JP4286347B2 - 放射線撮像装置 - Google Patents

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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B6/00Apparatus for radiation diagnosis, e.g. combined with radiation therapy equipment
    • A61B6/52Devices using data or image processing specially adapted for radiation diagnosis
    • A61B6/5258Devices using data or image processing specially adapted for radiation diagnosis involving detection or reduction of artifacts or noise

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばX線等の放射線を利用して画像撮影を行うX線CT装置等の放射線一般を使用して被検体内の放射線特性分布を画像化する放射線撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、被検体に対してX線を曝射し、該被検体を透過或いは被検体で散乱したX線をX線検出器で検出し、このX線検出出力に基づいて被検体の透視画像、断層像或いは三次元画像を撮像するX線CT装置が知られている。
【0003】
かかるX線CT装置として、コーンビームCT装置が開発されている。通常のX線CT装置では、X線ビームはZ方向に薄く切り出されており、ファンビームと呼ばれるが、コーンビームCTでは、Z方向にも広がったX線ビームを用い、このX線ビームはコーンビームと呼ばれる。
【0004】
図14は、コーンビームCT装置の一例を示すものである。同図に示すコーンビームCT装置1も、第3世代型CT装置に属するものであり、Z軸を回転軸として、X線源3とともに検出器4も被検体2の周囲を回動し、一回転で関心領域のスキャンを終えるものである。なお、ここでは1スキャンは1回転でなされるとしたが、これは説明の簡便のためである。複数回転にわたって得たデータを合成して1スキャンのデータとしてまとめて取り扱ったうえで画像再構成に供するような態様も実際にはある。以下、本説明における1回転とは、このような複数回転によるデータをまとめて取り扱う場合も含めて1スキャンと同義なことと理解されたい。
【0005】
かかるコーンビームCT装置1では、同図に示すように、検出素子5がさらにZ方向(row方向)にも配列されている。すなわち、コーンビームCT装置1における検出器4は、検出素子5が直交格子状に2次元配置されて構成される。なお、スキャンして得たデータ群を構成する各データは、線源と検出素子を結ぶ線でその位置が定義されるものであり、その一つ一つをrayという。一つの線源位置で得られたデータの集合をビューあるいは投影データという。
【0006】
そして、この画像再構成方法には種々あるが、もっとも典型的には、Feldkamp(J. Opt. Soc. Am. A/Vol. 1, No.6/June 1984, page 612-619)等の、3次元ボクセルデータへの逆投影を伴う方法が良く知られている。
【0007】
このようなコーンビームCT装置1によれば、検出素子5をz方向(row方向)及びch方向の2方向に格子状に配置して検出器4を構成するとともに、放射線をz方向にも厚みをもたせて円錐(コーン)状に曝射することによって、複数列分の投影データを一括して得ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したCT装置では、金属などの非常に高いX線吸収率の物体が被検体2内にあると、それを含むスライスの画像は著しいアーチファクトが発生し、診断の困難を来す惧れがある。
【0009】
図15は金属Mが存在する場合に、従来の(コーンビームではない、いわゆるファンビームを用いた)CT装置でどのような対処をしているかを示すものである。複数のスライスが1回毎のスキャンで得たデータから再構成されるのであるが、金属Mを通るX線は異常な減弱をし、検出器に到達するX線はほとんど0であり、堕と運あ計測がなされない。このような計測で得た投影データから再構成された画像は、アーチファクトにより汚染され、正確な読影ができない。図15(a)はファンビームがz軸に垂直、即ち線源回転軌道軸とz軸とが一致し、得られる画像がz軸に垂直ないわゆるアキシャル面である場合であり、この例では左から4枚目の画像が診断に耐えない。
【0010】
かかるアーチファクトの対策も種々検討されており、その多くは、投影データの中で異常な値を示すデータを検出し、そのデータを棄却し、周囲のより妥当なデータから推測して得たデータで置換し、画像再構成計算に供するものである。一例として、“reduction of Metal Artifacts in Computed Tomographies for the Planning and Simulation of Radiation Therapy, T. Rohlfing et.al., Proceedings of CAR'98, page 57-62" がある。
【0011】
ところが、このような方法は、十分な成功を収めているとは言い難く、アーチファクトが軽減されるだけである。
