JP4287948B2 - 消化管粘膜付着性抗ヘリコバクター・ピロリ組成物 - Google Patents

消化管粘膜付着性抗ヘリコバクター・ピロリ組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
1983年にヘリコバクター・ピロリ菌(Helicobacter pylori、以下、H.pylori、ヘリコバクター・ピロリ、またはHPと略することもある)が分離されて以来(Lancet、1, 1273(1983))、胃炎や消化性潰瘍との関連が注目されている。これはHPが健常人の胃粘膜および胃の上皮組織では通常認められないにもかかわらず(APMIS, 96, 84(1983))、慢性胃炎あるいは胃潰瘍症例ではその陽性率が高いためである。(Am. J. Gastroenterol., 32, 2283(1987))。
胃・十二指腸潰瘍の治癒率は、H2ブロッカーやプロトンポンプインヒビター(以下PPIと略)の出現により飛躍的に上昇したが、これらの薬剤を用いた適切な治療にもかかわらず改善の見られない難治症例があり、大きな問題となっている。これらの難治性胃潰瘍症例について検討した報告(日消誌、89, 571 (1992))では、HPの産生するアンモニアの影響と思われる胃粘膜内粘液の低下が観察されている。またHPの持続感染が、潰瘍の治癒を遅延させたり、あるいは潰瘍再発に関与しているとの報告がある(Lancet, 335, 1233(1990)、N. Engl. J. Med., 328, 308 (1993))。種々の抗ヘリコバクター・ピロリ活性を有する薬剤が胃、十二指腸潰瘍患者に投与されてきた。たとえば、ヘリコバクター・ピロリに対する抗菌剤としてアモキシシリン、メトロニダゾール、ビスマス硝酸塩、またはテトラサイクリン等が単独あるいは併用して用いられているが、その投与量はかなり大量(例えばアモキシシリンを750mg、またはメトロニダゾール500mgを1日3回づつ投与)のため、しばしば下痢、腹痛、悪心等の副作用を伴う。
【0002】
また、ヘリコバクター・ピロリ菌は自身の産生する尿素分解酵素ウレアーゼにより尿素を分解してアンモニアを生成することが生存に不可欠であるといわれている。従って、ウレアーゼ阻害剤であるヒドロキサム酸誘導体(第15回メディカルケミストリーシンポジウム、第4回医薬化学部会年会講演要旨集、167頁、P−41)、ケイヒからの抽出物(日本薬学会、第117年会講演要旨集27〔H1〕9-5、p81(1997))、flurofamide(Micro. Ecol. Health Dis. 4(suppl.)S145(1991))のようなウレアーゼ阻害剤が抗ヘリコバクター・ピロリ作用を有することが期待される。
薬効成分の効果をより有効に発揮させ、また副作用を軽減するために、例えばアモキシシリンを胃粘膜付着性製剤とすることにより、胃内でのアモキシシリンの滞留時間を延長し、アモキシシリンを適当な速さで放出し、薬効成分を生体により有効に利用させる試みが行われており(WO94/00112号公報)、胃の中に薬効成分を滞留させ長時間接触させることでヘリコバクター・ピロリの除菌率が高くなることを示した(Scand. J. Gastroenterol. 29. 16-42(1994))。
また、抗菌物質および抗潰瘍性物質を、その少なくとも一方を胃粘膜付着性固形製剤として、組み合わせてなる併用療法用製剤が作製されており、該製剤では抗菌物質および抗潰瘍性物質の各薬効が相乗的に増強されることが示されている(特開平7−126189号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の消化管付着性製剤に比べて粘膜付着性に優れ、薬効成分の効果を飛躍的に向上させた医薬組成物を提供するものであり、特に、抗ヘリコバクター・ピロリ活性、副作用、効果持続時間等の点で優れた効果を示し、かつ、より安全性の高い抗ヘリコバクター・ピロリ製剤あるいは消化性潰瘍の予防、治療、再発防止剤、例えば、胃・十二指腸潰瘍治療剤等を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはかかる実情に鑑み、鋭意検討した結果、例えば抗ヘリコバクター・ピロリ剤等の消化管粘膜付着性医薬組成物に、水で粘性を生じる物質の膨潤剤(例えば、カードランおよび/または低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等)を配合することにより、予想外にその抗ヘリコバクター・ピロリ作用等の薬効成分の効果を増強し、かつ安全性が高く消化管粘膜付着性に優れ、薬効成分の効果を飛躍的に向上させた胃・十二指腸潰瘍治療剤等の医薬組成物が得られることを初めて見出した。そしてこれらの知見に基づき本発明を完成した。
即ち、本発明は、
(1)水で粘性を生じる物質の膨潤剤を含有する消化管粘膜付着性医薬組成物、
(2)水で粘性を生じる物質の膨潤剤がカードランおよび/または低置換度ヒドロキシプロピルセルロースである前記(1)記載の医薬組成物、
(3)ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび/または脂質を含むマトリックス製剤である前記(2)記載の医薬組成物、
(4)カードランおよび/または低置換度ヒドロキシプロピルセルロースがマトリックス中に含まれる前記(3)記載の医薬組成物、
(5)マトリックスが顆粒である前記(4)記載の医薬組成物、
(6)抗ヘリコバクター・ピロリ剤である前記(1)記載の医薬組成物、
(7)抗菌剤である前記(1)記載の医薬組成物、
(8)低置換度ヒドロキシプロピルセルロースのヒドロキシプロポキシル基含量が約7.0乃至約13.0%である前記(2)記載の医薬組成物、
(9)脂質が硬化ヒマシ油である前記(3)記載の医薬組成物、
(10)ポリグリセリン脂肪酸エステルが重合度約2乃至約20のポリグリセリンと炭素数約8乃至約40の脂肪酸とのエステルである前記(3)記載の医薬組成物、
(11)ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび/または脂質を組成物中約20乃至約95重量%含有する前記(3)記載の医薬組成物、
(12)ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび/または脂質の含量が医薬組成物中の薬物に対して約0.1乃至約100重量倍である前記(3)記載の医薬組成物、
(13)水で粘性を生じる物質がマトリックス中に含まれる前記(3)記載の医薬組成物、
(14)水で粘性を生じる物質を約0.5乃至約45重量%含有する前記(12)記載の医薬組成物、
(15)ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBが約1乃至約9である前記(3)記載の医薬組成物、
(16)抗ヘリコバクター・ピロリ作用物質を約10乃至約50重量%含有する前記(6)記載の医薬組成物、
(17)マトリックスが水で粘性を生じる物質を含むコーティング剤で被覆されている前記(3)記載の医薬組成物、
【0005】
(18)水で粘性を生じる物質がアクリル酸系重合体またはその塩である前記(13)または(17)記載の医薬組成物、
(19)抗ヘリコバクター・ピロリ作用物質がアモキシシリンである前記(16)記載の組成物、
(20)抗ヘリコバクター・ピロリ作用物質がN−(ジアミノホスフィニル)−5−メチル−2−チオフェンカルボン酸アミドである前記(16)の記載組成物、
(21)抗ヘリコバクター・ピロリ剤がトリプトファニルt−RNA合成酵素阻害剤である前記(6)記載の組成物、
(22)抗ヘリコバクター・ピロリ作用物質がオキサゾロン誘導体である前記(16)記載の組成物、
(23)抗ヘリコバクター・ピロリ作用物質がインドールマイシンである前記(16)記載の組成物、
(24)カードランおよび/または低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含有する、消化管付着性医薬組成物用の消化管粘膜付着増強剤、
(26)消化管粘膜付着性医薬組成物の消化管粘膜付着性をカードランおよび/または低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの使用により増強する方法、
(26)消化管粘膜付着性医薬組成物の消化管粘膜付着増強剤としてのカードランおよび/または低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの使用、
(27)ヘリコバクター・ピロリが関連する消化器系疾患の予防、治療、再発防止剤である請求項6記載の医薬組成物、
(28)(i)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、(ii)アクリル酸重合体またはその塩、および/またはカードラン(iii)ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび/または脂質、および(iv)抗ヘリコバクター・ピロリ作用物質からなる前記(3)記載の医薬組成物、
(29)(i)低置換度ヒドロキシプロピルセルロースのヒドロキシプロポキシル基含量が約7.0%乃至約13.0%であり、(ii)アクリル酸重合体の分子量が約20万乃至約600万であり、(iii)ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび/または脂質がベヘン酸テトラ(ヘキサ)グリセリドおよび/またはテトラグリセリンポリリシノレートであり、かつ(iv)抗ヘリコバクター・ピロリ作用物質がインドールマイシンである前記(28)記載の医薬組成物、
(30)(i)ヒドロキシプロポキシル基含量が約7.0乃至約13.0%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを約1乃至約20重量部、(ii)分子量が約20万乃至約600万のアクリル酸重合体を約1乃至約20重量部、(iii)ベヘン酸テトラ(ヘキサ)グリセリドおよび/またはテトラグリセリンポリリシノレートを約40乃至約90重量部、インドールマシンを約5乃至約40重量部含有する前記(3)記載の医薬組成物等に関する。
