JP4292322B2 - 穴明け機の油圧回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば形鋼に穴明け加工を行う穴明け機の油圧回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、穴明け機として例えば形鋼穴明け機の切削送り速度を制御する油圧回路としては、図3に示されているごとき油圧回路が一般的である。
【0003】
すなわち、図3に示されている油圧回路101は、油圧源103より圧油供給系路105を通り電磁切換弁107のPポートへ圧油は供給され、電磁切換弁107を切換えてPポートとAポートを連通することにより圧油は圧油供給系路105を通り油圧シリンダ109のピストンロッド111を押し出す方向にヘッド側油室113へ供給される。
【0004】
前記油圧シリンダ109は、穴明け機として例えば形鋼穴明け機115に設けたドリル117を備えた切削装置119を進退せしめるもので、油圧シリンダ109のピストンロッド111の先端が切削装置119に設けたブラケット121に結合されている。
【0005】
前記油圧シリンダ109のロッド側油室123より戻り系路125を通って前記電磁切換弁107のBポートへ連通している。なお、戻り系路125の途中には、切換弁付流量制御バルブ127が設けられている。この切換弁付流量制御バルブ127は、圧力補償形フローコントロールバルブ129と電磁切換弁131とチェックバルブ133とで構成されている。
【0006】
前記戻り系路125が結合された前記電磁切換弁107のBポートは、電磁切換弁107の切換えによりTポートより油タンク135へ油は流出する。なお、符号137A,137B,137C,137Dは圧力計である。
【0007】
上記構成により、油圧源103から圧油供給系路105を通り圧油を電磁切換弁107のPポートへ送り、電磁切換弁107を切換えてPポートとAポートを連通し、Aポートより油圧シリンダ109のヘッド側油室113内へ送油すると、油圧シリンダ109に設けたピストンロッド111は前進すると共に、ドリル117を備えた切削装置119は前進しワークWは穴明け加工が施される。
【0008】
前記油圧シリンダ109のロッド側油室123内の油は、戻り系路125へ排出されて切換弁付流量制御バルブ127の設定流量で流れ、電磁切換弁107のBポートよりTポートを経て油タンク135内へ戻される。
【0009】
したがって、切換弁付流量制御バルブ127の設定流量で油圧シリンダ109のピストンロッド111は前進し、切削装置119の送り速度制御が行なわれる。なお、切換弁付流量制御バルブ127に設けた電磁切換弁131は、切削装置119が前進時、切削を行なわない無駄ストロークを早送りするため、切換弁付流量制御バルブ127のインポート127A,アウトポート127B間をバイパスさせるために、必要に応じて切換えるものである。
【0010】
また、前記電磁切換弁107のポートを切換えて、PポートとBポート,AポートとTポートを連通せしめると、圧油はPポートよりBポートを経て切換弁付流量制御バルブ127に設けたチェックバルブ133を開放させて、油圧シリンダ109のロッド側油室123内へ圧油は流入しピストンロッド111を後退せしめる。油圧シリンダ109のヘッド側油室113内の油は電磁切換弁107のAポートよりTポートを経て油タンク135へ戻り、切削装置119は後退する。
【0011】
上述したごとき、メーターアウト制御による流量制御回路においては、切削送り中の油圧シリンダ109の負荷変動はすべて油圧シリンダ109のロッド側油室123と切換弁付流量制御バルブ127のインポート127Aとの間の圧力計137Cに示された圧力P2の変動となる。
【0012】
すなわち、油圧シリンダ109のヘッド側油室113の圧力P1(圧力計137Bに表示される圧力P1)は、油圧源103の出側圧力P0(圧力計137Aに表示される圧力P0)より流路圧力損失を減じたほぼ一定の圧力となっている。しかし、切削抵抗など油圧シリンダ109の負荷が増加した場合、圧力P2は減少、切削が完了し負荷が小さくなった場合は油圧シリンダ109の面積比により、逆に圧力P2は増圧される。このため、圧力P2の変動に対し、流量変動が発生しないよう使用する切換弁付流量制御バルブ127には圧力補償機構付の圧力補償付フローコントロールバルブ129が用いられている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の油圧回路101では、ドリル117がワークWを貫通間際でドリルチゼルエッジが貫通し、切れ刃の一部がまだ切削している過渡期に送り抵抗は急激に減少、圧力P2は急激に昇圧する。
