JP4286623B2 - プラズマ表面処理方法及び処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プラズマ表面処理方法及び処理装置に関し、詳しくは、放電により活性化した気体を被処理物の表面を処理するプラズマ表面処理方法及び処理装置に関する。
プラズマ放電により生成される化学的に活性な励起活性種を含む気体を被処理物に噴きつけることにより、被処理物の表面に種々の処理(エッチング、アッシング、改質、薄膜形成など)を施すプラズマ表面処理を、真空を使わずに行うことが提案されている。一般に、プラズマ放電で発生した励起活性種は大気圧下では寿命が短いため、短時間で被処理物表面に到達させるように、プラズマ発生部から被処理物までの気体の流路は、直線状に構成されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許3207469号公報 特開平11−335868号公報
しかし、上記のように流路を直線状に構成すると、被処理物を処理できる面積が限られる。そのため、広い面積を同時に処理するためには、プラズマ発生部と流路との組み合わせを多数設ける必要があるが、互いに接近して配置することが困難であるなど、構成は容易でない。また、大量に処理する場合には、できるだけ気体の利用効率を高めることが求められる。
本発明は、上記に鑑み、処理面積を拡大し、気体の利用効率を高めることができるプラズマ表面処理方法及び処理装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、上記目的を達成するために、以下のプラズマ表面処理方法及び処理装置を提供する。
本発明のプラズマ表面処理方法は、対向する電極間に設けた流路に気体を流す第1ステップと、前記電極間において放電し、前記流路を流れる前記気体を活性化する第2ステップと、活性化した前記気体の流れを分割または拡大して減速し、前記気体の拡散を促進する第3ステップと、拡散を促進した前記気体を被処理物に噴きつける第4ステップとを備える。さらに、前記第3ステップにおいて、減速した前記気体を増速した後、再び減速し、前記気体の拡散をさらに促進することを特許請求する第1特徴とする。また、対向する電極間に設けた流路に気体を流す第1ステップと、前記電極間において放電し、前記流路を流れる前記気体を活性化する第2ステップと、活性化した前記気体の流れを分割または拡大して減速し、前記気体の拡散を促進する第3ステップと、拡散を促進した前記気体を被処理物に噴きつける第4ステップと、被処理物に噴きつけた前記気体を、その噴きつけ位置の周囲から吸引して回収する第5ステップと、を備え、前記第4ステップにおいて、平行に延在する複数の開口部から、前記気体を前記被処理物に噴きつけ、前記第5ステップにおいて、前記開口部と交互に平行に延在する複数の吸引部から、前記被処理物に噴きつけた前記気体を吸引し回収することを、特許請求する第2特徴とする。
上記方法において、電極間の放電により、流路を流れる気体中に励起活性化種が生成される。この励起活性化種は流れの減速により拡散が促進されるので、被処理物には、励起活性化種の濃度分布が均一化された気体が噴きつけられる。
上記方法によれば、励起活性化種の濃度分布を均一化することで、より広い範囲をむらなく効率的に処理することが可能となる。したがって、処理面積を拡大し、気体の利用効率を高めることができる。
好ましくは、前記第4ステップにおいて、拡散を促進した前記気体を、前記被処理物にのみ噴きつける。拡散を促進した気体のすべてを被処理物に噴きつけるので、気体を有効利用することができる。
好ましくは、前記第4ステップにおいて、拡散を促進した前記気体を、複数の箇所から被処理物に噴きつける。気体を複数の箇所から被処理物に噴きつけ、処理面積を拡大することができる。
好ましくは、前記第4ステップにおいて、前記第3ステップにおいて減速した前記気体を、そのままの速度で前記被処理物に噴きつける。第3ステップにおいて気体を減速する部分と、第4ステップにおいて気体を被処理物に噴きつける部分とにおいて、気体の流速は同じでよいので、流路断面の形状を変化させる必要がない。したがって、簡単な構成でプラズマ表面処理を行うことができる。
好ましくは、前記第4ステップにおいて、前記第3ステップにおいて減速した気体の流れを絞り、前記気体を増速して前記被処理物に噴きつける。被処理物に噴きつける気体を高速化することにより、被処理物に対する処理の促進や安定化を図り、処理効率を上げることができる。また、被処理物との間隔を広くすることができるので、作業性の向上も可能である。