【0006】
本発明の消化管粘膜付着性組成物としては、例えば、抗ヘリコバクター・ピロリ作用を示す物質(例えば、抗菌物質、ウレアーゼ阻害物質等)等の薬効成分と水で粘性を生じる物質(以下、粘性物質ということもある)の膨潤剤(例えば、カードランおよび/または低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等)を含有する組成物であり、例えば、消化管粘膜に付着および/または消化管内に滞留(少なくとも胃等の消化管の粘膜に付着および/または胃内に滞留)する、薬効成分(例えば、抗ヘリコバクター・ピロリ作用物質)を適当な速度で放出し、増強された薬効活性(抗ヘリコバクター・ピロリ活性等)を発揮する組成物であることができる。
このような組成物としては、例えば、(a)代表的な薬効成分である抗ヘリコバクター・ピロリ作用物質と(d)粘性物質以外に(b)カードランおよび/または低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含有したもの、また(c)ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび/または脂質を含有する組成物等がある。また、その形状も、本発明の目的が達成される限り特に限定されないが、固形のものが好ましく、とりわけマトリックス状またはマトリックスを含有するもの等が好ましい。例えば、上記(a),(b)と(c)ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび(d)粘性物質を配合してなる消化管粘膜付着性マトリックス;上記(a),(b)成分と(c)脂質および(d)粘性物質を配合してなる消化管粘膜付着性マトリックス等が該マトリックスの好ましい例示である。より好ましくは、(c)ポリグリセリン脂肪酸エステルを配合してなる消化管粘膜付着性マトリックス等が用いられる。
前記(a)乃至(d)の4成分を含有する消化管粘膜付着性マトリックスとしては、ポリグリセリン脂肪酸エステルまたは脂質を含むマトリックスの中に粘性物質が分散しているもの、またはそのマトリックスが粘性物質で被覆されているもの等が好ましい。消化管粘膜付着性マトリックスの融点は例えば約30乃至約120℃、好ましくは約40乃至約120℃である。
【0007】
本発明に用いられるポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、ポリグリセリンと脂肪酸のエステルであるかぎりモノエステルまたはポリエステル(ジエステル、トリエステル等)のいずれでもよい。ポリグリセリン脂肪酸エステルは、結晶多形を示さず、しかも薬効成分との相互作用が殆どないという特性を有するため、共存する薬効成分が殆ど失活せず、長期にわたり安定に保持される。
ポリグリセリンは、「1分子中にn個(環状)〜(n+2)個(直鎖・分枝状)の水酸基と、(n―1)個(直鎖・分枝状)〜n個(環状)のエーテル結合を有する多価アルコール」{“ポリグリセリンエステル”阪本薬品工業株式会社編集、発行(1994年10月4日)}であり、直鎖もしくは分枝状のいずれでもよい。例えば下記式
【化1】
Figure 0004287948
(式中、nは重合度を示し、2以上の整数である。)で表される化合物等が使用できる。nは通常、約2乃至約50、好ましくは約2乃至約20、さらに好ましくは約2乃至約10である。
該ポリグリセリンの具体例としては、例えばジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、ヘプタグリセリン、オクタグリセリン、ノナグリセリン、デカグリセリン、ペンタデカグリセリン、エイコサグリセリン、トリアコンタグリセリン等が挙げられる。これらポリグリセリンの中で例えば、テトラグリセリン、ヘキサグリセリン、デカグリセリン等が汎用される。
脂肪酸としては、例えば、炭素数約8乃至約40、好ましくは約12乃至約25、さらに好ましくは約15乃至約22の飽和または不飽和脂肪酸等が挙げられる。該脂肪酸としては、例えばステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸、カプリル酸、カプリン酸、ベヘン酸等が好ましい。
【0008】
ポリグリセリン脂肪酸エステルの具体例としては、例えばベヘン酸ヘキサ(テトラ)グリセリド、カプリル酸モノ(デカ)グリセリド、カプリル酸ジ(トリ)グリセリド、カプリン酸ジ(トリ)グリセリド、ラウリン酸モノ(テトラ)グリセリド、ラウリン酸モノ(ヘキサ)グリセリド、ラウリン酸モノ(デカ)グリセリド、オレイン酸モノ(テトラ)グリセリド、オレイン酸モノ(ヘキサ)グリセリド、オレイン酸モノ(デカ)グリセリド、オレイン酸ジ(トリ)グリセリド、オレイン酸ジ(テトラ)グリセリド、オレイン酸セスキ(デカ)グリセリド、オレイン酸ペンタ(テトラ)グリセリド、オレイン酸ペンタ(ヘキサ)グリセリド、オレイン酸デカ(デカ)グリセリド、リノール酸モノ(ヘプタ)グリセリド、リノール酸ジ(トリ)グリセリド、リノール酸ジ(トリ)グリセリド、リノール酸ジ(テトラ)グリセリド、リノール酸ジ(ヘキサ)グリセリド、ステアリン酸モノ(ジ)グリセリド、ステアリン酸モノ(テトラ)グリセリド、ステアリン酸ペンタ(テトラ)グリセリド、ステアリン酸モノ(デカ)グリセリド、ステアリン酸トリ(テトラ)グリセリド、ステアリン酸ペンタ(ヘキサ)グリセリド、ステアリン酸トリ(ヘキサ)グリセリド、ステアリン酸デカ(デカ)グリセリド、パルミチン酸モノ(テトラ)グリセリド、パルミチン酸モノ(ヘキサ)グリセリド、パルミチン酸モノ(デカ)グリセリド、パルミチンテ酸トリ(テトラ)グリセリド、パルミチン酸トリ(ヘキサ)グリセリド、パルミチン酸セスキ(ヘキサ)グリセリド、パルミチン酸ペンタ(テトラ)グリセリド、パルミチン酸ペンタ(ヘキサ)グリセリド、パルミチン酸デカ(デカ)グリセリド、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(ポリグリセリンポリリシノレート)等が挙げられる。
【0009】
好ましいポリグリセリン脂肪酸エステルとしては例えばベヘン酸ヘキサ(テトラ)グリセリド(例えば阪本薬品工業(株)製、商品名HB−310、理研ビタミン(株)製、ポエムJ−46B等)、ステアリン酸ペンタ(テトラ)グリセリド(例えば阪本薬品工業(株)製、商品名PS−310等)、ステアリン酸モノ(テトラ)グリセリド(例えば阪本薬品工業(株)製、商品名MS−310等)、ステアリン酸ペンタ(ヘキサ)グリセリド(例えば阪本薬品工業(株)製、商品名PS−500等)、ステアリン酸モノ(デカ)グリセリド、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(ポリグリセリンポリリシノレート(例えば、テトラグリセリンポリリシノレート(例えば阪本薬品工業(株)製、商品名CRS−75等)等))またはそれらの混合物等が挙げられる。
上記のポリグリセリン脂肪酸エステルは単独で、または2種以上、好ましくは2ないし3種の混合物として用いられる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの分子量は、通常約200乃至約5000、好ましくは約300乃至約3000、より好ましくは約2000乃至約3000である。ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLB(親水性親油性バランス(Hydrophile-lipophile balance))は通常約1乃至約22、好ましくは約1乃至約15、さらに好ましくは約1乃至約9、とりわけ好ましくは約1乃至約4程度である。HLBの異なる2種以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを適宜混合して目的とするHLBを調整してもよい。ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBを調整すると、薬効成分の放出性、および溶出性をコントロールできる。
【0010】
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、薬効成分(例えば、抗ヘリコバクター・ピロリ作用物質等)、粘性物質、粘性物質の膨潤剤(例えば、カードランおよび/または低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等)の選択、組み合わせおよび組成物の形態等に応じて適宜選択することができるが、好ましくは常温(約15℃)で固型のものが使用される。ポリグリセリン脂肪酸エステルの融点は、例えば、約15℃乃至約80℃、好ましくは約30℃乃至約75℃、さらに好ましくは約45℃乃至約75℃程度である。
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、薬効成分、医薬組成物の形態に応じて適宜選択することができるが、グリセリンの重合度が約2乃至約16である種々のグリセリン重合体のものが好ましく、特に約2乃至約10のものが好ましい。また、その(重合度+2)個の水酸基の少なくとも1つ、好ましくは約60%以上、好ましくは約80%以上に脂肪酸がエステル結合したものである。該脂肪酸は飽和型が好ましい。炭素数約6乃至約22個、さらに好ましくは約15乃至約25個、とりわけ好ましくは約18個乃至約22個の飽和脂肪酸である。エステル化結合する脂肪酸は同じ種類のものでも、異なる種類のものでもよい。
2種以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを混合物として使用してする固形の本発明組成物を製造する場合、最終目的物である組成物が常温で固型である限り、液状のポリグリセリン脂肪酸エステルと併用してもよい。
消化管粘膜付着性マトリックスとして、ポリグリセリン脂肪酸エステルが用いられる場合、ポリグリセリン脂肪酸エステルの使用量は、例えば、組成物中約5乃至約98重量%、好ましくは約20乃至約95重量%、より好ましくは約40乃至約95重量%である。また、例えば重量換算で、組成物中の薬効成分に対して約0.01乃至約15000倍、好ましくは約0.1乃至約1000倍であり、より好ましくは約0.1乃至約100倍である。
