JP4294412B2 - 画素マッチング方法および装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光学装置における画素マッチング方法およびその装置に関し、特に、ホログラフィックメモリを記録再生する際において、ホログラフィックメモリへの記録情報を入力する際に使用されるライトバルブの各画素と、ホログラフィックメモリに記録されている情報を読み出す際に使用される撮像素子の各画素をマッチングさせる画素マッチング方法および装置に関するものである。
ホログラムでは、一般に、画像情報を有する物体光を参照光とともに光記録媒体に同時に照射し、光記録媒体中に形成される該2つの光による干渉縞を光記録媒体に書き込むことによって、該画像情報を記録する。一方、このようにして画像情報が記録された光記録媒体に参照光を照射すると、光記録媒体中の干渉縞情報によって、光の回折が生じて、上記物体光が担持する画像情報を再生することができる。
ところで、このようなホログラムの特長の一つとして、光記録媒体の厚みを物体光および参照光の波長に比べて十分大きくすることを条件に、光記録媒体の同一エリア内に多重記録を行なうことが可能である点があげられる。3次元的な記録領域に干渉縞を多重記録することで、例えば1T(テラ)ビットの大容量メモリを得ることが可能であり、次世代のコンピュータファイルメモリ(ホログラフィックメモリ)等として注目されている。また、2次元データを1頁単位で一挙に読み出せることによるデータ読出しおよびデータ転送の高速性も、大きな利点とされている。
ホログラフィックメモリの記録再生装置は、下記特許文献1等にも記載されているように、例えば、図11に示すように構成される。
この図11に示す構成のうち、情報記録を行うシステムは、ホログラフィックメモリ(以下HMと称する)111が感度を有するコヒーレント光を発する光源101と、光源101からの光束を互いに直交する2方向に分岐するハーフプリズム103と、一方の分岐光の光束径を拡大するビームエクスパンダ104、105と、この一方の分岐光に対して2次元2値画像情報を担持せしめて物体光とする空間光変調器(ここではLCD)106と、この物体光のフーリエ変換を行うフーリエ変換レンズ107と、フーリエ変換レンズ107からの物体光のHM111上の照射位置に、上記他方の分岐光を参照光として導くミラー109、110とにより構成される。これらの構成により、HM111中に、物体光に担持された2次元2値画像情報が、空間光分布を有するホログラムとして記録される。
一方、記録情報の再生を行う場合には、物体光の光路内にシャッタ115を挿入して物体光を遮断し、参照光のみを読出し光としてHM111に照射し、このHM111に記録されている記録情報を回折光として取り出す。この情報再生を行うシステムは、上記情報記録を行なうシステム(ただし、物体光に関する要素は機能せず)に加えて、HM111からの回折光を逆フーリエ変換する逆フーリエ変換レンズ112と、回折光を読み取る光検出器(ここではCCD)114とにより構成される。なお、上記フーリエ変換レンズ107と上記逆フーリエ変換レンズ112は互いに同じ光学性能を有するものとされており、また、焦点距離fも互いに等しいものとなっている。このような構成により、光検出器114上に、物体光およびその位相共役像を結像せしめ、記録情報の再生を行なうことができる。
なお、HM111の構成材料としては、ニオブ酸リチウム等の種々の材料が知られているが、例えば近年注目されているアゾベンゼンを含むポリマ材料を用いる。アゾベンゼンを含むポリマ材料を用いた場合、光源101としては、例えば波長515nmのレーザ光を出力し得るアルゴンイオンレーザを用いる。
また、空間光変調器106としては、例えば一画素の大きさが42μm×42μmで640×480の画素を有するプロジェクタ用LCD(1.3型)等を用いることができる。
光検出器114としては、上記空間光変調器106と画素が互いに1:1に対応する2次元CCDアレイを用いる。
特開2002−74677号公報
