JP4294517B2 - 定着部材 - Google Patents

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Description

本発明は、デジタル、イメージ・オン・イメージ、及び接触静電印刷装置を含む静電写真再生装置に有益な定着部材に関する。この定着部材は、定着部材、圧力部材、浸透部材又は挿通部材などとして用いることができる。一実施形態においては、この定着部材は、フルオロエラストマーからなる外層を含む。実施形態においては、フルオロエラストマーは、a)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、及びテトラフルオロエチレンのうちの2つのコポリマー、b)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、及びテトラフルオロエチレンのターポリマー、及びc)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン、及び架橋点モノマーからなる群から選ばれる。実施形態においては、剥離剤はフルオロシリコーン剥離剤である。実施形態においては、フルオロシリコーン剥離剤はペンダントフルオロカーボン基を有する。
本発明の実施形態は、支持層と、a)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、及びテトラフルオロエチレンのうちの2つのコポリマー、b)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、及びテトラフルオロエチレンのターポリマー、及びc)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン、及び架橋点モノマーからなる群から選ばれるフルオロエラストマーからなる外層と、該外層上の剥離剤材料被覆とを含み、該剥離材料被覆は、以下の式I:
Figure 0004294517
で表されるフッ素化シリコーン剥離剤を含み、ここで、mが約0から約25までの数で、nが約1から約25までの数であり、x/(x+y)が約1パーセントから約100パーセントまでであり、R1及びR2がアルキル、アリールアルキル、アミノ、及びアルキルアミノ基からなる群から選ばれ、R3がアルキル、アリールアルキル、ポリオルガノシロキサン鎖、及びoが約0から約25までの数であり、pが約1から約25までの数である式−(CH20−(CF2p−CF3のフルオロ鎖からなる群から選ばれる定着部材を含む。
実施形態はさらに、支持層と、a)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、及びテトラフルオロエチレンのうちの2つのコポリマー、b)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、及びテトラフルオロエチレンのターポリマー、及びc)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン、及び架橋点モノマーからなる群から選ばれるフルオロエラストマーからなる外層と、該外層上の剥離材料被覆とを含み、該剥離材料被覆は、以下の式III:
Figure 0004294517
で表されるフッ素化シリコーン剥離剤を含み、ここで、x/(x+y)が約7.3パーセントである定着部材を含む。
実施形態はさらに、静電潜像をその上に受け取る電荷保持表面と、現像剤材料を該電荷保持表面に適用して該静電潜像を現像し、現像された画像を該電荷保持表面上に形成する現像剤コンポーネントと、該現像された画像を該電荷保持表面からコピー支持層に転写する転写コンポーネントと、転写された現像された画像を該コピー支持層に定着する定着部材コンポーネントとを含み、該定着部材は、a)支持層と、b)i)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、及びテトラフルオロエチレンのうちの2つのコポリマー、ii)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、及びテトラフルオロエチレンのターポリマー、及びiii)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン、及び架橋点モノマーからなる群から選ばれるフルオロエラストマーからなる外層と、該外層上の剥離剤材料被覆とからなり、該剥離剤は、以下の式I:
Figure 0004294517
で表されるフッ素化シリコーン剥離剤を含み、ここで、mが約0から約25までの数で、nが約1から約25までの数であり、x/(x+y)が約1パーセントから約100パーセントまでであり、R1及びR2がアルキル、アリールアルキル、アミノ、及びアルキルアミノ基からなる群から選ばれ、R3がアルキル、アリールアルキル、ポリオルガノシロキサン鎖、及びoが約0から約25までの数であり、pが約1から約25までの数である式−(CH20−(CF2p−CF3のフルオロ鎖からなる群から選ばれる画像を記録媒体に形成する画像形成装置を含む。
