JP4291207B2 - 内燃機関用カム軸位相可変装置 - Google Patents

内燃機関用カム軸位相可変装置 Download PDF

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Description

2つの回転部材間の位相角制御装置に係わり、特にクランク軸によりカム軸を介して駆動される給気バルブまたは排気バルブの開閉タイミングを可変とする内燃機関用バルブタイミング制御装置に関する。
負荷や回転速度などの運転状態の変化に応じて給気バルブや排気バルブの開閉タイミングを適切な方向に変化させる内燃機関用カム軸位相可変装置の従来技術には、正および負の領域に亘ってカム軸に発生するトルク変動を駆動力として利用するものとして、例えば特許文献1に記載されているようなバルブタイミング制御装置がある。これには、エンジンのクランク軸で回転駆動される第1の回転部材とカム軸に固定された第2の回転部材間の相対回転を両回転方向ともに構成部品によるくさび係合によって阻止できる機能と、その一方の回転方向のくさび係合を選択的に解除できる機能とを有する内燃機関用カム軸位相可変装置が開示されている。
特許文献2および特許文献3にも同様のカム軸位相可変装置が示されているが、特に一方の回転方向のくさび係合を選択的に解除するためのアクチュエータとして、構成部品の軸方向の動きを角度付きスロットの斜面により円周方向運動に変換し、その円周方向に運動する部品を利用するアクチュエータ手段が開示されている。
特開平6−10964号公報 特開平6−10965号公報 特開平6−10966号公報
上記の従来技術、特許文献1、2および3においてはカム軸位相可変装置の駆動エネルギとしてカム軸に発生するトルク変動を利用するので省エネルギを実現できるが、以下の課題も残されている。
まず、くさび係合を選択的に解除するアクチュエータ手段において構成部品の軸方向の動きを角度付きスロットの斜面を介して他部品の円周方向の動きに変換しているために、内燃機関用カム軸位相可変装置として制御範囲すなわちカム軸の回転方向位相の可変幅を大きく取れないという問題があった。すなわち、カム軸位相可変装置の装着スペースは無限に与えられるわけはないので当然その軸方向寸法にも制約があり、これによって構成部品の軸方向の動きを用いたアクチュエータ手段の最終的な円周方向の変位量が限定されてしまうという問題である。なお、カム軸の回転方向位相の可変幅はこのアクチュエータ手段の最終的な円周方向の変位幅が大きくとれる程大きくなる。
また、エンジンのクランク軸で回転駆動されるスプロケットなどの回転部材(駆動部材20)に形成された円筒面とカム軸に固定される回転部材に形成された平面(くさび面32d、32c)とその間に組み込まれたくさび部材(ウェッジ34、36)とでくさび係合をさせる構成であるので、第3の回転部材(スパイダー手段40)を直接ブレーキ手段で円周方向に駆動しようとした場合にはカム軸の回転位相は遅れる方向のみで進ませる方向に駆動することが出来ない。これはブレーキ手段では第3の回転部材を回転駆動できるのはカム軸回転方向と逆方向のみであるので円筒面の形成されたスプロケットがその回転方向へ相対回転するのを阻止するくさび係合のみが解除できるためである。一般に、内燃機関は吸入弁の開閉タイミングが進角しすぎると始動できなく特性があり、上記の従来技術の内燃機関用カム軸位相可変装置を吸入弁用のカム軸に用いると、その故障時でもエンジンの始動が可能であるというフェールセーフ性を確保することが困難であるという問題があった。
また、カム軸位相可変装置の駆動エネルギとしてカム軸に発生するトルク変動を利用し省エネルギを実現しているが、くさび係合を解除させる第3の回転部材を回転駆動するためにそれなりのトルクが必要であり装置全体を小型・軽量化する際の妨げになるという課題があった。
更に、くさび係合部分においては円筒コロ形状のくさび部材と相手の平面部や円筒面との接触荷重によって発生するヘルツ応力が発生するが、円筒コロ形状であるが故にくさび部材のくさび係合部の曲率半径を大きくして前記ヘルツ応力値を大きく低減する事が困難である。一方、カム軸に発生するトルク変動は静的にはカムがバルブスプリングに逆らってバルブを押したり、逆にバルブスプリングに蓄えられた弾性力によりバルブがカムを押し返すことによって発生するが、その周期の短くなる高速運転時にはカム軸周辺部品の慣性と捻り振動の固有値の影響により、トルク変動の振幅がバルブスプリングによる静的なものに比べて大きくなる。このため、上記の従来技術の内燃機関用カム軸位相可変装置では大きなヘルツ応力が発生してくさび係合部の耐久性が損なわれる危険があるという問題があった。
