JP4296678B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置において、インク供給源として大容量のインクカートリッジを用い、そのインクカートリッジから可撓性のチューブを介して小容量のサブタンクあるいはインク溜にインクを供給し、そこからインクジェットヘッドにインクを供給する形式のものが知られている。
【0003】
このようなものとして例えば、特開平11−198393号公報に記載されるように、インクジェットヘッドに供給するインクから気泡を除くために、サブタンク内には複数の仕切り板を配置し、各仕切り板の下部に開口を互いにずらせて形成しておき、インクが水平面内において蛇行して流れることにより、インク中の気泡が浮上して分離されるようにしたものがある。サブタンク上面を覆う蓋には、大気に開放する開口が形成されている。
【0004】
また、特開昭56−162661号公報には、インクジェットヘッドにインクを充填するために、インクジェットヘッドと一体に設けたインク溜を負圧にしてインクを導入し、その後インクジェットヘッドのインク噴射口からインクを吸引することで、インク溜からインクジェットヘッドにインクを充填することが記載されている。
【0005】
さらに、特開平3−104653号公報に記載されているように、キャリッジの移動や停止にともなうインクの慣性により、インクジェットヘッド内のインクの圧力変動を緩和するために、キャリッジ上にタンクを置き、タンク内に所定量の空気を溜めておいたり、タンクの側壁を可撓性フィルムで構成し、インクの圧力変動を緩衝するものがある。タンク上部の空気は、インクジェットヘッドの機能回復のための吸引動作によって、同時に吸引して排出するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開昭56−162661号公報および特開平3−104653号公報に記載の構成のように、サブタンクあるいはインク溜の上部からポンプで吸引動作を行うものでは、空気のみ吸引することは難しく、かなりの量のインクもむだに排出してしまう。インクの液面をセンサ等によって検出して吸引動作を制御することが考えられるが、センサの検出精度にはある程度の幅をもたせなければならず、またタンクが傾斜して置かれた場合には、インクのむだな排出を避けられない。
【0007】
空気をポンプで吸引する場合だけでなく、開口から自然に放出する場合でも、天井壁に気泡が停滞することがある。
【0008】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、空気や気泡の排出を効果的に行い、インクジェットヘッドへのインクの充填を効率的に行い、またインクジェットヘッドに気泡が流入しにくくするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
この目的を達成するために、請求項1記載のインクジェット記録装置は、インク供給源から管路を介して供給されたインクを供給口からタンクに貯留し、そのタンクから排出口を経てインクジェットヘッドにインクを供給するインクジェット記録装置において、前記タンクの天井壁に、外部に接続しかつ前記タンク内に開口するエア抜き口を設け、そのエア抜き口に連通する凹溝を前記タンクの天井壁に沿って延びかつその延びる方向の全長にわたって前記タンク内に開放して設けたことを特徴とする。
【0010】
この構成により、タンク内にインクがほぼ天井壁に接するまで充填された状態にあったり、タンクが傾斜して置かれエア抜き口付近でインクがほぼ天井壁に接する状態にあっても、凹溝によって空気や気泡がエア抜き口から効果的に排出される。特に、ポンプ等によって強制的に吸引するものでは、凹溝をとおして優先的に気泡や空気が取り除かれ、インクを無駄に排出してしまうことが少なくなる。
【0011】
また好ましくは、請求項2に記載のように、前記タンクは、天井壁と側壁とを一体に有する第1のケースと、底壁を有する第2のケースとで箱状に形成され、前記凹溝は、前記第1のケースの側壁の内側に沿って環状に形成された部分と、その環状部分と前記エア抜き口とを接続する部分とからなる構成とすることで、タンク内の天井壁全域にわたる気泡が効果的に取り除かれる。
【0012】
さらに好ましくは、請求項3に記載のように、請求項1または2において、前記エア抜き口は、前記インクジェットヘッドの噴射動作中には閉塞した状態にある構成とする。
【0013】
【0014】
