支軸とを有し、上記第1の駆動部材は、上記球状部の一部を覆うように形成され上記動作部材と対向する第1の湾曲部と、上記第1の湾曲部に設けられ、第1の駆動手段の水平方向の駆動が伝達される回転支軸と、上記回転支軸の回転軸に対して略並行に開口し、溝幅が上記第1の突出部の直径と略同じ大きさである第1の開口部と、上記第1の中心支軸及び上記第2の中心支軸と係合する孔とを有し、上記第1の突出部が上記第1の開口部を遊貫する状態で、上記第1の中心支軸と上記第2の中心支軸とを上記孔に対して回転自在に係合し、上記第2の駆動部材は、上記球状部と上記第1の湾曲部との一部を覆うように形成され上記動作部材と対向する第2の湾曲部と、上記動作表出装置を支持する支持板に形成された孔と係合するための軸部と、上記第2の湾曲部の曲面に対する接線と略並行に形成されるアーム部と、上記アーム部の一端部に形成されるアーム軸部と、上記アーム部の他端部に形成され、上記第2の駆動手段の垂直方向の駆動が伝達される凸部と、上記回転支軸の回転軸に対して略垂直に開口し、溝幅が上記第2の突出部の直径と略同じ大きさである第2の開口部とを有し、上記第2の突出部が上記第2の開口部を遊貫する状態で上記軸部と上記アーム軸部とを上記支持板に形成された孔に対して回転自在に係合し、上記第1の駆動部材は、上記動作部材を垂直方向に変位させ、上記第2の駆動部材は、上記動作部材を水平方向に変位させる。
【0011】
また、本発明にかかる玩具は、動物を模した外観形状を有し、少なくとも情動又は欲求に応じた状態、感情状態を示す内部状態に応じて動作する玩具であって、動作部材と、第1及び第2の駆動手段と、上記第1の駆動手段により駆動される第1の駆動部材と、上記第2の駆動手段により駆動される第2の駆動部材とを有し、上記第1の駆動部材により動作部材を垂直方向に変位し、上記第2の駆動部材により上記動作部材を水平方向に変位する動作表出装置を備え、上記動作部材は、略球状を呈する球状部と、上記球状部に設けられる第1の突出部と、上記第1の突出部が設けられた個所に対して上記球状部の背部に設けられる第2の突出部と、上記球状部の外周に沿って上記第1の突出部と上記第2の突出部との間に設けられる第1の中心支軸及び第2の中心支軸とを有し、上記第1の駆動部材は、上記球状部の一部を覆うように形成され上記動作部材と対向する第1の湾曲部と、上記第1の湾曲部に設けられ、第1の駆動手段の水平方向の駆動が伝達される回転支軸と、上記回転支軸の回転軸に対して略並行に開口し、溝幅が上記第1の突出部の直径と略同じ大きさである第1の開口部と、上記第1の中心支軸及び上記第2の中心支軸と係合する孔とを有し、上記第1の突出部が上記第1の開口部を遊貫する状態で、上記第1の中心支軸と上記第2の中心支軸とを上記孔に対して回転自在に係合し、上記第2の駆動部材は、上記球状部と上記第1の湾曲部との一部を覆うように形成され上記動作部材と対向する第2の湾曲部と、上記動作表出装置を支持する支持板に形成された孔と係合するための軸部と、上記第2の湾曲部の曲面に対する接線と略並行に形成されるアーム部と、上記アーム部の一端部に形成されるアーム軸部と、上記アーム部の他端部に形成され、上記第2の駆動手段の垂直方向の駆動が伝達される凸部と、上記回転支軸の回転軸に対して略垂直に開口し、溝幅が上記第2の突出部の直径と略同じ大きさである第2の開口部とを有し、上記第2の突出部が上記第2の開口部を遊貫する状態で上記軸部と上記アーム軸部とを上記支持板に形成された孔に対して回転自在に係合し、上記動作表出装置は、上記内部状態に基づいて動作される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
本発明にかかる動作表出装置は、第1の駆動部材としての水平方向駆動モータにより動作部材を第1の方向に変位させ、第2の駆動部材としての垂直方向駆動モータにより動作部材を第2の方向に変位させ、これら両者の駆動動作の組み合わせにより駆動部材を複数方向に自在に変位可能とする際に、各駆動モータが互いに他の負荷とならない構造を有するものである。
【0015】
このような動作表出装置は、玩具の外観形状の一部に対して好適に用いられ、例えば、周囲の環境(外的要因)や、内部状態(内的要因)に応じて自律的に行動する自律型のロボット装置の尻尾類似構造に適用することができる。
【0016】
本実施の形態については、まずロボット装置の構成について説明し、その後ロボット装置における本発明の適用部分について詳細に説明する。
【0017】
本発明が適用されるロボット装置1は、胴体部ユニットと、脚部ユニットと、頭部ユニットと、尻尾部ユニットとを備えた、「犬」を模したいわゆるペットロボットである。
【0018】
ロボット装置1は、図1に示すように、胴体部ユニット2の前後左右にそれぞれ脚部ユニット3A、3B、3C及び3Dが連結されて構成されている。また、胴体部ユニット2の前端部に頭部ユニット4が、胴体部ユニット2の後端部に尻尾部ユニット5がそれぞれ連結されて構成されている。
【0019】
胴体部ユニット2には、図2に示すようにCPU(Central Processing Unit)10、DRAM(Dynamic Random Access Memory)11、フラッシュROM(Read Only Memory)12、PC(Personal Computer)カードインターフェイス回路13及び信号処理回路14が内部バス15を介して相互に接続されることにより形成されたコントロール部16と、このロボット装置1の動力源としてのバッテリ17とが収納されている。また、胴体部ユニット2には、ロボット装置1の向きや、動きの加速度を検出するための角速度センサ18及び加速度センサ19等が格納されている。
【0020】
また、頭部ユニット4には、外部の状況を撮像するためのCCD(Charge coupled Device)カメラ20と、使用者からの「撫でる」「叩く」といった物理的な働きかけにより受けた圧力を検出するためのタッチセンサ21と、前方に位置する物体までの距離を測定するための距離センサ22と、外部音を集音するためのマイクロフォン23と、鳴き声等の音声を出力するためのスピーカ24と、ロボット装置1の「目」に相当するLED(Light Emitting Diode)(図示しない)等が所定位置に配置されている。
