JP4294982B2 - ボールバット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はボールバット、特に所望の打撃能力を提供するよう作られた打撃用の胴体部材と所望のスイング能力を提供するよう作られた取っ手部材とをもつボールバット、および打撃用の胴体部材と取っ手部材間を堅固に相互連結したかかるバットを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
管状の金属製ベースボールバットは当業者に周知である。よく知られている例は管状のアルミニウムバットである。かかるバットは通常良好な衝撃応答を有するという利点がある。この良好な衝撃応答はバットがバット打ちされたボールにパワーを有効に移転させることを意味する。この有効なパワー移転は、ボールプレイヤーがバット打ちされるボールに良好な距離(good distance)を達成するという結果をもたらす。
【0003】
現在既知のバットは良好な性能を有するが、バットにはより良い打撃能力が要求され続けている。従って、1つの重要な要求はバットの衝撃応答を最適化することである。更に、そのスイング重量が適切な重心と使用中の衝撃要素の良好なスイング速度を提供するよう配分されるように、バットに適切な重量を提供することが重要である。
【0004】
概して言えば、バット性能は、バットの重量、重量の分布、打撃面積の大きさ、取っ手部材と打撃用胴体部材間の力の移転の有効性、およびバットの打撃の応答性の関数である。バットの耐久性は凹みまたは割れに耐えるその能力に少なくとも一部分は関係し、かつバットの打撃部分の強度と剛性に依存する。バットの耐久性を増す試みは、例えばその全重量と剛性を出来る限り増すことによって、または最適よりは劣る重量分布によって、しばしばバットの性能に悪影響を与える。
【0005】
ヒッターはしばしば、より軽いバットを使用し、それによって衝撃時にボールに移転される力を増すことによって、バット速度を増すことができる。かくして、繰り返しヒッティングに耐える十分な耐久性を有し、かつ全重量がより軽いバットを使用することによってバット速度を増すことを可能にするために減少した全バット重量を有する打撃部分をもつバットを提供することは有利である。
【0006】
また、より強いヒッティングまたは強打(slugging)する能力は、打撃部分の材料とは異なった材料から作られた、または異なった能力をもつような手法で形成された取っ手をもつバットを提供することによって、得ることができることが発見された。かかるものを提供する1手法は、複合取っ手をもつバットを作ることである。その場合、複合材料は可撓性、剛性および強度の選択された程度を提供するように構成することができる。例えば、1つのヒッティングの事態では、より可撓性のある取っ手を有するバットをもつのが最良であるが、他のヒッティングの事態では、より剛性のある取っ手をもつのが有利となる。
【0007】
胴体セクションに連結された取っ手を有するバットを提供する従来の試みの1例は“衝撃減衰ボールバット”と題する米国特許第5,593,158号に示されている。この特許では、胴体から取っ手へのかつ本来、取っ手から胴体への衝撃(エネルギー)の伝達を減少するためにエラストマー絶縁ユニオン(isolation union)によって分離された取っ手部材と胴体部材を有するバットを作ることが試みられた。従って、かかる構造はヒッティング中に取っ手から胴体へのエネルギーの移転を最大にすることは出来ない。その結果、 バットは、取っ手と胴体間の弾性的な相互連結に起因して、ボールへより少ないエネルギーまたは衝撃エネルギーを移転することになる。
【0008】
それ故、分離した取っ手部材と打撃部材による可撓性を提供し、かつこれら2つの部材間のエネルギーの移転を最大限となすバットが引き続き要求されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、良好な耐久性と打撃能力を有する打撃部分と、ヒッティング中により大きいバット速度を得ることができる所望の重量と剛性特性を有する取っ手部分とを有する改良されたバットを提供することにある。
【0010】
本発明の1実施例は、打撃部材の端に向かって進むにつれてバットの長手方向軸線に向かって内方へ収斂する接続セクションを有する細長い管状の打撃部材と、取っ手部材と打撃部材間に実質上完全な打撃エネルギーの移転をさせるためそれらの間に堅固な相互連結を提供するために打撃部材の収斂する端部分にしっかり接合されるその端部分を有する細長い取っ手部材とをもつバットを提供する。
【0011】
もう1つの実施例では、バットはその近位端に隣接した接続セクションを有する細長い管状の打撃部材をもち、上記打撃部材は第1の有効質量をもつ金属からなり、更に該バットは、打撃部材の第1の有効質量より小さい第2の有効質量をもつ材料からなる細長い取っ手部材をもち、上記取っ手部材はその遠位端に隣接した接続セクションをもち、この場合打撃部材と取っ手部材の接続セクションは重なっており、かつヒッティング時に打撃部材と取っ手部材間に実質上完全な打撃エネルギーの移転を可能ならしめるためにそれらの間に堅固な相互連結を提供するよう一緒に接合されている。取っ手部材は小さい有効質量をもつため、この取っ手部材は、より大きいスイング速度が可能なより軽い重量のバットを作るのを助ける。
【0012】
本発明は、打撃部分が最も適切なまたは最適な打撃用の構造からなり、かつ取っ手はスイング用に最も適切なまたは最適な構造からなり、上記両者が最適な強打能力を与えるよう接合されて成る、新規なバットとそれを作る方法を提供する。
本発明は、選択された材料が、適切な重量または質量、最適なスイング速度の分配を達成するために、かつ選択された部分に所望の強度と剛性を提供するために、バットの選択された部分に使用されて成る、バットとバットを製造する方法を提供する。
【0013】
本発明は選択された強度と剛性をもつ取っ手を提供するために適切に方向付けられかつ接合される多重複合層を有する取っ手部材を製造することを企図するものである。選択された方位と強度をもつ多層に組み合わされることができる複合材料からなる取っ手部材をもつバットを提供することによって、取っ手部材は選択された強度、可撓性および組み立てられたバット内における振動伝達を提供するよう構成されることができる。
【0014】
1実施例では、打撃部材の接続セクションまたは取っ手部材の接続セクションのうちの一方はその上に、接続セクションの残余の部分から径方向に打撃部材と取っ手部材を接合する接着剤の所望の層の厚さに実質上等しい距離だけ延びる突出部をもつ。かかる突出部は他方の部材の対向面にしっかり掛合し、かつこれらは、2つの部材間に付けられた接着剤と共に、それらの間にしっかりした相互連結を提供する。
本発明の目的は、上述した特性をもつ改良されたバットを提供する方法を提供することにある。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1につき説明すれば、長手方向軸線または中心線20をもつ細長い管状のボールバット10が、細長い管状の打撃部材12を含む。打撃部材は近位のまたは内側の端12aおよび遠位のまたは外側の端12bをもつ。打撃領域14は両端12a、12bの中間に配列される。端12aに隣接した打撃部材の円錐台形の接続セクション16は端12aの方に向かいかつ中心線20に向かって漸進的に収斂している。
【0016】
図1、2に示す実施例では、打撃領域14は内径D1をもつ実質上円筒形の内側空洞部をもつ。円筒形管状のインサート22が多壁形式(multiple-wall)のバットを形成する打撃領域の空洞部内に受け入れられる。インサートは近位のまたは内側の端22aおよび遠位のまたは外側の端22bを夫々もつ。端22aは接続セクション16に隣接して配列される。また、バットはバットインサート22なしで単一壁形式のバットとして作ることもできる。
接続セクション16はD1に等しい大直径をもち、その端12aにD2で示す小直径をもつ
【0017】
細長い管状の取っ手部材30は打撃部材の端12aと接続セクション16に固着されてそれから長手方向外方に突出している。
組み立てられたバット10は全長L1をもつ。打撃部材12は長さL2をもち、取っ手部材30は長さL3をもつ。長さL2と長さL3は各々L1より実質上短い。
【0018】