本発明の目的は、駆動エネルギの低減を実現すると同時に、カム軸位相の制御範囲が広く、吸気バルブのカム軸に用いてもフェールセーフ性が有り(故障時でもエンジンが始動できる事)、小型・軽量で耐久性の高い内燃機関用カム軸位相可変装置を提供する事にある。
上記の課題を解決するために本発明では、両回転方向のくさび係合を選択的に解除するアクチュエータ手段によりトルク変動を駆動力として利用するカム軸位相可変装置において、くさび部材を直接押し出して係合を解除するアクチュエータ手段に組み込まれた第3の回転部材をブレーキ手段と戻しバネによるトルクの大小関係で両円周方向に直接回転駆動する構成としている。回転運動自体はその位置で無限に続けられるので運動のための空間を特に必要としない。上記構成とすることによりアクチュエータ手段の円周方向の変位幅が大きく取れカムシャフトの回転方向位相の可変幅も大きくすることができる。
また、第3の回転部材に戻しバネを接続する構成とすることによって故障時にあってはカム軸が遅角側に相対位相を変えるようにしてフェールセーフ性を向上させるものとしている。
具体的には、本発明は、エンジンのクランク軸により該クランク軸に同期して回転軸駆動される第1の回転部材と、該第1の回転部材によって回転駆動され、カム軸に連結された第2の回転部材を有し、第1の回転部材と第2の回転部材との相対的な回転方向の位置(相対位相)を制御してクランク軸の回転位相に対するカム軸の回転位相を変えて吸入弁あるいは吐出弁の開閉タイミングを変化させる内燃機関のカム軸位相可変装置において、
第1の回転部材と第2の回転部材のいずれか一方は、円筒面を有し、他方は前記円筒面に対向して多数の、平面状の対向面を持つ閉曲面を有し、前記円筒面と前記対向面との間の空間の円周方向にそれぞれくさび形状部を形成し、双方のくさび形状部にそれぞれくさび部材を配設すると共にくさび部材を押圧する弾性部材を配設して第1回転部材と第2回転部材とについて拘束状態を形成し、ブレーキディスクにブレーキトルクを付与するブレーキ装置を備え、第1の回転部材とほぼ一緒に回転し、ブレーキトルクの方向によってくさび係合状態にあるいずれかのくさび部材を弾性部材の弾性力に抗して押圧してくさび係合状態を選択的に解除する第3の回転部材を備え、第1の回転部材と第2の回転部材の中で円筒面を有する回転部材と第3の回転部材との間に組み込まれて第3の回転部材に回転方向のトルクを与える戻しバネ部材と、および前記ブレーキディスクを介して第3の回転部材に前記ブレーキ装置のブレーキトルクを反回転方向に伝達するブレーキトルク伝達手段とを備える内燃機関のカム軸位相可変装置を提供する。
本発明では更に、くさび部材を従来の円筒コロ形状とせず、円筒の断面である円の半径に対してより大きな曲率半径部分あるいは直線部分により構成される断面形状を持つ柱状立体としている。その断面の大きな曲率半径部分あるいは直線部分がくさび係合を構成する他の部材の円筒面あるいは平面に接触するので、より曲率半径の近い面同士の接触となり、くさび係合時に構成部品に発生するヘルツ応力が低減されて耐久性が向上する。
本発明によれば、駆動エネルギとしてカム軸に発生するトルク変動を利用する省エネルギ型の内燃機関用カム軸位相可変装置において、カム軸位相の制御範囲を拡大することができる。更に、吸入弁用のカムシャフトに用いても故障時のエンジンの始動が可能であるフェールセーフ性を確保し、更に、小型・軽量性、耐久性を向上させるという効果がある。
本実施例ではまた、エンジンのクランク軸で回転駆動されるスプロケットなどの回転部材に平面部を形成し、カム軸に固定される回転部材に円筒面を形成し、それらとその間に組み込まれたくさび部材とでくさび係合をさせる構成としている。このため、くさび部材を押し出して係合を解除する第3の回転部材を直接ブレーキ手段で円周方向に駆動した場合にカム軸の回転位相は進む方向となる。これはブレーキ手段では第3の回転部材を回転駆動できるのはカム軸回転方向と逆方向のみであるので円筒面が形成されカム軸に固定された回転部材がその回転方向へ相対回転するのを阻止するくさび係合のみが解除できるためである。ブレーキ手段のトルクと戻しバネのトルクの互いに逆方向の2つのトルクの大小関係で第3の回転部材を前後に駆動する構成としておけば、ブレーキ手段が故障した時に戻しバネによって第3の回転部材が逆のカム軸回転方向に回転駆動されて上記と逆方向のするくさび係合が解除され、カム軸をスプロケットに対して遅れる方向すなわち遅角方向へ駆動できる事になる。すなわち、本発明のカム軸位相可変装置を吸入弁用のカムシャフトに用いた場合、ブレーキ手段が故障時してもカム軸の位相が自動的に遅角方向に制御されるのでエンジンの始動が可能となりフェールセーフ性が確保される。
