JP4291623B2 - ゾーン浄化方法および装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、手術室や半導体などの精密部品の製作室などの区画室の或る限られたゾーンをクリーンエアによって浄化するためのゾーン浄化方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特許第2873552号公報
手術室の無菌化は、高度の手術などにおいては欠かすことのできない課題である。このため、エア浄化フィルタにエアを通して、単独ではエア中に存在せずに塵埃に付着している細菌を塵埃と共に排除し、そのクリーンエアを手術室に供給して、室内を無菌化させる手段がとられている。このような室内の浄化は、手術室に限られたものではなく、無菌化はともかくとして、半導体などの精密部品の製作室などであっても、塵埃を排除したクリーンエアによって室内を浄化させる手段がとられている。
【0003】
ところで、上記のクリーンエアによる清浄化が要求されるのは、例えば手術室では手術台まわりの限られた執刀空間であり、精密部品の製作室では精密部品の製作空間である。これにも拘わらず、室内全体を清浄化することは、浄化装置のイニシャルコストならびにランニングコストの大幅なアップを伴うもので、非常に無駄であり、このことから、区画室内の或る限られたゾーン(手術台まわりや精密部品の製作空間など)を浄化対象にして、クリーンエアによる室内気流を形成し、この特定されたゾーンを高い清浄度に保つように構成されたゾーン浄化装置が開発され、実用化されるに至っている。
【0004】
そして、従来のゾーン浄化装置として、上記特許文献1に示すものがある。このゾーン浄化装置は、区画室の或る限られたゾーンをクリーンエアによる浄化対象とするもので、前記ゾーンの上部に、エア吹き出し範囲が上記ゾーンをカバーするに足る大きさの下向きのエア吹き出し口を設けると共に、前記エア吹き出し口に、小径で且つ互いに平行な直線状の流路を密に具備したエア吹き出し手段を設けて成る。
【0005】
上記の構成からなるゾーン浄化装置では、前記エア吹き出し手段からのクリーンエアの吹き出し流速がアップすると共に、クリーンエアの極端な流速の低下も効果的に抑止され、この結果、ゾーン内への室内エアの巻き込みに起因する粉塵濃度も大幅にダウンさせることができ、無駄のないゾーン浄化が達成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献1に示すゾーン浄化装置でも、前記エア吹き出し口から吹き出したクリーンエアがゾーンの下部にまで届かないことがあった。そこで、本出願人は、その原因について鋭意追求し、実験を行った結果、クリーンエアの温度と区画室内の空気の温度との関係がクリーンエアの流速に影響を与えることを確信するに至った。
【0007】
この発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、ゾーンに向けて吹き出すクリーンエアの到達距離をのばし、ゾーンをより良好に浄化することができるゾーン浄化方法および装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のゾーン浄化方法は、浄化領域とするゾーンに対して整流したクリーンエアを、吹き出し範囲がゾーン全体をカバーするに足る大きさとなったエア吹き出し部から下向きに吹き付けるゾーン浄化方法であって、
前記ゾーンの周囲の温度を検出するための周囲温度検出部と、前記ゾーン全体に対して吹き付けるクリーンエアの温度を検出するためのエア温度検出部とを用い、前記エア温度検出部により検出したクリーンエアの温度が、前記周囲温度検出部により検出した前記ゾーンの周囲の温度よりも2℃以上低くなるように調整しながら、
前記ゾーンとその周囲との境界部分よりもさらに前記ゾーンの中央側に入った領域に形成されるクリーンゾーンの浄化を行うようにしたことを特徴とする(請求項1)。
【0009】
一方、本発明のゾーン浄化装置は、区画室の或る限られたゾーンをクリーンエアによる浄化対象とし、
クリーンエアを形成するために内部に導入された導入空気に含まれる粉塵を除去する粉塵除去手段と、
