JP4287575B2 - シート状感光材料の寸法測定装置および測定方法 - Google Patents
シート状感光材料の寸法測定装置および測定方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光を照射し、かつ、この光を受光することによってシート状感光材料の寸法を測定する際に、シート状感光材料に被りが生じることを回避できるシート状感光材料の寸法測定装置および測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
搬送されるシート体の寸法を測定するためにストロボと光学センサで構成された装置が知られている。この装置には、ストロボからシート体に向けて光を照射し、シート体からの反射光をカメラで受光してシート体の端部の位置を検出することによって、シート体の寸法を測定するように構成されたもの(例えば、特開平4−9605号公報参照)や、ストロボおよびセンサをシート体の搬送路を挟むように配置し、ストロボからの光がシート体で遮られる位置をセンサで検出することによって、シート体の寸法を測定するように構成されたもの(例えば、特開平5−52526号公報、特開平6−147836号公報参照)等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したようなストロボと光学センサで構成された装置を用いて、シート状感光材料の寸法を測定する要望があるが、ストロボからの光を感光材料に照射した場合に、該感光材料に被りが生じてしまうおそれがあるため、従来、この装置をシート状感光材料の寸法を測定する目的で使用することは困難であった。
【0004】
本発明は、前記の不都合を解決するためになされたものであり、シート状感光材料の寸法を測定する際に、該シート状感光材料に被りが生じてしまうことを回避することが可能であるとともに、その寸法を高精度に測定することのできるシート状感光材料の寸法測定装置および測定方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るシート状感光材料の寸法測定装置は、搬送路を搬送されているシート状感光材料に対して、前記シート状感光材料に被りが生じない波長領域の光を照射する光源部と、
光軸方向が前記シート状感光材料の搬送される前記搬送路を向くように且つ前記シート状感光材料の搬送方向での先端側および後端側に対応してそれぞれ配置され、前記光源部からの前記光を直接的または間接的に受光する受光部と、
前記先端側および前記後端側の前記各受光部で得られた前記光の輝度に基づいて前記シート状感光材料の前記先端側および前記後端側の各端部の位置を検出し、前記各端部の位置から前記シート状感光材料の前記搬送方向での寸法を測定するデータ処理部と、
前記受光部に近接する部位に配設され、前記搬送路を搬送されている前記シート状感光材料の前記端部が測定位置に到達したことを検出する位置検出部と、
を有し、
前記光源部は、前記位置検出部により前記シート状感光材料の前記端部が前記測定位置に到達したことが確認された場合に、所定時間発光される(請求項1記載の発明)。
【0006】
このため、シート状感光材料の寸法を測定する際に、該シート状感光材料に被りが生じてしまうことを回避することができる。
【0007】
この場合、前記光源部から照射される前記光は、赤外光であってもよい(請求項2記載の発明)。
【0008】
また、前記データ処理部は、前記シート状感光材料の光学的性質に応じて閾値を設定する閾値設定手段と、前記閾値および前記光の輝度に基づいて前記シート状感光材料の端部の位置を検出する端部検出手段とを有している(請求項3記載の発明)。
【0009】
さらに、前記受光部は、前記シート状感光材料の搬送路を貫いた前記光を受光可能な位置に配置され、前記閾値設定手段は、前記シート状感光材料の前記光学的性質としての前記光の透過率に応じて前記閾値を設定している(請求項4記載の発明)。
【0010】
このため、透過率等の光学的性質が異なる種々のシート状感光材料に対して寸法の測定を行うことができるとともに、正確な測定値を得ることが可能である。
【0011】