以下、本発明の第1実施例である内燃機関用カム軸位相可変装置を図1ないし図5により説明する。図1ないし図3は本発明の実施例1の構造説明図である。図1は実施例1の側断面図であり図2は実施例1の横断面図であるが、それぞれ他方の図におけるA-O-A断面、B-B断面を示している。図3も実施例1の横断面図であるが図1におけるC-C断面、D-D断面、E-E断面を1つの図に表示したものである。図4および図5はいずれも実施例1におけるカム軸位相の制御過程を説明した図であるが、図4はカム軸位相を進角側に変更する過程を説明した図であり、図5は逆に遅角側に変更する過程を説明した図である。
図1ないし図3において、第1の回転部材であるスプロケット1はその外周の歯部1aに噛み合うチェーン(図示せず)を介し1/2に減速されてエンジンのクランク軸により回転駆動される。第2の回転部材である本体ボディ2は一点鎖線で示されるカム軸3の先端部に固定ボルト4により固定されている。スプロケット1はその軸受け部1bが本体ボディ2により回転支持されており、両者は同軸に配置されて回転方位にのみ相対的に変位する。スプロケット1が有する軸方向に延びる突出円筒部32には外周側に向いて多数の平面部1cを持つカム面1dが形成されている。本体ボディ2は、円周外方に突出するかぎ形状部31を有し、このかぎ形状部31の外面に回転バネである戻しバネ13の一方が固着され、他方はカバー15を介してスプロケット1に固定されている。本体ボディ2のかぎ形状部の内方には内周側に向いた円筒面部2aが突出円筒部の平面部1cに対向して形成されている。平面部1cと円筒面部2aの間の空間には円筒形状のくさび部材5が各平面部1cに対して一対ずつ挿入されており、更にそれらの一対のくさび部材5間にバネ部材6が挿入されている。バネ部材6は各くさび部材5を離間する方向に押し出すので、この結果、各くさび部材5が平面部1cと円筒面部2aとの間隔が狭くなる方向に押し込められてくさび係合すると、平面部1cと円筒面部2aすなわちスプロケット1と本体ボディ2とはどちらの回転方位にも相対的に変位する事ができない。スプロケット1における複数の平面部1cの隣り合った2平面の中間の位置に第3の回転部材である保持器7の櫛歯部分7bが配置されている。保持器7の全体にはリング形状部7aと、そこから軸方向に突出した櫛歯部分7b、およびスプロケット1に形成された第1の連絡窓部1eを貫通して反対側に突出したトルク伝達部7cなどの部分がある。保持器の櫛歯部分7bはスプロケットのカム面1dに対して円周方向に相対運動することでその方向にあるくさび部材5を押し出してそのくさび係合を解除する機能を有している。
本体ボディ2によりブレーキディスク8も回転支持されておりブレーキディスク8にはヒステリシスリング9が固定されている。更に、本体ボディ2によりヒステリシスブレーキのステータ10もニードル軸受け11を介して回転支持されており、ステータ10は励磁コイル部10a、ヒステリシスリング9を非接触で挟むヨーク部10bで構成されている。ステータ10は本体ボディ2すなわちカム軸に対して回転できるが静止座標系に対しては回転できぬよう図示されない拘束手段(図示せず)により拘束されている。ブレーキディスク8とヒステリシスリング9、ステータ10によりヒステリシスブレーキが構成され、励磁コイル部10aに流す電流を制御することで、ヨーク部10bに対して回転運動を行っているヒステリシスリング9とブレーキディスク8に作用する反回転方向のブレーキトルクの大きさを調整することができる。
ブレーキディスク8の切欠部8aには前記の保持器のトルク伝達部7cが嵌入されており、第3の回転部材である保持器7には結局ヒステリシスブレーキにより反回転方向のトルクを作用させることができる。
スプロケット1を挟んでブレーキディスク8の反対側には、一端(内周端)が円筒面部2aの形成された本体ボディ2に固定され他端(外周端)がスプロケット1に固定されたぜんまい方式の戻しバネ13が組み込まれている。本実施例では戻しバネ13は一対が互いに180度方向をずらして組み込まれている。戻しバネホルダ12には一対の突出部12aがありそれぞれスプロケット1に形成された第2の連絡窓部1fに向かって突出している。各突出部12aには更にトルク伝達ピン14が固定されスプロケット1の反対側まで突出してブレーキディスク8の長穴部8bに嵌入されている。