【0014】
このため、切換弁付流量制御バルブ127の制御差圧ΔP=P2−P3(圧力計137Dに表示された圧力P3)は急激に増加し、圧力補償機構の閉じ遅れが発生し、制御流量の増加が発生する。また、油圧シリンダ109のロッド側油室123へ通ずる配管の弾性変形による容積膨脹、および、配管内作動油の圧縮により、油圧シリンダ109の作動速度の瞬間的な増加が発生する。
【0015】
而して、貫通間際の過渡期のみ切削送り速度が大幅に増加し、ドリル切れ刃の一部にのみ大きな切削抵抗が加わり、切れ刃の欠けが発生し、ドリル寿命が短くなるという問題があった。
【0016】
この発明の目的は、穴加工貫通時に急激な負荷変動により油圧シリンダの速度変化を防止し、ドリルの欠け、切損の防止を図った穴明け機の油圧回路を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述のごとき問題に鑑みてなされたもので、穴明け機の切削送り速度を制御する油圧回路において、ドリル(19)を備えた切削装置(21)を進退するための油圧シリンダ(15)におけるヘッド側油室(17)及びロッド側油室(27)を、電磁切換弁(9)を介して油圧源(5)及び油タンク(43)へ接続,切換え自在に備え、前記ロッド側油室(27)に接続した戻り系路(29)に圧力補償形フローコントロールバルブ(33)を備え、前記ヘッド側油室(17)へ前記油圧源(5)から圧油を供給するための圧油供給路(7)に前記ヘッド側油室(17)の圧力の昇圧を制限するために、外部パイロット形減圧弁を備え、前記ドリル(19)による穴加工貫通時の急激な負荷変動による前記油圧シリンダ(15)の速度変化を防止して前記ドリル(19)の欠けを防止し、前記油圧シリンダ(15)に作用する負荷変動に関係なく前記圧力補償形フローコントロールバルブ(33)のインポート圧力(P2)を一定に保持するために、前記ロッド側油室(27)と前記圧力補償形フローコントロールバルブ(33)のインポート側管路(39A)との間に、前記外部パイロット形減圧弁のパイロットポートをパイロット管路を介して接続してあることを特徴とするものである。
【0018】
また、前記穴明け機の油圧回路において、前記圧力補償形フローコントロールバルブ(33)に、電磁切換弁(35)及びチェックバルブ(37)を並列に備えていることを特徴とするものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0026】
図1には油圧回路の第1の実施の形態が示されている。
【0027】
穴明け機として例えば形鋼穴明け機1の切削送り速度を制御する油圧回路3は、油圧源5より圧油供給系路7を通り電磁切換弁9のPポートへ圧油は供給され、前記油圧源5と電磁切換弁9との間の圧油供給経路7のうち管路11Aの途中に本発明の主要部である外部パイロット形減圧弁13が設けられている。
【0028】
前記電磁切換弁9を切換えてPポートとAポートを連通することにより、圧油は圧油供給系路7のうちの管路11Bを通り油圧シリンダ15のヘッド側油室17へ供給される。
【0029】
前記油圧シリンダ15は、形鋼穴明け機1に設けたドリル19を備えた切削装置21を進退せしめるもので、油圧シリンダ15のピストンロッド23の先端が切削装置21に設けたブラケット25に結合されている。
【0030】
前記油圧シリンダ15のロッド側油室27より戻り系路29のうちのインポート側管路39Aを通って、前記電磁切換弁9のBポートへ連通している。なお、戻り系路29のうちのインポート側管路39Aのロッド側油室27と電磁切換弁9との間には切換弁付流量制御バルブ31が設けられている。この切換弁付流量制御バルブ31は、圧力補償形フローコントロールバルブ33と電磁切換弁35とチェックバルブ37とで構成されている。また、切換弁付流量制御バルブ31のインポート側管路39Aと前記外部パイロット形減圧弁13のパイロットポート13Aとを結ぶパイロット管路41が設けられている。
【0031】