また、前記データ処理部は、前記端部検出手段で得られた前記端部の位置に基づいて前記シート状感光材料の寸法を求める寸法取得手段と、前記端部検出手段で得られた前記端部の位置に基づいて前記シート状感光材料の傾きを検出する傾き検出手段と、前記寸法取得手段で得られた前記シート状感光材料の寸法に、前記傾き検出手段で得られた前記傾きに基づく補正を施す傾き補正手段とを有している(請求項5記載の発明)。このため、傾いた状態で搬送されているシート状感光材料に対しても、寸法の測定を確実に行うことができる。
【0012】
さらに、前記光源部は、搬送される前記シート状感光材料に対して所定の時間だけ前記光を照射するストロボ光源を有している(請求項6記載の発明)。このため、シート状感光材料を搬送しながら寸法の測定を行うことができ、その結果、測定時間の短縮化を図ることができる。しかも、シート状感光材料の被りを一層確実に防止することができる。
【0013】
この場合、前記ストロボ光源を赤外線LEDで構成することによって、該ストロボ光源の低廉化を図ることが可能となる(請求項7記載の発明)。
【0014】
また、前記シート状感光材料が写真用のフイルムである場合には、前記赤外光の波長を900nm以上としてもよい(請求項8記載の発明)。この場合、写真用のフイルムの被りを確実に防止することができる。
【0015】
さらに、前記受光部は、前記光を2次元的に受光するCCDカメラを有し、前記端部検出手段は、前記CCDカメラで得られた前記輝度の分布から、所定の方向に沿った該輝度の変化率を求め、この変化率を前記閾値と比較することによって、前記シート状感光材料の端部の位置を検出している(請求項9記載の発明)。
この場合、前記閾値を、前記シート状感光材料の有る部分から得られる前記輝度の変化率と、前記シート状感光材料の前記端部から得られる前記輝度の変化率との間の値に設定することにより、前記端部を確実に検出し、これによって、前記シート状感光材料の寸法を高精度に測定することができる(請求項10記載の発明)。
【0016】
さらにまた、前記寸法測定装置は、前記シート状感光材料を挟みながら搬送する少なくとも1組のベルトコンベアを有している(請求項11記載の発明)。このため、搬送中のシート状感光材料にねじれや巻き付きが生じることがなく、寸法の測定を正確に行うことが可能となる。
また、本発明に係るシート状感光材料の寸法測定方法は、搬送路を搬送されているシート状感光材料が測定位置に到達したことを検出するステップと、
前記測定位置に到達した前記シート状感光材料に対して被りが生じない波長領域の光を照射するステップと、
前記シート状感光材料の無い部分、前記シート状感光材料の先端部および後端部、前記シート状感光材料の有る部分をそれぞれ経由した前記光の輝度を測定するステップと、
前記シート状感光材料の搬送方向に対する前記輝度の変化率を求めるステップと、
前記シート状感光材料の有る部分から得られる前記変化率と前記シート状感光材料の先端部および後端部から得られる前記変化率との間の値に設定された閾値と、求められた前記変化率とを比較することで、前記シート状感光材料の先端部および後端部の位置を検出するステップと、
検出された前記シート状感光材料の先端部および後端部の位置から、前記シート状感光材料の搬送方向での寸法を測定するステップと、
を有することを特徴とする(請求項12記載の発明)。
これにより、シート状感光材料の寸法を、被りが生じることなく高精度に測定することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に係るシート状感光材料の寸法測定装置および測定方法について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0018】
図1は、本実施の形態に係るシート状感光材料の寸法測定装置(以下、単に、測定装置とも記す)10の概略的な構成を示している。
【0019】
測定装置10は、それぞれ暗室内に配置された、シート状感光材料12を供給するシート供給部14と、シート状感光材料12を搬送しながらその寸法を測定する寸法測定部16と、寸法が所望の規格から外れているシート状感光材料12を排除する不良排除部18とを備えている。
【0020】
シート供給部14は、感光材料22の原反24から該感光材料22を送り出す送出部25と、送り出された感光材料22を切断してシート状感光材料12を得る切断部26と、得られたシート状感光材料12を上下から挟みながら前記寸法測定部16に送る1組の前ベルトコンベア28a、28bとを備えている。