本発明は、剥離剤が組み合わされた定着部材に関する。定着部材は、フルオロシリコーン剥離剤と組み合わされた外側フルオロエラストマー層を有する。実施形態においては、この組み合わせは、定着部材の十分な濡れを可能にする。フルオロシリコーン剥離剤及びフルオロエラストマー外層の組み合わせは、実施形態においては、紙のようなコピー支持層との相互作用をほとんど又は全くもたらさないため、剥離剤は、他紙のようなコピー支持層に付着している接着剤及びPOST−IT(登録商標)ノート(3Mによる)その同様のタブと干渉することはない。フルオロエラストマー外層及びフルオロシリコーン剥離剤の組み合わせは、実施形態においては、剥離剤の改善された拡がりにより、定着部材の寿命を延ばすことを可能にする。この組み合わせは、実施形態においては、さらに、剥離剤がトナー成分との相互作用をほとんど又は全く生じず、定着流体のゲル化を促進せず、したがって、定着部材の寿命を延ばすものとなる。さらに、フルオロシリコーン剥離剤の使用により、フルオロエラストマー定着部材表面上に金属酸化物その他のアンカーサイトを設けることは必要でなくなり、したがって、安全上の懸念を減らし、定着部材の製造費用が減るようになる。金属酸化物は、トナー内の電荷制御剤に対するフルオロエラストマー表面の反応性を増加させる触媒作用を及ぼして、これによりロール寿命が短くなるために、該金属酸化物を排除することが望まれる。さらに、フルオロエラストマー外層と組み合わされた剥離剤は、実施形態においては、定着器の汚染を減らすか又はなくすものとなる。
図1を参照すると、典型的な静電写真複写装置において、コピーされるべきオリジナルの光像が感光性部材上に静電潜像の形態で記録され、該潜像は、後で一般にトナーと呼ばれる検電性熱可塑性樹脂粒子の適用により、可視化される。具体的には、感光体10の表面が、電源11から電圧が供給された帯電器12により帯電される。感光体は次に、レーザ及び発光ダイオードのような光学系又は画像入力装置13からの光により画像露光されて、その上に静電潜像を形成する。一般に、静電潜像は、現像ステーション14からの現像剤混合物をそれと接触させることにより現像される。現像は、磁気ブラシ、粉末クラウドその他の既知の現像方法を用いることにより行うことができる。乾燥現像剤混合物は、通常、摩擦電気的に付着しているトナー粒子を有するキャリア粒からなる。トナー粒子はキャリア粒から潜像に吸引されて、その上にトナー粉末画像が形成される。或いは、トナー粒子が中に分散された液体キャリアを含む液体現像剤材料を用いることもできる。液体現像剤材料は静電潜像と接触するように進められて、トナー粒子は潜像の上に画像形態で付着される。
トナー粒子が画像形態で光導電性表面上に付着された後、これらは、圧力転写又は静電転写とすることができる転写手段15によりコピー用紙16に転写される。或いは、現像された画像を中間転写部材又はバイアス転写部材に転写して、その後にコピー用紙に転写することができる。コピー基材の例は、紙、ポリエステル、ポリカーボネートその他同様なもののような透明材料、布、木材その他の所望の材料のいずれかを含み、その上に完成画像が位置させられる。
現像された画像の転写が完了した後、コピー用紙16は、図1においては定着ロール20及び圧力ロール21として示される定着ステーション19に進み、ここで該現像された画像が、該コピー用紙16を定着部材及び圧力部材の間に通すことにより該コピー用紙16に定着されて、これにより恒久的な画像が形成されるようになる。或いは、転写及び定着を挿通方式の例により実行することができる。
感光体10は、転写に続いて、清掃ステーション17に進み、ここで該感光体10に残されたあらゆるトナーが、ブレード(図1に示されるような)、ブラシその他の清掃装置を用いることによりそこから清掃される。
図2は、種々の可能性のある層を示す定着部材の実施形態の拡大概略図である。図2に示されるように、支持層1はその上に中間層2を有する。中間層2は、例えば、シリコーンゴムその他の適当なゴム材料のようなゴムとすることができる。中間層2の上には、以下に説明されるように、フルオロエラストマーからなる外層3が位置されている。外側フルオロエラストマー層3の上には、最も外側のフルオロシリコーン剥離層4が位置されている。