【0012】
金属Mによるアーチファクトが顕在化した場合、多くは次のような施策を採っている。すなわち、前述のような手直しをした画像再構成をしたうえで、あるいははじめからそのような手直しした再構成でない通常の再構成をして満足できない結果なら、図15(b)のように、多少スライス面の角度を変えて(いわゆるチルト、回転軸自体がZ軸から傾くようにする)スキャンし直すということで対応するものである。
【0013】
この方法によれば、金属Mのごく近傍はこれでも観察不能だが、金属Mからある程度離れた場所は、どれかのスライスに正常に抽出されている。読影者は先ほどのスキャンで得た画像で読影できなかった部分については、角度を変えていった次のスキャンで得た画像を見て診断をするのである。
【0014】
従って、正確な読影をするためには、劣化した画像と、スキャンし直した画像とを比較しながら行わなければならず、読影結果は、読影者の経験と技量に依存してしまうという問題があった。
【0015】
上記のような金属によるアーチファクトは、コーンビームのCT装置の場合にはさらに著しく深刻になるので、新たな施策が必要になる。それは、ファンビームのCT装置の場合は金属Mに起因するアーチファクトが特定スライスだけに局在したけれども、コーンビームの場合はアーチファクトが特定スライスに局在しないからである。金属Mがz方向の視野の中心に位置すれば、アーチファクトはz軸中心を通るアキシャル面のみに局在するけれども、金属MがちょうどZ方向の視野の中心に位置すれば、その面だけになるが、一般には、図16(a)及び(b)に示すように、Z方向の広範な領域にわたってアーチファクトが発散し、診断に耐えない領域が拡張されることになる。
【0016】
この図16(a)は3次元ボクセルデータにおいて逆投影をしている状況を、x方向(真横)から見たものであり、上からの投影データの場合と下とからの投影データの場合について示してある。
【0017】
詳述すると、図16(b)は、線源3が上にあるときのデータを用いて逆投影による再構成をするときの図である。金属Mによるアーチファクトはこの線上のボクセルを汚染する。そして、線源3が別の回動角にあるときは、アーチファクトの線はまた別の角度になる。従って、金属のボクセルを通る全ての線上のボクセルは汚染されることとなり、これらを全部足すと、金属Mを頂点とする二つの円錐面上のボクセルが汚染されることになる。
【0018】
このようにして得た画像を観察する場合、通例のX線CTと同様に三次元ボクセルデータの種々のZ位置についてxy面と平行する面(いわゆるアキシャル面、即ち回転によるスキャンの回転軸と直交する面)の2次元画像を見ることが多い。
【0019】
このようにしたとき、たった一個の金属が(例えば補綴された歯のように)存在しても、きわめて多数の端面が診断不能になってしまうのである。しかも、あるZ位置のアキシャル面を見たとき、そこにアーチファクトが存在しても、異常の源となる特異なCT値の存在はその面からはわからないうえ、アーチファクトは一点から発する線状として認知されない。従って、読影者は、アーチファクトをアーチファクトとして認識できず、病変と誤診する可能性がある。
【0020】
そこで、本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、CT装置等の放射線撮像装置における金属等によるアーチファクトの影響を低減し、より正確な読影を可能とすることのできる放射線撮像装置の提供を目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する達成するために、本発明に係る放射線撮像装置は、被検体の周囲を回転する放射線発生源が曝射する放射線を、検出素子を格子状に配列して形成される検出器で検出することによりスキャンを行い、該スキャンの結果より一組の投影データを生成し、これにより画像を再構成する放射線撮像装置において、前記放射線発生源の回転軌道の前記被検体に対する相対位置を変化させて、複数回のスキャンを行い、この複数回のスキャン毎に画像を生成し、該複数の画像に含まれるボクセルデータのうち、所定のスレッシュホールドを超えた特異的な値の投影データにより影響を受けたボクセルデータを、このボクセルデータと同位置に対応する他の画像データに含まれるボクセルデータによって置換し、前記特異的な値の投影データにより影響を受けたボクセルデータは、前記特異的な値の投影データの位置又は前記特異的な値を含む投影データから生成した画像上の特異的値の位置と、前記スキャンの軌道とに基づいて検出されることを特徴とする。
【0024】
また、本発明に係る放射線撮像装置は、被検体の周囲を回転する放射線発生源が曝射する放射線を検出器で検出することによりスキャンを行い、該スキャンの結果より一組の投影データを生成し、これにより画像を再構成する放射線撮像装置において、前記画像に含まれるボクセルデータのうち、所定のスレッシュホールドを超えた特異的な値の投影データにより影響を受けたボクセルデータの位置を指摘する表示手段を備え、前記特異的な値の投影データにより影響を受けたボクセルデータは、前記特異的な値の投影データの位置又は前記特異的な値を含む投影データから生成した画像上の特異的値の位置と、前記スキャンの軌道とに基づいて検出されることを特徴とする
【0027】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
(全体構成)
以下、本発明の第1の実施形態に係る放射線撮像装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る放射線撮像装置1の全体構成を模式的に示す斜視図である。