【0021】
さらに、各脚部ユニット3A乃至3Dの関節部分、各脚部ユニット3A乃至3Dと胴体部ユニット2との各連結部分、頭部ユニット4と胴体部ユニット2との連結部分等には、それぞれ必要とする自由度に対応した数のアクチュエータ251乃至25nと、ポテンショメータ261乃至26nとが配設されている。ここで、例えばアクチュエータ251〜25nは、サーボモータを備えている。したがって、ロボット装置1は、脚部ユニット、頭部ユニット4、尻尾部ユニット5がサーボモータの駆動に制御されることで、目標の姿勢、或いは目標の動作を行うことができる。
【0022】
上述の角速度センサ18、加速度センサ19、タッチセンサ21、距離センサ22、マイクロフォン23、スピーカ24及び各ポテンショメータ等の各種センサ、並びに各アクチュエータは、それぞれ対応するハブ271乃至27nを介してコントロール部16の信号処理回路14と接続されている。また、CCDカメラ20及びバッテリ17は、それぞれ信号処理回路14と直接接続されている。
【0023】
なお、詳細は後述するが、動作(行動)を学習する際、この角速度センサ18、加速度センサ19、各ポテンショメータ等での信号が使用される。
【0024】
信号処理回路14は、上述の各センサから供給されるセンサデータ、画像データ、音声データ等を順次取り込み、これらをそれぞれ内部バス15を介してDRAM11内の所定位置に順次格納する。
【0025】
また、信号処理回路14は、バッテリ17から供給されるバッテリの残量を表すバッテリ残量データを順次取り込み、DRAM11の所定位置に格納する。
【0026】
このようにしてDRAM11に格納された各センサデータ、画像データ、音声データ及びバッテリ残量データは、CPU10が当該ロボット装置1の動作制御を行う際に使用される。
【0027】
CPU10は、ロボット装置1の電源が投入された初期時において、フラッシュROM12に格納された制御プログラムを読み出して、DRAM11に格納する。または、CPU10は、図1に図示しない胴体部ユニット2のPCカードスロットに装着された半導体メモリ装置、例えばいわゆるメモリカード28に格納された制御プログラムをPCカードインターフェイス回路13を介して読み出してDRAM11に格納する。
【0028】
CPU10は、上述のように信号処理回路14よりDRAM11に順次格納される各センサデータ、画像データ、音声データ、及びバッテリ残量データに基づいて自己及び周囲の状況や、使用者からの指示及び働きかけの有無を判断している。
【0029】
さらに、CPU10は、この判断結果とDRAM11とに格納した制御プログラムに基づく行動を決定する。CPU10は、当該決定結果に基づいてアクチュエータ251〜25nの中から必要とするアクチュエータを駆動することによって、例えば頭部ユニット4を上下左右に振らせたり、尻尾部ユニット5の尻尾を動かしたり、各脚部ユニット3A乃至3Dを駆動して歩行させたりする。
【0030】
また、CPU10は、必要に応じて音声データを生成し、信号処理回路14を介してスピーカ24に供給する。また、CPU10は、上述のLEDの点灯・消灯を指示する信号を生成し、LEDを点灯したり消灯したりする。
【0031】
このように、ロボット装置1は、自己及び周囲の状況や、使用者からの指示及び働きかけに応じて自律的に行動する。
【0032】
次に、ロボット装置1における制御プログラムのソフトウェア構成を図3に示す。
【0033】
図3において、デバイス・ドライバ・レイヤ30は、この制御プログラムの最下位層に位置し、複数のデバイス・ドライバからなるデバイス・ドライバ・セット31から構成されている。この場合、各デバイス・ドライバは、CCDカメラ20やタイマ等の通常のコンピュータで用いられるハードウェアに直接アクセスすることを許されたオブジェクトであり、対応するハードウェアからの割り込みを受けて処理を行う。
【0034】
また、ロボティック・サーバ・オブジェクト32は、デバイス・ドライバ・レイヤ30の最下位層に位置し、例えば上述の各種センサや各アクチュエータ等のハードウェアにアクセスするためのインターフェイスを提供するソフトウェア群でなるデバイス・ドライバ・マネージャ35と、ロボット装置1の機構を管理するソフトウェア群でなるデザインド・ロボット36とから構成されている。
【0035】
マネージャ・オブジェクト37は、オブジェクト・マネージャ38及びサービス・マネージャ39から構成されている。オブジェクト・マネージャ38は、ロボティック・サーバ・オブジェクト32、ミドル・ウェア・レイヤ40、及びアプリケーション・レイヤ41に含まれる各ソフトウェア群の起動や終了を管理するソフトウェア群である。サービス・マネージャ39は、メモリカード28に格納されたコネクションファイルに記述されている各オブジェクト間の接続情報に基づいて、各オブジェクトの接続を管理するソフトウェア群である。
【0036】
ミドル・ウェア・レイヤ40は、ロボティック・サーバ・オブジェクト32の上位層に位置し、画像処理や音声処理等のロボット装置1の基本的な機能を提供するソフトウェア群から構成されている。
【0037】
また、アプリケーション・レイヤ41は、ミドル・ウェア・レイヤ40の上位層に位置し、当該ミドル・ウェア・レイヤ40を構成する各ソフトウェア群によって処理された処理結果に基づいて、ロボット装置1の行動を決定するためのソフトウェア群から構成されている。
【0038】
ミドル・ウェア・レイヤ40は、図4に示すように、騒音検出用信号処理モジュール50、温度検出用信号処理モジュール51、明るさ検出用信号処理モジュール52、音階認識用信号処理モジュール53、距離検出用信号処理モジュール54、姿勢検出用信号処理モジュール55、タッチセンサ用信号処理モジュール56、動き検出用信号処理モジュール57、色認識用信号処理モジュール58、入力セマンティクスコンバータモジュール59等を有する認識系60と、出力セマンティクスコンバータモジュール68、姿勢管理用信号処理モジュール61、トラッキング用信号処理モジュール62、モーション再生用信号処理モジュール63、歩行用信号処理モジュール64、転倒復帰用信号処理モジュール65、LED点灯用信号処理モジュール66、音再生用信号処理モジュール67等を有する認識系69とから構成されている。