小径で且つ互いに平行な直線状の流路を密に配置してなる整流手段を有し、浄化領域とする前記ゾーンに向けて下向きに吹き出す前記クリーンエアの吹き出し範囲が前記ゾーン全体をカバーするに足る大きさとなったエア吹き出し部と
を備えたゾーン浄化装置であって、
前記導入空気を冷却する冷却手段と、前記ゾーンの周囲の温度を検出するための周囲温度検出部と、前記吹き出し部から吹き出されるクリーンエアの温度を検出するためのエア温度検出部とを備え
前記エア温度検出部により検出したクリーンエアの温度が、前記周囲温度検出部により検出した前記ゾーンの周囲の温度よりも2℃以上低くなるように、前記両温度検出部の検出結果に基づいて前記冷却手段を自動制御するように構成してあり、
さらに、前記ゾーンの周囲との境界部分より中央側に入った領域にクリーンゾーンを形成するように構成してあることを特徴とする(請求項)。
【0010】
【0011】
上記の構成からなる本発明によれば、ゾーンに向けて吹き出すクリーンエアの到達距離をのばし、ゾーンをより良好に浄化することができるゾーン浄化方法および装置を提供することが可能となる。
【0012】
すなわち、ゾーンに対して吹き出すクリーンエアを整流してその直進性を高めても、前記クリーンエアの温度がゾーンの周囲の温度と同程度かそれよりも若干高い場合には、ゾーンに対して吹き出されたクリーンエアが拡散し、やがて停止したり上昇して上昇気流を形成したりするため、ゾーン内にて行われる治療・手術や精密部品の製作作業を妨げないようにその流速が制限されるクリーンエアをゾーンの下部にまで到達させることは困難となるおそれがあるが、エア温度検出部により検出した前記クリーンエアの温度が周囲温度検出部により検出したゾーンの周囲の温度よりも2℃以上低くなるように構成した本発明のゾーン浄化方法および装置では、ゾーンに対して吹き出されたクリーンエアがゾーンの周囲よりも温度が低い冷気となり、下降気流となってゾーン内を下降し続けるため、ゾーン内の清浄度を高く保てる。
【0013】
さらに、前記ゾーンの周囲の空間と連続する領域内の空気を前記導入空気として用いるように構成したとしてもよい。クリーンエアを形成するための空気を区画室の外部から導入するタイプのゾーン浄化装置では、ゾーン浄化装置を設置するに際して、その設置のための作業の他に、区画室の外部から空気を導入するための流路などを形成するための作業が必要となり、施工コストが高くなるが、上記のように構成した場合には、ゾーンの周囲に存在する空気をクリーンエアを形成するために用いることができることから、区画室の外部から空気を導入するための流路などを形成するための作業が不要となり、その分だけ低コストで設置することができ、また、例えば既設の建築物などにも後付けで容易に設置することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1(A)、(B)および(C)は、本発明の一実施例に係るゾーン浄化方法に用いるゾーン浄化装置Dの構成を概略的に示す説明図、底面図および側面図である。
ゾーン浄化装置Dは、手術室や精密部品(例えば半導体)の製作室などの区画室内の或る限られたゾーンZ(図3(A)参照)をクリーンエアによる浄化対象とし、そのゾーンZの無塵化・無菌化を図るためのものである。
【0015】
前記ゾーンZは、例えば、手術室では手術台まわりの限られた空間であり、精密部品の製作室では精密部品の製作空間である。
【0016】
そして、前記ゾーン浄化装置Dは、前記区画室の天井裏における前記ゾーンZの上方に相当する部分に配置されるとともに、その底部が天井の下面側に露出する状態で設置される本体ケース1を有し、ゾーン浄化装置Dの各部材はこの本体ケース1の適宜の箇所に収容されるかまたは取り付けられる。
【0017】
詳しくは、前記ゾーン浄化装置Dは、区画室内の空気を吸い込む吸い込み部2と、この吸い込み部2からクリーンエアを形成するために内部に導入される導入空気中の粉塵を除去する粉塵除去手段3と、小径で且つ互いに平行な直線状の複数の流路4を密に配置してなる整流手段5を有し、下向きに吹き出す前記クリーンエアの吹き出し範囲が前記ゾーンZをカバーするに足る大きさとなったエア吹き出し部6と、前記導入空気を冷却する冷却手段7と、前記区画室内の空気を前記吸い込み部2から吸い込んだ後、前記エア吹き出し部6へと送るための送風手段8と、前記ゾーンZの周囲の温度および前記吹き出し部6から吹き出される直前のクリーンエアの温度を検出する温度検出手段9とを備える。