請求項4に記載のように、請求項1から3のいずれかにおいて、前記タンクの排出口は、前記タンクの底部付近に開口し、前記エア抜き口には、前記タンク内からエアを吸引するポンプに接続されている構成とすることで、ポンプの駆動により、タンク全体にインクを効率よく導入することができる。そして、周期的あるいは任意の時期にポンプを駆動することにより、排出口がある部屋の上部に滞留した気泡を効果的に排除し、インクジェットヘッドへ供給するインクに気泡が再び混入するのを少なくすることができる。
【0015】
請求項5に記載のように、請求項4において、前記供給口を、前記タンクの底部付近に開口し、その供給口と前記排出口との間で前記タンクの底部から立ち上がって前記タンクの天井部と間隔をおいた第1の壁と、その第1の壁と前記排出口との間で前記タンクの天井部から垂下して前記タンクの底部と間隔をおいた第2の壁とを設け、前記第1および第2の壁の両端と前記タンクの側壁との間に間隔をあけた構成とする。この構成により、タンク内のインクは、インクジェットヘッドでインクの噴射によって消費された量を補給するべくタンクの排出口へ向けて流れる。この際、供給口がインク中に開口していることで、供給されたインクがインク液面に上方から衝突する場合のように、空気を巻き込むことがなく、さらに第1の壁の存在によって、気泡を含んだままのインクが横方向に流れることなく、第1の壁に沿って上昇した後、第1および第2の壁の間を下降し、第2の壁と排出口との間の部屋に溜められ、排出口からインクジェットヘッドに供給される。したがって、インクが上昇する際および下降するために方向変換する際に、気泡が効率よく分離され、第2の壁よりも上流側の部屋に気泡が溜められる。そして、第2の壁に沿ってインクが下降することで、溜められた気泡が排出口に流入しにくくなり、長期にわたって良好なインクの噴射状態を保つことができる。しかも、第1および第2の壁の両端とタンクの側壁との間に間隔をあけているので、第1および第2の壁に妨げられることなく、タンク内の天井壁全域にわたる気泡が効果的に取り除くことができる。さらに請求項4の構成に適用したとき、ポンプの駆動により、供給口からインクを第1および第2の壁を越えてタンク全体に効率よく導入することができる。
【0016】
請求項6に記載のように、請求項5において、前記インクジェットヘッドのインク噴射口を密閉し、そのインク噴射口からインクを吸引する吸引手段を設け、前記インク噴射口を密閉した状態で、前記ポンプにより、前記インク供給源からのインクを前記第1,第2の壁を超えて導入し、その後、前記吸引手段により前記排出口から前記インクジェットヘッド内にインクを導入するように、前記ポンプおよび前記吸引手段を制御する制御手段を備える構成とすることで、上記のようにタンク全体にインクを効率よく導入し、排出口近傍に空気がなくなってから、吸引手段を駆動してインクジェットヘッド内にインクを導入することができ、インクジェットヘッドにインクを充填する際、気泡が進入するのを少なくできる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面にしたがって説明する。図1はインクジェット記録装置におけるインク流路の概略構成を示す。インク供給源としての大容量のインクカートリッジ10は、可撓性のチューブ11を介してサブタンク12に接続され、インクカートリッジ10内のインクはポンプ13によってサブタンク12に供給される。サブタンク12の上部はチューブ15を介して大気に連通している。サブタンク12内のインクは可撓性のチューブ14を介してバッファタンク20に供給され、バッファタンク20内のインクはマニホールド30を介してインクジェットヘッド40の複数のインク噴射チャンネルに分配される。バッファタンク20の天井壁にはエア抜きのための可撓性のチューブ50が接続され、ポンプ51によってエアが排出される。
【0018】
インクジェットヘッド40のインク噴射動作中を含む通常時には、ポンプ51はチューブ50内の通路を閉塞して、バッファタンク20内を密閉した状態にし、インクジェットヘッド40とサブタンク12との高さの差により、インクジェットヘッド40に作用するインク圧力を負圧に維持している。
【0019】
公知のようにインクジェットヘッド40にインクを充填したり噴射機能回復のためにインクを吸引する吸引手段60は、吸引キャップ61とポンプ62とからなり、吸引キャップ61がインクジェットヘッド40と密着する位置と離隔する位置とに図示しない公知の駆動手段により移動する。
【0020】
インクジェットヘッド40は、図示しない記録媒体と、吸引キャップ61とに選択的に対向するようにそれらと相対移動可能に設けられている。具体的にはインクジェットヘッド40は、図示しない公知のキャリッジに搭載され、記録媒体に対向する位置と、吸引キャップ61に対向する位置とに移動可能に設けられている。
【0021】
ポンプ13、51および吸引手段60は、公知のCPUなどからなる制御手段70により制御される。