【0039】
認識系60の各信号処理モジュール50乃至58は、ロボティック・サーバ・オブジェクト32のバーチャル・ロボット33によりDRAM11から読み出される各センサデータ、画像データ、音声データのうち、対応するデータを取り込み、当該データに基づいて所定の処理を施し、処理結果を入力セマンティクスコンバータモジュール59に与える。ここで、例えば、バーチャル・ロボット33は、所定の通信規約によって信号の授受或いは変換をする部分として構成されている。
【0040】
入力セマンティクスコンバータモジュール59は、各信号処理モジュール50乃至58から与えられる処理結果に基づいて、例えば「うるさい」、「暑い」、「明るい」、「ボールを検出した」、「転倒を検出した」、「撫でられた」、「叩かれた」、「ド・ミ・ソの音階が聞こえた」、「動く物体を検出した」、「障害物を検出した」等の自己及び周囲の状況や、使用者からの指令や働きかけを認識し、認識結果をアプリケーション・レイヤ41に出力する。
【0041】
アプリケーション・レイヤ41は、図5に示すように行動モデルライブラリ70、行動切換モジュール71、学習モジュール72、感情モデル73、及び本能モデル74の5つのモジュールから構成されている。
【0042】
行動モデルライブラリ70には、例えば、図6に示すように「バッテリ残量が少なくなった場合」、「転倒復帰する場合」、「障害物を回避する場合」、「感情を表現する場合」、「ボールを検出した場合」等の予め選択されたいくつかの条件項目にそれぞれ対応させて、それぞれ独立した行動モデル701乃至70nが設けられている。
【0043】
これらの行動モデル701乃至70nは、それぞれ入力セマンティクスコンバータモジュール59から認識結果が与えられたときや、最後の認識結果が与えられてから一定時間が経過したとき等に必要に応じて後述するように感情モデル73に保持された対応する情動のパラメータ値や、本能モデル74に保持されている対応する欲求のパラメータ値を参照しながら続く行動をそれぞれ決定し、決定結果を行動切換モジュール71に出力する。
【0044】
本実施の形態にしめすロボット装置1の場合、各行動モデル701乃至70nは、図7に示すようなノード(状態)NODE0乃至NODEnのうちのあるノードから他のノードに遷移するか否かを有限確率オートマトンと呼ばれるアルゴリズムを用いて行動を決定している。有限確率オートマトンとは、ノード(状態)NODE0乃至NODEnのうちのあるノードから他のノードに遷移するか否かを各ノードの間を接続するアークARC1乃至ARCnのそれぞれに対応して設定された遷移確率P1乃至Pnに基づいて確率的に決定するアルゴリズムである。
【0045】
具体的に、各行動モデル701乃至70nは、それぞれ自己の行動モデル701乃至70nを形成するノードNODE0乃至NODEnにそれぞれ対応させて、これらのノード毎に図8に示すような状態遷移表80を有している。
【0046】
この状態遷移表80では、あるノードにおける遷移条件としての入力イベント(認識結果)が「入力イベント名」の行に優先的に列記され、その遷移条件についての更なる条件が「データ名」及び「データの範囲」の行における対応する列に記述されている。
【0047】
したがって、図8の状態遷移表80で表されるノードNODE100では、例えば、「ボールを検出(BALL)」という認識結果が与えられたときに、当該認識結果とともに与えられるボールの「大きさ(SIZE)」が「0から1000」の範囲であること、或いは、「障害物を検出(OBSTACLE)」という認識結果が与えられたときに、当該認識結果とともに与えられる障害物までの「距離(DISTANCE)」が「0から100」の範囲であること等が他のノードに遷移するための条件となっている。
【0048】
また、このNODE100では、認識結果の入力がない場合においても、行動モデル701乃至70nが周期的に参照する感情モデル73及び本能モデル74に保持された各情動及び各欲求のパラメータ値のうち、感情モデル73に保持された「喜び(JOY)」、「驚き(SURPRISE)」、「悲しみ(SUDNESS)」の何れかのパラメータ値が「50から100」の範囲であるときには他のノードに遷移することができるようになっている。
【0049】
状態遷移表80では、「他のノードへの遷移確率」の欄に対応する「遷移先ノード」の欄の列に、ノードNODE0乃至NODEnの中から遷移可能な遷移先ノード名が列記されている。また、「入力イベント名」、「データ値」、及び「データの範囲」の行に記述された全ての条件が揃ったときに遷移可能な他のノードへの遷移確率が「他のノードへの遷移確率」の欄内の対応する箇所に記述されている。そのノードに遷移する際に出力すべき行動が「他のノードへの遷移確率」の欄における「出力行動」の行に記述されている。
【0050】
なお、「他のノードへの遷移確率」の欄における各行の遷移確率の和は、100[%]となっている。
【0051】
したがって、図8の状態遷移表80で示されるノードNODE100では、例えば「ボールを検出(BALL)」し、そのボールの「SIZE(大きさ)」が「0から1000」の範囲であるという認識結果が与えられた場合には、「30[%]」の確率で「ノードNODE120(node 120)」に遷移でき、その時「ACTION1」の行動が出力されることとなる。
【0052】
各行動モデル701乃至70nは、それぞれこのような状態遷移表80として記述されたノードNODE0乃至NODEnが複数個繋がるように構成されている。各行動モデルは、入力セマンティクスコンバータモジュール59から認識結果が与えられたときに対応するノードNODE0乃至NODEnの状態遷移表を利用して確率的に次の行動を決定し、決定結果を行動切換モジュール71に出力する。
