JP4285173B2 - ゲート開閉機構 - Google Patents
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Description
このような、一般的なガラスハッチ付のテールゲートには、図5および図6に示すように、ガラスハッチ101を上方向に付勢し、操作者が小さな力でガラスハッチ101の開放できるようにするためのガススプリング(以下、ガラスハッチ用ガススプリング)102,102がテールゲート103内側のガラスハッチ101の両側に設けられるとともに、テールゲート103を上方向に付勢し、操作者が小さな力でテールゲート103を開放できるようにするためのガススプリング(以下、テールゲート用ガススプリング)104,104が、テールゲート103の両側と車体(図5では図示略)との間に介装されている。
このように、付勢手段とリンク機構との接続箇所である第6回動軸を第1リンク部材上に設けることで、第1ゲートおよび第2ゲートに共通の付勢手段を用いながら、第2ゲートに対する回動力の大きさを容易に任意に設定できる。
このように、付勢手段とリンク部材との接続箇所を第1リンク部材の中間部におけるいずれかの箇所とすることで、第1ゲートおよび第2ゲートに共通の付勢手段を用いながら、第2ゲートに対する付勢力の大きさを任意に設定できる。
これにより、第1ゲートが全閉状態であって第2ゲートが全開状態である場合に第2ゲートに作用する回動力よりも、第1ゲートが全開状態であって第2ゲートが全閉状態である場合に第1ゲートに作用する回動力の方が大きくなるような設定を容易に行なうことができる。
また、付勢手段とリンク部材との接続箇所である第6回動軸を第1リンク部材の中間部におけるいずれかの箇所とすることで、第1ゲートおよび第2ゲートに共通の付勢手段を用いながら、第2ゲートに対する付勢力の大きさを任意に設定できる(請求項3)。
また、このテールゲート3と車体1との間には図示しないテールゲート用のラッチ機構(テールゲート用ラッチ機構)が介装され、図1中実線で示すように、テールゲート3の下端3aを車体1に固定することによってテールゲート3の回動を固定し、テールゲート3を全閉状態で維持できるようになっている。一方、このテールゲート用ラッチ機構が解除された状態で、第1回動軸2を中心として、テールゲート3が上方へ引き上げられると、図1中一点鎖線(符号3″)で示すように、テールゲート3は開放され、車内に対して荷物などを出し入れできるようになっている。また、操作者によって全開状態のテールゲート3″が全閉状態になるまで引き下げられると、上記のテールゲート用ラッチ機構によってテールゲート3の下端3aと車体1とが固定されるようになっている。なお、本実施形態においては、操作者がテールゲート3を直接操作することによって、テールゲート3を開閉する場合を例にとって説明するが、電気モータなどの駆動手段によってテールゲート3を開閉するようにしてもよい。
また、ガラスハッチ5とテールゲート3との間には、図示しないガラスハッチ用のラッチ機構(ハッチ用ラッチ機構)が介装され、ガラスハッチ5が第2回動軸4を中心に回動しないようにテールゲート3に固定し、ガラスハッチ5を全閉状態で維持することができるようになっている。
したがって、従来のように、テールゲート用のガススプリングと、ガラスハッチ用のガススプリングとをそれぞれ独立して設ける必要が無いため、テールゲート3の軽量化が図られ、ガススプリング6の大型化を防ぐことができ、さらには、車内美観の向上、コストの抑制、後方視界の確保などに寄与することができるようになっている。
まず、上述の第1〜7回動軸2,4,21,22,9,7,23の軸心は車体1の幅方向に沿って設けられており、また、これらの軸2,4,21,22,9,7,23は互いに平行となるように配設されている。また、図1〜4に示すように、第1〜7回動軸2,4,21,22,9,7,23の軸線方向から見て、第5回動軸9と第6回動軸7とを通る仮想的な直線を「第1直線」12といい、第5回動軸9と第3回動軸21とを通る仮想的な直線を「第2直線」25といい、第5同動軸9と第1回動軸2とを通る仮想的な直線を「第3直線」26といい、第2回動軸4と第4回動軸22とを通る仮想的な直線を「第4直線」27とい、第1回動軸2と第6回動軸7とを通る仮想的な直線を「第5直線」28という。
また、第6回動軸7の位置設定により、ガラスハッチ5が全閉状態である場合にこのガラスハッチ5へ作用する回動力よりも、ガラスハッチ5が全開状態である場合にこのガラスハッチ5へ作用する回動力の方が大きくなるように設定することもできるようになっている。このように設定することにより、ガラスハッチ5の全開状態時にはガラスハッチ5の重量に応じた回動力をこのガラスハッチ5に対して作用させて、確実にガラスハッチ5を全開状態で保持可能としながら、全閉状態のガラスハッチ5が開放しはじめる際には小さな初期回動力をガラスハッチ5に作用させるように設定することができるので、過剰な勢いでガラスハッチ5が開放しはじめるような事態を防ぐことができるようになっている。