【0011】
本発明に用いられる脂質としては、融点約40乃至約120℃、好ましくは約40乃至約90℃のものが挙げられる。
脂質としては、例えば、炭素数約14乃至約22の飽和脂肪酸(例えばミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸またはその塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩));炭素数約16乃至約22の高級アルコール(例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール等);上記脂肪酸とのモノグリセリド,ジグリセリド、トリグリセリド(例えば、1−モノステアリン、1−モノパルミチン)等である脂肪酸グリセリンエステル;油脂類(例えば、ヒマシ油、綿実油、牛脂等油脂およびこれらの硬化油);ロウ(例えば、ミツロウ、カルナウバロウ、鯨ロウ等);炭化水素類(例えば、パラフィン、マイクロクリスタリン等);ホスホリピッド(例えば、水添レシチン等)等が挙げられる。これらの脂質の中でも、例えば油脂類、ロウ類、炭素数、約14乃至約22の飽和脂肪酸、炭素数約16乃至約22の高級アルコール、炭化水素類等が好ましく、さらに硬化綿実油、硬化ヒマシ油、硬化大豆油、カルナウバロウ、ステアリン酸、ステアリルアルコール、マイクロクリスタリンワックス等が好ましい。特に好ましくは硬化ヒマシ油、カルナウバロウである。
消化管粘膜付着性マトリックスとして脂質が用いられる場合、脂質の使用量は、例えば、組成物中約5乃至約98重量%、好ましくは約20乃至約95重量%、より好ましくは約40乃至約95重量%である。また、例えば重量換算で、組成物中の薬物に対して約0.01乃至約15000倍、好ましくは約0.1乃至約1000倍であり、より好ましくは約0.1乃至約100倍である。
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび脂質は混合して用いてもよく、例えばポリグリセリン脂肪酸エステルとロウ類、ポリグリセリン脂肪酸エステルと硬化油等が用いられる。具体的にはベヘン酸ヘキサ(テトラ)グリセリド、ステアリン酸ペンタ(テトラ)グリセリド、ステアリン酸ペンタ(ヘキサ)グリセリト、カルナウバロウ、硬化ヒマシ油、マイクロクリスタリンワックス、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(ポリグリセリンポリリシノレート(例えば、テトラグリセリンポリリシノレート等))等から選ばれた2種またはおよび3種以上の混合物である。
【0012】
本発明組成物として、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび/または脂質に粘性物質を配合してなる消化管粘膜付着性マトリックス等に用いられる場合、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび脂質の総使用量は、例えば、組成物中約5乃至約98重量%、好ましくは約20乃至約95重量%、より好ましくは約40乃至約95重量%である。また、例えば重量換算で、組成物中の薬物に対して約0.01乃至約15000倍、好ましくは約0.1乃至約1000倍であり、より好ましくは約0.1乃至約100倍である。
さらに前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを含むマトリックスに、脂質を含有させてもよい。脂質としては、製剤上許容しうる水不性溶物質であり、かつ薬物の溶出速度を調整する作用を有するものが用いられる。例えば前記した脂質が挙げられる。
脂質とポリグリセリン脂肪酸エステルとを併用する場合、脂質およびポリグリセリン脂肪酸エステルの使用量は、消化管粘膜への付着性が損なわれない範囲であればよく、例えば、重量換算で、上記した総使用量の範囲内で、脂質はポリグリセリン脂肪酸エステルの約0.01乃至約1000倍、好ましくは約0.1乃至約200倍、さらに好ましくは約0.1乃至約100倍、とりわけ好ましくは約1乃至約10倍である。
【0013】
本発明に用いられる薬効成分としては、消化管粘膜から吸収されるもの、消化管内において直接的にあるいは間接的に作用するものであればよく、例えば抗ヘリコバクター作用物質などが挙げられる。抗ヘリコバクター作用物質としては、例えばヘリコバクター属菌(特にヘリコバクター・ピロリ菌)に対する直接的にあるいは間接的に抗菌活性を有する抗菌作用物質であればよく、例えば抗菌物質や、ヘリコバクター属菌の生存に不可欠であるといわれているウレアーゼを阻害するウレアーゼ阻害物質等が挙げられる。
このような抗菌物質としては例えばペニシリン系抗生物質(例えばアモキシシリン、ベンジルペニシリン、ピペラシリン、メシリナム)、セファロスポリン系抗生物質、マクロライド系抗生物質(例えば、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、ロキスロマイシン、アジスロマイシン等)、テトラサイクリン系抗生物質(例えば、テトラサイクリン、ミノサイクリン等)、アミノグリコシド系抗生物質(例えば、ゲンタマイシン、アミカシン、ストレプトマイシン等)、ビスマス塩(例えば、酢酸ビスマス、クエン酸ビスマス、サリチル酸ビスマス等)、イミダゾール系化合物(例えば、メトロニダゾール、チニダゾール、ミコナゾール等)、キノロン系化合物(例えば、オフロキサシン、サイプロキサン等)、トリプトファニル t−RNA合成阻害物質(例えば、オキサゾロン誘導体、なかでもインドールマイシン等)が用いられ、中でもペニシリン系抗生物質、マクロライド系抗生物質、イミダゾール系化合物、トリプトファニル t−RNA合成阻害物質が好ましく、とりわけアモキシシリン、クラリスロマイシン、インドールマイシン等が繁用される。
ウレアーゼ阻害物質としてはヒドロキサム酸誘導体(例えば、アセトヒドロキサム酸、前記医薬化学部会年会講演要旨集に記載あるいは引用された化合物等)、リン酸アミド誘導体(例えば、Flurofamide(前記 Micro. Ecol. Health Dis.)、Phenylphosphorodiamidate化合物A(参考例2の化合物)等)、Phosphate、Tiol類(例えば、2-Mercaptoetanol等)、ホウ酸、ハロゲン(例えば、Fluoride等)、ケイヒからの抽出物(前記日本薬学会講演要旨集)が挙げられる。
【0014】
本発明に用いられる、粘性物質の膨潤剤は後述する粘性物質を膨潤させるか、あるいは水分による粘性物質の膨潤を促進するものであって、製剤的に許容される物質であれば特に制限されないが、例えばカードラン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が好ましく用いられる。
本発明組成物における、粘性物質の膨潤剤の使用量は消化管粘膜付着性組成物総重量の約0.5乃至約50重量%、好ましくは約1乃至約40重量%、さらに好ましくは約1乃至約30重量%である。
【0015】
本発明に用いられるカードランは微生物(Alcaligenes faecalis var myxogenes 等)が産生する直鎖の水不溶性多糖類(β−1,3−グルカン)であり、カードラン10C3K,13140,12607,12665,13127,13256,13259,13660(New Food Industry, 20巻,No.10,49頁(1978年))等が知られているが、製剤基剤あるいは賦形剤等として製剤学上用い得るものであればいずれでもよく、例えば、カードランN(食品添加物)等が好ましく用いられる。
本発明組成物におけるカードランの使用量は消化管粘膜付着性組成物総重量の約0.5乃至約50重量%、好ましくは約1乃至約40重量%、さらに好ましくは約1乃至約30重量%である。
【0016】
本発明に用いられる低置換度ヒドロキシプロピルセルロースは、セルロースの水酸基がヒドロキシプロポキシル基で置換されており、ヒドロキシプロポキシル基の含量が5.0乃至16.0%と規定されている(第12改正日本薬局方)。ヒドロキシプロポキシル基の含量が前記の範囲内であれば本発明に用いることができるが、例えばL−HPC(信越化学工業(株))等が用いられ、特に、ヒドロキシプロポキシル基の含量が約7.0乃至約13.0%のものが好ましく用いられる。
具体的には、その範囲で置換基の含量および粒度を変化させた品種、例えば、LH−11(ヒドロキシプロポキシル基10.0乃至12.9%、粒度150μmパス98%以上、180μm オン0.5%以下)、LH−20(ヒドロキシプロポキシル基13.0乃至16.0%、粒度75μm パス90%以上、106μm オン1.0%以下)、LH−21(ヒドロキシプロポキシル基10.0乃至12.9%、粒度75μm パス90%以上、106μm オン1.0%以下)、LH−22(ヒドロキシプロポキシル基7.0乃至9.9%、粒度75μm パス90%以上、106μm オン1.0%以下)、LH−31(ヒドロキシプロポキシル基10.0乃至12.9%、平均粒子径30μm 以下、粒度45μm パス50%以上、75μm オン5.0%以下)等を用いることができ、より好ましくはLH−22またはLH−31が用いられる。
本発明組成物における低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの使用量は、消化管粘膜付着性組成物総重量の約0.5乃至約50重量%、好ましくは約1乃至約40重量%、さらに好ましくは約1乃至約30重量%である。
【0017】
本発明に用いられる粘性物質は、水により粘性が発現し、消化管粘膜に対して付着性を示すとともに、製剤的に許容される物質であれば特に制限されないが、水により膨潤し、著しく増粘する物質が好ましい。粘性物質としては、例えば合成ポリマー、天然粘性物質等が挙げられる。