戻しバネホルダ12と戻しバネ13とはスプロケット1に固定されたカバー15の内部に納められており、特に戻しバネホルダ12の球面状の外周面12bはカバー15の内周面15aによって径方向に支持されている。これらの構成において、戻しバネ13を一対にして180度方向をずらしているのは、本体ボディ2と戻しバネホルダ12との間の作用力をできるだけ完全な偶力として球面状の外周面12bと内周面15aとの間の接触力を減らし、その接触力に伴う摩擦抵抗を減少させるための工夫である。また、戻しバネホルダ12の外周面12bを球面状にして、突出部12aに固定したトルク伝達ピン14を径方向に隙間のできる長穴部8bに嵌入しているのは、戻しバネ13からブレーキディスク8への最終的な作用力もできるだけ完全な偶力として本体ボディ2によるブレーキディスク8の回転支持部に発生する荷重を減らし、その摩擦抵抗を減少させるための工夫である。
以上の構成においてヒステリシスブレーキの励磁コイル10aの電流値を変えてそのブレーキトルクを制御すれば、ブレーキディスク8と本体ボディ2との回転変位あるいは保持器7と本体ボディ2との回転変位を、その回転変位に比例して変化する戻しバネ13によるトルクを利用して自由に制御することが可能である。
これより図4と図5を用いて、実施例1におけるバルブタイミングの制御過程を説明する。図1の左方向すなわちエンジンのフロント側から見て、カム軸は時計方向に回転しているとする。図4と図5もくさび係合を構成する部品の断面をエンジンのフロント側から見ているとする。この時、図1におけるB-B断面である図2内のくさび係合構成部品とは逆方向から見ていることになるので注意されたい。
また、図4と図5はスプロケット1と共に回転しながら観測しているとし、従ってこれらの図でカム軸3と一体になった本体ボディ2が時計方向に回転している時は進角している状態であり、反時計方向に回転している時は遅角している状態である。なお、図4と図5における本体ボディ2の断面部分は方向性のない形状であるので、外周部に旗のマークを固定してその円周方向の動きを見る事ができるようにしてある。
まず、図4(a)〜(d)によりカム軸位相、すなわち、バルブタイミングを進角側に変更する過程を説明する。図4(a)はスタート位置で、ヒステリシスブレーキによるトルクと戻しバネ13によるトルクが釣り合った状態にあり、保持器7は本体ボディ2に対して移動せず両側のくさび部材5のくさび係合はいずれも解除されないので、スプロケット1と本体ボディ2(カム軸3)との相対位置は変わらない。
図4(b)はヒステリシスブレーキのブレーキトルクを増大させた場合である。フロント側から見た本図において全体は時計方向に回転しているので、保持器7はブレーキトルクの増加分により反時計方向に回転し、その方向のくさび部材5のくさび係合を解除する。図4(b)によれば、このくさび係合解除によりスプロケット1に対して本体ボディ2(カム軸3)は時計方向、すなわち進角方向への移動のみが可能な状態となっている。
図4(c)は実際にスプロケット1に対して本体ボディ2(カム軸3)が進角方向へ移動している状態を示す。図4(b)に対する図4(c)の違いは旗マークの位置から判るように本体ボディ2が時計方向に回転している事と保持器7の所に矢印の大きさで示される保持器7の回転駆動トルクの大きさが減少している点である。前記した通り、カム軸3には正負にまたがって発生するトルク変動が作用しており、図4(b)のように一方の方向のくさび係合のみが解除され本体ボディ2が時計方向すなわち進角方向のみの移動が可能な状態では、変動トルクが負の時に本体ボディ2が回転する。なお、ここでカム軸3に作用するトルクはスプロケット1に対して遅らせようとする方向を正、進ませようとする方向を負としている。本体ボディ2が回転したことにより保持器7と本体ボディ2との間の回転変位が増えて戻しバネ13によるトルクが増大するので、図4(b)におけるヒステリシスブレーキのブレーキトルク増大分の一部が相殺されて、矢印で示される保持器7の回転駆動トルクの大きさが減少する。ただし、図4(c)の状態ではまだ保持器7には回転駆動トルクが残っていて一方の方向ののくさび係合を解除しているので、本体ボディ2の進角方向への回転は継続する。
図4(d)は図4(b)でブレーキトルクを増大させた後に本体ボディ2が進角方向への回転して最終的に静止して安定した状態を示す。旗マークの位置から図4(d)では図4(c)よりも更に本体ボディ2が進角方向へ回転しており、その結果、戻しバネ13によるトルクが更に増大し、増大された後のブレーキトルクと釣り合う状態となっている。この位置でスプロケット1と本体ボディ2とは再びくさび部材5により両方向にくさび係合され相対回転しなくなる。もし、本体ボディ2が更に進角方向に回転すると今度は戻しバネ13によるトルクがブレーキトルクよりも大きくなり、保持器7に作用するトルクが図4(b)および図4(c)と逆向きになり、逆方向のくさび係合が解除される。この結果本体ボディ2は図4(d)の位置に戻ってくるので、本体ボディ2はブレーキトルクの増大量に見合った量だけ進角して自動的に安定することになる。
