JP4295371B2

JP4295371B2 - Soft magnetic steel having excellent soft magnetism and high electrical resistance and method for producing the same

Info

Publication number: JP4295371B2
Application number: JP23973998A
Authority: JP
Inventors: 俊之村上; 哲也三瓶; 隆志出尾
Original assignee: Toyota Motor Corp; JFE Bars and Shapes Corp
Current assignee: Toyota Motor Corp; JFE Bars and Shapes Corp
Priority date: 1998-08-26
Filing date: 1998-08-26
Publication date: 2009-07-15
Anticipated expiration: 2018-08-26
Also published as: JP2000073149A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車や産業機械等に使用される電磁弁等の電磁アクチュエーター用部品素材に関するものであり、低磁場磁束密度、最大透磁率及び高磁場磁束密度がいずれも大きく、保磁力が小さく、なお且つ電気抵抗の大きな軟磁性鋼材に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
自動車や産業機械等に使用される電磁弁等の電磁アクチュエーターは、電磁誘導現象により動作し、入力電流を制御することによってその動作を制御し、目的に応じた機能を発揮する。こうした電磁アクチュエーターは近年の高性能化に伴い、その高応答性及び高電磁誘導力が要求されつつある。従来より、このような電磁誘導部には軟鋼、純鉄又は珪素鋼が使用されており、高応答性及び高電磁誘導力に有利な鋼材の成分系が検討されている。電磁アクチュエーターにこのような特性を発揮させるためには、優れた軟磁性、即ち、高磁束密度、高透磁率及び低保磁力を備え、且つ、高電気抵抗を備えた材料がその素材に要求される。
【０００３】
このような要求に対して、例えば、特開平２−１７０９４８号公報には、高Ｃｒ鋼に炭窒化物形成元素を意図的に含有させることによって、高磁束密度及び低保磁力を付与すると共に、材料の加工性の改善を図った鋼材が開示されている（以下、先行技術１とう）。先行技術１によれば、良好な磁束密度（Ｂ₂₀）が得られてはいるが、保磁力は０．７Oe以上であって、良好であるとはいえない。
【０００４】
また、特開平２−２５９０４７号公報には、高Ｃｒ鋼にＡｌを含有させることによって、高電気抵抗化を図った鋼材が開示されている（以下、先行技術２という）。しかしながら、先行技術２では、低磁場磁束密度（Ｂ₂）が１１０００ G以下と低く、且つ、保磁力も０．７Oe以上であって、良好とはいえない。
【０００５】
更に、特開平４−２３５２５７号公報には、高Ｃｒ鋼にＭｏ、Ｔｉ、Ａｌ及びＢ等を含有させることによって、高電気抵抗化、軟磁性及び加工性の改善を図った鋼材が開示されている（以下、先行技術３という）。しかしながら、先行技術３では、低磁場磁束密度（Ｂ₁）９６００ G以下と低く、良好とはいえない。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
上述した通り、先行技術１〜３ではいずれも、最近の電磁アクチュエーターに要求される高応答性及び高電磁誘導力を満たすための高電気抵抗を有する軟磁性材料として十分であるとはいえない。
【０００７】
従って、この発明の目的は、上述した問題を解決して、自動車や産業機械等に使用される電磁アクチュエーター用部品素材として、低磁場磁束密度、最大透磁率及び高磁場磁束密度が大きく、保磁力が小さく、しかも電気抵抗が大きいという、諸特性が飛躍的に向上し、さらに、特に、高周波数域における消費電力の低減が図れる軟磁性鋼材及びその製造方法を提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上述した観点から新技術を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、適量のＡｌ、Ｓｉ及びＣｒを添加することにより、上記諸特性を備えた軟磁性鋼材の成分系が得られ、この成分系の鋼に適切な熱処理を施すことにより所望の軟磁性鋼材を製造することができるとの知見を得た。この発明は、上述した知見に基づきなされたものであって、下記構成を有する。
【０００９】
請求項１記載の軟磁性鋼材は、軟磁性に優れ、即ち、低・高磁場磁束密度及び最大透磁率が大きく、且つ保磁力が小さく優れ、しかも、高電気抵抗を有する軟磁性鋼材であって、Ｃ：０．００７ｍａｓｓ％以下、Ｔ・Ｎ：０．０１ｍａｓｓ％以下、Ａｌ：２〜３ｍａｓｓ％、Ｓｉ：０．６１〜０．７ｍａｓｓ％、Ｃｒ：２〜７ｍａｓｓ％を含有し、残部：Ｆｅおよび不可避的不純物からなり、かつ、下記（１）式
Ｓ値＝２×（Ａｌ+Ｓｉ）+Ｃｒ ---（１）
但し、Ａｌ、Ｓｉ及びＣｒ：それぞれの元素の含有率（ｍａｓｓ％）