【0053】
図5に示す行動切換モジュール71は、行動モデルライブラリ70の各行動モデル701乃至70nからそれぞれ出力される行動のうち、予め定められた優先順位の高い行動モデルから出力された行動を選択し当該行動を実行すべき旨のコマンド(以下、行動コマンドという。)をミドル・ウェア・レイヤ40の出力セマンティクスコンバータモジュール68に送出する。なお、本実施の形態においては、図6において下側に標記された行動モデルほど優先順位が高く設定されている。
【0054】
また、行動切換モジュール71は、行動完了後に出力セマンティクスコンバータモジュール68から与えられる行動完了情報に基づいて、その行動が完了したことを学習モジュール72、感情モデル73及び本能モデル74に通知する。
【0055】
一方、学習モジュール72は、入力セマンティクスコンバータモジュール59から与えられる認識結果のうち、「叩かれた」や「撫でられた」等、使用者からの働きかけとして受けた教示の認識結果を入力する。
【0056】
そして、学習モジュール72は、この認識結果及び行動切換モジュール71からの通知に基づいて、「叩かれた(叱られた)」ときにはその行動の発現確率を低下させ、「撫でられた(誉められた)」ときにはその行動の発現確率を上昇させるように、行動モデルライブラリ70における行動モデル701乃至70nのうち、対応する行動モデルの遷移確率を変更する。
【0057】
他方、感情モデル73は、「喜び(JOY)」、「悲しみ(SADNESS)」、「怒り(ANGER)」、「驚き(SURPRISE)」、「嫌悪(DISGUST)」及び「恐れ(FEAR)」の合計6つの情動について、各情動毎に、その強さを表すパラメータを保持している。そして、感情モデル73は、これら各情動のパラメータ値を入力セマンティクスコンバータモジュール59からの「叩かれた」及び「撫でられた」等の特定の認識結果、経過時間、及び行動切換モジュール71からの通知等に基づいて周期的に更新する。
【0058】
具体的には、感情モデル73は、入力セマンティクスコンバータモジュール59から与えられる認識結果と、その時のロボット装置1の行動と、前回更新してからの経過時間等に基づいて、所定の演算式により算出される。
【0059】
情動の変動量をΔE[t]、現在のその情動のパラメータ値をE[t]、その感情の感度を表す係数をkeとして、以下に示す式(1)によって次の周期における情動のパラメータ値E[t+1]を算出し、これを現在の情動のパラメータ値E[t]と置き換えるようにして情動のパラメータ値を更新する。また、感情モデル73は、これと同様にして全ての情動のパラメータ値を更新する。
【0060】
【数1】
Figure 0004296702
【0061】
なお、各認識結果や出力セマンティクスコンバータモジュール68からの通知が各情動のパラメータ値の変動量ΔE[t]にどの程度の影響を与えるかは予め決められており、例えば「叩かれた」といった認識結果は、「怒り」の情動のパラメータ値の変動量ΔE[t]に大きな影響を与え、「撫でられた」といった認識結果は、「喜び」の情動のパラメータ値ΔE[t]に大きな影響を与えるようになっている。
【0062】
ここで、出力セマンティクスコンバータモジュール68からの通知とは、いわゆる行動のフィードバック情報(行動完了情報)であり、行動の出現結果の情報である。感情モデル73は、このような情報によっても感情を変化させる。これは、例えば「吠える」という行動により、怒りの感情レベルが下がるということである。
【0063】
なお、出力セマンティクスコンバータモジュール68からの通知は、上述した学習モジュール72にも入力されており、学習モジュール72は、その通知に基づいて行動モデル701乃至70nの対応する遷移確率を変更する。なお、行動結果のフィードバックは、行動切換モジュレータ71の出力(感情が付加された行動)によりなされるものであってもよい。
【0064】
一方、本能モデル74は、例えば「運動欲(EXERCISE)」、「愛情欲(AFFECTION)」、「食欲(APPETITE)」、「好奇心(CURIOSITY)」の互いに独立した4つの欲求について、これら欲求毎にその欲求の強さを示すパラメータを保持している。そして、本能モデル74は、これら欲求のパラメータ値を入力セマンティクスコンバータモジュール59から与えられる認識結果、経過時間、行動切換モジュール71からの通知等に基づいて周期的に更新する。
【0065】
具体的には、本能モデル74は、「運動欲」、「愛情欲」及び「好奇心」においては、認識結果、経過時間及び出力セマンティクスコンバータモジュール68からの通知等に基づいて所定の計算式より算出される。このとき欲求の変動量をΔI[k]、現在の欲求のパラメータ値をI[k]、その欲求の感度を示す係数kiとして、所定周期で以下に示す式(2)を用いて次の周期におけるその欲求のパラメータ値I[k+1]を算出し、この演算結果を現在のその欲求のパラメータ値I[k]と置き換えるようにして欲求のパラメータ値を更新する。また、本能モデル74は、これと同様にして、「食欲」を除いた各欲求のパラメータ値を更新している。
【0066】
【数2】
Figure 0004296702
【0067】
なお、認識結果及び出力セマンティクスコンバータモジュール68からの通知等が各欲求のパラメータ値の変動量ΔI[k]にどの程度の影響を与えるかは予め決められており、例えば出力セマンティクスコンバータモジュール68からの通知は、「疲れ」のパラメータ値の変動量ΔI[k]に大きな影響を与えるようになっている。
【0068】
なお、本実施の形態においては、各情動及び各欲求(本能)のパラメータ値がそれぞれ0から100までの範囲で変動するように規制されており、また係数ke、kiの値も各情動及び各欲求毎に個別に設定されている。
【0069】
一方、ミドル・ウェア・レイヤ40の出力セマンティクスコンバータモジュール68は、図4に示すように、上述のようにしてアプリケーション・レイヤ41の行動切換モジュール71から与えられる「前進」、「喜ぶ」、「鳴く」または「ボールを追いかける(トラッキング)」といった抽象的な行動コマンドを認識系69の対応する信号処理モジュール61乃至67に与える。