【0021】
寸法測定部16は、シート状感光材料12を上下から挟みながら搬送する1組のベルトコンベア32a、32bを備えている。そして、ベルトコンベア32a、32bの下側には、所定の時間だけ赤外光を出力するストロボ光源(光源部)34が配置されている。この場合、ストロボ光源34を、マトリックス状に配列された赤外線LEDによって構成するようにしてもよい。
【0022】
ストロボ光源34は、ストロボ電源35から印加される電圧によって発光する。この場合、ストロボ電源35は、後述する画像処理部52からの制御信号に従って、ストロボ光源34に電圧を印加する。
【0023】
ここで、シート状感光材料12を写真用のフイルムとした場合、赤外光を用いることによって、該フイルムの被りを防ぐことができる。特に、レントゲンフイルム(レギュラー、イメージャー)等のフイルムの場合には、図2に示すように、被りの可能性がほぼ無いと見なせる、900nm以上(例えば、900〜1000nm)の波長領域の赤外光を用いることが好ましい。
【0024】
なお、赤外光を出力するストロボ光源34に代えて、シート状感光材料12の被りを防止可能な紫外光を出力するストロボ光源を用いるようにしてもよい。
【0025】
また、ベルトコンベア32a、32bの上側には、ストロボ光源34からの赤外光をそれぞれ2次元的に受光する、入口側CCDカメラ(受光部)36a〜36cおよび出口側CCDカメラ(受光部)38が配置されている。
【0026】
入口側CCDカメラ36a〜36cは、ベルトコンベア32a、32bの入口側において、シート状感光材料12の搬送方向に沿って並ぶように配置されており、一方、出口側CCDカメラ38は、ベルトコンベア32a、32bの出口側に配置されている。そして、入口側CCDカメラ36a〜36cおよび出口側CCDカメラ38は、これらの光軸方向がシート状感光材料12の搬送路を向くように配置されている。
【0027】
なお、入口側CCDカメラ36a〜36cおよび出口側CCDカメラ38によって、シート状感光材料12からの反射光を受光するようにしてもよい。
【0028】
図3に示すように、ベルトコンベア32a、32bは、それぞれ、所定の間隔を隔てて並ぶ複数(例えば、4つ)のベルト42a〜42dを備えている。そして、ストロボ光源34は、例えばベルト42b、42cの下側の位置、すなわち、該ストロボ光源34からの赤外光が、これらベルト42b、42cの間を通過して(すなわち、シート状感光材料12の搬送路を貫いて)上方向に進むような位置に配置されている。
【0029】
また、図3中において、入口側CCDカメラ36a〜36cは、その視野36a′〜36c′内の例えば下側(シート状感光材料12の搬送方向に対する右側)の部分に、ベルト42b、42cの間の領域が含まれるように取り付けられており、一方、出口側CCDカメラ38は、その視野38′内の例えば上側(シート状感光材料12の搬送方向に対する左側)の部分に、ベルト42b、42cの間の領域が含まれるように取り付けられている。すなわち、ストロボ光源34からの赤外光は、入口側CCDカメラ36a〜36cの下側の画素領域で受光され、また、出口側CCDカメラ38の上側の画素領域で受光される。
【0030】
この場合、ベルト42a〜42dの幅は、例えば、約25mmであり、ベルト42a〜42dの間隔は、例えば、約35mmである。また、シート状感光材料12の搬送路上における、入口側CCDカメラ36a〜36cの視野36a′〜36c′および出口側CCDカメラ38の視野38′の大きさは、例えば、約100mm×100mmである。
【0031】
図1に示すように、ベルトコンベア32a、32bの上側における出口側CCDカメラ38の上流側には、フォトセンサ46が設けられている。このフォトセンサ46は、例えば反射型フォトセンサによって構成されており、ベルトコンベア32a、32bの下側に配設された反射板48に向けて光を出力するとともに、この反射板48方向からの光を受光する。そして、フォトセンサ46は、反射板48からの反射光が受光されたかどうかに基づいて、シート状感光材料12の先端部の位置を検出する。
【0032】