また、図2に示すように、テールゲート3およびガラスハッチ5が共に全閉状態である場合の第6回動軸7の位置は、第3直線26よりもテールゲート3の開放側(図2中右側)へオフセットするように設定されており、これにより、テールゲート3に作用する回動力は、第1回動軸2を中心に、図中反時計回り方向(即ち、テールゲート3の開放方向)に作用するようになっている。なお、テールゲート3が全閉状態のときに、テールゲート3に対する回動力が生じないように設定するには、第6回動軸7が第3直線26上に位置するように設定すればよい。また、テールゲート3の初期回動力を大きくするには、ガススプリング6の付勢力を大きくするか、もしくは、テールゲート3が全閉状態にある場合の第6回動軸7の位置を、第3直線26よりもテールゲート3の開放方向側にずらせば(つまり、第5距離L5をより大きく設定すれば)よい。このように初期回動力を大きく設定すれば、操作者がテールゲート3の下端3aと車体1とを固定していたテールゲート用ラッチ機構を解除するだけで、自動的にテールゲート3が開放するように設定することもできる。
このように設定することにより、ガラスハッチ5がテールゲート3に比して大幅に軽量であるような場合であっても、テールゲート3の全開状態時にはテールゲート3の重量に適した大きな回動力をこのテールゲート3に対して作用させて確実にテールゲート3を全開状態で保持可能とする一方、全閉状態のテールゲート3が開放しはじめる際には小さな初期回動力をテールゲート3に作用させて、過剰な勢いでテールゲート3が開放しはじめるような事態を防ぐことができるようになっている。
つまり、テールゲート3はその構造上かなり重量が重く、このような重いテールゲート3を全開状態で保持するための回動力を得るためには、ガススプリング6はある程度大きな付勢力を生じることが必要となる。一方、テールゲート3の重量に比べガラスハッチ5の重量はかなり軽いため、ガラスハッチ5を全開状態で保持するために必要な回動力はさほど大きくない。
また、ガススプリング6の他端6bが車体1の後部開口の第5回動軸9に枢着されるとともに、ガススプリング6の一端6aがリンク部材8の第1リンク部材8aの中間部における第6回動軸に枢着されているので、第1リンク部材8a上のいずれかの箇所において、この第6回動軸7の位置を変更するだけで、ガラスハッチ5に対するガススプリング6の付勢力によって生じる回動力の大きさを容易に変更することができるようになっている。
つまり、この第1リンク部材8aの回動力M1は、〔第3距離L3〕×〔付勢力F1の第5直線28の直交成分(F1cosθ)〕で規定される。したがって、ガラスハッチ5に作用させる回動力M2を増大させたいような場合には、第6回動軸7の位置を第3回動軸21から遠ざけ(即ち、第3距離L3を長く設定して第1リンク部材8aの全長である第4距離L4に近づけることで)、第1リンク部材8aに作用する回動力M1を増大させればよい。なお、ガラスハッチ5に作用させる回動力M2が最大となるように設定したい場合には、第3距離L3を最大(即ち、第3距離L3=第4距離L4となるように)設定すればよい。
つまり、第6回動軸7の配設位置を、第1リンク部材8a上で変化させれば、リンク機構8を介してガラスハッチ5に作用する持ち上げ力を、L3/L4だけ適宜減衰させることができるようになっている。
M1=L3×F1cosθ1=L4×F2 ・・・(1)
したがって、力F2は、下式(2)のように規定される。
このとき、この力F2は、第2リンク部材8bを介してガラスハッチ5の第4回動軸22に作用する。この第4回動軸22における上記の力F2に着目すると、この力F2は、第2リンク部材8bを介して第2回動軸4と第4回動軸22とを通る仮想直線である第6直線27に対して角度φをもって作用している。したがって、この力F2は第6直線27に沿う方向の力F2cosφと、第6直線27に直交する方向の力F2sinφとに分解できる。
M2=L2×F3=L2×F2sinφ ・・・(3)
なお、この式(3)に、上記の式(2)を代入すると以下のようになる。
M2=L2×(L3/L4)×F1cosθsinφ ・・・(4)
次に、図4を用いて、テールゲート3のみを開放する際に、リンク機構8およびガラスハッチ5を介してこのテールゲート3に作用する回動力M3について説明する。
したがって、この付勢力F1は、第5直線28に沿った方向の力であるF1sinθ2と、この軸線28に直交する方向の力であるF1cosθ2とに分解でき、第1リンク部材8aには、第1距離L1×F1cosθ2という回動力M3が第1回動軸2を中心に作用する。これにより、テールゲート3に作用する回動力M3は、下式(5)により求められる。
なお、上述したように、この回動力M3は、テールゲート3の回動中心である第1回動軸2と、ガススプリング6の付勢力F1の作用線である第1直線12との間の距離である第5距離L5の関係によっても、下式(6)に示すように求められる。
M3=L5×F1 ・・・(6)