図示の実施例の取っ手部材30は複合材料または他の適当な材料から作ることができる。これについては詳細に後述する。それは対向する遠位のまたは外側の端30aと、近位のまたは内側の端30bをもつ。取っ手部材はその長さの大部分にわたって直径D3をもつ細長い中空の管状の実質上円筒形のグリッピング部分32と、端30aに隣接する円錐台形の接続セクション34をもつ。図1、2に示す如く、接続セクション34は打撃部材の接続セクション16の収斂する部分を補完する輪郭で長手方向軸線から外方に末広がり状に開散している。接続セクション34は小直径D3(D2より小さい)、大直径D4(D2より大きいがD1より小さい)、および組み立てられたバットの全長L1の25%より大きくない長さをもつ。
【0019】
打撃部材12の端12aはグリッピング部分32の直径D3より大きい直径D2をもつ開口を提供する。取っ手部材の接続セクション34の末広がり状に開散する部分は、接続セクション34の外面が打撃部材の接続セクション16の内面の輪郭を実質上補完して、それらが、図1、2に示す如く組み立てられたとき、お互いに密接状に嵌合することができるようになっている。
【0020】
図3、4につき説明すれば、図示の実施例の取っ手部材の接続セクション34は複数の細長い径方向に延びたリブまたは突出部40をその外面にもっていることが分かる。これらのリブは実質上取っ手部材の長手方向に延びかつ図示の如く、接続セクション34の回りで周囲方向に実質上等間隔をおいて、またはお互いにほヾ120°の角度をおいて離間している。
【0021】
突出部またはリブ40は接着剤層の厚さに実質上等しい距離だけ取っ手部材の接続セクションの残余の部分から外方に延びる。上記接着剤層は打撃部材の接続セクション16と取っ手部材の接続セクション34の間に付着して、完成したバットを形成するためにこれら2つの部材を一緒に固着することが望まれる。取っ手部材と打撃部材の接続セクション間に、0.00254乃至0.0254cm(0.001乃至0.010インチ)厚さの範囲内、好適には、0.00508乃至0.0127cm(0.002乃至0.005インチ)厚さの範囲内の接着剤層を付着するのが望ましいことが分かった。かくしてリブ40は接続セクション34の残余の部分から0.00254乃至0.0254cmの範囲内、更に好適には0.00508乃至0.0127cmの範囲内の距離だけ外方に突出する。
【0022】
図示の如く組み立てられたとき、突出部40の外面は打撃部材の接続セクション16の内面にしっかり掛合し、その際接着剤層は周囲方向に離間したリブまたは突出部間のスペースを満たし、この接続セクションで打撃部材を取っ手部材に接着剤接合する。かかる接着剤の層は一般的に42で示している。
突出部40は取っ手上に形成されるとして示されているが、打撃部材の接続セクションの内面に形成されかつ打撃部材の残余の部分から径方向内方へ延びる突出部もまた使用できることは認められるべきである。
【0023】
図4はリブ40が実質上真っ直ぐであり、取っ手部材の長手方向に延びている本発明の1実施例を示す。図5はリブ46が接続セクション34の外面を巡って幾分螺旋状に延びるように湾曲しているもう1つの実施例を示す。それらのリブはリブ40と同様に機能する。
【0024】
取っ手の接続セクションの外面にまたは打撃部材の接続セクションの内面に形成することができる突出部は細長いリブとして一般的に図示されかつ説明されているが、かかる突出部の目的は取っ手部材と打撃部材の接続セクション部分間にしっかりした接触掛合を提供して、それらの間に実質上堅固な相互連結を生ぜしめることであることは認められるべきである。かくして、該突出部は必ずしも図示の如く細長いリブとする必要はない。その代わり、取っ手部材の接続セクションの残余の部分から外方に延びるか、または打撃部材の接続セクションの内面から内方に延びる実質上任意の形の複数の突出部とすることができるか、またはそれらの任意の組み合わせとすることができ、それによってしっかりした相互掛合が打撃部材と取っ手部材間に提供されるようになされる。例えば、突出部は玉石状表面輪郭、十字形のリブ、不規則形のリブまたは、取っ手部材と打撃部材間に実質上堅固な相互連結を提供するために他の部材と直接接触するための複数の隆起面を提供する任意の他の輪郭とすることができる。
【0025】
打撃部材と取っ手部材の接続セクションの補完する収斂する輪郭と末広がり状に開散する輪郭はこれら2つの部材が例えばバットの対向する両端で外方に引っ張ることによって長手方向で反対方向に引き離されるのを防止する。接着剤は、取っ手部材と打撃部材にお互いの方に向かう力を加えたときに、取っ手部材と打撃部材が長手方向に移動するのを阻止するために付けられる。この移動は、取っ手部材と打撃部材をお互いの方に向かって加圧しようとして力をバットの対向する両端に加えたら起こり得るものである。
【0026】
接着剤は2つの部材を1方向に相対的に長手方向に移動しないよう固着する手段として示したが、他の手段もまた使用できることは認められるべきである。例えば、種々の型式の機械的鎖錠手段を利用することができる。図示していないが、打撃部材または取っ手部材は、両部材が長手方向に分離するのを防止するために両部分が図1〜4に示した位置に移動したときに他方の部材の一部に掛合する径方向に突出するリップ部を形成されることができる。
【0027】
更に、接着剤は突出部間のスペースを満たすことができることは述べたが、該突出部間のスペースは常に充填される必要はなく、接着剤の充填量より少なくても適切である。
図示の如く組み立てられたとき、取っ手部材の接続セクション34は打撃部材の接続セクション16内に密接に嵌合し、それらの間に介在する接着剤の層は打撃部材と取っ手部材を堅固に相互連結する。
【0028】
図1に示す如く完全に組み立てられたバットは取っ手部材の近位端30bに固着されたノブ48と、打撃部材の遠位端12bに挿入されかつその端を閉鎖するプラグ50を含む。図1を参照すれば、加重部材またはプラグ54は取っ手部材30の近位端部分に挿入して固着される。部材54の構造と機能については以下詳述する。
【0029】
図2に示す幾分クサビ状の横断面をもつほヾ円筒形の遷移部スリーブ52は打撃部材の端12aに当接するよう取っ手部材30に固着されて、打撃部材の端12aと取っ手部材30の外面間に滑らかな遷移部を作る。遷移部スリーブ52を付けるよりはむしろ、打撃部材の接続セクションの近位端12aはすえ込み加工されて、丸み付けされた近位縁をもつ漸次薄くなる縁に作られることができる。
【0030】
図示のバットを作ることができる方法を説明すると、打撃部材14は所望の衝撃または打撃能力を提供する材料からおよびその能力を提供する手法で形成される。打撃部材は溶接フリーの一体部材を生じるように、アルミニウムチューブ(またはバットの打撃領域用に適切であると認められる他の金属)をすえ込み加工することによって形成することができる。すえ込み加工はかかる打撃部材を作る1手段であるが、他の製造方法も同様に役立つことは言うまでもない。
【0031】
打撃部材は打撃領域をもつ円形横断面に形成され、この打撃領域は第1の選択された横断面寸法または直径D1の内部空洞部を限定する円筒形内面をもつ。これによって第1の有効質量をもつ打撃部材を作る。有効質量は材料の比重、寸法、厚さ、または他の特性の関数とすることができる。
接続セクション16は長手方向軸線20に向かって、D1より小さいD2で示される内径をもつ端12aの開口まで内方に収斂する。
【0032】
インサート22はほヾD1に一致する外径、しかしこのD1よりできる限りわずかに小さな外径をもち、このインサートが打撃部材12の打撃部分14内に挿入されることができるようにされる。その近位端または内端22aは接続セクション16の内方に収斂する部分の始まり部分に掛合することができ、これはインサートが打撃部材の端12aに向かってそれ以上移転するのを防止する。打撃部材12の端12bは貫通する穴をもつ円形リップ部を形成するよう折り曲げられる。端プラグ50はインサートの端22bに掛合してそれを所定位置に保持するようバットの端に置かれる。
【0033】
打撃部材12は第1の比重の管状金属材料から形成することができ、この金属はアルミニウム、鋼、チタン、または他の適当な金属材料とすることができるが、これらに限定されるものではない。打撃部材はまた、複合材または他の適当な材料から作ることができる。インサート22はまた、任意のかかる管状金属または複合材から作ることができる。インサートは先行の米国特許第5,415,398号、および第6,251,034号に開示された機能のために役立つ。打撃部材は取っ手部材とは別個に形成されるので、打撃部材は所望のまたは最適の衝撃または打撃能力を生じるような手法でかつ材料から作られることができる。かくして、打撃部材および取っ手部材の要件は切り離され、その各々はバット中の最適質点位置(optimum point location of mass in bat)、および最適な強度と剛性,または必要な場合には可撓性を提供するような材料でかつ手法で作ることが可能になる。