図1および図3に示すように、フォトセンサ46は、例えばベルト42aと42bの間隙を介して光の出入力が行われるような位置、すなわち、反射板48がストロボ光源34からの赤外光を遮らないような位置に配置されている。
【0033】
図1に示すように、ストロボ電源35、出口側CCDカメラ38およびフォトセンサ46は、データ処理部を構成する画像処理部52と電気的に接続されている。また、入口側CCDカメラ36a〜36cは、カメラ切替器54を介して画像処理部52と電気的に接続されている。
【0034】
画像処理部52は、後述するように、フォトセンサ46からの検出信号によって、シート状感光材料12の先端部が出口側CCDカメラ38で撮像可能な位置に到達したことを確認すると、ストロボ電源35を介してストロボ光源34を発光させる。そして、出口側CCDカメラ38および入口側CCDカメラ36a〜36cでストロボ光源34からの赤外光が受光されると、この赤外光に基づいて形成された画像データを出口側CCDカメラ38および入口側CCDカメラ36a〜36cから取り込む。
【0035】
この場合、入口側CCDカメラ36a〜36cは、シート状感光材料12の後端部を撮像することができるように、シート状感光材料12の規格長さL0に応じて、カメラ切替器54によって切り替えられる。
【0036】
例えば、図4に示すように、規格長さL0が、430mm、398mm、364mmのシート状感光材料12に対しては、左側の入口側CCDカメラ36aが選択され、規格長さL0が、354mm、302mm、298mm、279mmのシート状感光材料12に対しては、中間に位置する入口側CCDカメラ36bが選択され、規格長さL0が、238mm、201mm、178mmのシート状感光材料12に対しては、右側の入口側CCDカメラ36cが選択される。
【0037】
図1に示すように、画像処理部52には、暗室内に配置された動作確認用ボタン62と、暗室外に配置されたモニタ64およびパーソナルコンピュータ(PC)66とが電気的に接続されている。この場合、モニタ64には、出口側CCDカメラ38および入口側CCDカメラ36a〜36cで得られた画像の情報等が表示される。また、パーソナルコンピュータ66を通じて、画像処理部52の設定等が行われる。
【0038】
また、画像処理部52には、暗室外に配置された設備シーケンサ70が電気的に接続されている。この設備シーケンサ70は、測定装置10を含む設備全体を制御するものである。
【0039】
寸法測定部16の下流側に設けられた不良排除部18は、ベルトコンベア32a、32bから送り出されたシート状感光材料12を搬送する後ベルトコンベア74a、74bを備えている。
【0040】
後ベルトコンベア74a、74bは、設備シーケンサ70からの制御信号に従って開閉するように構成されている。そして、後ベルトコンベア74a、74bが閉じられている場合には、シート状感光材料12は、これら後ベルトコンベア74a、74bによって上下から挟まれた状態で次の工程に送られ、一方、後ベルトコンベア74a、74bが開かれている場合には、シート状感光材料12は、下側の後ベルトコンベア74bに沿って廃棄工程に送られる。
【0041】
次に、測定装置10の、特に画像処理部52で行われる処理について、図5および図6のフローチャートを参照しながら説明する。
【0042】
画像処理部52では、まず、ステップS1〜S4のイニシャルセットが行われる。
【0043】
ステップS1においては、設備シーケンサ70からの指示に基づいて、品種コードの設定が行われる。
【0044】
次に、ステップS2において、アプリケーションの切り替えを指示する設備シーケンサ70からの信号が入力されると、続くステップS3(閾値設定手段)において、アプリケーションの切り替え処理が行われる。このアプリケーションの切り替え処理では、後述する2値化処理に用いられる閾値αの設定等が行われる。
【0045】
この場合、この閾値αは、シート状感光材料12の光学的性質としての赤外光の透過率に応じて設定される。すなわち、この閾値αは、ストロボ光源34から入口側CCDカメラ36a〜36cおよび出口側CCDカメラ38に直接到達した赤外光の輝度のレベルと、シート状感光材料12を透過して入口側CCDカメラ36a〜36cおよび出口側CCDカメラ38に到達した赤外光の輝度のレベルとの境界位置を特定することが可能な値に設定される。