【0070】
そして、これら信号処理モジュール61乃至67は、行動コマンドが与えられると、当該行動コマンドに基づいて、その行動を行うために対応するアクチュエータ251乃至25nに与えるべきサーボ指令値等のデータをロボティック・サーバ・オブジェクト32のバーチャル・ロボット33及び信号処置回路14を順次介して、アクチュエータ251乃至25nのうち対応するアクチュエータに順次送出する。
【0071】
また、信号処理モジュール61乃至67は、スピーカ24から出力する音の音声データ及び/または「目」のLEDの動作に関わるデータを生成し、これらのデータをロボティック・サーバ・オブジェクト32のバーチャル・ロボット33及び信号処理回路14を介して、スピーカ24またはLEDに順次送出する。
【0072】
このようにして、ロボット装置1は、制御プログラムに基づいて自己(内部)及び周囲(外部)の状況や使用者からの指示及び働きかけに応じた自律的な行動を行うことができるようになっている。
【0073】
続いて、以下に、本発明の適用部分である尻尾部ユニット5について詳細に説明する。
【0074】
尻尾部ユニット5は、本発明にかかる動作表出装置を備えて構成されている。本発明にかかる動作表出装置200の一構成例を図面を参照にして詳細に説明する。
【0075】
動作表出装置200は、図1に示す尻尾部ユニット5に組み込まれ、ロボット装置1の「尻尾」に相当する部分を動作させているものである。
【0076】
動作表出装置200の具体的な構成例を図9乃至図13に示す。図9に示すように、動作表出装置200は、中心回転部材210と、水平回転部材220と、垂直方向駆動部材230と、外装部材240とを備え、支持板250によって支持され、尻尾部ユニット5を構成する筐体に固定されている。
【0077】
さらに、動作表出装置200は、図示しない第1の駆動モータ(水平方向駆動モータ)及び第2の駆動モータ(垂直方向駆動モータ)と垂直方向駆動モータの駆動を伝達するアーム260とを備えている。
【0078】
ここで、本説明の記載において、垂直とは、胴体部ユニット2の横手方向、すなわちロボット装置1の腹部から背部へと貫通する方向を指し、水平とは、胴体部ユニット2の長手方向を指すが、本発明にかかる動作表出装置の方向は、説明の便宜上決定したものであって、本実施の形態で示す方向のみに限定されない。
【0079】
ロボット装置1では、図9に示す動作表出装置200のうち外装部材240のみが外部に露出しており、外装部材240以外の部分は尻尾部ユニット5の内部、すなわちロボット装置1の内部に格納されていることになる。ここで動作表出装置200のうち、中心回転部材210と、水平回転部材220と、垂直方向駆動部材230とで構成される部分を図10に示した。
【0080】
動作表出装置200における中心回転部材210の詳細を図11に示す。中心回転部材210は、図11に示すように、略球状を呈する球状部211と、
当該中心回転部材の210の可動を制限するための水平動作制限凸部212及び垂直動作制限凸部213と、第1の中心支軸214aと、第2の中心支軸214bとを有している。
【0081】
水平動作制限凸部212は、略球状を呈する球状部211の所定箇所に設けられている。垂直動作制限凸部213は、水平動作制限凸部212が設けられた所定箇所に対して、球状部211の背部に設けられている。
【0082】
さらに、中心回転部材210には、球状部211の外周に沿って、水平動作制限凸部212から略90°をなす角度だけ垂直動作制限凸部213方向に水平移動した位置に第1の中心支軸214a及び第2の中心支軸214bが設けられている。中心回転部材210は、水平動作制限凸部212と垂直動作制限凸部213とが垂直方向に揺動可能となるように、第1の中心支軸214aと第2の中心支軸214bとで支持されている。
【0083】
ここで、水平動作制限凸部212は、端部付近に、球状部211と接合される側の径と比べて若干大きく形成された部分を有する。また、垂直動作制限凸部213は、当該垂直動作制限凸部213の端部に、水平方向からみたときに略台形となるように端面が傾斜断面とされた台形部215を有している。
【0084】
さらに、垂直動作制限凸部213は、台形部215から球状部211にかけて所定間隔をおいた位置に円板部216を有している。この垂直動作制限凸部213と円板部216との間に形成される溝に外装部材240の所定箇所が係合することによって、外装部材240は、球状部211に対して固定される。
【0085】
次に、図12を用いて、水平回転部材220を詳細に説明する。水平回転部材220は、湾曲部221と、凸部222と、回転支軸223とを有している。
【0086】
湾曲部221は、球状部211の一部を隙間をもって覆うことが可能な曲率を有した半球状に形成されている。湾曲部221には、回転支軸223の回転軸と平行に垂直可動制限溝224が開口されている。垂直可動制限溝224は、その溝幅が中心回転部材210における垂直動作制限凸部213の直径と略同サイズとされている。
【0087】
また、湾曲部221には、凸部222から回転支軸223方向に当該湾曲部221の外周に沿って略90°をなす角度だけ移動した位置に孔225が形成されている。この孔225は、中心回転部材210と水平回転部材220とを組み合わせた際に、中心回転部材210における第1の中心支軸214a及び第2の中心支軸214bが係合し、回転自在となるような大きさで形成されている。
【0088】
凸部222は、湾曲部221の上端部分に設けられ、図示しないが外装部材240以外の部分を覆っているカバー部材の所定位置に形成された孔に対して回転自在に係合される。
【0089】
回転支軸223は、湾曲部221の下端部分に設けられている。回転支軸223の基底部には、切欠部226が形成されている。水平回転部材220は、回転支軸223の基底部において、図示しないモータと係合されている。或いは、モータから伝達されるギア等の駆動部と係合されているが、切欠部226は、このときモータからの駆動力をそつなく伝達するために設けられる。