該合成ポリマーとしては20℃における該ポリマーの2%水溶液の粘度が、約3乃至約50000cps、好ましくは約10乃至約30000cps、さらに好ましくは約15乃至約30000cpsを示すものが好適である。但し、中和により増粘する塩基性あるいは酸性のポリマーの場合には、20℃のおける0.2%中和液の粘度が、約100乃至約500000cps、好ましくは約100乃至約200000cps、さらに好ましくは約1500乃至約100000cpsを示すポリマーが好ましい。粘性物質の粘度は、ブルックフィールド型回転粘度計(Brookfield viscometer)をもちいて20℃で測定するものとする。
上記ポリマーとしては、好ましくは酸性ポリマーが挙げられ、その例としては、カルボキシル基、スルホ基またはこれらの塩を有する、ポリマーが挙げられる。特に好ましくは、カルボキシル基またはその塩を有するポリマーである。
【0018】
カルボキシル基またはその塩を有するポリマーとしては、例えばアクリル酸を構成モノマーとするアクリル酸系重合体(共重合体も含む)とその塩(以後、単にアクリル酸重合体と記載することもある)が好ましく挙げられる。該塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、等の1価の金属塩、マグネシウム、カルシウム塩等の2価の金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
アクリル酸系重合体またはその塩としては、カルボキシル基を約58乃至約63重量%を含み、分子量約20万乃至約600万、好ましくは約100万乃至約600万、さらに好ましくは約100万乃至約500万のポリマーが挙げられる。好ましいアクリル酸系重合体またはその塩には、アクリル酸単独重合体とその塩も含まれる。このようなポリマーは、日本薬局方外医薬品成分規格(1986年10月)にカルボキシビニルポリマーとして記載されている。
前記アクリル酸系重合体の具体例としては、例えばカーボマー(商品名:カーボポール(以下、カーボポールと称する)ザ・ビーエフグッドリッチ社(The B. F. Goodrich Company)940、934、934P.941、1342、974P、971P(NF XVIII)、EX214等、ハイビスワコー103、104、105、204(和光純薬株式会社)、NOVEON AA1(The B. F. Goodrich Company)、カルシウムポリカーボフィル(USP XXIII)等が挙げられる。
【0019】
天然粘性物質としては例えばムチン、カンテン、ゼラチン、ペクチン、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ローストビンガム、キサンタンガム、トラガントガム、キトサン、プルラン、ワキシースターチ、スクラルフェート、カードラン、セルロースおよびその誘導体(例、セルローススルフェート等)が挙げられる。好ましくはヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。
本発明で用いられる粘性物質としては、アクリル酸系重合体またはその塩が好ましい。
これらの粘性物質は、単独であるいはこれらの2種以上を併用してもよい。
本発明組成物における粘性物質の使用量は、消化管粘膜付着性医薬組成物中、例えば、約0.005乃至約99重量%、好ましくは約0.5乃至約45重量%、さらに好ましくは約1乃至約30重量%、特に好ましくは約1乃至約25重量%、とりわけ好ましくは約1乃至20重量%である。例えばポリグリセリン脂肪酸エステルおよび/またはは脂質を含むマトリックス中に粘性物質が分散している場合、粘性物質は全重量の約0.005乃至約95重量%、好ましくは約0.5乃至約30重量%、さらに好ましくは約1乃至約25重量%、とりわけ好ましくは約1乃至約20重量%であり、マトリックスが粘性物質で被覆されている場合、全重量の約0.005乃至約95重量%、好ましくは約0.5乃至約30重量%、さらに好ましくは約1乃至約25重量%、なかでも好ましくは約1乃至約20重量%である。
【0020】
本発明組成物が、粘性物質の膨潤剤としてカードランを含有する場合、カードランは粘性物質としても用いうるので、該組成物は他の粘性物質を含有することなく消化管粘膜付着性を有することができる。この場合、カードランは付着性の付与の目的で、上記の範囲を超えて配合してもよい。
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび/または脂質を含むマトリックスの中に粘性物質が分散している消化管粘膜付着性組成物としては、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび/または脂質、粘性物質、カードランおよび/または低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよび薬物が組成物中に分散していればよい。分散方法は自体公知の方法が採用される。
【0021】
以下に、消化管粘膜付着組成物の製造方法を示す。
1)消化管粘膜付着性組成物が常温で固型である場合、消化管粘膜付着性固型組成物の製造方法としては自体公知の手段が採用される。例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび/または脂質を融点以上に加熱して溶融し、粘性物質および抗ヘリコバクター・ピロリ剤、カードランおよび/または低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを同時にまたは別々に添加して分散した後、冷却する方法が挙げられる。加熱温度は例えば、約40℃乃至約150℃、好ましくは約50℃乃至約110℃、さらに好ましくは約50℃乃至約100℃である。前記の方法は慣用の造粒機等を用いればよく、例えば、噴霧冷却、例えば、スプレーチリング等により球形の固型剤(例、顆粒剤、細粒剤)とするのが望ましい。
スプレーチリングは、例えば、10乃至6000回転/分、好ましくは900乃至6000回転/分、より好ましくは1000乃至5000回転/分の高速回転ディスク上に一定流速で、溶融したポリグリセリン脂肪酸エステルおよび/または脂質中に粘性物質、カードランおよび/または低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよび薬物が分散した混合物を滴下することにより、行うことができる。例えば、回転ディスクとしては、例えば、直径5乃至100cm好ましくは、直径10乃至20cmの平滑円盤、例えば、アルミニウム製円盤等が使用できる。また、溶融した前記混合物の滴下速度は、所望する粒径に応じて選択できるが、通常、約1g乃至約1000g/分、好ましくは約2g乃至約200g/分、とりわけ好ましくは約5g乃至約100g/分である。このようにして得られた粒状物は、より真球に近いため、後工程でのコーティング時に、均一なコーティング被膜を効率よく形成できる。
【0022】
前記方法以外に、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび/または脂質中に粘性物質およびカードランおよび/または低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよび薬物を練合等により分散して造粒することにより調製する方法等を採用してもよい。この際使用する溶媒としては、慣用の溶媒(例えば、メタノール、アセトニトリル、クロロホルム等)が挙げられる。
さらに例えば溶融造粒法を用いて該固型組成物を製造してもよい。溶融造粒法としては、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび/または脂質を、それらの融点近傍、例えば融点から約5℃下回る温度範囲で加熱溶融し、上記スプレーチリング等の造粒工程に付し、細粒とし、これと粘性物質および抗ヘリコバクター・ピロリ剤およびカードランおよび/または低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを所望の温度で加熱しながら浮遊または混合させて消化管粘膜付着性マトリックスとする方法等が挙げられる。この場合には、薬物に対する熱の作用を抑制できるので、薬物がペプチドやタンパク等であっても、その成分の失活を抑制しながら固型組成物を容易に得ることができる。
【0023】
ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび/または脂質を含むマトリックスが粘性物質で被覆されている固型組成物は、該固型組成物が粘性物質単独、または粘性物質および粘性物質の膨潤剤(例えば、カードランおよび/または低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等)、好ましくは粘性物質単独、または粘性物質および粘性物質の膨潤剤(例えば、カードランおよび/または低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等)を含有するコーティング剤で被覆されていればよい。コーティング剤は前記ポリグリセリン脂肪酸エステル、前記脂質および水不溶性ポリマーの少なくとも1つの成分を含んでいてもよい。この場合、前記固型組成物中の成分に対して相溶性に乏しいか、相溶しない粘性物質を用いると、粘性物質が分散した被膜で固型組成物を被覆できる。さらにコーティング剤は、前記添加物を含有していてもよい。
【0024】
水不溶性ポリマーとしては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(日本薬局方第12改正)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(信越化学工業(株)製)、カルボキシメチルエチルセルロース(フロイント産業社製,CMEC、日本薬局方外医薬品成分規格1986)、セルロースアセテートトリメリテート(イーストマン(Eastman)社製)、セルロースアセテートフタレート(日本薬局方第12改正)、エチルセルロース(旭化成(株)社製)、アミノアルキルメタクリレートコポリマー(レームファルマ社製、商品名、オイドラギットRS−100、RL−100、RL−PO、RS−PO、RS−30D、RL−30D)、メタアクリル酸アクリル酸エチルコポリマー(レームファルマ社製、商品名、オイドラギットL100−55)、メタアクリル酸メタアクリル酸メチルコポリマー(レームファルマ社製、商品名、オイドラギットL100、S−100)、オイドラギットL30D−55、オイドラギット NE−30D(レームファルマ社製)、ポリビニルアセテート(カラルコン(COLORCON)社製)等が挙げられる。これらの水不溶性ポリマーは1種またはこれらの2種以上の混合物が用いられる。