そして、本実施形態では、M3>M2となるように、即ち、L5>L2×(L3/L4)cosθsinφとなるように、各リンクの長さや取り付け位置が設定されている。これにより、テールゲート3が全閉状態であってガラスハッチ5が全開状態である場合にガラスハッチ5に作用する回動力M2よりも、テールゲート3が全開状態であってガラスハッチ5が全閉状態である場合にテールゲート3に作用する回動力M3の方が大きくなる設定を簡単に行なうことができる。
まず、図2に示すように、テールゲート3およびガラスハッチ5の双方が全閉状態である場合には、第1〜7回動軸2,4,21,22,9,7,23の軸線方向から見て、第3回動軸21が第3直線26よりもテールゲート3の開放方向側に位置しているので、図1中矢印Aで示すように、全閉状態のテールゲート3に第1回動軸2を中心とした開放方向の回動力がガススプリング6によって作用し、操作者は少ない力でテールゲート3を開放することができる。
これにより、ガラスハッチ5とテールゲート3との間に介装されたリンク機構8が変位し、第6回動軸7が第2直線25よりもガラスハッチ5の開放側(図中右側)に移動すると、ガススプリング6による付勢力によって、第1リンク部材8aには第3回動軸21を中心に図中反時計方向への回動力が作用し、この回動力が、第1リンク部材8aの他端に設けられた第7回動軸23を介して第2リンク部材8bに伝達される。
そして、全開状態におけるテールゲート3に対する回動力M3の方が、全開状態におけるガラスハッチ5に対する回動力M2よりも大きくなるように設定されているので、テールゲート3を全開状態で維持するのに適切な回動力をテールゲート3に作用させながら、ガラスハッチ5を全開状態で維持するのに適した回動力をガラスハッチ5に作用させることができる。これにより、テールゲート3にくらべて強度の弱いガラスハッチ5を損傷させるような事態を回避することができ、さらに、操作者は小さい力で全開状態のガラスハッチ5を閉めることもできるようになっている。
また、ガススプリング6とリンク機構8との接続箇所を第1リンク部材8aのおけるいずれかの箇所とすることで、テールゲート3およびガラスハッチ5に共通のガススプリング6を用いながら、ガラスハッチ5に対する回動力の大きさを任意に容易に設定できる。
例えば、上述の実施形態においては、テールゲート3およびガラスハッチ5の双方が全閉状態である場合において、第6回動軸7が第1回動軸2と第5回動軸9とを通る第3直線26よりもテールゲート3の開方向側に位置するように構成したが、このような構成に限らず、例えば、テールゲート3およびガラスハッチ5の双方が全閉状態である場合において、第3回動軸7が第3直線26上に位置するように構成してもよい。これにより、全閉状態のテールゲート3にはガススプリング6の付勢力による回動力は作用せず、一方、操作者がテールゲート3を開放方向へ回動することに起因して、ガススプリング6によるテールゲート3の回動力が生じるように設定できる。そして、このように設定した場合、テールゲート3を車体1に対して固定するテールゲート用ラッチ機構を小型化できるとともに、このテールゲート用ラッチ機構故障したような場合であっても、テールゲート3には初期回動力が作用しないため、操作者が意図せずにテールゲート3が開放されるような事態を防ぐこともできる。
2 第1回動軸
3 テールゲート(第1ゲート)
4 第2回動軸
5 ガラスハッチ(第2ゲート)
6 ガススプリング(付勢手段)
7 第6回動軸
8 リンク機構
8a 第1リンク部材
8b 第2リンク部材
9 第5回動軸
12 第1直線
21 第3回動軸
22 第4回動軸
25 第2直線
26 第3直線
L1 第1距離
L2 第2距離
Claims (4)
- 固定部材に固定された第1回動軸に回動支持される第1ゲートと、
該第1ゲートに設けられた第2回動軸に回動支持される第2ゲートと、
該第1回動軸の近傍に配置され且つ該第1ゲートに設けられた第3回動軸に一端が回動支持される第1リンク部材と、該第2ゲートに設けられた第4回動軸と該第1リンク部材の他端との間に回動可能に介装される第2リンク部材とによって構成されるリンク機構と、
該固定部材に設けられた第5回動軸と該リンク機構に設けられた第6回動軸との間に介装され、該固定部材と該リンク機構との間で付勢力を発生させる付勢手段とをそなえ、
該付勢手段の付勢力が該リンク機構および該第2ゲートを介して該第1ゲートに作用することにより、該第1回動軸を中心に該第1ゲートを回動させる回動力が生じるように構成されている
ことを特徴とする、ゲート開閉機構。 - 該第6回動軸が該第1リンク部材に設けられる
ことを特徴とする、請求項1記載のゲート開閉機構。 - 該第6回動軸が、該第1リンク部材の一端と他端との間の中間部に設けられている
ことを特徴とする、請求項2記載のゲート開閉機構。 - 該第1ゲートを全開状態で保持するための回動力の方が、該第2ゲートを全開状態で保持するための回動力よりも、大きくなるように設定されている
ことを特徴とする、請求項1〜3のうちいずれか1項記載のゲート開閉機構。
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