【0090】
以上示した中心回転部材210と水平回転部材220とは、図13に示すように互いに組み合わされている。
【0091】
すなわち、水平回転部材220は、湾曲部221が球状部211を覆うように中心回転部材210と対向され、垂直動作制限凸部213が垂直可動制限溝224を遊貫した状態で、第1の中心支軸214aと第2の中心支軸214bとが孔225に対して回転自在に係合されることで組み合わされる。このとき、水平回転部材220は、湾曲部221が球状部211に接触することがない程度の隙間をもって中心回転部材210を軸支している。
【0092】
したがって、中心回転部材210と水平回転部材220とを組み合わせた状態で、中心回転部材210は、垂直動作制限凸部213が垂直可動制限溝224によって制限される範囲で回動自在になっている。すなわち、中心回転部材210は、垂直方向に、垂直可動制限溝224の長手方向の長さ分の自由度を有して回動自在となる。
【0093】
中心回転部材210は、水平回転部材220に対して第1の中心支軸214a及び第2の中心支軸214bによって軸支されているため、中心回転部材210と水平回転部材220との間の水平方向への振れはなく、水平方向への動きは、回転支軸223と係合しているモータ、或いはモータ駆動部によって制御されている。
【0094】
次に、垂直方向可動部材230を図14及び図15を用いて詳細に説明する。垂直方向可動部材230は、湾曲部231とアーム部232と、軸部233とを有している。
【0095】
湾曲部231は、球状部211に沿った曲率を有し、球状部211と湾曲部211の一部とを隙間をもって覆うことができる略半球面状に形成されている。湾曲部231には、回転支軸223の回転軸に対して垂直に水平可動制限溝234が開口されている。水平可動制限溝234は、その溝幅が中心回転部材210における水平動作制限凸部212の直径と略同サイズとされている。
【0096】
湾曲部231上の水平可動制限溝234の延長上の一端には、支持板250の所定位置に形成された孔と係合するための軸部233が形成されている。垂直方向可動部材230は、軸部233が形成された一端とは別の端にアーム部232を有する。
【0097】
アーム部232は、略長方形であり、湾曲部231の曲面に対する接線と平行に形成されている。軸部233を介して湾曲部231と対称な位置には、アーム軸部235が形成されている。アーム部232のアーム軸部235を有する端部とは反対の端部には、把持用凸部236が形成されている。アーム部232は、把持用凸部236において駆動アーム260と連結されている。ここで、軸部233及びアーム軸部235は、支持板250の所定位置に形成された孔に対して回転自在に軸装されている。
【0098】
したがって、垂直方向可動部材230は、駆動アーム260が垂直方向に揺動するとき、軸部233及びアーム軸部235を中心として円弧の一部を描くように垂直方向に動作することができる。
【0099】
垂直方向可動部材230は、中心回転部材210と水平回転部材220とともに、上述した図10のように組み合わされる。
【0100】
すなわち、垂直方向可動部材230は、湾曲部231が中心回転部材210と水平回転部材220の一部とを覆うように中心回転部材210と対向し、水平動作制限凸部212が水平可動制限溝234を遊貫した状態で、軸部233とアーム軸部235とを支持板250の所定箇所に形成された孔に対して回転自在に係合されて組み合わされる。
【0101】
このとき、水平回転部材220がモータ駆動部に係合される位置と垂直方向可動部材230を支持するための支持板250との位置関係は、垂直方向可動部材230と、中心回転部材210及び水平回転部材220とが接触することなく、かつ水平回転部材220の回転動作を妨げない程度の隙間をもって配置されることが必要である。そのため、尻尾部ユニット5に組み込まれた状態で、中心回転部材210を係合する位置と、垂直方向可動部材230を軸支する支持板250との位置関係は、上記条件を満たすような位置関係となっている。
【0102】
したがって、中心回転部材210は、水平動作制限凸部212が水平可動制限溝234によって制限される範囲で水平方向に回動自在となっている。すなわち、中心回転部材210は、水平方向に、水平可動制限溝234の長手方向の長さ分の自由度を有して回動自在である。
【0103】
上述したように、動作表出装置200は、図示しないモータ、或いはモータ駆動部からの回転によって、水平可動制限溝234の長手方向の長さ分の自由度の範囲で水平方向に回動可能であり、駆動アーム260の揺動運動によって、垂直可動制限溝224の長手方向の長さ分の自由度の範囲で垂直方向に揺動可能である。また、これら2方向の動作の組み合わせによって、各制限溝によって許される動作範囲内で任意の方向に回転することが可能である。
【0104】
動作表出装置200は、上述のように、任意方向への回転を自在に行うための動作機構の外部に駆動部を有する。したがって、垂直方向に駆動するためのモータと水平方向に駆動するためのモータとが互いに他の負荷にならないため、消費電力が低減され、装置全体のサイズを小型化することが可能である。
【0105】
続いて、動作表出装置200における外装部材240について、図16及び図17を用いて具体的に説明する。
【0106】
外装部材240は、発光部241と発光部材242とを有し、発光部241からの光を発光部材242に照射するようになっている。
【0107】
外装部材240は、ロボット装置1の「尻尾」を模した部材であって、略三角形状を有し、略三角形の底辺から頂点にかけて、及び底辺と頂点を結ぶ直線から両辺にかけて、徐々に湾曲した形状とされている。また、底辺と頂点とを結ぶ直線上に、孔243を有する。外装部材240は、発光部241の所定箇所において、垂直動作制限凸部213における台形部215と円板部216との間に形成される溝に係合され、中心回転部材210に対して固定されている。
【0108】