前記第1特徴の前記第3ステップにおいて、減速した前記気体を増速した後、再び減速し、前記気体の拡散をさらに促進することにより、気体の濃度分布をより均一化することができる。また、気体の分岐数を増やし、より広い範囲において被処理物に気体を噴きつけるようにして、処理面積を一層拡大することができる。
前記第2特徴では、被処理物に噴きつけた前記気体を、その噴きつけ位置の周囲から吸引して回収する第5ステップをさらに備えることにより、被処理物に対して気体の流れが安定するので、処理むらをなくすことができる。
前記第2特徴では、前記第4ステップにおいて、平行に延在する複数の開口部から、前記気体を前記被処理物に噴きつけ、前記第5ステップにおいて、前記開口部と交互に平行に延在する複数の吸引部から、前記被処理物に噴きつけた前記気体を吸引し回収する。開口部と吸引部とを交互に互いに平行に設けることで、広い面積を均一に処理することが可能となる。
好ましくは、前記電極間の放電により活性化される前記気体は、窒素気体を90体積パーセント以上含む。窒素気体を90体積パーセント以上含む気体は、電極間の放電により生成された励起活性化種の寿命が、他の気体を用いた場合に比べて長いので、電極からの距離を長くしても、被処理物に励起活性化種を含む気体が到達する。したがって、構成が容易である。また、窒素気体を90体積パーセント以上含む気体は、比較的安価であり、また入手も容易であるため、特に大量に処理する場合には好適である。
好ましくは、以上に説明したプラズマ表面処理方法の各ステップは、大気圧またはその近傍の圧力の環境下において行う。真空設備などが不要であるので、低コストで処理を行うことができる。
また、本発明のプラズマ表面処理装置は、対向する電極間に設けた流路に気体を流し、前記流路を通る気体を前記電極間の放電により活性化した後、被処理物に対向する開口部から前記被処理物に噴きつけるタイプのものである。このプラズマ表面処理装置は、前記流路と前記開口部とを連通し、前記流路からの前記気体の流れを分割または拡大して減速し、前記気体の拡散を促進する拡散部を備える。さらに前記拡散部と前記開口部との間に、前記拡散部に連通し、前記拡散部からの前記気体の流れを縮小する絞り部と、前記絞り部と前記開口部とを連通し、前記絞り部からの前記気体の流れを拡大する第2の拡散部とを備えたことを特許請求する第3特徴とする。また、対向する電極間に設けた流路に気体を流し、前記流路を通る気体を前記電極間の放電により活性化した後、被処理物に対向する開口部から前記被処理物に噴きつける、プラズマ表面処理装置において、前記開口部が、平行に延在するように複数設けられており、さらに、前記流路と前記複数の開口部とを連通し、前記流路からの前記気体の流れを分割または拡大して減速し、前記気体の拡散を促進する拡散部と、前記開口部の周囲に、前記開口部と交互に平行に延在する複数の吸引部と、を備え、前記開口部から噴きつけた前記気体を、前記吸引部から吸引して回収することを、特許請求する第4特徴とする。
上記構成において、電極間の放電により、流路を流れる気体中に励起活性化種が生成される。この励起活性化種は、拡散部において拡散が促進されるので、開口部からは、励起活性化種の濃度が均一化された気体が被処理物に噴きつけられる。励起活性化種の濃度分布を均一化することで、より広い範囲をむらなく効率的に処理することが可能となる。したがって、処理面積を拡大し、気体の利用効率を高めることができる。
好ましくは、前記開口部は、前記被処理物にのみ対向する。拡散を促進した気体のすべてを、開口部から被処理物に噴きつけることができるので、気体を有効利用することができる。
好ましくは、ひとつの前記流路が、前記拡散部を介して、複数の前記開口部に連通する。複数の開口部を設けることで、処理面積を拡大することができる。
好ましくは、前記拡散部は、前記開口部に連続して形成される。開口部を拡散部に対して大きくしたり小さくしたりする必要がないので、構成を簡単にすることができる。
好ましくは、前記拡散部と前記開口部との間に断面が減少する絞りを設け、前記拡散部からの前記気体を増速して、前記開口部から前記被処理物に噴きつける。被処理物に噴きつける気体を高速化することにより、被処理物に対する処理の促進や安定化を図り、処理効率を上げることができる。また、被処理物との間隔を広くすることができるので、作業性の向上も可能である。