【0028】
同図において、放射線撮像装置1は、いわゆる第3世代型と呼ばれるCT装置であり、図中xy平面内において被検体2を中心に回転しながら被検体2にX線ビームを曝射する線源3と、この線源3からの放射線を検出する多数の検出素子5を格子状に配列して形成される検出器4とから概略構成されるものであり、検出器4と線源3は対向配置されているとともに、ペアとなって被検体2の周囲を回動する。
【0029】
なお、第3世代型のコーンビームCTについて例示するものの、本発明は第4世代のように検出器が回動しないタイプのコーンビームCTについても勿論適用できるものである。さらにはまた、電子ビームスキャンと呼ばれるX線CT装置は公知("Radiology of the skull and brain, Technical Aspects of Computed Atmography", edited by T.H.Newton and D.G.Potts, pp4366〜4369など)であり、これはX線源は被検体の周りを完全には経典せず円弧状の回転にとどまるが、このような形式のCTにおいて、検出器をz軸方向に多数列配置しコーンビームとして用いることも(まだ具体検討はされていないが)可能である。その場合でも本発明は適用できる。本発明において後述する円錐状に分布する汚染データというのが、円弧状の線源軌道であることから完全な円錐ではなく途中で途切れる円錐になるだけの違いである。その他の形式のコーンビームCT(現在のところは具体的には検討されていない)にも本発明は適用できるはずのはずのものである。
【0030】
また、この放射線撮像装置1では、線源3から曝射されるX線ビームとして、コーンビームを用いる。すなわち、本実施形態においてX線は、xy平面内に広がりをもつ扇状のファンビームをz方向にも広がりを持たせ、全体として円錐若しくは角錐状をなす。このような放射線撮像装置1によって取得された投影データは、画像再構成計算に供され、3次元ボクセルデータを生成する。
【0031】
(アーチファクトの補完)
そして特に、本実施形態に係る放射線撮像装置1では、線源3と検出器4を、被検体2に対する相対位置を変化させつつ複数回回転させてスキャンし、この線源3の回転毎に複数組の3次元的投影データを生成するとともに、それら複数組みの3次元的投影データの各々から画像再構成計算によって得た各々の3次元画像データ(以下、3次元ボクセルデータと称する。)に含まれるボクセルデータのうち特異的な値の投影データによって影響をうけたボクセルのデータを、影響を受けていない(或いは軽微な影響しか受けていない)他の3次元ボクセルデータをもって補完することを特徴とする。
【0032】
詳述すると、本実施形態では、図2に示すように、1回目のスキャン行った後、2回目のスキャンを行う際、線源3と検出器4とをZ方向に移動させ、Z位置をずらした複数のスキャンから、各々の投影データを得る。なお、Z方向への移動は、例えば、通常は患者を乗せた寝台6をスキャン系に対して移動させるが、スキャン系を患者に対して移動させてもよい。
【0033】
このようにして得られた投影データを用いた画像再構成の手順は次のようにする。
【0034】
先ず、各スキャンで得られた投影データから3次元ボクセルデータを再構成する。本実施形態では、2回のスキャンにより二つの3次元ボクセルデータが画像再構成の結果作られる。この際、なるべくアーチファクトを抑制するために、通常のCTの場合の引例の“reduction of Metal Artifacts in Computed Tomogrphies for the Planning and Simulation of Radiation Therapy, T. Rohlfing et.al., Proceedings of CAR'98, page 57-62"と同様に、あるスレッシュホールドを超えた異常な値を投影データ上から、計算によって自動的に検出し、周囲の投影データからその部分の値として適当な値を推測し、代替した後、画像再構成をする。
【0035】
この場合において、アーチファクトの存在するボクセルは、金属のごく近傍では両者共通である。しかし、金属からある程度離れれば、他のスキャンから得られたボクセルの値はアーチファクトに影響されていない。従って、2回のスキャンにより得られた2組の3次元ボクセルデータから、最終仕上がりの3次元ボクセルデータを合成するにあたり、アーチファクトで汚染されている一方のボクセルを、汚染されていない他方のボクセル値を充当する。なお、両方とも汚染されていないボクセルは例えば両者の平均の値を充当する。
【0036】
なお、各々の3次元ボクセルデータにおいて、どのボクセルがアーチファクトで汚染されているかは、コンピュータによる演算で求めることができる。
【0037】
詳述すると、投影データの異常値を検出しその軌跡から、異常な投影データから汚染されるボクセルデータ位置を算出する。或いは、投影データから画像再構成計算を経て得られた3次元ボクセルデータ上で特異的な値を示すボクセルを検出し、そこを頂点とする図3のような二つの円錐をスキャン軌道から算出しその円錐面に該当する位置のボクセルを汚染されたものとみなす。
【0038】
つまり、金属ピンなどの異常物体の位置(3次元ボクセル上の位置あるいは投影データ上の位置)がわかれば、線源の回転軌道(3次元ボクセルデータとの相対的位置関係)は、装置固有のものであるため、それらの情報からアーチファクトで汚染される円錐面は容易に算出できる。
【0039】