で算出されるＳ値が、１１．２７〜１４．０の範囲内にある化学成分組成を有することに特徴を有するものである。
【００１０】
請求項２記載の軟磁性鋼材は、請求項１記載の発明において、前記化学成分組成に、更に、Ｓ：０．１mass％以下、及び、Ｐｂ：０．３mass％以下の内、１種又は２種が添加されていることに特徴を有するものである。
【００１１】
請求項３記載の軟磁性鋼材の製造方法は、請求項１又は２記載の化学成分組成を有する鋼を溶製し、そして鋳造し、こうして得られた鋼塊又は鋳片に加工を施して所定形状の鋼材に成形し、次いで、得られた鋼材又は当該鋼材に更に加工を施して得られた加工品に対して８００〜１３００℃の範囲内の温度で熱処理を施すことに特徴を有するものである。
【００１２】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の軟磁性鋼材及びその製造方法を、上述した通りの鋼材の化学成分組成及び製造条件に限定した理由を説明する。
【００１３】
（１）Ｃ：０．００７mass％以下
Ｃは軟磁性に著しく悪影響を与える不純物元素であり、極力低減させなければならない。即ち、Ｃ含有率が０．００７mass％を超えると、Ａｌ及びＳｉ複合添加によるフェライト域拡大作用が低下するので、鋼材熱処理時のフェライト粒拡大作用が阻害されて、その結果として軟磁性が著しく劣化する。また、炭化物析出により、熱処理時のフェライト粒拡大作用が阻害されること、及び、炭化物自体の作用により、軟磁性が著しく劣化する。従って、Ｃ含有率は０．００７mass％以下に限定する。
【００１４】
（２）Ｎ：０．０１mass％以下
ＮはＣと同様に軟磁性に著しく悪影響を与える不純物元素であり、極力低減させなければならない。即ち、Ｎ含有率が０．０１mass％を超えると、窒化物析出により、鋼材熱処理時のフェライト粒拡大作用が阻害されること、及び、窒化物自体の作用により、軟磁性が著しく劣化する。従って、Ｎ含有率は０．０１mass％以下に限定する。
【００１５】
（３）Ａｌ：２〜３mass％
Ａｌはフェライト域拡大作用もしくはフェライト変態温度を高めるので、また、窒化物粒子の大型化に寄与するので、鋼材熱処理時のフェライト粒拡大作用を容易ならしめると共に、固溶窒素を低減させるので、軟磁性を向上させるために重要な元素である。一方、Ａｌには、電気抵抗を増大させる効果もある。この効果を発揮させるためには、２mass％以上添加する必要がある。しかし、Ａｌ添加量が３mass％を超えると、軟磁性の改善効果が飽和傾向になると共に、鋼中にアルミナ系介在物が増加し、鋼材の加工性を劣化させる。従って、Ａｌ含有率は、２〜３mass％の範囲内に限定する。
【００１６】
（４）Ｓｉ：０．６１〜０．７ｍａｓｓ％
ＳｉはＡｌと同様に、フェライト域拡大作用もしくはフェライト変態温度を高めるので、鋼材熱処理時のフェライト粒拡大作用を容易ならしめる。その結果、軟磁性を向上させると共に、電気抵抗を増大させる効果のあるので、重要な元素である。このような作用効果を発揮させるためには、Ｓｉを０．６１ｍａｓｓ％以上添加することが必要である。しかしながら、Ｓｉ添加が０．７ｍａｓｓ％を超えると靱性を劣化させる恐れが生じる。従って、Ｓｉ含有率は、０．６１〜０．７ｍａｓｓ％の範囲内に限定する。
【００１７】
（５）Ｃｒ：２〜７mass％
Ｃｒは、電気抵抗を他の添加必須元素に比べて顕著に上昇させるので、本発明の根幹に関わる重要な元素である。Ｃｒのこの効果を発揮させるためには、２mass％以上添加することが必要である。しかしながら、Ｃｒ添加が７mass％を超えると軟磁性の低下を招くと共に、電気抵抗の上昇効果が飽和傾向になる。従って、Ｃｒ含有率は、２〜７mass％の範囲内に限定する。
【００１８】
（６）Ｓ：０．１mass％以下及びＰｂ：０．３mass％以下の内１種又は２種
Ｓ及びＰｂはいずれも鋼材に良好な切削性を付与する場合に添加する。しかしながら、その添加量が、Ｓ：０．１mass％及びＰｂ：０．３mass％のいずれかを超えて添加してもこの効果が飽和してしまい、また、経済的にも不利となる。従って、Ｓ及びＰｂの添加は良好な切削性を付与する場合に、Ｓ：０．１mass％以下且つＰｂ：０．３mass％以下であって、いずれか１種又は２種に限定して添加する。
【００１９】
上述した元素の他に、製鋼工程においてスクラップや耐火物等から不可避的に混入する元素、例えばＰ、Ｎｉ等の元素は、不純物としての含有率レベルで含有していても差し支えない。
【００２０】
（７）Ｓ値：１１．２７〜１４．０
Ｓ値は、下記（１）式で算出される電気抵抗及び磁束密度に対する、鋼中Ａｌ、Ｓｉ及びＣｒ含有率の影響を示すパラメーターである。
【００２１】
Ｓ値＝２（Ａｌ＋Ｓｉ）＋Ｃｒ--------------------（１）
但し、Ａｌ、Ｓｉ及びＣｒ：それぞれの元素の含有率（ｍａｓｓ％）
そして、Ｓ値が増大すると共に、電気抵抗の上昇という利点と磁束密度の低下という欠点との相反する特性変化が生じる。一方、この発明における軟磁性鋼材の目標とする代表特性として、本発明者等は下記（２）及び（３）式を満たすことを設定した。即ち、低磁場磁束密度（１６０Ａ／ｍでの磁束密度）Ｂ_２が、
Ｂ_２≧１．１Ｔ ------------------------（２）