前記第3特徴では、前記拡散部に連通し、前記拡散部からの前記気体の流れを縮小する絞り部と、前記絞り部と前記開口部とを連通し、前記絞り部からの前記気体の流れを拡大する第2の拡散部とを備える。拡散部及び第2の拡散部により、気体の濃度分布をより均一化することができる。また、分岐数を増やし、より広い範囲に開口部を設け、処理面積を一層拡大することができる。
前記第4特徴では、前記開口部の周囲に、前記開口部から噴きつけた前記気体を吸引して回収する吸引部を備える。被処理物に対して気体の流れが安定するので、処理むらをなくすことができる。
より好ましくは、平行かつ線状に延在する複数の前記開口部と、前記開口部と交互に平行かつ線状に延在する複数の吸引部とを備える。開口部と吸引部とを交互に互いに平行に設けることで、広い面積を均一に処理することが可能となる。
好ましくは、前記電極間の放電により活性化される前記気体は、窒素気体を90体積パーセント以上含む。窒素気体を90体積パーセント以上含む気体は、電極間の放電により生成された励起活性化種の寿命が、他の気体を用いた場合に比べて長いので、電極からの距離を長くしても、被処理物に励起活性化種を含む気体が到達する。したがって、構成が容易である。また、窒素気体を90体積パーセント以上含む気体は、比較的安価であり、また入手も容易であるため、特に大量に処理する場合には好適である。
好ましくは、大気圧またはその近傍の圧力の環境下に、前記被処理物が配置される。真空設備などを不要とし、低コストで処理を行うことができる。
対向する電極間の放電により活性化した気体を分割もしくは拡散させる構造を設けることにより、被処理物を同時に処理する範囲を拡大することができる。また、同量の気体を、より効率的に利用することができる。つまり、処理面積を拡大し、気体の利用効率を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図11に基づいて説明する。
図1は、本発明のプラズマ表面処理装置の基本構成の一例を示す模式図である。プラズマ表面処理装置2は、大略、ハウジング12により形成された空間13内に、対向する一対の電極20,22と、電極20,22に隣接して設けられた処理部6と、処理部6に対向して被処理物70を載置する移動ステージ80とを備える。
雰囲気ガス供給ユニット14は、矢印15で示すように、ハウジング12の雰囲気ガス導入口12aから雰囲気ガスを空間13内に供給する。気体供給ユニット16は、気体供給ライン17から、一対の電極20,22間に形成された流路24の一端4側に気体を供給し、流路24の他端側に設けた処理部6の開口部8から、被処理物70に向けて気体を噴きつけるようになっている。空間13内の気体は、矢印18で示すように、ハウジング12の気体排気口12bから排出される。
なお、ハウジング12内の閉じた系で処理したり、雰囲気ガス供給ユニット14から雰囲気ガスを供給したりする必要は、特にない。ハウジング12や雰囲気ガス供給ユニット14のない開放系で処理してもよい。例えば、被処理物70を蓋状の部材で覆った状態で活性ガスを噴きつけ、排ガスを吸収してもよい。
電極20,22は、電源26により電圧が印加され、流路24でプラズマ放電が起こる。これにより、流路24を通る気体が活性化する。活性化した気体を開口部8から被処理物70に向けて噴きつけて、被処理物70のプラズマ処理を行う。被処理物70は、開口部8に対向する部分とその近傍領域が処理されるので、例えば矢印82で示すように移動ステージ80を移動することにより、被処理物70全体を処理する。
なお、被処理物70を移動させる代わりに、電極20,22側(処理部6)を移動させても、あるいは、両方を移動させてもよい。
次に、本発明の各実施形態について、図2〜図11を参照しながら説明する。本発明の各実施形態は、図1の処理部6の構成を改良したものである。以下、図1と同様の構成部分には同じ符号を用い、相違点を中心に説明する。
図2は、本発明の第1実施形態のプラズマ表面処理装置10の構成を示す模式図である。電極20,22に隣接して設けた処理部30は、複数の開口部36を有する。流路24と開口部36とは、流れを拡大する空間32と、流れを絞る絞り34とを介して連通する。空間32は、電極20,22間の放電で活性化された気体の拡散を促進する拡散部であり、開口部36からは、より均一化された気体を被処理物70に噴きつけることができる。絞り34により増速した気体を被処理物70に噴きつけることで、被処理物70に対する処理の促進や安定化を図り、処理効率を上げることができる。また、開口部36と被処理物70との間の距離を広げることができるので、作業性の向上を図ることもできる。開口部36を複数設けることで、広い面積を処理することが可能となる。