要するに、両スキャンから作られた二つの3次元ボクセルデータにおいて、片方のアーチファクトの円錐状の面と、他方のアーチファクトの円錐状の面とは別の座標にある。この二つの円錐状の面について頂点の位置は同じだが、片方の円錐状の面は広がり角が大きく、他方は小さい。両方の円錐状の面に属するボクセルのデータは救済できないが、片方の円錐状の面にのみ属するボクセルのデータは、健全な方のボクセルの値で代替する。
【0040】
なお、どちらの円錐状の面にも属しないボクセルは、両者のデータを利用して加算平均などにより雑音ゆらぎの小さい(SNRの高い)ボクセル値とすることができる。
【0041】
図4は、以上のボクセル値の代替の様子を例示するものである。簡単のため金属Mがボクセルサイズよりも十分に小さい場合について記す。線源がその面と同じ面に位置したときに得た投影データのうち金属Mを通るデータが破綻しているので、この投影データの逆投影により図の線源と金属Mとを結ぶ線上のボクセルが汚染される。線源軌道を違えて2度のスキャンをするものとし、各々の投影データから各々3次元ボクセルデータを作り、そしてそれらから合成した結果が図4のボクセルデータである。金属Mのごく近傍のボクセルはどちらのスキャンの結果でも汚染されているから救済されない。片方のスキャンの結果だけ汚染されているボクセルは救済される、という様子を示している。
【0042】
実際問題としては、金属Mはボクセルサイズよりも大きいことが多い。この場合には、アーチファクトの円錐状の面も厚みを持っており、その厚みは複数のボクセルにまたがることが多く、さらには、金属の存在は複数個所にわたることも多い。この場合であっても、アーチファクトで汚染されたボクセル自体がその状況では増え、その大部分が本方法により救済されるという事情は変わらない。
【0043】
なお、2回のスキャンを行う際に、Z方向への移動間隔を操作者が指定することにしてもよいし、被曝範囲低減優先か視野拡大優先かアーチファクト抑制優先か、操作者によるメニュー選択によりシステムが自動設定してもよい。
【0044】
(第1実施形態の変形例1)
なお、前述した実施形態では、線源3又は検出器4の被検体2に対する相対位置を変化させるべく、1回目のスキャンと2回目のスキャンとではZ方向の位置を変えるようにしたが、例えば、図5に示すような、チルト角度を変えた複数のスキャンとしてもよい。すなわち、線源3の曝射方向をZ方向に傾けるとともに、これに合わせて検出器4もZ方向に傾斜させる。
【0045】
このような変形例によっても、1回目と2回目のスキャンにおいて、金属Mを通過するX線の角度を変化させることができ、アーチファクトによる影響を受けるボクセルを変化させることができる。
【0046】
(第1実施形態の変形例2)
複数回スキャンを行うことに関する他の変形例として、例えば、一回目スキャンをして操作者が画像を見て、アーチファクトによる影響を受けたボクセルの補完が必要であると判断した場合にのみ、次のスキャンを行い、上述した3次元ボクセルデータの合成を行うことをシステムに指示するようにしてもよい。
【0047】
また、一回スキャンをした後、システムが投影データの異常或いは再構成結果の異常を検出し、操作者にアーチファクトによる影響を受けたボクセルの補完をするか否かについて、アラートを出し指示を求めるようにしてもよい。
【0048】
さらには、上述した方法により複数セットのスキャンで3Dボクセルデータを合成するという一連の動作シーケンスをシステムにプリセットしておき、撮影の前に予め金属補綴物があると判っている場合は、そのプリセットメニューを操作者が選べるようにすることもできる。
【0049】
(第1実施形態の変形例3)
上記実施形態では、金属などの異常物の位置(ボクセル上の位置ないし、投影データ上の位置)とスキャン軌道により一義的に決まるアーチファクトの円錐状の面をボクセル値置換の対象にした。
【0050】
かかるボクセル置換を行う場合には、さらに前述のやり方を改良したほうがよい場合がある。投影データから3次元ボクセルデータを生成するにあたり、例えばFeldkampによる画像再構成法が用いられる。或いはそれと類似の別の方法もあるが、これらの多くは、画像再構成の過程で逆投影の前に投影データに対してコンボリューション計算を行う。投影データの一部に異常があると、コンボリューション計算により、その異常はch方向(φf方向)に広がってしまい、その結果、アーチファクトの影響範囲もその方向に広がってしまう。この場合には、アーチファクトの円錐状の面算出にあたり、このことを加味するのが望ましい。
【0051】
従って、係るボクセル置換を行う際には、アーチファクトの円錐状の面厚さを異常データのパスから決まる厚さよりもやや厚く想定することが好ましい。つまり、置換対象のボクセルは異常投影データのパスの近傍にある程度余分に広がりをもって想定する。この際、マージンは操作者が恣意的に決めてもよい。または、コンボリューションによる異常範囲の広がりの程度は投影データの異常の程度とその分布広がり、或いは再構成した3Dボクセルデータの異常値の程度とその分布広がり、が大きいほど大きいので、それらからシステムが自動的に決めてもよい。
【0052】
(第1実施形態の変形例4)
複数回のスキャンを行う場合、呼吸その他の体動で被検体は3次元ボクセルデータに対してわずかに位置再現性を失っている場合が多い。その場合、一方のボクセル値と他方のボクセル値とその平均値と3者が混在した画像は、位置再現性による不連続で品位が低下する可能性がある。
【0053】