上述した装置において記録再生を良好に行うためには、記録再生光学系のアライメント調整が厳密に行われている必要がある。例えば、LCD106とフーリエ変換レンズ107の光学距離は上記焦点距離fに、フーリエ変換レンズ107と逆フーリエ変換レンズ112の光学距離は上記焦点距離fの2倍である2fに、逆フーリエ変換レンズ112とCCD114の光学距離は焦点距離fに、各々設定しておくことが要求され、また、LCD106の姿勢としても厳密な調整が要求される。
このような各光学部材の6軸方向のアライメント調整は光学系の組立時に行わなければならないが、従来は、LCD106に表示された映像をCCD114によって撮像し、モニタ上に再生表示された像を参照して、作業者の勘を頼りに、調整不足と思われる光学部材を逐一調整するようにしていた。
したがって、記録再生光学系のアライメント調整を厳密に行なうのに、多大な時間と労力を要していた。
本発明は、かかる事情に鑑みなされたもので、複数の画素を有する被写画像と、フーリエ変換レンズおよび逆フーリエ変換レンズからなる結像系と、該被写画像を撮像する、複数の画素を有する撮像手段とを備え、被写画像を構成する複数の画素と撮像手段の撮像面を構成する複数の画素とがマッチングするように容易に調整し得る画素マッチング方法および装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するため、本発明の画素マッチング方法は、光軸とされる所定の一直線上に、少なくとも、複数の画素を有する被写画像、フーリエ変換レンズ、および逆フーリエ変換レンズを、この順で配列する第1の手順と、
配置された前記被写画像に対し、前記光軸中心に平行光束を入射し、前記被写画像、前記フーリエ変換レンズおよび前記逆フーリエ変換レンズを経由した射出光が平行光束となるように、前記フーリエ変換レンズおよび/または前記逆フーリエ変換レンズを前記光軸に沿う方向に移動せしめる第2の手順と、
前記逆フーリエ変換レンズから射出される平行光束中の所定位置に配された撮像手段の複数の画素と、前記フーリエ変換レンズおよび前記逆フーリエ変換レンズにより結像された前記被写画像の複数の画素とを概略合致させるように前記撮像手段の姿勢を調整する第3の手順と、
前記撮像手段の複数の画素と概略合致されてなる、前記結像された被写画像の複数の画素を、前記光軸に沿う方向に移動させて前記撮像手段に合焦されるように調整する第4の手順と、
前記合焦されてなる、前記結像された被写画像の複数の画素を、前記撮像手段の複数の画素に対して所定の倍率となるように、前記逆フーリエ変換レンズおよび前記撮像手段を一体的に、前記光軸に沿う方向に移動させる第5の手順とを含むことを特徴とするものである。
また、前記第3の手順、前記第4の手順および第5の手順のうち、少なくとも1つの手順は、前記被写画像として表された調整用パターンを前記撮像手段により撮像しながら、この撮像されたパターン像の各画素の状態が所定の基準値に近づくように調整することが好ましい。
また、前記第5の手順が終了した後、前記被写画像として表された調整用パターンを前記撮像手段により撮像し、この撮像されたパターン像の各画素の状態が所定の設定範囲内となっているか否かを判断する第6の手順を含むことが好ましい。
また、前記第6の手順において前記所定の設定範囲内となっていると判断されるまで、前記第3の手順から前記第6の手順までの各手順を繰り返し行なうことが好ましい。
また、本発明の画素マッチング装置は、複数の画素を有する被写画像と、フーリエ変換レンズおよび逆フーリエ変換レンズからなる結像系と、該被写画像を撮像する、複数の画素を有する撮像手段とを、この順に、光軸とされる所定の一直線上に配置し、前記撮像手段により前記被写画像の像情報を得る光学装置において、
前記逆フーリエ変換レンズと前記撮像手段とを載置してなる載置部材を、前記光軸に沿う方向に移動せしめる倍率調整用1軸調整機構と、
前記撮像手段の姿勢を調整する多軸調整機構と、
を備えたことを特徴とするものである。
また、前記撮像手段の姿勢を調整する多軸調整機構は、前記光軸に垂直な面内において互いに直交する2軸に沿う各方向に、前記撮像手段を移動せしめる2軸方向移動調整機構と、前記光軸および前記2軸を各々回動軸として、前記撮像手段をこれら3つの軸周りに回動せしめる3軸周り回動調整機構とを備えることが好ましい。
また、前記逆フーリエ変換レンズおよび前記撮像手段の少なくとも一方を、前記光軸に沿う方向に移動せしめる合焦用1軸調整機構を備えることが好ましい。