【0034】
取っ手部材は、もし打撃部材を形成するものと同様な手法で構成されるならばまたは打撃部材を形成するものと同様な材料から構成されるならばそれがもつであろう有効質量とは異なったかつ一般的により低い有効質量を生じる材料から作ることができる。取っ手部材の異なった有効質量は打撃部材を形成する材料の比重、その寸法、厚さ、または他の特性の関数とすることができる。例えば、取っ手部材の材料は打撃部材を形成する材料と異なった比重をもつことができる。
【0035】
或る場合には、取っ手部材は打撃部材の第1の比重より小さい第2の比重をもつカーボン繊維の如き複合材料から形成することができる。他の場合には、取っ手部材は、取っ手部材がもし単に打撃部材と同じ材料の同じ手法で形成されるならばもつであろうものと異なる1つ以上の作用または機能的特性を提供する材料からまたは手法で形成することができる。例えば、取っ手はチタン、アルミニウム、プラスチックまたは他の適当な材料の如き他の材料から形成することができる。
【0036】
図6を参照すれば、1実施例として、取っ手部材は60乃至66で一般的に示す多数の管状の複合層を含む。層60乃至66はお互いに隣接して配列され、実質上同心状に配置されている。層の数はバットのスゥイング作用、ユーザーによってそれに加えられるグリッピング力、およびバットで打撃するときにそれに及ぼされる曲げ力に耐えるのに十分なものとしなければならない。しかし、好適には、かかるストレスに耐えるのに必要な層数のみを備える。というのは、それより多い層は取っ手部材に追加の重量を加えるからである。多数層の数、位置、および方位は使用するバットの寸法および種類に依存して変化する。1実施例では、取っ手部材は図示の如く、7つの層60乃至66を含むことができる。層の数および厚さ、およびそれらの位置は所望の可撓性および剛性を提供するようにかつグリッピング力および打撃ストレスに耐えるように、必要に応じて変えることができる。
【0037】
図示の実施例の各複合層は構造的安定性を提供する構造材料と、構造材料を支持するマトリックス材料を含む。該構造材料はマトリックス材料内に支持された一連の繊維とすることができる。大部分の層は好適には取っ手部材の実質上長手方向に延びる繊維を含む。バットがボールを打撃したとき、取っ手部材に加わる最大のストレス成分は曲げであり、かくして好適には大多数の繊維はこれらのストレスに耐えるよう長手方向に向けられる。例えば、偶数番号付きの層60、62、64、66は長手方向に延びる層とし、数がより少ない奇数番号付きの層61、63、65は周囲方向に配列される層とすることができる。長手方向に延びる層はしばしば長手方向層または0°層と称される。というのは、長手方向軸線に実質上平行に向けられる繊維をそれらがもつからである。他方の層は90°層または周囲方向層と呼ばれる。というのは、その大多数が長手方向軸線に対して実質的に90°をなして延びる繊維をそれらがもつからである。特定の層は長手方向軸線に対して実質上90°をなして延びる繊維と実質上0°をなして延びる他方の繊維で構成され、これらの繊維は各層内で一緒に織り合わされる。または、これらの層は層内の繊維が平行になっている単方向層とすることができる。
【0038】
この実施例では、層はカーボン繊維を含む。しかし繊維はケブラー(Kevlar)(登録商標)、ホウ素、または繊維ガラスの如き他の種類の既知の繊維材料とすることができる。しかしこれらに限定されない。金属メッシュも使用できるであろう。
層内のマトリックスは好適には十分に耐久性があり、かつたとえ繰り返し使用した後でも構造材料を支持じ続けるのに十分高い接着性をもつ。好適実施例では、マトリックス材料は強化エポキシとする。代案として、マトリックスはポリエステルまたはビニルエステルの如き幾つかの他の熱硬化性樹脂とすることができる。熱硬化性樹脂よりはむしろ熱可塑性樹脂が使用されることは当業者には認められるだろう。
【0039】
特に好適な実施例では、取っ手部材30は約 158 グラムの重量をもち、28乃至40間の層数で形成され、その際各層の重量は0.6 から14,0 グラムまで変化する。かかる実施例の少なくとも1つの層は編み層とし、この編み層は編み層内の或る割合の繊維が長手方向に延びかつ編み層の残余の繊維は実質上周囲方向に延びているものとする。また、1乃至4個の層は例えば0度と90度の如き2つの別々の方向に延びる不織繊維または非編み(non-braided)繊維で形成される。
【0040】
更に、特に好適な実施例では、取っ手部材30は長手方向に延びる繊維をもつ2乃至10層を含む。また特に好適な実施例では、取っ手部材30は長手方向軸線に対して種々の角度をなして螺旋状に延びる繊維をもつ複数層を含む。例えば10乃至16個の層が長手方向軸線からプラスマイナス30度をなして延び、6乃至16個の層が長手方向軸線からプラスマイナス45度をなして延び、2個以下の層が長手方向軸線からプラスマイナス60度をなして延びる。
【0041】
また、特に好適な実施例では、3乃至24個の層がカーボン繊維から作られ、13乃至25個の層が繊維ガラスから作られる。層は5cmから67cmまで変化する種々の異なった長さに形成される。67cmより短い層は取っ手部材の全長に沿って異なる位置に置かれる。また、層は3.3と17.5cmの間の種々の異なった幅に形成される。他の層はそれらの長さに沿って 0乃至17.5cmの間で変化する幅をもつ。それらの長さに沿って変化する幅をもつ層の数は8乃至11層の範囲にわたる。層内の繊維は0.0143と0.048グラム/cm2の間の面積繊維密度をもつよう形成され、各層は 0.6 乃至 14 グラムの範囲内の重量に形成することができる。
【0042】
別の好適実施例では、取っ手部材の1つ以上の特性を変えることができる。その特性は、例えば取っ手部材の重量、寸法、厚さおよび剛性、層の数、寸法、組成、および層の方位;および層内の繊維の組成、密度および方位の如きものである。取っ手部材は好適には、3乃至8オンスの範囲内の重量をもつ。取っ手部材30は編み層なしで、または1つおきに編み層をもちいて形成することができる。取っ手部材30は、不織繊維が2方向に延びるようにした5つ以上の繊維層で形成するか、またはかかる層無しで形成することができる。2つ以上の層は他の組み合わせの、長手方向に、周囲方向にまた螺旋状に延びる繊維を含むことができる。取っ手部材は螺旋状に延びる繊維をもつ多数の層から形成することができ、その際任意の1層は長手方向軸線からプラスマイナス1乃至89度の間に延びる繊維をもつことができる。該層内の繊維は例えばガラス、ホウ素、グラファイトまたは他の金属の如き他の材料から形成することができる。
【0043】
図10は繊維複合材料の多数層を組み立てることができる手法を簡単に示す図である。図示の如く幾つかの層は取っ手部材の全長に延びる(層90a,b,c,d)が、他の層はそれより短く、取っ手部材の選択された区域内にある(90e,f,g,h,i,j,k)。図示を簡明にするために、限定された数の層のみが図10に示されている。
【0044】
取っ手部材は近位のグリッピング部分と、遠位のテーパ付き部分を含み、近位のグリッピング部分と遠位のテーパ付き部分のうちの一方は残余の部分より多数の層で形成されている。それ故取っ手部材の特性はその長さにわたって変わることができる。
取っ手部材30は、複合材料から形成されかつ本発明により作られたとき、200乃至1980 lbs/inの範囲内の剛性またはバット10の長手方向軸線に沿った曲げ抵抗性をもつように作ることができる。好適には、取っ手部材30は71.4乃至161kg/cm(400乃至900lbs/in)の範囲内の剛性または曲げ抵抗性をもつように形成される(用語“lbs/in”は以下で説明するテスト方法でインチ撓みを生じるために部材に直角に印加されるポンドでの力の量を指す。)
【0045】