定着システム部材の外面の例は、フルオロエラストマーを含むものである。具体的には、適当なフルオロエラストマーは、米国特許第5,166,031号、第5,281,506号、5,366,772号、及び第5,370,931号と共に、米国特許第4,257,699号、5,017,432号、及び5,061,965号に詳細に述べられている。そこに述べられるように、これらのエラストマーは、1)フッ化ビニリデン及びヘキサフルオロプロピレンのコポリマー、2)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、及びテトラフルオロエチレンのターポリマー、及び3)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、及びテトラフルオロエチレン、及び架橋点モノマーのクラスからのものであり、VITON A(登録商標)、VITON B(登録商標)、VITON E(登録商標)、VITON E 60C(登録商標)、VITON E430(登録商標)、VITON 910(登録商標)、VITON GH(登録商標)、VITON GF(登録商標)、及びVITON ETP(登録商標)、という種々の表示の下で商業的に知られている。VITON(登録商標)表示は、E.I. DuPont de Nemours社の商標である。架橋点モノマーは、4−ブロモパーフルオロブチン−1、1,1−ジヒドロ−4−ブロモパーフルオロブチン−1、3−ブロモパーフルオロプロペン−1、1,1−ジヒドロ−3−ブロモパーフルオロプロペン−1、その他DuPontから商業的に入手可能な適当な周知の架橋点モノマーのいずれかとすることができる。他の市販のフルオロポリマーは、FLUOREL 2170(登録商標)、FLUOREL 2174(登録商標)、FLUOREL 2176(登録商標)、FLUOREL 2177(登録商標)、及びFLUOREL LVS 76(登録商標)を含み、FLUOREL(登録商標)は、3M社の商標である。付加的な商業的に入手可能な材料は、さらに3M社から入手可能なポリ(プロピレン−テトラフルオロエチレン)であるAFLAS(登録商標)及びポリ(プロピレン−テトラフルオロエチレンフッ化ビニリデン)であるFLUOREL II(登録商標)(LII900)、並びに、Montedision Speciality Chemical社から入手可能なFOR−60KIR(登録商標)、FOR−LHF(登録商標)、NM(登録商標)FOR−THF(登録商標)、FOR−TFS(登録商標)、TH(登録商標)、及びTN505(登録商標)として表示されるTecnoflonを含む。
定着部材の表面に有益なフルオロエラストマーの例は、フッ化ビニリデンベースのフルオロエラストマーのようなフルオロエラストマー、ヘキサフルオロプロピレン、及びコモノマーとしてのテトラフルオロエチレンを含む。さらに、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、及びテトラフルオロエチレンのうちの1つのコポリマーがある。3つの周知のフルオロエラストマーの例は、(1)VITON A(登録商標)として商業的に周知のもののようなフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、及びテトラフルオロエチレンのうちの2つのコポリマーのクラス、(2)VITON B(登録商標)として商業的に周知のフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、及びテトラフルオロエチレンのターポリマーのクラス、及び(3)VITON GH(登録商標)又はVITON GF(登録商標)として商業的に周知のフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン、及び架橋点モノマーのテトラポリマーのクラスである。
フルオロエラストマー、VITON GH(登録商標)及びVITON GF(登録商標)は、比較的低い量のフッ化ビニリデンを有する。VITON GF(登録商標)及びViton GH(登録商標)は、約35重量パーセントのフッ化ビニリデン、約34重量パーセントのヘキサフルオロプロピレン、約29重量パーセントのテトラフルオロエチレン、及び約2重量パーセントの架橋点モノマーを有する。
外層溶液におけるフルオロエラストマー化合物の溶液の量は、全固形物に対する重量パーセントで、全固形物の約10から約25重量パーセントまでであるか、又は約16から約22重量パーセントまでである。ここで用いられる全固形物は、フルオロエラストマー、ジヒドロフッ化剤、及び金属酸化物フィラーを含む任意の補助剤及びフィラーの量を含む。
フルオロエラストマーに加えて、外層はフルオロポリマーその他の上述のフルオロエラストマーとブレンドされたフルオロエラストマーを含むことができる。適当なポリマーのブレンドの例は、上述のフルオロエラストマーを、ポリテトラフルオロエチレン及びパーフルオロアルコキシからなる群から選ばれるフルオロポリマーとブレンドしたものを含む。フルオロエラストマーはさらに、フッ化処理されていないエチレン又はフッ化処理されていないプロピレンとブレンドすることができる。