【0046】
ここでは、閾値αは、輝度のレベルの変化率に対応する値として、例えば、α=5〜35%まで、例えば、5%毎の値に設定される。
【0047】
次いで、ステップS4において、設備シーケンサ70からサイズコードが入力される。この場合、このサイズコードによって、シート状感光材料12の規格長さL0が設定され、この規格長さL0に基づいて、入口側CCDカメラ36a〜36cの切り替えが行われる。
【0048】
これらステップS1〜S4のイニシャルセットが終了すると、設備シーケンサ70からの指示に基づいて、シート供給部14、寸法測定部16および不良排除部18が駆動され、シート状感光材料12の寸法の測定が開始される。
【0049】
ステップS5において、フォトセンサ46からの検出信号によって、シート状感光材料12の先端部が所定の測定位置に到達したことが確認されると、次のステップS6において、ストロボ電源35に対して制御信号が出力される。ストロボ電源35は、この制御信号に従って、ストロボ光源34に所定の電圧を印加し、これに伴って、ストロボ光源34からシート状感光材料12に対して赤外光が照射される。
【0050】
この場合、ストロボ光源34を発光させる時間は、シート状感光材料12の寸法を測定する際に要求される精度に応じて決定される。例えば、0.1mm(1×10-4m)の精度が要求されており、かつ、シート状感光材料12が105m/min(1.75m/s)で搬送されている場合には、ストロボ光源34の発光時間は、57μs以下(例えば、50μs)に設定される。
【0051】
次のステップS7において、画像処理部52は、入口側CCDカメラ36a〜36cおよび出口側CCDカメラ38から、これら入口側CCDカメラ36a〜36cおよび出口側CCDカメラ38で撮像された画像(すなわち、受光された赤外光の輝度)に基づく画像データをそれぞれ取り込む。
【0052】
そして、続くステップS8において、この画像データに基づいてシート状感光材料12の寸法を測定する(このステップS8の処理については後述する)。
【0053】
次いで、ステップS9において、前記ステップS8で得られたシート状感光材料12の寸法が、所定の基準を満たすものであるかどうかを判定する。そして、このステップS9における判定結果がOKであった場合(基準を満たす場合)には、前記ステップS5の処理に戻って、次のシート状感光材料12に対する寸法の測定を行う。一方、前記ステップS9における判定結果がNGであった場合(基準を満たさない場合)には、次のステップS10に移行する。
【0054】
ステップS10において、画像処理部52は、設備シーケンサ70に対して異常信号を出力する。このとき、設備シーケンサ70は、後ベルトコンベア74a、74bに対する制御信号として、これら後ベルトコンベア74a、74bを開かせる指示を与える。そして、この指示によって後ベルトコンベア74a、74bが開かれると、不良と判定されたシート状感光材料12が廃棄工程に送られる。なお、不良と判定されなかったシート状感光材料12は、閉じられた後ベルトコンベア74a、74bによって、次の工程に送られる。
【0055】
前記ステップS10の処理の後、前記ステップS5の処理に戻って、次のシート状感光材料12に対する寸法の測定を行う。
【0056】
次に、前記ステップS8の処理について詳細に説明する。
【0057】
図6に示す、前記ステップS8のサブルーチンでは、まず、ステップS21(端部検出手段)において、シート状感光材料12の端部の位置が検出される。
【0058】
具体的に説明すると、画像処理部52では、図7に示すように、出口側CCDカメラ38で得られた画像データおよび入口側CCDカメラ36a〜36cのいずれか1つで得られた画像データから、合成画像データ80が形成される。
【0059】
この合成画像データ80の上側の領域80aは、出口側CCDカメラ38の、図3中、上側の画素範囲で得られた画像データで構成され、一方、合成画像データ80の下側の領域80bは、入口側CCDカメラ36a〜36cのいずれか1つにおける、図3中、下側の画素範囲で得られた画像データで構成されている。
【0060】