そのような不連続を目視上緩和するために次のような方法を採ることができる。即ち、スキャンAで得たボクセル値をVAとし、スキャンBで得たボクセル値をVBとし、合成値をVCとしたとき、VCとしてVA(VB)を用いた領域から両者平均を用いた領域へ移行する境界部については、境界部の数ボクセルをVA(VB)の重みが1から1/2へ漸減する加重平均とする。これによれば、境界部の劣化を軽減することができる。
【0054】
(第1実施形態の変形例5)
複数回のスキャンの各々の間に被検体が動いた場合(システムがZ位置やチルト角を変えたことはシステム自身が認知している。それ以外の動きをした場合)、複数の3次元ボクセルデータ上に描出された画像は各々の間にシステムの知らない位置ズレが生じてしまっている。
【0055】
この場合、各々の3Dボクセルデータから或いは各々の投影データからアーチファクト円錐の位置計算をするのだが、この位置計算自体は誤っていない。しかし被検体がシステムの知らない不測の動きをしていれば不都合を生じる場合がある。
【0056】
例えば、図6は、二回のスキャンで得た3Dボクセル画像のアキシャル面の例を示す。同図において、VAに比べてVBは被検体2が大きく右へずれている。
【0057】
この際、被検体の不測の動きを考慮していないため、認知されたアーチファクト領域を汚染されていない側のデータで代表させると、下段の合成画像(VC)は、局部的に異常な画像となる。また、どちらの画像もアーチファクトで汚染されていない領域は、片方に被検体があり、片方に被検体がない、という場所は、平均値を採用すれば中間的な画像値となってしまう。
【0058】
この問題の解決策としては、金属ピンが被検体内にあれば、それは同定しやすい特異点となるため(3次元ボクセルでは特異点、投影データでは特異な正弦状の線)、これを検出することによって、3次元ボクセルの片方が他方に対してどれだけずれているかを把握することができる。
【0059】
具体的には、例えば、1回目、2回目のスキャンで得られた各々の3次元ボクセルデータ内に含まれる特異点を検出し、これらの位置が相互に重なるように3Dボクセルデータをずらす。ずらしてから上述した手順によって最終3次元ボクセルデータの合成を行う。
【0060】
図6の例でいえば、そのようなずらしかたをした場合、例えばVBをずらすとすると、図7に示すように、アーチファクト領域は互いに同心円の位置関係となる。言い換えると、3次元ボクセルデータ内の特異点の検出と、位置重ねを行う代わりに、面ごとにアーチファクト領域が同心状になる作業を行うことによって、同じ目的を達成できる。要するに、被検体の構造分布はVA,VBともほぼ重なるので、あとは本発明でこれまで述べた最終3Dボクセルデータの合成をする。
【0061】
なお、本例では左右移動しかしていないが、上下方向に移動することも可能であり、また両方の動きを組み合わせることもできる。
【0062】
さらに、被検体2の体動が回転まで伴うような場合には、3次元ボクセルデータを回転させる必要が生じる。この場合において、被検体内に複数のアーチファクト源(複数の特異データ点)があるときには、各々がうまく重なるような回転方向と回転角を見つけることができ、被検体の不測の回転移動を検出することができる。
【0063】
[第2の実施形態]
(マーキング方法)
次いで、本発明の第2の実施形態に係る放射線撮像装置について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態に係る放射線撮像装置は、前述した第1の実施形態に係る放射線撮像装置1と同様である。すなわち、本実施形態に係る放射線撮像装置も、図1に示すように、被検体2を中心に回転する線源3が曝射する放射線を検出器4で検出し、投影データを生成し、これにより画像を再構成するものである。
【0064】
そして、特に本実施形態に係る放射線撮像装置は、再構成された画像に含まれるデータのうち特異的な値の投影データによって影響を受けたデータを指摘する表示手段を備えることを特徴とする。
【0065】
詳述すると、前述した第1の実施形態では、複数回のスキャンで、正常な方のデータを活用する方法を述べた。しかし、迅速な造影検査を行わねばならない場合など、複数回のスキャンの時間を許容できない場合がある。このような場合における、迅速且つ簡便な状況改善方法として次のことが可能である。
【0066】
前述したアーチファクト発生の態様を考えると、特異的な異常データの原因となる物体の位置が、投影データ上或いは3次元ボクセルデータ上で検知できれば、アーチファクトが影響を及ぼすボクセルの位置は、スキャン軌道に基づいて算出が可能であった。
【0067】
従って、システムが、予め決められた所定の限界値を超える異常の位置を、投影データ上あるいは3次元ボクセルデータ上で検知した場合に、アーチファクトが影響を及ぼすボクセル位置を算出し、画像をスクリーン上に表示する際に、要注意ゾーンとしてそのボクセルに何らかの印を表示する機能を持てば、誤診を招く危険が大幅に減少する。
【0068】
例えば、操作コンソールにボタンを設け、そのボタンを押すと、図8に示すような、赤い線が画像に重畳して表示され、その付近がアーチファクトの影響を受けていることを示し注意を喚起する。この場合において、異常原因となる個所の同定は画像観察者にまかせてもよい。
【0069】
すなわち、観察者がコンソール上で画像を観察しているとき、異常な値の画像部分を発見したら、その位置と広がりをシステムに入力し、それをもとに、それ以後の画像表示において、システムはそこからのアーチファクトの影響を受けたボクセルに対し、何らかの印を示すのである。
【0070】