で、且つ、電気抵抗値ρが、
ρ≧８８．９μΩｃｍ ------------------------（３）
であること。
【００２２】
本発明者等は、低磁場磁束密度Ｂ_２及び電気抵抗値ρ共に上記条件を満たすためには、Ｓ値は１１．２７〜１４．０の範囲内に限定すべきであることを見い出した。よって、Ｓ値を１１．２７〜１４．０の範囲内に限定する。
【００２３】
（８）熱処理温度：８００〜１３００℃
優れた軟磁性を得るためには、鋼材のフェライト結晶の平均粒径を０．１ｍｍ以上にすることが望ましいことを本発明者等は知得している。そのためには、この発明において、前述した化学成分組成からなる鋼を溶製・鋳造した後、鋳片又は鋼塊を所定形状の鋼材に成形し、得られた鋼材を８００〜１３００℃の範囲内の温度で熱処理（焼鈍）することが必要である。８００℃未満の熱処理では、鋼材のフェライト結晶の平均粒径を０．１ｍｍ以上にすることができず、一方、１３００℃を超える温度の熱処理では、粒径を大きくする効果があまりなく、かえって鋼材に変形をまねいたり、また熱経済的に不利となる。従って、鋼材の前熱処理温度を８００〜１３００℃の範囲内に限定する。
【００２４】
なお、この熱処理は、焼鈍を目的とするものであり、鋼材に対する加工をほぼ終了した時点で実施することが望ましい。鋼材としては、鋼板、鋼管、棒鋼、形鋼及び線材等の各種鋼材、並びにこれらの加工材等、いかなる形態のものであってもよい。
【００２５】
以上のようにして製造する本発明の軟磁性鋼材の諸特性の目標値は、前記の
低磁場磁束密度Ｂ_２≧１．１Ｔ
電気抵抗値ρ≧８８．９μΩｃｍ
の他に、保磁力Ｈ_Ｃ≦２８Ａ／ｍ
最大透磁率≧０．０１４
高磁場磁束密度Ｂ_２５≧１．３５Ｔ
を追加したものである。
【００２６】
【実施例】
次に、この発明を、実施例によって更に詳細に説明する。
表１に示す化学成分組成を有する各鋼を溶製し鋼塊を鋳造した。得られた鋼塊を直径５０ｍｍの丸棒の形材に熱間加工した。次いで当該丸棒から試験片を採取し、表２に示す各温度で真空熱処理を施した。このようにして得られた所要の試験片に対し、フェライト結晶平均粒径、電気抵抗及び直流磁気特性を測定した。直流磁気特性として、保磁力、最大透磁率、低磁場磁束密度（１６０Ａ／ｍでの磁束密度、Ｂ₂）、及び高磁場磁束密度（２０００Ａ／ｍでの磁束密度、Ｂ₂₅）を測定した。
【００２７】
【表１】

【００２８】
【表２】

【００２９】
表１に示した鋼の化学成分組成は、本発明の範囲内にある鋼Ｄ、Ｅ、並びに、本発明の範囲外にある鋼Ａ〜Ｃ、Ｆ〜Ｑからなる。表２には、本発明の範囲内の試験である実施例４、５、本発明の範囲外の試験である比較例１〜１１、及び参考例１〜３、６、７についての各特性値の試験結果を併記した。試験結果は、表１及び２から下記の通りである。
【００３０】
（１）実施例４、５（鋼Ｄ，Ｅ）、参考例１〜３（鋼Ａ〜Ｃ）、比較例１、２（鋼Ｆ，Ｇ）は、Ｃｒ含有率を変化させた例である。これより、Ｃｒ含有率が増えるに従い、電気抵抗が増大し、低・高磁場磁束密度及び最大透磁率が低下し、保磁力が増加している。即ち、Ｃｒ含有率が増えるに従い軟磁性が劣化している。
・実施例４、５（鋼Ｄ，Ｅ）：すべて、低磁場磁束密度Ｂ_２が１．１Ｔ以上で、且つ電気抵抗値ρが８８．９μΩｃｍ以上であり、代表特性の目標値を満足している。また、その他の特性値も目標値を満たしており良好である。
・比較例１（鋼Ｆ）：Ｃｒ含有率及びＳ値が本発明の範囲を上方に外れている場合で、高電気抵抗であるが、軟磁性に劣り低・高磁場磁束密度が低くなり、総合的に特性が劣り、本発明の目的が達成されていない。
・比較例２（鋼Ｇ）：Ｃｒ含有率及びＳ値が本発明の範囲を下方に外れている場合で、軟磁性に優れ、低・高磁場磁束密度が高いが、電気抵抗が低いため、総合的に特性が劣り、本発明の目的が達成されていない。
【００３１】
（２）比較例３、４（鋼Ｈ，Ｉ）は、Ａｌ含有率を本発明の範囲外に変化させた例である。
・比較例３（鋼Ｈ）：Ａｌ含有率が本発明の範囲を上方に外れている場合で、高電気抵抗であるが、軟磁性が劣り、低・高磁場磁束密度が低くなり、総合的に特性が劣り、本発明の目的が達成されていない。
・比較例４（鋼Ｉ）：Ａｌ含有率が本発明の範囲を下方に外れている場合で、軟磁性に優れ、低・高磁場磁束密度が高いが、電気抵抗が低いため、総合的に特性が劣り、本発明の目的が達成されていない。
【００３２】
（３）比較例５、６（鋼Ｊ，Ｋ）は、Ｓｉ含有率を本発明の範囲外に変化させた例である。
・比較例５（鋼Ｊ）：Ｓｉ含有率が本発明の範囲を上方に外れている場合で、高電気抵抗であるが、軟磁性が劣り、低・高磁場磁束密度が低くなり、総合的に特性が劣り、本発明の目的が達成されていない。
・比較例６（鋼Ｋ）：Ｓｉ含有率が本発明の範囲を下方に外れている場合で、軟磁性に優れ、低・高磁場磁束密度が高いが、電気抵抗が低いため、総合的に特性が劣り、本発明の目的が達成されていない。
【００３３】
（４）比較例７、８（鋼Ｌ，Ｍ）はそれぞれＣ、Ｎ含有率が、本発明の範囲を上方に外れている場合で、前述の如く、Ｃ、Ｎは軟磁性に大きく悪影響を与える不純物元素である。そのため、高電気抵抗であるが、低・高磁場磁束密度が低くなり、総合的に特性が劣り、本発明の目的が達成されていない。
【００３４】
