JP4289474B2 - 水底着座型コーン試験装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、潜水士によって水中操作する簡易式の水底着座型コーン試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
水底または海底地盤の土質調査に下端部がコーン状になったロッドをその地盤に貫入して、その貫入抵抗を測ることによってその地盤の強度を測るコーン試験が行われている。
【0003】
そこで、従来採用されている一般的な方法には以下の二つの方法があり、その一つは水底に櫓を組んで、その櫓の上に測定器を載せて測定する方法であるが、この場合には水面上に足場等を組むことになるので多くの手間を要し、そのための作業コストが嵩むという問題があった。
【0004】
また、二つ目の方法は、作業船上らか水底にコーン試験機をおろし、作業船の上から貫入操作をするものであり、この場合は遠隔操作によって試験を行なうため、装置が高価になるばかりでなく、その試験操作が難しく、操作に時間がかかるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、水底地盤の強度を試験する際に、潜水士によって簡易に、かつ安全に操作ができ、しかも水面上に足場を組んだり、作業船から試験機を遠隔操作する従来の方法に比べ、調査を簡単に、かつ迅速に行うことができ、しかもその装置のコストを安価にできる水底着座型コーン試験装置を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、潜水士によって水中操作をする水底着座型コーン試験装置において、反力用の重りを配設した下部フレーム上に立設したフレームに、ピニオンギヤを回転させるハンドルとそのピニオンギヤの回転により上下動し、かつストッパによりその位置を維持するラックを取り付け、ラックの下端にロードセルを介在させてコーン測定機を連結すると共に、ロードセルで計測したコーン貫入抵抗のデータを処理する装置を作業船上に配設し、作業船からワイヤーにより水底地盤に載置した重りに、フックを取り付けてワイヤーを重りのフックから取り外し自在として、重りを他の水底地盤上に移動可能とし、作業船と水底地盤上の重りを結ぶワイヤーに、ロードセルとデータを処理する装置とを連絡するケーブルを巻き付け、潜水士と作業船とを連結する空気供給ホースがそれらのワイヤーやケーブルにからまないようにした水底着座型コーン試験装置からなる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の水底着座型コーン試験装置の実施の形態につき説明するが、図1はその一実施形態におけるコーン試験装置における計測システム図であり、図2は図1のコーン測定機9の拡大側面図、図3は図2のA−A方向で示す平面図である。
【0008】
まず、この実施形態のコーン試験装置は水深約10米程度の比較的浅い水底地盤20の調査を簡易に行なうために開発されたものであり、水底地盤20上に設置されるコーン測定機9の操作は潜水士により水中で行なうものであり、このコーン測定機9は、3個の反力用の重り1を配設した3角形状の下部フレーム2と、その下部フレーム2の上に立設したフレーム3と、そのフレーム3に取り付けられたピニオンギヤ4を回転させるハンドル5と、そのハンドル5の回転により上下動するラック6と、そのラック6の下端にロードセル7を介在させて連結するロッド10とコーン先端部8とからなるコーン測定機9とから構成される。
【0009】
さらに、この水底着座型コーン試験装置は、上記のコーン測定機9およびそのロードセル7で計測した水底地盤20に対するコーン貫入抵抗のデータを処理する装置である作業船19上に配設されたデータロガー11とパソコン12とから構成されている。
【0010】
上記の試験装置では、下部フレーム2の中央に立設したフレーム3に取り付けられたハンドル5を潜水士が回すことによりピニオンギヤ4の回転と共にラック6のコーン先端部8が水底地盤20に貫入し、その貫入抵抗のデータをロードセル7を介してケーブル15を通じて作業船19上のデータロガー11が計測して、パソコン12でそのデータを取り込み収録するようになっている。
【0011】