被処理物70は特に限定されないが、例えばシリコン基板やガラス板、樹脂フィルムなどを処理することができる。被処理物70は、移動ステージ80とは異なる機構を用いて搬送してもよい。
雰囲気ガスは、特に限定されないが、例えば大気を用いることができる。気体供給ユニット16から気体供給ライン17を経て流路24に供給する気体は、電極20,22間の放電で活性化されるものであればよく、例えばO2とCF4の混合ガスや、N2を含む気体を用いる。気体の種類によって活性化時間が異なるため、拡散経路長は一様でない。活性化時間が長いガスとして、N2、O2、CF4、希ガスなどが挙げられ、拡散経路長は数十cmに及ぶ。これら活性化時間が長いガスを90体積パーセント以上含むのが好ましい。特に、N2を90体積パーセント以上含むものは、活性化時間が長い上、安価で入手容易であるので、好適である。流路24においては、気体供給部16から供給された気体が開口部36に向けて流れるのに必要な差圧さえあればよく、圧力の設定は特に限定されない。絞り34の長さは、数mmから数十mm程度である。
一対の電極20,22の形状は、並行平板、並行ロールなどであり、高さは数mmから数cm程度である。電極20,22には、プラズマ放電が起こる適宜波形の電圧を印加すればよい。
処理時間や、処理後の状態も特に限定されない。また、前処理や後処理、加熱処理との組み合わせなども自由である。
図5は、第1実施形態と基本構成とを用いて処理したときの被処理物のプロファイルの一例である。点線50は図1の構成(基本構成)を用いた場合を示し、実線52は図2の構成(第1実施形態)を用いた場合を示す。同じ量の気体を用い、被処理物70としてレジストを塗布したシリコンウェハーを開口部8,36に対して相対移動せずにアッシング処理したときの、被処理物70の開口部8,36に対向する被処理領域の形状を示している。
図1の基本構成では、流路24(開口部8)の直下のみが除去されているのに対し、図2の第1実施形態では、二つの開口部36の直下のみならず、その近傍も斜めに除去されている。つまり、第1実施形態の方が、基本構成よりもレジストの除去量が多く、より効率的に処理できることが分かる。
図3は、本発明の第2実施形態のプラズマ表面処理装置10sの構成を示す模式図である。第2実施形態以降は、第1実施形態との相違点を中心に説明する。電極20,22に隣接して設けた樹脂製の処理部31は、一つ開口部37を有し、流路24と開口部37との間には、流れを拡大する空間33を有する。空間33は、電極20,22間の放電により活性化された気体の拡散を促進する拡散部であり、この空間33において、活性化された気体は拡散が進み、より均一化されて、開口部37から被処理物70に噴きつけられる。開口部37を大きくすることができるので、広い面積を処理することが可能となる。なお、図3は、開口部37と空間33とは連続し、断面積が等しい特別な場合を図示しているが、断面積が異なっていてもよい。
図6は、第2実施形態と基本構成とを用いて処理したときの被処理物70のプロファイルの一例である。点線50は図1の構成(基本構成)を用いた場合を示し、実線54は図3の構成(第2実施形態)を用いた場合を示す。図5と同様に、同じ量の活性化気体を用い、被処理物70(レジストを塗布したシリコンウェハー)を開口部8,37に対して移動せずにアッシング処理したときの被処理物70の被処理領域のプロファイルを示す。
図1の基本構成では、流路24(開口部8)の直下のみが除去されているのに対し、図3の第2実施形態では、流路24の直下を中心に、その周囲も除去されている。つまり、第2実施形態は、基本構成よりもレジストの除去量が多く、より効率的に処理できることが分かる。
図4は、本発明の第3実施形態のプラズマ表面処理装置10tの構成を示す模式図である。第3実施形態は、図2の第1実施形態と、図3の第2実施形態とを組み合わせたものである。電極20,22に隣接して設けられる処理部40は、電極20,22側に配置された樹脂製の第1プレート40aと被処理物70側に配置された金属製の第2プレート40bから構成されている。第1プレート40aと第2プレート40bとの間には第1の拡散部である第1の空間42が形成されている。第1プレート40は、下部に浅い凹部が形成されており、この凹部と第2プレート40bの上面とで第1の空間42が形成されている。また、第2プレート40bの移動ステージ80側には第2の拡散部である第2の空間44が形成されており、第2プレート40bの第1プレート40a側には絞り部である連通孔43が形成されている。