前記戻り系路29が結合された前記電磁切換弁9のBポートは、電磁切換弁9の切換えによりTポートに連通し、このTポートより戻り系路29のうちの管路39Bを通って油タンク43へ油は流出する。なお、符号45A,45B,45C,45Dは管内圧力P0,P1,P2,P3を表示する圧力計であり、符号47は外部パイロット形減圧弁13のドレン戻り管路である。
【0032】
上記構成により、油圧源5から圧油供給系路7に設けた外部パイロット形減圧弁13を経て電磁切換弁9のPポートへ圧油を送り、電磁切換弁9を切換えてPポートとAポートを連通し、Aポートより油圧シリンダ15のヘッド側油室17内へ送油すると、油圧シリンダ15に設けたピストンロッド23は前進すると共に、ドリル19を備えた切削装置21は前進しワークWに穴明け加工が施される。
【0033】
前記油圧シリンダ15のロッド側油室27内の油は、戻り系路29へ排出されて切換弁付流量制御バルブ31の設定流量で流れ、電磁切換弁9のBポートよりTポートを経て油タンク43内へ戻される。
【0034】
したがって、切換弁付流量制御バルブ31の設定流量で油圧シリンダ15のピストンロッド23は前進し、切削装置21の送り速度制御が行なわれる。なお、切換弁付流量制御バルブ31に設けた電磁切換弁35は、切削装置21が前進時、切削を行なわない無駄ストロークを早送りするため、切換弁付流量制御バルブ31のインポート31A,アウトポート31B間をバイパスさせるために、必要に応じて切換えるものである。
【0035】
また、前記電磁切換弁9のポートを切換えて、PポートとBポート,AポートとTポートを連通せしめると、圧油はPポートよりBポートを経て切換弁付流量制御バルブ31に設けたチェックバルブ37を開放させて、油圧シリンダ15のロッド側油室27内へ圧油は流入しピストンロッド23を後退せしめる。油圧シリンダ15のヘッド側油室17内の油は電磁切換弁9のAポートよりTポートを経て油タンク43へ戻り、切削装置21は後退する。
【0036】
前記外部パイロット形減圧弁13のパイロットポート13Aは、パイロット管路41を介して切換弁付流量制御バルブ31のインポート側管路39Aに接続されている。電磁切換弁9を切換え油圧シリンダ15のヘッド側油室17へ圧油を供給すると切削装置21は前進し、油圧シリンダ15のロッド側油室27の油は、切換弁付流量制御バルブ31のインポート31Aへ流入、その圧力P2が外部パイロット形減圧弁13の設定圧力となったところで、外部パイロット形減圧弁13の開度は小さくなり、油圧シリンダ15のヘッド側油室17の圧力P1の昇圧を制限する。
【0037】
したがって、油圧シリンダ15の負荷を無視すれば、油圧シリンダ面積比との逆比で圧力P1と圧力P2はバランスを保つことになり、切換弁付流量制御バルブ31のインポート圧力P2は外部パイロット形減圧弁13の設定圧力となる。
【0038】
油圧シリンダ15の負荷が増加すれば、圧力バランスが崩れ、圧力P2は下降するため外部パイロット形減圧弁13の開度は増加し、油圧シリンダ15のヘッド側圧力P1を負荷の増加分だけ昇圧させる。また、油圧シリンダ15の負荷が減少すれば、圧力P2は上昇するため外部パイロット形減圧弁13の開度は減少し、油圧シリンダ15のヘッド側圧力P1を負荷の減少分だけ降圧させ負荷とバランスを保ち、切換弁付流量制御バルブ31のインポート圧力P2は減圧弁設定圧力で切削送りを行なう。なお、油圧シリンダ15のヘッド,ロッド側接続の入れ替え、および、油圧シリンダ構造を両ロッド形としても可能である。
【0039】
而して、油圧シリンダロッド側圧力P2は負荷変動に関係なく一定となるため、管材の弾性変形による容積膨脹、配管内作動油の圧縮による油圧シリンダ15の速度変化は発生しないものとなった。また、圧油供給系路7の圧力P1は必要圧力までの昇圧で作動しており、油圧シリンダ15が急激に増速しようとすれば、外部パイロット形減圧弁13の制御部の開き遅れと差圧により、油圧源5から油圧シリンダ15への圧油供給が追従せず昇圧遅れが発生、速度増加が発生しないものとなった。
【0040】
その結果、穴加工貫通時に急激な負荷変動による油圧シリンダ速度変化を防止し、ドリルの欠け、折損の防止を図ることができる。
【0041】
図2には、この発明の第2の実施の形態が示されている。この第2の実施の形態と前述した第1の実施の形態と異なる点は、減圧弁を組み込んだ位置がちがうだけで他の構成は同一であり、同一部材に対しては同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0042】