【0025】
コーティング剤中の粘性物質の使用量は、コーティング剤中の固型分全体の約0.005乃至約100重量%、好ましくは約0.05乃至約95重量%、さらに好ましくは約0.05乃至約30重量%、より好ましくは約1乃至約10重量%である。
またコーティング剤として、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂質および水不溶性ポリマーの少なくとも1つの成分と粘性物質を併用する場合、粘性物質の使用量は、コーティング剤中の固型成分全体に対して、約0.05乃至約95重量%、好ましくは約0.5乃至約95重量%、より好ましくは約0.5乃至約30重量%、さらに好ましくは約5乃至約30重量%、とりわけ好ましくは約5乃至約25%である。
さらにコーティング剤において、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂質および水不溶性ポリマーから選択された2種以上の成分を併用してもよく、この場合、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび/または脂質の総量1重量部に対して、他の成分の使用量は約0.0001乃至約1000重量部、好ましくは約0.01乃至約100重量部、さらに好ましくは約0.01乃至約10重量部である。
コーティング剤の被覆量は、固型組成物の種類、所望する粘膜に対する付着性等に応じて選択できる。固型組成物に対するコーティング量は、例えば錠剤では、約0.1乃至約30重量%、好ましくは約0.5乃至約20重量%であり、細粒剤では約0.1乃至約100重量%、好ましくは約1乃至約50重量%である。
【0026】
被覆に際しては、必要に応じて、一般的に用いられる前記添加剤をコーティング剤に添加して被覆してもよく、コーティング剤と、前記添加剤をそれぞれ別々に用いて被覆してもよい。添加剤の使用量は例えばコーティング剤の固型分に対して約0.1乃至約70重量%、好ましくは約1乃至約50重量%、より好ましくは約20乃至約50重量%である。
被覆方法としては、自体公知の方法、例えば、パンコーティング法、流動コーティング法、転動コーティング法等が採用できる。コーティング剤が水または有機溶媒を含む溶液または分散液である場合には、スプレーコーティング法も採用できる。前記水または有機溶媒の種類は特に制限されず、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;アセトン等のケトン類;クロロホルム、ジクロロメタン、トリクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類等が使用できる。
コーティング剤において、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび/または脂質を用いる場合、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび/または脂質と必要に応じてその他の添加剤とを加熱溶融して混合し、水と混和して乳化した後、固型組成物の表面に噴霧し、乾燥することにより、被覆組成物としてもよい。またコーティングパンのような装置で、予熱した固型組成物にコーティング剤を投入して溶融、展延させることにより被覆組成物としてもよい。
固型組成物は、通常約25乃至約60℃、好ましくは約25乃至約40℃で被覆することができる。
【0027】
被覆に要する時間は、コーティング方法、コーティング剤の特性や使用量、固型組成物の特性等を考慮して適宜選択できる。
消化管粘膜付着性固型組成物において、消化管内で前記粘性物質による粘膜付着性が確保される限り、必要に応じて、さらに、該固型組成物は慣用の胃溶解性または水溶性被覆等で被覆されていてもよい。
本発明の消化管粘膜付着性組成物を含むマトリックスは通常、そのまま、または適当な剤形の製剤にして経口的に投与することができる。かかる経口投与用の固形製剤の剤形としては、例えば細粒剤、顆粒剤、丸剤、前記細粒剤または顆粒剤を打錠した錠剤、カプセル内に前記細粒剤や顆粒剤を充填したカプセル剤の形態等が挙げられる。このうち、細粒剤、顆粒剤が好ましい。
細粒剤の粒径分布は、例えば、10乃至500μmの粒子75重量%以上、500μm以上の粒子5重量%以下、10μm以下の粒子、10重量%以下である。好ましい細粒剤の粒径分布は105乃至500μmの粒子75重量%以上、500μm以上の粒子5重量%以下、74μm以下の粒子、10重量%以下である。顆粒剤の粒径分布は、例えば500乃至1410μmの粒子90重量%以上、177μm以下の粒子5重量%以下である。
【0028】
2)消化管粘膜付着性組成物が液体である場合、消化管粘膜付着性液状組成物の製造方法としては自体公知の手段が採用される。例えば常温で液状のポリグリセリン脂肪酸エステルおよび/または脂質、粘性物質、薬物、粘性物質の膨潤剤(例えば、カードランおよび/または低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等)を同時にまたは別々に添加して分散または溶解する方法等があげられる。
消化管粘膜付着性液状組成物を含有する製剤の形態としては、例えばシロップ剤、乳剤、懸濁剤、カプセル内にシロップ剤、乳剤、懸濁剤を充填したカプセル剤の形態が考えられる。
本発明の組成物中における薬効成分(例えば、抗ヘリコバクター・ピロリ作用物質)の含有割合は約0.005乃至約95重量%、好ましくは約1乃至約95重量%、さらに好ましくは約10乃至約95重量%、特に好ましくは約10乃至約50重量%である。
【0029】
本発明の組成物は毒性も殆どなく安全性に優れ、例えば、ヘリコバクター・ピロリ等を保持する哺乳動物(例えば、ネコ、ウシ、イヌ、ウマ、ヤギ、サル、ヒト等の治療等に有効である。これらの動物の保持するヘリコバクター・ピロリ等の除菌乃至殺菌に著効を奏し、ヘリコバクター・ピロリ等が関連する消化器系疾患の予防、治療、再発防止に有用である。かかる対象疾患としては、例えば、胃炎、消化性潰瘍、胃癌等があげられる。このうち消化性潰瘍の治療に特に有効である。
本発明の消化管粘膜付着性組成物はヒトを含む哺乳動物に通常、経口的に投与することができる。なお所望により、前記したと同様に、薬理学的、製剤学的に許容されうる添加剤(例えば、希釈剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、着色剤、安定剤等)を混合し、またはこれらを用いて製剤化したものを使用することもできる。
前記の消化管粘膜付着性組成物を含む製剤には、互いの薬理活性に悪影響を与えない限り、例えば、抗菌剤、抗潰瘍剤、制酸剤、酸分泌抑制剤、鎮痛剤、栄養剤(ビタミン等)、制酸剤、酸分泌抑制剤等他の薬理活性成分を更に配合してもよい。
該抗菌剤としては、例えば、マクロライド系抗菌剤(例、クラリス、ルリド、アシスロマイシン等)、キノロン系抗菌剤(例、タリヴィッド、オゼックス、バフロキサシン等)、ペニシリン系(例フロペネム等)、セファロスポリン系抗菌剤(例、フルマックス等)等が挙げられる。
該抗潰瘍剤としては、例えば、消化性潰瘍治療薬等が挙げられ、具体的には、例えば、プロトンポンプ阻害薬、H2ブロッカー、粘膜保護型抗潰瘍薬等が挙げられる。
【0030】
プロトンポンプ阻害薬としては、抗潰瘍性を有するベンツイミダゾール系化合物、特に、2−[(ピリジル)−メチルスルフニルまたはメチルチオ]ベンツイミダゾール誘導体またはその塩が挙げられる。具体例として、2−[2−[3−メチル―4−[2,2,2−トリフルオロエトキシ]ピリジル]メチルスルフィニル]ベンツイミダゾール(ランソプラゾール)、2−(2−ピリジル)メチルスルフィニル]ベンツイミダゾール(チモプラゾール)、2−[2−[3,5−ジメチル―4−メトキシピリジル]メチルスルフィニル]−5−メトキシ―1H−ベンツイミダゾール(オメプラゾ―ル)、2−[2−[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピリジル]メチルスルフィニル]−1H−ベンツイミダゾールナトリウム塩、2−[2−[3,4−ジメトキシピリジル]メチルスルフィニル]−5−ジフルオロメトキシ―1H−ベンツイミダゾール(パントプラゾール)等が挙げられる。上記のベンツイミダゾール系化合物またはその塩は、例えば特開昭54−141783号公報、特開昭58−192880号公報、特開昭61−50978号公報、特開昭62−116576号公報、特開平5−59043号公報等に記載の方法およびそれらに準じた方法により製造される。さらに例えば、2−[[o−イソブチルアミノ]ベンジル]スルフィニル]ベンツイミダゾール(レミノン)、2−[4−メトキシ6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン等も挙げられる。
2ブロッカーとしては、例えば2−シアノ―1−メチル―3−[2−[[5−メチルイミダゾール4−イル]メチル]チオ]エチル]グアニジン(シメチジン)、N−[2−[[5−[(ジメチルアミノ)メチル]フラニル]チオ]エチル]−N'−メチル―2−ニトリ―1,1−エテンジアミン(ラニチジン)、(±)−2−(フルフリルスルフィニル)−N−[4−[4−(ピペリジニルメチル)−2−ピリジル]オキシ(z)−2−ブチニル]アセタミド(ロクチジン)等が挙げられる。