気体供給ユニット16から流路24に供給された気体は、流路24より広くなされた第1の空間42に供給されて減速し、第1の空間42内で拡散が促進されて流速分布の均一化が行われる。そして第1の空間42に供給された気体は、連通孔43を介して複数の第2の空間44に供給される。ここで、連通孔43を通過する気体は、連通孔43を通過する際に一旦加速されて第2の空間44に供給される。第2の空間44に供給された気体は再び減速し、第2の空間44内で拡散が促進されて流速分布の均一化が行われた後、開口部46から被処理物70に噴きつけられる。
このように第1及び第2の空間42,44で気体の拡散を繰り返すことで、気体の均一化を一層促進するとともに、より多くの開口部46をより広い範囲に配置し、被処理物70を同時に処理する面積を拡大することができる。
また、第2プレート40bはアース線27を介して接地されており、第2プレート40bと被処理物70との間で異常放電が発生することを防いでいる。
次に、本発明の第4実施形態について、図7〜図9を参照しながら説明する。
図7は、本発明の第4実施形態のプラズマ表面処理装置の要部断面図である。処理部50は、樹脂製の第1プレート52と金属製の第2プレート56とを有する。第1プレート52は第2プレート56の上に重ねられて互いが密着しており、絶縁材からなるホルダー28を介して電極20,22と固定されている。
また、第2のプレート56は図示しないアース線を介して接地されており、第2のプレート56と被処理物70との間の異常放電の発生を防いでいる。
図7及び図8に示すように、第1プレート52の上面52aには、相対的に幅が狭い有底溝53が形成され、この有底溝53の底面53aと第1プレート52の下面52bとを連通する相対的に少数(図8においては2本)のスリット54が互いに平行に形成されている。
図7及び図9に示すように、第2プレート56の上面56aには、相対的に幅が広い有底溝57が形成され、この有底溝57の底面57aと第2プレート56の下面56bとを連通する相対的に多数(図9においては6本)のスリット58が互いに平行に形成されている。また、スリット58の両端から離れた位置には、吸引部として貫通孔59が形成されている。貫通孔59は、スリット58に対して直角方向に延在する。
電極20,22間に形成される流路24の下側には有底溝53の底面53aが位置しており、スリット54の上側にはホルダー28の下面が位置している。このため、流路24とスリット54は同一直線上に形成されていない。
また、スリット54の下側には有底溝57の底面57aが位置しており、スリット58の上側には第1プレートの下面が位置している。このため、スリット54とスリット58とは同一直線上に形成されていない。
図7に示したように、一対の電極20,22間に形成される流路24で活性化された気体は、有底溝53の底面53aに噴きつけられた後、第1プレート52の有底溝53によって形成された空間(第1の拡散部)で拡散により流速分布が均一化される。そして、絞り部であるスリット54を通って第2プレート56の有底溝57に噴きつけられた後、第2プレート56の有底溝57によって形成された空間(第2の拡散部)でさらに拡散により流速分布が均一化され、絞りである多数のスリット58から、被処理物70に噴きつけられる。活性化した気体の流れを分岐して多数のスリット58から被処理物70に噴きつけることで、処理面積を拡大し、より効率的に処理することができる。
被処理物70に噴きつけられた気体は、吸引部である第2プレート56の貫通孔59からの吸引によって回収される。これにより、被処理物70に対する気体の流れを安定化し、処理むらをなくすことができる。
図10は、第4実施形態の第1変形例を示す要部断面図である。処理部50sの第2プレート56sのスリット58sに、被処理物70に対向する端部に拡大部58xを設けている。活性化された気体の流れは、被処理物70に噴きつけられるときに拡大部58xで広がるので、処理面積の拡大を図ることができる。
また、第2のプレート56sは図示しないアース線を介して接地されており、第2のプレート56sと被処理物70との間の異常放電の発生を防いでいる。