本発明の実施の形態においては、発光部241が、図13における台形部215に内蔵されるものとして例示する。したがって、図15に発光部241として示した部位は、本発明の実施の形態では台形部215に相当する。
【0109】
台形部215は、LED(Light Emitting Diode)244と、LEDからの光を導く導光管245とを内蔵し、導光管により導かれたLED244からの光を端面246から屈折して出射する。端面246から出射された光は、外装部材240の内側面から発光部材242に対して照射される。
【0110】
この場合、中心回転部材210及び水平動作制限凸部212は、中空とされ、図示しないが、内部に台形部215の発光部241に対して電力を供給する手段を備えている。この電力供給手段は、中心回転部材210の多方向への回転動作の妨げにならないように可撓性材料を用いて構成されている。
【0111】
ここで、発光部材242としては、例えば半透明素材、蓄光素材、蛍光素材等があげられる。そのほか、LED244からの光が透過されることで外装部材240の一部が発光しているかのように見える素材であれば特に限定することなく使用できる。
【0112】
また、外装部材240は、少なくとも一部が可撓性素材で形成されていてもよい。
【0113】
以上のように構成された動作表出装置200は、上述したロボット装置1の感情モデル73における情動のパラメータ値、及び本能モデル74における欲求のパラメータ値に応じて、動き・LEDの点滅等の動作が制御されている。
【0114】
したがって、ロボット装置1の情動、欲求等の内部状態を「尻尾」の動きやLEDの点滅によって、幅広く表現することが可能となり、ロボット装置1のエンターテインメント性を高めることができる。
【0115】
なお、動作表出装置200は、外装部材240が「尻尾」形状であるとして示したが、「尻尾」構造に限定されることなく、例えば、動物の「耳」等の動物の他の部位に類似した構造を表出する場合にも適用することが可能である。
【0116】
また、本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【0117】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明にかかる動作表出装置は、動作部材と、第1の駆動手段と、第2の駆動手段と、第1の駆動手段により駆動される第1の駆動部材と、第2の駆動手段により駆動される第2の駆動部材とを備え、第1の駆動部材は、動作部材を第1の方向に変位させ、第2の駆動部材は、動作部材を第2の方向に変位させる。
【0118】
ここで、動作部材は、回転支軸と第1の突出部と第2の突出部とを備え、第1の駆動部材は、第1の突出部と当該第1の駆動部材の開口部とを係合して動作部材を回転支軸と垂直な軸方向に回動自在に支持し、第2の駆動部材は、第2の突出部と当該第2の駆動部材の開口部とを係合して動作部材を回転支軸を中心に回動自在に支持することによって、複数方向へ動作する。
【0119】
したがって、本発明にかかる動作表出装置は、駆動部材同士が互いに他の負荷になることなく動作部材を複数方向へ動かすことが可能であるため、消費電力を低減し、小型化を実現することが可能である。
【0120】
また、本発明にかかる玩具は、動物を模した外観形状を有し、少なくとも内部状態に応じて動作する玩具であって、動作部材と、第1及び第2の駆動手段と、第1の駆動手段により駆動される第1の駆動部材と、第2の駆動手段により駆動される第2の駆動部材とを有し、第1の駆動部材により動作部材を第1の方向に変位し、第2の駆動部材により動作部材を第2の方向に変位する動作表出装置を備え、動作表出装置は、内部状態に基づいて制御される。
【0121】
ここで、動作部材は、回転支軸と第1の突出部と第2の突出部とを備え、第1の駆動部材は、第1の突出部と当該第1の駆動部材の開口部とを係合して動作部材を回転支軸と垂直な軸方向に回動自在に支持し、第2の駆動部材は、第2の突出部と当該第2の駆動部材の開口部とを係合して動作部材を回転支軸を中心に回動自在に支持している。
【0122】
したがって、本発明にかかる玩具は、動作表出装置の駆動部材同士が互いに他の負荷になることなく動作部材を複数方向へ動かすことが可能であるため、消費電力を低減し、小型化を実現することが可能である。また、以上のような動作表出装置を玩具に適用することによって、玩具の幅広い感情表現を実現することができ、高度なエンターテインメント性を有する玩具を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる動作表出装置を適用したロボット装置の外観を示す外観図である。
【図2】本発明にかかる動作表出装置を適用したロボット装置の構成を示す構成図である。
【図3】ロボット装置における制御プログラムのソフトウェア構成を示す構成図である。
【図4】ロボット装置における制御プログラムのうち、ミドル・ウェア・レイヤの構成を示す構成図である。
【図5】ロボット装置における制御プログラムのうち、アプリケーション・レイヤの構成を示す構成図である。
【図6】ロボット装置における制御プログラムのうち、行動モデルライブラリの構成を示す構成図である。
【図7】ロボット装置の行動を決定するためのアルゴリズムである有限確率オートマトンを説明する模式図である。
【図8】ロボット装置の行動を決定するための状態遷移条件を表す図である。
【図9】本発明にかかる動作表出装置の外観を示す外観図である。
【図10】 本発明にかかる動作表出装置のうち、中心回転部材と、水平回転部材と、垂直方向駆動部材とから構成される部分を示す図である。
【図11】本発明にかかる動作表出装置における中心回転部材を示す図である。
【図12】本発明にかかる動作表出装置における水平回転部材を示す図である。
【図13】本発明にかかる動作表出装置における中心回転部材と水平回転部材とから構成される部分を示す図である。
【図14】本発明にかかる動作表出装置における垂直方向可動部材を示す図である。
【図15】本発明にかかる動作表出装置における垂直方向可動部材を示す図である。