シリコーン定着剤の官能基についての定着場所を与えるために、無機微粒子フィラーをフルオロエラストマー外層と関連して用いることができる。しかしながら、フィラーは、このフルオロシリコーン剥離剤と併せて用いる場合には必要ない。実際、金属酸化物を用いないことは、定着器の寿命を延ばして製造費用を減らす。適当なフィラーの例は、金属、合金、金属酸化物、金属塩その他の金属化合物のような金属含有フィラーを含む。本発明に適用可能な金属の一般的なクラスは、群1b、2a、2b、3a、3b、4a、4b、5a、5b、6b、7b、8の金属、及び周期表の希土類材料を含む。フィラーは、アルミニウムの酸化物、銅、スズ、亜鉛、鉛、鉄、白金、金、銀、アンチモン、ビスマス、亜鉛、イリジウム、ルテニウム、タングステン、マンガン、カドミウム、水銀、バナジウム、クロミウム、マグネシウム、ニッケル、及びこれらの合金とすることができる。他の無機微粒子フィラーの特定の例は、酸化アルミニウム及び酸化銅を含む。他の例は、補強された及び補強されていないか焼アルミナ及び層状アルミナのそれぞれを含む。
ここでの定着部材の外側フルオロエラストマーの表面層の厚さは、約10から約250マイクロメートルまでであるか、又は約15から約100マイクロメートルまでである。
追加の中間接着層及び/又は中間ポリマー層又はエラストマー層を本発明の所望の特性及び性能目的を達成するように適用することができる。中間層は、支持層と外側フルオロエラストマー表面との間にある。接着中間層は、例えば、エポキシ樹脂及びポリシロキサンから選択することができる。適当な中間層の例は、室温加硫(RTV)シリコーンゴム、高温加硫(HTV)シリコーンゴム、及び低温加硫(LTV)シリコーンゴムのようなシリコーンゴムを含む。これらのゴムは、既知であり、Dow Corning社から容易に商業的に入手可能なSILASTIC(登録商標)735ブラックRTV及びSILASTIC(登録商標)732RTV、及びジェネラル・エレクトリック社から容易に商業的に入手可能な106RTVシリコーンゴム及び90RTVシリコーンゴムである。他の適当なシリコーン材料は、シロキサン(ポリジメチルシロキサンのような)、バージニア州リッチモンド所在のSampson Coatings社から入手可能なSilicone Rubber 552、ビニル架橋熱硬化可能ゴム又はシラノール室温架橋材料などのような液体シリコーンゴムを含む。別の特定の例はDow Corning Sylgard182である。
接着層を支持層と中間層との間に形成することができる。さらに、接着層は中間層と外側層との間にあってもよい。中間層がない場合には、接着層を介してフルオロエラストマー層を支持層に結合することができる。
中間層の厚さは、約0.5から約20mmまでであるか、又は約1から約5mmまでである。
ここで説明される剥離剤又は定着オイルは、供給ロールのような供給機構を介して定着部材の外層の上に与えられる。供給ロールは、定着オイル又は剥離剤を収容する液だめに部分的に浸される。剥離オイルは保持液だめに収容されて、必要に応じて定着ロールに与えられ、任意に、約0.1から約20mg/コピーまで、又は約1から約12mg/コピーまでの量で剥離剤ドナーロールによって与えられるという点で、フルオロシリコーンオイルは再生可能である。定着オイルが保持液だめ及び任意のドナーロールを介して定着ロールに与えられるシステムは、よく知られている。剥離オイルは、連続的又は半連続的相として定着部材上に存在させられる。フィルム形態の定着オイルは、連続相で連続的に定着部材を被覆する。
適当なフルオロシリコーン剥離剤の例は、「n」及び「m」が単量体を表す数であるものとして、CF3(CF2n(CH2mのようなペンダントフッ素化基を有するものを含む。実施形態においては、フルオロシリコーン剥離剤の例は、m及びnが同じであるか又は異なり、mが約0から約25までであるか又は約1から約10まで、又は約2から約7までであるか、又は5であり、nが約1から約25までであるか、又は約2から約12までであるか、又は約3から約7までであるか、又は5であるものとして、以下の式I:
Figure 0004294517
で表されるものを含む。x/(x+y)として定義されるペンダントフルオロカーボン鎖の含有量は、約1パーセントから約100パーセントまで、又は約4パーセントから約20パーセントまで、或いは約5パーセントから約10パーセントまでである。群R1及びR2は同じであるか又は異なることができ、メチル、エチル、プロピル、ブチルなどのような約1から約18までのカーボン原子を有するもののようなアルキル及びアリールアルキル基、又はメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニルなど、或いは、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノなどのような約1から約18までのカーボンを有するもののようなアミノ及びアルキルアミノ基からなる群から選択することができ、R3は直前に挙げられたもののようなアルキル及びアリールアルキル基、約1から約300までの単量体を有するもののようなポリオルガノシロキサン、及びo及びpがm及びnとそれぞれ同じ範囲を有するが、m及びnと同じであるか又は異なってもよいものとする式−(CH20−(CF2p−CF3のフルオロ鎖からなる群から選ばれる。