図11は、第4実施形態の第2変形例を示す要部断面図である。電極20,22に隣接して設けられる処理部50rは、樹脂製の第1プレート52rと金属製の第2プレート56rから構成されている。
第1プレート52r周縁の第2プレート56r側には、第1プレート52rの内側に向かって窪んだ凹溝72rが形成されている。また、第2プレート56r周縁の第1プレート52r側には、第1プレート52r側に突出した凸条部71rが形成されている。第2プレート56rの凸条部71rは、第1プレート52rの凹溝72rに挿入嵌合されており、第2プレート56rが第1プレート52rに位置決めされた状態で固定されている。
また、第2のプレート56rは図示しないアース線を介して接地されており、第2のプレート56rと被処理物70との間の異常放電の発生を防いでいる。
ここで、第1プレート52rには有底溝が形成されておらず、低コストで第1プレート52rを製造することができる。
活性化された気体は、第2プレート56r上面の有底溝57によって形成された空間(第2の拡散部)で拡散により均一化された後、絞りである多数のスリット58から、被処理物70に噴きつけられる。活性化した気体の流れを分岐して多数のスリット58から被処理物70に吹き付けることで、処理面積を拡大し、より効率的に処理することができる。
図12は、第4実施形態の第3変形例を示す要部拡大断面図である。第2プレート56のスリット58と交互に吸引部60を設けている。各吸引部60は、第2プレート56の下面56bに配置され、吸引口62と、吸引口62に連通する流路64とを有する。各スリット58から被処理物70に噴きつけられた気体は、そのスリット58に隣接する吸引部60の吸引口62から吸引され、流路64を通って回収される。第2プレート56とは別に吸引部60を設けることにより、隣り合う吸引部60間に形成された空間66において、気体の拡散による均一化をさらに促進するとともに、気体の流れを安定化し、処理むらをなくすことができる。
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、種々の態様で実施可能である。例えば、ハウジング12や雰囲気ガス供給ユニット14をなくし、開放系で処理してもよい。処理中に被処理物70を移動させる代わりに、電極側(処理部30,31,40,50)を移動させても、あるいは、両方を移動させてもよい。また、図3や図4のような大きく広く拡散するようなものならば、被処理物70も電極側も静止した状態で処理するようにしてもよい。
本発明のプラズマ表面処理装置の基本構成を示す模式図 本発明の第1実施形態を示すプラズマ表面処理装置の模式図 本発明の第2実施形態を示すプラズマ表面処理装置の模式図 本発明の第3実施形態を示すプラズマ表面処理装置の模式図 図1と図2の構成を比較した結果を示すプロファイル図 図1と図3の構成を比較した結果を示すプロファイル図 本発明の第4実施形態を示すプラズマ表面処理装置の要部断面図 図7の第1プレートの平面図 図7の第2プレートの平面図 本発明の第4実施形態の第1変形例を示す要部断面図 本発明の第4実施形態の第2変形例を示す要部断面図 本発明の第4実施形態の第3変形例を示す要部断面図
符号の説明
10,10s,10t プラズマ表面処理装置
20,22 電極
24 流路
30,31 処理部
32,33 空間(拡散部)
34 絞り
36,37 開口部
40 処理部
42 第1の空間(拡散部)
43 連通孔(絞り部)
44 第2の空間(第2の拡散部)
46 開口部
50,50s 処理部
53 有底溝(拡散部)
54 スリット(絞り部)
57 有底溝(第2の拡散部)
58,58s スリット(絞り)
59 貫通孔(吸引部)
60 吸引部
70 被処理物
71r 凸条部
72r 凹溝

Claims (15)

  1. 対向する電極間に設けた流路に気体を流す第1ステップと、
    前記電極間において放電し、前記流路を流れる前記気体を活性化する第2ステップと、
    活性化した前記気体の流れを分割または拡大して減速し、前記気体の拡散を促進する第3ステップと、
    拡散を促進した前記気体を被処理物に噴きつける第4ステップとを備え
    前記第3ステップにおいて、減速した前記気体を増速した後、再び減速し、前記気体の拡散をさらに促進することを特徴とする、プラズマ表面処理方法。
  2. 対向する電極間に設けた流路に気体を流す第1ステップと、