また、前記フーリエ変換レンズと前記逆フーリエ変換レンズは、互いに同一の焦点距離とされていることが好ましい。
また、前記被写画像は、映像表示用のライトバルブに表示された画像であることが好ましい。
また、前記した各画素マッチング装置は、前記フーリエ変換レンズと前記逆フーリエ変換レンズの中間位置にホログラフィックメモリが挿入されるホログラフィック記録再生装置からなるものとすることが可能である。
上述したように、本発明の画素マッチング方法においては、被写画像、前記フーリエ変換レンズおよび前記逆フーリエ変換レンズの3要素のアライメント調整と、撮像手段のアライメント調整と、前記被写画像の複数の画素と前記撮像手段の複数の画素とのフォーカス調整と、前記被写画像の複数の画素と前記撮像手段の複数の画素との倍率調整とを、系統立てて段階的に行うようにし、かつ、各調整は対応する段階において夫々独立して行なうようにしているので、画素マッチングの調整作業を極めて効率よく行なうことができる。
また、本発明の画素マッチング装置においては、複数の画素を有する被写画像と、フーリエ変換レンズおよび逆フーリエ変換レンズからなる結像系とを、この順に、所定の一直線上に配置した状態で、前記逆フーリエ変換レンズと前記撮像手段とを載置してなる載置部材を、倍率調整用1軸調整機構により前記光軸方向に移動せしめて倍率調整を行なうとともに、前記撮像手段の姿勢を多軸調整機構により調整することでフォーカス調整および前記撮像手段のアライメント調整を行うことができるようにしている。すなわち、倍率調整用1軸調整機構により、前記倍率調整を前記フォーカス調整および前記撮像手段のアライメント調整とは独立して行なうことができ、これらの各種調整を混在して行っていた従来技術と比べると、格段に調整効率を向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の実施形態に係る画素マッチング方法により調整される要素を示すものであり、図2は本発明の実施形態に係る画素マッチング装置を示す概念図である。また、図3は本実施形態に係る画素マッチング方法の手順を説明するためのフローチャートであり、図4〜図8は本実施形態に係る画素マッチング方法の各手順における調整作業を示すものである。
本実施形態に係る画素マッチング方法は、前述した、図11のホログラフィック記録再生装置において、LCD106、フーリエ変換レンズ107、逆フーリエ変換レンズ112およびCCD114の4要素のアライメント調整(位置調整を含む;以下同じ)、フォーカス調整、さらには倍率調整を行なうものであり、従来においてこれらの各調整に多大な時間を要していた上記4要素について、効率的に上記各調整を行なうようにしたものである。
この4要素のみを取り出した図1に示すように、LCD1、フーリエ変換レンズL、逆フーリエ変換レンズLおよびCCD4(一般には、CCDカメラの撮像素子として機能する)が、この順で共通光軸上に配列される。また、フーリエ変換レンズLと逆フーリエ変換レンズLとは同一のレンズとされており、焦点距離はいずれもfとされている。さらに、LCD1とフーリエ変換レンズLとの距離、および逆フーリエ変換レンズLとCCD4との距離が、いずれも上記距離fに設定され、一方フーリエ変換レンズLと逆フーリエ変換レンズLとの距離は2fに設定される。
上記4要素がこのように配列されると、LCD1の背面側(図1中で左方)から入射され、LCD1に表示された被写画像の像情報を担持した平行光束は、フーリエ変換レンズLと逆フーリエ変換レンズLとの中間位置において一旦収束し、この後発散して逆フーリエ変換レンズLに照射され、この逆フーリエ変換レンズLにより再び平行光束とされてLCD1に照射することが可能となる。
このような画素マッチング方法を実施するための画素マッチング装置は、図2に示すように、フーリエ変換レンズLをZ軸方向に移動調整する第1Zステージ5、および逆フーリエ変換レンズLとCCD4とを一体的にZ軸方向に移動せしめる第2Zステージ6を備えている。また、第2Zステージ6上には、CCD4を支持するとともにCCD4のZ軸方向の移動調整を含むアライメント調整を行なう6軸調整機構8が設けられている。この6軸調整機構8は、CCD4のZ軸方向の移動調整を行なう機構も有しているが、これは、CCD4と逆フーリエ変換レンズLとの間隔を調整するためのものである。