次に、図5(a)〜(d)によりバルブタイミングを遅角側に変更する過程を説明する。図5(a)は図4(a)と同様にスタート位置である。
図5(b)ではヒステリシスブレーキのブレーキトルクを逆に減少させている。フロント側から見た本図において全体は時計方向に回転しているので、保持器7はブレーキトルクの減少分により時計方向に回転し、その方向のくさび部材5のくさび係合を解除する。図5(b)によれば、このくさび係合解除によりスプロケット1に対して本体ボディ2(カム軸3)は反時計方向、すなわち遅角方向への移動のみが可能な状態となっている。
図5(c)は実際にスプロケット1に対して本体ボディ2(カム軸3)が遅角方向へ移動している状態を示す。図5(b)に対する図5(c)の違いは旗マークの位置から判るように本体ボディ2が反時計方向に回転している事と保持器7の所に矢印の大きさで示される保持器7の回転駆動トルクの大きさが減少している点である。前記した通り、カム軸3には正負にまたがって発生するトルク変動が作用しており、図5(b)のように一方の方向のくさび係合のみが解除され本体ボディ2が反時計方向すなわち遅角方向のみの移動が可能な状態では、変動トルクが正の時に本体ボディ2が回転する。ここでカム軸3に作用するトルクの正負の定義は前記の定義と同じである。本体ボディ2が回転したことにより保持器7と本体ボディ2との間の回転変位が減少して戻しバネ13によるトルクも減少するので、図5(b)におけるヒステリシスブレーキのブレーキトルク減少分の一部が相殺されて、矢印で示される保持器7の回転駆動トルクの大きさが減少する。ただし、図5(c)の状態ではまだ保持器7には回転駆動トルクが残っていて一方の方向のくさび係合を解除しているので、本体ボディ2の遅角方向への回転は継続する。
図5(d)は図5(b)でブレーキトルクを減少させた後に本体ボディ2が近く方向への回転して最終的に静止して安定した状態を示す。旗マークの位置から図5(d)では図5(c)よりも更に本体ボディ2が遅角方向へ回転しており、その結果、戻しバネ13によるトルクが更に減少し、減少された後のブレーキトルクと釣り合う状態となっている。この位置でスプロケット1と本体ボディ2とは再びくさび部材5により両方向にくさび係合され相対回転しなくなる。今、本体ボディ2が更に遅角方向に回転すると今度は戻しバネ13によるトルクがブレーキトルクよりも小さくなり、保持器7に作用するトルクが図5(b)および図5(c)と逆向きになり、逆方向のくさび係合が解除される。この結果本体ボディ2は図5(d)の位置に戻ってくるので、本体ボディ2はブレーキトルクの減少量に見合った量だけ遅角して自動的に安定することになる。
以上の結果、この実施例1の構成ではブレーキトルクを増減させることでスプロケット1に対する本体ボディ2すなわちカム軸3の回転位相を進角側にも遅角側にも制御することができる。その際に、両者の相対的な回転運動の動力源となるのは元来カム軸に作用していた変動トルクであり、ブレーキトルクは前記変動トルクを動力として取り出すためのきっかけであり、その必要トルク、消費動力は共に小さくて良い。また、ブレーキトルクを増大させる事で本体ボディ2に対する保持器7の回転方向変位すなわちスプロケット1の回転方向変位を大きくできるので、装置のコンパクト性を犠牲にすることなく制御範囲の広いカム軸位相可変装置を実現できる。またブレーキの故障時には、図5からも判るようにブレーキトルクがなくなる事でカム軸の位相は必ず吸入弁でエンジンの始動性がより確保できる遅角側に自動的に変化するので、吸入弁のカム軸位相可変装置としてのフェールセーフ性を持たせて信頼性を向上させる事ができる。
以上の実施例によれば、エンジンのクランク軸により該クランク軸に同期して回転軸駆動される第1の回転部材と、該第1の回転部材によって回転駆動され、カム軸に連結された第2の回転部材を有し、第1の回転部材と第2の回転部材との相対的な回転方向の位置を制御してクランク軸の回転位相に対するカム軸の回転位相を変えて吸入弁あるいは吐出弁の開閉タイミングを変化させる内燃機関のカム軸位相可変装置は、以下のような構成を有する。