【0018】
前記吸い込み部2およびエア吹き出し部6(詳細は後述する)は、前記本体ケース1の底部においてその長手方向に適宜の間隔をあけて設けられており、前記吸い込み部2は、複数の長孔2aを有している。
【0019】
前記粉塵除去手段3は、前記吸い込み部2の上方に配置される1次フィルタ(プレフィルタ)3aと、前記エア吹き出し部6の上方に配置される2次フィルタ(例えば、HEPAフィルタ)3bとからなり、前記1次フィルタ3aにより前記導入空気から粒子径が比較的大きい粉塵を除去し、前記2次フィルタ3bにより前記導入空気から前記1次フィルタ3aでは除去できなかった粒子径が比較的小さい粉塵を除去するように構成されており、上記2枚のフィルタ3a,3bを通過し、エア吹き出し部6からゾーンZに向けて吹き出されるクリーンエア中には、粒子径が所定以上(例えば、0.5μm以上)の大きさの粉塵は存在しない。
【0020】
前記エア吹き出し部6の形状およびサイズは、前記ゾーンZの構成(幅や奥行きなど)に対応させて設定すればよく、本実施例のエア吹き出し部6の平面視は約600mm×600mmの矩形状となっている。
【0021】
また、前記エア吹き出し部6に設けられる整流手段5は、図2に示すように、横断面がほぼ正六角形状の筒状体が並んだハニカム構造をしており、本実施例では、前記整流手段5として、ハニカムコア(例えば、昭和飛行機工業株式会社製の型式AL1/8−5052−.001である箔厚が0.0254mmで、セルサイズが3.2mm、エレメント厚さが50mmのもの)を採用している。しかし、前記整流手段5の構成は上記のものに限られず、例えば、帯状の薄板を狭い間隔で格子状に組み合わせたものや、小径のパイプ(例えばプラスチック製のパイプ)を密に集合密着させたものなどであってもよい。
【0022】
前記冷却手段7としては、例えば、ヒートポンプの原理によって冷却を行う公知の冷却ユニットなどを用いることができ、前記送風手段8により送られてきた導入空気を適宜に冷却するように構成されている。
【0023】
前記送風手段8は、例えば、シロッコファンなどのファンからなり、前記吸い込み部2の上方に配置される1次フィルタ(プレフィルタ)3aのさらに上方に配置されている。
【0024】
前記温度検出手段9は、前記ゾーンZの周囲の温度を検出するための周囲温度検出部9aと、前記吹き出し部6から吹き出される直前のクリーンエアの温度を検出するためのエア温度検出部9bとを有する。各温度検出部9a,9bは例えば温度センサからなり、周囲温度検出部9aは前記1次フィルタ3aの近傍に配置され、エア温度検出部9bは前記整流手段5の内部に挿入された状態で配置される。そして、各検出部9a,9bからの検出した温度に対応する出力は、図示しない制御部に送られ、前記出力に応じた信号が前記制御部から前記冷却手段7に送られ、冷却手段7が制御される。
【0025】
上記の構成からなるゾーン浄化装置Dでは、前記エア温度検出部9bにより検出したクリーンエアの温度が、前記周囲温度検出部9aにより検出した前記ゾーンの周囲の温度よりも所定の値だけ(例えば2℃以上、好ましくは約2〜3℃)低くなるように、前記温度検出手段9(温度検出部9a,9b)の検出結果に基づいて前記冷却手段7を自動制御するように構成してある。
【0026】
次に、上記の構成からなるゾーン浄化装置Dの作動について説明する。
前記ゾーン浄化装置Dは、前記ゾーンZの周囲の空間と連続する領域内(区画室内)の空気を前記クリーンエアを形成するための導入空気として用いるように構成された循環タイプのものである。そのため、まず、前記冷却手段7および送風手段8を駆動状態にすると、区画室内の空気が前記吸い込み部2から装置の内部に導入される。そして、この導入空気は、前記1次フィルタ3a、送風手段8、冷却手段7、2次フィルタ3bをこの順に通過した後、整流手段5の密なる小径の流路4を通り、エア吹き出し部6からその真下にある前記ゾーンZに向けて吹き出される。
【0027】
ここで、前記ゾーン浄化装置Dでは、前記導入空気が前記整流手段5を通過する間に、その流れが整流化され、これに加えて乱れ成分も取り除かれることで、整流手段5を通過したクリーンエアは層流となり、ゾーンZに向けて真下に吹き出されることになる。
【0028】