ここで、上記6軸調整機構8における6軸調整とは、光軸に一致するZ軸、ならびに、このZ軸に直交し、かつ互いに直交するX軸およびY軸の計3軸方向の位置調整、さらに、これら3軸周りの回転角度調整を称するものである。
また、上記第2Zステージ6は、LCD1上の複数の画素とCCD4上の複数の画素との倍率を調整する倍率調整機構として機能する。
次に、本実施形態に係る画素マッチング方法の手順を、図3のフローチャートおよび図4〜図9の説明図を用いて詳述する。
まず、光軸となるべき直線上を光線が通過するように設定する(S1)。この手順においては、図4に示すように、LCD1、フーリエ変換レンズL、逆フーリエ変換レンズLおよびCCD4の配設位置の光源側に小さな透孔12Aを有するターゲット板11Aを、その逆側に小さな透孔12Bを有するターゲット板11Bを設置する。光源(図11において101)からの光線(図11においてシャッタ116を参照光中に挿入して参照光を遮光し、ビームエクスパンダ104、105を物体光の光路から退出させた状態)が、2つのターゲット板11A、11Bの透孔12A、12Bを通過するように設定して、いわゆる光軸出しの準備を行なう。
次に、逆フーリエ変換レンズLを所定の設計位置に挿入し、逆フーリエ変換レンズLの光軸調整を行なう(S2)。この手順においては、図5に示すように、ターゲット板11Aの透孔12Aを通過した光線が逆フーリエ変換レンズLに照射され、その逆フーリエ変換レンズLからの反射光線が上記透孔12Aを通過するように逆フーリエ変換レンズLの設定位置を調整する。これにより、逆フーリエ変換レンズLの光軸調整が完了する。
次に、フーリエ変換レンズLを所定の設計位置に挿入し、フーリエ変換レンズLの光軸調整を行なう(S3)。この手順においては、上記S2の手順と同様に、ターゲット板11Aの透孔12Aを通過した光線がフーリエ変換レンズLに照射され、そのフーリエ変換レンズLからの反射光線が上記透孔12Aを通過するようにフーリエ変換レンズLの設定位置を調整する。これにより、フーリエ変換レンズLの光軸調整が完了する。
次に、LCD1を所定の設計位置に挿入し、LCD1の光軸調整を行なう(S4)。この手順においては、上記S2、S3の手順と同様に、ターゲット板11Aの透孔12Aを通過した光線がLCD1に照射され、そのLCD1からの反射光線が上記透孔12Aを通過するようにLCD1の設定位置を調整する。これにより、LCD1の光軸調整が完了する。
次に、ターゲット板11A、11Bを取り外し、図6に示すように、光源(図11において101)からの平行光束(図11においてシャッタ116を参照光中に挿入して参照光を遮光し、ビームエクスパンダ104、105を物体光の光路中に挿入した状態)をLCD1に照射し、第1Zステージ5を移動させて、逆フーリエ変換レンズLからの射出光がCCD4の設定位置において平行光束となるように調整する(S5)。前述したように、第1Zステージ5には、支持部材を介してフーリエ変換レンズLが取り付けられており、第1Zステージ5を操作することでフーリエ変換レンズLを光軸方向(Z軸方向)に移動させることができ、フーリエ変換レンズLと逆フーリエ変換レンズLの間隔が、これらのレンズL、Lの焦点距離fの丁度2倍に調整されたときに、逆フーリエ変換レンズLからの射出光が平行光束とされる。これにより、フーリエ変換レンズLと逆フーリエ変換レンズLの間隔が2fに確実に設定される。
次に、LCD1上に1画素毎のチェスボードパターンを表示する(S6)。チェスボードパターンとは白黒の市松模様の図柄パターンを意味し、本実施形態においては、特に、白と黒が画素毎に交互に配列されているものを意味するものとする。なお、LCD1上に表示する図形、および使用する色としては、これに限られるものではないが、後述する評価手順において最も評価しやすい図柄パターンとして選択されたものである。