第1の回転部材と第2の回転部材のいずれか一方は、円筒面を有し、他方は前記円筒面に対向して多数の、平面状の対向面を持つ閉曲面を有し、前記円筒面と前記対向面との間の空間の円周方向にそれぞれくさび形状部を形成し、双方のくさび形状部にそれぞれくさび部材を配設すると共にくさび部材を押圧する弾性部材を配設して第1回転部材と第2回転部材とについて拘束状態を形成すること。
ブレーキディスクにブレーキトルクを付与するブレーキ装置を備えること。
第1の回転部材とほぼ一緒に回転し、ブレーキトルクの方向によってくさび係合状態にあるいずれかのくさび部材を弾性部材の弾性力に抗して押圧してくさび係合状態を選択的に解除する第3の回転部材を備えること。
第1の回転部材と第2の回転部材の中で円筒面を有する回転部材と第3の回転部材との間に組み込まれて第3の回転部材に回転方向のトルクを与える戻しバネ部材と、および前記ブレーキディスクを介して第3の回転部材に前記ブレーキ装置のブレーキトルクを反回転方向に伝達するブレーキトルク伝達手段とを備えること。
ブレーキトルクが増大したときに、第3の回転部材は進角側のくさび係合状態を解除して第2の回転部材は、進角側に相対位相を変え、かつブレーキトルクが減少したときに、遅角側のくさび係合状態を解除して第2の回転部材は、遅角側に相対位相を変え得る状態とし、第3の回転部材に作用する回転バネ部材のトルクとブレーキトルクとが平衡すると両方向のくさび係合状態が再び形成されること。
ブレーキトルクが増大したときに、第3の回転部材は回転位相を考えて進角側のくさび係合状態を解除して戻しバネ部のトルクに抗して第2の回転部材は、進角側に相対位相を変え、かつブレーキトルクが減少したときに、遅角側のくさび係合状態を解除して回転バネ部のトルクに抗して第2の回転部材は、遅角側は相対位相を変え、第3の回転部材に作用する回転バネ部材のトルクとブレーキトルクとが平衡すると第3の回転部材はくさび係合状態を再び形成すること。
この場合に、ブレーキ装置は、第1の回転部材にブレーキトルクをブレーキディスクを介して付与する。また、第3の回転部材もブレーキディスクによって作動される。
くさび部材は、前記くさび形状に向けて先端部がくさび形状とされる。
本発明の第2の実施例を図6により説明する。図6は実施例2のくさび係合部分のみを示したもので実施例1における図4あるいは図5に対応するが、実施例1に比べてくさび部材16の断面形状を変更している点のみが異なり他の構成は実施例1と等しい。構成が同一の場合については各部の説明は実施例1の説明を援用する。実施例1におけるくさび部材5の断面形状が円形断面であるのに対してくさび部材16は直線部分16aと大曲率半径部分16bを持つ断面形状であり、特に大曲率半径部分16bの曲率半径はくさび部材5の円筒半径に比べて十分大きくより円筒面部2aの内半径に近い値である。くさび係合時には前記の直線部分16aがスプロケット1の平面部1cに接触し、大曲率半径部分16bが本体ボディ2の円筒面部2aに接触する。
一般にそれぞれ曲率を持った2部材の接触部では、各部材の曲率半径が近い程、その接触部に発生する局部的なヘルツ応力の値が小さい。実施例2のくさび係合部では平面同士による面接触とより近い曲率半径部間の線接触で構成されることになるが、上記の理由で発生する最大ヘルツ応力が緩和され耐久性のより高いカム軸位相可変装置を実現することができる。
本発明の第3の実施例を図7により説明する。図7の実施例3も実施例1に比べてくさび部材17の断面形状を変更している点のみが異なる。くさび部材17は大曲率半径部分17aと大曲率半径部分17bを持つ断面形状であり、各大曲率半径部分の曲率半径はいずれもくさび部材5の円筒半径に比べて十分大きい。くさび係合時には大曲率半径部分17aがスプロケット1の平面部1cに接触し、大曲率半径部分17bが本体ボディ2の円筒面部2aに接触するが、実施例2と同様に発生する最大ヘルツ応力が緩和され耐久性のより高いカム軸位相可変装置を実現することができる。
図8と図9に本発明の第4の実施例を示す。以下、前記の実施例1との違いを中心に構造を説明する。実施例4においてはスプロケット18とブレーキディスク19の間に一対のてこ部材20が組み込まれている。各てこ部材20はスプロケット18に固定された支点ピン21との接触部を支点とし、結合ピン22によるブレーキディスク19とのリンク結合部を力点とし、保持器23のトルク伝達部23cとの接触部を作用点として、てことして機能する。図9中に示す支点と力点間の距離をL、支点と作用点間の距離をL、とする力点に加えた接線方向力F
Figure 0004291207
倍に拡大されて作用点に接線方向力Fとして作用する。また、一対の力点の配置径を
φD、一対の作用点の配置径をφDとした場合、力点における偶力