このマーキングの分布は、円錐状の物体の切り口に相当する円状になる。アキシャル面でない場合、即ち線源回転軌道と平行した面でない場合には、アーチファクトが想定されるマーキング場所は円錐を斜めに切った切り口となる。
【0071】
なお、図8に示す例においてマーク81は、脳82のアキシャル断面80が歯の補綴物のアーチファクトによって影響を受けている範囲がこの辺りであり、この辺りの読影は注意を要する、と表示している。
【0072】
ここまで述べた、汚染されたボクセルデータの置換や汚染されたボクセルデータのマーキング処理を、ブロック図及びフローチャートを参照しつつ説明する。図9はかかる本実施形態に係る放射線撮像装置20のブロック図を示すものであり、図10はフローチャートを示すものである。
【0073】
同図において、スキャナ21は、X線源3、検出器4、検出器4からのデータをA/D変換するデータ収集系(図示せず)や、それらを搭載して回転する機構(図示せず)からなるものである。このスキャナ21は必要に応じて傾けることもできる。また、寝台6は、被検体2を乗せる台であり、必要に応じZ方向に移動することができる。
【0074】
寝台駆動系29は、寝台6を動かすモータなどを有するものであり、また、寝台6のZ方向位置のセンサーも含まれる。なお、スキャナ21と寝台6の駆動系30は、プロセッサ22からの指示に基づきスキャナ21や寝台6を動作させるとともに、スキャナ21や寝台6の状態情報をプロセッサ22に送付する機能も有する。
【0075】
プロセッサ22は、システム全体の統括制御や、対話装置を経由しての操作者との対話や、収集したデータのある程度の処理を行う機能や、再構成したボクセルデータを必要に応じ改変したりする機能を有する。
【0076】
対話装置27は、システムや画像に関する情報を表示し、操作者からの指示をマウスやキーボードなどで受け入れる装置である。メモリ23は、スキャナ21の検出力の大量かつ高速のデータを一旦収納するバッファーメモリである。また、収集したデータを大容量記憶装置から読み出してこのメモリ23に置き、プロセッサや画像再構成装置25にデータを引き渡すための機能を持つ。
【0077】
大容量記憶装置24は、メモリ23に入ってくるデータを読み出して蓄積するものであり、例えば磁気ディスクである。画像再構成装置25は、例えばコンボリューション演算や逆投影演算などの、画像再構成にあたって行われる大量は繰り返し計算を高速に行うための装置である。
【0078】
メモリ26は、再構成して得られたボクセルデータを置くための記憶装置である。メモリ23と分けて持つ必要は必ずしもなく、一つのメモリ装置をメモリ23と26に使い分けてもいい(領域の使い分けでもいいし、場合ごとの使い分けでもいい)。画像表示装置28は、メモリ26に置かれたボクセルデータを操作者の所望に応じた断面を、或いは場合により立体画像として、操作者に見せる装置である。
【0079】
このような構成の放射線撮像装置20による処理のフローチャートの説明をする。
【0080】
図10に示すように、処理が開始されると(S1000)、スキャナ21によるスキャンが開始される(S1001)。このスキャンとは、スキャナ21が回転動作により被検体2を透過したX線を測定したデータを収集する行為である。メモリ23経由で大容量記憶装置24にデータが蓄積される。
【0081】
次いで、前処理が行われる(S1002)。この前処理とは、検出器素子の個々の利得ばらつきを補正したり、あるいはCTで通常必要な対数変換などの処理である。これはメモリ23に読み出されたデータに対し、プロセッサ22が行う。
【0082】
前処理を経て、いわゆる投影データが得られる。この投影データに基づいて異常値検出を行う(判定1:S1003)。
【0083】
この判定1において、被検体2内に金属塊があると、投影データ上の金属塊の軌跡として正弦波上の軌跡が発生し、周囲に比べて異常な値が生じ、プロセッサ22はこれを検出する。
【0084】
なお、異常値が検出されず、金属塊が存在しないと判定した場合は、通常の画像再構成計算をしてVAを生成して(S1030)、判定1がYesであることを判断し(S1008)、処理を終了する(S1029)。
【0085】
一方、異常値が検出され、金属塊が存在すると判定したときは、周囲のデータを利用して穏当な値の投影データに置換する(S1004)。これで以後の再構成ではアーチファクトが抑制される(しかし汚染はある程度されている)。
【0086】
再構成計算でVAを得るプロセスは時間がかかるから、本実施形態では、ステップS1005以下の処理と平行してVAを生成するプロセス(S1006)を走らせておく。この場合、プロセッサ22の指示により画像再構成装置25が画像再構成処理を行う。
【0087】
そして、VAの計算が終了したら、プロセッサ22は、異常値があった場合は、それにより汚染されていると思われるボクセル位置を算出し、そのボクセルのデータに対しマーキングをする(S1007)。
【0088】
このマーキングは、例えば次のようにする。図11に示すように、1ボクセルのデータが16ビットで表されるとし、うち12ビットを画像値(X線CTなら、X線吸収係数に対応したいわゆるCT値)に充当し、残り4ビットをボクセル固有の付帯情報にあてる。このうち1ビットを汚染マークにあてる、1ならアーチファクトで汚染されている、0なら汚染されていない、とする。
【0089】
プロセッサ22は、VAの計算を再構成装置に行わせつつ、これと併行して、対策としてZ位置(あるいはチルト角)を変えた2度目のスキャンをするか操作者に問い(判定2:S1005)、NoならVAの算出を待ち、結果に対して汚染マークをつけるのみで終わる(S1008、S1029)。