すなわち、油圧回路3は、油圧源5より圧油供給系路7を通り電磁切換弁9のPポートへ圧油は供給され、電磁切換弁9を切換えてPポートとAポートを連通することにより、圧油は圧油供給系路7を通り油圧シリンダ15のヘッド側油室17へ供給される。
【0043】
前記電磁切換弁9のAポートと油圧シリンダ15のヘッド側油室17を結ぶ管路11Bの途中に本発明の主要部である外部パイロット形チェックバルブ付減圧弁51が設けられている。この外部パイロット形チェックバルブ付減圧弁51にはチェックバルブ53が付属されている。
【0044】
前記油圧シリンダ15は、ドリル19を備えた切削装置21を進退せしめるもので、油圧シリンダ15のピストンロッド23の先端が切削装置21に設けたブラケット25に結合されている。
【0045】
前記油圧シリンダ15のロッド側油室27より戻り系路29のうちのインポート側管路39Aを通って、前記電磁切換弁9のBポートへ連通している。なお、戻り系路29のうちのインポート側管路39Aのロッド側油室27と電磁切換弁9との間に切換弁付流量制御バルブ31が設けられている。この切換弁付流量制御バルブ31は、圧力補償形フローコントロールバルブ33と電磁切換弁35とチェックバルブ37とで構成されている。また、切換弁付流量制御バルブ31のインポート側管路39Aと前記外部パイロット形チェックバルブ付減圧弁51のパイロットポート51Aとを結ぶパイロット管路55が設けられている。
【0046】
前記戻り系路29が結合された前記電磁切換弁9のBポートは、電磁切換弁9の切換えによりTポートに連通し、このTポートより管路39Bを通り油タンク43へ油は流出する。なお、符号45A,45B,45C,45Dは管内圧力P0,P1,P2,P3を表示する圧力計であり、符号57は外部パイロット形チェックバルブ付減圧弁51のドレン戻り管路である。
【0047】
上記構成により、油圧源5から圧油供給系路7を経て電磁切換弁9のPポートへ圧油を送り、電磁切換弁9を切換えてPポートとAポートを連通し、Aポートより外部パイロット形チェックバルブ付減圧弁51を経て油圧シリンダ15のヘッド側油室17内へ送油すると、油圧シリンダ15に設けたピストンロッド23は前進すると共に、ドリル19を備えた切削装置21は前進しワークWに穴明け加工が施される。
【0048】
前記油圧シリンダ15のロッド側油室27内の油は、戻り系路29へ排出されて切換弁付流量制御バルブ31の設定流量で流れ、電磁切換弁9のBポートよりTポートを経て油タンク43内へ戻される。
【0049】
したがって、切換弁付流量制御バルブ31の設定流量で油圧シリンダ15のピストンロッド23は前進し、切削装置21の送り速度制御が行なわれる。なお、切換弁付流量制御バルブ31に設けた電磁切換弁35は、切削装置21が前進時、切削を行なわない無駄ストロークを早送りするために用いられるものである。
【0050】
また、前記電磁切換弁9のポートを切換えて、PポートとBポート,AポートとTポートを連通せしめると、圧油はPポートよりBポートを経て切換弁付流量制御バルブ31に設けたチェックバルブ37を開放させて、油圧シリンダ15のロッド側油室27内へ圧油は流入しピストンロッド23を後退せしめる。油圧シリンダ15のヘッド側油室17内の油は、外部パイロット形チェックバルブ付減圧弁51に設けたチェックバルブ53を開放し、電磁切換弁9のAポートよりTポートを経て油タンク43へ戻り、切削装置21は後退する。
【0051】
前記外部パイロット形チェックバルブ付減圧弁51のパイロットポート51Aは、パイロット管路55を介して切換弁付流量制御バルブ31のインポート側管路39Aに接続されている。電磁切換弁9を切換え油圧シリンダ15のヘッド側油室17へ圧油を供給すると切削装置21は前進し、油圧シリンダ15のロッド側油室27の油は、切換弁付流量制御バルブ31のインポート31Aへ流入、その圧力P2が外部パイロット形チェックバルブ付減圧弁51の設定圧力となったところで、外部パイロット形チェックバルブ付減圧弁51の開度は小さくなり、油圧シリンダ15のヘッド側油室17の圧力P1の昇圧を制限する。
【0052】
したがって、油圧シリンダ15の負荷を無視すれば、油圧シリンダ面積比との逆比で圧力P1と圧力P2はバランスを保つことになり、切換弁付流量制御バルブ31のインポート圧力P2は外部パイロット形チェックバルブ付減圧弁51の設定圧力となる。
