JP4291409B1 - ロケット分離・放出機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ロケットの噴射推進部と測定機器部との間を結合する状態で内部構造体と展開外壁部とからなり、前記内部構造体は縦傾斜切断線分により2つに分割された収納空間確保用円筒上部5と収納空間確保用円筒下部6から成り、一方前記展開外壁部は円筒体を縦に2分割した構造とし、蝶番1を介して接続された展開型胴体3が2枚に開くような展開構造となっている。前記内部構造体又は展開外壁部には、前記固定用下側円環8の下側に位置するように展開用弾性体11を配して、展開型胴体3の内側から外方に押し出す力を付勢してある。
【選択図】図2
Description
また、軸方向に機械的に押し出すという方法が一般的であったがその欠点としてセッティング時に誤作動の危険が伴うことや何らかの力(ロケットの飛行経路や機体のトラブルなどから)で押し出す部分(分離・放出部分)が飛行中に勝手に分離してしまう可能性があった。そこで、分離・放出機構から上の部分を保持したとしてもロケットの機体全体が支持され、抜け出す応力が作用しないように固定或いは噴射推進部の重量程度は保持できる必要があった。
この公知技術においては、ロケットはロケットモータ部とペイロード部とを結合した状態で空に向かって打ち上げられ、所定の高度まで飛翔した時にピストン、ピストンロッド及びナットカバーが下動してナットカバーが分割ナットから離脱し、ナットカバーが分割ナットから分離すると圧縮バネに付勢されたロッドの当接部がペイロード部の第1分離面形成体の分離面を押圧して、第1分離面形成体に設けたボルトが第2分離面形成体及び分割ナットから分離されてロケットモータ部からペイロード部が分離される。ロケットモータ部からペイロード部が離れることによって、両者に連結されているパラシュートが外部に放出されて展開し、ロケットを減速させてゆっくりと地上に落下させる。
また、最高点に到達した後、下降に転じ、応力の方向が変化した状況においても確実に分離する機構が望まれていた。
本発明は、火薬を用いることなく、機体の分離が可能で、かつ構造が簡素な小型ロケットのロケット分離・放出機構を提供することを目的とする。
前記内部構造体又は展開外壁部には、前記固定用下側円環の下側に位置するように展開用弾性体を配して、展開型胴体の内側から外方に押し出す力を付勢してあるものである。
図1に示すように、本発明のロケット分離・放出機構を備えたロケットは、上からノーズ部、測定機器部、分離・放出機構部、噴射推進部から構成される。
図2に示すように、本発明のロケット分離・放出機構は、噴射推進部と測定機器部との間を結合する状態で内部構造体と展開外壁部とからなる。
蝶番1、外壁・蝶番固定具2を介して接続された展開型胴体3(以下、これらをまとめて展開外壁部と呼ぶ。)は、ロケット本体のボディも兼ねており、円筒体を縦に2分割した構造となっており、図3に示すように、2分割された前記展開型胴体3の下部に外壁・蝶番固定具2をM4皿ネジ13で固定して補強し、図5に示すように、蝶番1の一方を外壁・蝶番固定具2に固定し、蝶番1の他方を噴射推進部14側の機体・蝶番固定具4にそれぞれ固定している。したがって、前記展開型胴体3は前記蝶番1により円筒体を2枚に開くような展開構造となっている。
本例の展開外壁部では、3枚以上の多数に分割してもよいが、2枚が最も好ましい。
前記展開型胴体3の内壁上部に固定用上側円環9を固着し、該固定用上側円環9は後述する内部構造体の固定用下側円環8と係合させて結合する。
前記固定用上側円環9の上部には、上方に向かって凸形を形成する外壁拘束具7が設けられ、後述する内部構造体の拘束解除用円盤10により凹凸嵌合することにより拘束される。
また、ロケット胴体の形状は円筒形であるため、前記展開型胴体3は歪みが出やすいことからガラス繊維強化プラスチック(GFRP)を使用している。
本発明のロケット分離・放出機構の内部構造体はメカニカルロック式のものである。