粘膜保護型抗潰瘍薬としては、例えば、(z)−7−[(1R.2R.3R)−2−[(E)−(3R)−3−ヒドロキシ―4,4−ジメチル―1−オクテニル]−3−メチル―5−オキソシクロペンチル]−5−ヘプテノン酸(チモプロスチル、ウルスタ―)、1−ブチリックアシド―7−(L−2−アミノブチリックアシド―26−L−アスパルチックアシド―27−L−バリン―29−L−アラニン)カルシトニン(エルカトニン)、3−エチル―7−イソプロピル―1−アズレン―スルフォネ―ト(エグアレンナトリウム)、等が挙げられる。
【0031】
さらに前記組成物を固型製剤に製する場合、固型医薬製剤(例、錠剤、細粒剤、顆粒剤等)の製造に用いられる慣用の添加剤を使用してもよい。添加剤としては、例えば、コーンスターチ、タルク、結晶セルロース(アビセル)、粉糖、ステアリン酸マグネシウム、マンニトール、軽質無水ケイ酸、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、L−システイン等の賦形剤;澱粉、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム粉末、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、プルラン、デキストリン等の結合剤;カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム等の崩壊剤;アルキル硫酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンヒマシ油誘導体等の非イオン系界面活性剤;水酸化マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、スクラルファート等の制酸剤や粘膜保護剤;着色剤;矯味剤;吸着剤;防腐剤;潤滑剤;帯電防止剤等が挙げられる。これらの添加剤の添加量は、粘膜に対する付着量を損なわない範囲で適宜選択される。
本発明の組成物の投与量は剤形、投与方法、あるいは含有する薬効成分の種類によっても異なる。本発明では薬物の投与量を単独投与に比べ、2分の1から20分の1程度に減量できる可能性がある。
【0032】
本製剤は、ヘリコバクター・ピロリ感染に起因する各種消化器系疾患等の治療、予防、再発防止の目的でヒトに経口投与する場合、例えば、薬効成分が抗菌剤であれば、成人に1日当たり薬効成分に換算して約0.1乃至約50mg/kg、好ましくは約0.3乃至約40mg/kg投与すればよく、また薬効成分がウレアーゼ阻害剤であれば、成人に1日当たり薬効成分に換算して約0.05乃至約100mg/kg、好ましくは約0.2乃至約100mg/kg、さらに好ましくは約0.2乃至約20mg/kg、特に好ましくは約0.2乃至約10mg/kg、なかでも好ましくは約0.5乃至約10mg/kg投与すればよい。
さらに、本製剤は、胃炎や消化性潰瘍の治療において、上記したような抗潰瘍剤と別途製剤化したものと同時にあるいは時間差をおいて同一対象に投与することができ、このような併用療法は該疾患の治療や症状の緩解において有用である。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下に実施例、実験例を掲げて本発明をさらに具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
【実施例】
参考例1
5−メチル−2−チオフェンカルボン酸アミド
5−メチル−2−チオフェンカルボアルデヒド2.6g(0.1モル)、塩酸ヒドロキシアミン8.3g(0.12モル)、酢酸ナトリウム9.8g(0.12モル)を酢酸50mlに加え、加熱還流下に13乃至15時間反応した。液体クロマトグラフィー(HPLC)で原料(保持時間13分前後)の消失を確認後、約半量まで減圧濃縮し、濃縮液に濃塩酸100mlを加え60℃で4時間反応した。反応終了後、水100mlを加え氷冷下に30分撹拌した。析出した結晶をろ取し、結晶を氷水100mlで洗浄し、11.6g(82%)の5−メチル−2−チオフェンカルボン酸アミド(HPLCで保持時間:4分前後)を得た。
HPLC分析条件
カラム:GL Sciences製Inertsil ODS−3、5μm、4.6×150mm
溶出液:アセトニトリル:0.05モルリン酸二水素カリウム水溶液=30:70
検出波長:231nm
流速:1.0ml/分
1H-NMR(DMSO-d6)δ:2.54(3H, d, CH3), 7.01(1H, dd, チオフェン-4-H), 7.78(1H, dd, チオフェン-3-H).
【0034】
参考例2
N−(ジアミノホスフィニル)−5−メチル−2−チオフェンカルボン酸アミド
5−メチル−2−チオフェンカルボン酸アミド7.6g(47ミリモル)をトルエン50mlに懸濁して、よく撹拌しながら室温で五塩化リン10.9g(50ミリモル)を加えた。65℃に加熱して30分撹拌した後、氷冷しギ酸2.0mlを滴下した。25℃で30分間撹拌後、減圧下にトルエンを除去した。残留物をテトラヒドロフラン(THF)100mlに溶解し、氷冷下25%アンモニア水17.1mlに加えた。25℃で30分間撹拌後、トルエン100mlを加え、析出した結晶をろ取した。結晶ををTHF50mlおよび水50mlで洗浄した。真空乾燥し、N−(ジアミノホスフィニル)−5−メチル−2−チオフェンカルボン酸アミド6.78g(64%)を得た。
融点285−297℃(分解)
【0035】
実施例1
ウレアーゼ阻害剤含有消化管粘膜付着性製剤の製造
硬化ヒマシ油(フロイント産業(株)、商品名 ラブリワックス101)63.0gおよびベヘン酸ヘキサ(テトラ)グリセリド(阪本薬品工業(株)、商品名 HB−310)5.0gを秤量し、84℃に加熱溶融した。これにN−(ジアミノホスフィニル)−5−メチル−2−チオフェンカルボン酸アミド(以下、化合物Aと称する)4.0g次いでアクリル酸系重合体(和光純薬(株)、商品名 ハイビスワコー104)8.0g、カードラン(武田薬品工業(株))20.0gを順次添加し、84℃に保って15分間攪拌し分散させた。溶融混合物を1950rpm で回転している直径15cmのアルミ製ディスクに10g/分の速度で滴下することにより42/60メッシュ(42メッシュのふるいを通過し、60メッシュのふるいに残留するサイズを示す。以下、同様に略す。)の球状の細粒剤が得られた。
【0036】
実施例2
ウレアーゼ阻害剤含有消化管粘膜付着性製剤の製造
硬化ヒマシ油(フロイント産業(株)、商品名 ラブリワックス101)63.0gおよびベヘン酸ヘキサ(テトラ)グリセリド(阪本薬品工業(株)、商品名 HB−310)5.0gを秤量し、84℃に加熱溶融した。これに化合物A 4.0g次いでアクリル酸系重合体(和光純薬(株)、商品名 ハイビスワコー104)8.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学工業(株)、商品名L−HPC(LH−31))20.0gを順次添加し、84℃に保って15分間攪拌し分散させた。溶融混合物を1950rpm で回転している直径15cmのアルミ製ディスクに10g/分の速度で滴下することにより42/60メッシュの球状の細粒剤が得られた。
【0037】
実施例3
ウレアーゼ阻害剤含有消化管粘膜付着性製剤の製造
ベヘン酸ヘキサ(テトラ)グリセリド(阪本薬品工業(株)、商品名 HB−310)81.5gを秤量し、84℃に加熱溶融した。これに化合物A 0.5g次いでアクリル酸系重合体(和光純薬(株)、商品名 ハイビスワコー104)8.0g、カードラン(武田薬品工業(株))10.0gを順次添加し、84℃に保って15分間攪拌し分散させた。溶融混合物を1950rpm で回転している直径15cmのアルミ製ディスクに10g/分の速度で滴下することにより42/60メッシュの球状の細粒剤が得られた。
【0038】
実施例4
ウレアーゼ阻害剤含有消化管粘膜付着性製剤の製造
硬化ヒマシ油(フロイント産業(株)、商品名 ラブリワックス101)54.0gおよびベヘン酸ヘキサ(テトラ)グリセリド(阪本薬品工業(株)、商品名 HB−310)1.0gを秤量し、84℃に加熱溶融した。これに化合物A 35.0g次いでアクリル酸系重合体(和光純薬(株)、商品名 ハイビスワコー104)5.0g、カードラン(武田薬品工業(株))5.0gを順次添加し、84℃に保って15分間攪拌し分散させた。溶融混合物を1950rpm で回転している直径15cmのアルミ製ディスクに10g/分の速度で滴下することにより42/60メッシュの球状の細粒剤が得られた。
【0039】
実施例5
ウレアーゼ阻害剤含有消化管粘膜付着性製剤の製造
硬化ヒマシ油(フロイント産業(株)、商品名 ラブリワックス101)35.0gおよびベヘン酸ヘキサ(テトラ)グリセリド(阪本薬品工業(株)、商品名 HB−310)1.0gを秤量し、84℃に加熱溶融した。これに化合物A 35.0g次いでアクリル酸系重合体(和光純薬(株)、商品名 ハイビスワコー104)5.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学工業(株)、商品名L−HPC(LH−31))5.0gを順次添加し、84℃に保って15分間攪拌し分散させた。溶融混合物を1950rpm で回転している直径15cmのアルミ製ディスクに10g/分の速度で滴下することにより42/60メッシュの球状の細粒剤が得られた。
【0040】
実施例6
ウレアーゼ阻害剤含有消化管粘膜付着性製剤の製造
硬化ヒマシ油(フロイント産業(株)、商品名 ラブリワックス101)54.0gおよびベヘン酸ヘキサ(テトラ)グリセリド(阪本薬品工業(株)、商品名 HB−310)1.0gを秤量し、84℃に加熱溶融した。これに化合物A 35.0g次いでアクリル酸系重合体(和光純薬(株)、商品名 ハイビスワコー104)5.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学工業(株)、商品名L−HPC(LH−31))5.0gを順次添加し、84℃に保って15分間攪拌し分散させた。溶融混合物を1950rpm で回転している直径15cmのアルミ製ディスクに10g/分の速度で滴下することにより42/60メッシュの球状の細粒剤が得られた。
【0041】
実施例7