（５）参考例６、７（鋼Ｎ，Ｏ）はそれぞれ、切削性向上元素としてＰｂ及びＳを所定量添加した例である。両方共、低磁場磁束密度Ｂ_２が１．１Ｔ以上であるが、電気抵抗値ρが８８．９μΩｃｍ未満であるので、高周波数域での消費電力の低減効果が小さい。
【００３５】
（６）比較例９、１０（鋼Ｐ，Ｑ）は、Ｓ値を本発明の範囲外に変化させた例である。
・比較例９（鋼Ｐ）：個々の成分元素添加量は、本発明の範囲内にあるが、Ｓ値が上方に外れた場合である。高電気抵抗であるが、軟磁性が劣り、低・高磁場磁束密度が低くなり、総合的に特性が劣り、本発明の目的が達成されていない。
・比較例１０（鋼Ｑ）：個々の成分元素添加量は、本発明の範囲内にあるが、Ｓ値が下方に外れた場合である。軟磁性に優れ、低・高磁場磁束密度が高いが、電気抵抗が低いため、総合的に特性が劣り、本発明の目的が達成されていない。
・比較例１１：化学成分組成は本発明の範囲内である鋼Ｄを用いたが、熱処理加熱温度が本発明の範囲より低い場合である。そのためフェライト粒径が小さいため、軟磁性が劣り、高電気抵抗であるが低・高磁場磁束密度が低くなり、総合的に特性が劣り、本発明の目的が達成されていない。
（７）参考例１、２（鋼Ａ，Ｂ）：個々の成分元素添加量は、本発明の範囲内にあるが、Ｓ値が本発明の範囲の下方に外れた場合である。軟磁性に優れ、低・高磁場磁束密度が高いが、電気抵抗が低いため、総合的に特性が劣り、本発明の目的が達成されていない。
（８）参考例３（鋼Ｃ）：Ｓｉ含有量およびＳ値が本発明の範囲の下方に外れているので、軟磁性に優れ、低・高磁場磁束密度が高いが、電気抵抗が低いため、総合的に特性が劣り、本発明の目的が達成されていない。
【００３６】
以上の実施例及び比較例で得られた試験データより、目標とする代表特性である電気抵抗値ρと低磁場磁束密度Ｂ₂との関係をプロットすると、図１の通りである。本発明の範囲内の実施例では、電気抵抗値ρ及び低磁場磁束密度Ｂ₂がいずれも目標値を達成していることがわかる。
【００３７】
次に、本発明の高電気抵抗軟磁性鋼材を用いて、自動車用電磁アクチュエーターを試作しその評価をした。評価試験は、参考例２（鋼Ｂ）、参考例６（鋼Ｎ）及び実施例４（鋼Ｄ）の各試験片について、消費電力比を測定した。消費電力比は、参考例２（鋼Ｂ）の消費電力を１００とし、これに対する消費電力比で表わした。作動周波数は、８．３５Ｈｚ、２５Ｈｚ及び５０Ｈｚの３水準で行なった。その結果を、図２に示す。同図から、消費電力比に及ぼす体積固有抵抗値（電気抵抗値）の影響がわかる。即ち、体積固有抵抗値ρが大きくなると消費電力は小さくなり、その効果の度合いは作動周波数に依存する。体積固有抵抗値ρを参考例２（鋼Ｂ）の７５．３μΩｃｍから実施例４（鋼Ｄ）の８８．９μΩｃｍまで高めると、いずれの作動周波数においても約１２％低減できることが確認された。なお、本発明者等は、本発明鋼材によれば、従来鋼材の体積固有抵抗値である４０〜６０μΩｃｍの電磁アクチュエーターに比べ、３０〜２０％だけ消費電力が低減できることも確認済である。
【００３８】
このように、本発明の軟磁性鋼材によれば消費電力を著しく低減できるので、小型化を要求される電磁アクチュエーターには、発熱量低下の観点からも非常に有利となる。また、特に、高周波数域での消費電力を低減することができるため、自動車に使用されると燃費低減効果に対しても有利となる。
【００３９】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、低磁場磁束密度、最大透磁率及び高磁場磁束密度がいずれも大きく、保磁力が小さく、且つ電気抵抗が大きく、これらの特性値が飛躍的に向上した、電磁弁等の電磁アクチュエーター用部品素材が得られ、その磁気回路構成部品として好適な軟磁性鋼材を得ることができる。このような軟磁性に優れ、高電気抵抗を有する軟磁性鋼材及びその製造方法を提供することができ、工業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図１】実施例及び比較例の軟磁性鋼材の目標とする代表特性である電気抵抗値と低磁場磁束密度との関係領域を示すグラフである。
【図２】本発明の軟磁性鋼材例の電気抵抗値と消費電力比との関係を示すグラフを作動周波数で層別したものである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
This invention relates to a component material for an electromagnetic actuator such as a solenoid valve used in automobiles, industrial machines, etc., and the low magnetic flux density, the maximum magnetic permeability and the high magnetic flux density are all large, the coercive force is small, Further, the present invention relates to a soft magnetic steel material having a large electric resistance.