従って、クリーンエアによる浄化領域とするゾーンZに対して整流したクリーンエアをその上側から吹き付けることにより、前記ゾーンZにクリーンエアによる下向きの気流が形成されるのであり、前記ゾーンZの範囲を限定してあることから、ゾーン浄化装置Dのイニシャルコストならびにランニングコストを低く抑えつつ、ゾーンZのエア清浄度を高く保つことができる。
【0029】
さらに、本実施例のゾーン浄化装置Dでは、前記導入空気を冷却手段7により冷却し、エア吹き出し部6から吹き出されるクリーンエアの温度がゾーンZの周囲の温度よりも所定の値(例えば、2〜3℃)だけ低くなるように調整することから、ゾーンZに向けて吹き出すクリーンエアの到達距離がのび、ゾーンZをより良好に浄化することができる。
【0030】
このことを確認するために、図3(A)および(B)に示すように、床面からの高さが1960mmとなる位置に前記エア吹き出し部6の下面が位置するように前記ゾーン浄化装置Dを配置し、前記エア吹き出し部6から吹き出し風量が12m3 /minとなるように前記整流手段5を通して整流した状態のクリーンエアを吹き出し、このクリーンエアの温度とゾーンZの周囲温度との温度差を−3℃から+1℃まで1℃ずつ変えて、クリーンエアの流速(風速)および前記ゾーンZへの室内エアの巻き込みによる粉塵濃度(清浄度)を測定するという実験を行い、前記温度差が前記風速および清浄度に及ぼす影響について調べた。ここで、前記温度差という用語は、クリーンエアの温度とゾーンZの周囲温度との温度差を、ゾーンZの周囲温度を基準として示す用語として用いており、例えば、温度差−3℃は、クリーンエアの温度がゾーンZの周囲温度よりも3℃低いことを示す。
【0031】
上記実験を具体的に説明すると、まず、前記区画室としては十分に広いスペースを設定し、ゾーン浄化装置Dが吹き出す冷却されたクリーンエアが区画室内の温度に与える影響を少なくするようにした。また、前記冷却手段7に相当するユニットとしては、試験用吸入空気温調装置を使用した。
【0032】
一方、前記ゾーンZとその外側の領域との境界部分では、クリーンエアと室内エアとの攪拌が生じることから、前記ゾーンZよりもさらに100mmだけゾーンZの中央側に入った領域を真の浄化が行えるクリーンゾーンCZとした。そして、このクリーンゾーンCZに対して5本の鉛直ラインY1〜5を水平方向に100mmピッチで設定した。なお、これら5本の鉛直ラインY1〜5の中心に位置する鉛直ラインY3は、前記クリーンゾーンCZの中心を上下に通るラインとなる。また、前記5つの鉛直ラインY1〜5を含む面に対して鉛直方向に100mmピッチで19本の水平ラインX1〜9、a〜j(以下、X1〜jという)を設定した。なお、最も上側にくる水平ラインX1は前記エア吹き出し部6から60mmだけ下方に位置するように設定してある。そして、前記5本の鉛直ラインY1〜5と19本の水平ラインX1〜jとの計90点の交点を、クリーンエアの流速(風速)および清浄度を測定するための風速・清浄度測定ポイントとした。
【0033】
さらに、前記エア吹き出し部6の下面の中心(鉛直ラインYとエア吹き出し部6の下面との交点)を、吹き出されるクリーンエアの温度を測定するための吹出温度測定ポイントとし、前記ゾーンZから適宜の距離だけ離れ、かつ床面からの高さが1000mmとなる1点を、バックグラウンドとなるゾーンZの周囲の清浄度(BG)および温度を測定するためのBG・周囲温度測定ポイントとした。なお、風速の測定には、熱線式風速計(例えば、日本カノマックス株式会社製のモデル24−6121)を用い、清浄度の測定には、パーティクルサイズ0.5μmの粉塵計測を可能とするパーティクルカウンタを用いた。
【0034】
上記実験の結果を表1〜表15に示す。詳しくは、表1〜3には前記温度差を−3℃に設定したときの実験結果が示されており、表1には前記吹出温度測定ポイントで測定したクリーンエアの温度とBG・周囲温度測定ポイントで測定した周囲温度とから導出した実際の温度差が、表2には前記風速・清浄度測定ポイントで測定した風速が、また、表3には前記風速・清浄度測定ポイントで測定した清浄度および前記BG・周囲温度測定ポイントで測定したBGがそれぞれ示されている。同様に、表4〜6には前記温度差を−2℃に設定したときの実験結果が、表7〜9には前記温度差を−1℃に設定したときの実験結果が、表10〜12には前記温度差を±0℃に設定したときの実験結果が、表13〜15には前記温度差を+1℃に設定したときの実験結果がそれぞれ示されている。なお、表3、6、9、12、15における清浄度は、各辺1フィートの立方空間内に存在する粒子径0.5μm以上のパーティクルの数を示しており、単位として個/CF(Cubic Feet)を用いている(米国連邦規格209Eによる)。