図11を参照すれば、取っ手部材30の剛性は3点曲げ剛性試験により決定される。その際取っ手部材は米国ペンシルベニヤ州、ウイローグローブ在のTinius Olsen Testing Machine Co., Inc.により製造された万能試験機の如き、万能試験機または類似の試験機の第1と第2の支持体90と92の上に置かれる。第1支持体90は取っ手部材30の遠位端30aに置かれたV形ブロック支持体とする。第1支持体90のV形ブロック支持体の輪郭はまた、取っ手部材30の遠位端30aの長手方向と横方向の両方の移動を阻止するのに役立つ。第2支持体92は、V形ブロック支持体90から離間しかつ取っ手部材30の近位端30bの近くに位置する水平軸線96を中心として回転するローラ94を含むローラ支持体とする。19インチより大きいかまたはそれに等しい取っ手部材30のためには、第2支持体92が支持体90から19インチの距離D6をおいて位置する。また第2支持体92は、好適にはバット10の長手方向軸線20が水平位置にくるように近位端を維持することによって第1の方向に取っ手部材30を支持する。第2支持体92は近位端30bが長手方向に動けるようにする。
【0046】
曲げ剛性試験の第3の点は半円形のクロスヘッド100によって提供される。好適には半円形クロスヘッドは 2.0インチの半径をもつ。クロスヘッドは第1方向とは反対の第2方向に延びるよう形成されている。クロスヘッドはそれに及ぼされるF1で示した力でもって水平に位置する取っ手部材30上へ下方に動かされることができる。該クロスヘッドはロードセル(図示せず)に接続され、このロードセルはクロスヘッドの変位中にクロスヘッドに加えられる荷重を測定するための歪み計を含む。クロスヘッド100は第1支持体90から距離D7をおいて置かれる。距離D7は距離D6の30%乃至40%の範囲内にあり、更に好適には7インチであり、半円の形クロスヘッドが、取っ手部材30の遠位端30aからほヾ 7.0 インチの場所で取っ手部材に接触するようになっている。
【0047】
試験中に、取っ手部材は上述の如く置かれる。クロスヘッドは毎分 1.0インチの速度で第2の方向に駆動される。クロスヘッドが第2方向に(即ち図12で下方に)動くにつれて、ロードセルからの入力をもつ試験機は取っ手部材30の横撓みまたは変位当たりの荷重(F1)を計算する。
【0048】
図12を参照すれば、3点曲げ剛性試験は組み立てられたバットで行うこともできる。バットを試験するとき、第1支持体90は、第1支持体の近位側が打撃部材12の遠位端12bからほヾ6インチとすることができる距離D8の個所に位置するように置かれ、第2支持体92は取っ手部材30の近位端30bからほヾ6インチとすることができる距離D9の個所に位置するように置かれる。両支持体90、92間の距離はD10で示され、そしてクロスヘッドは支持体92からD10のほヾ半分である距離D11の位置に置かれ、第1と第2の支持体間でかつそれらの支持体から等距離をおいた点でバットに接触するようにされる。
【0049】
試験中、バット10は上述の如く置かれる。クロスヘッドは毎分0.5インチの速度で第2の方向に(図12で下方に)駆動される。クロスヘッドが第2方向に動くにつれて、ロードセルからの入力をもつ試験機はバットの変位当たりの荷重を計算する。
本発明のバット10はバット10の剛性が71.4乃至446kg/cm(400至2500lbs/in)の範囲内に入るように形成することができる。特に好適な実施例では、バット10は89.3乃至268kg/cm(500乃至1500lbs/in)の範囲内の、更に好適には 71.4乃至161kg/cm(400乃至900lbs/in)の範囲内の剛性または曲げ抵抗性をもつよう形成される。慣例のアルミニウムバットは典型的には393乃至446kg/cm(2200 乃至 2500 lbs/in)の剛性または曲げ抵抗性をもつ。
【0050】
本発明は、バットのバッディング性能に悪影響を与えることなくかなり小さい剛性とより大きい可撓性をもつバットを製造することを可能にする。本発明は1当業者が、特定のプレイヤーの要求に合うよう最適に形作られ、調節されまたは調整されるバットを製造するためにバットの組成を変えることを可能にする。本発明は1当業者が、可撓性を最適化しかつ取っ手部材と打撃部材間の直接の連結をとおして取っ手部材と打撃部材間のエネルギー移転およびバットのパワー出力を最大化するバットを製造することを可能にする。
【0051】
上述の実施例は単なる例示に過ぎず、本発明によるバットの構造および製造方法を限定するものではないと考えるべきである。例えば、該バットは金属の打撃部材と複合取っ手部材をもつものとして説明したが、これら両部材の材料にかかる大きな差は必要ないだろう。例えば打撃部材と取っ手部材の両者は、複合材料から、しかし形成するバットの特定部分に有益な変化する操作または機能特性を提供する構造をもつように、作ることができる。
【0052】
図示の実施例のバットの製作において、打撃部材12は上述の如く形成することができる。端12bは最初は、図1に示す如く折り曲げ部分なしで、円筒形のままに留まっている。
管状の取っ手部材はマンドレル上に予備含浸された複合材料のシートを巻き付けることによって形成することができる。第1の層がマンドレル上に巻き付けられ、その後第2の層等が、管状取っ手部材を形成するために所望の数の層が所望の位置および方位でマンドレル上に巻き付けられるまで、巻き付けられる。マンドレルは細長い実質上円筒形のグリッピング部分32と末広がり状に開散する円錐台形の接続セクション34の両方を作る輪郭をもつ。
【0053】
突出するリブ40を形成するため、図7乃至9を参照すれば、予備含浸された複合材料の層の十分な数がマンドレル上に巻き付けられた後、複合材料がまだ展性を有する間に選択された弓形輪郭をもつ70、72、74で一般的に示される複数の成形部材が取っ手部材の接続セクションの外側に配置される。図7は接続セクション34の外側に配置する前の部材70、72、74を示し、かかる配置は図7に破線で示されている。図示の如く、部材70、72、74は接続セクションの上に置かれるとき、その接続セクションの回り完全に延在しておらず、それらの間に間隙をもっている。
【0054】
部材70、72、74はリブ40の所望の突出部に実質上等しい厚さをもち、部材70、72、74の隣接する縁間のスペースはリブ40の所望の幅に等しい。
前述の如く、突出部は細長いリブとは異なった形とすることができ、他のモールディング(molding)部材または成形部材を所望の突出部輪郭を得るために準備することができる。
【0055】
成形部材が上述の如く接続セクションに対して置かれたとき、管状部材は収縮テープ(shrink tape)に巻かれて、約 45 分乃至1時間にわたり 250 乃至 300 °F の間の温度のオーブン内に置かれることができる。収縮テープは好適には、温度抵抗性を有し、加熱されたとき、高い収縮と締固め性をもつ。収縮テープは収縮するにつれて、この収縮テープは複合層を成形マンドレルの回りで所望の輪郭に押圧し、部材70、72、74を押圧して図8に示す如く複合材料にする。部材70、72、74の厚さに等しい深さをもつ窪みが一般的に76、78、80で夫々示されている。図9は部材70、72、74が除かれたときに作られている輪郭を示す。
【0056】
取っ手部材を加熱すると、硬化プロセスを促進するが、より長い期間にわたってより低い温度で硬化することも可能である。例えば、取っ手部材は数日間にわたって室温で硬化することも可能である。収縮テープに加えられる圧力は、使用する収縮テープの種類と使用するマトリックス材料の流れ特性の両方に依存して、15 乃至 150 psi の範囲内とすることができる。また、嚢袋(bladder)または真空バッグの如き他の既知の装置を、硬化中取っ手部材を加圧するために使用することができる。
取っ手部材も(または、もしそうするために選択されるのであるならば、収縮部材も)また、切り刻み繊維スラリー(chopped fiber slurry)から作られることができる。切り刻み繊維はカーボン、ガラス、繊維ガラス、ホウ素、または種々の金属とすることができる。
【0057】
図示していないけれども、他の方法でも取っ手を形成して、その上に所望の一連の突出部を提供することができる。そうする1方法は、予備含浸された複合材料のシートを、円筒形のグリッピング部分と朝顔形に開いた円錐台形接続セクションをもつ取っ手の大体の輪郭を形成するために上述の如くマンドレル上に巻き付けることである。マンドレル上に巻き付けられた材料は次いで、突出部の選択されたパターンを作る形(form)を含む取っ手用の所望の外部輪郭をもつ蛤貝殻状( clam shell style) の成形型(mold)内に置かれることができる。蛤貝殻状の成形型が取っ手の外部の回りに置かれた後、成形マンドレルが除かれ、圧力嚢袋が、マンドレルが以前あったところに挿入され、巻き付けられた材料を成形型に対して押しつけるために、圧力が嚢袋に加えられる。該材料は次いで硬化させられそして成形型から除かれ、該材料は所望の外側輪郭をもつに至る。