次に、CCD4を設計位置に挿入し、図7に示すように、CCD4について、6軸調整機構8を用いて、フォーカス方向(光軸方向)以外の5軸調整を行なう(S7)。CCD4ではLCD1に表示されたチェスボードパターンを撮像し、その撮像画像を図示されないモニタ上に表示し、オペレータはこのモニタ上の表示画像を観察しながら、6軸調整機構8によって上記5軸調整を行なう。そして、モニタ上の表示画像の白黒コントラストが最も大きくなった位置で上記5軸調整作業を終了する。これにより、CCD4について、フォーカス方向(光軸方向)以外の5軸調整が一応終了する。
次に、CCD4について、6軸調整機構8を用いて、フォーカス方向(光軸方向)の調整を行なう(S8)。この手順においては、CCD4により、LCD1に表示されたチェスボードパターンを撮像し、上記S2の手順と同様に、その撮像画像を図示されないモニタ上に表示し、オペレータはこのモニタ上の表示画像を観察しながら、6軸調整機構8によって上記フォーカス調整を行なう。そして、モニタ上の表示画像の白黒コントラストが最も大きくなった位置で上記フォーカス調整作業を終了する。これにより、CCD4について、フォーカス調整が一応終了する。
次に、図8に示すように、逆フーリエ変換レンズLとCCD4を搭載した第2Zステージ6を操作し、逆フーリエ変換レンズLとCCD4を一体的にZ方向(光軸方向)に移動させて、LCD1の画素とCCD4の画素の倍率調整を行なう(S9)。この手順においては、CCD4により、LCD1に表示されたチェスボードパターンを撮像し、上記S7、S8の手順と同様に、その撮像画像を図示されないモニタ上に表示し、オペレータはこのモニタ上の表示画像を観察しながら、第2Zステージ6によって上記倍率調整を行なう。そして、モニタ上の表示画像の白黒コントラストが最も大きくなった位置で上記倍率調整作業を終了する。これにより、CCD4について、倍率調整が一応終了する。
次に、CCD4により、LCD1に表示されたチェスボードパターンを撮像し、撮像されたチェスボードパターンが、設定範囲内のパターンとされているか否かが判断される
(S10)。ここで、設定範囲内であるとは、無彩色の濃度を256階調で表し、白の濃度を255、黒の濃度を0としたとき、50〜200の中間濃度を有する画素の数が全体の10%未満である場合をいうものとする。
上記設定範囲内であるか否かについて、夫々を概念的なグラフ(横軸は輝度、縦軸は頻度を示す)で表したものが図9Aおよび図9Bである。すなわち、図9Aに示すように、白に近い輝度分布の山と黒に近い輝度分布の山に2極分化されるようなグラフとなる場合には設定範囲内ということになり、一方、図9Bに示すように、白に近い輝度分布の山と黒に近い輝度分布の山を区別できない状態とされるようなグラフとなる場合には設定範囲外ということになる。
上記S10の手順において、50〜200の中間濃度を有する画素が全体の10%未満となりこの設定範囲内(OK)と判断されれば、画素マッチングの調整が完了したことになり、一方、50〜200の中間濃度を有する画素が全体の10%以上となりこの設定範囲外(NG)と判断されれば、上述したS7〜S10の手順を、上記設定範囲内となるまで繰り返すことになる。
このように、本実施形態の画素マッチング方法においては、上述した各手順において、各調整を独立して行なうようにしていることから、極めて高精度で行なう必要のある、LCD1、フーリエ変換レンズL、逆フーリエ変換レンズLおよびCCD4の各要素についてのアライメント調整を確実に行なうことができ、結果的に該アライメント調整の迅速化を図ることができ、画素マッチング作業の効率化を図ることができる。
特に、上述したS9の手順においては、第2Zステージ6を操作し、逆フーリエ変換レンズLとCCD4を一体的にZ方向に移動させることで、CCD4の6軸調整とは独立してLCD1の画素とCCD4の画素の倍率調整を行なうようにしていることから、画素マッチング作業の大幅な効率化を図ることができる。
このS9の手順における倍率調整は、上記実施形態で説明したような調整機構によって行うようにしてもよいが、例えば、図10に示すような調整機構により行なうようにしてもよい。すなわち、図10に示す調整機構では、逆フーリエ変換レンズLは5軸調整ステージ7により、また、CCD4は6軸調整ステージ8により各々支持されるように構成され、これら5軸調整ステージ7および6軸調整ステージ8が第2Zステージ6上に支持されるように構成されている。