ウレアーゼ阻害剤含有消化管粘膜付着性製剤の製造
硬化ヒマシ油(フロイント産業(株)、商品名 ラブリワックス101)76.0gを秤量し、84℃に加熱溶融した。これに化合物A 4.0g次いでアクリル酸系重合体(和光純薬(株)、商品名 ハイビスワコー104) 10.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学工業(株)、商品名L−HPC(LH−31))10.0gを順次添加し、84℃に保って15分間攪拌し分散させた。溶融混合物を1950rpm で回転している直径15cmのアルミ製ディスクに10g/分の速度で滴下することにより42/60メッシュの球状の細粒剤が得られた。
【0042】
実験例1
化合物A含有消化管粘膜付着性製剤の in vivo 抗ヘリコバクター・ピロリ( H.pylori )効果
ヘリコバクター・ピロリ(以下、HPと略称することがある)感染マウス(Crj:ICR)にランソプラゾール(以下、LPZと略称することがある)含有0.5%メチルセルロース懸濁液を皮下投与した。投与30分後に実施例6で得られた化合物A含有消化管粘膜付着性製剤(表1中、AdMMSと表記)、および化合物Aを含む1.0%NaHCO3含有0.5%メチルセルロース懸濁液(表1中、懸濁液と表記)を、化合物AとしてAdMMSは10mg/kg、懸濁液は100mg/kgとなるように一日2回3日間経口投与した。最終投与16時間後に胃を摘出し、胃壁破砕物をHP選択培地に接種して微好気下に4日間培養後、生菌数を測定した。結果を表1に示す。
【表1】
Figure 0004287948
化合物A含有胃粘膜付着性製剤は懸濁液の1/10の投与量で同等の抗H.pylori効果を示した。
【0043】
実施例8
アモキシシリン含有消化管粘膜付着性製剤の製造
硬化ヒマシ油(フロイント産業(株)、商品名 ラブリワックス101)75.0gを秤量し、95℃に加熱溶融した。これにアモキシシリン1.5g次いでアクリル酸系重合体(和光純薬(株)、商品名 ハイビスワコー104)10.0g、カードラン(武田薬品工業(株))13.5gを順次添加し、95℃に保って15分間攪拌し分散させた。溶融混合物を1950rpm で回転している直径15cmのアルミ製ディスクに10g/分の速度で滴下することにより42/60メッシュの球状の細粒剤が得られた。
【0044】
比較例1
アモキシシリン含有消化管粘膜付着性製剤の製造
カルナウバロウ(フロイント産業(株)、商品名 ポリシングワックス−103)88.5gを秤量し、95℃に加熱溶融した。これにアモキシシリン1.5g次いでアクリル酸系重合体(和光純薬(株)、商品名 ハイビスワコー104)10.0gを順次添加し、95℃に保って15分間攪拌し分散させた。溶融混合物を1950rpm で回転している直径15cmのアルミ製ディスクに10g/分の速度で滴下することにより42/60メッシュの球状の細粒剤が得られた。
【0045】
実験例2
アモキシシリン含有消化管粘膜付着性製剤の in vivo 抗ヘリコバクター・ピロリ効果
H.pylori 感染砂ネズミ(MGS/Sea mongolian gerbil)に実施例8で得られたアモキシシリン(AMPC)含有消化管粘膜付着性製剤(表2中、AMPC-AdMMS-8と表記)、比較例1で得られたAMPC含有消化管粘膜付着性製剤(表2中、AMPC-AdMMS-C1と表記)およびAMPCを含む0.5%メチルセルロース懸濁液(表2中、AMPC懸濁液と表記)を、AMPCとして10mg/kgとなるように一日2回3日間経口投与した。最終投与16時間後に胃を摘出し、胃壁破砕物をHP選択培地に接種して微好気下に4日間培養後、生菌数を測定した。結果を表2に示す。表中、NDは検出されなかったことを示す。
【表2】
Figure 0004287948
いずれのAMPC含有消化管粘膜付着性製剤も懸濁液に比べ抗HP効果増強作用を示したが、特に、カードラン配合のAMPC含有消化管粘膜付着性製剤が高い効果を示した。
【0046】
実施例9
ウレアーゼ阻害剤含有胃粘膜付着性製剤の製造
硬化ヒマシ油(フロイン産業(株)、商品名 ラブリワックス101)78.0gを秤量し、84℃に加熱溶融した。これに化合物A 4.0g次いでアクリル酸系重合体(和光純薬(株)、商品名 ハイビスワコー104)8.0g、カードラン(武田薬品工業(株))10.0gを順次添加し、84℃に保って15分間撹拌し分散させた。溶融混合物を1950rpm で回転している直径15cmのアルミ製ディスクに10g/分の速度で滴下することにより42/60メッシュの球状の細粒剤が得られた。
【0047】
実施例10
インドールマイシン含有消化管粘膜付着性製剤の製造
ベヘン酸ヘキサ(テトラ)グリセリド(阪本薬品工業(株)、商品名 HB-310)60.0gを秤量し、80℃に加温溶解した。これにインドールマイシンを30.0gついでアクリル酸系重合体(和光純薬(株)、商品名 ハイビスワコー104)6.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学工業(株)、商品名 L-HPC(LH-31))4.0gを順次添加し、80℃に保って2時間撹拌し分散させた。溶融混合物を3960rpmで回転している直径15cmのアルミ製ディスクに50g/分の速度で滴下することにより42メッシュの篩を通過する球状の細粒剤が得られた。
【0048】
実施例11
インドールマイシン含有消化管粘膜付着性製剤の製造
ベヘン酸ヘキサ(テトラ)グリセリド(阪本薬品工業(株)、商品名 HB-310)55.0gを秤量し、80℃に加温溶解した。これにインドールマイシンを35.0gついでアクリル酸系重合体(和光純薬(株)、商品名 ハイビスワコー104)6.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学工業(株)、商品名 L-HPC(LH-31))4.0gを順次添加し、80℃に保って2時間撹拌し分散させた。溶融混合物を3960rpmで回転している直径15cmのアルミ製ディスクに50g/分の速度で滴下することにより42メッシュの篩を通過する球状の細粒剤が得られた。
【0049】
実施例12
インドールマイシン含有消化管粘膜付着性製剤の製造
硬化ヒマシ油(フロイント産業(株)、商品名 ラブリワックス101)40.0gおよびベヘン酸ヘキサ(テトラ)グリセリド(阪本薬品工業(株)、商品名 HB-310)30.0gを秤量し、85℃に加温溶解した。これにインドールマイシンを10.0gついでアクリル酸系重合体(和光純薬(株)、商品名 ハイビスワコー104)10.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学工業(株)、商品名 L-HPC(LH-31))10.0gを順次添加し、85℃に保って2時間撹拌し分散させた。溶融混合物を2700rpmで回転している直径15cmのアルミ製ディスクに50g/分の速度で滴下することにより42メッシュの篩を通過する球状の細粒剤が得られた。
【0050】
実施例13
インドールマイシン含有消化管粘膜付着性製剤の製造
ベヘン酸ヘキサ(テトラ)グリセリド(阪本薬品工業(株)、商品名 HB-310)87.0gを秤量し、80℃に加温溶解した。これにインドールマイシンを1.0gついでアクリル酸系重合体(和光純薬(株)、商品名 ハイビスワコー104)8.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学工業(株)、商品名 L-HPC(LH-31))4.0gを順次添加し、80℃に保って2時間撹拌し分散させた。溶融混合物を2400rpmで回転している直径15cmのアルミ製ディスクに50g/分の速度で滴下することにより42メッシュの篩を通過する球状の細粒剤が得られた。
【0051】
実施例14
インドールマイシン含有消化管粘膜付着性製剤の製造
ベヘン酸ヘキサ(テトラ)グリセリド(阪本薬品工業(株)、商品名 HB-310)を80℃に加温溶解したものを1800rpmで回転している直径15cmのアルミ製ディスクに50g/分の速度で滴下することにより42/119メッシュの核粒子150gを得た。インドールマイシン250gついでアクリル酸系重合体(和光純薬(株)、商品名 ハイビスワコー104)50g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学工業(株)、商品名 LH-31)50gをHigh Speed Mixerに投入し、約1分間撹拌した。ついで核粒子を加え70℃に保って、500rpmで撹拌することにより42メッシュの篩を通過する球状の細粒剤が得られた。
【0052】
実施例15
インドールマイシン含有消化管粘膜付着性製剤の製造
ベヘン酸ヘキサ(テトラ)グリセリド(阪本薬品工業(株)、商品名 HB-310)59.5gおよびテトラグリセリンポリリシノレート(阪本薬品工業(株)、商品名 CRS-75)0.5gを秤量し、80℃に加温溶解した。これにインドールマイシンを30.0gついでアクリル酸系重合体(和光純薬(株)、商品名 ハイビスワコー104)6.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学工業(株)、商品名 LH-31)4.0gを順次添加し、80℃に保って2時間撹拌し分散させた。溶融混合物を3960rpmで回転している直径15cmのアルミ製ディスクに50g/分の速度で滴下することにより42メッシュの篩を通過する球状の細粒剤が得られた。
【0053】
実施例16
インドールマイシン含有消化管粘膜付着性製剤の製造
ベヘン酸ヘキサ(テトラ)グリセリド(阪本薬品工業(株)、商品名 HB-310)30.0gおよび硬化ヒマシ油(フロイント産業(株)、商品名 ラブリワックス101)40.0gを秤量し、85℃に加温溶解した。これにインドールマイシンを10.0gついでアクリル酸系重合体(和光純薬(株)、商品名 ハイビスワコー104)10.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学工業(株)、商品名 LH-31)10.0gを順次添加し、85℃に保って2時間撹拌し分散させた。溶融混合物を3960rpmで回転している直径15cmのアルミ製ディスクに50g/分の速度で滴下することにより42/119メッシュの球状の細粒剤が得られた。