[0002]
[Prior art]
Electromagnetic actuators such as electromagnetic valves used in automobiles, industrial machines, and the like operate by an electromagnetic induction phenomenon, control the operation by controlling the input current, and exhibit functions according to the purpose. Such electromagnetic actuators are required to have high responsiveness and high electromagnetic induction force with the recent high performance. Conventionally, mild steel, pure iron, or silicon steel has been used for such an electromagnetic induction portion, and a steel component system that is advantageous for high response and high electromagnetic induction force has been studied. In order for an electromagnetic actuator to exhibit such characteristics, a material having excellent soft magnetism, that is, a material having a high magnetic flux density, a high magnetic permeability, a low coercive force, and a high electrical resistance is required. The
[0003]
In response to such a requirement, for example, in JP-A-2-170948, a high Cr steel is intentionally incorporated with a carbonitride-forming element to provide a high magnetic flux density and a low coercive force, A steel material that improves the workability of the material is disclosed (hereinafter referred to as Prior Art 1). According to the prior art 1, although a good magnetic flux density (B ₂₀ ) is obtained, the coercive force is 0.7 Oe or more, which is not good.
[0004]
Japanese Patent Laid-Open No. 2-259047 discloses a steel material having a high electrical resistance by adding Al to high Cr steel (hereinafter referred to as Prior Art 2). However, in the prior art 2, the low magnetic flux density (B ₂ ) is as low as 11000 G or less and the coercive force is 0.7 Oe or more, which is not good.
[0005]
Furthermore, Japanese Patent Laid-Open No. 4-235257 discloses a steel material that is intended to increase electrical resistance, soft magnetism, and workability by incorporating Mo, Ti, Al, and B into high Cr steel. (Hereinafter referred to as Prior Art 3). However, in Prior Art 3, the low magnetic field magnetic flux density (B ₁ ) is as low as 9600 G or less, which is not good.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, none of the prior arts 1 to 3 is sufficient as a soft magnetic material having a high response and a high electric resistance required to satisfy a high electromagnetic induction force required for a recent electromagnetic actuator.
[0007]
Accordingly, the object of the present invention is to solve the above-mentioned problems, and as a component material for an electromagnetic actuator used in automobiles, industrial machines, etc., the low magnetic flux density, the maximum magnetic permeability and the high magnetic flux density are large, and the coercive force It is an object to provide a soft magnetic steel material and a method for manufacturing the same, which can dramatically improve various characteristics such as low electrical resistance and high electrical resistance, and can reduce power consumption particularly in a high frequency range .
[0008]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to develop a new technology from the viewpoint described above, the present inventors have obtained a component system of a soft magnetic steel material having the above characteristics by adding appropriate amounts of Al, Si and Cr. Thus, it has been found that a desired soft magnetic steel material can be produced by subjecting the steel of this component system to an appropriate heat treatment. The present invention has been made based on the above-described knowledge and has the following configuration.
[0009]
The soft magnetic steel material according to claim 1 is excellent in soft magnetism, that is, a soft magnetic steel material having a low and high magnetic field magnetic flux density and a large maximum magnetic permeability, an excellent small coercive force, and a high electric resistance. C: 0.007 mass% or less, TN: 0.01 mass% or less, Al: 2 to 3 mass%, Si: 0.61 to 0.7 mass%, Cr: 2 to 7 mass%, balance: Fe And inevitable impurities, and the following formula (1) S value = 2 × (Al + Si) + Cr —— (1)
However, Al, Si, and Cr: content rate of each element (mass%)
The S value calculated in (5) is characterized by having a chemical component composition in the range of 11.27 to 14.0.
[0010]
The soft magnetic steel material according to claim 2 is the invention according to claim 1, wherein the chemical component composition further includes one of S: 0.1 mass% or less and Pb: 0.3 mass% or less. It is characterized by the addition of seeds.
[0011]
According to a third aspect of the present invention, there is provided a method for producing a soft magnetic steel material, wherein the steel having the chemical component composition according to the first or second aspect is melted and cast, and the steel ingot or slab thus obtained is processed to obtain a predetermined value. It is characterized in that it is heat-treated at a temperature in the range of 800 to 1300 ° C. with respect to the obtained steel material or a processed product obtained by further processing the steel material. is there.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, the reason why the soft magnetic steel material and the manufacturing method thereof according to the present invention are limited to the chemical component composition and manufacturing conditions of the steel material as described above will be described.