【0090】
判定2において、Yesなら、すぐに寝台を動かして(S1009)、次のスキャンに移る(S1010)。このとき、操作者との対話で、次のスキャンにあたりいずれの方向にどれだけ移動させるかを決める。これは必ずしも自動でないほうがよい。操作者の関心がどの領域に集中しているかで選択が変わるからである。
【0091】
この判定2において、プロセッサ22は、異常投影データの位置から推定する汚染ボクセルの位置を対話装置ないし画像表示装置で操作者に表示する。例えば、図12に示すように、ボクセルの左端(Z座標最小)付近にアーチファクトがあったとする。この金属ピンよりの左には関心が無いならば、右に、コーンビームが金属ピンに引っかからない程度に、スキャン位置をずらせばよい(天板を左に動かす)。そうすれば、以後のプロセスにより金属アーチファクトのまったくないボクセルデータを得ることができる。即ち、金属ピンより右のアーチファクト領域に完全に救済される。
【0092】
左端にも診断上の関心がある場合には、図13に示すように、次のスキャン領域を左に移動させなければならない。このスキャンと、以後のプロセスにより、前回スキャンの結果のVAのアーチファクトで汚染されたボクセルは大部分救済される。
【0093】
そして、2回目のスキャンが終了した後、この2回目のスキャンで得られた検出器出力データに対し、プロセッサ22は、前処理(S1011)と、異常値検出(S1012)とを行う。異常値が検出されないときは、プロセッサ22は、VAの再構成(S1006)の完了を待ち、VBの再構成を再構成装置に行わせる(S1014)。一方、ステップ1012において異常値を検出したときは、近傍からの置換(S1013)を前回と同様に行う。そして、プロセッサ22は、VAの再構成(S1006)の完了を待ち、VBの再構成を再構成装置に行わせる(S1014)。そしてVBの汚染ボクセルを前回同様マーキングする(S1015)。
【0094】
次いで、VAとVBとからVCを合成するプロセスについて説明する。この合成はボクセルごとに一点一点行う。
【0095】
合成の際、スキャン位置が違う二つのボクセルデータであることから、ボクセル位置によっては片方にしかデータが存在しない部分が生じる。従って、先ず、処理に係る該ボクセルはVAとVBとの両方に存在するものであるか否かを判断する(S1016)。一方のみ存在する場合は、その位置のボクセル値は、一方のみに存在するほうの値をVCとして採用する(S1025)。そして、この一方のみのボクセルデータが汚染されているかを判断し(S1026)、汚染されているデータである場合にはVCにも汚染マークをつける(S1027)。
【0096】
ステップS1016において、両方にデータが存在するボクセルであると判断した場合には、VA又はVBのいずれか片方のみが汚染されてるのか否かを判断する。
【0097】
詳述すると、処理に係るボクセルがVA汚染ボクセルであるかを判断し(S1017)、VAの汚染ボクセルでない場合は、VBの汚染ボクセルであるかを判断する(S1022)。ステップS1017においてVAの汚染ボクセルであると判断した場合は、VBの方でも汚染されていないか判断する(S1018)。そして、いずれか片方のみが汚染されていると判断した場合には、汚染されていない他方のデータを持ってVCとする(S1021、S1023)。
【0098】
また、両方汚染されていないデータと判断した場合には、両者の平均値をもってVCの値とする(S1024)。両方汚染されているデータなら、例えば両者の平均をもってVCとし(S1019)、そのボクセルには汚染マークをつける(S1020)。
【0099】
以上の処理を繰り返し(S1028)、VCの全ボクセルについて行った後、合成処理を終了する(S1029)。なお、操作者は、VCを観察するにあたり、対話により、汚染されたボクセルがどこであるか画像上で見ることができる。
【0100】
また、VCを合成するとき、片方の値で置換したボクセルにはさらにマーキングを施し、置換されたボクセルか否かを操作者が確認できるようにすれば、さらに診断の的確性を向上することができる。
【0101】
[変形例]
以上述べた実施形態について、いくつかの変形例を述べる。
【0102】
(変形例1)
フローチャートとブロック図で、2回のスキャンを行い、VAとVBとからVCを合成する方法を述べた。しかし、VAとVBとを得たのみでVCは不要という場合もある。装置に委ねられて合成されたVCよりも、VAとVBとを各々照合することで診断をすることを好む操作者も存在するからである。この場合、1回目のスキャンで異常値を検出したとき、図10のステップS1005において、2回目のスキャンを行うかどうかの対話のみでなく、VCの合成をスキップするかの対話も行う。
【0103】
そして、VCの合成をスキップすることを選択した場合は、2回目のスキャンが終了した後、前処理(S1011)と異常値検出(S1012)とを行い、VAの再構成(S1006)の終了と汚染ボクセルのマーキング(S1007)の終了とを待ち、VBの生成を行い、汚染ボクセルのマーキング(S1015)を行い、これで終了とする。
【0104】
(変形例2)
被検体内に金属ピンなどの異常な放射線吸収物体がある場合の対策について、これまで述べた。しかし本発明は、被検体由来のアーチファクトではなく、装置起因のアーチファクトについても有用である。検出器の特定素子が一瞬異常動作を起こしたり、DASの中でAD変換を誤って突発的な異常データが発生したり、或いはデータ伝送の過程で雑音などでビット誤りを発生することがあり得る。
【0105】