【0022】
インクジェットヘッド40は、図3から明らかなように基板41の両側に、複数の噴射チャンネル44(図2)をそれぞれ有する2個のアクチュエータ基板42、43を接着した構造で、下面に、その各チャンネル44に接続した噴射口45(図2)を2列開口している。各アクチュエータ基板42、43の上面には、それぞれマニホールド30、30が接続されている。各マニホールド30、30は、図2に示すように各アクチュエータ基板の複数の噴射チャンネル44にわたって延びる通路を有しており、一端の導入管33から導入したインクを各噴射チャンネル44に分配する。マニホールド30、30の各導入管33は、基板41の長手方向(図2の左右方向)の両端に離れて位置する。噴射チャンネル44内のインクを噴射する構成は、公知のように噴射チャンネルの側壁を圧電材料で構成して側壁の変形により、インクを噴射するものが好適であるが、ヒータによりインクを沸騰させて噴射する等、他の原理のものでも使用することができる。このように基板41の両側に、アクチュエータ基板42、43およびマニホールド30、30を配置した構成は、特開平9−66604号公報に記載された構成と同様のものである。
【0023】
インクジェットヘッド40、マニホールド30、30からなるユニットは、取付板35に接着固定され、インクジェットヘッド40の噴射口45が位置する下面を除く周囲をカバー36で覆われている。マニホールド30、30の各導入管33は取付板35の開口を貫通して上方に突出している。アクチュエータ基板42、43の圧電材料に電圧を印加する給電部材37は、取付板35の側方から外部に導き出される。
【0024】
バッファタンク20は、天井壁と側壁からなる第1のケース21と、第1のケースの開放下面を密閉状態に覆って接着固定されバッファタンクの底壁をなす第2のケース22とからなる。両ケースとも合成樹脂材料の射出成形によって製作される。第1のケース21の天井壁には、内部にインク供給路23aを形成する中空筒状壁23が内部に垂下しかつ外部にも突出して形成されている。第2のケース22の底壁には排出口24、24がマニホールド30、30の各導入管33に対応して形成されている。排出口24、24は、バッファタンク20の内底面よりも上方に突出した段部25に形成され、その排出口を覆うフィルタ26、26が段部25の上面に固着されている。
【0025】
中空筒状壁23と排出口24、24との間には、第2のケース22の底壁から一体に立ち上がった第1の壁27が形成され、またその第1の壁27と排出口24、24との間には、第1のケース21の天井壁から一体に垂下した第2の壁28が形成されている。第1の壁27の上端は第1のケース21の天井壁と間隔をおいて位置し、第2の壁の下端は第2のケース22の底壁と間隔をおいて位置する。第1および第2の壁27、28は、相互に一部が水平方向に間隔を置いて対向する高さに延び、図4、5から明らかなように、排出口24、24をそれぞれ囲むようにほぼ半円弧状をなしている。第1および第2の壁27、28の両端は、第1のケース21の側壁と間隔をあけている。
【0026】
さらに、第2のケース22の底壁には、2個の第1の壁27、27間にその壁と共同して中空筒状壁23を囲む第3の壁29が一体に立ち上がって形成されている。第3の壁29の上端は、第1の壁27の上端よりも十分に低く位置し、中空筒状壁23の下端すなわち供給口23bよりも上方に位置する。
【0027】
また、バッファタンク20内の第2の壁28よりも排出口24側の部屋の天井壁には、エア抜き口52が形成され、そのエア抜き口52にはエア抜き用のチューブ50が接続されている。エア抜き口52は、2個の排出口24に対応する位置にそれぞれ設けても差し支えないが、本実施の形態では、一方の排出口24に対応する位置にのみ設けている。
【0028】
第1のケース21の天井壁には、側壁の内側に沿って環状の凹溝80が形成されている。この凹溝80は第1のケース21を合成樹脂により射出成形した際、側壁が内側にたわむ現象を防ぐためのものであるが、本実施の形態では、これを気泡の排出にも利用するため、図5に示すように、エア抜き口52と凹溝80とを連通する1個または複数の凹溝81が天井壁に形成されている。また、エア抜き口52が存在しない側の部屋の天井壁には、第2の壁28の円弧の中心に向かって1個または複数の凹溝82が形成されている。
【0029】
バッファタンク20は、取付板35にネジ85等の固定手段により固定される。その際、排出口24は、マニホールド30の導入管33と直接対向して接続される。排出口24と導入管33との間には、二重の円筒部をもつシールゴム86が介挿され、排出口24と導入管33との相対位置が多少ずれてもシールゴム86内側の円筒部の変形によってシール状態を保つようにしている。