この場合、合成画像データ80に対しては、上下のそれぞれの領域80a、80bにおいて、例えば、7本のラインツール82が設定されている。このラインツール82の間隔は、シート状感光材料12の搬送路上における寸法に換算すると、例えば約5mmである。また、これら7本のラインツール82は、シート状感光材料12の搬送方向に沿って設けられており、ラインツール82上の座標は、シート状感光材料12の搬送路上における座標と対応している。
【0061】
また、合成画像データ80の上側の領域80aには、シート状感光材料12の先端部の近傍部分を透過して出口側CCDカメラ38で受光された赤外光の輝度レベルのデータDaaと、ストロボ光源34から直接到達して出口側CCDカメラ38で受光された赤外光の輝度レベルのデータDabとが含まれている。
【0062】
一方、合成画像データ80の下側の領域80bには、シート状感光材料12の後端部の近傍部分を透過して入口側CCDカメラ36a〜36cで受光された赤外光の輝度レベルのデータDbaと、ストロボ光源34から直接到達して入口側CCDカメラ36a〜36cで受光された赤外光の輝度レベルのデータDbbとが含まれている。
【0063】
すなわち、合成画像データ80は、輝度レベルの分布を表すデータとして構成されている。
【0064】
この場合、画像処理部52の端部検出手段は、ラインツール82における、シート状感光材料12の先端部および後端部にそれぞれ対応する座標βa、βbを、合成画像データ80中の輝度レベルおよび前記ステップS3で設定された閾値αに基づく2値化処理によって特定する。
【0065】
例えば、図8に示すように、ラインツール82に沿って、輝度レベルの変化率を求め、この変化率が閾値αを上回るときの座標を、先端部側から座標βa、βbとして特定する。この場合、輝度レベルの変化率は、シート状感光材料12の先端部および後端部でピークを示すため、このピークの位置を検出するように閾値αを設定することにより、座標βa、βbを高精度に特定することができる。
【0066】
そして、これら座標βa、βbから、シート状感光材料12の先端部および後端部が実際に位置する座標(すなわち、シート状感光材料12の搬送路上の座標)を検出する。
【0067】
次いで、ステップS22(寸法取得手段)において、前記ステップS21で得られたシート状感光材料12の先端部および後端部の実際の座標に基づいて、シート状感光材料12の寸法、特に長さ(測定長さ)Lが検出される。
【0068】
続いて、ステップS23(傾き検出手段)において、前記ステップS21で得られた座標βa、βbのずれから、シート状感光材料12の傾き角θを検出する。
【0069】
例えば、図9に示すように、特定の2つのラインツール82a、82bの間隔をAとし、ラインツール82a、82bに沿った方向におけるこれらラインツール82a、82b上の座標βa(それぞれ、座標βaa、βabとする)や座標βb(それぞれ、座標βba、βbbとする)のずれ寸法をBとした場合、傾き角θは、θ=arctan(B/A)として求められる。
【0070】
次いで、ステップS24(傾き補正手段)において、前記ステップS22で得られた測定長さLを、前記ステップS23で得られた傾き角θに基づいて補正することによって、シート状感光材料12の実際の長さ(実長さ)Lrが得られる。この場合、実長さLrは、Lr=L×cosθとして求められる。なお、傾き角θが所定の値より小さい場合に、このステップS24の処理を行わないようにしてもよい。
【0071】
このように、本実施の形態においては、ストロボ光源34からシート状感光材料12に対して、該シート状感光材料12に被りが生じない波長領域の赤外光を照射し、この赤外光を入口側CCDカメラ36a〜36cおよび出口側CCDカメラ38で取り込むことによって、シート状感光材料12の端部の位置を検出し、さらに、この端部の位置からシート状感光材料12の寸法を測定するようにしている。このため、シート状感光材料12の寸法を測定する際に、該シート状感光材料12に被りが生じることが防止される。
【0072】
また、入口側CCDカメラ36a〜36cおよび出口側CCDカメラ38からの画像データに対する2値化処理を行う際に用いられる閾値αを、シート状感光材料12の光学的性質としての赤外光の透過率に応じて設定するようにしているため、透過率が異なる種々のシート状感光材料に対する寸法の測定を正確に行うことができる。