他にワイヤーロック方式、ガスジェネレータ方式が存在する。これらはロケット分離・放出機構の固定を解除する動力である。
図2に示す内部構造体は、収納空間確保用円筒上部5と収納空間確保用円筒下部6から成り、図6に示すように収納空間確保用円筒上部5と収納空間確保用円筒下部6は縦傾斜切断線分により2つに分割され、図2に示すように2分割された一方の収納空間確保用円筒上部5は測定機器部12に固定され、他方の収納空間確保用円筒下部6は噴射推進部14に固定される。
収納空間確保用円筒は互いに斜めに切断してあるので、上下に分離するときに切断面同士が引っ掛かる恐れがなくスムーズに分離できる。
また、2つの部品からなるので、強度的弱点が少なく有利である。
前記収納空間確保用円筒上部5と収納空間確保用円筒下部6の内部にはパラシュートが搭載され、回収すべき機体とワイヤーなどで結合されている。
また、前記収納空間確保用円筒上部5の上部には固定用下側円環8が設けられ、展開型胴体3の固定用上側円環9と係合をなしているので、展開型胴体3が開くまでロックされるようになっている。このことにより、打ち上げの振動によってロックが外れないようにしてある。また、固定用下側円環8と固定用上側円環9の係合面は斜めに接しているので、展開型胴体3が開くときに引っかかる恐れがない。
図4のA−A断面図に示すように、前記収納空間確保用円筒上部5の上部には縦方向のスリットが設けられ、該スリットを介して拘束解除用円盤10が上下動自在に設けられる。
前記拘束解除用円盤10は外壁拘束具7と係合しているが、拘束解除時に勢いよく押し出される(図面上では上方に移動する)。
押し出す手段としては現在のところ拘束解除用円盤10の下部に圧縮したスプリングを設置して上部にはスプリングが圧縮された状態を保持するためのコマを用い、モータでコマを回転させ拘束解除用円盤10の固定を解き、スプリングの弾性力によって押し出す方法を採用している。
さらに、前記収納空間確保用円筒上部5と収納空間確保用円筒下部6の上方で前記固定用下側円環8の下側に位置するように、展開用弾性体11を配して展開型胴体3の内側から外方に押し出す力を付勢してある。
この外方に押し出す力によってロックが解除された展開型胴体3は安全に小さな力で素早く開くものである。
前記展開用弾性体11はゴムシートの一端を収納空間確保用円筒上部5と収納空間確保用円筒下部6の外面に接着し、折りたたんで展開型胴体3を閉じてロックすることにより外方に押し出す力を付勢することができる。
このゴムシートを使用する構造は簡単で作用が安定しているので好ましく使用できる。
前記展開用弾性体11としては金属バネでも良い。また、前記展開用弾性体11の取り付け位置は展開型胴体3の内側でも良い。
まず初めに、図6に示す収納空間確保用円筒下部6の内部にロケット回収装置、主にパラシュートを畳んで設置する。
その際、ロケット回収装置を収納空間確保用円筒下部6の斜めに切断した区画に設置する。斜めに切断した区画よりも下に入れてしまうと放出できない。
次に、収納空間確保用円筒上部5を収納空間確保用円筒下部6に斜め切断面をあわせるように設置してロケット回収装置を搭載した空間を閉じる。図2の内部構造体がこの状態である。
そして、図2の全体構造に示すように、蝶番1、外壁・蝶番固定具2を介して接続された展開型胴体3を一度閉じて固定用下側円環8と展開外壁部に取り付けられている固定用上側円環9の位置がずれていないことを確認する。
次に、今の状態が2枚ある展開外壁部が閉じてある状態なのでどちらか片側を一度開き、収納空間確保用円筒上部5に取り付けられている展開用弾性体11を縮めた(応力を蓄えた)状態にして開いた展開外壁部を再び閉める。その際、縮めた展開用弾性体11が応力を開放していないか必ず確認する。反対側の展開外壁部も同様にして展開用弾性体11をセットする。
次に、展開外壁部に取り付けられている外壁拘束具7に拘束解除用円盤10をはめ込む。その際、前記拘束解除用円盤10は押し出す機構(スプリングやエアシリンダなど)に接続した状態で行う。
はめ込む作業が完了したら押し出す機構(スプリングやエアシリンダなど)で拘束解除用円盤10を固定する。