フルオロシリコーン剥離剤におけるペンダントフルオロシリコーン基の特定の例は、x/(x+y)が約7.3パーセントであり、ポリマー鎖の全長x+yが226cSの粘度に対応するものとして、以下の式II:
Figure 0004294517
で表されるものである。
フルオロシリコーン剥離剤の特定の例は、以下の式III:
Figure 0004294517
で表されるものである。
上の式において、x/(x+y)は、約7.3パーセントとすることができ、ポリマー鎖の全長x+yは226cSの粘度に対応するものとすることができる。
実施形態においては、式I、II、又はIIIのペンダントフッ素化基を含むシロキサンポリマーは、ポリジメチルシロキサンをからなるポリジメチルシロキサン(PDMS)剥離剤に存在することがある。実施形態においては、上述の式Iから式IIIまでにおけるようなペンダントフッ素化基を含むシロキサンポリマーは、剥離剤において、約1から約100パーセントまで、5から約30パーセントまで、又は約7から約20パーセントまで、或いは約8.5パーセントの量で存在することができる。しかしながら、実施形態においては、上述の式をブレンドされていない形態で用いることができ、ここでは、これらは100パーセントの剥離剤を含むことになる。
実施形態においては、フッ化シリコーン剥離剤は、約75から約1,500cSまで、又は約200から約1,000cSまでの粘度を有する。
フルオロシリコーン剥離剤は、アミン含有シランモノマーの共重合、又はフルオロ含有シランモノマーをもった環状化合物又は環状化合物の共重合によるアミノ官能性ポリジメチルシロキサン(PDMS)のような官能性剥離オイルをもつコポリマーの形で準備することができる。コポリマーの例は、式IV:
Figure 0004294517
により示される。
フッ化及びアミノペンダント基のコポリマーの場合においては、アミノ官能基は、約0.01パーセントから約0.20パーセントまでであるか、又は約0.03パーセントから約0.10パーセントまでの範囲のz/(x+y+z)のレベルで存在する。フルオロ官能基は、約1パーセントから約100パーセントまでであるか、又は約4パーセントから約20パーセントまでである範囲のx/(x+y+z)のレベルで存在する。
或いは、官能性の又は非官能性のシリコーン流体中に約6パーセントより少ないフッ化ペンダント基を含む約5パーセントから約40パーセントまで、又は約10パーセントから約20パーセントまでのフルオロシリコーン剥離剤のブレンドを用いて、個々の流体の両方の利点を組み合わせることができる。例えば、アミノ流体とフルオロ流体とのブレンドにおいては、アミン基はフルオロエラストマー支持層との反応性を可能にし、フルオロ流体は優良な表面濡れ特性をもたらす。フルオロシリコーン剥離剤は、非官能性ポリジメチルシロキサンのような非官能性シリコーンオイルとブレンドすることができる。
ここで用いられる非官能性オイルは、定着部材の表面又は表面上のフィラーと相互作用しないか又は化学反応しないオイルのことをいう。ここで用いられる官能性オイルとは、定着部材の表面上に存在するフィラーと化学反応してフィラーの表面エネルギを減らし、トナー粒子を定着部材の表面からより良好に解放する、官能基を有する剥離剤のことをいう。表面エネルギが減らない場合には、トナー粒子は定着ロール表面又は該定着ロールの表面上のフィラー粒子に付着する傾向を持ち、コピー品質に欠陥をもたらすことになる。
実施例I フッ素化シリコーン剥離剤
フッ素化シリコーン剥離剤又は以下の式:
Figure 0004294517
で表される約7.3パーセントのペンダントフッ素化鎖(又はx/(x+y)=0.073)をもった定着オイル流体が、ミシガン州アドリアンのWacker Chemical Corporationにより提供された。この液だめルは、SLM−50330 CS−137として表示されていた。この流体の粘度は室温で226cSであった。
実施例II 硬化Viton上の剥離剤の濡れ試験
上述の定着オイルは、2つの他の既知の定着オイルと併せて、硬化VITON(登録商標)GFの薄層で被覆された平板上で試験された。3つの流体の各々について約30mgを含む2滴が、VITON(登録商標)GF上に置かれ、滴の表面積範囲が経時的に周囲室内条件で監視された。3つの流体は、(1)240cSのポリジメチルシロキサンである非官能性シリコーン、(2)0.04モル%のペンダントプロピルアミン基をもった240cSのポリジメチルシロキサンであるアミノ官能性シリコーン、及び(3)−(CH22(CF25CF3のタイプのペンダントフルオロ鎖7.3モル%をもった226cSポリジメチルシロキサンであるフルオロシリコーンを含んでいた。試験の結果は、図3に示される。この結果は、フルオロシリコーン流体が、非官能性流体又はアミノ官能性流体の両方よりもかなり良好な拡がりをもたらすことを示す。