この場合、5軸調整ステージ7は、第2Zステージ6上において、逆フーリエ変換レンズLを支持するとともに、逆フーリエ変換レンズLの5軸調整を行なうものである。ここで5軸調整機構7における5軸調整とは、上述したX軸およびY軸の2軸方向の位置調整、さらに、上述したX軸、Y軸およびZ軸(光軸に一致)の3軸周りの回転角度調整を総称するものである。ただし、一般には、画素マッチング調整時に5軸調整機構7を使用することは必要とされず、むしろ画素マッチング調整を行なう前において、逆フーリエ変換レンズLを第2Zステージ6上に設置する際に使用される。
また、上記6軸調整ステージ8においてZ軸方向の移動調整は主として逆フーリエ変換レンズLとCCD4との間隔を調整するものであるから、上記6軸調整ステージ8に替えて、Z軸方向の移動調整以外の5軸調整を行なう5軸調整ステージを用いるようにし、Z軸方向の移動調整は逆フーリエ変換レンズLの5軸調整を行なう5軸調整機構7により行なうようにしてもよい。
なお、本発明の画素マッチング方法および装置としては、上記実施形態のものに限られるものではなく、その他の種々の態様に変更可能である。例えば、上記実施形態方法では、S1〜S4の手順において、LCD1、フーリエ変換レンズLおよび逆フーリエ変換レンズLの光軸調整を行なうために、2つのターゲット板11A、11Bを用いているが、これら3つの要素について順次光軸調整を行なうことができれば他の手法を用いてもよい。
また、上述した、S5の手順において、フーリエ変換レンズLに替えて、またはフーリエ変換レンズLとともに、逆フーリエ変換レンズLを移動させることにより、逆フーリエ変換レンズLからの射出光を平行光束とするように調整してもよい。
また、LCD、フーリエ変換レンズ、逆フーリエ変換レンズおよびCCDの各要素について、適宜所望の1軸調整機構あるいは多軸調整機構を設けることが可能である。
また、フーリエ変換レンズおよび逆フーリエ変換レンズは夫々単レンズであってもよいし、複数枚のレンズからなるレンズ群であってもよい。
また、本発明の画素マッチング方法および装置においては、被写画像を形成するために、透過型のLCD1を用いているが、被写画像を形成するためには反射型のLCDやDMD等の他の画像表示用のライトバルブを用いることが可能であり、さらに、例えば多数の画素により紙面等に印刷等された被写画像に対しても本発明の画素マッチング方法および装置を適用することが可能である。
さらに、本発明の画素マッチング方法および装置は、上述した実施形態において説明したように、厳密な画素マッチングが要求されるホログラフィック記録再生装置等に適用することが特に有用であるが、被写画像をレンズを用いて結像面に結像するような各種装置における画素マッチングの光学調整に広範に用いることができる。なお、適用されるホログラフィック記録再生装置としても、上記実施形態のものに限られないことはいうまでもなく、例えば光合成プリズム等を用いて物体光と参照光とを合波した後ホログラフィックメモリに照射するような構成とされたホログラフィック記録再生装置にも適用可能である。
本発明の実施形態に係る画素マッチング方法により調整される要素を示す概念図 本発明の実施形態に係る画素マッチング装置を示す概念図 本実施形態に係る画素マッチング方法の手順を説明するためのフローチャート 本実施形態に係る画素マッチング方法のS1の手順を説明するための図 本実施形態に係る画素マッチング方法のS2の手順を説明するための図 本実施形態に係る画素マッチング方法のS5の手順を説明するための図 本実施形態に係る画素マッチング方法のS7、S8の手順を説明するための図 本実施形態に係る画素マッチング方法のS9の手順を説明するための図 画素マッチング調整が良好とされた各画素の輝度状態を模式的に示すグラフ 画素マッチング調整が不良とされた各画素の輝度状態を模式的に示すグラフ 倍率調整を行なう機構の一例を示す概念図 ホログラフィック記録再生装置の光学系を示す概念図
符号の説明
1 LCD
4 CCD
5 第1Zステージ
6 第2Zステージ
7 5軸調整ステージ
8 6軸調整ステージ
11A、11B ターゲット板
12A、12B 透孔
101 光源
103 ハーフプリズム
104、105 ビームエクスパンダ
106 空間光変調器
107、L フーリエ変換レンズ