[0013]
(1) C: 0.007 mass% or less C is an impurity element that significantly adversely affects soft magnetism, and must be reduced as much as possible. In other words, if the C content exceeds 0.007 mass%, the ferrite region expansion effect due to the addition of Al and Si composites decreases, so the ferrite particle expansion effect during heat treatment of the steel material is inhibited, and as a result, soft magnetism is significantly deteriorated. To do. Further, the precipitation of carbides inhibits the ferrite grain expansion action during the heat treatment, and the soft magnetism is significantly deteriorated by the action of the carbides themselves. Therefore, the C content is limited to 0.007 mass% or less.
[0014]
(2) N: 0.01 mass% or less N, like C, is an impurity element that significantly adversely affects soft magnetism, and must be reduced as much as possible. That is, if the N content exceeds 0.01 mass%, the precipitation of nitride inhibits the ferrite grain expansion action during the heat treatment of the steel material, and the soft magnetism significantly deteriorates due to the action of the nitride itself. Therefore, the N content is limited to 0.01 mass% or less.
[0015]
(3) Al: 2-3 mass%
Al increases the ferrite region expansion effect or ferrite transformation temperature, and also contributes to the increase in the size of the nitride particles. Therefore, it facilitates the ferrite particle expansion operation during the heat treatment of the steel material and reduces the solid solution nitrogen. It is an important element for improving magnetism. On the other hand, Al also has an effect of increasing electric resistance. In order to exhibit this effect, it is necessary to add 2 mass% or more. However, when the Al addition amount exceeds 3 mass%, the soft magnetic improvement effect tends to be saturated, and alumina inclusions increase in the steel, which deteriorates the workability of the steel material. Therefore, the Al content is limited to a range of 2 to 3 mass%.
[0016]
(4) Si: 0.61 to 0.7 mass%
Si, like Al, increases the ferrite region expansion effect or the ferrite transformation temperature, and therefore facilitates the ferrite particle expansion effect during heat treatment of the steel material. As a result, it is an important element because it has the effect of improving soft magnetism and increasing electrical resistance. In order to exert such effects, it is necessary to add Si in an amount of 0.61 mass% or more. However, if Si addition exceeds 0.7 mass%, the toughness may be deteriorated. Therefore, the Si content is limited to a range of 0.61 to 0.7 mass%.
[0017]
(5) Cr: 2-7 mass%
Cr is an important element related to the basis of the present invention because it significantly increases electric resistance as compared with other essential elements. In order to exhibit this effect of Cr, it is necessary to add 2 mass% or more. However, when Cr addition exceeds 7 mass%, the soft magnetism is lowered and the effect of increasing the electric resistance tends to be saturated. Therefore, the Cr content is limited to a range of 2 to 7 mass%.
[0018]
(6) One or two of S: 0.1 mass% or less and Pb: 0.3 mass% or less S and Pb are added when imparting good machinability to the steel material. However, even if the addition amount exceeds S: 0.1 mass% or Pb: 0.3 mass%, this effect is saturated, and this is economically disadvantageous. Therefore, the addition of S and Pb is S: 0.1 mass% or less and Pb: 0.3 mass% or less when adding good machinability, and is limited to any one or two. .
[0019]
In addition to the elements described above, elements inevitably mixed from scraps, refractories and the like in the steel making process, for example, elements such as P and Ni may be contained at the content level as impurities.
[0020]
(7) S value: 11.27 to 14.0
The S value is a parameter indicating the influence of the Al, Si, and Cr content in steel on the electrical resistance and magnetic flux density calculated by the following equation (1).
[0021]
S value = 2 (Al + Si) + Cr ------------------- (1)
However, Al, Si, and Cr: content rate of each element (mass%)
Then, as the S value increases, a characteristic change contradicts the advantage of an increase in electrical resistance and the disadvantage of a decrease in magnetic flux density. On the other hand, the present inventors have set that the following formulas (2) and (3) are satisfied as representative characteristics of the soft magnetic steel material in the present invention. That is, the low magnetic field magnetic flux density (magnetic flux density at 160 A / m) B ₂ is
B ₂ ≧ 1.1T ------------------------ (2)
And the electrical resistance value ρ is
ρ ≧ 88.9μΩcm ------------------------ (3)
Be.
[0022]
The inventors have developed a low magnetic flux density B ₂ In order to satisfy the above conditions for both the electrical resistance value ρ and the electrical resistance value ρ, it has been found that the S value should be limited to the range of 11.27 to 14.0. Therefore, the S value is limited to the range of 11.27 to 14.0.
[0023]
(8) Heat treatment temperature: 800-1300 ° C
In order to obtain excellent soft magnetism, the present inventors have known that it is desirable that the average grain size of the ferrite crystal of the steel material be 0.1 mm or more. For this purpose, in the present invention, after melting and casting the steel having the chemical composition described above, a slab or a steel ingot is formed into a steel material having a predetermined shape, and the obtained steel material is within a range of 800 to 1300 ° C. It is necessary to heat-treat (anneal) at the temperature of. When the heat treatment is less than 800 ° C., the average grain size of the ferrite crystals of the steel cannot be increased to 0.1 mm or more. On the other hand, the heat treatment at a temperature exceeding 1300 ° C. has little effect of increasing the particle size. This is a disadvantage in terms of heat economy. Therefore, the pre-heat treatment temperature of the steel material is limited to a range of 800 to 1300 ° C.