【0030】
上記のように構成された装置において、バッファタンク20およびインクジェットヘッド40にインクを充填するには、まず制御手段70の制御の下に、吸引キャップ61でインクジェットヘッド40の全噴射口45を密閉し、エア抜き用のポンプ51を駆動する。これによって、第2の壁28の下流側の部屋が減圧され、サブタンク12からのインクが第3の壁29、第1の壁27、第2の壁28を超えてバッファタンク20全体にインクが効率よく導入される。バッファタンク20内の上部に所定量の空間を残すように、インクの液面高さは、図示しないセンサあるいはポンプ52の駆動時間によって制御される。排出口24の上方に十分インクが溜められた後、制御手段70の制御の下に吸引手段の吸引ポンプ62を駆動すると、バッファタンク20内のインクが排出口24からインクジェットヘッドの全噴射チャンネル44に充填される。この結果、バッファタンク20内で気泡が少なくなったインクがインクジェットヘッドに供給され、噴射チャンネル44に気泡が進入することが少なくなる。
【0031】
インクジェットヘッド40のインク噴射動作中を含む通常時には、ポンプ51はチューブ50内の通路を閉塞して、バッファタンク20内を密閉した状態にしている。それによって、インクジェットヘッド40とサブタンク12との高さの差により、インクジェットヘッド40に作用するインク圧力を負圧に維持している。インクジェットヘッド40でインクが噴射されると、その消費された量を補給するべくサブタンク12からバッファタンク20内へインクが供給される。この際、供給口24bが第3の壁29の内側のインク中に開口していることで、供給されたインクがインク液面に上方から衝突する場合のように、空気を巻き込むことがない。さらに第3の壁29および第1の壁27の存在によって、インクが気泡を含んだまま横方向に流れることなく、第3の壁29および第1の壁27に沿って上昇した後、第1の壁27と第2の壁28の間を下降し、第2の壁28と排出口24との間の部屋に溜められ、排出口24からインクジェットヘッドに供給される。したがって、インクが上昇する際および下降するために方向変換する際に、気泡が効率よく分離され、第2の壁28よりも上流側の部屋の天井部に沿って多くの気泡が溜められる。第1および第2の壁27、28と側壁との間の隙間からも一部のインクは流れるが、その流路は長くかつ湾曲しているため、インクが流れる間に気泡が浮上して分離される。また、第2の壁28に沿ってインクが下降することで、溜められた気泡が排出口24に向け流れにくくなり、さらに、フィルタ26によってインク中の気泡や異物を捕捉し、インクジェットヘッド40に供給されるインク中の気泡を十分に少なくすることができ、長期にわたって良好なインクの噴射状態を保つことができる。
【0032】
また仮に第3の壁29が第1の壁27と同程度に高いと、第3の壁29内および第3の壁29と第1の壁27との間にインクが停滞して濃度に変化が生じ、噴射動作に影響をあたえることがあるが、第3の壁29が第1の壁27よりも低いことで、インクの停滞を防止することができる。
【0033】
周期的あるいは任意の時期に、インクジェットヘッドの噴射口45を吸引キャップ61で密閉した状態にして、エア抜き用の吸引ポンプ51を所定時間駆動することにより、バッファタンク20の上部に滞留した気泡をエア抜き口52から排除することができる。第1および第2の壁27、28が側壁と接続していないから、バッファタンク20内全体の上部に溜まった気泡を効果的に排除することができる。さらに、この際、チューブ14内に発生した気泡もインクとともに導入されるから、上記のようにインクから気泡を分離して排除することができる。
【0034】
仮に、バッファタンク20内にインクがほぼ天井壁に接するまで充填された状態にあったり、バッファタンク20が傾斜して置かれエア抜き口52付近でインクがほぼ天井壁に接する状態にあると、エア抜き用のポンプ51の駆動によって、多量のインクを排出してしまうおそれがあるが、天井壁の全周にわたって設けた凹溝80が凹溝81によってエア抜き口52に連通していることによって、バッファタンク20内の天井壁全域にわたって気泡が優先的に取り除かれ、インクを無駄に排出してしまうことが少なくなる。また、エア抜き口52が存在しない側の部屋の第2の壁28の円弧の中心付近に気泡が溜まっている場合、その気泡を、凹溝82から環状の凹溝82、凹溝81を経て排除することができる。その結果、インクジェットヘッドへ供給するインクに気泡が再び混入するのを少なくすることができる。エア抜き用の吸引ポンプ51によって気泡とともに排出されたインクは、図示しない廃インク溜に捨てられるが、サブタンク12に戻すようにしてもよい。