【0058】
取っ手部材は予備含浸された複合材料の複数のシートを用いたものとして説明されたが、複数の層はフィラメント巻き付けプロセスの如き他の方法で形成することができる。フィラメント巻き付けプロセスでは、予備含浸されたシートよりはむしろ連続した繊維がマンドレルの回りに巻き付けられる。フィラメント巻き付けプロセスは予備含浸された繊維を使用してもよい。別法として、連続繊維は、マンドレル上に巻き付けられる前に、樹脂浴を通過することができる。フィラメント巻き付けプロセスは典型的には、マンドレルに沿った螺旋状経路に従って繊維を巻き付けるが、これは層の長手方向軸線に対して正確に90度をなす繊維をもつ層を作るのを困難にする。かくして、該層は実質上90度であるが正確には90度ではない層を含む場合がある。
【0059】
複合材料から作られている取っ手部材は、必要な強度と剛性を得ると同時に、所望重量の取っ手部材を得るために、選択的に製造することが可能である。
取っ手部材が形成された後に、それは打撃部材12の開放端12b内に挿入され、グリッピング部分32が打撃部材の端12aから長手方向外方へ延びるようになす。取っ手部材を挿入する前に、接着剤層が取っ手部材の接続セクション34の外面かまたは打撃部材の接続セクション14の内面の何れかに付けられる。取っ手の接続セクション34が接続セクション16の内面と緊密に掛合するように、打撃部材12と取っ手30は長手方向軸線に沿って反対方向に押される。このことが起こると、両部品間に付着された接着剤は凹所76、78、80およびリブ40内に押し込められるかまたは他の突出部が接続セクション16の内面にしっかり接触するかまたは掛合するようになる。余分の接着剤は取っ手の端30aから外方に流れることが許され、接着剤の選択された厚さのみが残ることになる。
【0060】
米国オレゴン州、ユージーン在のWillamette Valley Co.から発売されているScotch-Weld(登録商標)DP-100エポキシ接着剤またはPT1000ウレタン接着剤の如き接着剤はこの用途に良く役立つことが分かった。他の適切な接着剤もまた使用可能である。好適実施例では、突出部40は取っ手部材の接続セクションの外面の残余の部分から外方に0.00254乃至0.0254cm(0.001乃至0.010インチ)の範囲内、更に好適には0.00508乃至0.0127cm(0.002乃至0.005インチ)の範囲内の距離だけ延び、かつ0.318乃至1.91cm(0.125乃至0.75インチ)の範囲内、更に好適には0.508乃至0.762cm(0.2乃至0.3インチ)の範囲内の幅をもつ。該接着剤層は突出部の高さにほヾ等しい厚さをもち、かつ硬化することができ、かつ打撃部材と取っ手部材間に実質上堅固なしっかりした相互連結をなす。接着剤と打撃部材の内面と突出部との直接掛合によって提供される打撃部材と取っ手部材の接続セクション間の実質上堅固な相互連結は、取っ手部材と打撃部材間における実質上完全な打撃エネルギーの移転を可能にする。
【0061】
取っ手部材を打撃部材に固着した後、インサート22が打撃部材内に挿入され、外端12bが図1に示す輪郭にくるみ込まされて、止め部材50がその中に挿入される。遷移部材52(使用されるとき)は打撃部材の内端12aと取っ手30の間に滑らかな遷移部を提供するために取り付けられる。
取っ手部材と打撃部材の組み立て前にまたは後に、加重部材またはプラグ54が図1に示す如く、取っ手部材の近位端部分に挿入されて固着される。
【0062】
加重プラグ54は取っ手部材30の近位端30bに連結されたほヾ円筒形の部材である。この加重プラグは好適には、取っ手部材30の近位端30b内にきちんと嵌合する寸法にされ、好適には、適切な接着剤で近位端30bに取り付けられる。取っ手部材30の近位端30bにプラグ54を連結する代替手段、例えばプレス嵌め、締め具、および他の機械的掛止機構の如きものも予期することができる。加重プラグ54は比較的稠密な材料、好適には金属から作られる。代案として、加重プラグ54は例えば砂、流体、または重合体材料の如き他の材料から形成することができる。プラグ54は14.2乃至198g(0.5乃至7.0オンス)の範囲内、好適には56.7乃至142g(2乃至5オンス)の範囲内の重量にかつ 2.54乃至10.2cm(1.0乃至4.0インチ)の範囲内の長さに形成される。
【0063】
加重プラグ54は追加の重量または質量をプレイヤーがスイングするときのグリップのほヾ直下に配置して、バットをスイングする彼または彼女のバット速度を増すプレイヤーの能力を助長する。加重プラグ54はプレイヤーにピボット点(pivot point)を提供する。これはプレイヤーの上記質量またはグリップ位置を中心とした回転を容易ならしめる。
【0064】
更に、加重プラグ54はまた、衝撃、振動およびボールを打つときに、特にボールが打撃部材の所望の打撃領域またはスイートスポット(sweet spot)から打ち出されるときにプレイヤーが通常感じる“刺激”を緩和させまたは実質上減少させるのに役立つ。加重プラグ54はバット10がボールを打撃したときにプラグ54の位置に生じる振動エネルギーの振幅を実質上低下させそれによってプレイヤーが感じる振動または衝撃を減少させるバイブレイションシンク(vibration sink)として役立つ。もう1つの別の好適実施例では、プラグ54はノブ48と一体に形成される。
【0065】
加重プラグ54の使用はまさに、取っ手部材30と打撃部材12を切り離すことによって、バット10内で重量または質量を再配分することによって本発明で達成される有利な1例である。複合材料の取っ手部材30を形成するとき取っ手部材30の重量は慣例の金属取っ手部材の重量より減らすことができる。この重量はこのとき、バット10の性能を改善するかまたは調整するために、取っ手部材30の近位端の如きバット上の他の場所に再配分することができる。本発明では、プレイヤーが彼または彼女のバット速度を増すことができるように、かつユーザーが感じる衝撃や振動を減らすことができるようにするために、加重プラグ54を、バット10の重量を過剰にまたは不必要に増すことなしに、バット10に追加することができる。もう1つの別の好適実施例では、重量は打撃部材12に再配分することができる。
【0066】
上述の方法と製造されたバットは改良された打撃能力をもつバットを提供する。かかる改良された打撃能力はバットの構造的特性によって提供される。1例としては、バットスイング速度は、もしバットがバットの打撃部分と同じ材料でまたはバットの打撃部材と同様な手法で作られたならば得られるものよりも軽い取っ手をもつバットを作ることによって増すことができる。打撃部材に比しての取っ手の重量のこの減少および両者間に実質上堅固な相互連結を提供することは、バット速度を増し、実質上打撃部材と取っ手部材間の打撃エネルギーの移転を完全なものにする。更に、それは、打撃領域に最大の有効質量をもちかつ取っ手により低い有効質量をもつようにした所望の重量分配をバット中においてなす。
【0067】
バットの強打または打撃特性は、種々の複合取っ手材料を、色々な材料または輪郭の打撃部材と、それらの間を実質上堅固に相互連結してかみ合わせることによって変えることができる。かくして色々な様式のバットが作られ、選択された要件に調整することができる。
【0068】
接続領域で堅固に相互連結される独立して作られた打撃部材と取っ手部材で構成されたバットを提供することによって、バットは最適なボール打撃効果を提供する材料から作ることができ、同時に、取っ手部材は、バッターがバットにバッターの手から最大の可能な力を及ぼしかつ最大のスイング速度を生ぜしめることができるように構成することができる。取っ手部材は、取っ手の全体にまたは取っ手の選択された領域内にさえも、所望の強度、重量、剛性等を生ぜしめるために、選択された厚さ、方位、および取っ手部材内の位置をもつよう種々の複合材料から組み立てることができる。
【0069】
更に説明すれば、取っ手の選択領域は他の領域より多くのまたは少ない数の複合材料層をもつことができ、該層の厚さまたは層内の構造材料は取っ手部材の種々の領域で変えることができ、かつ他の特性は、製造の間に取っ手部材内の材料を選択的に組み合わせることによって変えることができる。