なお、この下部フレーム2の下方の3箇所には、高さ調整可能な水底着座板13を配設しており、これにより下部フレーム2が水底地盤20に着底した時に水平状態になるように水底着座板13の各ねじで高さ調整できるようになっており、またコーン先端部8を水底地盤20に貫入する前に潜水士がハンドル5から手を離してもロッド10の位置が維持されるように、図4の側面図及びそのB−B方向の正面図の図5に示すようなストッパ18が設けられ、ストッパ18の爪がラック6と噛み合い可能になっている。
【0012】
また、図1に示すごとく、ロードセル7とデータロガー11とを連絡するケーブル15を作業船19から水底地盤20に載置した重り16にフック17を介して張設したワイヤー14に巻き付けておくことにより、潜水士が水中作業中に作業船19と潜水士との間を連結する空気供給ホースがケーブル15とからむ危険性を防止しており、水中のコーン測定機9を移動時には、まず、ワイヤー14を重り16のフック17から取り外して重りを他の水底地盤20上に移動した後にワイヤー14をフック17に引っ掛け、その後にコーン測定機9を移動することによって容易に移動可能となっている。
【0013】
次に、図6は本発明の他の実施形態におけるコーン試験装置を示しており、図1の装置とほぼ同様の構成及び機能を有する装置であり、それぞれ同じ部品は同じ符号で示している。即ち、図6の実施形態のごとく、コーン測定機9のロードセル7の荷重データを無線で伝送することも可能であり、この場合、水面上に発信機22を備えたブイ21などの浮体を配置し、ロードセル7と発信機22を連結したケーブル15を、ブイ21から水底面付近まで垂らしたワイヤー14に巻き付け、ワイヤー14の先端を水底地盤20に設置した重り16とフック17を介して連結する。さらに、離れた位置の作業船19上または陸上に受信機を設けてデータロガー11に連絡し、これをパソコン12で処理するものである。
【0014】
【発明の効果】
以上に説明した本発明の水底着座型コーン試験装置によれば、ロードセルとデータロガー等のコーン貫入抵抗のデータを処理する装置とを連絡するケーブルが波浪や潮流の影響で潜水士や作業船のスクリューにからむことがないので、潜水士が安全にコーン測定機を水中操作でき、またこのコーン測定機の押込機構は機械式であるため、試験中のトラブルはとんどなく操作も間であり、計測値は1秒間に1点とれるので水底地盤の深度方向に連続したデータを収集することができる。
【0015】
さらに、本発明の装置では、従来のごとく水面上に足場を設けたり、作業船上から試験装置を遠隔操作する場合に比べ、調査を簡単に、かつ迅速に行なうことができ、しかも装置も安価で提供できて経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の一実施形態における計測システム図である。
【図2】図1のコーン測定機の拡大側面図である。
【図3】図2のA−A方向で示す平面図である。
【図4】図2のストッパの拡大側面図である。
【図5】図4のB−B方向の正面図である。
【図6】本発明の装置の他の実施形態における側面図である。
【符号の説明】
1 重り
2 下部フレーム
3 フレーム
4 ピニオンギヤ
5 ハンドル
6 ラック
7 ロードセル
9 コーン測定機
11 データロガー
12 パソコン
13 水底着底板
14 ワイヤー
15 ケーブル
16 重り
19 作業船
Claims (1)
- 潜水士によって水中操作をする水底着座型コーン試験装置において、反力用の重りを配設した下部フレーム上に立設したフレームに、ピニオンギヤを回転させるハンドルとそのピニオンギヤの回転により上下動し、かつストッパによりその位置を維持するラックを取り付け、ラックの下端にロードセルを介在させてコーン測定機を連結すると共に、ロードセルで計測したコーン貫入抵抗のデータを処理する装置を作業船上に配設し、作業船からワイヤーにより水底地盤に載置した重りに、フックを取り付けてワイヤーを重りのフックから取り外し自在として、重りを他の水底地盤上に移動可能とし、作業船と水底地盤上の重りを結ぶワイヤーに、ロードセルとデータを処理する装置とを連絡するケーブルを巻き付け、潜水士と作業船とを連結する空気供給ホースがそれらのワイヤーやケーブルにからまないようにした水底着座型コーン試験装置。
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