【0054】
実施例17
インドールマイシン含有消化管粘膜付着性製剤の製造
ベヘン酸ヘキサ(テトラ)グリセリド(阪本薬品工業(株)、商品名 HB-310)30.0gおよび硬化ヒマシ油(フロイント産業(株)、商品名 ラブリワックス101)40.0gを秤量し、85℃に加温溶解した。これにインドールマイシンを10.0gついでアクリル酸系重合体(和光純薬(株)、商品名 ハイビスワコー104)10.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学工業(株)、商品名 LH-22)10.0gを順次添加し、85℃に保って2時間撹拌し分散させた。溶融混合物を3960rpmで回転している直径15cmのアルミ製ディスクに50g/分の速度で滴下することにより42/119メッシュの球状の細粒剤が得られた。
【0055】
実施例18
インドールマイシン含有消化管粘膜付着性製剤の製造
ベヘン酸ヘキサ(テトラ)グリセリド(阪本薬品工業(株)、商品名 HB-310)30.0gおよび硬化ヒマシ油(フロイント産業(株)、商品名 ラブリワックス101)40.0gを秤量し、85℃に加温溶解した。これにインドールマイシンを10.0gついでアクリル酸系重合体(和光純薬(株)、商品名 ハイビスワコー104)10.0g、カードラン(武田薬品工業(株))10.0gを順次添加し、85℃に保って2時間撹拌し分散させた。溶融混合物を3960rpmで回転している直径15cmのアルミ製ディスクに50g/分の速度で滴下することにより42/119メッシュの球状の細粒剤が得られた。
【0056】
比較例2
インドールマイシン含有消化管粘膜付着性製剤の製造
ベヘン酸ヘキサ(テトラ)グリセリド(阪本薬品工業(株)、商品名 HB-310)30.0gおよび硬化ヒマシ油(フロイント産業(株)、商品名 ラブリワックス101)40.0gを秤量し、85℃に加温溶解した。これにインドールマイシンを10.0gついでアクリル酸系重合体(和光純薬(株)、商品名 ハイビスワコー104)10.0g、部分α化デンプン(旭化成工業(株)、商品名 PCS)10.0gを順次添加し、85℃に保って2時間撹拌し分散させた。溶融混合物を3960rpmで回転している直径15cmのアルミ製ディスクに50g/分の速度で滴下することにより42/119メッシュの球状の細粒剤が得られた。
【0057】
比較例3
インドールマイシン含有消化管粘膜付着性製剤の製造
ベヘン酸ヘキサ(テトラ)グリセリド(阪本薬品工業(株)、商品名 HB-310)30.0gおよび硬化ヒマシ油(フロイント産業(株)、商品名 ラブリワックス101)40.0gを秤量し、85℃に加温溶解した。これにインドールマイシンを10.0gついでアクリル酸系重合体(和光純薬(株)、商品名 ハイビスワコー104)10.0g、ヒドロキシプロピルスターチ(フロイント産業(株)、商品名 HPS)10.0gを順次添加し、85℃に保って2時間撹拌し分散させた。溶融混合物を3960rpmで回転している直径15cmのアルミ製ディスクに50g/分の速度で滴下することにより42/119メッシュの球状の細粒剤が得られた。
【0058】
実験例3
インドールマイシン含有消化管粘膜付着性製剤の in vivo 抗ヘリコバクター・ピロリ効果
ヘリコバクター・ピロリ(以下、HPと略称することがある)感染マウス(Crj:ICR)に実施例16,17および18で得られたインドールマイシン含有消化管粘膜付着性製剤(表中、IDM-AdMMS-16、IDM-AdMMS-17およびIDM-AdMMS-18と表記)、比較実施例2および3で得られたインドールマイシン含有消化管粘膜付着性製剤(表中、IDM-AdMMS-C2およびIDM-AdMMS-C3と表記)を、インドールマイシンとして30mg/kgとなるように一日2回1日経口投与した。最終投与16時間後に胃を摘出し、胃破砕物をHP選択培地に接種して微好気下に4日間培養後、生菌数を測定し、除菌率を求めた。結果を表3に示した。
【表3】
Figure 0004287948
膨潤剤としてLH-31、LH-22、カードランを用いた消化管粘膜付着性製剤はPCS、HPSを用いたものに比べ優れた除菌効果を示した。
【0059】
実験例4
インドールマイシン含有消化管粘膜付着性製剤の in vivo 抗ヘリコバクター・ピロリ効果
ヘリコバクター・ピロリ感染スナネズミ(MON/Jms/Gbs)に実施例13で得られたインドールマイシン含有消化管粘膜付着性製剤(表中、AdMMSと表記)、およびインドールマイシンを含む0.5%メチルセルロース懸濁液(表中、懸濁液と表記)を、インドールマイシンとしてAdMMSは1mg/kg、懸濁液は10mg/kgとなるように一日2回7日間経口投与した。最終投与16時間後に胃を摘出し、胃破砕物をHP選択培地に接種して微好気下に4日間培養後、生菌数を測定し、除菌率を求めた。結果を表4に示した。
【表4】
Figure 0004287948
インドールマイシン含有消化管粘膜付着性製剤は懸濁液の1/10の投与量で同等のHP除菌効果を示した。
【0060】
【発明の効果】
粘性物質の膨潤剤を含有する、本発明に係る消化管付着性組成物は消化管粘膜に対する付着性に優れ、薬効成分の効果を飛躍的に向上させる。
とくに、抗ヘリコバクター・ピロリ剤を含有する本発明製剤は、消化管粘膜に付着および/または消化管内に滞留
、とりわけ胃粘膜に付着および/または胃内に滞留して抗ヘリコバクター・ピロリ剤を放出することができ、さらにその除菌、殺菌作用を増強しうるので、ヘリコバクター・ピロリ感染の治療に極めて有用である。また、ヘリコバクター・ピロリ感染に起因する各種消化管疾患(例えば、胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍等)の予防、治療、再発防止においても有用である。

Claims (21)

  1. (A)ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび/または脂質、(B)アクリル酸系重合体またはその塩、(C)カードランおよび/または低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、および(D)薬効成分を含有する消化管粘膜付着性医薬組成物。
  2. ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび/または脂質を含むマトリックス製剤である請求項記載の医薬組成物。
  3. カードランおよび/または低置換度ヒドロキシプロピルセルロースがマトリックス中に含まれる請求項記載の医薬組成物。
  4. マトリックスが顆粒である請求項記載の医薬組成物。
  5. 低置換度ヒドロキシプロピルセルロースのヒドロキシプロポキシル基含量が7.0乃至13.0%である請求項記載の医薬組成物。
  6. 脂質が硬化ヒマシ油である請求項記載の医薬組成物。
  7. ポリグリセリン脂肪酸エステルが重合度2至20のポリグリセリンと炭素数8至40の脂肪酸とのエステルである請求項記載の医薬組成物。
  8. ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび/または脂質を組成物中20乃至95重量%含有する請求項記載の医薬組成物。
  9. ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび/または脂質の含量が医薬組成物中の薬効成分に対して0.1乃至100重量倍である請求項記載の医薬組成物。
  10. アクリル酸系重合体またはその塩がマトリックス中に含まれる請求項記載の医薬組成物。
  11. アクリル酸系重合体またはその塩を0.5乃至45重量%含有する請求項10記載の医薬組成物。
  12. ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBが1至9である請求項記載の医薬組成物。
  13. 薬効成分として抗ヘリコバクター・ピロリ作用物質(インドールマイシンを除く)を10乃至50重量%含有する抗ヘリコバクター・ピロリ剤である請求項1記載の医薬組成物。
  14. マトリックスがアクリル酸系重合体またはその塩を含むコーティング剤で被覆されている請求項記載の医薬組成物。
  15. 抗ヘリコバクター・ピロリ作用物質がアモキシシリンである請求項13記載の医薬組成物。
  16. 抗ヘリコバクター・ピロリ作用物質がN−(ジアミノホスフィニル)−5−メチル−2−チオフェンカルボン酸アミドである請求項13記載の医薬組成物。
  17. 抗ヘリコバクター・ピロリ剤がトリプトファニルt−RNA合成酵素阻害剤である請求項13記載の医薬組成物。
  18. 抗ヘリコバクター・ピロリ作用物質がオキサゾロン誘導体(インドールマイシンを除く)である請求項13記載の組成物。
  19. (A)ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび/または脂質、(B)アクリル酸系重合体またはその塩、および(C)カードランおよび/または低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含有する、消化管付着性医薬組成物用の消化管粘膜付着増強剤。
  20. ヘリコバクター・ピロリが関連する消化器系疾患の予防、治療、再発防止剤である請求項13記載の医薬組成物。
  21. (i)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、(ii)アクリル酸重合体またはその塩、(iii)ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび/または脂質、および(iv)抗ヘリコバクター・ピロリ作用物質(インドールマイシンを除く)を含有する請求項記載の医薬組成物。
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