【0070】
形成することができる取っ手部材における色々な相違の1例として、ソフトボール用の如き或る一定のバットはより剛性のある取っ手部材でより良く動作するが、ベースボール用のものはより可撓性であるかまたはより小さい剛性の取っ手部材が好適である。
上記した製造構造と方法を用いれば、バットは、材料の選択およびバットの種々の組成の組み合わせによって、選択された用途に最適となすことができる。
【0071】
本発明の好適実施例につき図示しかつ説明したが、当業者には多くの変化、変更をなすことができることは認められるだろう。本願の請求の範囲は本発明の精神と範囲内に含まれるこれらの変化、変更のすべてを包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施例のバットの長手方向中心線に沿って取った縦断面図である。
【図2】 図1のバットの接続セクションの拡大断面図である。
【図3】 図2の線 3-3 上の横断面である。
【図4】 図2の線 4-4 に沿って見た図で、打撃部材の一部を切除して示した図である。
【図5】 図4に類似の図で、異なったリブの形態を示す図である。
【図6】 図2の線 6-6 上の取っ手の一部の拡大断面図である。
【図7】 取っ手の朝顔形に開いた端部分の斜視図で、取っ手の接続セクション上に突出リブを作る取っ手部材の製造中に成形部材がその端部分と関連させられている1状態を示す図であ。
【図8】 図7において成形部材が上記端部分と関連させられている構造の状態を示す図である。
【図9】 成形部材を除いた後の突出リブが出来た端部分を示す図である。
【図10】 図1のバットに使用できる取っ手部材の拡大縦断面図で、取っ手の長さに沿った種々の領域に配列した多重複合材料層をもつ取っ手部材の複合組み合わせ構造を示すため一部を切除して示す図で、取っ手部材の或るセクションが他より多い層をもちかつ選択された取っ手部材質量、強度、および剛性特性を得るよう色々な材料から構成されていている様子を示す図である。
【図11】 取っ手部材の曲げ強度を試験するための試験設備を示す側立面図で、1例としての取っ手部材を試験用に据え付けている様子を示す図である。
【図12】 組み立てられたバット全長の曲げ強度を試験する試験設備の側立面図で、1例としての取っ手部材を試験用に据え付けている様子を示す図である。
【符号の説明】
10 バット
12 打撃部材
14 打撃部材
16、34 接続セクション
22 インサート
32 グリッピング部分
40 リブ
52 遷移部スリーブ
54 加重プラグ
60〜66 層
100 クロスヘッド
Claims (94)
- 長手方向軸線と全体の第1の長さをもつ細長いバットにおいて、
該バットは、上記第1の長さより短い細長い管状の打撃部材を含み、上記打撃部材は遠位端と、近位端と、上記遠位端と近位端の中間にある打撃領域と、上記近位端に向かって進むとき上記軸線に向かって収斂する上記近位端に隣接した内面を有する接続セクションとをもち、上記打撃部材は第1の有効質量をもち、
更に、該バットは、上記第1の有効質量とは異なった第2の有効質量をもつ材料からなる上記第1の長さより短い細長い取っ手部材を含み、上記取っ手部材は遠位端と近位端をもちかつその遠位端に隣接した個所で上記打撃部材の近位端に隣接した上記打撃部材の上記接続セクションの上記内面上の一または複数箇所にしっかり接合されて、それら取っ手部材と打撃部材の間を堅固に相互連結し、上記取っ手部材と上記打撃部材間に実質上完全な打撃エネルギーの移転をなすように構成したことを特徴とする細長いバット。 - 取っ手部材の有効質量は打撃部材の有効質量より小さいことを特徴とする請求項1に記載のバット。
- 上記接続セクションは上記第1の長さの 25 %より大きくない長さをもつことを特徴とする請求項1に記載のバット。
- 上記取っ手部材はその遠位端に隣接した個所に接続セクションをもち、このセクションは上記遠位端に向かって進むとき上記軸線から末広がり状に開散し、打撃部材の接続セクションの収斂部分を実質上補完する輪郭をもっており、上記取っ手部材と打撃部材の接続セクションの部分は互いにかみ合い接触するよう配置されていることを特徴とする請求項1に記載のバット。
- 上記打撃部材と取っ手部材の上記接続セクションは実質上円錐台形をなし、その各々は大直径のセクションと小直径のセクションをもち、上記接続セクションの大直径部分は打撃部材の接続セクションの小直径部分より大きいことを特徴とする請求項4に記載のバット。
- 上記打撃部材の上記打撃領域は第1の直径をもち、上記取っ手部材はその接続セクションからその近位端に向かって置かれたグリッピング部分をもち、上記グリッピング部分は上記第1直径より小さい第2直径をもち、上記取っ手部材の上記接続セクションは上記打撃部材の上記接続セクション内に捕らえ込まれていることを特徴とする請求項5に記載のバット。
- 上記接続セクション間に介在する接着剤を更に含み、上記接続セクションが接着剤接合されることを特徴とする請求項5に記載のバット。
- 取っ手部材の接続セクションの外面と打撃部材の接続セクションの内面のうちの少なくとも1方が複数の突出部を含み、これらの突出部が所定の距離だけ径方向に延びていることを特徴とする請求項5に記載のバット。
- 上記所定の距離は0.00254乃至 0.0254cmの範囲内にあることを特徴とする請求項8に記載のバット。
- 取っ手部材の接続セクションの外面、打撃部材の接続セクションの内面および突出部は少なくとも1つのスペースを画成し、接着剤は少なくとも部分的に少なくとも1つのスペースを満たして、取っ手部材と打撃部材を接合することを特徴とする請求項8に記載のバット。
- 上記所定の距離は取っ手部材と打撃部材を接合するための接着剤の所望の層の厚さに等しいことを特徴とする請求項8に記載のバット。
- 上記所定の距離は0.00508乃至 0.0127cmの範囲内にあることを特徴とする請求項8に記載のバット。
- 突出部は0.318乃至 1.91cmの範囲内の幅をもつことを特徴とする請求項8に記載のバット。
- 突出部は0.508乃至 0.762cmの範囲内の幅をもつことを特徴とする請求項8に記載のバット。
- 上記突出部は上記バットの実質上長手方向に延びる細長いリブからなることを特徴とする請求項8に記載のバット。
- 上記突出部は螺旋状であることを特徴とする請求項8に記載のバット。
- 上記突出部は上記取っ手部材上にあり、上記突出部の外面は打撃部材の上記接続セクションの内面にしっかり接触していることを特徴とする請求項8に記載のバット。
- 打撃部材は金属、木材、繊維複合材料、および非金属材料からなるグループから選択された材料から形成されることを特徴とする請求項1に記載のバット。
- 打撃部材は第1の比重をもつ金属からなり、取っ手部材は上記第1の比重とは異なる第2の比重をもつ複合材料からなることを特徴とする請求項1に記載のバット。
- 取っ手部材の比重は打撃部材の比重より小さいことを特徴とする請求項19に記載のバット。
- 取っ手部材は金属、木材、繊維複合材料、および非金属からなるグリップから選択された材料から形成されることを特徴とする請求項1に記載のバット。
- 上記複合物は繊維複合材料からなることを特徴とする請求項21に記載のバット。
- 上記繊維複合材料はエポキシマトリックス中にあるカーボン繊維からなることを特徴とする請求項22に記載のバット。
- 繊維複合材料は切り刻み繊維スラリーからなることを特徴とする請求項22に記載のバット。
- 取っ手部材は複数の管状の層からなる繊維複合材料から形成され、各層はマトリックスによって支持された構造用繊維を含むマトリックスからなり、複数の管状の層は、長手方向に延びる繊維の層、周囲方向に延びる繊維の層、螺旋状に延びる繊維の層、編んだ繊維の層およびそれらの組み合わせからなるグループから選択された繊維層の形態を含むことを特徴とする請求項1に記載のバット。
- 打撃部材は複数の管状の層からなる繊維複合材料から形成され、各層はマトリックスによって支持された構造用繊維を含むマトリックスからなり、複数の管状の層は、長手方向に延びる繊維の層、周囲方向に延びる繊維の層、螺旋状に延びる繊維の層、編んだ繊維の層およびそれらの組み合わせからなるグループから選択された繊維層の形態を含むことを特徴とする請求項1に記載のバット。
- 取っ手部材の近位端に連結された加重プラグを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のバット。