【図16】本発明にかかる動作表出装置における外装部材の側面を一部切欠いて示す側面切欠図である。
【図17】本発明にかかる動作表出装置における外装部材の上面図である。
【符号の説明】
1 ロボット装置、2 胴体部ユニット、3A,3B,3C,3D 脚部ユニット、4 頭部ユニット、5 尻尾部ユニット、200 動作表出装置、210中心回転部材、211 球状部、212 水平動作制限凸部、213、垂直動作制限凸部、214a,214b 中心支軸、215 台形部、216 円板部、 220 水平回転部材、 221 球状部、222 凸部、223 回転支軸、224 垂直可動制限溝、225 孔、226 切欠部、230 垂直方向可動部材、231 湾曲部、232 アーム部、233 軸部、234 水平可動制限溝、235 アーム軸部、236 把持要凸部、240 外装部材、241 発光部、242 発光部材、243 孔、244 LED、245 導光管、246 端面

Claims (7)

  1. 動作部材と、
    第1の駆動手段と、
    第2の駆動手段と、
    上記第1の駆動手段により駆動される第1の駆動部材と、
    上記第2の駆動手段により駆動される第2の駆動部材とを備え、
    上記動作部材は、略球状を呈する球状部と、上記球状部に設けられる第1の突出部と、上記第1の突出部が設けられた個所に対して上記球状部の背部に設けられる第2の突出部と、上記球状部の外周に沿って上記第1の突出部と上記第2の突出部との間に設けられる第1の中心支軸及び第2の中心支軸とを有し、
    上記第1の駆動部材は、上記球状部の一部を覆うように形成される第1の湾曲部と、上記第1の湾曲部に設けられ、第1の駆動手段の水平方向の駆動が伝達される回転支軸と、上記回転支軸の回転軸に対して略並行に開口し、溝幅が上記第1の突出部の直径と略同じ大きさである第1の開口部と、上記第1の中心支軸及び上記第2の中心支軸と係合する孔とを有し、上記第1の突出部が上記第1の開口部を遊貫する状態で、上記第1の中心支軸と上記第2の中心支軸とを上記孔に対して回転自在に係合し、
    上記第2の駆動部材は、上記球状部と上記第1の湾曲部との一部を覆うように形成される第2の湾曲部と、当該動作表出装置を支持する支持板に形成された孔と係合するための軸部と、上記第2の湾曲部の曲面に対する接線と略並行に形成されるアーム部と、上記アーム部の一端部に形成されるアーム軸部と、上記アーム部の他端部に形成され、上記第2の駆動手段の垂直方向の駆動が伝達される凸部と、上記回転支軸の回転軸に対して略垂直に開口し、溝幅が上記第2の突出部の直径と略同じ大きさである第2の開口部とを有し、上記第2の突出部が上記第2の開口部を遊貫する状態で上記軸部と上記アーム軸部とを上記支持板に形成された孔に対して回転自在に係合し、
    上記第1の駆動部材は、上記動作部材を垂直方向に変位させ、上記第2の駆動部材は、上記動作部材を水平方向に変位させる動作表出装置。
  2. 上記第1の突出部は、端面が傾斜断面とされた台形部と、上記台形部と上記球状部との間に設けられる略円板形状の円板部とを有し、当該第1の突出部と上記円板部との間に溝部が形成され、
    動物を模した玩具に搭載され、上記動作部材が上記動物を模した玩具の外観形状の一部をなす動作表出部材が上記溝部に係合される請求項1記載の動作表出装置。
  3. 上記動作表出部材が上記動物を模した玩具の尻尾部を構成する請求項記載の動作表出装置。
  4. 上記動作表出部材は、光の照射により発光する発光部材を備え、
    上記動作部材は、上記発光部材に光を照射する発光手段を備える請求項記載の動作表出装置。
  5. 上記発光手段は、光源と上記光源から出射された光を上記発光部材に導く導光手段とを備える請求項記載の動作表出装置。
  6. 動物を模した外観形状を有し、少なくとも情動又は欲求に応じた状態、感情状態を示す内部状態に応じて動作する玩具であって、
    動作部材と、第1及び第2の駆動手段と、上記第1の駆動手段により駆動される第1の駆動部材と、上記第2の駆動手段により駆動される第2の駆動部材とを有し、上記第1の駆動部材により上記動作部材を垂直方向に変位し、上記第2の駆動部材により上記動作部材を水平方向に変位する動作表出装置を備え、
    上記動作部材は、略球状を呈する球状部と、上記球状部に設けられる第1の突出部と、上記第1の突出部が設けられた個所に対して上記球状部の背部に設けられる第2の突出部と、上記球状部の外周に沿って上記第1の突出部と上記第2の突出部との間に設けられる第1の中心支軸及び第2の中心支軸とを有し、
    上記第1の駆動部材は、上記球状部の一部を覆うように形成される第1の湾曲部と、上記第1の湾曲部に設けられ、第1の駆動手段の水平方向の駆動が伝達される回転支軸と、上記回転支軸の回転軸に対して略並行に開口し、溝幅が上記第1の突出部の直径と略同じ大きさである第1の開口部と、上記第1の中心支軸及び上記第2の中心支軸と係合する孔とを有し、上記第1の突出部が上記第1の開口部を遊貫する状態で、上記第1の中心支軸と上記第2の中心支軸とを上記孔に対して回転自在に係合し、
    上記第2の駆動部材は、上記球状部と上記第1の湾曲部との一部を覆うように形成される第2の湾曲部と、当該動作表出装置を支持する支持板に形成された孔と係合するための軸部と、上記第2の湾曲部の曲面に対する接線と略並行に形成されるアーム部と、上記アーム部の一端部に形成されるアーム軸部と、上記アーム部の他端部に形成され、上記第2の駆動手段の垂直方向の駆動が伝達される凸部と、上記回転支軸の回転軸に対して略垂直に開口し、溝幅が上記第2の突出部の直径と略同じ大きさである第2の開口部とを有し、上記第2の突出部が上記第2の開口部を遊貫する状態で上記軸部と上記アーム軸部とを上記支持板に形成された孔に対して回転自在に係合し、
    上記動作表出装置は、上記内部状態に基づいて動作される玩具。
  7. 上記動作表出装置は、上記外観形状のうちの尻尾部を構成する請求項記載の玩具。
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