【0073】
さらに、2値化処理を経て得られたシート状感光材料12の端部に対応する座標βa、βbのずれから、シート状感光材料12の傾き角θを検出し、この傾き角θに基づいて、シート状感光材料12の寸法の測定値を補正するようにしているため、傾いた状態で搬送されているシート状感光材料12に対しても、寸法の測定を確実に行うことができる。
【0074】
さらにまた、ストロボ光源34からは、所定の時間だけ赤外光が出力されるため、シート状感光材料12を搬送しながら寸法の測定を行うことができ、その結果、測定時間の短縮化を図ることができる。しかも、シート状感光材料12の被りを一層確実に防止することができる。
【0075】
またさらに、シート状感光材料12は、寸法の測定の際に、ベルトコンベア32a、32bに挟まれながら搬送されるため、搬送中のシート状感光材料12にねじれや巻き付きが生じることがなく、寸法の測定を正確に行うことが可能となる。
【0076】
また、ストロボ光源34をマトリックス状に配列された赤外線LEDで構成することによって、ストロボ光源34を低コストで構成することが可能となる。
【0077】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明に係るシート状感光材料の寸法測定装置および測定方法によれば、赤外光を用いてシート状感光材料の寸法の測定を行うようにしているため、該シート状感光材料に被りが生じてしまうことを確実に回避することができる。
また、検出した輝度の分布から変化率を求め、この変化率と所定の閾値とを比較することにより、シート状感光材料の先端部および後端部の位置を確実に求めることができるため、これによって、シート状感光材料の寸法を高精度に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るシート状感光材料の寸法測定装置の概略的な構成を示すブロック図である。
【図2】赤外光の波長と、写真用のフイルムの被りとの関係を示す表である。
【図3】図1の測定装置を構成する寸法測定部の要部を示す平面図である。
【図4】シート状感光材料の規格長さと出口側CCDカメラおよび入口側CCDカメラの配置位置との関係を示す説明図である。
【図5】測定装置の、特に画像処理部で行われる処理を示すフローチャートである。
【図6】測定装置の、特に画像処理部で行われる処理を示すフローチャートである。
【図7】画像処理部で形成される合成画像データの構成を示す説明図である。
【図8】輝度レベルの変化率に基づいて行われる2値化処理を概略的に示す説明図である。
【図9】シート状感光材料の傾き角を求める処理を概略的に示す説明図である。
【符号の説明】
10…測定装置 12…シート状感光材料
14…シート供給部 16…寸法測定部
18…不良排除部 32a、32b…ベルトコンベア
34…ストロボ光源 35…ストロボ電源
36a〜36c…入口側CCDカメラ
38…出口側CCDカメラ 42a〜42d…ベルト
52…画像処理部 54…カメラ切替器
70…設備シーケンサ 74a、74b…後ベルトコンベア
80…合成画像データ 82、82a、82b…ラインツール
L…測定長さ Lr…実長さ
α…閾値 θ…傾き角
Claims (12)
- 搬送路を搬送されているシート状感光材料に対して、前記シート状感光材料に被りが生じない波長領域の光を照射する光源部と、
光軸方向が前記シート状感光材料の搬送される前記搬送路を向くように且つ前記シート状感光材料の搬送方向での先端側および後端側に対応してそれぞれ配置され、前記光源部からの前記光を直接的または間接的に受光する受光部と、
前記先端側および前記後端側の前記各受光部で得られた前記光の輝度に基づいて前記シート状感光材料の前記先端側および前記後端側の各端部の位置を検出し、前記各端部の位置から前記シート状感光材料の前記搬送方向での寸法を測定するデータ処理部と、
前記受光部に近接する部位に配設され、前記搬送路を搬送されている前記シート状感光材料の前記端部が測定位置に到達したことを検出する位置検出部と、
を有し、
前記光源部は、前記位置検出部により前記シート状感光材料の前記端部が前記測定位置に到達したことが確認された場合に、所定時間発光されることを特徴とするシート状感光材料の寸法測定装置。 - 請求項1記載のシート状感光材料の寸法測定装置において、