このような場合、投影データ上の異常データは、被kんたいゆらいの異常データの正弦波的な軌跡を描かず、特異的な点状の異常データとなる。これの検出は周囲のデータと照合することにより、容易にできる。そしてこのような投影データによる3次元ボクセルデータの汚染は、被検体由来の場合円錐面状の分布をせず、一本の線となる。たまたまその線に沿った面を観察する場合は、その線がアーチファクトとして認識できるから誤診の危険はない。
【0106】
しかし、その線と交差する面を観察する場合には点状のアーチファクトとして見える。その点はコンボリューション計算の影響でやや広がりを持っている。このようなアーチファクトはアーチファクトとして認識されず、正確な診断を困難にする。しかし、このようなアーチファクトについても、本発明が適用できることは次の通りである。第1実施形態の場合でいえば、汚染ボクセルデータを円錐状でなく直線だとして該直線位置を一回目のスキャンで得たVA上に同定する。そして2回目のスキャンで得たボクセルデータでその直線上のボクセルデータを代替する。第2実施形態の場合でいえば、円錐面上ボクセルでなく直線上のボクセル汚染のマーキングをする。
【0107】
【発明の効果】
本発明に係る放射線撮像装置によれば、より正確な読影を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る放射線撮像装置を適用した第1の実施形態に係る放射線撮像装置の全体構造を示す斜視図である。
【図2】第1の実施形態に係る放射線撮像装置において、複数組の3次元ボクセルデータを相互に補完する手順を示す説明図である。
【図3】第1の実施形態に係る放射線撮像装置において、アーチファクトの影響を受けるデータの範囲を示す説明図である。
【図4】第1の実施形態に係る放射線撮像装置において、アーチファクトの影響を受けるデータの補完をする手順を示す説明図である。
【図5】第1の実施形態に係る放射線撮像装置の変更例を示す説明図である。
【図6】第1の実施形態に係る放射線撮像装置において、複数組の3次元ボクセルデータを相互に補完する手順を示す説明図である。
【図7】第1の実施形態に係る放射線撮像装置において、複数組の3次元ボクセルデータを相互に補完する手順を示す説明図である。
【図8】本発明に係る放射線撮像装置を適用した第2の実施形態に係る放射線撮像装置によって表示されたマーキングを示す説明図である。
【図9】第2の実施形態に係る放射線撮像装置のブロック図である。
【図10】第2の実施形態に係る放射線撮像装置における処理のフローチャート図である。
【図11】第2の実施形態に係る放射線撮像装置においてマーキングを行う際のデータ構造を模式的に示す説明図である。
【図12】第2の実施形態に係る放射線撮像装置において2回目のスキャンを行う際に、スキャナーを移動させるときの説明図である。
【図13】第2の実施形態に係る放射線撮像装置において2回目のスキャンを行う際に、スキャナーを移動させるときの説明図である。
【図14】従来の放射線撮像装置の説明図であり、(a)はその側面図であり、(b)はその検出器の上面図であり、(c)はz方向から見た正面図である。
【図15】従来の放射線撮像装置におけるアーチファクトの説明図である。
【図16】従来の放射線撮像装置により得られる3次元ボクセルデータ上におけるアーチファクトの説明図である。
【符号の説明】
1…放射線撮像装置、2…被検体、3…線源、4…検出器、5…検出素子

Claims (3)

  1. 被検体の周囲を回転する放射線発生源が曝射する放射線を、検出素子を格子状に配列して形成される検出器で検出することによりスキャンを行い、該スキャンの結果より一組の投影データを生成し、これにより画像を再構成する放射線撮像装置において、
    前記放射線発生源の回転軌道の前記被検体に対する相対位置を変化させて、複数回のスキャンを行い、この複数回のスキャン毎に画像を生成し、該複数の画像に含まれるボクセルデータのうち、所定のスレッシュホールドを超えた特異的な値の投影データにより影響を受けたボクセルデータを、このボクセルデータと同位置に対応する他の画像データに含まれるボクセルデータによって置換し、
    前記特異的な値の投影データにより影響を受けたボクセルデータは、前記特異的な値の投影データの位置又は前記特異的な値を含む投影データから生成した画像上の特異的値の位置と、前記スキャンの軌道とに基づいて検出されることを特徴とする放射線撮像装置。
  2. 前記特異的な値の投影データの位置、又は前記特異的な値を含む投影データから生成した画像上の特異的値の位置、を特定することにより、
    前記複数回のスキャンの間での被検体の移動を検出することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  3. 被検体の周囲を回転する放射線発生源が曝射する放射線を検出器で検出することによりスキャンを行い、該スキャンの結果より一組の投影データを生成し、これにより画像を再構成する放射線撮像装置において、
    前記画像に含まれるボクセルデータのうち、所定のスレッシュホールドを超えた特異的な値の投影データにより影響を受けたボクセルデータの位置を指摘する表示手段を備え、
    前記特異的な値の投影データにより影響を受けたボクセルデータは、前記特異的な値の投影データの位置又は前記特異的な値を含む投影データから生成した画像上の特異的値の位置と、前記スキャンの軌道とに基づいて検出されることを特徴とする放射線撮像装置。
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