【0035】
【表1】
Figure 0004291623
【表2】
Figure 0004291623
【表3】
Figure 0004291623
【0036】
【表4】
Figure 0004291623
【表5】
Figure 0004291623
【表6】
Figure 0004291623
【0037】
【表7】
Figure 0004291623
【表8】
Figure 0004291623
【表9】
Figure 0004291623
【0038】
【表10】
Figure 0004291623
【表11】
Figure 0004291623
【表12】
Figure 0004291623
【0039】
【表13】
Figure 0004291623
【表14】
Figure 0004291623
【表15】
Figure 0004291623
【0040】
上記表1〜15に示す実験結果から、前記温度差を−2℃または−3℃に設定したときには、測定ポイント下限(水平ラインXj)までクリーンエアが届いており、ゾーンZ内における清浄度が高いといえる。ゾーンZの周囲の室内エアを巻き込んでいるため清浄度は0ではないが、BGと比較すると非常に小さい値であるため清浄であると判断できる。
【0041】
これに対し、前記温度差を+1℃または±0℃に設定したときには、ゾーンZに対してその上側から吹き出されたクリーンエアが、ゾーンZの上下方向における中間位置付近にまでしか届かず、言い換えれば、クリーンエアの到達距離が温度差を−2℃または−3℃に設定したときの半分程度にまで短くなり、清浄度もゾーンZの下半分(特に風速が0より大きくなっている範囲以外のポイント)ではBGとほぼ同じ程度となっており、ゾーンZの浄化が不十分であると判断される。
【0042】
なお、前記温度差を−1℃に設定したときには、表8に示される結果から、ゾーンZの下部において風速が0となっているものの、表9に示される結果から、風速が0となっている部分の清浄度も十分高いことがわかる。従って、温度差を−1℃に設定したときにも、ゾーンZ全体の清浄度をある程度高く保つことができる。
【0043】
すなわち、ゾーンZに対して吹き出すクリーンエアを整流してその直進性を高めても、前記温度差を±0℃または+1℃に設定したときには、ゾーンZに対して吹き出されたクリーンエアが拡散し、やがて停止したり上昇して上昇気流を形成したりするため、ゾーンZ内にて行われる治療・手術や精密部品の製作作業を妨げないようにその流速が制限されるクリーンエアをゾーンZの下部にまで到達させることは困難となるおそれがあるが、前記温度差を−3℃、−2℃または−1℃に設定したときには、ゾーンZに対して吹き出されたクリーンエアがゾーンZの周囲よりも温度が低い冷気となるため、下降気流となってゾーンZ内を下降し続け、これにより、ゾーンZ内の清浄度が高く保たれることとなる。
【0044】
よって、実用面から考えると、前記温度差を±0℃または+1℃に設定したときには、クリーンエアの到達距離が非常に短くなり、また、温度差を−1℃に設定したときにも、クリーンエアの十分な到達距離が得られないことから、前記温度差を−2℃以下に設定する(クリーンエアの温度がゾーンZの周囲温度よりも2℃以上低くなるように設定する)ことが適しているといえる。
【0045】
なお、本実施例において、前記粉塵除去手段3は、1次フィルタ3aおよび2次フィルタ3bの2枚のフィルタからなるものに限られず、例えば、1次フィルタ3aおよび2次フィルタ3bのいずれか一方のみを有していてもよく、3枚以上のフィルタを有していてもよい。
【0046】
また、本実施例において、周囲温度検出部9aの設置位置は、前記1次フィルタ3aの近傍に限られず、例えば、前記本体ケース1から離れた区画室内における前記ゾーンZの外側の適宜の位置であってもよい。
【0047】