Figure 0004291207
を発生するヒステリシスブレーキのトルクは作用点における偶力
Figure 0004291207
として
Figure 0004291207

倍に拡大され、トルク伝達部23cを介して保持器23を駆動することになる。図9では

Figure 0004291207
が1よりも小さい値であるが
Figure 0004291207
が十分大きな値であるので、ヒステリシスブレーキのトルクは拡大されて保持器23を駆動することになる。すなわち実施例4のようにてこ機構を組み込むことにより、くさび係合を解除するためのブレーキの必要トルクは低減できブレーキ手段の小型・軽量化が可能になる。ブレーキトルクは元々カム軸3の変動トルクを動力として取り出すためのきっかけである事で小さくて済んだ必要トルクが、実施例4の構造で更に低減できる。
以上の構成によれば、エンジンのクランク軸により該クランク軸に同期して回転軸駆動される第1の回転部材と、該第1の回転部材によって回転駆動され、カム軸に連結された第2の回転部材を有し、第1の回転部材と第2の回転部材との相対的な回転方向の位置(相対位相)を制御してクランク軸の回転位相に対するカム軸の回転位相を変えて吸入弁あるいは吐出弁の開閉タイミングを変化させる内燃機関のカム軸位相可変装置において、
第1の回転部材と第2の回転部材のいずれか一方は、円筒面を有し、他方は前記円筒面に対向して多数の、平面状の対向面を持つ閉曲面を有し、前記円筒面と前記対向面との間の空間の円周方向にそれぞれくさび形状部を形成し、双方のくさび形状部にそれぞれくさび部材を配設すると共にくさび部材を押圧する弾性部材を配設して第1回転部材と第2回転部材とについて拘束状態を形成し、ブレーキディスクにブレーキトルクを付与するブレーキ装置を備え、第1の回転部材とほぼ一緒に回転し、ブレーキトルクの方向によってくさび係合状態にあるいずれかのくさび部材を弾性部材の弾性力に抗して押圧してくさび係合状態を選択的に解除する第3の回転部材を備え、第1の回転部材と第2の回転部材の中で円筒面を有する回転部材と第3の回転部材との間に組み込まれて第3の回転部材に回転方向のトルクを与える戻しバネ部材と、および前記ブレーキディスクを介して第3の回転部材に前記ブレーキ装置のブレーキトルクを反回転方向に伝達するブレーキトルク伝達手段とを備える。
第1または第2の回転部材の中で対向面を有する方の回転部材に支点が固定され、前記ブレーキディスクに力点が設けられ、前記ブレーキトルク伝達手段に作用点が設けられたてこ部材が設けられた内燃機関のカム軸位相可変装置が構成される。
本発明の第1実施例であるカム軸位相可変装置の側断面図断面図で、ブレーキパッド押し付け力が発生していない状態の図。 本発明の第1実施例であるカム軸位相可変装置の横断面図で、図1におけるB-B断面図。 本発明の第1実施例であるカム軸位相可変装置の横断面図で、図1におけるC-C、 D-D、E-Eの断面図。 本発明の第1実施例においてカム軸位相を進角側に変更する過程を説明した図。 本発明の第1実施例においてカム軸位相を遅角側に変更する過程を説明した図。 本発明の第2実施例のくさび係合部分断面図。 本発明の第3実施例のくさび係合部分断面図。 本発明の第4実施例であるカム軸位相可変装置の側断面図。 本発明の第4実施例であるカム軸位相可変装置の横断面図で、図8におけるG-G断面図。
符号の説明
1…スプロケット、1a…ハブ、1b…軸受部、1c…平面部、1d…カム面、1e…第1の連絡窓部、1f…第2の連絡窓部、2…本体ボディ、2a…円筒面部、3…カム軸、4…固定ボルト、5…くさび部材、6…バネ部材、7…保持器、7a…リング形状部、7b…櫛歯部分、7c…トルク伝達部、8…ブレーキディスク、8a…切欠部、8b…長穴部、9…ヒステリシスリング、10…ステータ、10a…励磁コイル部、10b…ヨーク部、11…ニードル軸受け、12…バネホルダ、12a…突出部、12b…外周面、13…戻しバネ、14…トルク伝達ピン、15…カバー、15a…内周面、16…くさび部材、16a…直線部分、16b…大曲率半径部分、17…カバー、17a…大曲率半径部分、17b…大曲率半径部分、18…スプロケット、18a…ハブ、18b…軸受部、18c…平面部、18d…第1の連絡窓部、18e…第2の連絡窓部、19…ブレーキディスク、19a…長穴部、20…てこ部材、21…支点ピン、22…結合ピン、23…保持器、23a…リング形状部、23b…櫛歯部分、23c…トルク伝達部、24…本体ボディ、24a…円筒面部、25…バネホルダ、25a…突出部、25b…外周面、26…フロントボディ。

Claims (5)