109、110 ミラー
111 ホログラフィックメモリ(HM)
112、L 逆フーリエ変換レンズ
114 光検出器
115、116 シャッタ

Claims (10)

  1. 光軸とされる所定の一直線上に、少なくとも、複数の画素を有する被写画像、フーリエ変換レンズ、および逆フーリエ変換レンズを、この順で配列する第1の手順と、
    配置された前記被写画像に対し、前記光軸中心に平行光束を入射し、前記被写画像、前記フーリエ変換レンズおよび前記逆フーリエ変換レンズを経由した射出光が平行光束となるように、前記フーリエ変換レンズおよび/または前記逆フーリエ変換レンズを前記光軸に沿う方向に移動せしめる第2の手順と、
    前記逆フーリエ変換レンズから射出される平行光束中の所定位置に配された撮像手段の複数の画素と、前記フーリエ変換レンズおよび前記逆フーリエ変換レンズにより結像された前記被写画像の複数の画素とを概略合致させるように前記撮像手段の姿勢を調整する第3の手順と、
    前記撮像手段の複数の画素と概略合致されてなる、前記結像された被写画像の複数の画素を、前記光軸に沿う方向に移動させて前記撮像手段に合焦されるように調整する第4の手順と、
    前記合焦されてなる、前記結像された被写画像の複数の画素を、前記撮像手段の複数の画素に対して所定の倍率となるように、前記逆フーリエ変換レンズおよび前記撮像手段を一体的に、前記光軸に沿う方向に移動させる第5の手順とを含むことを特徴とする画素マッチング方法。
  2. 前記第3の手順、前記第4の手順および第5の手順のうち、少なくとも1つの手順は、前記被写画像として表された調整用パターンを前記撮像手段により撮像しながら、この撮像されたパターン像の各画素の状態が所定の基準値に近づくように調整することを特徴とする請求項1記載の画素マッチング方法。
  3. 前記第5の手順が終了した後、前記被写画像として表された調整用パターンを前記撮像手段により撮像し、この撮像されたパターン像の各画素の状態が所定の設定範囲内となっているか否かを判断する第6の手順を含むことを特徴とする請求項1または2記載の画素マッチング方法。
  4. 前記第6の手順において前記所定の設定範囲内となっていると判断されるまで、前記第3の手順から前記第6の手順までの各手順を繰り返し行なうことを特徴とする請求項3記載の画素マッチング方法。
  5. 複数の画素を有する被写画像と、フーリエ変換レンズおよび逆フーリエ変換レンズからなる結像系と、該被写画像を撮像する、複数の画素を有する撮像手段とを、この順に、光軸とされる所定の一直線上に配置し、前記撮像手段により前記被写画像の像情報を得る光学装置において、
    前記逆フーリエ変換レンズと前記撮像手段とを載置してなる載置部材を、前記光軸に沿う方向に移動せしめる倍率調整用1軸調整機構と、
    前記撮像手段の姿勢を調整する多軸調整機構と、
    を備えたことを特徴とする画素マッチング装置。
  6. 前記撮像手段の姿勢を調整する多軸調整機構は、前記光軸に垂直な面内において互いに直交する2軸に沿う各方向に、前記撮像手段を移動せしめる2軸方向移動調整機構と、前記光軸および前記2軸を各々回動軸として、前記撮像手段をこれら3つの軸周りに回動せしめる3軸周り回動調整機構とを備えたことを特徴とする請求項5記載の画素マッチング装置。
  7. 前記逆フーリエ変換レンズおよび前記撮像手段の少なくとも一方を、前記光軸に沿う方向に移動せしめる合焦用1軸調整機構を備えたことを特徴とする請求項5または6記載の画素マッチング装置。
  8. 前記フーリエ変換レンズと前記逆フーリエ変換レンズは、互いに同一の焦点距離とされていることを特徴とする請求項3から7のうちいずれか1項記載の画素マッチング装置。
  9. 前記被写画像は、映像表示用のライトバルブに表示された画像であることを特徴とする請求項3〜8のうちいずれか1項記載の画素マッチング装置。
  10. 前記フーリエ変換レンズと前記逆フーリエ変換レンズの中間位置にホログラフィックメモリが挿入されるホログラフィック記録再生装置からなることを特徴とする請求項3〜9のうちいずれか1項記載の画素マッチング装置。
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