[0024]
This heat treatment is intended for annealing, and it is desirable to carry out the heat treatment when the processing on the steel material is almost completed. The steel material may be in any form such as various steel materials such as a steel plate, a steel pipe, a bar steel, a shaped steel and a wire, and a processed material thereof.
[0025]
The target values of various properties of the soft magnetic steel material of the present invention manufactured as described above are
Low magnetic flux density B ₂ ≧ 1.1T
Electrical resistance value ρ ≧ 88.9 μΩcm
Besides, coercive force H _C ≦ 28 A / m
Maximum permeability ≧ 0.014
High magnetic flux density B ₂₅ ≧ 1.35T
Is added.
[0026]
【Example】
Next, the present invention will be described in further detail with reference to examples.
Each steel having the chemical composition shown in Table 1 was melted to cast a steel ingot. The obtained steel ingot was hot-worked into a round bar shape having a diameter of 50 mm. Next, a test piece was collected from the round bar and subjected to vacuum heat treatment at each temperature shown in Table 2. The required test specimens thus obtained were measured for ferrite crystal average grain size, electrical resistance and DC magnetic properties. As DC magnetic characteristics, coercive force, maximum magnetic permeability, low magnetic field magnetic flux density (magnetic flux density at 160 A / m, B ₂ ), and high magnetic field magnetic flux density (magnetic flux density at 2000 A / m, B ₂₅ ) were measured.
[0027]
[Table 1]

[0028]
[Table 2]

[0029]
The chemical composition of the steel shown in Table 1 consists of steels D and E which are within the scope of the present invention, and steels A to C and F to Q which are outside the scope of the present invention. Table 2 shows characteristic values of Examples 4 and 5 which are tests within the scope of the present invention, Comparative Examples 1 to 11 which are tests outside the scope of the present invention, and Reference Examples 1 to 3, 6, and 7. The test results were also shown. The test results are as follows from Tables 1 and 2.
[0030]
(1) Examples 4, 5 (Steel D, E), Reference Examples 1 to 3 (Steel A to C), and Comparative Examples 1 and 2 (Steel F and G) are examples in which the Cr content was changed. . Accordingly, as the Cr content increases, the electrical resistance increases, the low / high magnetic flux density and the maximum magnetic permeability decrease, and the coercive force increases. That is, the soft magnetism deteriorates as the Cr content increases.
Examples 4 and 5 (Steel D and E) : All of the low magnetic flux density B ₂ is 1.1 T or more and the electric resistance value ρ is 88.9 μΩcm or more, which satisfies the target value of the representative characteristics. Yes. The other characteristic values also satisfy the target values and are good.
Comparative Example 1 (Steel F): When the Cr content and S value are out of the range of the present invention, the electrical resistance is high, but it is inferior to soft magnetism and the low magnetic field magnetic flux density is low. Overall, the properties are inferior and the object of the present invention has not been achieved.
Comparative Example 2 (Steel G): Cr content and S value are outside the scope of the present invention, excellent soft magnetism, low and high magnetic flux density, but low electrical resistance, Overall, the properties are inferior and the object of the present invention has not been achieved.
[0031]
(2) Comparative examples 3, 4 (steel H, I) are examples in which the Al content is changed outside the scope of the present invention.
Comparative Example 3 (Steel H): When the Al content is outside the range of the present invention, the electrical resistance is high, but the soft magnetism is inferior, and the low and high magnetic flux density is low. Therefore, the object of the present invention is not achieved.
Comparative Example 4 (Steel I): When the Al content is out of the range of the present invention, the soft magnetism is excellent and the low and high magnetic flux density is high, but the electrical resistance is low. The properties are inferior and the object of the present invention is not achieved.
[0032]
(3) Comparative Examples 5 and 6 (Steel J, K) are examples in which the Si content was changed outside the scope of the present invention.
Comparative Example 5 (Steel J): When the Si content is outside the range of the present invention, the electrical resistance is high, but the soft magnetism is inferior, and the low and high magnetic flux density is low. Therefore, the object of the present invention is not achieved.
Comparative Example 6 (Steel K): When the Si content is outside the range of the present invention, the soft magnetism is excellent, the low and high magnetic flux density is high, but the electrical resistance is low, so overall The properties are inferior and the object of the present invention is not achieved.
[0033]
(4) In Comparative Examples 7 and 8 (steel L and M), the C and N contents are out of the range of the present invention. As described above, C and N have a large adverse effect on soft magnetism. Impurity element to give. Therefore, although it has a high electrical resistance, the low / high magnetic flux density is low, the overall characteristics are inferior, and the object of the present invention is not achieved.
[0034]
(5) Reference Examples 6 and 7 (Steel N, O) are examples in which a predetermined amount of Pb and S are added as the machinability improving elements. Both, the low magnetic field flux density B ₂ is not less than 1.1 T, the electrical resistance value ρ is because less than 88.9Myuomegacm, the effect of reducing the power consumption in the high-frequency range is small.