  1. エンジンのクランク軸により該クランク軸に同期して回転軸駆動される第1の回転部材と、該第1の回転部材によって回転駆動され、カム軸に連結された第2の回転部材を有し、第1の回転部材と第2の回転部材との相対的な回転方向の位置を制御してクランク軸の回転位相に対するカム軸の回転位相を変えて吸入弁あるいは吐出弁の開閉タイミングを変化させる内燃機関のカム軸位相可変装置において、
    第1の回転部材と第2の回転部材のいずれか一方は、円筒面を有し、他方は前記円筒面に対向して多数の、平面状の対向面を持つ閉曲面を有し、前記円筒面と前記対向面との間の空間の円周方向にそれぞれくさび形状部を形成し、双方のくさび形状部にそれぞれくさび部材を配設すると共にくさび部材を押圧する弾性部材を配設して第1回転部材と第2回転部材とについて拘束状態を形成し、
    ブレーキディスクにブレーキトルクを付与するブレーキ装置を備え、
    このブレーキトルクをブレーキディスクから第1の回転部材とほぼ一緒に回転する第3の回転部材に伝達するブレーキトルク伝達手段を備え、
    第2の回転部材と第3の回転部材との間に組み込まれて前記第3の回転部材に回転方向のトルクを与える戻しバネ部材を備え、装置全体が回転中にブレーキトルク伝達手段を介して伝達されるブレーキトルクと、戻しバネ部材により与えられる回転方向のトルクとによって第3の回転部材に作用するトルクの方向を変化させ、作用するトルクの方向によってくさび係合状態にあるいずれかのくさび部材を弾性部材の弾性力に抗して押圧してくさび係合状態を解除すること
    を特徴とする内燃機関用カム軸位相可変装置。
  2. 請求項1において、第1の回転部材に前記平面状の対向面が形成され、第1の回転部材に支点が固定され、前記ブレーキディスクに力点が設けられ、前記ブレーキトルク伝達手段に作用点が設けられたてこ部材が設けられたことを特徴とする内燃機関のカム軸位相可変装置。
  3. エンジンのクランク軸により該クランク軸に同期して回転軸駆動される第1の回転部材と、該第1の回転部材によって回転駆動され、カム軸に連結された第2の回転部材を有し、第1の回転部材と第2の回転部材との相対的な回転方向の位置を制御してクランク軸の回転位相に対するカム軸の回転位相を変えて吸入弁あるいは吐出弁の開閉タイミングを変化させる内燃機関のカム軸位相可変装置において、
    第1の回転部材と第2の回転部材のいずれか一方は、円筒面を有し、他方は前記円筒面に対向して多数の、平面状の対向面を持つ閉曲面を有し、前記円筒面と前記対向面との間の空間の円周方向にそれぞれくさび形状部を形成し、双方のくさび形状部にそれぞれくさび部材を配設すると共にくさび部材を押圧する弾性部材を配設して第1回転部材と第2回転部材とについて拘束状態を形成し、
    ブレーキディスクにブレーキトルクを付与するブレーキ装置を備え、
    このブレーキトルクをブレーキディスクから第1の回転部材とほぼ一緒に回転する第3の回転部材に伝達するブレーキトルク伝達手段を備え、
    第2の回転部材と第3の回転部材との間に組み込まれて前記第3の回転部材に回転方向のトルクを与える戻しバネ部材を備え、装置全体が回転中にブレーキトルク伝達手段を介して伝達されるブレーキトルクと、戻しバネ部材により与えられる回転方向のトルクとによって第3の回転部材に作用するトルクの方向を変化させ、作用するトルクの方向によってくさび係合状態にあるいずれかのくさび部材を弾性部材の弾性力に抗して押圧してくさび係合状態を解除し、
    ブレーキトルクが増大したときに、第3の回転部材は進角側のくさび係合状態を解除して第2の回転部材は、進角側に相対位相を変え、かつブレーキトルクが減少したときに、遅角側のくさび係合状態を解除して第2の回転部材は、遅角側に相対位相を変え得る状態とし、第3の回転部材に作用する回転バネ部材のトルクとブレーキトルクとが平衡すると両方向のくさび係合状態が再び形成されること
    を特徴とする内燃機関のカム軸位相可変装置。
  4. 請求項3において、第2の回転部材は、円周外方に突出するかぎ形状体部を有し、該かぎ形状体部の外面に前記戻しバネ部材の一方が固定され、他方が戻しバネホルダに固定されることを特徴とする内燃機関のカム軸位相可変装置。
  5. 請求項4において、第の回転部材は、前記かぎ形状体部の内方に形成された空間部に配設され、第3の回転部材は、第1の回転部材を挟んで前記ブレーキディスクに対向することを特徴とする内燃機関のカム軸位相可変装置。
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