【0035】
また、バッファタンク20にインクがほとんどない状態で長期間放置されると、異物や高粘度のインクが底部に沈殿したり、顔料インクの場合には顔料が底部に沈殿する。この状態で、吸引手段60で吸引動作をおこなうと、フィルタ26が目詰まりすることがあるが、底部から立ち上がった段部25に排出口24を開口していることで、それを解決し、長期にわたって良好なインクの噴射状態を保つことができる。
【0036】
バッファタンク20は、第1のケース21と第2のケース22とを組み立てるだけで完成することができ、少ない部品点数で簡単な構成とすることができる。バッファタンクの側壁は、第1のケース21と第2のケース22のいずれに設けても良いが、第2のケース22にフィルタ26を固着するため、上記実施の形態のものが好ましい。
【0037】
バッファタンク20はインクジェットヘッド40とともにキャリッジに搭載されているから、バッファタンク20内に所定量の空気を残しておくことで、キャリッジの移動にともなうインクの圧力変動を緩衝することができる。
【0038】
なお、請求項3および5の第1の壁は、上記実施の形態における第1の壁27または第3の壁29のいずれであってもよく、またはその双方であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 インクジェット記録装置のインク流路の概略構成図である。
【図2】 図1のインクジェットヘッド、マニホールド、バッファタンク部分の縦断面図である。
【図3】 図2のA−A線において断面にした斜視図である。
【図4】 図2のB−B線断面図である。
【図5】 バッファタンクの分解斜視図である。
【符号の説明】
20 バッファタンク
21 第1のケース
22 第2のケース
23b 供給口
24 排出口
26 フィルタ
27 第1の壁
28 第2の壁
29 第3の壁
30 マニホールド
40 インクジェットヘッド
52 エア抜き口
60 吸引手段
80,81,82 凹溝

Claims (6)

  1. インク供給源から管路を介して供給されたインクを供給口からタンクに貯留し、そのタンクから排出口を経てインクジェットヘッドにインクを供給するインクジェット記録装置において、
    前記タンクの天井壁に、外部に接続しかつ前記タンク内に開口するエア抜き口を設け、そのエア抜き口に連通する凹溝を、前記タンクの天井壁に沿って延びかつその延びる方向の全長にわたって前記タンク内に開放して設けたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 請求項1において、前記タンクは、天井壁と側壁とを一体に有する第1のケースと、底壁を有する第2のケースとで箱状に形成され、前記凹溝は、前記第1のケースの側壁の内側に沿って環状に形成された部分と、その環状部分と前記エア抜き口とを接続する部分とからなることを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 請求項1または2において、前記エア抜き口を外部に接続する通路は、前記インクジェットヘッドの噴射動作中には閉塞した状態にあることを特徴とするインクジェット記録装置。
  4. 請求項1から3のいずれかにおいて、前記タンクの排出口は、前記タンクの底部付近に開口し、前記エア抜き口には、前記タンク内からエアを吸引するポンプに接続されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
  5. 請求項4において、前記供給口を、前記タンクの底部付近に開口し、その供給口と前記排出口との間で前記タンクの底部から立ち上がって前記タンクの天井部と間隔をおいた第1の壁と、その第1の壁と前記排出口との間で前記タンクの天井部から垂下して前記タンクの底部と間隔をおいた第2の壁とを設け、前記第1および第2の壁の両端と前記タンクの側壁との間に間隔をあけたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 請求項5において、前記インクジェットヘッドのインク噴射口を密閉し、そのインク噴射口からインクを吸引する吸引手段を設け、
    前記インク噴射口を密閉した状態で、前記ポンプにより、前記インク供給源からのインクを前記第1,第2の壁を超えて導入し、その後、前記吸引手段により前記排出口から前記インクジェットヘッド内にインクを導入するように、前記ポンプおよび前記吸引手段を制御する制御手段を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
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