この作業で本発明のロケット分離・放出機構のセッティングは完了する。
その後、図1に示すように本発明のロケット分離・放出機構の上部に本発明のロケット分離・放出機構を制御する電子回路やその他ミッションに応じた電子機器を搭載した測定機器部が接続される。
初めに、図1に示すセッティング済みの機構を搭載したロケットを発射台から打ち上げ、分離を行う高度まで到達させる。分離を行う高度は事前に計算し、タイマーを用いた電子回路や気圧・加速度を用いた電子回路で分離するタイミングを算出して分離の指令を出す。勿論地上からのリモートコントロールでもよい。
本発明のロケット分離・放出機構が分離の指令を受けたら(分離の動力部に通電する)拘束解除用円盤10を勢いよく押し出す。押し出す手段としては例えば拘束解除用円盤10の下部に圧縮したスプリングを設置して上部にはスプリングが圧縮された状態を保持するためのコマを用い、モータでコマを回転させ拘束解除用円盤10の固定を解き、スプリングの弾性力によって押し出す。
図4のA−A断面図に示す前記拘束解除用円盤10が押し出される(図面上では上方に移動する)ことによって外壁拘束具7との噛み合いが外れる。
噛み合いが外れたことで図2に示す展開外壁部の固定がなくなるため、前記展開用弾性体11の力が展開外壁部を外方へ押し出すように働く。
しかし、噴射推進部14と展開外壁部は蝶番1で接続されているため、展開型胴体3は蝶番1を軸にして花が咲くように左右2枚に展開する。わずかに展開するだけで大気圏内では空気抵抗が発生するため抵抗の力によって確実に展開する。
展開外壁部が展開すると、収納空間確保用円筒下部6の上に収納空間確保用円筒上部5が載っているだけの状態となる。そのためロケットの飛行は重力ターンのために仰角が発生することや分離時は慣性飛行に移行していることから載っているだけの状態では(機体全体としてみると軽いため)測定機器部やノーズ部は吹き飛ばされて確実に分離することが出来る。
さらに、空気をつかみやすいパラシュートなどではすぐに機体から吹き飛ばされ展開することが出来る。この原理を利用し、収納空間確保用円筒下部6と収納空間確保用円筒上部5の内部に収納されているロケット回収装置(パラシュートなど)を放出する。
その後、ロケット回収装置で飛翔(低速降下)し機体本体を損傷なく着地させる(着地地点によっては損傷する可能性もある)。
2:外壁・蝶番固定具
3:展開型胴体
4:機体・蝶番固定具
5:収納空間確保用円筒上部
6:収納空間確保用円筒下部
7:外壁拘束具
8:固定用下側円環
9:固定用上側円環
10:拘束解除用円盤
11:展開用弾性体
12:測定機器部胴体
13:M4皿ネジ
14:噴射推進部
Claims (2)
- ロケットの噴射推進部と測定機器部との間を結合する状態で内部構造体と展開外壁部とからなり、前記内部構造体は縦傾斜切断線分により2つに分割された収納空間確保用円筒上部と収納空間確保用円筒下部から成り、2分割された一方の収納空間確保用円筒上部は測定機器部に固定され、他方の収納空間確保用円筒下部は噴射推進部に固定され、前記収納空間確保用円筒上部には固定用下側円環が設けられ、該固定用下側円環の上部には拘束解除用円盤が上下動自在に設けられ、一方前記展開外壁部は円筒体を縦に複数分割した構造とし、蝶番を介して接続された展開外壁部が複数枚に開くような展開構造となっており、前記展開型胴体の内壁に固定用上側円環を形成し、該固定用上側円環は前記固定用下側円環と係合させて結合され、さらに前記固定用上側円環の上部には、上方に向かって凸形を形成する外壁拘束具が設けられ、前記拘束解除用円盤により前記外壁拘束具と凹凸嵌合することにより拘束されることを特徴とするロケット分離・放出機構。
- 前記内部構造体又は展開外壁部には、前記固定用下側円環の下側に位置するように展開用弾性体を配して、展開型胴体の内側から外方に押し出す力を付勢してあることを特徴とする請求項1記載のロケット分離・放出機構。
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