    前記電極間において放電し、前記流路を流れる前記気体を活性化する第2ステップと、
    活性化した前記気体の流れを分割または拡大して減速し、前記気体の拡散を促進する第3ステップと、
    拡散を促進した前記気体を被処理物に噴きつける第4ステップと、
    被処理物に噴きつけた前記気体を、その噴きつけ位置の周囲から吸引して回収する第5ステップと、を備え、
    前記第4ステップにおいて、平行に延在する複数の開口部から、前記気体を前記被処理物に噴きつけ、
    前記第5ステップにおいて、前記開口部と交互に平行に延在する複数の吸引部から、前記被処理物に噴きつけた前記気体を吸引し回収することを特徴とする、プラズマ表面処理方法。
  3. 前記第4ステップにおいて、拡散を促進した前記気体を、前記被処理物にのみ噴きつけることを特徴とする、請求項1または2記載のプラズマ表面処理方法。
  4. 前記第4ステップにおいて、拡散を促進した前記気体を、複数の箇所から被処理物に噴きつけることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか一項に記載のプラズマ表面処理方法。
  5. 前記第4ステップにおいて、前記第3ステップにおいて減速した気体の流れを絞り、前記気体を増速して前記被処理物に噴きつけることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか一項に記載のプラズマ表面処理方法。
  6. 前記電極間の放電により活性化される前記気体は、窒素気体を90体積パーセント以上
    含むことを特徴とする、請求項1ないしのいずれか一項に記載のプラズマ表面処理方法。
  7. 前記各ステップは、大気圧またはその近傍の圧力の環境下において行うことを特徴とする、請求項1ないしのいずれか一項に記載のプラズマ表面処理方法。
  8. 対向する電極間に設けた流路に気体を流し、前記流路を通る気体を前記電極間の放電により活性化した後、被処理物に対向する開口部から前記被処理物に噴きつける、プラズマ表面処理装置において、
    前記流路と前記開口部とを連通し、前記流路からの前記気体の流れを分割または拡大して減速し、前記気体の拡散を促進する拡散部を備え、さらに前記拡散部と前記開口部との間に、
    前記拡散部に連通し、前記拡散部からの前記気体の流れを縮小する絞り部と、
    前記絞り部と前記開口部とを連通し、前記絞り部からの前記気体の流れを拡大する第2の拡散部とを備えたことを特徴とする、プラズマ表面処理装置。
  9. 対向する電極間に設けた流路に気体を流し、前記流路を通る気体を前記電極間の放電により活性化した後、被処理物に対向する開口部から前記被処理物に噴きつける、プラズマ表面処理装置において、
    前記開口部が、平行に延在するように複数設けられており、さらに、
    前記流路と前記開口部とを連通し、前記流路からの前記気体の流れを分割または拡大して減速し、前記気体の拡散を促進する拡散部と、
    前記開口部の周囲に、前記開口部と交互に平行に延在する複数の吸引部と、を備え、
    前記開口部から噴きつけた前記気体を、前記吸引部から吸引して回収することを特徴とする、プラズマ表面処理装置。
  10. 前記開口部は、前記被処理物にのみ対向することを特徴とする、請求項8または9記載のプラズマ表面処理装置。
  11. ひとつの前記流路が、前記拡散部を介して、複数の前記開口部に連通することを特徴とする、請求項8、9または10記載のプラズマ表面処理装置。
  12. 前記拡散部は、前記開口部に連続して形成されたことを特徴とする、請求項8ないし11のいずれか一項に記載のプラズマ表面処理装置。
  13. 前記拡散部と前記開口部との間に断面が減少する絞りを設け、前記拡散部からの前記気体を増速して、前記開口部から前記被処理物に噴きつけることを特徴とする、請求項ないし12のいずれか一項に記載のプラズマ表面処理装置。
  14. 前記電極間の放電により活性化される前記気体は、窒素気体を90体積パーセント以上含むことを特徴とする、請求項ないし13のいずれか一項に記載のプラズマ表面処理装置。
  15. 大気圧またはその近傍の圧力の環境下に、前記被処理物が配置されることを特徴とする、請求項ないし14のいずれか一項に記載のプラズマ表面処理装置。
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