前記光源部から照射される前記光は、赤外光である
ことを特徴とするシート状感光材料の寸法測定装置。 - 請求項1または2記載のシート状感光材料の寸法測定装置において、
前記データ処理部は、
前記シート状感光材料の光学的性質に応じて閾値を設定する閾値設定手段と、
前記閾値および前記光の輝度に基づいて前記シート状感光材料の前記各端部の位置を検出する端部検出手段と、
を有することを特徴とするシート状感光材料の寸法測定装置。 - 請求項3記載のシート状感光材料の寸法測定装置において、
前記受光部は、前記シート状感光材料の搬送路を貫いた前記光を受光可能な位置に配置され、
前記閾値設定手段は、前記シート状感光材料の前記光学的性質としての前記光の透過率に応じて前記閾値を設定する
ことを特徴とするシート状感光材料の寸法測定装置。 - 請求項3または4記載のシート状感光材料の寸法測定装置において、
前記データ処理部は、
前記端部検出手段で得られた前記端部の位置に基づいて前記シート状感光材料の寸法を求める寸法取得手段と、
前記端部検出手段で得られた前記端部の位置に基づいて前記シート状感光材料の傾きを検出する傾き検出手段と、
前記寸法取得手段で得られた前記シート状感光材料の寸法に、前記傾き検出手段で得られた前記傾きに基づく補正を施す傾き補正手段と、
を有することを特徴とするシート状感光材料の寸法測定装置。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載のシート状感光材料の寸法測定装置において、
前記光源部は、搬送される前記シート状感光材料に対して所定の時間だけ前記光を照射するストロボ光源を有する
ことを特徴とするシート状感光材料の寸法測定装置。 - 請求項6記載のシート状感光材料の寸法測定装置において、
前記ストロボ光源は、赤外線LEDで構成されている
ことを特徴とするシート状感光材料の寸法測定装置。 - 請求項2〜7のいずれか1項に記載のシート状感光材料の寸法測定装置において、
前記シート状感光材料は、写真用のフイルムであり、
前記赤外光の波長は、900nm以上である
ことを特徴とするシート状感光材料の寸法測定装置。 - 請求項3〜8のいずれか1項に記載のシート状感光材料の寸法測定装置において、
前記受光部は、前記光を2次元的に受光するCCDカメラを有し、
前記端部検出手段は、前記CCDカメラで得られた前記輝度の分布から、所定の方向に沿った該輝度の変化率を求め、この変化率を前記閾値と比較することによって、前記シート状感光材料の端部の位置を検出する
ことを特徴とするシート状感光材料の寸法測定装置。 - 請求項9記載のシート状感光材料の寸法測定装置において、
前記閾値は、前記シート状感光材料の有る部分から得られる前記輝度の変化率と、前記シート状感光材料の前記端部から得られる前記輝度の変化率との間の値に設定されることを特徴とするシート状感光材料の寸法測定装置。 - 請求項1〜10のいずれか1項に記載のシート状感光材料の寸法測定装置において、
さらに、前記シート状感光材料を挟みながら搬送する少なくとも1組のベルトコンベアを有する
ことを特徴とするシート状感光材料の寸法測定装置。 - 搬送路を搬送されているシート状感光材料が測定位置に到達したことを検出するステップと、
前記測定位置に到達した前記シート状感光材料に対して被りが生じない波長領域の光を照射するステップと、
前記シート状感光材料の無い部分、前記シート状感光材料の先端部および後端部、前記シート状感光材料の有る部分をそれぞれ経由した前記光の輝度を測定するステップと、
前記シート状感光材料の搬送方向に対する前記輝度の変化率を求めるステップと、
前記シート状感光材料の有る部分から得られる前記変化率と前記シート状感光材料の先端部および後端部から得られる前記変化率との間の値に設定された閾値と、求められた前記変化率とを比較することで、前記シート状感光材料の先端部および後端部の位置を検出するステップと、
検出された前記シート状感光材料の先端部および後端部の位置から、前記シート状感光材料の搬送方向での寸法を測定するステップと、
を有することを特徴とするシート状感光材料の寸法測定方法。
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