- 加重プラグは14.2乃至 198gの範囲内の重さ有することを特徴とする請求項27に記載のバット。
- 加重プラグは56.7乃至 142gの範囲内の重さ有することを特徴とする請求項27に記載のバット。
- 加重プラグは2.54乃至 10.2cmの範囲内の長さを有することを特徴とする請求項27に記載のバット。
- 打撃部材の打撃領域と同心の第2の管状部材を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のバット。
- 上記打撃部材は中空円形の横断面をもち、上記第2の管状部材は上記打撃部材の打撃領域内に位置する円形横断面のインサートからなることを特徴とする請求項31に記載のバット。
- 上記取っ手セクションの遠位端は上記打撃部材の接続セクション内に受け入れられ、第2の管状部材は上記取っ手セクションから或る距離だけ離間している上記取っ手セクションに面する端をもつことを特徴とする請求項32に記載のバット。
- 遠位端と、近位端と、上記近位端に隣接した内面を有する接続セクションとをもつ細長い管状の打撃部材と、遠位端と、近位端と、上記取っ手部材の遠位端に隣接した接続セクションとをもつ複合材料の細長い管状の取っ手部材を含み、上記取っ手部材の上記接続セクションは上記打撃部材の上記接続セクションと隣接して位置しかつ上記打撃部材の上記接続セクションの上記内面上の一または複数箇所にしっかり接合されて、それら取っ手部材と打撃部材の間を堅固に相互連結していて、上記取っ手部材と上記打撃部材間で実質上完全な打撃エネルギーの移転を可能ならしめていることを特徴とするバット。
- 長手方向軸線をもち、打撃部材の上記接続セクションは、上記打撃部材の上記近位端に向かって進むにつれて、上記軸線に向かって収斂しており、上記取っ手部材の接続セクションは上記遠位端にむかって進むにつれて、上記軸線から末広がり状に開散し、上記取っ手部材の接続セクションは打撃部材の接続セクションの収斂部分を実質上補完する形態をもち、上記取っ手部材と打撃部材の上記接続セクションは互いにかみ合い接触するよう配置されていることを特徴とする請求項34に記載のバット。
- 上記打撃部材と取っ手部材の上記接続セクションは実質上円錐台形をなし、その各々は大直径セクション部分と小直径セクション部分をもち、取っ手部材の接続セクションの大直径セクション部分は打撃部材の接続セクションの小直径部分より大きいことを特徴とする請求項35に記載のバット。
- 上記打撃部材は第1の直径の打撃領域をもち、上記取っ手部材はその接続セクションからその近位端に向かって位置するグリッピング部分をもち、グリッピング部分は上記第1の直径より小さい第2の直径をもち、上記取っ手部材は打撃部材の近位端を通して延び、上記取っ手部材の上記接続セクションは上記打撃部材の接続セクション内に捕らえ込まれていることを特徴とする請求項34に記載のバット。
- 取っ手部材の上記接続セクションの外面は打撃部材の接続セクションの内面の境界内に配置され、接着剤材料が上記内面と外面間に配置されて、上記取っ手部材と打撃部材を接合していることを特徴とする請求項34に記載のバット。
- 取っ手部材の接続セクションの外面と打撃部材の接続セクションの内面のうちの少なくとも一方は径方向に所定の距離だけ延びている複数の突出部をもつことを特徴とする請求項34に記載のバット。
- 上記所定の距離は0.00254乃至 0.0254cmの範囲内とすることを特徴とする請求項39に記載のバット。
- 上記所定の距離は0.00508乃至 0.0127cmの範囲内とすることを特徴とする請求項39に記載のバット。
- 取っ手部材の接続セクションの外面、打撃部材の接続セクションの内面および突出部は少なくとも1つのスペースを画成し、接着剤が少なくとも部分的に上記少なくとも1つのスペースを満たして、取っ手部材と打撃部材を接合することを特徴とする請求項34に記載のバット。
- 上記所定の距離は取っ手部材と打撃部材を接合するための接着剤の所望の層の厚さに等しいことを特徴とする請求項39に記載のバット。
- 上記複合材料は繊維複合材料からなることを特徴とする請求項34に記載のバット。
- 打撃部材は、金属、木材、繊維複合材料、および非金属材料からなるグループから選択された材料から形成されることを特徴とする請求項34に記載のバット。
- 繊維複合材料は切り刻み繊維スラリーからなることを特徴とする請求項44に記載のバット。
- 取っ手部材は複数の管状の層からなる繊維複合材料から形成され、各層はマトリックスによって支持された構造用繊維を含むマトリックスからなり、複数の管状の層は、長手方向に延びる繊維の層、周囲方向に延びる繊維の層、螺旋状に延びる繊維の層、編んだ繊維の層およびそれらの組み合わせからなるグループから選択された繊維層の形態を含むことを特徴とする請求項34に記載のバット。
- 取っ手部材は複数の管状の層からなり、各層はマトリックスおよびマトリックスによって支持された構造用繊維からなり、該層のうちの少なくとも1つの層は実質上周囲方向に延びる繊維からなり、多数の層は実質上長手方向に延びる繊維からなり、長手方向の層の数は周囲方向の層の数より大きいことを特徴とする請求項34に記載のバット。
- 長手方向軸線をもつ細長いバットを作成する方法において、下記の工程、即ち
近位端と、遠位端と、それらの間の打撃領域と、第1の直径の口部を形成するために上記近位端に向かって進むにつれて上記軸線に向かって収斂する上記近位端に隣接した接続セクションとをもつ円形横断面の細長い管状の打撃部材を形成する工程と、
近位端と、遠位端と、上記第1の直径より大きい第2の直径まで上記遠位端に向かって進むにつれて上記軸線から末広がり状に開散する上記遠位端に隣接した接続セクションとをもつ円形横断面の複合材料の細長い取っ手部材を形成する工程と、
打撃部材と取っ手部材を、取っ手部材を打撃部材内に挿入することによって組み立て、その際取っ手部材の接続セクションの外面の少なくとも一部が打撃部材の接続セクションの内面の一部に掛合するようになし、上記取っ手部材の残余の部分が打撃部材の近位端から長手方向に延びるようになす工程と、
打撃部材と取っ手部材間を堅固に相互連結するように取っ手部材の接続セクションを打撃部材の接続セクションに接合する工程とを含むことを特徴とする方法。 - 上記接合する工程で、接着剤が上記接続セクション間に付けられ、そして硬化させられることを特徴とする請求項49に記載の方法。
- 上記打撃部材は第1の比重をもつ材料から形成され、上記取っ手部材は上記第1の比重とは異なった第2の比重をもつ複合材料から形成されることを特徴とする請求項49に記載の方法。
- 取っ手部材の接続セクションの末広がり状開散部分は打撃部材の接続セクションの収斂部分を補完する輪郭に形成されることを特徴とする請求項49に記載の方法。
- 取っ手部材を形成する工程は、管状部材を形成するために複数の複合材料をお互いに隣接させて位置決めしそして上記層を硬化することを含むことを特徴とする請求項49に記載の方法。
- 取っ手部材を形成する工程は、構造用繊維を中に含む複数の複合層を各層が管状をなすようにお互いに隣接させて位置決めし、該層の大部分が取っ手部材の長手方向軸線に対して50°より小さい角度をなして延びる繊維をもつように該層を方向付けする工程を含むことを特徴とする請求項53に記載の方法。
- 取っ手部材の上記接続セクション上に離間した突出部を作るために、成形の間に少なくとも1つの型成形部材が上記管状部材の外側に押しつけられ、上記突出部は上記管状部材の残余の部分から外方に延びていることを特徴とする請求項53に記載の方法。
- 上記型成形部材は硬化の後に除かれることを特徴とする請求項55に記載の方法。
- 上記突出部は上記取っ手部材から実質上長手方向に延びる細長いリブとして形成されることを特徴とする請求項55に記載の方法。
- 上記リブは組み立てらたとき、打撃部材の上記接続セクションの内面に掛合するよう位置決めされることを特徴とする請求項55に記載の方法。
- 上記型成形部材は 0.00508乃至 0.0127cmの高さの範囲内の突出部を作ることを特徴とする請求項55に記載の方法。
- 長手方向軸線をもつ細長いバットを作成する方法において、下記の工程、即ち
近位端と、遠位端と、それらの間の打撃領域と、上記近位端に隣接した接続セクションとをもつ円形横断面の細長い管状の打撃部材を形成する工程と、
近位端と、遠位端と、上記遠位端に隣接した接続セクションとをもつ円形横断面の複合材料の細長い取っ手部材を形成する工程とを含み、取っ手部材を形成する工程は、管状部材を形成するために複数の複合層をお互いに隣接させて位置決めしそして上記層を硬化させることを含み、更に