さらに、前記冷却手段7により導入空気から奪った熱を、前記ゾーンZの周囲において適宜に放出し、冷却したクリーンエアの放出による区画室内の温度の低下を緩和するようにしてもよい。
【0048】
【発明の効果】
上記の構成によれば、ゾーンに向けて吹き出すクリーンエアの到達距離をのばし、ゾーンをより良好に浄化することができるゾーン浄化方法および装置を提供することが可能となる。
【0049】
すなわち、ゾーンに対して吹き出すクリーンエアを整流してその直進性を高めても、前記クリーンエアの温度がゾーンの周囲の温度と同程度かそれよりも若干高い場合には、ゾーンに対して吹き出されたクリーンエアが拡散し、やがて停止したり上昇して上昇気流を形成したりするため、ゾーン内にて行われる治療・手術や精密部品の製作作業を妨げないようにその流速が制限されるクリーンエアをゾーンの下部にまで到達させることは困難となるおそれがあるが、前記クリーンエアの温度がゾーンの周囲の温度よりも2℃以上低くなるように構成したこの発明のゾーン浄化方法および装置では、ゾーンに対して吹き出されたクリーンエアがゾーンの周囲よりも温度が低い冷気となり、下降気流となってゾーン内を下降し続けるため、ゾーン内の清浄度を高く保てる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)、(B)および(C)は、本発明の一実施例に係るゾーン浄化方法に用いるゾーン浄化装置の構成を概略的に示す説明図、底面図および側面図である。
【図2】 上記実施例における整流手段の構成を概略的に示す斜視図である。
【図3】 (A)および(B)は、クリーンエアの温度とゾーンの周囲温度との差がクリーンエアの到達距離およびゾーンの清浄度に及ぼす影響を調べるための実験に用いた装置の構成とその実験における各測定ポイントとを概略的に示す側面図および正面図である。
【符号の説明】
6…エア吹き出し部、9a…周囲温度検出部、9b…エア温度検出部、CZ…クリーンゾーン、D…ゾーン浄化装置、Z…ゾーン。

Claims (4)

  1. 浄化領域とするゾーンに対して整流したクリーンエアを、吹き出し範囲がゾーン全体をカバーするに足る大きさとなったエア吹き出し部から下向きに吹き付けるゾーン浄化方法であって、
    前記ゾーンの周囲の温度を検出するための周囲温度検出部と、前記ゾーン全体に対して吹き付けるクリーンエアの温度を検出するためのエア温度検出部とを用い、前記エア温度検出部により検出したクリーンエアの温度が、前記周囲温度検出部により検出した前記ゾーンの周囲の温度よりも2℃以上低くなるように調整しながら、
    前記ゾーンとその周囲との境界部分よりもさらに前記ゾーンの中央側に入った領域に形成されるクリーンゾーンの浄化を行うようにしたことを特徴とするゾーン浄化方法。
  2. 前記エア温度検出部はクリーンエアを層流にする整流手段の内部に挿入された状態で配置されている請求項1に記載のゾーン浄化方法。
  3. 区画室の或る限られたゾーンをクリーンエアによる浄化対象とし、
    クリーンエアを形成するために内部に導入された導入空気に含まれる粉塵を除去する粉塵除去手段と、
    小径で且つ互いに平行な直線状の流路を密に配置してなる整流手段を有し、浄化領域とする前記ゾーンに向けて下向きに吹き出す前記クリーンエアの吹き出し範囲が前記ゾーン全体をカバーするに足る大きさとなったエア吹き出し部と
    を備えたゾーン浄化装置であって、
    前記導入空気を冷却する冷却手段と、前記ゾーンの周囲の温度を検出するための周囲温度検出部と、前記吹き出し部から吹き出されるクリーンエアの温度を検出するためのエア温度検出部とを備え
    前記エア温度検出部により検出したクリーンエアの温度が、前記周囲温度検出部により検出した前記ゾーンの周囲の温度よりも2℃以上低くなるように、前記両温度検出部の検出結果に基づいて前記冷却手段を自動制御するように構成してあり、
    さらに、前記ゾーンの周囲との境界部分より中央側に入った領域にクリーンゾーンを形成するように構成してあることを特徴とするゾーン浄化装置。
  4. 前記エア温度検出部は前記整流手段の内部に挿入された状態で配置されている請求項3に記載のゾーン浄化装置。
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