【0053】
油圧シリンダ15の負荷が増加すれば、圧力バランスが崩れ、圧力P2は降下するため外部パイロット形チェックバルブ付減圧弁51の開度は増加し、油圧シリンダ15のヘッド側圧力P1を負荷の増加分だけ昇圧させる。また、油圧シリンダ15の負荷が減少すれば、圧力P2は上昇するため外部パイロット形チェックバルブ付減圧弁51の開度は減少し、油圧シリンダ15のヘッド側圧力P1を負荷の減少分だけ降圧させ負荷とバランスを保ち、切換弁付流量制御バルブ31のインポート圧力P2は減圧弁設定圧力で切削送りを行なう。
【0054】
而して、油圧シリンダロッド側圧力P2は負荷変動に関係なく一定となるため、管材の弾性変形による容積膨脹、配管内作動油の圧縮による油圧シリンダ15の速度変化は発生しないものとなった。また、圧油供給系路7の圧力P1は必要圧力までの昇圧で作動しており、油圧シリンダ15が急激に増速しようとすれば、外部パイロット形チェックバルブ付減圧弁51の制御部の開き遅れと差圧により、油圧源5から油圧シリンダ15への圧油供給が追従せず昇圧遅れが発生、速度増加が発生しないものとなった。
【0055】
その結果、穴加工貫通時に急激な負荷変動による油圧シリンダ速度変化を防止し、ドリルの欠け、折損の防止を図ることができる。
【0056】
なお、この発明は前述した発明の実施の形態に限定されることなく、適宜な変更を行なうことにより、その他の態様で実施し得るものである。例えば、本実施形態では切換弁付流量制御バルブ31に圧力補償形フローコントロールバルブ33を設けたが、切換弁付流量制御バルブ31のインポート圧力P2は負荷変動に関係なく一定となり、アウトポート圧力P3との差圧も一定となるため、使用する切換弁付流量制御バルブは圧力補償機構のないものでも可能である。
【0057】
【発明の効果】
以上のごとき実施の形態の説明より理解されるように、本発明によれば、穴加工貫通時に急激な負荷変動による油圧シリンダ速度変化を防止し、ドリルの欠け、折損の防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態を示し、穴明け機の油圧回路図である。
【図2】この発明の第2の実施の形態を示し、穴明け機の油圧回路図である。
【図3】従来例を示し、穴明け機の油圧回路図である。
【符号の説明】
1 形鋼穴明け機(穴明け機)
3 油圧回路
5 油圧源
7 圧油供給系路
9 電磁切換弁
11A,11B,39A,39B 管路
13 外部パイロット形減圧弁
13A,51A パイロットポート
15 油圧シリンダ
29 戻り系路
31 切換弁付流量制御バルブ
39A インポート側管路
51A 外部パイロット形チェックバルブ付減圧弁
Claims (2)
- 穴明け機の切削送り速度を制御する油圧回路において、ドリル(19)を備えた切削装置(21)を進退するための油圧シリンダ(15)におけるヘッド側油室(17)及びロッド側油室(27)を、電磁切換弁(9)を介して油圧源(5)及び油タンク(43)へ接続,切換え自在に備え、前記ロッド側油室(27)に接続した戻り系路(29)に圧力補償形フローコントロールバルブ(33)を備え、前記ヘッド側油室(17)へ前記油圧源(5)から圧油を供給するための圧油供給路(7)に前記ヘッド側油室(17)の圧力の昇圧を制限するために、外部パイロット形減圧弁を備え、前記ドリル(19)による穴加工貫通時の急激な負荷変動による前記油圧シリンダ(15)の速度変化を防止して前記ドリル(19)の欠けを防止し、前記油圧シリンダ(15)に作用する負荷変動に関係なく前記圧力補償形フローコントロールバルブ(33)のインポート圧力(P2)を一定に保持するために、前記ロッド側油室(27)と前記圧力補償形フローコントロールバルブ(33)のインポート側管路(39A)との間に、前記外部パイロット形減圧弁のパイロットポートをパイロット管路を介して接続してあることを特徴とする穴明け機の油圧回路。
- 請求項1に記載の穴明け機の油圧回路において、前記圧力補償形フローコントロールバルブ(33)に、電磁切換弁(35)及びチェックバルブ(37)を並列に備えていることを特徴とする穴明け機の油圧回路。
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