打撃部材と取っ手部材を組み立てる工程を含み、その際取っ手部材の接続セクションの外面の少なくとも一部は打撃部材の接続セクションの内面の一部に掛合し、更に
打撃部材と取っ手部材間を堅固に相互連結するように取っ手部材の接続セクションを打撃部材の接続セクションに接合する工程とを含むことを特徴とする方法。 - 取っ手部材を成形する工程で、選択された数と方向付けを有する複合層が付けられることを特徴とする請求項60に記載の方法。
- 取っ手部材は選択された全長をもち、上記複合層のうちの選択されものは上記全長に実質上等しい長さをもち、上記複合層のうちの他のものは上記全長より短い長さをもつことを特徴とする請求項61に記載の方法。
- 上記全長より短い複合層は上記取っ手部材の近位端と遠位端の中間の異なる位置に位置決めされることを特徴とする請求項62に記載の方法。
- 複合層の各々はマトリックスに支持された構造用繊維を含むマトリックスを含み、該層は、長手方向に延びる繊維の層、周囲方向に延びる繊維の層、螺旋状に延びる繊維の層、編んだ繊維の層およびそれらの組み合わせからなる繊維層の形態のグループから選択されることを特徴とする請求項61に記載の方法。
- ボールを打撃するためのバットにおいて、該バットが、遠位端、近位端および打撃部材の近位端に隣接した第1の接続セクションをもつ長手方向軸線に沿って延びる細長い管状の打撃部材を含み、上記打撃部材は第1の材料から形成されており、
更に、該バットは、長手方向軸線に沿って延びる細長い管状の取っ手部材を含み、上記取っ手部材は遠位端、近位端および取っ手部材の遠位端に隣接した第2の接続セクションをもち、取っ手部材は、第1接続セクションの少なくとも一部が第2接続セクションの少なくとも一部にしっかりかつ直接接触するように、上記打撃部材に連結されており、
上記取っ手部材は3点曲げ剛性試験で35.7乃至354kg/cmの範囲内の長手方向軸線に沿った曲げ抵抗をもち、その場合第1支持体が遠位端に隣接しそして第2支持体が近位端に隣接した状態で、取っ手部材が選択された距離だけ離間している1対の支持体によって第1の方向で横向きに支持され、その際取っ手部材の遠位端から上記選択された距離の 30 乃至 40 %間の範囲内の取っ手部材上の場所で、第1方向と反対の第2の方向で横向きに荷重をかけられることを特徴とするバット。 - 取っ手部材は71.4乃至161kg/cmの範囲内の長手方向軸線に沿った曲げ抵抗をもつことを特徴とする請求項65に記載のバット。
- 取っ手部材は22.9乃至55.9cmの範囲内の長さをもち、かつ取っ手部材は85.0乃至227gの範囲内の重量をもつことを特徴とする請求項65に記載のバット。
- 取っ手部材は142乃至198gの範囲内の重量をもつことを特徴とする請求項67に記載のバット。
- 打撃部材は金属、木材、セラミックおよび繊維複合材料からなるグループから選択された材料から形成されることを特徴とする請求項65に記載のバット。
- 取っ手部材は複数の管状の層からなる繊維複合材料から形成され、その場合各層はマトリックスによって支持された構造用繊維を含むマトリックスを含み、かつ上記複数の管状層は長手方向に延びる繊維の層と、周囲方向に延びる繊維の層と、螺旋状に延びる繊維の層と、編んだ繊維の層と、それらの組み合わせとからなるグループから選択された繊維層の形態を含むことを特徴とする請求項65に記載のバット。
- 螺旋状に延びる繊維の少なくとも1つの層の螺旋状に延びる繊維は長手方向軸線から+/− 1 乃至 89 度の間にある角度をなして取っ手部材に沿って延びることを特徴とする請求項70に記載のバット。
- 取っ手部材は近位のグリッピング部分と遠位のグリッピング部分を含み、上記近位のグリッピング部分と遠位のグリッピング部分のうちの一方は残余の部分より多数の層で形成されることを特徴とする請求項70に記載のバット。
- 取っ手部材の複合材料は切り刻み繊維スラリーからなることを特徴とする請求項65に記載のバット。
- 取っ手部材の遠位端に連結された加重プラグを更に含むことを特徴とする請求項65に記載のバット。
- 加重プラグは56.7乃至142gの範囲内の重量を有することを特徴とする請求項74に記載のバット。
- 加重プラグは2.54乃至10.2cmの範囲内の長さを有することを特徴とする請求項74に記載のバット。
- 上記繊維は、ガラス、繊維ガラス、カーボン、ホウ素、金属およびそれらの組み合わせからなるグループから選択された材料から形成されることを特徴とする請求項70に記載のバット。
- 上記繊維は0.0143乃至0.048g/cm2の範囲内の面積繊維密度を有することを特徴とする請求項70に記載のバット。
- 第1の材料はボール打撃に対して取っ手部材の複合材料より大きい衝撃抵抗をもつことを特徴とする請求項65に記載のバット。
- 取っ手部材の接続セクションの外面と打撃部材の接続セクションの内面のうちの少なくとも一方が、径方向に所定の距離だけ延びる複数の突出部をもつことを特徴とする請求項65に記載のバット。
- ボールを打撃するためのバットにおいて、該バットが、遠位端、近位端および上記打撃部材の近位端に隣接した第1の接続セクションをもつ長手方向軸線に沿って延びる細長い管状の打撃部材を含み、上記打撃部材は第1の材料から形成されており、
更に、該バットは、長手方向軸線に沿って延びる細長い管状の取っ手部材を含み、上記取っ手部材は遠位端、近位端および取っ手部材の遠位端に隣接した第2の接続セクションをもち、取っ手部材は、第1接続セクションの少なくとも一部が第2接続セクションの少なくとも一部にしっかりかつ直接接触するように、上記打撃部材に連結されており、
上記バットは、3点曲げ剛性試験で89.3乃至446kg/cmの範囲内の長手方向軸線に沿った曲げ抵抗をもち、その場合バットが打撃部材の遠位端から15.2cm離れた第1の場所でかつ取っ手部材の近位端から15.2cm離れた第2の場所で、第1の方向で横向きに支持され、かつバット長さの中央位置の第3の場所で、第1の方向とは反対の第2の方向に横向きに荷重をかけられることを特徴とするバット。 - バットは89.3乃至268kg/cmの範囲内の長手方向軸線に沿った曲げ抵抗をもつことを特徴とする請求項81に記載のバット。
- 取っ手部材は22.9乃至55.9cmの範囲内の長さをもち、かつ取っ手部材は85.0乃至227gの範囲内の重量をもつことを特徴とする請求項81に記載のバット。
- 取っ手部材は142乃至198gの範囲内の重量をもつことを特徴とする請求項81に記載のバット。
- 打撃部材は金属、木材、セラミックおよび繊維複合材料からなるグループから選択された材料から形成されることを特徴とする請求項81に記載のバット。
- 取っ手部材は複数の管状層を含む繊維複合材料から形成され、その場合各層はマトリックスによって支持された構造用繊維を含むマトリックスを含み、かつ上記複数の管状層は長手方向に延びる繊維の層と、周囲方向に延びる繊維の層と、螺旋状に延びる繊維の層と、編んだ繊維の層およびそれらの組み合わせからなるグループから選択された繊維層の形態を含むことを特徴とする請求項81に記載のバット。
- 取っ手部材は近位のグリッピング部分と遠位のグリッピング部分を含み、上記近位のグリッピング部分と遠位のグリッピング部分のうちの一方は残余の部分より多数の層で形成されることを特徴とする請求項86に記載のバット。
- 取っ手部材の複合材料は切り刻み繊維スラリーからなることを特徴とする請求項81に記載のバット。
- 取っ手部材の遠位端に連結された加重プラグを更に含むことを特徴とする請求項81に記載のバット。
- 加重プラグは56.7乃至142gの範囲内の重量を有することを特徴とする請求項89に記載のバット。
- 加重プラグは2.54乃至10.2cmの範囲内の長さを有することを特徴とする請求項89に記載のバット。
- 上記繊維は0.0143乃至0.048g/cm2の範囲内の面積繊維密度を有することを特徴とする請求項86に記載のバット。
- 第1の材料はボール打撃に対して取っ手部材の複合材料より大きい衝撃抵抗をもつことを特徴とする請求項81に記載のバット。
- 取っ手部材の接続セクションの外面と打撃部材の接続セクションの内面のうちの少なくとも一方が、径方向に所定の距離だけ延びる複数の突出部をもつことを特徴とする請求項81に記載のバット。
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