実施例III 剥離剤により処理された紙に対する付着試験
実施例1により準備されたフッ素化流体剥離剤が、実施例IIにおいて説明された非官能性ポリジメチルシロキサン、及びプロピルアミノ・ポリジメチルシロキサン剥離剤、並びに、350cSのメルカプト官能性流体、0.2モル%のペンダントプロピルメルカプト基(ゼロックスコンポーネント番号8R2955)をもったポリジメチルシロキサンに対して試験された。4つの流体の各2滴が、4枚の付加的な紙の上に重ねられたゼロックス4042普通紙の用紙に適用された。流体は、約2時間も間、紙の中に浸透できる状態にされた。定着流体が適用された領域の各々には、小さな1cm×1cmの3−MのPost−It(登録商標)ノートの小片が、しっかりと押し付けることにより取り付けられた。Post−It(登録商標)ノートは、アミノ流体が適用された領域にはほとんど付着しなかった。Post−It(登録商標)ノートを紙から分離するにあたって、粘着性はほとんど認められなかった。非官能性流体、メルカプト流体、及びフルオロ流体をもった領域に適用されたPost−It(登録商標)ノートは、質的に等しい付着をもたらし、これは、アミノ官能性流体が適用された領域におけるものよりもはるかに大きなものであった。アミノ流体を剥離剤として用いる複写機において作られる印刷表面に対する付着は非常に不良なものであり、非官能性流体又はメルカプト流体を剥離剤として用いる複写機において作られた印刷表面に対する付着性は許容できるものであるので、フルオロ流体は許容できる表面付着性をもたらすはずである。
本発明による画像装置の概略図である。 支持層、中間層、外側層、及び剥離剤被覆層をもった定着部材を示す定着部材の実施形態の拡大側面図である。 非官能性シリコーン、アミノ官能性シリコーン、及びフルオロ官能性シリコーンの滴の表面積対時間のグラフである。非官能性シリコーンは240cSのポリジメチルシロキサンである。アミノ官能性シリコーンは、0.04モル%のペンダントプロピルアミン基をもった240cSのポリジメチルシロキサンである。フルオロシリコーンは、ここに説明される形式の7.3モル%のペンダントフルオロカーボン鎖をもった226cSポリジメチルシロキサンである。
符号の説明
1:支持層
2:中間層
3:外層
4:剥離層
10:感光体
11:電源
12:チャージャ
13:画像入力装置
14:現像ステーション
15:転写手段
16:コピー用紙
17:清掃ステーション
19:定着ステーション
20:定着ロール
21:圧力ロール

Claims (3)

  1. 支持層と、
    a)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、及びテトラフルオロエチレンのうちの2つのコポリマー、b)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、及びテトラフルオロエチレンのターポリマー、及びc)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン、及び架橋点モノマーからなる群から選ばれるフルオロエラストマーからなる外層と、
    前記外層上の剥離材料被覆と、
    を含み、前記剥離材料被覆は、以下の式I:
    Figure 0004294517
    (式中、mは0から25までの数であり、nは1から25までの数であり、x/(x+y)は1パーセントから100パーセントまでであり、R1及びR2はアルキル、アリールアルキル、アミノ、及びアルキルアミノ基からなる群から選ばれ、R3はアルキル、アリールアルキル、ポリオルガノシロキサン鎖、及び式−(CH20−(CF2p−CF3(式中、oは0から25までの数であり、pは1から25までの数である。)で表されるフルオロ鎖からなる群から選ばれる。)
    で表されるフッ素化シリコーン剥離剤を含むことを特徴とする定着部材。
  2. 前記剥離剤は、以下の式III:
    Figure 0004294517
    (式中、x/(x+y)は7.3パーセントである。)
    で表される請求項1に記載の定着部材。
  3. 前記フルオロエラストマーがフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン、及び架橋点モノマーのテトラポリマーである請求項1に記載の定着部材。
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