[0035]
(6) Comparative examples 9, 10 (steel P, Q) are examples in which the S value is changed outside the scope of the present invention.
Comparative Example 9 (Steel P): The amount of each component element added is within the scope of the present invention, but the S value deviates upward. Although it has a high electrical resistance, the soft magnetism is inferior, the low / high magnetic field magnetic flux density is low, and the overall characteristics are inferior, and the object of the present invention is not achieved.
Comparative Example 10 (Steel Q): The amount of each component element added is within the scope of the present invention, but the S value deviates downward. Although it is excellent in soft magnetism and has a low magnetic field density and a high magnetic flux density, since the electrical resistance is low, the overall characteristics are inferior and the object of the present invention is not achieved.
Comparative Example 11: Steel D having a chemical composition within the range of the present invention was used, but the heat treatment heating temperature was lower than the range of the present invention. Therefore, since the ferrite grain size is small, soft magnetism is inferior, high electrical resistance is obtained, but low and high magnetic flux density is low, and overall characteristics are inferior, and the object of the present invention is not achieved.
(7) Reference Examples 1 and 2 (Steel A and B): The individual component element addition amounts are within the scope of the present invention, but the S value deviates below the scope of the present invention. Although it is excellent in soft magnetism and has a low magnetic field density and a high magnetic flux density, since the electrical resistance is low, the overall characteristics are inferior and the object of the present invention is not achieved.
(8) Reference Example 3 (Steel C): Si content and S value are out of the range of the present invention, so soft magnetism is excellent, low and high magnetic flux density is high, but electric resistance is low The overall characteristics are inferior, and the object of the present invention has not been achieved.
[0036]
From the test data obtained in the above-described examples and comparative examples, the relationship between the target electric resistance value ρ and the low magnetic flux density B ₂ is plotted as shown in FIG. In the examples within the scope of the present invention, it can be seen that the electric resistance value ρ and the low magnetic flux density B ₂ both achieve the target values.
[0037]
Next, an automobile electromagnetic actuator was prototyped and evaluated using the high electrical resistance soft magnetic steel material of the present invention. In the evaluation test, the power consumption ratio was measured for each test piece of Reference Example 2 (Steel B), Reference Example 6 (Steel N), and Example 4 (Steel D). The power consumption ratio was expressed as the power consumption ratio with respect to 100 as the power consumption of Reference Example 2 (Steel B). The operating frequency was three levels of 8.35 Hz, 25 Hz and 50 Hz. The result is shown in FIG. From the figure, it can be seen that the influence of the volume specific resistance value (electric resistance value) on the power consumption ratio. That is, as the volume resistivity value ρ increases, the power consumption decreases, and the degree of the effect depends on the operating frequency. When the volume resistivity value ρ was increased from 75.3 μΩcm in Reference Example 2 (Steel B) to 88.9 μΩcm in Example 4 (Steel D), it was confirmed that it could be reduced by about 12% at any operating frequency. In addition, the present inventors have also confirmed that according to the steel material of the present invention, power consumption can be reduced by 30 to 20% as compared with an electromagnetic actuator having a volume resistivity of 40 to 60 μΩcm, which is a conventional steel material.
[0038]
As described above, according to the soft magnetic steel material of the present invention, the power consumption can be remarkably reduced. Therefore, the electromagnetic actuator that is required to be downsized is very advantageous from the viewpoint of a decrease in the heat generation amount. In particular, since power consumption in a high frequency range can be reduced, it is advantageous for a fuel consumption reduction effect when used in an automobile.
[0039]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the low magnetic field magnetic flux density, the maximum magnetic permeability and the high magnetic field magnetic flux density are all large, the coercive force is small, the electric resistance is large, and these characteristic values are dramatically improved. Thus, a component material for an electromagnetic actuator such as a solenoid valve can be obtained, and a soft magnetic steel material suitable as the magnetic circuit component can be obtained. It is possible to provide a soft magnetic steel material excellent in soft magnetism and having a high electric resistance and a method for producing the same, and an industrially useful effect is brought about.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph showing a relational region between an electric resistance value, which is a target representative characteristic of soft magnetic steel materials of examples and comparative examples, and a low magnetic flux density.
FIG. 2 is a graph showing the relationship between the electric resistance value and the power consumption ratio of the soft magnetic steel material example of the present invention stratified by operating frequency.

Claims

C: 0.007 mass% or less,
TN: 0.01 mass% or less,
Al: 2-3 mass%,
Si: 0.61 to 0.7 mass%,
Cr: 2-7 mass%
And the balance: Fe and inevitable impurities, and the following formula (1) S value = 2 × (Al + Si) + Cr —— (1)
However, Al, Si, and Cr: Content of each element (mass%)
A soft magnetic steel material having a chemical composition having an S value calculated in the range of 11.27 to 14.0.

In addition to the chemical component composition,
S: 0.1 mass% or less, and
The soft magnetic steel material according to claim 1, wherein one or two of Pb: 0.3 mass% or less are added.

A steel having the chemical composition according to claim 1 or 2 is melted and cast, and the steel ingot or slab thus obtained is processed to form a steel material having a predetermined shape. Alternatively, a method for producing a soft magnetic steel material, characterized in that the steel material or a workpiece obtained by further processing the steel material is subjected to a heat treatment at a temperature within a range of 800 to 1300 ° C.